JP2022045464A - 模様付製品成形用押出しダイス - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性材料で形成される中空形状の製品用部材の表面に模様を成形する際、製品用部材の内面への凹凸の発生を防止することができ、これにより、生産性の向上を図ることができる模様付製品成形用押出しダイスを提供する。【解決手段】熱可塑性部材を製品用部材の外形形状を成形するベアリング部13を有する雌型9と、熱可塑性部材の移動方向における雌型9よりも上流側に雌型9と一体に設けられ、かつ熱可塑性部材に中空部形状を形成するマンドレル部7を有する雄型8とからなる上型ダイ5と、ベアリング部13により成形された製品用部材の移動を案内する製品部材用下側ガイド部32と、製品用部材の少なくとも一面に前記模様を成形する歯車4とを有する下型ダイ6とを備え、マンドレル部7には、歯車14による前記模様成形時の押圧力を吸収する逃げ部16が形成されている。【選択図】 図7

Description

本発明は、熱可塑性材料としての、例えばアルミニウム合金で形成される製品用部材の表面に所定の模様を成形して模様付製品を製造する模様付製品成形用押出しダイスに関するものである。
一般にアルミニウム合金等は、熱伝導性が高く、かつ、加工性に優れており、断面形状の自由度も高く期待できる等、様々な形状を得ることができることから押出し加工に適している。
そのため、この押出し加工は現在では広く採用されている。
例えば、アルミニウム合金の押出し加工により、幅方向に多数の穴が連続する扁平状多穴管、長尺の平板やパイプ部材等が成形されており、あるいは、表面にラック状や波形状等、凹凸形状の模様を成形することも行われている。
従来、長尺材の表面に模様を成形する技術として、塑性変形可能なメタルのプレス加工装置および方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された技術では、図19に示すように、固定ダイ110に、塑性変形可能なメタル115を導入するためのメタル導入用の凹所129と、それに続く開口111が形成されると共に、メタル115の流れをガイドする支持面118が形成されている。
また、固定ダイ110の開口111に近い位置に形成された第2開口117には、支持面118に沿って押し出されてくるメタル115の一表面にラックを形成するための歯車119が配設されており、矢印Aに示すように、この歯車119が押し出されてくるメタル115に連れて回転しながら、そのメタル115の表面にラックを形成するようになっている。
なお、この支持面118は、一般的には、メタル116の製品としての形状を決定するベアリング部に相当する部位である。
また、特許文献1における支持面118の下流側端部は、歯車の頂部と略対向する位置までの長さとなっており、支持面118の下流側の長さが短い。そして、支持面118の下流側端部が終端部となっており、その終端部に外側に拡がる逃げ部が連続して形成されている。
特表2003-522647号公報
しかし、上記特許文献1に開示された技術では、支持面118におけるメタル115の流れ方向下流側端部が支持面118の終端部となっており、その終端部が、メタル115を間にして歯車119の歯の頂部と対向する位置となっている。
そのため、支持面118の終端部では、メタル115の表面にラック模様を成形する際の歯車119の押圧力がかかるが、その時点ではメタル115の裏面は支持面118に密着しているので裏面に凹凸模様が生じることはない。
ところが、上述のように、支持面118の長さが短く、歯車119の頂部と対向する部位が支持面118の略終端部となっており、そこから大きく外側に拡がる開口部が形成されている。一方で、メタル115は一定の速度で連続して押し出されてくる。
そのため、歯車119により支持面118側に押されたメタル115が支持面118の終端部を経過した時点で、拡大部分に示すように、メタル115の裏面を支持する部位がなくなるため外側に広がった大きな開口部に押されてしまい、歯車119による押圧力があたかもずれ込んだ状態となって、メタル115の裏面側に凹凸部として表れてしまうという問題が生じる。
また、中空形状の製品を特許文献1に記載された手段に基づいて押出成形により成形する場合には、内面側に凹凸部が生じると共に、歯車119で押圧される側面に変形が生じる懸念がある。
そうすると、本来は、メタル115の表面側にのみラック状の模様が付されたものが求められている商品であるにも関わらず、裏面側や内面側に凹凸部が生じたものとなり、不良品となってしまう。その結果、その不良品は廃棄処分することになり、材料の無駄や作業時間の無駄が生じ、また、生産性の低下を招いてしまうという問題も生じている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、熱可塑性材料で形成される中空形状の製品用部材の表面に模様を成形する際、製品用部材の内面への凹凸の発生を防止することができ、これにより、生産性の向上を図ることができる模様付製品成形用押出しダイスを提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明は、素材供給側から連続して押出される熱可塑性部材で形成される中空部を有する製品用部材の表面に模様を成形する模様付製品成形用押出しダイスであって、前記熱可塑性部材を導入する上型ダイと、この上型ダイを支持する下型ダイと、を備えて構成され、前記上型ダイは、前記熱可塑性部材を前記製品用部材の外形形状を成形するベアリング部を有する雌型と、前記熱可塑性部材の移動方向における前記雌型よりも上流側に前記雌型と一体に設けられ、かつ前記熱可塑性部材に中空部形状を形成するマンドレル部を有する雄型とからなり、前記下型ダイには、前記ベアリング部により成形された前記製品用部材の移動を案内する製品部材用下側ガイド部と、前記製品用部材の少なくとも一面に前記模様を成形する模様成形具とが設けられ、前記マンドレル部には、前記模様成形具による前記模様成形時の押圧力を吸収する逃げ部が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
