JP2012000670A - ヘリカルギアプレート及びそれを製造するプレス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、加工時間も短く低コストでの部品供給が実現されるヘリカルギアプレートと、それを製造するプレス装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかるヘリカルギアプレートを製造するためのプレス装置1は、素材のヘリカルギアが形成される周面を臨ませるように固定するヘリカルパンチ部40と、ギアプレート素材に対する歯の形成時には前記ヘリカルパンチ部40との間で前記ギアプレート素材を挟んで固定するカウンター部10と、内周面側に斜歯形成部21を有し、前記カウンター部10の側面に沿って回転し且つ型閉め方向に移動してカウンター部10とヘリカルパンチ部40の間に挟持されたギアプレート素材の周面に斜歯形成部21を圧接させてヘリカルギアを形成するダイス部20とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、端部の周面の一部にヘリカルギアが形成されたヘリカルギアプレートと、そのヘリカルギアプレートをプレスにより製造するプレス装置に関する。
自動車などの車両には、駐車の際に使用するパーキングブレーキやサイドブレーキと呼ばれるブレーキ装置が設けられているものが多く、従来の運転手の手や足でのパーキングブレーキの操作から、ボタン操作によりアクチュエーターなどを駆動させ電動でブレーキをかけるシステムが検討されてきており、一部の車両においては既に実用化されている。このようなパーキングブレーキ装置には、従来では扇状のプレートの周面にスパーギアを配した部品が所要の角度の回転を行うための機構部として使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−230594号公報
このようなプレート部材をスパーギアからヘリカルギアに変更することで、より円滑に音も小さく歯車機構を動作させることが可能である。しかしながら、扇状のプレートの周面に斜めに且つ曲がった形状の歯を形成する必要があり、通常はブローチ盤などの切削機械による歯切り加工で扇状のプレートの周面を形成することが行われている。しかしながら、自動車などの車両の部品としては、数量が多くなることから、ブローチ盤により個々の部品を切削しながら製造する方法では、製造に時間がかかり、部品のコスト高につながる。
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、加工時間も短く低コストでの部品供給が実現されるヘリカルギアプレートと、それを製造するプレス装置を提供することを目的とする。
本発明のヘリカルギアプレートは、略平板状とされる本体部を有し、該本体部の一端部は周面を有し、該周面には前記本体部の厚み方向と平行な軸を中心に回転しながら該本体部の厚み方向に前記本体部に対して相対的に移動するダイス部によりヘリカルギアが形成されることを特徴とする。前記ダイスによる加工は一例として、冷間プレス加工とすることができる。
このようなヘリカルギアプレートを製造するための本発明のプレス装置は、ギアプレート素材のヘリカルギアが形成される周面を当該ヘリカルパンチ部の周面に臨ませるように該ギアプレート素材を上面に固定するヘリカルパンチ部と、前記ヘリカルパンチ部に対向して配設され、前記ギアプレート素材に対する歯の形成時には前記ヘリカルパンチ部との間で前記ギアプレート素材を挟んで固定するカウンター部と、内周面側に斜歯形成部を有し、前記カウンター部の側面に沿って回転し且つ前記ヘリカルパンチ部側に移動して前記カウンター部と前記ヘリカルパンチ部の間に挟持された前記ギアプレート素材の周面に前記斜歯形成部を圧接させ、前記ギアプレート素材の端部の周面の一部にヘリカルギアを形成するダイス部とを有することを特徴とする。
