JP2022049445A - 覆工用アーチ板 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化が可能な覆工用アーチ板を提供する。【解決手段】アーチ形トンネル1の周方向に複数に分割され、アーチ形トンネル1の内面1Nに据え付けられる覆工用アーチ板11である。鋼製でアーチ形の内面板12と、この内面板12と間隔を置いて配置した鋼製でアーチ形の外面板13と、これら内面板12と外面板13の間に充填したセメント系充填材14とを備えるから、鋼製の内面板12と外面板13の二重板構造に、セメント系充填材14を充填することにより、従来に比べて薄肉で強度を確保することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、アーチ形トンネルの周方向に複数に分割され、アーチ形トンネルの内面に据え付けられる覆工用アーチ板に関する。
従来、この種のものに関連して、覆工すべきトンネルの内側面に防水シートを取付けた上で、現場打ちコンクリートにより側壁を構築し、コンクリート製の覆工版(アーチ板に相当)を左右二枚を一組として組付枠上に載せて上端部で接合して相互間を連結部材で連結一体化し、側壁上に支持固定し、トンネルと覆工版とのとの間隙に裏込め材料を充填して一体化させるトンネル覆工工法(例えば特許文献1)や、トンネル外に設置した組立架台において複数の円弧型のPC覆工板(アーチ板に相当)を前後左右に接合一体化して複数スパン分のアーチ型組立覆工板を組立て、門形フレームを備えた運搬据付機によりPC覆工板を覆工部に据付けるための工法(例えば特許文献2)や、既設トンネルの老朽化した上半アーチの既設覆工を改修するために用いられるプレキャストコンクリート製のアーチ形状のライニング部材(アーチ板に相当)(例えば特許文献3)などがある。
上記従来技術の覆工では、コンクリート製のアーチ板を用いるため、強度を得るために所定の厚さが必要となる。そして、厚いアーチ板を用いると、重量が重くなる上に、既設のトンネル断面が狭められるため、車両建築限界ギリギリの既設の狭いトンネルでは使用できないという問題もある。
特開平10-292790号公報 特開平8-210099号公報 特開2004-44364号公報
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、薄型化が可能な覆工用アーチ板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、アーチ形トンネルの周方向に複数に分割され、アーチ形トンネルの内面に据え付けられる覆工用アーチ板において、鋼製でアーチ形の内面板と、この内面板と間隔を置いて配置した鋼製でアーチ形の外面板と、これら内面板と外面板の間に充填したセメント系充填材とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、アーチ形トンネルの周方向に複数に分割され、アーチ形トンネルの内面に据え付けられる覆工用アーチ板において、周方向両側の周縁枠部とトンネル長さ方向両側のアーチ形縁枠部とを有する鋼製のアーチ形枠体と、このアーチ形枠体の内面側に一体に設けられたセメント系アーチ板本体とを備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記内面板と外面板の前記周方向両側の縁部に鋼製の縁板を設け、前記内面板と外面板のトンネル長さ方向両側の縁部に鋼製のアーチ形縁板を設けたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記アーチ形枠体にアンカー手段を設け、このアンカー手段を前記セメント系アーチ板本体に埋設固定したことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記周方向に隣り合う前記アーチ板の前記周方向の縁部に、前記周方向に隣り合うアーチ板同士を連結する連結構造を設けたことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記セメント系アーチ板本体が短繊維強化モルタルからなることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、鋼製の内面板と外面板の二重板構造に、セメント系充填材を充填することにより、従来に比べて薄肉で強度的に優れたアーチ板が得られる。
