JP2022057161A - テープ印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルヘッドによりテープを適切に加圧することができるテープ印刷装置を提供する。【解決手段】プラテンローラー105と係合するプラテン軸26と、プラテン軸26と係合したプラテンローラー105との間に挟持したテープ113に対して印刷を行うサーマルヘッド17と、回転軸57を有し、サーマルヘッド17を回転軸57を中心として回転可能に保持したヘッドホルダー33と、回転軸57を中心としてサーマルヘッド17と一体に回転可能に設けられ、サーマルヘッド17をプラテンローラー105に向けて加圧する加圧部材37と、を備え、加圧部材37は、サーマルヘッド17に向かって突出した凸部91、を有し、凸部91により、サーマルヘッド17をプラテンローラー105に向けて加圧する。【選択図】図4

Description

本発明は、サーマルヘッドを備えたテープ印刷装置に関するものである。
従来、特許文献1が開示するように、印刷ヘッドと、支点ピンを中心として回転可能に印刷ヘッドを保持したヘッド押圧部材と、を備えたテープ印刷装置が知られている。ヘッド押圧部材は、支点ピンを介して印刷ヘッドをプラテンに向けて加圧する。
特開2002-166606号公報
従来のテープ印刷装置では、ヘッド押圧部材が支点ピンを揺動中心として印刷ヘッドを加圧する構成であるため、支点ピンにより押された印刷ヘッドが、プラテンを受けとしてテープを加圧する。その結果、テープの幅が大きいとき、印刷ヘッドがテープを適切に加圧することができないおそれがある。
本発明のテープ印刷装置は、テープおよびプラテンローラーを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、プラテンローラーと係合するプラテン軸と、プラテン軸と係合したプラテンローラーとの間に挟持したテープに対して印刷を行うサーマルヘッドと、サーマルヘッドを、プラテンローラーとの間でテープを挟持する挟持位置と、プラテンローラーから離れた離隔位置と、の間で移動させるヘッド移動機構と、回転軸を有し、サーマルヘッドが挟持位置に移動したときにサーマルヘッドがプラテンローラーに倣うように、サーマルヘッドを回転軸を中心として回転可能に保持したヘッドホルダーと、回転軸を中心としてサーマルヘッドと一体に回転可能に設けられ、サーマルヘッドが挟持位置に移動したときにサーマルヘッドをプラテンローラーに向けて加圧する加圧部材と、を備え、加圧部材は、サーマルヘッドに向かって突出した凸部、を有し、凸部により、サーマルヘッドをプラテンローラーに向けて加圧する。
テープ印刷装置およびテープカートリッジの斜視図である。 印刷部の斜視図である。 印刷部の分解斜視図である。 印刷部を-X方向から見た図である。 印刷部を-Y方向から見た図である。 図5のA-A切断線による印刷部の断面図である。 第1変形例の加圧部材を-X方向から見た図である。 第2変形例の加圧部材を-X方向から見た図である。 第3変形例の加圧部材を-X方向から見た図である。 第4変形例の加圧部材を-X方向から見た図である。 第5変形例の加圧部材を-X方向から見た図である。 第6変形例の加圧部材を-X方向から見た図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、テープ印刷装置の一実施形態であるテープ印刷装置1について説明する。なお、以下では、各図に示したXYZ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
[テープ印刷装置およびテープカートリッジ]
図1に基づいて、テープ印刷装置1およびテープ印刷装置1に着脱可能に装着されるテープカートリッジ101について説明する。テープカートリッジ101は、テープコア103と、プラテンローラー105と、繰出しコア107と、巻取りコア109と、これらを収容したカートリッジケース111とを備えている。テープコア103には、テープ113が巻回されている。テープコア103から繰り出されたテープ113は、カートリッジケース111の-X方向の壁部に設けられたテープ送出口115からカートリッジケース111外に送り出される。繰出しコア107には、インクリボン117が巻回されている。繰出しコア107から繰り出されたインクリボン117は、巻取りコア109に巻き取られる。カートリッジケース111には、ヘッド挿通孔119が、Z方向に貫通して設けられている。