本発明のプレス装置の好適な実施形態によれば、前記カウンター部及び前記ヘリカルパンチ部は略円筒形状であり、前記ダイス部はその内周面側に斜歯形成部を設けた円環形状を有し、前記ダイス部は当該ダイス部の内周面が前記カウンター部及び前記ヘリカルパンチ部の周面に沿って螺旋状に移動して、前記ギアプレート素材の端部の周面の一部にヘリカルギアを形成することを特徴とすることができ、前記ヘリカルパンチ部の周面には、前記ダイス部の内周面に形成された斜歯形成部と螺合するダイス案内溝が形成されていても良い。また、前記ヘリカルパンチ部の周面に臨んで円環状のストリッパー部が配設されていて良く、例えば、前記ストリッパー部の内周面には、前記斜歯形成部と同様の斜歯が設けられており、前記ストリッパー部は前記斜歯形成部に沿って回転しながら上下動作することを特徴とする。また、前記ダイス部は、当該プレス装置の上下するシリンダー部に対してスラスト軸受部を介して連結されるように構成することもできる。
本発明のヘリカルギアプレートによれば、本体部の厚み方向と平行な軸を中心に回転しながら該本体部の厚み方向に移動するダイス部によりヘリカルギアが形成されることから、本体部の周面に回転しながらヘリカルギアの打ち抜き加工を施すことができ、加工時間も短く低コストでの部品供給が実現される。
また、本発明のプレス装置によれば、ダイス部が、内周面側に斜歯形成部を有し、前記カウンター部の側面に沿って回転し且つ前記ヘリカルパンチ部側に移動して、該ダイス部の斜歯形成部が、カウンター部とヘリカルパンチ部の間に挟持された前記ギアプレート素材の周面の一部にヘリカルギアをプレスで形成することから、比較的に短時間での塑性加工が行われる。本発明の好適な実施形態によれば、回転可能とされたダイス部は内周面側に斜歯形成部を設けた円環形状を有し、該ダイス部の内周面が前記カウンター部及び前記ヘリカルパンチ部の周面に沿って螺旋状に移動することから、これら前記カウンター部及び前記ヘリカルパンチ部の周面による案内から精密な斜歯の打ち抜き加工が行われる。
本発明の一実施形態にかかるプレス装置の模式的な要部断面図である。 前記実施形態にかかるプレス装置の模式的な要部平面図である。 本発明の一実施形態にかかるプレス装置により製造されるヘリカルギアプレートの一例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるプレス装置により製造されるヘリカルギアプレートの一例を示す他の斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明する工程図であって、ギアプレート素材の丸棒切断工程を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明する工程図であって、トランスファープレスによる平板化工程を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明する工程図であって、トランスファープレスによる突起出し工程を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明する工程図であって、トランスファープレスによる周端部肉厚化工程を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明する工程図であって、トランスファープレスによるヘリカル打ち抜き前工程を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明するためのプレス装置の模式的な要部断面工程図であって、ギアプレート素材をセットするところを説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明するためのプレス装置の模式的な要部断面工程図であって、カウンター部がヘリカルパンチ部に至ってギアプレート素材を挟持したところを説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明するためのプレス装置の模式的な要部断面工程図であって、挟持されたギアプレート素材をダイスで打ち抜く工程を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるヘリカルギアプレートの製造工程を説明するためのプレス装置の模式的な要部断面工程図であって、打ち抜かれたギアプレート素材を取り出すところを説明する図である。
