JP2022049678A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)無機イオン交換体と、(E)反応性希釈剤と、を含む感光性樹脂組成物であり、
前記(D)無機イオン交換体が、陽イオン交換体及び両イオン交換体からなる群から選択される少なくとも1種である感光性樹脂組成物。
[2]前記(D)無機イオン交換体が、Zr系の陽イオン交換体である[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、(A-1)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基にポリイソシアネート化合物を付加反応させ、さらに付加反応したポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、水酸基とカルボキシル基を有する化合物を付加反応させて得られる構造を有する酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂、(A-2)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の直鎖状または分岐状脂肪族カルボン酸とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和カルボン酸化エポキシ樹脂に、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を付加させて得られる構造を有する酸変性長鎖炭化水素構造含有エポキシ樹脂、及び(A-3)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を反応させて得られる構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、該(A)カルボキシル基含有感光性樹脂中に、前記(A-2)酸変性長鎖炭化水素構造含有エポキシ樹脂を50質量%超100質量%未満含み、前記(A-1)酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と前記(A-3)多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を合計で0質量%超50質量%未満含む[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(A-3)多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂が、(A-3―2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂である[4]に記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(A-3)多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂が、(A-3―1)ビフェニル型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と、(A-3―2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と、を含み、
前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、該(A)カルボキシル基含有感光性樹脂中に、(A-3―1)ビフェニル型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を50質量%超100質量%未満含み、前記(A-1)酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と前記(A-3―2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を合計で0質量%超50質量%未満含む[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]前記(D)無機イオン交換体が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0質量部以上30質量部以下含まれる[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[8]さらに、無機フィラーを含む[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[9]前記(C)エポキシ化合物が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[10]前記(E)反応性希釈剤が、分子量700以上1600以下のジペンタエリスリトールポリカプロラクトンヘキサ(メタ)アクリレートである[1]乃至[9]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[11][1]乃至[10]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
[12][11]に記載の硬化物を備えたプリント配線板。
(A)成分であるカルボキシル基含有感光性樹脂は、感光性樹脂組成物のベース樹脂である。(A)成分であるカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、(A-1)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基にポリイソシアネート化合物を付加反応させ、さらに付加反応したポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、水酸基とカルボキシル基を有する化合物を付加反応させて得られる構造を有する酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂(以下、「A-1樹脂」ということがある。)、(A-2)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の直鎖状または分岐状脂肪族カルボン酸とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和カルボン酸化エポキシ樹脂に、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を付加させて得られる構造を有する酸変性長鎖炭化水素構造含有エポキシ樹脂(以下、「A-2樹脂」ということがある。)、(A-3)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を反応させて得られる構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂(以下、「A-3樹脂」ということがある。)等を挙げることができる。上記したA-1樹脂、A-2樹脂、A-3樹脂を用いることにより、感光性樹脂組成物の硬化物は、優れた耐金めっき性を確実に得ることができる。
多官能エポキシ樹脂
多官能エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト-クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸(以下、アクリル酸及び/またはメタクリル酸を「(メタ)アクリル酸」ということがある。)、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物は、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2-ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3-ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水酸基とカルボキシル基を有する化合物は、特に限定されないが、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロールヘプタン酸等のジメチロールアルカン酸といったジアルカノールアルカン酸を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能エポキシ樹脂
多官能エポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、A-1樹脂と同じく、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト-クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、感光性樹脂組成物の硬化物の感光性、柔軟性及び絶縁信頼性の点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である直鎖状または分岐状脂肪族カルボン酸は、多官能エポキシ樹脂のエポキシ基に反応して、多官能エポキシ樹脂に上記脂肪族カルボン酸由来の長鎖炭化水素構造が導入されることで、感光性樹脂を含む感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性、絶縁信頼性を向上させることができる。カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である直鎖状または分岐状脂肪族カルボン酸は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。上記脂肪族カルボン酸には、例えば、炭素数が10以上の一塩基酸、炭素数20以上の二塩基酸が挙げられ、柔軟性と指触乾燥性の両立の点から、上記一塩基酸及び二塩基酸は、直鎖状または炭素数2以下の側鎖を2本以下有する分岐状が好ましい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、A-1樹脂と同じく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、その下限値は、感度をより向上させ、また、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の導入量と固形分酸価を調整する点から2.0質量%が好ましく、3.0質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるカルボン酸の導入量を維持し、また、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の導入量を調整して固形分酸価を調整する点から10質量%が好ましく、5.0質量%が特に好ましい。