テープ印刷装置1は、装置ケース3と、装着部カバー5とを備えている。装置ケース3の+Z方向の面には、キーボード7と、ディスプレー9と、カートリッジ装着部11とが設けられている。
キーボード7は、ユーザーからの入力操作を受け付ける。入力操作には、例えば、ユーザーが印刷を所望する文字、記号等の印刷情報を入力する操作、印刷実行等の各種指示を入力する操作、などが含まれる。なお、テープ印刷装置1は、印刷情報や各種指示などを、キーボード7に対する入力操作に基づいて取得する構成に限定されず、パソコン或いはスマートフォンなどの外部装置から取得する構成でもよい。
ディスプレー9は、キーボード7から入力された印刷情報のほか、各種情報を表示する。カートリッジ装着部11は、+Z方向が開放された凹状に形成されており、テープカートリッジ101が着脱可能に装着される。
装着部カバー5は、装置ケース3の+Y方向の端部に回動可能に取り付けられており、カートリッジ装着部11を開閉する。装着部カバー5の内面には、+X方向の端部に位置する、カバー突起13が設けられている。カートリッジ装着部11の+X方向には、突起進入開口15が設けられている。突起進入開口15には、装着部カバー5が閉められたときに、カバー突起13が進入する。
カートリッジ装着部11には、サーマルヘッド17と、ヘッドカバー19とが設けられている。サーマルヘッド17は、発熱素子21(図3参照)を備え、テープ113に印刷を行う。ヘッドカバー19は、サーマルヘッド17を部分的に覆っている。テープカートリッジ101がカートリッジ装着部11に装着されると、ヘッド挿通孔119にサーマルヘッド17およびヘッドカバー19が挿入される。サーマルヘッド17は、ヘッド支軸23(図4参照)に支持されている。ヘッド支軸23の-Z方向の端部は、装置ケース3に内蔵されたベースプレート25(図4)に固定されている。すなわち、ヘッド支軸23は、-Z方向のみが支持された片持ち構造である。
また、カートリッジ装着部11の底面からは、プラテン軸26と巻取り軸27とが、+Z方向に突出している。プラテン軸26および巻取り軸27の-Z方向の端部は、ベースプレート25に固定されている。すなわち、プラテン軸26および巻取り軸27は、-Z方向のみが支持された片持ち構造である。
装置ケース3の-X方向の面には、テープ排出口28が設けられている。テープ排出口28からは、印刷済みのテープ113が排出される。カートリッジ装着部11とテープ排出口28との間には、カッター29が設けられている。カッター29は、テープ113を切断する。これにより、テープ113の印刷済み部分が切り離される。
カートリッジ装着部11にテープカートリッジ101が装着されると、プラテンローラー105にプラテン軸26が挿入され、プラテンローラー105とプラテン軸26とが係合する。これにより、モーター(図示省略)の回転がプラテン軸26を介してプラテンローラー105に伝達可能となる。
同様に、カートリッジ装着部11にテープカートリッジ101が装着されると、巻取りコア109に巻取り軸27が挿入され、巻取りコア109と巻取り軸27とが係合する。これにより、モーターの回転が巻取り軸27を介して巻取りコア109に伝達可能となる。
テープカートリッジ101がカートリッジ装着部11に装着された後、装着部カバー5が閉められると、後述するヘッド移動機構35(図2参照)により、サーマルヘッド17がプラテンローラー105に向かって移動する。これにより、サーマルヘッド17とプラテンローラー105との間に、テープ113およびインクリボン117が挟持される。この状態で、キーボード7から印刷実行の指示が入力されると、プラテンローラー105および巻取りコア109が回転し、テープ113およびインクリボン117が送られる。このとき、サーマルヘッド17が発熱することで、キーボード7から入力された印刷情報に基づく印刷画像が、テープ113に印刷される。
[印刷部]
図2ないし図6に基づいて、印刷部31について説明する。なお、図4では、プラテン軸26と、プラテンローラー105と、テープ113と、インクリボン117と、ヘッド支軸23と、ベースプレート25と、後述するヘッドリリースバネ81とを、2点鎖線により仮想的に示している。また、図4では、図示の都合上、後述するヘッドレバー77およびヘッド加圧バネ79を省略している。
印刷部31は、テープ113に印刷を行う。印刷部31は、上記のサーマルヘッド17のほか、ヘッドホルダー33と、ヘッド移動機構35と、加圧部材37とを備えている。
サーマルヘッド17は、ヘッド基板39と、ヘッド放熱板41とを備えている。