本実施形態のヘリカルギアプレートとそのプレス装置を図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるプレス装置の金型付近の要部断面図である。また、図2は本実施形態にかかるプレス装置の模式的な要部平面図である。本実施形態のプレス装置は、後述する丸棒状の鋼材をトランスファープレス機で加工して、ギアプレート素材を略扇形状のヘリカルギア打ち抜き前形状にしたところで、ヘリカルギアプレートの打ち抜き加工に使用される装置である。特にギアプレート素材の周面に外歯のヘリカルギアを打ち抜きで形成することで、加工時間も短く低コストで部品の精密な加工が実現される。
本実施形態におけるプレス装置1の金型構造としては、図1に示すように、上型側には、上型基台部60の下部に円環状のスラスト軸受30が設けられており、そのスラスト軸受30の下側に内周側に斜歯形成部21を有した打ち抜き用のダイス部20が配設され、その円環状のダイス部20の内側に円柱状のカウンター部10が設けられている。他方、下型側には、下型基台部70上に円環状のストリッパー部50が設けられ、そのストリッパー部50の内側に下型基台部70上にヘリカルパンチ部40が固定されて設けられている。これら上型基台部60と下型基台部70の間には、各基台部60、70の四隅に該当する領域でそれぞれガイドポスト61が設けられており、当該プレス装置1の図示しないシリンダーの上下動に伴う型の開閉動作を案内する。
上型側の各部材についてさらに説明すると、上型基台部60は例えば幅400mm、奥行350mm、高さ50mm程度の矩形状の部材であり、その下部中央に円環状のスラスト軸受30が設けられている。スラスト軸受30は、中心に貫通孔を有した円環状の形状を有し上型基台部60の下面に連結される上板部31とダイス部20に連結される下板部32の間にコロやボールからなる複数の転動体33を介在させた構成を有している。複数の転動体33が上板部31と下板部32の間に挟持されるため、打ち抜き加工における加工荷重の範囲ではダイス部20への荷重に拘わらずダイス部20は軸中心に回転できる。ダイス部20は回転しながらでも、ギアプレート素材を十分に押圧することができ、所定のヘリカルギアの打ち抜きが実現される。
ダイス部20は、上面がスラスト軸受30の底面に連結され、20mm程度の厚みの円環状の形状を有しており、その内周部に内歯となるような斜歯の斜歯形成部21を有している。斜歯形成部21をギアプレート素材の周面にプレスすることで、素材の塑性変形が生じ、その周面にヘリカルギアが形成される。ダイス部20は例えば焼きばめで固定することができ、該ダイス部20の外周部の2か所に図示しないストッパーバーを設置し、所定の固定位置に回転方向から戻す方向に付勢するスプリングを掛けて、打ち抜き後にダイス部20がヘリカルパンチ部40を離れたところで、スプリングにより原点位置に復帰するように構成することもできる。ダイス部20の内周側の斜歯形成部21の底面部には、底面側で大きく開くようなテーパー部22が形成されており、このテーパー部22を設けることで、ダイス部20を上型ごと下降させていった場合に、ギアプレート素材の端部との最初の当たりを弱くして、円滑且つ確実な打ち抜きを実現させる。
このダイス部20とスラスト軸受30は、中心に同軸で同径の貫通孔を有した構造を有し、その貫通孔に挿入されるようにカウンター部10が配設される。カウンター部10は例えば厚み20mm程度の円盤状であり、上面にはスラスト軸受30の中心の貫通孔を貫通するような6本の圧力ピン12が設けられ、カウンター部10がヘリカルパンチ部40に当接した場合に、圧力ピン12がカウンター部10を下方に押圧することができ、この押圧でギアプレート素材を十分にヘリカルパンチ部40に固定することができる。カウンター部10の底面には、ギアプレート素材の突起部の形状を反映した凹部11が形成されており、カウンター部10をヘリカルパンチ部40に対して型締めするように操作した際に、ギアプレート素材を突起部ごと保持する。凹部11はギアプレート素材や製造するヘリカルギアプレートの形状に応じて適宜変更することができ、ギアプレート素材の形状を反映したプレートをカウンター部10の底部に連結することも可能である。カウンター部10の外周には、ヘリカルギアの如き歯は形成されないが、カウンター部10の外周とダイス部20の内周の間のクリアランスは例えば0.01〜0.1mm程度、好ましくは0.02〜0.05mmと極めて小さな寸法とされ、このように小さなクリアランスにより精密な打ち抜きが実現される。