請求項2の構成によれば、セメント系アーチ板本体を鋼製の枠体により補強することにより、従来に比べて薄肉で強度的に優れたアーチ板が得られる。
請求項3の構成によれば、外表面が鋼製からなるため、硬化したセメント系充填材が露出せず、セメント系充填材が剥離することもない。
請求項4の構成によれば、アンカー手段により枠体とセメント系アーチ板本体とが一体化されたアーチ板が得られる。
請求項5の構成によれば、連結構造により周方向に隣り合うアーチ板を連結することができる。
請求項6の構成によれば、強度的に優れたアーチ板本体が得られる。
本発明の実施例1を示すトンネルの補修構造の断面図である。 同上、一部を切り欠いたアーチ板の斜視図である。 同上、アーチ板を示し、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)のA-A線断面図である。 同上、アーチ板の断面図である。 同上、周方向の補強連結構造を示し、図5(A)は平面図、図5(B)は正面図である。 同上、周方向の補強連結構造の要部の平面図である。 本発明の実施例2を示すアーチ形形状の側面図である。 本発明の実施例3を示すトンネルの補修構造の断面図である。 同上、アーチ板の平面図である。 同上、アーチ板の要部の斜視図である。 同上、周方向両側の縁部の拡大断面図である。 同上、トンネル長さ方向両側の縁部の拡大断面図である。 同上、連結状態を示すトンネル長さ方向両側の縁部の拡大断面図である。 同上、アーチ形形状の側面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1~図7は本発明の実施例1を示す。図1は補修後の既設のアーチ形トンネル1を示し、このトンネル1の下部には路面2が設けられ、そのトンネル1の左右内側面下端には、高さの低い既設側壁3,3が現場打ちコンクリートなどにより形成されている。
アーチ形トンネル1の補修構造において、前記既設側壁3,3の内側には現場打ちコンクリートなどにより側壁4,4が形成され、これら左右の側壁4,4間に複数の覆工用アーチ板11,11,11,11が配置され、これら覆工用アーチ板11,11,11,11は左右の側壁4,4により支持されている。
この例ではアーチ板11は、トンネル1のアーチ部を四分割した同一形状を有し、トンネル1の内面1Nと間隔を置いて配置されている。また、既設のトンネル1の内面1Nには、必要に応じて防水加工たる防水シート5が設けられている。尚、トンネル1のアーチ形の内面1Nは半円状をなす。
前記覆工用アーチ板11は、アーチ形トンネル1の周方向に複数に分割され、アーチ形トンネル1の内面1Nに据え付けられる。また、前記アーチ板11は、鋼製でアーチ形の内面板12と、この内面板12と間隔を置いて配置された鋼製でアーチ形の外面板13と、これら内面板12と外面板13の間に充填して固化したセメント系充填材14とを備える。尚、アーチ板11,11,11,11を組み立てた半円アーチ形構造6の内径は3m以上であり、これに対して、アーチ板11の厚さは80mm以下、この例では60mm以下であり、内面板12と外面板13の厚さは6mm以下、この例では4mm以下の3.2mmである。
前記アーチ板11の内面板12と外面板13は鋼板からなり、それら内面板12と外面板13の間には、これらの間隔を保持する保持材たる直線状のコ字形鋼15,15,15が複数設けられている。この鋼製のコ字形鋼(チャンネル鋼)15は、トンネル1の長さ方向に配置されており、アーチ板11の厚さ方向の中央板部16と、この中央板部16の両端で該中央板部16と交差方向に設けた外板部17,17とを一体に有し、前記中央板部16には、複数の透孔16Tが穿設されている。
また、図2~図4に示すように、前記コ字形鋼15は、アーチ板11における周方向両側の縁部11S,11Sと、これら縁部11S,11Sの中央位置とに配置され、それぞれ前記両端の外板部17,17の外面を前記内面板12の内面と外面板13の内面に溶接などにより固定している。尚、前記縁部11S,11Sにおいては、前記中央板部16の外面が外側に位置するように配置されており、縁部11S,11Sにおいて、内面板12と外面板13の端部の開口を、前記コ字形鋼15の中央板部16により塞いでいる。そして、前記縁部11S,11Sの前記中央板部16が、縁板である。また、中央の前記コ字形鋼15の中央板部16は、両側の前記縁部11S,11Sの中央に位置する。