ヘッド基板39は、Z方向に長い略長方形の板状に形成されている。ヘッド基板39は、複数の発熱素子21を備えている。複数の発熱素子21は、ヘッド基板39の+Y方向の面において、-X方向の端部に位置して、Z方向に並んで設けられている。プラテン軸26に係合したプラテンローラー105とサーマルヘッド17との間に、テープ113およびインクリボン117が挟持された状態で(図4参照)、発熱素子21が発熱することにより、インクリボン117のインクがテープ113に転写され、印刷画像がテープ113に印刷される。
ヘッド放熱板41は、ヘッド基板39と接合されており、ヘッド基板39で発生した熱を放熱する。ヘッド放熱板41は、金属など放熱性の高い材料で構成されている。ヘッド放熱板41は、放熱本体部43と、2つの放熱側支軸挿通部45と、2つの放熱側回転軸挿通部47とを備えている。
放熱本体部43は、Z方向に長い略長方形の板状に形成されている。放熱本体部43の+Y方向の面に、ヘッド基板39が設けられている。放熱本体部43の-X方向且つ-Z方向の角部には、略長方形に切り欠かれた切欠き部49が設けられている。
2つの放熱側支軸挿通部45は、放熱本体部43の+X方向の端部において、放熱本体部43の+Z方向の端部と-Z方向の端部とに設けられている。各放熱側支軸挿通部45には、放熱側支軸挿通穴51が設けられている。2つの放熱側支軸挿通穴51には、ヘッド支軸23が挿通している。ヘッド放熱板41は、ヘッド支軸23を中心として回転可能にヘッド支軸23に支持されている。
2つの放熱側回転軸挿通部47は、放熱本体部43のZ方向略中間部において、放熱本体部43の+X方向の端部および-X方向の端部近傍から-Y方向に突出している。各放熱側回転軸挿通部47には、放熱側回転軸挿通穴53が設けられている。2つの放熱側回転軸挿通穴53には、後述する回転軸57が挿通している。ヘッド放熱板41は、回転軸57を中心として微小角度回転可能に構成されている。各放熱側支軸挿通穴51とヘッド支軸23との間には、ヘッド放熱板41が回転軸57を中心として微小角度回転可能な程度に、隙間が存在している。
ヘッドホルダー33は、サーマルヘッド17および加圧部材37を保持している。ヘッドホルダー33は、ホルダー本体55と、回転軸57とを備えている。
ホルダー本体55は、回転軸57を介して、サーマルヘッド17および加圧部材37を保持している。ホルダー本体55は、第1ホルダー部59と、第2ホルダー部61と、ホルダー側バネ係合部65と、2つのホルダー側支軸挿通部67と、2つのホルダー側回転軸挿通部69とを備えている。
第1ホルダー部59は、略「L」字型の板状に形成されている。第2ホルダー部61は、第1ホルダー部59の-Z方向の端部から、+X方向へ延出し、且つ+Y方向へ湾曲して設けられている。第2ホルダー部61の+X方向且つ+Y方向の端部には、ホルダー側バネ係合部65が+Z方向に突出して設けられている。ホルダー側バネ係合部65には、ホルダー側バネ係合穴71が設けられている。ホルダー側バネ係合穴71には、ヘッド加圧バネ79の+Y方向の端部が係合している。
2つのホルダー側支軸挿通部67は、第1ホルダー部59の+X方向の端部において、第1ホルダー部59の+Z方向の端部と-Z方向の端部とに設けられている。2つのホルダー側支軸挿通部67は、2つの放熱側支軸挿通部45の外側に位置している。各ホルダー側支軸挿通部67には、ホルダー側支軸挿通穴73が設けられている。2つのホルダー側支軸挿通穴73には、ヘッド支軸23が挿通している。ヘッドホルダー33は、ヘッド支軸23を中心として回転可能にヘッド支軸23に支持されている。
2つのホルダー側回転軸挿通部69は、第1ホルダー部59のZ方向略中間部において、第1ホルダー部59の+X方向の端部および-X方向の端部から+Y方向に突出している。+X方向のホルダー側回転軸挿通部69は、+X方向の放熱側回転軸挿通部47に対して-X方向に設けられ、-X方向のホルダー側回転軸挿通部69は、-X方向の放熱側回転軸挿通部47に対して-X方向に設けられている(図6参照)。各ホルダー側回転軸挿通部69には、ホルダー側回転軸挿通穴75が設けられている。2つのホルダー側回転軸挿通穴75には、回転軸57が挿通している。
回転軸57は、X方向に延在しており、2つの放熱側回転軸挿通穴53と、2つのホルダー側回転軸挿通穴75と、後述する加圧側回転軸挿通穴93とを貫通している(図6参照)。回転軸57は、-X方向のホルダー側回転軸挿通部69に固定されており、ヘッド放熱板41および加圧部材37を回転可能に支持している。