このように構成することにより、熱可塑性部材を押出して熱可塑性部材が雌型のベアリング部を通過することによって、熱可塑性部材の外形形状が製品用部材の外形形状に形成される。同様に熱可塑性部材が雄型のマンドレル部を通過することによって、熱可塑性部材に中空部が形成される。また、上記の雌型の下流側に設けられた下型ダイを熱可塑性部材が通過すると、その少なくとも一面に模様成形具による押圧力が作用して模様が付される。そのように模様成形具によって模様を付す際には、その押圧力が逃げ部によって吸収される。
本発明において、前記マンドレル部は、前記模様成形具によって前記製品用部材を押圧する位置よりも、前記製品用部材の移動方向における下流側まで形成され、前記逃げ部は、前記マンドレル部の先端まで形成されていることが好ましい(請求項2)。
このように構成することにより、模様成形部に押圧されることにより熱可塑性部材の下流側に流動した材料のうち中空部側に流動する材料は、逃げ部によって規制され、その結果、中空部は、平坦面に維持される。
本発明において、前記雌型には、前記下型ダイにおける前記模様成形具の上面を覆うように前記雌型の下面から下方に突出するとともに、一面が前記マンドレル部に対向した突出部を備え、前記突出部の前記一面には、前記ベアリング部の下部に形成されると共に前記ベアリング部に連続しかつ前記ベアリング部で成形された前記製品用部材を前記下型ダイの前記模様成形具側にガイドする製品部材用上側ガイド部が設けられていることが好ましい(請求項3)。
このように構成することにより、ベアリング部により成形された製品用部材は、製品部材用上側ガイド部によって模様成形具とマンドレル部との間に案内される。特に、熱可塑性部材の先端部分の移動方向が制限される。
本発明において、前記マンドレル部は、前記製品用部材の移動方向における上流側に形成された外形寸法が相対的に大きい成形部を備え、前記逃げ部は、前記成形部よりも前記熱可塑性部材の移動方向における下流側に形成され、かつ外形寸法が相対的に小さく形成されていることが好ましい(請求項4)。
このように構成することにより、熱可塑性部材には、成形部によって中空部が形成され、その後、模様成形具によって押圧されることにより、その中空部の内面が逃げ部に密着し、その状態で、模様形成具によって外面に模様が付される。
本発明において、前記模様成形具は、前記製品用部材の移動に伴って回転する歯車で構成されていることが好ましい(請求項5)。
このように構成することにより、熱可塑性部材が押出される荷重によって歯車が回転する。その結果、製品用部材の外面には、連続した凹凸形状が形成される。
本発明において、前記歯車は、前記歯車の主軸両端がそれぞれ軸受を介して歯車取付部材に支持され、前記両歯車取付部材は、前記下型ダイに形成された歯車取付部材設置用穴にそれぞれ配置され、前記下型ダイには、前記各歯車取付部材を前記製品用部材の移動方向に対して直交する方向に沿ってスライドさせ前記歯車の前記製品用部材に対する位置を調整する歯車位置調整機構が設けられていることが好ましい(請求項6)。
このように構成することにより、歯車は、下型ダイに設けられた歯車取付部材によって両端支持される。その歯車取付部材は、歯車位置調整機構によって製品用部材の移動方向に対して直交する方向にスライドさせて位置が調整される。すなわち、歯車位置調整機構によって歯車取付部材の位置を調整することにより、歯車が製品用部材に喰い込む量が調整される。
本発明において、前記雌型には、前記ベアリング部の下部に連続しかつ前記ベアリング部で形状が決定された前記製品用部材を前記下型ダイ側にガイドする製品部材用上側ガイド部が設けられていることが好ましい(請求項7)。
このように構成することにより、ベアリング部により成形された製品用部材は、製品部材用上側ガイド部によって下型ダイ側に案内される。特に、熱可塑性部材の先端部分の移動方向が制限される。
本発明において、前記下型ダイには、前記製品用部材の互いに対向する二つの側面に前記模様を成形する模様成形具が二つ設けられ、前記逃げ部は、前記マンドレル部における前記模様成形具にそれぞれ対向した側面に形成されていることが好ましい(請求項8)。
このように構成することにより、熱可塑性部材を模様付製品成形用押出しダイスに通過させることにより、製品用部材の二つの側面に一度に模様が付される。
本発明において、前記熱可塑性部材は、アルミニウム合金であることが好ましい(請求項8)。
このように構成することにより、比較的小さな荷重によって模様形成具を製品用部材に押圧して製品用部材に模様が付される。
請求項1に記載の発明によれば、熱可塑性部材を押出することにより、雌型のベアリング部を通過によって熱可塑性部材の外形形状を製品用部材の外形形状に形成することができるとともに、雄型のマンドレル部を通過することによって熱可塑性部材に中空形状を形成することができる。また、上記の雌型の下流側に設けられた下型ダイを熱可塑性部材が通過すると、その少なくとも一面に模様成形具による押圧力を作用させることにより模様を付すことができる。さらに、そのように模様成形具によって模様を付す際には、その押圧力が逃げ部によって吸収されて、製品用部材の内面を逃げ部に密着させることができるため、製品用部材の内面に凹凸形状が生じることや、その凹凸形状を成形する一面が変形することを抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、模様成形部に押圧されることにより熱可塑性部材の下流側に流動した材料のうち中空部側に流動する材料は、逃げ部によって規制される。その結果、製品用部材の内面を逃げ部に密着させた状態を維持できることにより、製品用部材の内面に凹凸形状などが生じることを抑制できる。