また、前記内面板12と外面板13のトンネル長さ方向両側の縁部11N,11Nに、鋼製のアーチ形縁板21を設け、これらアーチ形縁板21は、前記内面板12と外面板13の端部に溶着などにより固定されており、縁部11N,11Nにおいて、内面板12と外面板13の端部の開口を、前記アーチ形縁板21により塞いでいる。さらに、前記両側のアーチ形縁板21,21の間の位置で、前記内面板12と外面板13との間には、これらの間隔とアーチ形を保持するアーチ形保持材22が間隔を置いて複数(2つ)設けられている。
前記アーチ形保持材22は鋼製であって、一対のアーチ形保持板23,23Aからなり、このアーチ形保持板23,23Aの端部には、前記コ字形鋼15内に嵌る幅狭部24が形成されている。この場合、一方のアーチ形保持板23は、その両端に幅狭部24,24が形成され、他方のアーチ形保持板23Aには、その一端に幅狭部24が形成されている。また、アーチ形保持板23,23Aには空気抜き孔25が設けられている。
そして、一方のアーチ形保持板23は、両端の幅狭部24,24をコ字形鋼15,15に挿入した状態で固定され、他方のアーチ形保持板23Aは、一端の幅狭部24をコ字形鋼15内に挿入すると共に、他端を中央板部16に当接した状態で固定され、コ字形鋼15,15間において、アーチ形保持板23,23Aにより内面板12と外面板13の間隔を保持することができる。
周方向に隣り合う前記アーチ板11,11の前記周方向の縁部11S,11Sに、前記周方向に隣り合うアーチ板11,11同士を連結する連結構造31を備える。この連結構造31は、図2などに示すように、前記縁部11S側で前記アーチ板11の外面板13に平面略U字形の開口部32を設け、この開口部32は前記中央板部16の透孔16Tに対応して形成されており、その開口部32と前記内面板12との間には、アーチ板11の厚さに対応した帯板を、開口部32と同一形状に略U字状に屈曲したU字状枠部33を設け、このU字状枠部33により開口部32側への前記セメント系充填材14の侵入を防止している。
そして、周方向に隣り合うアーチ板11の縁部11S,11Sの中央板部16,16同士を突き合せ、それらの透孔16T,16Tに、連結部材たるボルト34を挿通し、このボルト34にナット34Nを螺合することにより前記連結構造31を構成している。
また、前記連結構造31には、周方向に隣り合う前記アーチ板11,11の連結強度を高める補強連結構造35を設けることができる。この補強連結構造35としては、アーチ板11の縁部11S側で外面板13に、トンネル長さ方向に間隔を置いて一対の連結部材36,36を設け、周方向に隣り合うアーチ板11,11は、対をなす連結部材36,36をトンネル1の長さ方向にずらして配置している。即ち、図5の平面図において、上から1番目と3番目の連結部材36,36が左側のアーチ板11に固定され、上から2番目と4番目の連結部材36,36が右側のアーチ板11に固定されている。
前記連結部材36は、山形鋼などからなり、前記外面板13にボルトなどの固定手段38や溶着などにより固定した固定部36Aと、外面板13から外側に立ち上がる立上り部36Bとを一体に備え、この立上り部36Bには、連結杆37を挿通する挿通部36Tが穿設されている。尚、連結杆37としては、鋼製の螺子棒などが例示される。尚、挿通部36Tは、前記周方向に長い長孔でもよい。
そして、周方向に隣り合うアーチ板11,11を突き合わせると、各挿通部36T,36T,36T,36Tがトンネル長さ方向に並び、それら挿通部36T,36T,36T,36Tに連結杆37を挿通し、この連結杆37の両端部にナット37N,37Nを螺合することにより補強連結構造35を構成している。
前記アーチ板11は内部を含んで内外面に防錆処理が施され、この防錆処理としては、塗装処理やメッキ処理などが例示される。
前記アーチ板11を防錆処理した後、前記内面板12,外面板13,周方向両端の縁部11S,11S及び長さ方向の縁部11N,11Nの間に、モルタルなどの前記セメント系充填材14が充填される。この場合、アーチ板11の内部は、中央のコ字形鋼15とアーチ形保持材22により仕切られているが、コ字形鋼15には透孔16Tが穿設されていると共に、アーチ形保持材22には空気抜き孔25が穿設されているため、アーチ板11の内部全体に充填材14を充填することができる。尚、上述したように前記開口部32側には、前記U字状枠部33により充填材14は充填されない。