ヘッド移動機構35は、装着部カバー5の開閉動作に連動して、サーマルヘッド17を、挟持位置と離隔位置との間で移動させる。すなわち、ヘッド移動機構35は、装着部カバー5が閉められると、サーマルヘッド17を挟持位置へ移動させ、装着部カバー5が開けられると、サーマルヘッド17を離隔位置へ移動させる。なお、挟持位置とは、サーマルヘッド17がプラテンローラー105との間でテープ113およびインクリボン117を挟持する位置を意味する。離隔位置とは、サーマルヘッド17がプラテンローラー105から離れた位置を意味する。
ヘッド移動機構35は、ヘッドレバー77と、ヘッド加圧バネ79と、ヘッドリリースバネ81とを備えている。
ヘッドレバー77は、装着部カバー5の開閉動作を、ヘッドホルダー33の回転動作に変換する。ヘッドレバー77は、略三角形の板状に形成されている。ヘッドレバー77は、レバー支軸係合部83と、レバー側バネ係合部85とを備えている。レバー支軸係合部83は、ヘッドレバー77の-Y方向且つ+Z方向の端部に設けられている。レバー支軸係合部83には、X方向に延在するレバー支軸(図示省略)が係合している。ヘッドレバー77は、レバー支軸により回転可能に支持されている。レバー側バネ係合部85は、ヘッドレバー77の-Z方向の端部に設けられている。レバー側バネ係合部85には、ヘッド加圧バネ79の-Y方向の端部が係合している。
ヘッド加圧バネ79は、ヘッドホルダー33に保持されたサーマルヘッド17が、プラテン軸26と係合したプラテンローラー105に向けて加圧されるように、ヘッドホルダー33に力を付与する。ヘッド加圧バネ79は、ヘッドレバー77とヘッドホルダー33との間に設けられている。ヘッド加圧バネ79としては、例えば、引っ張りコイルバネを用いることができる。
ヘッドリリースバネ81は、ヘッド支軸23に設けられており(図4参照)、ヘッドホルダー33に対して、+Z方向から見てヘッド支軸23を中心として反時計回りに回転する方向に力を付与している。このため、サーマルヘッド17は、装着部カバー5が開けられた状態では、離隔位置に位置している。ヘッドリリースバネ81としては、例えば、ねじりコイルばねを用いることができる。
装着部カバー5が閉められると、突起進入開口15から進入したカバー突起13が、ヘッドレバー77の+Z方向の面に当たる。これにより、ヘッドレバー77が、+X方向から見て、レバー支軸を中心として時計回りに回転することで、ヘッド加圧バネ79が伸長する。そのため、ヘッドホルダー33のホルダー側バネ係合部65が、ヘッド加圧バネ79を介して、-Y方向に引っ張られる。その結果、ヘッドホルダー33が、ヘッドリリースバネ81に抗して、+Z方向から見てヘッド支軸23を中心として時計回りに回転する。これにより、ヘッドホルダー33に保持されたサーマルヘッド17が、挟持位置へ移動する。サーマルヘッド17は、伸長したヘッド加圧バネ79の弾性力により、プラテンローラー105に向けて加圧される。
このとき、プラテン軸26に係合したプラテンローラー105の軸方向がプラテン軸26の軸方向に対して傾いていたとしても、上述したようにヘッド放熱板41が回転軸57を中心として回転可能であるため、サーマルヘッド17がプラテンローラー105に倣うように、サーマルヘッド17が回転軸57を中心として回転する。これにより、プラテンローラー105の軸方向すなわちテープ113の幅方向において、テープ113に対するサーマルヘッド17の加圧力を均一化することができる。したがって、テープ113の幅方向において、印刷画像の印刷濃度を均一化することができ、印刷画像にカスレなどの印刷不良が発生することを抑制することができる。なお、サーマルヘッド17がプラテンローラー105に倣うとは、サーマルヘッド17に設けられた複数の発熱素子21の延在方向が、プラテンローラー105の軸方向と平行になるように、サーマルヘッド17が傾斜することを意味する。
加圧部材37は、サーマルヘッド17が挟持位置に移動したときに、サーマルヘッド17をプラテンローラー105に向けて加圧する。加圧部材37は、第1加圧部87と、第2加圧部89と、2つの凸部91とを備えている。
第1加圧部87は、Z方向に細長い略長方形の板状に形成されている。第1加圧部87は、Y方向においては、ヘッド放熱板41の放熱本体部43と、ヘッドホルダー33の第1ホルダー部59と、の間に位置している。また、第1加圧部87は、X方向においては、ヘッド放熱板41の-X方向の放熱側回転軸挿通部47と、ヘッドホルダー33の-X方向のホルダー側回転軸挿通部69と、の間に位置している。第1加圧部87のZ方向略中間部には、加圧側回転軸挿通穴93が設けられている。加圧側回転軸挿通穴93には、回転軸57が挿通している。すなわち、加圧部材37は、回転軸57を中心として回転可能に回転軸57に支持されている。
