JP2022046220A - アダプタ及び光接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバの位置決め精度の低下を抑制できるアダプタ及び光接続構造を提供する。【解決手段】アダプタ40は、筒状体であって、第1方向D1に沿った線を軸として少なくとも一対のフェルール10を半周以上にわたって囲む筒状体を含む。筒状体は、一対のガイドであって、第1方向D1に延在して、筒状体の内周面から互いに対向するように突出し、第1側面及び第2側面にそれぞれ係合する一対のガイド53、54を備える。一対のガイド53、54のそれぞれは、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリット55,56を有しており、第1方向D1の端部からスリット55,56までを構成する第1突起53A,54Aと、スリット55,56よりも第1方向D1の奥側を構成する第2突起53B,54Bと、を含む。【選択図】図5
Description
本開示は、アダプタ及び光接続構造に関する。
特許文献1は、ガイドピンを用いて多芯の光ファイバ同士の位置合わせを行う技術を開示する。この技術では、フェルールに設けられた一対のガイドピン挿入孔に一対のガイドピンの一端をそれぞれ挿入し、接続相手のフェルールに設けられた一対のガイドピン挿入孔に一対のガイドピンの他端をそれぞれ挿入する。
しかしながら、上述した技術では、ガイドピン挿入孔に対するクリアランスが極力小さくなるように、高い寸法精度を有するガイドピンが用いられる。そのため、ガイドピン又はガイドピン挿入孔にゴミ等の異物が付着している場合に、ガイドピンとガイドピン挿入孔との間に異物が挟まれることによって、位置決め精度が低下する虞がある。
本開示は、光ファイバの位置決め精度の低下を抑制できるアダプタ及び光接続構造を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係るアダプタは、互いに対向する一対のフェルールを保持する。一対のフェルールのそれぞれは、複数の光ファイバをそれぞれ保持するための複数の光ファイバ保持部と、複数の光ファイバ保持部が延在する第1方向と交差する第2方向に沿って、互いに対向する第1側面及び第2側面と、を備える。アダプタは筒状体であって、第1方向に沿った線を軸として少なくとも一対のフェルールを半周以上にわたって囲む筒形状をなす筒状体を含む。筒状体は、一対のガイドであって、第1方向に延在して、筒状体の内周面から互いに対向するように突出し、第1側面及び第2側面にそれぞれ係合する一対のガイドを備える。一対のガイドのそれぞれは、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリットを有しており、第1方向の端部からスリットまでを構成する第1突起と、スリットよりも第1方向の奥側を構成する第2突起と、を含む。
本開示によるアダプタ及び光接続構造によれば、光ファイバの位置決め精度の低下を抑制できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一実施形態に係るアダプタは、互いに対向する一対のフェルールを保持する。一対のフェルールのそれぞれは、複数の光ファイバをそれぞれ保持するための複数の光ファイバ保持部と、複数の光ファイバ保持部が延在する第1方向と交差する第2方向に沿って、互いに対向する第1側面及び第2側面と、を備える。アダプタは筒状体であって、第1方向に沿った線を軸として少なくとも一対のフェルールを半周以上にわたって囲む筒形状をなす筒状体を含む。筒状体は、一対のガイドであって、第1方向に延在して、筒状体の内周面から互いに対向するように突出し、第1側面及び第2側面にそれぞれ係合する一対のガイドを備える。一対のガイドのそれぞれは、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリットを有しており、第1方向の端部からスリットまでを構成する第1突起と、スリットよりも第1方向の奥側を構成する第2突起と、を含む。
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一実施形態に係るアダプタは、互いに対向する一対のフェルールを保持する。一対のフェルールのそれぞれは、複数の光ファイバをそれぞれ保持するための複数の光ファイバ保持部と、複数の光ファイバ保持部が延在する第1方向と交差する第2方向に沿って、互いに対向する第1側面及び第2側面と、を備える。アダプタは筒状体であって、第1方向に沿った線を軸として少なくとも一対のフェルールを半周以上にわたって囲む筒形状をなす筒状体を含む。筒状体は、一対のガイドであって、第1方向に延在して、筒状体の内周面から互いに対向するように突出し、第1側面及び第2側面にそれぞれ係合する一対のガイドを備える。一対のガイドのそれぞれは、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリットを有しており、第1方向の端部からスリットまでを構成する第1突起と、スリットよりも第1方向の奥側を構成する第2突起と、を含む。