請求項3に記載の発明によれば、ベアリング部により成形された製品用部材は、製品部材用上側ガイド部によって模様成形具とマンドレル部との間に案内される。特に、熱可塑性部材の先端部分の移動方向が制限される。その結果、ベアリング部により成形された製品用部材を模様成形具とマンドレル部(逃げ部)との間に確実に案内することができる。言い換えると、製品用部材が模様成形具と意図しない位置で接触することを抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、熱可塑性部材には、成形部によって中空部が形成され、その後、模様成形具によって押圧されることにより、その中空部の内面が逃げ部に密着する。すなわち、中空部の内面と逃げ部とを密着させることができる。その結果、模様成形具によって製品用部材を押圧して模様を付した場合であっても、製品用部材の内面に凹凸形状が生じることを抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、熱可塑性部材が押出される荷重によって歯車が回転する。その結果、製品用部材の外面には、連続した凹凸形状を形成することができる。そのため、模様成形具を駆動するための装置などを設けることなく、製品用部材に連続した模様を付すことができ、模様付製品成形用押出しダイスが大型化することを抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、歯車は、下型ダイに設けられた歯車取付部材によって両端支持され、その歯車取付部材は、歯車位置調整機構によって製品用部材の移動方向に対して直交する方向にスライドさせて位置が調整される。そのため、歯車位置調整機構によって歯車取付部材の位置を調整することにより、歯車が製品用部材に喰い込む量を調整できる。すなわち、製品用部材に付される模様の深さを適宜調整することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ベアリング部により成形された製品用部材は、製品部材用上側ガイド部によって下型ダイ側に案内される。特に、熱可塑性部材の先端部分の移動方向が制限される。そのため、ベアリング部により成形された製品用部材を下型ダイ側に確実に案内することができる。
請求項8に記載の発明によれば、熱可塑性部材を模様付製品成形用押出しダイスに通過させることにより、製品用部材の二つの側面に一度に模様が付されるため、製品用部材の一方の側面に模様を付すための加工などを後に施す必要がなく、加工工数を低減することができる。
請求項9に記載の発明によれば、比較的小さな荷重によって模様形成具を製品用部材に押圧して製品用部材に模様を付すことができる。その結果、模様付製品成形用押出しダイスが大型化することを抑制できる。
本発明に係る模様付製品成形用押出しダイスの第1実施形態を示す全体斜視図である。 前記模様付製品成形用押出しダイスの分解斜視図である。 本発明における上型ダイを構成する雄型を示す斜視図(a)、その縦断面図(b)、(b)のI部の拡大断面図(c)、および(c)のII-II線に沿う断面図(d)である。 前記上型ダイを構成する雌型を示す斜視図(a)、およびその縦断面図(b)である。 本発明における模様成形用歯車を収容した下型ダイを示す平面図である。 図5のIII-III線に沿う断面斜視図である。 第1実施形態の使用状態を示す断面図である。 図7の要部を示す拡大断面図である。 前記模様成形用歯車を下型ダイに取り付けた状態を示す断面斜視図である。 図9の状態から歯車と歯車取付部材と歯車位置調整機構とを取り出した状態を示す分解斜視図である。 本発明における歯車位置調整機構を表し、(a)は歯車が中空部材に最大限喰い込んだ状態であり、(b)は歯車が中空部材に僅かに喰い込んだ状態の一部を断面で示す平面図である。 図11(b)のIV-IV線に沿う断面図である。 第1実施形態の模様付製品成形用押出しダイスにより成形された模様付製品を示す斜視図である。 本発明に係る模様付製品成形用押出しダイスの第2実施形態における模様成形用歯車を収容した下型ダイを示す平面図である。 図14のV-V線に沿う断面斜視図である。 第2実施形態の使用状態を示す断面図である。 図16の要部を示す拡大断面図である。 第2実施形態の模様付製品成形用押出しダイスにより成形された模様付製品を示す斜視図である。 従来の押出し加工における固定ダイ、メタル、および歯車の位置関係を示す縦断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態における模様付製品成形用押出しダイス(以下、単に押出しダイスと記す)1は、例えば、図13に示すように所定の一側面(以下、加工面と記す)2に模様Dが付された断面形状が四角形の中空形状部材(以下、製品と記す)3を成形するために用いられるものである。具体的には、熱可塑性材料であるアルミニウム合金を再結晶化する温度よりも高い温度まで熱し、その柔らかくなったビレットBを図示しないラムやステムなどによって押出しダイス1に連続して供給することにより、押出しダイス1におけるベアリング部13などで所期の形状の製品3(製品用部材)を成形するように構成されている。このアルミニウム合金が、本発明の実施形態における「熱可塑性部材」に相当する。
製品3は、各側面2aの板厚が所定の厚さに形成された中矩形状の長尺材であって、それらの側面2aのうちの加工面2には、連続した凹凸形状の模様Dが付されている。なお、図13に示す製品3には、歯車の歯面形状に沿った凹凸形状が連続して形成されていて、例えば、サッシなどに用いられる。
図7に示すようにコンテナ4から押圧されたビレットBが押出しダイス1に導入される。そのビレットBを導入すると共に、ビレットBを中空矩形状に成形するための上型ダイ5と、その上型ダイ5を支持すると共に、加工面2に凹凸形状を成形する下型ダイ6とを備え、上型ダイ5と下型ダイ6とは、例えば、下型ダイ6の裏面から差し込んだ連結ボルト(図示せず)により連結されている。
図7に示すようにコンテナ4は、上型ダイ5の上面に載置されていて、ビレットBを収容すると共に、そのビレットBの温度を上記再結晶化する温度以上に保つことができるように構成されている。
上型ダイ5は、図1,2,7に示すように、製品3の中空部形状を成形するためのマンドレル部7を支持する雄型8と、その雄型8を支持すると共に、供給されたビレットBを所期の外形形状に成形するための雌型9とを備えている。つまり、雄型8は、ビレットBの移動方向において、雌型9よりも上流側に一体に設けられている。なお、雄型8と雌型9との外形寸法は、略同一に形成されている。なお、押出しダイス1に導入された素材は、メタルMaとも称される場合があり、したがって、以下の説明では、押出しダイス1に導入された後の素材を、「メタルMa」と記す。