施工においては、4枚のアーチ板11,11,11,11の隣り合う縁部11S,11S同士を突き合わせ、連結構造31と補強連結構造35により連結して前記アーチ形構造6を形成し、トンネル1の内面1Nと所定の間隔を置いて、両側の側壁4,4により連結したアーチ板11,11,11,11を支持する。また、同様にして、トンネル1の長さ方向に隣り合うアーチ形構造6を形成し、トンネル1の長さ方向に隣り合うアーチ形構造6,6を長さ方向連結構造(図示せず)により連結し、トンネル1の全長にアーチ板11を据え付ける。
この後、アーチ板11に設けた充填孔(図示せず)からアーチ板11の内面1Nとの間に裏込め材41(固結剤)を充填し、この裏込め材41によりアーチ形構造6とトンネル1とを一体化する。
このようにして構築した補修構造においては、内面板12と外面板13との間にセメント系充填材14を充填した合成構造により、内面板12と外面板13が薄くても、従来のPC板に比べてアーチ板11の薄型化が可能となり、補修後もトンネル1の内部空間を確保することができる。
また、アーチ板11は、内面板12,外面板13及び縁部11S,11S,11N,11Nが防錆処理を施した鋼製で表面全体が覆われているため、コンクリートのように剥離や白華が発生することが無い。
このように本実施例では、請求項1に対応して、アーチ形トンネル1の周方向に複数に分割され、アーチ形トンネル1の内面1Nに据え付けられる覆工用アーチ板11において、鋼製でアーチ形の内面板12と、この内面板12と間隔を置いて配置した鋼製でアーチ形の外面板13と、これら内面板12と外面板13の間に充填したセメント系充填材14とを備えるから、鋼製の内面板12と外面板13の二重板構造に、セメント系充填材14を充填することにより、従来に比べて薄肉で強度を確保することができる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、内面板12と外面板13の周方向両側の縁部11S,11Sに鋼製の縁板たる中央板部16,16を設け、内面板12と外面板13のトンネル1の長さ方向両側の縁部11N,11Nに鋼製のアーチ形縁板21,21を設けたから、外表面が鋼製からなるため、硬化したセメント系充填材14が露出せず、セメント系充填材14が剥離することもない。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、前記周方向に隣り合うアーチ板11,11の周方向の縁部11S,11Sに、周方向に隣り合うアーチ板11,11同士を連結する連結構造31を設けたから、連結構造31により周方向に隣り合うアーチ板11,11を連結することができる。
また、実施例上の効果として、周方向両側の縁部11Sの縁板が、コ字形鋼15の中央板部16であるから、コ字形鋼15により縁部11Sの強度を確保することができる。さらに、アーチ形保持板23,23Aの端部には、コ字形鋼15内に嵌る幅狭部24が形成されているから、コ字形鋼15内に幅狭部24を挿入した状態でアーチ形保持板23,23Aを固定し、これらアーチ形保持板23,23Aにより内面板12と外面板13のアーチ間隔を保持することができる。また、連結構造31には、開口部32への充填材14の侵入を防止する侵入防止部材たるU字状枠部33を設けたから、充填材14の充填後に、ボルト34・ナット34Nによる連結が可能となる。さらに、連結構造31には、周方向に隣り合うアーチ板11,11の連結強度を高める補強連結構造35を設けたから、連結強度が向上する。
図7は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例は、トンネル1の頂部において連結するアーチ板11,11を、連結構造31及び補強連結構造35により連結し、他は補強連結構造35を用いずに、連結構造31により連結している。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。また、この例では、応力が集中するアーチ形構造6の頂部のみに補強連結構造35を設けることにより、他の箇所での連結作業を比較的簡易に行うことができる。