一実施形態に係る光接続構造は、上記のアダプタと、アダプタの筒状体に保持された一対のフェルールと、を備える。
上記のアダプタは、筒状体を含んでいる。アダプタにフェルールを保持させる場合、アダプタの第1方向の端部からフェルールを挿入する。この場合、フェルールの第1側面及び第2側面と一対のガイドとがそれぞれ摺動する。第1側面及び第2側面と一対のガイドとの当接部分に異物が存在すると、第1側面及び第2側面と一対のガイドとの間に異物が挟まれる可能性がある。しかしながら、上記アダプタでは、一対のガイドが突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリットを有している。フェルールの第1側面及び第2側面に対して一対のガイドが摺動される際に、摺動に伴って異物が移動して、異物がスリットに収容され得る。したがって、第1側面及び第2側面と一対のガイドとの間に異物が挟まることが抑制され、光ファイバの位置決め精度の低下を抑制できる。
スリットは、第1方向において0.05mm~10mmの幅を有し、突出方向において0.05mm以上の深さを有してもよい。この構成では、異物が好適にスリット内に収容され得る。
第1方向から見たとき、一対のガイドのそれぞれは、円弧形状を呈していてもよい。この構成では、例えば、フェルールの第1側面及び第2側面に断面V字状の溝が形成されている場合に、ガイドと溝との接触面積を低減させることができる。
第1方向における第1突起の長さは、0.1mm~10mmであってよい。この構成では、異物が好適にスリット内に収容され得る。
第1突起の突出方向における高さは、第2突起の突出方向における高さよりも低くてもよい。この構成では、フェルールをアダプタの内側に挿入する際に、アダプタに対するフェルールの位置合わせを容易に行うことができる。
第1方向から見たときに、第1突起の突出方向の先端の形状と第2突起の突出方向の先端の形状とは、互いに異なっていてよい。この構成では、ガイドにおける設計の自由度を高めることができる。
一対のガイドのうちの少なくとも一方は、一対のフェルールに押圧されて弾性変形していてよい。少なくとも一方のガイドが弾性変形することにより、フェルールを好適に保持される。
一対のフェルールは、第2突起によって保持されており、第1突起とは離間していてもよい。この構成では、第1突起の突出方向における高さを、第2突起の突出方向における高さよりも低くすることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
以下、添付図面を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、一例に係る光接続構造を示す分解斜視図である。図2は、一例のフェルールの断面形状を示す図である。図3は、一例のアダプタの断面形状を示す図である。図4は、アダプタに保持された状態のフェルールを模式的に示す図である。一例の光接続構造1は、一対のフェルール10と、一対のフェルール10を保持するアダプタ40と、を含む。一対のフェルール10は、互いに同じ形状を有している。フェルール10は、略直方体形状を有しており、第1方向D1の一端に設けられた光学端面11と、第1方向D1の他端に設けられた後端面12と、第1方向D1に沿って延びる第1側面13、第2側面14、第3側面15及び第4側面16とを有する。光学端面11は、光学的に接続される相手側のフェルール10に対向し得る。
第1側面13と第2側面14とは、第1方向D1に交差する第2方向D2に互いに対向している。第3側面15と第4側面16とは、第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する第3方向D3に互いに対向している。第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3は、例えば、互いに直交している。
フェルール10は、複数の光ファイバを保持するための複数(図示例では12箇所)の光ファイバ保持孔(光ファイバ保持部)18を有する。光ファイバ保持孔18には光ファイバが挿入されて保持される。光ファイバは、例えば、コア及びクラッドを有するシングルモードファイバであってよい。光ファイバ保持孔18は、第1方向D1に沿って延びており、フェルール10の光学端面11に開放されている。複数の光ファイバ保持孔18は、第2方向D2に沿って並んで配置されている。また、光ファイバ保持孔18は、後端面12に形成された、光ファイバテープ心線を挿入するための開口17に連通している。