多塩基酸及び/または多塩基酸無水物が、不飽和カルボン酸化エポキシ樹脂に生成した水酸基に付加反応することで、遊離のカルボキシル基が導入される。多塩基酸及び/または多塩基酸無水物は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸等のヘキサヒドロフタル酸類、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられる。多塩基酸無水物としては、上記した多塩基酸の無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。多塩基酸及び/または多塩基酸無水物の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、その下限値は、良好なアルカリ現像性と固形分酸価を調整する点から7.0質量%が好ましく、9.0質量%が特に好ましい。一方で、その上限値は、絶縁信頼性の低下を確実に防止し、固形分酸価を調整する点から16質量%が好ましく、14質量%が特に好ましい。
多官能エポキシ樹脂
多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されず、例えば、その上限値は、3000g/eqが好ましく、2000g/eqがより好ましく、1000g/eqがさらに好ましく、500g/eqが特に好ましい。一方で、その下限値は、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、A-1樹脂、A-2樹脂と同じく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
多塩基酸及び/または多塩基酸無水物は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、A-1樹脂、A-2樹脂と同じく、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸等のヘキサヒドロフタル酸類、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられる。多塩基酸無水物としては、上記した多塩基酸の無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分である光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、2-(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン-9-オン、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、(Z) -(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ) -2-メチルフェニル)メタノン O-アセチルオキシム等のオキシムエステル系光重合開始剤、2-ベンジル-2-(N,N-ジメチルアミノ)-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα―アミノアルキルフェノン系光重合開始剤等が挙げられる。また、オキシムエステル系光重合開始剤及びα―アミノアルキルフェノン系光重合開始剤以外の光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4′-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリーブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分であるエポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な強度を有する硬化塗膜等の硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、上記した(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の調製に使用できるエポキシ樹脂を挙げることができる。具体的には、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト-クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐金めっき性と耐熱性の向上にも寄与する点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、耐金めっき性、耐熱性及び難燃性がバランスよくさらに向上する点から、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。また、カルボキシル基含有感光性樹脂としてA-3樹脂を配合する場合、エポキシ化合物であるエポキシ樹脂の樹脂種が、A-3樹脂の樹脂骨格を形成しているエポキシ樹脂と同じであることで、耐金めっき性と耐熱性の向上にも寄与する。
(D)成分である無機イオン交換体として、陽イオン交換体及び両イオン交換体からなる群から選択される少なくとも1種が配合される。陽イオン交換体及び両イオン交換体からなる群から選択される少なくとも1種の無機イオン交換体が配合されることにより、耐熱性、難燃性を損なうことなく、優れた耐金めっき性を有する硬化物を形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
(E)成分である反応性希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を補強して、耐酸性、耐アルカリ性などを有する光硬化物を形成するのに寄与する。
下記表1、2に示す各成分を下記表1、2に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1~19、比較例1~5にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように塗工して試験サンプルを作製した。下記表1、2中の配合量の数字は、特に断りのない限り質量部を示す。また、下記表1、2中の空欄は配合なしを意味する。
・FLX-2089:A-1樹脂、固形分(樹脂分)65質量%、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート35質量%、日本化薬株式会社
・SP-4621:A-3樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂、固形分(樹脂分)65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート17.5質量%、石油ナフサ17.5質量%、昭和電工株式会社
・ZCR-1569H:A-3樹脂(A-3-1樹脂)、固形分(樹脂分)65質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル35質量%、日本化薬株式会社
・ZFR-1887:A-3樹脂(A-3-2樹脂)、固形分(樹脂分)65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート35質量%、日本化薬株式会社
・ZAR-2000:A-3樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂、固形分(樹脂分)65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート17.5質量%、石油ナフサ17.5質量%、日本化薬株式会社
撹拌機、還流冷却管を備えた500mLセパラブルフラスコに、窒素・空気(2:1)雰囲気下でジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下「EDGAC」)86.45g、8-エチルオクタデカン二酸(岡村製油株式会社、SB-20)26.54g(6.3質量部)、ベヘニン酸45.35g(10.7質量部)、ステアリン酸9.71g(2.3質量部)、アクリル酸14.36g(3.4質量部)、トリフェニルホスフィン(TPP)0.65g(0.1質量部)、メトキシハイドロキノン(MEHQ)0.43g(0.1質量部)を仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.3mL/sec吹き込みながら、110℃で溶解するまで加熱撹拌した。別途、EDGAC溶媒59.8g中にビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社、NC-3000、エポキシ当量265~285g/eq)137.65g(32.6質量部)を80℃まで加熱して均一に溶解して上記フラスコ内に投入し、115℃にて15~17時間、加熱撹拌させ、反応溶液の酸価が6mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物に、さらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、HTMAn)を42.23g(9.9質量部)加え空気雰囲気下100℃で2~3時間撹拌した。酸無水物が消失したことを、FT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、下記表1,2に示す固形分(樹脂分)65質量%、酸価85mgKOH/gの合成樹脂Aを得た。