図8~図14は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例のアーチ板11Aは、トンネル1を周方向に4分割した形状をなし、鋼製のアーチ形枠体51と、このアーチ形枠体51の内面側に一体に設けられたセメント系アーチ板本体52とを備える。そして、前記アーチ板本体52の上面(外面)側で周囲に前記アーチ形枠体51が一体に設けられている。
前記アーチ形枠体51は、周方向両側の縁部11S,11Sに設ける直線状の周縁枠部53,53とトンネル長さ方向両側の縁部11N,11Nに設けるアーチ形縁枠部54,54とを有し、それら周縁枠部53,53とアーチ形縁枠部54,54の端部同士が連結されている。
図11及び図12の断面図に示すように、前記周縁枠部53と前記アーチ形縁枠部54とは同一断面形状をなし、内板61と外板62と両側板63,63を有する縦長で中空な長方形形状をなす。また、一方(外側)の側板63を前記アーチ板本体52の端面と面一に配置し、他方の側板63をアーチ板本体52の中央側に配置している。
このように縁枠部53,54は、内板61と外板62の幅に比べて、両側板63,63の高さが大きいから、上からの荷重に対して、強度的に優れたものとなる。
また、両側板63,63に透孔63T,63Tを穿設すると共に、これら透孔63T,63Tを繋ぐ鋼管64を取り付け、この鋼管64の内部が、各縁枠部53,54に設けられた透孔53T,54Tである。さらに、図9などに示すように、透孔53T,54Tは複数設けられ、前記周縁枠部53には4個の透孔53Tが設けられ、前記アーチ形縁枠部54には2個の透孔54Tが設けられている。尚、前記透孔53T中心線は略周方向を向き、前記透孔54Tの中心線はトンネル長さ方向を向く。そして、周方向に隣り合うアーチ板11A,11Aの周縁枠部53,53を突き合わせ、両者の透孔53T,53Tに連結部材たるボルト65を挿通し、このボルト65にナット65Nを螺合することにより連結構造31A(図14)を構成している。
前記アーチ形枠体51は内部を含んで内外面に防錆処理が施され、この防錆処理としては、塗装処理やメッキ処理などが例示される。そして、前記周縁枠部53,53内と前記アーチ形縁枠部54,54内に、モルタルなどの前記セメント系充填材14が充填されている。
前記周縁枠部53とアーチ形縁枠部54には、アンカー手段71が固定され、このアンカー手段71は前記アーチ板本体52に埋設されている。前記アンカー手段71は、前記内板61に間隔を置いて複数固定した四角形で板片状のアンカー片72と、このアンカー片72に螺合したボルト73とを備え、このボルト73はステンレス製である。
前記ボルト73はアーチ板本体52の厚さ方向を向き、先端がアーチ板本体52の内面と面一である。そして、アーチ板本体52の製造においては、図11の一点鎖線に示すように、アーチ板本体52の内面を形成する内面成形用型枠部101の上面に、前記ボルト73の先端を当接し、このようにアーチ形枠体51を複数のボルト73により内面成形用型枠部101上に支持し、これにより内面成形用型枠部101の上面に対して、アーチ形枠体51の下面高さを位置決めすることができる。
そして、下面高さの位置決めの際、ボルト73を回して該ボルト73の先端位置を調整することができるから、全てのボルト73を内面成形用型枠部101に当て支持することができる。このように高さ位置を決めた状態で、内面成形用型枠部101上に、セメント系固化材たるモルタルを充填することにより、図11に示すように、枠体51の下部を所定寸法だけアーチ板本体52に埋設して固定することができる。尚、ボルト73の頭部はアーチ板本体52に埋設される。
また、前記周縁枠部53の内板61には、アーチ形の補強筋たる鋼製丸棒75がトンネル長さ方向に間隔を置いて埋設されており、長さ方向両端側においては、図9に示すように、鋼製丸棒75が前記内板61に沿ってアーチ板本体52に埋設されている。そして、両側の周縁枠部53,53の間に設けた鋼製丸棒75,75,75により、枠体51内におけるアーチ板本体52の強度を確保することができる。
また、前記アーチ形縁枠部54の外板62には、鋼製で板状のジョイント仮受77が設けられている。このジョイント仮受77は、前記アーチ形縁枠部54の略2倍の幅を有し、縁部11Nの端面から外側にその幅の略2分の1が突設され、この突設した部分が、周方向に隣り合う周縁枠部53の外板62上に載置される載置部77Sである。尚、ジョイント仮受77は、両側のアーチ形縁枠部54,54の一方に設けられている。また、ジョイント仮受77の厚さは3mm以下の2.3mmが例示される。