第2加圧部89は、第1加圧部87の-Z方向の端部から、+X方向に屈曲して設けられ、+Y方向に突出している。第2加圧部89は、ヘッド放熱板41の-Z方向の端面、すなわち、ヘッド放熱板41の放熱本体部43に設けられた切欠き部49の縁部、と所定の間隔を有している。加圧部材37とサーマルヘッド17との組立時に、第2加圧部89の-Z側の面を作業台等の平面上に載置することにより、加圧部材37とサーマルヘッド17との組立性を向上させることができる。また、第2加圧部89を設けることにより、加圧部材37の熱容量が増大し、また、加圧部材37と雰囲気との接触面積が増大する。よって、ヘッド放熱板41から2つの凸部91を介して加圧部材37へ伝達された熱の放熱性が向上するため、サーマルヘッド17の放熱性を向上させることができる。
2つの凸部91は、サーマルヘッド17が挟持位置に移動したときに、サーマルヘッド17をプラテンローラー105に向けて加圧する部位となる。2つの凸部91は、第1加圧部87の+Y方向の面に設けられ、+Y方向に向かって、すなわちヘッド放熱板41に向かって、略半球状に突出している。2つの凸部91のうち、一方の凸部91は、第1加圧部87の+Z方向の端部に設けられ、他方の凸部91は、加圧側回転軸挿通穴93と第1加圧部87の-Z方向の端部との略中間部に設けられている(図3および図4参照)。すなわち、2つの凸部91のうち、一方の凸部91は、回転軸57に対して、+Z方向に設けられ、他方の凸部91は、回転軸57に対して、-Z方向に設けられている。
ここで、サーマルヘッド17が挟持位置に移動してプラテンローラー105に突き当たると、上述したように、サーマルヘッド17がプラテンローラー105に倣うように回転軸57を中心として回転する。このとき、加圧部材37は、2つの凸部91において、ヘッド放熱板41と接している。これにより、加圧部材37が、サーマルヘッド17に押されて、サーマルヘッド17と一体に回転軸57を中心として回転する。また、ホルダー本体55に固定された回転軸57が、回転軸57に支持された加圧部材37をプラテンローラー105に向けて加圧する。このため、加圧部材37に設けられた2つの凸部91が、サーマルヘッド17をプラテンローラー105に向けて加圧する。その結果、2つの凸部91により押されたサーマルヘッド17が、プラテンローラー105を受けとしてテープ113を加圧する。
ここで、本実施形態とは異なり、印刷部31が加圧部材37を備えておらず、サーマルヘッド17が回転軸57により直接押される構成であると、テープ113の+Z方向の端部において、印刷画像にカスレなどの印刷不良が生じるおそれがある。これは、上述したように、サーマルヘッド17がプラテンローラー105に倣うように回転軸57を中心として回転することで、テープ113の幅方向においてテープ113に対するサーマルヘッド17の加圧力が均一化されるものの、プラテン軸26およびヘッド支軸23が、-Z方向のみが支持された片持ち構造であることから、テープ113に対するサーマルヘッド17の加圧力が+Z方向で小さくなりやすいためである。
これに対し、本実施形態では、サーマルヘッド17が、回転軸57に対して+Z方向に設けられた凸部91と回転軸57に対して-Z方向に設けられた凸部91とにより押される構成であるため、サーマルヘッド17は、2つの凸部91が並んだ方向すなわちテープ113の幅方向において、テープ113をバランス良く加圧することができる。したがって、テープ113に印刷された印刷画像にカスレなどの印刷不良が生じることを抑制することができる。
図6に示すように、回転軸57と加圧側回転軸挿通穴93とは接しているのに対し、回転軸57と放熱側回転軸挿通穴53との間には、隙間が生じている。このため、回転軸57は、加圧部材37をプラテンローラー105に向けて加圧するが、ヘッド放熱板41をプラテンローラー105に向けて直接加圧することはない。すなわち、回転軸57は、加圧部材37を介してヘッド放熱板41を加圧する。
また、サーマルヘッド17が離隔位置に移動するとき、すなわち、ホルダー本体55が+Z方向から見て反時計回りに回転するときに、回転軸57および回転軸57に支持された加圧部材37が、回転軸57と放熱側回転軸挿通穴53との間の隙間分、ヘッド放熱板41に対して-Y方向に移動する。このため、サーマルヘッド17が離隔位置に移動したときには、2つの凸部91は、ヘッド放熱板41から離れている。すなわち、2つの凸部91は、サーマルヘッド17が挟持位置に移動したときのみ、ヘッド放熱板41と接している。