図1,2,3に示すように雄型8の上面は、コンテナ4を載置するために中央部分が僅かに窪んで形成されていて、その窪んだ部分に、雄型8の中心軸を中心として所定角度ずつずらして扇状の4つの導入孔10が形成されている。なお、雄型8の裏面には、雌型9の上面の窪んだ部分に嵌合状態で載置されるように、外周縁よりも内側が僅かに突出した円形凸部8aが形成されている。
その導入孔10は、ビレットB(メタルMa)を通過させるためのものであって、導入孔10を区分けするように二つのブリッジ11が交差して設けられている。言い換えると、導入孔10を区分けする部分がブリッジ11として機能している。
これらのブリッジ11は、マンドレル部7を支持するための部材であって、その中央部分(ブリッジ11同士が交差した部分)の裏面側に、雄型8の軸線方向における下側に垂下して支持軸12が連結され、その支持軸12の先端にマンドレル部7が連結されている。
図7,8に示すマンドレル部7は、その下端面が、後述する雌型9における外側ベアリング部13および下型ダイ6に設けられた歯車14の回転中心と水平な位置よりも下方側まで形成されている。すなわち、マンドレル部7は、メタルMaの移動方向において、歯車14が後述するようにメタルMaを押圧する位置よりも下流側まで成形されている。なお、外側ベアリング部13および後述する内側ベアリング部15により所期の形状に成形された素材を、以下の説明では、「形材Mo」と記す。
このマンドレル部7の上方側には、図3(b),(c),(d)に示すように製品3の内方形状と略同一に、すなわち、断面形状が四角形状に形成された内側ベアリング部15が形成されている。また、内側ベアリング部15よりも下方の部分のうち加工面2に対応した位置には、歯車14によって形材Moの外面が押圧された際に、その内面に凹凸形状が成形されることを抑制するための逃げ部16が形成され、他の側面2aに対応した位置には、形材Moをガイドする内側ガイド部17が形成されている。すなわち、メタルMa(または形材Mo)の移動方向において上流側に、相対的に外形寸法が大きい内側ベアリング部15が形成され、下流側に内側ベアリング部15よりも外形寸法が小さい逃げ部16が形成されている。なお、逃げ部16および内側ガイド部17は、マンドレル部7の先端まで形成されている。
逃げ部16は、上記内側ベアリング部15の外面から所定の深さ窪んで鉛直方向(または形材Moの進行方向)に沿って形成されている。それに対して、内側ガイド部17は、下方側に向けて次第に先細るように傾斜して形成されている。
なお、図3(b)や図7に示すように支持軸12は、ブリッジ11との接続部分に集中応力が作用することを抑制するために、軸線方向におけるブリッジ11側の根元が、ブリッジ11側からマンドレル部7側に向けて次第に細くなるように形成されている。
図2,図4に示すように雌型9は、上記の雄型8を載置するために中央部分が僅かに窪んで形成され、その窪んだ部分には、上記導入孔10の外縁と略同一形状の凹部18が形成されている。この凹部18は、上記導入孔10から導入されたメタルMaを次第に製品3の外形形状である四角形状に成形するためのものであり、以下の説明では、第1メタル溜まり部18と記す。この第1メタル溜まり部18には、雌型9の外周側から内側に向けて突出した4つの突起部19が、上記ブリッジ11の外周側の部分の裏面と接触するように、雌型9の中心軸を中心として所定の角度の間隔を空けて形成されている。この突起部19は、メタルMaとマンドレル部7(特に外側ベアリング部13および内側ベアリング部15)との摩擦力(または流動抵抗)などによってブリッジ11が撓むことを抑制するため、すなわち、ブリッジ11の曲げ剛性を向上させるために設けられている。
その第1メタル溜まり部18の中心部分には、第1メタル溜まり部18に連続して第2メタル溜まり部20が形成されている。この第2メタル溜まり部20の上側の開口は、製品3の外形寸法よりも大きく形成されている。また、第2メタル溜まり部20の下側は、内径が次第に小さくなるように形成されている。そして、第2メタル溜まり部20の下側には、更に、第2メタル溜まり部20に連続してかつ第2メタル溜まり部20よりも開口が絞られた第3メタル溜まり部21が形成されている。すなわち、第1メタル溜まり部18、第2メタル溜まり部20、および第3メタル溜まり部21と、メタルMaが進行するに連れて、メタルMaの外形寸法が次第に小さくなるように形成されている。
また、第3メタル溜まり部21の下流であり、かつ上述したマンドレル部7における内側ベアリング部15に対向した位置に、第3メタル溜まり部21に連続し、かつ第3メタル溜まり部21よりも開口が絞られた外側ベアリング部13が形成されている。この外側ベアリング部13は、メタルMaの外形形状を、製品3の外形形状に仕上げるための部分であって、したがって、外側ベアリング部13の内側の寸法は、製品3の外形寸法と略同一に形成されている。また、上述したように内側ベアリング部15は、製品3の内方形状と略同一に形成されているため、内側ベアリング部15と外側ベアリング部13との間をメタルMaが通過することにより、製品3のうちの模様Dを除く他の形状と、メタルMaの形状とが同一となるように構成されている。
さらに、外側ベアリング部13の下方には、この外側ベアリング部13に連続した上側ガイド部22が形成されている。この上側ガイド部22は、外側ベアリング部13で成形されて押出されてくる形材Moを、下型ダイ6側にガイドする部位である。
より具体的には、外側ベアリング部13の下方側の側面のうち後述する歯車14が設けられた部分に対応した側面、または歯車14の上方に位置する側面には、下流側に向けて突出した突出部23が設けられている。この突出部23は、歯車14の上部側の外周一部に沿ってかつ外周一部を覆うように形成されている。この突出部23のうちの形材Moに対向した面は、形材Moと所定の隙間が空くように形成されていて、この部分が上側ガイド部22(製品部材用上側ガイド部)として機能するように構成されている。また、この突出部23が形成されていない側面は、形材Moが進行するに連れて形材Moとの隙間が大きくなるように傾斜して形成され、その傾斜面が上側ガイド部22(製品部材用上側ガイド部)として機能するように構成されている。なお、図4(b)に示すように雌型9の下面の一部には、下型ダイ6側に突出した凸部24が形成され、その凸部24が、後述する位置決め穴25に嵌合するように構成されている。