下型側の構成について説明すると、下型基台部70は例えば幅400mm、奥行350mm、高さ50mm程度の矩形状の部材であり、その上部中央に先に説明したカウンター部10に対向するように略円筒形状のヘリカルパンチ部40が固定して設けられている。ヘリカルパンチ部40は、その外周面に図示しないヘリカルギアを形成しており、このヘリカルギアに沿って上型のダイス部20が案内される。ヘリカルギアの歯のピッチや歯山の高さなどは、形成するヘリカルギアの設計に応じて適宜選択される。ヘリカルパンチ部40の外周とダイス部20の内周の径の差、すなわちヘリカルパンチ部40の外周とダイス部20の内周の間のクリアランスも例えば0.01〜0.1mm程度、好ましくは0.02〜0.05mmと極めて小さな寸法とされ、このように小さなクリアランスにより抜きカスを抑制した精密な打ち抜きが実現される。ヘリカルパンチ部40の上面には、ギアプレート素材を載置するための載置部41が形成され、ギアプレート素材の突起部を反映した突起部42も形成される。この載置部41に載置されたギアプレート素材は、先に説明したカウンター部10と当該ヘリカルパンチ部40により挟持され、挟持された時点でヘリカルギアの歯切り加工が行われる。載置部41は、その周囲が高くなる形状から、ギアプレート素材の周面部が、ヘリカルパンチ部40の外周の端部と丁度重なるような位置にギアプレート素材を位置決めすることができ、載置部41にギアプレート素材を配するだけで、ギアプレート素材が位置決めされる。載置部41の周面側と反対側や周面以外の側部は、特に載置部41の載置面から当該ヘリカルギアプレートの例えば設計値の厚み分だけ高くなるように構成され、載置部41内でギアプレート素材が押し込まれた場合でも、バリなどを生じて素材の金属が広がることのないように配慮されている。
ヘリカルパンチ部40の周囲には、その内周が臨んで形成されるストリッパー50が設けられている。ストリッパー50は、前述のダイス部20と同軸で略同径の円環状であり、該ストリッパー50の内周面53には、ヘリカルパンチ部40の外周面のヘリカルギアと噛み合うヘリカルギアが設けられている。ストリッパー50は、同様な円環状の下部プレート51から直立する複数のクッションピン52によって支持されている。クッションピン52は、内部にバネなどの弾性体を有しており、ストリッパー50が型閉め時にダイス部20に押されたときは、縮んでストリッパー50の位置を下型基台部70側に下げることができ、型が開いてダイス部20が上に移動したときは、ヘリカルパンチ部40の載置部41の高さまでストリッパー50の位置を戻すことができる。前述のヘリカルパンチ部40の外周とダイス部20の内周の間のクリアランスと同様に、当該ヘリカルパンチ部40の外周にその内周が臨んで形成されるストリッパー50も、ヘリカルパンチ部40の外周に対するクリアランスが例えば0.01〜0.1mm程度、好ましくは0.02〜0.05mmと極めて小さな寸法とされ、抜きカスなどを発生させないような構造とされている。
このような金型構造を有する本実施形態のプレス装置は、冷間もしくは温間打ち抜き加工により、精密なヘリカルギアをプレート状の部材の外歯として形成することができ、打ち抜き加工であることから、加工時間も短く低コストでの部品供給が実現される。また、打ち抜きを行うダイス部20とヘリカルパンチ部40は、さらには、ヘリカルパンチ部40とストリッパー50は、全周に亘って螺合するように構成されているため、打ち抜き作業を長時間進めた場合であっても、同軸な位置関係がずれるような問題も発生せず、確実なヘリカルギアの打ち抜きが実現される。
次に、このような本実施形態の金型構造のプレス装置を用いて製造されるヘリカルギアプレートについて、図3、図4を参照して説明する。このヘリカルギアプレート2は、例えば自動車などの車両のパーキングブレーキなどに使用されるプレートであり、周面部3には前述のプレス装置1で打ち抜き加工されるヘリカルギア4が形成されている。当該ヘリカルギアプレート2は、本体部がほぼ平板状で略扇状とされ、その基端側には円柱状のボスとされる突起部5がプレスにより成形されている。また、その突起部5と周面部3の間には、諸機能を実現するため、透孔7や丸孔部6なども平板状の本体部に形成されている。なお、このヘリカルギアプレート2の形状は、一例であり、本発明のヘリカルギアプレートは、周面にプレス加工されたヘリカルギアが形成される構成であれば、他の形状を有していても良いことは勿論である。また、本発明のヘリカルギアプレートの素材としては、クロムモリブデン鋼などの比較的に柔らかな鋼材を使用することができるが、他の炭素鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、アルミニウムクロムモリブデン鋼などの他の材料を加工しても良い。