以上のように、本実施形態によれば、サーマルヘッド17が挟持位置に移動したときに、サーマルヘッド17がプラテンローラー105に倣うように、回転軸57を中心としてサーマルヘッド17および加圧部材37が一体に回転すると共に、回転軸57とは別に設けられた凸部91により押されたサーマルヘッド17が、プラテンローラー105を受けとしてテープ113を加圧する。したがって、凸部91を所望の位置に配置することで、サーマルヘッド17がテープ113を適切に加圧することができる。これにより、テープ113に印刷された印刷画像にカスレなどの印刷不良が生じることを抑制することができる。
[その他の変形例]
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。また、実施形態や変形例を、それぞれ組み合わせた構成でもよい。
加圧部材37は、プラテン軸26の軸方向において異なる位置に設けられた2つの凸部91を備えているが、2つの凸部91が設けられる位置は、図3および図4に示した位置に限定されるものではない。例えば、図7に示す第1変形例の加圧部材37aのように、一方の凸部91が、第1加圧部87の+Z方向の端部に設けられ、他方の凸部91が、第1加圧部87の-Z方向の端部に設けられた構成でもよい。図8に示す第2変形例の加圧部材37bのように、一方の凸部91が、加圧側回転軸挿通穴93と第1加圧部87の+Z方向の端部との略中間部に設けられ、他方の凸部91が、加圧側回転軸挿通穴93と第1加圧部87の-Z方向の端部との略中間部に設けられた構成でもよい。図9に示す第3変形例の加圧部材37cのように、一方の凸部91が、第1加圧部87の+Z方向の端部に設けられ、他方の凸部91が、第1加圧部87の-Z方向の端部近傍に設けられた構成でもよい。図10に示す第4変形例の加圧部材37dのように、一方の凸部91が、加圧側回転軸挿通穴93と第1加圧部87の+Z方向の端部との略中間部に設けられ、他方の凸部91が、第1加圧部87の-Z方向の端部近傍に設けられた構成でもよい。また、図示しないが、2つの凸部91のいずれとも、加圧側回転軸挿通穴93に対して+Z方向に設けられた構成でもよく、2つの凸部91のいずれとも、加圧側回転軸挿通穴93に対して-Z方向に設けられた構成でもよい。また、図示しないが、2つの凸部91の一方が、Z方向において加圧側回転軸挿通穴93と同じ位置に設けられた構成でもよい。
このように、加圧部材37がプラテン軸26の軸方向において異なる位置に設けられた2つの凸部91を備えていることで、2つの凸部91により押されたサーマルヘッド17が、プラテンローラー105を受けとしてテープ113を加圧する。したがって、サーマルヘッド17が幅の大きい例えば36mm幅のテープ113に対して印刷を行う場合にも、テープ113に対するサーマルヘッド17の加圧力を、2つの凸部91が並んだ方向すなわちテープ113の幅方向において、均一化することができる。
加圧部材37は、プラテン軸26の軸方向において異なる位置に設けられた2つの凸部91を備えた構成に限定されるものではない。例えば、図11に示す第5変形例の加圧部材37eのように、1つの凸部91を備えた構成でもよい。また、図12に示す第6変形例の加圧部材37fのように、プラテン軸26の軸方向において異なる位置に設けられた少なくとも3つの凸部91を備えた構成でもよい。この構成によれば、少なくとも3つの凸部91に押されたサーマルヘッド17が、プラテンローラー105を受けとしてテープ113を加圧する。したがって、幅の異なる複数種類のテープ113が存在する場合に、いずれの幅のテープ113に対しても、サーマルヘッド17によりテープ113を適切に加圧することができる。なお、加圧部材37が1つの凸部91を備えた構成、或いは、加圧部材37が少なくとも3つの凸部91を備えた構成についても、加圧部材37が2つの凸部91を備えた構成と同様に、凸部91が設けられる位置は、特に限定されるものではない。
凸部91の位置或いは個数が異なる複数種類の加圧部材37を用意しておき、ユーザーが、所望の加圧部材37に交換可能な構成としてもよい。例えば、ユーザーは、幅の小さい例えば9mm幅のテープ113を収容したテープカートリッジ101をカートリッジ装着部11に装着する際には、1つの凸部91を備えた加圧部材37に交換する。また、ユーザーは、幅の大きい例えば36mm幅のテープ113を収容したテープカートリッジ101をカートリッジ装着部11に装着する際には、2つ或いは3つの凸部91を備えた加圧部材37に交換する。