フェルール10は、後述する第1ガイド53及び第2ガイド54に係合する係合部23を有する。係合部23は、第1方向D1の任意の位置における第2方向D2及び第3方向D3に沿った断面形状が一様となるように形成されている。一例の係合部23は、第1側面13及び第2側面14にそれぞれ形成された、第1方向D1に延在する溝であってよい。図示例において、係合部23の第1方向D1に交差する断面形状は、V字状である。V字状の溝を構成する一対の斜面23a,23bの開きの角度は特に限定されない。なお、溝の底部23c、すなわち、斜面23aと斜面23bとの接続部分は、R加工が施されていてもよい。
フェルール10は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEI(ポリエーテルイミド)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PES(ポリエーテルサルホン)又はCOP(シクロオレフィンポリマー)等の材料によって構成されている。フェルール10は、例えば、第1方向D1に沿ってアダプタ40に挿入され、アダプタ40に嵌合される。
アダプタ40は、互いに対向する一対のフェルール10を保持する。アダプタ40は、第1方向D1に延在する筒状体41を含む。図示例において、筒状体41は、第1方向D1から見たときに、実質的に矩形枠状を呈している。すなわち、筒状体41は、第1壁体43、第2壁体44、第3壁体45及び第4壁体46を有する。第1壁体43及び第2壁体44は、第1方向D1から見たときに矩形の短辺を構成している。第1壁体43は、フェルール10の第1側面13に対面する第1内周面43aを有する。第2壁体44は、第2側面14に対面する第2内周面44aを有する。第3壁体45は、一方のフェルール10の第3側面15及び他方のフェルール10の第4側面16に対面する第3内周面45aを有する。第4壁体46は、一方のフェルール10の第4側面16及び他方のフェルール10の第3側面15に対面する第4内周面46aを有する。
筒状体41は、フェルール10の第1側面13に形成された係合部23に係合する第1ガイド53と、第2側面14に形成された係合部23に係合する第2ガイド54とを備える。第1ガイド53及び第2ガイド54は、第1方向D1の任意の位置における第2方向D2及び第3方向D3に沿った断面形状が一様となるように形成されている。
一例において、第1ガイド53は、第1内周面43aに沿って形成されており、第1方向D1に延在している。図示例の第1ガイド53は、第3壁体45の第3内周面45aから第4壁体46の第4内周面46aにわたって設けられている。第1ガイド53は、一対の接続端53aと、一対のベース53bと、突起53cとを含む。
一対の接続端53aは、第3壁体45の第3内周面45aと第4壁体46の第4内周面46aとにそれぞれ接続されており、第3内周面45aと第4内周面46aとから互いに対向するように突出している。一対のベース53bは、一対の接続端53aからそれぞれ第3方向D3に沿って互いに対向するように延在している。ベース53bは、板状を呈している。ベース53bの第2方向D2における板厚は、弾性変形が生じやすいように、各壁体43~46の厚みよりも小さくなっている。突起53cは、一対のベース53bの第3方向D3における先端同士を接続しており、第2壁体44に向かって突出している。図示例の突起53cは、第1方向D1から見て、略V字状を呈している。第2方向D2における突起53cの先端53dは、例えば所定の曲率をもって円弧状に形成されている。
第2ガイド54は、第2内周面44aに形成されており、第1方向D1に延在している。図示例の第2ガイド54は、第2内周面44aから第1ガイド53に向かって突出しており、第1方向D1から見て略V字形状を呈している。すなわち、第1ガイド53の突起53cと第2ガイド54とは、互いに対向する向きに突出している。第2方向D2における第2ガイド54の先端54aは、例えば所定の曲率をもって円弧状に形成されている。一例において、第2ガイド54の先端54aの曲率は、第1ガイド53の先端53dの曲率と同じであってよい。無負荷状態において、互いに対向する第2ガイド54の先端54aから第1ガイド53の先端53dまでの距離L1(図3参照)は、フェルール10における第1側面13の係合部23の底部から第2側面14の係合部23の底部までの距離L2(図2参照)よりも小さい。
図4に示すように、アダプタ40の筒状体41にフェルール10が保持される場合、筒状体41では、第1ガイド53のベース53bが第1壁体43に近付くように弾性変形する。第1ガイド53及び第2ガイド54は、筒状体41が弾性変形したときの復元力によって、フェルール10の第1側面13の係合部23と第2側面14の係合部23とを押圧する。