また、ジョイント仮受77は、アーチ形縁枠部54の前記透孔54Tの位置に配置され、長さ方向に隣り合うアーチ板11A,11Aのアーチ形縁枠部54,54同士を突き合わせ、突き合わせたアーチ形縁枠部54,54の透孔54T,54Tに、連結部材たるボルト65を挿通し、このボルト65にナット65Nを螺合することにより、長さ方向に隣り合うアーチ板11A,11Aが連結する長さ方向の連結構造を構成している。
前記アーチ形枠体51の厚さ、即ち内板61と外板62の間隔は80mm以下、60mm程度であり、前記アーチ板本体52の厚さは20mm以下、15mm程度である。また、アーチ板11Aの厚さ、即ちアーチ板本体52の内面と外板62の外面との間隔は100mm以下、72mm程度である。
前記セメント系アーチ板本体52は、有機繊維の短繊維を混入したモルタルからなる。前記有機繊維は、例えば繊維長(平均繊維長)が18~30mmのものである。平均繊維長は好ましくは18~24mmである。
前記有機繊維としては、例えばポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維およびナイロン繊維よりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。前記ポリオレフィン繊維の具体例としては、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などを挙げることができる。ポリオレフィン繊維は、ポリオレフィンの比重が0.85~1.0g/cm程度と小さいため、本発明では特に好適に使用できる。中でも、ポリプロピレン繊維は、強度が得られやすく、適度な剛性を有し、耐クリープ性に優れる点で好適である。
前記有機繊維としては、ポリオレフィン系補強繊維(萩原工業株式会社製バルチップ(登録商標))JKやMKなどが例示される。
施工においては、4枚のアーチ板11A,11A,11A,11Aの隣り合う縁部11S,11S同士を突き合わせ、連結構造31Aにより連結したアーチ形構造6を形成し、トンネル1の内面1Nと所定の間隔を置いて、そのアーチ形構造6を両側の側壁4,4により支持する。また、同様にして、トンネル1の長さ方向に隣り合うアーチ形構造6を形成し、トンネル1の長さ方向に隣り合うアーチ形構造6,6をボルト65とナット65Nにより連結する。この場合、側壁4,4により支持したアーチ形構造6のアーチ形縁枠部54の上に、長さ方向に隣り合うアーチ形構造6のジョイント仮受77を載置するようにして隣り合うアーチ形構造6,6同士を位置合わせすることができる。
この後、アーチ板11Aに設けた充填孔(図示せず)から、アーチ板11Aと内面1Nとの間に裏込め材41(固結剤)を充填し、この裏込め材41によりアーチ形構造6とトンネル1とを一体化する。
このようにして構築した補修構造においては、モルタル製のアーチ板本体52の周囲に、鋼製のアーチ形枠体51を一体に設けた構造により、従来のPC板に比べてアーチ板11Aの薄型化が可能となり、補修後もトンネル1の内部空間を確保することができる。
また、アーチ板11Aは、短繊維強化モルタルからなるから、それ自体強度的に優れたものとなる。
このように本実施例では、請求項2に対応して、アーチ形トンネル1の周方向に複数に分割され、アーチ形トンネル1の内面1Nに据え付けられる覆工用アーチ板11Aにおいて、周方向両側の周縁枠部53,53とトンネル1の長さ方向両側のアーチ形縁枠部54,54とを有する鋼製のアーチ形枠体51と、このアーチ形枠体51の内面たる内板61側に一体に設けられたセメント系アーチ板本体52とを備えるから、セメント系アーチ板本体52を鋼製の枠体51により補強することにより、従来に比べて薄肉で強度的に優れたアーチ板11Aが得られる。
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、アーチ形枠体51にアンカー手段71を設け、このアンカー手段71をセメント系アーチ板本体52に埋設固定したから、アンカー手段71により枠体51とセメント系アーチ板本体52とが一体化されたアーチ板11Aが得られる。
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、セメント系アーチ板本体52が短繊維強化モルタルからなるから、強度的に優れたアーチ板本体52が得られる。