下型ダイ6は、図5,6に示すように円柱状に形成されており、その上面には、雌型9の裏面に形成された円形突起部9aを嵌合状態で載置するために僅かに窪んだ円形状の凹部26が形成されている。下型ダイ6には、その平面の略中央部近傍に歯車14を配置するための歯車配置空間27が形成されており、この歯車配置空間27は、略長方形状の貫通孔となっている。また、この歯車配置空間27の長さ方向に沿った両隣には、歯車取付部材28を設置する歯車取付部材設置用穴29がそれぞれ形成されている。
さらに、歯車配置空間27の長さ方向の一方側(図5における右側)は、下方側が閉じられている位置決め穴25が形成されている。この位置決め穴25は、雌型9に形成された凸部24が嵌合するように構成されている。すなわち、位置決め穴25の側壁と凸部24とによって雌型9の位置決めがされている。言い換えると、歯車配置空間27の一部に、雌型9の位置決め穴25が形成されている。
歯車取付部材設置用穴29は、歯車配置空間27の長手方向に沿って設けられ、所定幅の細長形状で、かつ所定深さに形成されている。そして、歯車取付部材設置用穴29には、歯車取付部材28が挿入される。
また、下型ダイ6の外周面のうちの各歯車取付部材設置用穴29の延長線上の位置には、歯車取付部材設置用穴29に連通した貫通孔30が形成されている。この貫通孔30は、歯車取付部材設置用穴29側の内径が、下型ダイ6側の内径よりも小さく形成されていて、その内径が小さい部分に雌ねじが形成されている。この雌ねじに、後述する歯車位置調整機構を構成する位置調整用ボルト31が螺合されるようになっている。この雌ねじは、歯車取付部材28の側面の上側と下側との2箇所を押圧するように二つ形成されている。
図5,6に示すように、歯車14は、歯車配置空間27の左寄りに配置されるようになっており、歯車14の右側には所定の広さの空間SPが設けられており、この空間SPの部位が、押出されてくる形材Moの挿通部Pとなっている。
下型ダイ6には、形材Moをガイドする下側ガイド部32が形成されている。この下側ガイド部32は、本発明の実施形態における「製品部材用下側ガイド部」に相当するものであり、図7,8に示すように、その上端面から下端面に亘って形成されている。また、下側ガイド部32は、図8に示すように上側ガイド部22の下端側の開口面積よりも大きな開口面積に形成され、下型ダイ6の軸線方向に沿って形成されている。
下型ダイ6の内面のうちの上記マンドレル部7における逃げ部16に対向した面には、逃げ部16との間に挟まれる形材Moの加工面2に凹凸形状の模様Dを成形するための歯車14が配設されている。この模様Dは、歯車14の歯の頂部と谷部とに対応した凹部33aと凸部33bとを備え、形材Moの加工面2を歯車14と逃げ部16との間で挟み込むことにより成形される。
具体的には、内側ベアリング部15と外側ベアリング部13との間で所定の板厚に形成された加工面2が、そのまま荷重を受けることなく垂下するとした場合に、その加工面2の内面と逃げ部16との間に所定の隙間Cが空くように逃げ部16が形成されている。この隙間Cは、歯車14が加工面2の表面に連続した凹凸形状の模様Dを成形する際、歯車14の頂部による押圧力を逃がすように構成されている。そのため、歯車14がその頂部により加工面2の表面に連続した凹凸形状の模様Dを成形する際、歯車14の頂部が加工面2を押圧すると、歯車14による押圧力が逃げ部16で吸入され、つまり、加工面2が押されて逃げ部16に押し付けられる。その結果、加工面2の内面と逃げ部16とが密着しているので、加工面2の内面に凹凸形状が生じることを抑制できる。
ここで、歯車14および歯車14の取付構成について説明する。歯車14は、前述のように逃げ部16に対向した位置に配設されている。また、図9,10などに示すように、歯車取付部材28には、高温用軸受34が嵌着されていて、その高温用軸受34に歯車14を支持するための軸部(主軸)35が嵌着している。この歯車取付部材28は、図11などに示すように、歯車取付部材設置用穴29に挿入され、かつ形材Mo側にスライド自在に嵌め込まれている。なお、歯車14と軸部35とはキー36で連結されている。
つぎに、図11に基づいて歯車位置調整機構の構成について説明する。歯車位置調整機構は、歯車取付部材28の長さ方向の一方側の端部と当接する歯車位置調整用ボルト31と、歯車取付部材設置用穴29に挿脱自在に設けられる調整用スペーサ37とで構成されている。
この歯車位置調整用ボルト31は、下型ダイ6の外周側から歯車取付部材28の側面に向けて形成されたそれぞれの雌ねじに螺合させることで、各位置調整用ボルト31の先端部を歯車取付部材28の長さ方向における一方側の端部に当接させるように構成されている。
例えば、図11(a)に示すように、歯車位置調整用ボルト31を雌ねじにねじ込むと、歯車取付部材28が歯車取付部材設置用穴29内を矢印Y方向にスライドし、これにより、歯車14の頂部が形材Moの所定の側面(加工面2)の表面に喰い込む量の調整、言い換えれば、歯車14と側面(加工面2)との距離を調整することができる。なお、図11(a)では、歯車位置調整用ボルト31を最大限ねじ込んだ状態を示してあり、このとき、歯車取付部材28の他方側の側面部が歯車取付部材設置用穴29の端部に当接している。また、歯車取付部材28の一方側の側面部と歯車取付部材設置用穴29の一方側の側面部との間は、所定寸法の隙間Lとなっている。
図11(b)には、歯車14の頂部が形材Moの表面に喰い込む量を少なくする場合の調整方法を示してある。この場合、歯車位置調整用ボルト31を逆方向に回すと、歯車取付部材28が歯車取付部材設置用穴29内をスライド自在となる。そこで、まず、上記所定寸法の隙間Lがなくなるまで歯車位置調整用ボルト31を逆方向に回す。
ついで、歯車14を手で掴んで歯車位置調整用ボルト31側に引き寄せる。その後、歯車14の頂部の形材Moへの設定された喰い込み量となるように、他方側の側面の寸法の隙間L1に調整用スペーサ37を挿入しておいて、歯車位置調整用ボルト31を歯車取付部材28の側面に当接するまでねじ込む。このとき、歯車取付部材28と歯車取付部材設置用穴29の側面との間の隙間L1と、歯車取付部材28と歯車取付部材設置用穴29の他方側の側面の隙間L2とを合わせた寸法は、上記図11(a)における隙間L(=L1+L2)と同じである。