図5は、アダプタのガイドを説明するための断面図である。図5に示すように、第1ガイド53の突起53cは、突出方向(第2方向D2)の先端から基端に向かって形成されるスリット55を有している。すなわち、第1方向D1に延在している突起53cは、第1方向D1の端部からスリット55までの範囲を構成する第1突起53Aと、スリット55よりも第1方向D1の奥側の範囲を構成する第2突起53Bと、を含んでいる。一例においては、第1ガイド53は、第1方向D1の両端に形成される一対の第1突起53Aと、一対の第1突起53Aにスリット55を介して挟まれる第2突起53Bとを含んでいる。
同様に、第2ガイド54は、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリット56を有している。すなわち、第1方向D1に延在している第2ガイド54は、第1方向D1の端部からスリット56までを構成する第1突起54Aと、スリット56よりも第1方向D1の奥側を構成する第2突起54Bと、を含んでいる。一例においては、第2ガイド54は、第1方向D1の両端に形成される一対の第1突起54Aと、一対の第1突起54Aにスリット56を介して挟まれる第2突起54Bとを含んでいる。第1方向D1における第1突起53A,54Aの長さL4は、例えば、0.1mm~10mmであってよい。
第2方向D2において、第1突起53Aの高さと第2突起53Bの高さは同じであってよい。また、第2方向D2において、第1突起54Aの高さと第2突起54Bの高さは同じであってよい。
スリット55とスリット56との第1方向D1における幅L3は互いに同じであってよい。また、スリット55とスリット56との第2方向D2における深さは互いに同じであってよい。一例において、スリット55とスリット56とは、第1方向D1において0.05mm~10mmの幅を有し、第2方向D2において0.05mm以上の深さを有していてもよい。
筒状体41は、弾性変形可能な樹脂によって形成されている。筒状体41は、例えば、PEI(ポリエーテルイミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PES(ポリエーテルサルホン)、又はPA(ポリアミド)等の材料によって構成されている。
以上説明したとおり、本開示の一実施形態に係るアダプタ40は、互いに対向する一対のフェルール10を保持する。一対のフェルール10のそれぞれは、複数の光ファイバをそれぞれ保持するための複数の光ファイバ保持孔18と、複数の光ファイバ保持孔18が延在する第1方向D1と交差する第2方向D2に沿って、互いに対向する第1側面13及び第2側面14と、を備える。アダプタ40は筒状体41を含む。筒状体41は、第1方向D1に沿った線を軸として少なくとも一対のフェルール10を半周以上にわたって囲む筒形状をなす。筒状体41は、第1ガイド53及び第2ガイド54を備える。第1ガイド53及び第2ガイド54は、第1方向D1に延在して、筒状体41の内周面から互いに対向するように突出している。第1ガイド53及び第2ガイド54は、第1側面13及び第2側面14にそれぞれ係合する。第1ガイド53及び第2ガイド54は、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリット55,56を有している。すなわち、第1ガイド53及び第2ガイド54は、第1方向D1の端部からスリット55,56までを構成する第1突起53A,54Aと、スリット55,56よりも第1方向D1の奥側を構成する第2突起54B,54Bと、を含む。
一実施形態に係る光接続構造は、上記のアダプタ40と、アダプタ40の筒状体41に保持された一対のフェルール10と、を備える。
上記のアダプタ40は、筒状体41を含んでいる。アダプタ40に一対のフェルール10を保持させる場合、第1ガイド53及び第2ガイド54がフェルール10の第1側面13と第2側面14とを押圧するように、アダプタ40の第1方向D1の両端からフェルール10をそれぞれ挿入する。この場合、フェルール10の第1側面13及び第2側面14と第1ガイド53及び第2ガイド54とがそれぞれ摺動する。このとき、第1側面13及び第2側面14と第1ガイド53及び第2ガイド54との互いの当接部分に異物が存在すると、第1側面13及び第2側面14と第1ガイド53及び第2ガイド54との間に異物が挟まれる可能性がある。しかしながら、上記アダプタ40では、第1ガイド53及び第2ガイド54がスリット55及びスリット56をそれぞれ有している。そのため、フェルール10がアダプタ40に挿入される際に、フェルール10の摺動に伴って移動する異物Gがスリット55,56に収容され得る。したがって、第1側面13及び第2側面14と第1ガイド53及び第2ガイド54との間に異物Gが挟まることが抑制され、光ファイバの位置決め精度の低下を抑制できる。
スリット55,56は、第1方向D1において0.05mm~10mmの幅L3を有し、突出方向において0.05mm以上の深さを有してもよい。この構成では、異物Gが好適にスリット内に収容され得る。
第1方向D1から見たとき、第1ガイド53及び第2ガイド54は、先端が円弧形状を有する略V字形状を呈していてもよい。この構成では、例えば、フェルール10の第1側面13及び第2側面14に断面V字溝状の係合部23が形成されている場合に、第1ガイド53及び第2ガイド54と係合部23との接触面積を低減させることができる。