・chmcure DETX:日本シイベルヘグナー社
・イルガキュア907:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ
・YX-4000:三菱ケミカル株式会社
・EPICRON 860:DIC社
・N-695:DIC社
・IXE-100:Zr系の陽イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXE-600:Sb-Bi系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXE-6107:Zr-Bi系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXEPLAS-A1:Zr-Mg-Al系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXE-633:Sb-Bi系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXE-6136:Zr-Bi系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXEPLAS-A2:Zr-Mg-Al系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・IXEPLAS-B1:Zr-Bi系の両イオン交換体、東亞合成株式会社
・KAYARAD DPCA-120:分子量1948、日本化薬株式会社
・KAYARAD DPCA-60:分子量1263、日本化薬株式会社
・KAYARAD DPCA-20:分子量807、日本化薬株式会社
・水酸化アルミニウム:日本軽金属株式会社
着色剤
・カーボンブラック:東洋インキ製造株式会社
添加剤
・DICY-7:硬化促進剤、三菱ケミカル株式会社
・U-CAT 3513N:硬化促進剤、サンアプロ社
・メラミン:硬化促進剤、日産化学工業株式会社
消泡剤
・AC-2300C:信越化学工業株式会社
難燃剤
・エクソリット OP-935:クラリアントジャパン株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
・IXE-500、IXE-700F、IXE-800:陰イオン交換体、東亞合成株式会社
基板:2層FCCL(Cu厚さ:12.5μm、ポリイミド厚さ:25μm)
表面処理:ソフトエッチング処理
塗工法:スクリーン印刷
DRY膜厚:20±5μm
露光:塗膜上に100mJ/cm2、UVランプ
現像:1質量%炭酸ナトリウム水溶液 温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア(本硬化):130~150℃、30~60分
(1)耐金めっき性
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、ニッケル5μm、金0.03μmの条件でめっきを行った。塗膜の剥がれの有無やめっきのしみ込みの有無を評価した後、テープピーリングにより塗膜の基板からの剥がれの有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。
◎:テープピール後に全く剥がれが生じない。
○:テープピール後に若干剥がれあり。
△:めっき後、若干、しみ込みあり。
×:めっき後に剥がれあり。
金めっき処理後の試験体の硬化塗膜を、JIS C-6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる。
△:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル後の塗膜に剥離が認められる。
作製した試験体について、UL94規格に基づいて、燃焼性試験(VTM試験)を行い、以下の基準で評価した。
◎:5秒以内
○:10秒以内
△:15秒以内
×:全焼
Claims (12)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)無機イオン交換体と、(E)反応性希釈剤と、を含む感光性樹脂組成物であり、
前記(D)無機イオン交換体が、陽イオン交換体及び両イオン交換体からなる群から選択される少なくとも1種である感光性樹脂組成物。 - 前記(D)無機イオン交換体が、Zr系の陽イオン交換体である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、(A-1)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基にポリイソシアネート化合物を付加反応させ、さらに付加反応したポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、水酸基とカルボキシル基を有する化合物を付加反応させて得られる構造を有する酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂、(A-2)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の直鎖状または分岐状脂肪族カルボン酸とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和カルボン酸化エポキシ樹脂に、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を付加させて得られる構造を有する酸変性長鎖炭化水素構造含有エポキシ樹脂、及び(A-3)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を反応させて得られる構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、該(A)カルボキシル基含有感光性樹脂中に、前記(A-2)酸変性長鎖炭化水素構造含有エポキシ樹脂を50質量%超100質量%未満含み、前記(A-1)酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と前記(A-3)多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を合計で0質量%超50質量%未満含む請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A-3)多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂が、(A-3―2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A-3)多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂が、(A-3―1)ビフェニル型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と、(A-3―2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と、を含み、
前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂が、該(A)カルボキシル基含有感光性樹脂中に、(A-3―1)ビフェニル型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を50質量%超100質量%未満含み、前記(A-1)酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と前記(A-3―2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を有する多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を合計で0質量%超50質量%未満含む請求項3に記載の感光性樹脂組成物。 - 前記(D)無機イオン交換体が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0質量部以上30質量部以下含まれる1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、無機フィラーを含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)エポキシ化合物が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)反応性希釈剤が、分子量700以上1600以下のジペンタエリスリトールポリカプロラクトンヘキサ(メタ)アクリレートである請求項1乃至9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項11に記載の硬化物を備えたプリント配線板。
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