テープ印刷装置1は、凸部91の位置或いは個数が異なる複数種類の加圧部材37を備え、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ101に収容されたテープ113の幅に応じて、加圧部材37を切り替える構成でもよい。なお、テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ101に収容されたテープ113の幅を、例えば、カートリッジ装着部11に設けられたセンサーにより取得してもよく、キーボード7などから入力された情報に基づいて取得してもよい。
テープ印刷装置1は、個別に進退可能な複数の凸部91が設けられた加圧部材37を備え、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ101に収容されたテープ113の幅に応じて各凸部91を進退させることで、サーマルヘッド17を加圧する凸部91の位置或いは個数を選択可能な構成としてもよい。
[付記]
以下、テープ印刷装置について付記する。
テープ印刷装置は、テープおよびプラテンローラーを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、プラテンローラーと係合するプラテン軸と、プラテン軸と係合したプラテンローラーとの間に挟持したテープに対して印刷を行うサーマルヘッドと、サーマルヘッドを、プラテンローラーとの間でテープを挟持する挟持位置と、プラテンローラーから離れた離隔位置と、の間で移動させるヘッド移動機構と、回転軸を有し、サーマルヘッドが挟持位置に移動したときにサーマルヘッドがプラテンローラーに倣うように、サーマルヘッドを回転軸を中心として回転可能に保持したヘッドホルダーと、回転軸を中心としてサーマルヘッドと一体に回転可能に設けられ、サーマルヘッドが挟持位置に移動したときにサーマルヘッドをプラテンローラーに向けて加圧する加圧部材と、を備え、加圧部材は、サーマルヘッドに向かって突出した凸部、を有し、凸部により、サーマルヘッドをプラテンローラーに向けて加圧する。
この構成によれば、サーマルヘッドが挟持位置に移動したときに、サーマルヘッドがプラテンローラーに倣うように、回転軸を中心としてサーマルヘッドおよび加圧部材が一体に回転すると共に、回転軸とは別に設けられた凸部により押されたサーマルヘッドが、プラテンローラーを受けとしてテープを加圧する。したがって、凸部を所望の位置に配置することで、サーマルヘッドによりテープを適切に加圧することができる。
この場合、加圧部材は、プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた2つの凸部を有することが好ましい。
この構成によれば、プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた2つの凸部により押されたサーマルヘッドが、プラテンローラーを受けとしてテープを加圧する。したがって、サーマルヘッドが幅の大きいテープに対して印刷を行う場合にも、テープに対するサーマルヘッドの加圧力を、2つの凸部が並んだ方向すなわちテープの幅方向において、均一化することができる。
この場合、加圧部材は、プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた少なくとも3つの凸部を有することが好ましい。
この構成によれば、プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた少なくとも3つの凸部により押されたサーマルヘッドが、プラテンローラーを受けとしてテープを加圧する。したがって、幅の異なる複数種類のテープのいずれに対しても、サーマルヘッドによりテープを適切に加圧することができる。
この場合、加圧部材は、プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた複数の凸部を有し、複数の凸部のうち、少なくとも1つの凸部は、回転軸に対して、プラテン軸の軸方向の一方である第1方向に設けられ、他の少なくとも1つの凸部は、回転軸に対して、第1方向とは反対の第2方向に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、回転軸に対して第1方向に設けられた凸部と、回転軸に対して第2方向に設けられた凸部と、により押されたサーマルヘッドが、プラテンローラーを受けとしてテープを加圧する。したがって、サーマルヘッドは、2つの凸部が並んだ方向すなわちテープの幅方向において、テープをバランス良く加圧することができる。