第1方向D1における第1突起53A,54Aの長さL4は、0.1mm~10mmであってよい。フェルール10がアダプタ40に挿入される場合、はじめに第1突起53A,54Aが一対の係合部23に係合する。第1方向D1における第1突起53A,54Aの長さが短すぎると、係合が困難である。第1方向D1における第1突起53A,54Aの長さが長い場合、スリット55,56がアダプタ40の内側に入り過ぎるため、異物がスリット55,56に収容され難くなる虞がある。第1突起53A,54Aの長さが上記の範囲に収まることにより、異物Gが好適にスリット内に収容され得る。
また、アダプタ40は、一対のフェルール10に押圧されて弾性変形していてよい。アダプタ40(本例においては、第1ガイド53)が弾性変形することにより、フェルール10が好適に保持される。
本開示は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、図6は、他の例に係るアダプタのガイドを説明するための断面図である。図7は、ガイドの第1突起と第2突起を説明するための図である。図6に示すアダプタ140は、第1ガイド及び第2ガイドの形状において、図1から図5に示すアダプタ40と相違している。なお、以下の説明において特に言及しない部分については、アダプタ140の構造はアダプタ40と同じであってよい。
図6に示すように、第1ガイド153の突起153cは、突出方向(第2方向D2)の先端から基端に向かって形成されるスリット155を有している。すなわち、第1方向D1に延在している突起153cは、第1方向D1の端部からスリット155までの範囲を構成する第1突起153Aと、スリット155よりも第1方向D1の奥側の範囲を構成する第2突起153Bと、を含んでいる。一例においては、第1ガイド153は、第1方向D1の両端に形成される一対の第1突起153Aと、一対の第1突起153Aにスリット155を介して挟まれる第2突起153Bとを含んでいる。
同様に、第2ガイド154は、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリット156を有している。すなわち、第1方向D1に延在している第2ガイド154は、第1方向D1の端部からスリット156までを構成する第1突起154Aと、スリット156よりも第1方向D1の奥側を構成する第2突起154Bと、を含んでいる。一例においては、第2ガイド154は、第1方向D1の両端に形成される一対の第1突起154Aと、一対の第1突起154Aにスリット156を介して挟まれる第2突起154Bとを含んでいる。
第2方向D2において、第1突起153Aの高さと第2突起153Bの高さとは、互いに異なっている。例えば、第2方向D2において、第1突起153Aの高さは、第2突起153Bの高さよりも低くなっていてよい。一例において、第1突起153Aの先端153Aaから第2突起153Bの先端153Baまでの距離L5は、0.05mm程度であってよい。同様に、第2方向D2において、第1突起154Aの高さは、第2突起154Bの高さよりも低くなっていてよい。すなわち、第1突起154Aの先端154Aaから第2突起154Bの先端154Baまでの距離は、0.05mm程度であってよい。
図7の例において、第1突起153Aの先端153Aaの形状は、第2突起153Bの先端153Baの形状と同じとなっている。図示例では、第1突起153Aの先端153Aaと第2突起153Bの先端153Baとは、第1方向D1から見たときに、いずれも同じ曲率を有する円弧状を呈している。第1ガイド153と第2ガイド154とにおいて、突起の先端の形状は互いに同様に形成されているため、第2ガイド154についての説明は省略する。
なお、第1突起153Aと第2突起153Bとで高さが異なる場合、第1方向D1から見たときに、第1突起153Aの突出方向の先端153Aaの形状と第2突起153Bの突出方向の先端153Baの形状とは、互いに異なっていてよい。この構成では、設計の自由度を高めることができる。図8及び図9は、互いに先端の形状が異なる第1突起と第2突起を説明するための図である。
図8に示す例では、第1突起153Aの先端153Aaは、所定の曲率を有する円弧状に形成されている。一方、第2突起153Bの先端153Baは、第1突起153Aの先端153Aaの曲率よりも小さい曲率を有する円弧状に形成されている。
図9に示す例では、第2突起153Bの先端153Baは、図8と同様に所定の曲率を有する円弧状に形成されている。一方、第1突起153Aの先端153Aaは、フェルール10の係合部23における底部23cの近傍と同じ形状に形成されている。
第1突起の突出方向における高さは、第2突起の突出方向における高さよりも低くてもよい。この構成では、フェルール10をアダプタ140の内側に挿入する際に、アダプタ140に対するフェルール10の位置合わせを容易に行うことができる。