なお、歯車位置調整用ボルト33は、いずれか一方の歯車位置調整用ボルト31を操作するだけでもよく、あるいは、歯車位置調整用ボルト31を一つのみ設けていてもよい。
図12に示すように、上記調整用スペーサ37は、所定厚さ寸法に仕上げられたプレートで形成されており、調整用スペーサ37は、歯車14の頂部の形材Moに対する喰い込み量を調整できるように、厚さの異なる複数種類のプレートが予め準備されている。この調整用スペーサ37は、歯車取付部材28の厚さと略同じ寸法の長さに形成されている。
また、調整用スペーサ37の上端部には、図12に示すように、幅方向における両端部に把持部38が形成されている。この把持部38は、調整用スペーサ37を歯車取付部材設置用穴29内に挿入させる際に、所定の挟み具(治具)で挟んで作業するために形成されている。
つぎに、以上のような構成の押出しダイス1による製品3の成型方法を説明する。作業に先立って、形材Moの加工面2に凹凸形状の模様Dを成形するための歯車14を下型ダイ6にセットしておく。このとき、歯車14の頂部が製品3の加工面2に喰い込む量、つまり凹部33aおよび凸部33bの高さ寸法を所望の寸法とするために、歯車位置調整用ボルト31により歯車14の位置を設定しておく。
コンテナ4から雄型8にビレットBが導入され、さらに、第1ないし第3メタル溜まり部18,20,21を経由して下流側に押し出されると、雄型8のマンドレル部7(より具体的には内側ベアリング部15)と雌型9の外側ベアリング部13との間をメタルMaが通過することにより、メタルMaの外形形状が製品3の外形形状に形成され、かつメタルMaに中空形状が形成される。そのようにメタルMaの外形形状と内形形状とが所期の形状に成形された形材Moは、雌型9の上側ガイド部22に沿って下型ダイ6側に押出される。上述したように雌型9には、下型ダイ6に設けられた歯車14を覆うように突出部23が形成されているため、特に、形材Moの先端部分が、歯車14とマンドレル部7との間に挟まれる以前に、歯車14と接触することを抑制できる。すなわち、形材Moの意図した位置に歯車14の押圧力を作用させることができる。
そして、下型ダイ6に押出された形材Moは、下型ダイ6の下側ガイド部34にガイドされながら下方に押し出される途中で、形材Moの押出しに伴って回転する歯車14により、加工面2に凹凸形状の模様Dが連続して成形される。すなわち、歯車14は、ビレットBを押出しダイス1に押圧する荷重を利用して回転するように構成されており、したがって、歯車14を駆動するための装置などを設ける必要がなく、押出しダイス1が大型化することを抑制できる。
前述したように歯車14の頂部が、雌型9から押出される形材Moの加工面2に喰い込むとき、その押圧力が形材Moに伝わるため、加工面2が歯車14と対向する反対側に押される。しかし、マンドレル部7の歯車14と対向する面、すなわち逃げ部16と形材Moの内面との間には、隙間Cが広い範囲に亘って設けられているので、押された形材Moは、その内面が逃げ部16に押し付けられる。すなわち、歯車14による形材Moの加工面2への押圧力は逃げ部16で吸収された状態となる。また、歯車14に押圧されることによって形材Moの一部が、歯車14を既に通過した部分に流動したとしても、歯車14を通過した部分の内面も、逃げ部16に当接していることにより、中空部側に材料が流動することを抑制できる。すなわち、形材Moの内面を平滑面に維持することができる。言い換えると、形材Moの内面に凹凸形状が生じることを抑制できる。
歯車14の頂部による喰い込み量を変えたい場合、例えば、喰い込む量を少なくする場合には、歯車位置調整用ボルト31を逆方向に回して、歯車取付部材28が歯車取付部材設置用穴29内をスライド可能にする。ついで、歯車14の位置調整用ボルト31側に引き寄せた後、歯車14の頂部による所定の喰い込み量となるように、歯車取付部材設置用穴29内に所定の調整用スペーサ37を挿入し、歯車位置調整用ボルト31を歯車取付部材28の側面に当接するまでねじ込む。
そうしておいて、前述のように、コンテナ4を操作して、アルミニウム合金を押出しダイス1に供給して、歯車14により形材Moの加工面2に凹凸形状の模様Dを成形する。そして、所定の製品長さとなるまでその作業が継続される。
本発明に係る模様付製品成形用押出しダイスは、製品の一つの側面に模様を付すものに限らず、図18に示す製品3Aのように二つの側面2,2Aに模様D,DAを付すなど、複数の側面に模様を付すように構成してもよい。図14ないし図17には、製品3Aの側面のうち互いに対向する二つの側面2,2Aに凹凸形状の模様D,DAを付すための模様付製品成形用押出しダイス1A(第2実施形態)を示してある。
ここに示す第2実施形態は、上述したように製品3Aの側面のうち互いに対向する二つの側面(加工面)2,2Aに同一形状の凹凸形状の模様D,DAを付すものであり、その模様D,DAを付すための形状や機能は、第1実施形態と略同様である。したがって、図14ないし図17に示すように、押出しダイス1Aの中心軸を通る平面を挟んで両側が対称形状に形成されている。そのため、以下の説明では、第2実施形態において製品3Aの側面に凹凸形状を成形する際に、その内面に凹凸形状が生じることを抑制するための構成について説明し、第1実施形態における押出しダイス1と形状が異なる部材(対称形状を含む)については、参照符号に「A」を付する。
具体的には、マンドレル部7Aに対向した二つの側面2,2Aが加工面として形成されている。すなわち、二つの壁面2,2Aに対向した面に逃げ部16,16Aが形成されている。つまり、図16,17に示すようにマンドレル部7Aの二つの側面が、内側ベアリング部15の外面から所定の深さ窪んで鉛直方向(または形材Moの進行方向)に沿って形成されている。それに対して、他の二つの側面は、下方側に向けて次第に先細るように傾斜して形成されている。なお、雄型8Aにおける他の構成は、第1実施形態と同様に構成されている。