また、実施例上の効果として、枠体51の周縁枠部53とアーチ形縁枠部54が中空枠形状をなすから、強度的に優れ、しかも、縁枠部53,54は、内板61と外板62の幅に比べて、両側板63,63の高さが大きいから、上からの荷重に対して、強度的に優れたものとなる。さらに、前記周縁枠部53とアーチ形縁枠部54には、アンカー手段71が固定されているから、アーチ形枠体51とアーチ板本体52との一体化が図られ、しかも、ボルト73を回して該ボルト73の先端位置を調整することができるから、成形時に全てのボルト73を内面成形用型枠部101に当て支持することができる。また、アンカー手段71は、製造時に内面成形用型枠部101の上面に当接する位置決め当接部たるボルト73を備えるから、枠体51の内面側の一部をアーチ板本体52に埋設すると共に、アーチ板本体52の内面に対する枠体51の高さ位置を略均一に設定することができる。さらに、鋼製丸棒75,75,75により、枠体51内、即ち枠体51の無い中央部分におけるアーチ板本体52の強度を確保することができる。また、アーチ形縁枠部54の外板62には、鋼製で板状のジョイント仮受77が設けられているから、長さ方向に隣り合うアーチ形縁枠部54,54の位置合わせが容易となる。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、内面板と外面板のトンネル長さ方向両側の縁部に、鋼製のアーチ形縁板を設けたが、アーチ形縁板に替え、アーチ形縁板としてアーチ形間隔保持材を設けてもよい。また、実施例では、アーチ形トンネルを周方向に4分割した形状のアーチ板を例示したら、アーチ板は、アーチ形トンネルを周方向に2分割や3分割した形状のものでもよい。さらに、アンカー手段は実施例に限らず、各種のものを用いることができる。さらに、補強筋は異形鉄筋などでもよい。また、短繊維強化モルタルに用いる短繊維は各種の材質,形状,寸法のものを用いることができる。
1 トンネル
1N 内面
11 覆工用アーチ板
11A アーチ板
11S 周方向両側の縁部
11N トンネル長さ方向両側の縁部
12 内面板
13 外面板
14 セメント系充填材
16 中央板部(縁板)
21 アーチ形縁板
31 連結構造
11A アーチ板
51 アーチ形枠体
52 アーチ板本体
53 周縁枠部
54 アーチ形縁枠部
61 内板(アーチ内面形枠体の内面)

Claims (6)

  1. アーチ形トンネルの周方向に複数に分割され、アーチ形トンネルの内面に据え付けられる覆工用アーチ板において、鋼製でアーチ形の内面板と、この内面板と間隔を置いて配置した鋼製でアーチ形の外面板と、これら内面板と外面板の間に充填したセメント系充填材とを備えることを特徴とする覆工用アーチ板。
  2. アーチ形トンネルの周方向に複数に分割され、アーチ形トンネルの内面に据え付けられる覆工用アーチ板において、周方向両側の周縁枠部とトンネル長さ方向両側のアーチ形縁枠部とを有する鋼製のアーチ形枠体と、このアーチ形枠体の内面側に一体に設けられたセメント系アーチ板本体とを備えることを特徴とする覆工用アーチ板。
  3. 前記内面板と外面板の前記周方向両側の縁部に鋼製の縁板を設け、前記内面板と外面板のトンネル長さ方向両側の縁部に鋼製のアーチ形縁板を設けたことを特徴とする請求項1記載の覆工用アーチ板。
  4. 前記アーチ形枠体にアンカー手段を設け、このアンカー手段を前記セメント系アーチ板本体に埋設固定したことを特徴とする請求項2記載の覆工用アーチ板。
  5. 前記周方向に隣り合う前記アーチ板の前記周方向の縁部に、前記周方向に隣り合うアーチ板同士を連結する連結構造を設けたことを特徴とする請求項3記載の覆工用アーチ板。
  6. 前記セメント系アーチ板本体が短繊維強化モルタルからなることを特徴とする請求項2又は4記載の覆工用アーチ板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20080298903A1 (en) * 2005-12-20 2008-12-04 Fixon E&C Co., Ltd. Reinforcement Liner Installation Mold For The Corrugated Steel Plate Structure

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