一対のフェルール10は、第2突起153B,154Bによって保持されており、第1突起153A,154Aとは離間していてもよい。この構成では、第1突起153A,154Aの突出方向における高さを、第2突起153B,154Bの突出方向における高さよりも低くすることができる。
また、上記の各形態では、特に矛盾や問題がない限り、互いの構成を流用又は追加することができる。
また、アダプタは、その全部が弾性材料によって構成されていなくてもよく、その一部が弾性材料によって構成されることで弾性変形可能であればよい。
また、本明細書においては、フェルールを半周以上にわたって囲む形状を筒形状として定義してよい。例えば、筒状体41の第3壁体45又は第4壁体46に第1方向D1に沿って一端から他端にかけてスリットが形成されていてもよい。なお、このように、筒状体にスリットが形成される場合、第1ガイド53の代わりに、第2ガイド54と同じ構造の第1ガイドを第1壁体43の第1内周面43aに形成してもよい。
1…光接続構造、10…フェルール、11…光学端面、12…後端面、13…第1側面、14…第2側面、15…第3側面、16…第4側面、17…開口、18…光ファイバ保持孔(光ファイバ保持部)、23…係合部、23a…斜面、23b…斜面、23c…底部、40…アダプタ、41…筒状体、43…第1壁体、43~46…各壁体、43a…第1内周面、44…第2壁体、44a…第2内周面、45…第3壁体、45a…第3内周面、46…第4壁体、46a…第4内周面、53…第1ガイド、53a…接続端、53A…第1突起、53b…ベース、53B…第2突起、53c…突起、53d…先端、54…第2ガイド、54a…先端、54A…第1突起、54B…第2突起、55…スリット、56…スリット、140…アダプタ、153…第1ガイド、153A…第1突起、153Aa…先端、153B…第2突起、153Ba…先端、153c…突起、154…第2ガイド、154A…第1突起、154Aa…先端、154B…第2突起、154Ba…先端、155…スリット、156…スリット、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、G…異物、L1~L5…距離。
Claims (9)
- 互いに対向する一対のフェルールを保持するためのアダプタであって、
前記一対のフェルールのそれぞれは、
複数の光ファイバをそれぞれ保持するための複数の光ファイバ保持部と、
前記複数の光ファイバ保持部が延在する第1方向と交差する第2方向に沿って、互いに対向する第1側面及び第2側面と、
を備え、
前記アダプタは、
筒状体であって、前記第1方向に沿った線を軸として少なくとも前記一対のフェルールを半周以上にわたって囲む筒形状をなす前記筒状体を含み、
前記筒状体は、
一対のガイドであって、前記第1方向に延在して、前記筒状体の内周面から互いに対向するように突出し、前記第1側面及び前記第2側面にそれぞれ係合する前記一対のガイドを備え、
前記一対のガイドのそれぞれは、突出方向の先端から基端に向かって形成されるスリットを有しており、前記第1方向の端部から前記スリットまでを構成する第1突起と、前記スリットよりも前記第1方向の奥側を構成する第2突起と、を含む、アダプタ。 - 前記スリットは、前記第1方向において0.05mm~10mmの幅を有し、突出方向において0.05mm以上の深さを有する、請求項1に記載のアダプタ。
- 前記第1方向から見たとき、前記一対のガイドのそれぞれは円弧形状を呈している、請求項1又は請求項2に記載のアダプタ。
- 前記第1方向における前記第1突起の長さは、0.1mm~10mmである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアダプタ。
- 前記第1突起の突出方向における高さは、前記第2突起の突出方向における高さよりも低い、請求項4に記載のアダプタ。
- 前記第1方向から見たときに、前記第1突起の突出方向の先端の形状と前記第2突起の突出方向の先端の形状とは、互いに異なっている、請求項4又は請求項5に記載のアダプタ。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアダプタと、
前記アダプタの前記筒状体に保持された前記一対のフェルールと、を備える、光接続構造。 - 前記一対のガイドのうちの少なくとも一方は、前記一対のフェルールに押圧されて弾性変形している、請求項7に記載の光接続構造。
- 前記一対のフェルールは、前記第2突起によって保持されており、前記第1突起とは離間している、請求項7又は請求項8に記載の光接続構造。
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2020
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