また、第2実施形態における押出しダイス1Aは、上述したように製品3Aの二つの側面2,2Aに模様D,DAを付すように構成されており、その模様D,DAを付すための二つの歯車14,14Aが、図14ないし図17に示すように互いの回転中心軸線が鉛直方向で同一位置となり、かつ平行となるように配置されている。そのため、図16および図17に示すように、雌型9Aには、マンドレル部7Aを挟んで両側に突出部23,23Aが形成されている。これらの突出部23,23Aの形状および機能は、第1実施形態における突出部23と同様であるため、詳細な説明は省略する。
さらに、下型ダイ6Aには、二つの歯車14,14Aを収容できるように歯車配置空間27Aが形成されている。同様に、歯車配置空間27Aに隣接して歯車取付部材設置用穴29,29Aが2セット形成されている。具体的には、歯車配置空間27Aにおける一方側の両隣に一方の歯車14を支持する一対の歯車取付部材28を収容するための一対の歯車取付部材設置用穴29が形成され、歯車配置空間27Aにおける他方側の両隣に他方の歯車14Aを支持する一対の歯車取付部材28Aを収容するための一対の歯車取付部材設置用穴29Aが形成されている。
また、それぞれの歯車取付部材設置用穴29,29Aに向けて下型ダイ6Aの外周面から貫通孔32,32Aが形成されている。これら貫通孔32,32Aは、上述した貫通孔32と同様に、歯車位置調整用ボルト31,31Aを螺合させるためのものであって、その内面には、雌ねじが形成されている。
上述したように二つの歯車14,14Aを備えた押出しダイス1Aであっても、ビレットBを押出しダイス1Aに押圧することにより、形材Moがマンドレル部7Aと歯車14,14Aとの間を通過する時点で、その外面に凹凸形状の模様D,DAが付されると共に、逃げ部16,16Aに密着した状態で歯車14,14Aが形材Moを押圧する。すなわち、第1実施形態と同様に、製品3Aに凹凸形状の模様D,DAが付される。
上述した第1実施形態および第2実施形態に示すように構成された押出しダイス1,1Aは、次のような効果を得ることができる。
(1)雌型9,9Aの外側ベアリング部13,13Aにより形成された状態で押出される形材Moが、下型ダイ6,6Aの下側ガイド部32に沿って移動する途中において、歯車14,14Aにより形材Moの加工面2,2Aに模様D,DAが成形される。このとき、歯車14,14Aの頂部が形材Moの加工面2,2Aを押圧するが、マンドレル部7、7Aと形材Moの内面との間に逃げ部16,16Aが形成されているので、加工面2に作用する押圧力が逃げ部16,16Aで吸収された状態で、マンドレル部7,7Aに押し付けられる。その結果、形材Moの内面とマンドレル部7,7Aとが密着するので、形材Moの内面に凹凸形状の模様D,DAが生じることや、その凹凸形状を成形する一面が変形することを抑制することができる。
(2)上記(1)の効果の他、形材Moの内面に凹凸のない模様付製品を生産することができるので、材料の無駄や作業時間の無駄を省くことができる。その結果、生産性の向上を図ることができる。
(3)歯車14,14Aを取り付けた歯車取付部材28,28Aは歯車取付部材設置用穴29,29Aに挿入され、下型ダイ6,6Aには、歯車取付部材28,28Aを歯車取付部材設置用穴29,29A内で形材Moの移動方向に対して直交する方向に沿ってスライドさせる歯車位置調整用ボルト31,31Aが設けられているので、この歯車位置調整用ボルト31,31Aを操作することにより、歯車14,14Aの位置を調整することができる。その結果、歯車14,14Aの頂部の形材Moへの喰い込み量を調整することができるので、凹凸形状の模様D,DAの深さを容易に任意の深さとすることができる。
(4)雌型9,9Aには、外側ベアリング部13の下部に連続する上側ガイド部22,22Aが設けられており、この上側ガイド部22,22Aは、精密な加工が要求される外側ベアリング部13ほどの加工精度が要求されないので、上側ガイド部22,22Aの加工が容易である。
(5)雌型9,9Aにおける歯車14,14Aの上方領域には、雌型9,9Aの下面から歯車14,14Aの上方を覆って下方に突出し、かつ一面が形材Moと対向する突出部23,23Aが設けられ、この突出部23,23Aにおける形材Moと対向した面には、形材Moを下型ダイ6,6Aの歯車14,14A側にガイドする上側ガイド部22,22Aが設けられ、この上側ガイド部22,22Aは、歯車14,14Aの頂部が形材Moの加工面2,2Aに喰い込む位置の近傍まで延び出ている。そのため、歯車14,14Aによって押圧されるべき位置に形材Moを確実に導入させることができる。
(6)雌型9,9Aは、下型ダイ6に形成された凹部26に嵌合状態で載置されているため、押出しダイス1,1AにメタルMaを通過させることによる流動抵抗などによって、雌型9,9Aが撓み変形することを抑制できる。したがって、外側ベアリング部13,13Aとマンドレル部7,7A(主に内側ベアリング部15)との位置関係や、外側ベアリング部13,13Aと歯車14,14Aとの位置関係が所期の位置関係からズレることを抑制でき、製品3,3Aを意図した形状に形成することができる。
(7)第2実施形態における押出しダイス1Aでは、製品3Aの二つの側面に模様D,DAを付すための歯車14,14Aが設けられ、それらの歯車14,14Aにより押圧される荷重を吸収するための逃げ部16,16Aが、歯車14,14Aに対向する面に設けられているため、押出しダイス1AにメタルMaを通過させることにより、一度で、二つの側面に模様D,DAを付すことができる。その結果、例えば、一面に模様Dを付した後に、他面に模様DAを付すための加工を施す必要がなく、加工工数を低減することができる。
なお、本発明に係る模様付製品成形用押出しダイスは、上述した各実施形態に記載された構成に限定されず、中空形状の部材の全ての外面に模様を付してもよく、また、この押出しダイスによって成形される製品は、断面形状が四角形のものに限らず、円筒状の製品であってもよく、互いに対向する側面の形状が異なった形状に成形された製品であってもよい。
また、製品に付す模様は、凹凸形状に限らず、歯車状の回転部材の表面に、波型模様や、押出し方向に対して上流側、または交流側に先端部が向いた鏃状の模様などの模様であってもよい。
さらに、製品の材料は、アルミニウム合金に限らず、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)などの汎用プラスチックや、PA(ポリアミド)などのエンジニアリング・プラスチックなどの合成樹脂を使用してもよい。