なお、+Z方向は、「第1方向」の一例であり、-Z方向は、「第2方向」の一例である。
この場合、加圧部材は、凸部が設けられた第1加圧部と、第1加圧部の端部に屈曲して設けられた第2加圧部と、を有することが好ましい。
この構成によれば、加圧部材とサーマルヘッドとの組立時に、第2加圧部の-Z側の面を作業台等の平面上に載置することにより、加圧部材とサーマルヘッドとの組立性を向上させることができる。また、第2加圧部を設けることにより、加圧部材の熱容量が増大し、また、加圧部材と雰囲気との接触面積が増大する。よって、サーマルヘッドから凸部を介して加圧部材へ伝達された熱の放熱性が向上するため、サーマルヘッドの放熱性を向上させることができる。
この場合、凸部は、サーマルヘッドが離隔位置に移動したときに、サーマルヘッドから離れることが好ましい。
この構成によれば、サーマルヘッドが挟持位置に移動したときのみ、凸部がサーマルヘッドと接する。
1…テープ印刷装置、11…カートリッジ装着部、17…サーマルヘッド、26…プラテン軸、33…ヘッドホルダー、35…ヘッド移動機構、37…加圧部材、57…回転軸、87…第1加圧部、89…第2加圧部、91…凸部、101…テープカートリッジ、105…プラテンローラー、113…テープ。

Claims (6)

  1. テープおよびプラテンローラーを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
    前記プラテンローラーと係合するプラテン軸と、
    前記プラテン軸と係合した前記プラテンローラーとの間に挟持した前記テープに対して印刷を行うサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドを、前記プラテンローラーとの間で前記テープを挟持する挟持位置と、前記プラテンローラーから離れた離隔位置と、の間で移動させるヘッド移動機構と、
    回転軸を有し、前記サーマルヘッドが前記挟持位置に移動したときに前記サーマルヘッドが前記プラテンローラーに倣うように、前記サーマルヘッドを前記回転軸を中心として回転可能に保持したヘッドホルダーと、
    前記回転軸を中心として前記サーマルヘッドと一体に回転可能に設けられ、前記サーマルヘッドが前記挟持位置に移動したときに前記サーマルヘッドを前記プラテンローラーに向けて加圧する加圧部材と、を備え、
    前記加圧部材は、前記サーマルヘッドに向かって突出した凸部、を有し、前記凸部により、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラーに向けて加圧することを特徴とするテープ印刷装置。
  2. 前記加圧部材は、前記プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた2つの前記凸部を有することを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
  3. 前記加圧部材は、前記プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた少なくとも3つの前記凸部を有することを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
  4. 前記加圧部材は、前記プラテン軸の軸方向において異なる位置に設けられた複数の前記凸部を有し、
    複数の前記凸部のうち、少なくとも1つの前記凸部は、前記回転軸に対して、前記プラテン軸の軸方向の一方である第1方向に設けられ、他の少なくとも1つの前記凸部は、前記回転軸に対して、前記第1方向とは反対の第2方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
  5. 前記加圧部材は、
    前記凸部が設けられた第1加圧部と、
    前記第1加圧部の端部に屈曲して設けられた第2加圧部と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
  6. 前記凸部は、前記サーマルヘッドが前記離隔位置に移動したときに、前記サーマルヘッドから離れることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
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