また、押出しダイスは、ビレットBを上方側から供給する縦型構成に限らず、例えば、押出しダイスを水平方向に配置し、ビレットBを横側から供給する横型構成としてもよい。
さらに、製品に模様を付すための歯車の位置を調整するための機構は、上述した位置調整ボルトによって調整用スペーサを挟み付けるように歯車取付部材を押圧する構成に限らず、例えば、歯車取付部材設置穴における歯車位置調整ボルトの反対側側面に、板ばねや圧縮コイルばねを設置し、それらの板ばねや圧縮コイルばねを歯車位置調整ボルトで挟み付けるように構成したものであってもよい。このように構成することにより、歯車の位置を調整する際に、調整用スペーサを着脱する手間を省くことができる。
また、下側ガイド部は、下型ダイの上端から歯車が形材を押圧する部分まで形成されていてもよく、したがって、下型ダイの上端から下端に亘って形成したものに限らない。
1,1A 模様付製品成形用ダイス
2,2A 加工面
2a 側面
3 製品
4,4A コンテナ
5,5A 上型ダイ
6,6A 下型ダイ
7,7A マンドレル部
8,8A 雄型
9,9A 雌型
13,13A 外側ベアリング部
14,14A 歯車
15 内側ベアリング部
16,16A 逃げ部
17 内側ガイド部
19 突起部
22 上側ガイド部
27,27A 歯車配置空間
28,28A 歯車取付部材
29,29A 歯車取付部材設置用穴
31,31A 位置調整用ボルト
32 下側ガイド部
33a 凹部
33b 凸部
34,34A 高温用軸受
35,35A 軸部
37 調整用スペーサ
B ビレット
C,L,L1,L2 隙間
D 模様
Ma メタル
Mo 形材
P 挿通部
SP 空間

Claims (9)

  1. 素材供給側から連続して押出される熱可塑性部材で形成される中空部を有する製品用部材の表面に模様を成形する模様付製品成形用押出しダイスであって、
    前記熱可塑性部材を導入する上型ダイと、この上型ダイを支持する下型ダイと、を備えて構成され、
    前記上型ダイは、前記熱可塑性部材を前記製品用部材の外形形状を成形するベアリング部を有する雌型と、前記熱可塑性部材の移動方向における前記雌型よりも上流側に前記雌型と一体に設けられ、かつ前記熱可塑性部材に中空部形状を形成するマンドレル部を有する雄型とからなり、
    前記下型ダイには、前記ベアリング部により成形された前記製品用部材の移動を案内する製品部材用下側ガイド部と、前記製品用部材の少なくとも一面に前記模様を成形する模様成形具とが設けられ、
    前記マンドレル部には、前記模様成形具による前記模様成形時の押圧力を吸収する逃げ部が形成されている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  2. 請求項1に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記マンドレル部は、前記模様成形具によって前記製品用部材を押圧する位置よりも、前記製品用部材の移動方向における下流側まで形成され、
    前記逃げ部は、前記マンドレル部の先端まで形成されている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  3. 請求項1または2に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記雌型には、前記下型ダイにおける前記模様成形具の上面を覆うように前記雌型の下面から下方に突出するとともに、一面が前記マンドレル部に対向した突出部を備え、
    前記突出部の前記一面には、前記ベアリング部の下部に形成されると共に前記ベアリング部に連続しかつ前記ベアリング部で成形された前記製品用部材を前記下型ダイの前記模様成形具側にガイドする製品部材用上側ガイド部が設けられている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記マンドレル部は、前記製品用部材の移動方向における上流側に形成された外形寸法が相対的に大きい成形部を備え、
    前記逃げ部は、前記成形部よりも前記熱可塑性部材の移動方向における下流側に形成され、かつ外形寸法が相対的に小さく形成されている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記模様成形具は、前記製品用部材の移動に伴って回転する歯車で構成されている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  6. 請求項5に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記歯車は、前記歯車の主軸両端がそれぞれ軸受を介して歯車取付部材に支持され、
    前記両歯車取付部材は、前記下型ダイに形成された歯車取付部材設置用穴にそれぞれ配置され、
    前記下型ダイには、前記各歯車取付部材を前記製品用部材の移動方向に対して直交する方向に沿ってスライドさせ前記歯車の前記製品用部材に対する位置を調整する歯車位置調整機構が設けられている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記雌型には、前記ベアリング部の下部に連続しかつ前記ベアリング部で形状が決定された前記製品用部材を前記下型ダイ側にガイドする製品部材用上側ガイド部が設けられている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記下型ダイには、前記製品用部材の互いに対向する二つの側面に前記模様を成形する模様成形具が二つ設けられ、
    前記逃げ部は、前記マンドレル部における前記模様成形具にそれぞれ対向した側面に形成されている
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の模様付製品成形用押出しダイスにおいて、
    前記熱可塑性部材は、アルミニウム合金である
    ことを特徴とする模様付製品成形用押出しダイス。
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