図5乃至図9を参照して、本実施形態のヘリカルギアプレートの製造工程について説明する。初めに、比較的に加工し易いクロムモリブデン鋼(SCM)の丸棒鋼材から、これを図5に示すような所定の長さに切断して、所定の円柱状のギアプレート素材8を得る。
所定の長さに切断された円柱状のギアプレート素材8は、インダクションヒーター等により加熱され、熱間もしくは温間トランスファープレス装置に供給される。トランスファープレス装置では、まず図6に示すように、ギアプレート素材8は、円柱状の形状から足鰭の如き形状にプレス加工され、表面と裏面にも突起を出すための凹部9a、9bが形成される。
続いて、同じトランスファープレス装置にて、図7に示すような凹部81と凸部82がギアプレート素材8に形成され、図8に示す、次のプレス工程で凹部81が打ち抜かれて丸孔部81cとされ、周面部83は所定の厚みの肉厚部とされる。図9に示すプレス工程では、ギアプレート素材8の本体部の厚みを設計値に従った厚みに整え、周面部83の形状も、次のヘリカルギアの打ち抜きプレス加工の際に、歯車の谷から山までの60〜70%となるような周端部85を形成して、ヘリカルギア打ち抜き前形状にしたギアプレート素材8を得る。この周端部85を前述のプレス装置1が、ダイス部20とヘリカルパンチ部40を用いて冷間もしくは温間で打ち抜くことで、所定のヘリカルギアプレートが製造される。
次に、図10乃至図13を参照して、本実施形態のプレス装置1によるヘリカルギアのプレス加工について順に説明する。先に、図1及び図2を参照しながら説明した本実施形態のプレス装置1は、冷間若しくは温間打ち抜き加工を行うプレス装置であって、前述の如きヘリカルギア打ち抜き前形状にしたギアプレート素材86が、図10に示すように、型開きの状態にあるヘリカルパンチ部40の載置部41にセットされる。この時、例えば、ヘリカルギア打ち抜き前形状のギアプレート素材86に、突起部が形成されていれば図示の如き載置部41内の突起部42が嵌り込むように構成されており、ヘリカルギア打ち抜き前形状のギアプレート素材86は所定の位置に正確に位置決めされる。ギアプレート素材86の周面は、そのヘリカルギアが形成される予定の領域であり、上から見た場合に、全周にギアが形成された周面を有するヘリカルパンチ部40の谷から山までの径において60〜70%の径方向のはみ出しを以てヘリカルパンチ部40の谷から径方向に延在される。このためギアの打ち抜き加工によって、ヘリカルギアの谷に当たる部分がダイス部20の押し圧によって塑性変形されるが、その部分の肉は歯山側へ補うように流れることになり、設計値を反映したヘリカルギアを形成できる。この型開きの状態では、カウンター部10は、上型基台部60側に押しつけられている位置をとり、上型基台部60の下部のスラスト軸受30の直下で円環状のダイス部20の内側に収納される。
このような型開きの状態から、図11に示すように、型締め動作を行う。型締め動作の場合には、図示しない当該プレス装置のシリンダーが上型基台部60を下方に押し、上型基台部60はガイドポスト61に沿って下方に摺動して、上型基台部60と下型基台部70の間の距離が狭まる。この型締め時に、下型側のヘリカルパンチ部40と同軸で同じ径を有するカウンター部10が、ヘリカルパンチ部40の載置部41に載置されているギアプレート素材86を上から挟み、ギアプレート素材86をヘリカルパンチ部40に対して固定する。円筒状のカウンター部10は、スラスト軸受30の中心の貫通孔を貫通する圧力ピン12によって支持されており、圧力ピン12の図示しない機構部の動作から、カウンター部10を型締めに際して最初に下方向に押圧動作させることができる。カウンター部10の底面にも、載置部41と同様なギアプレート素材86の突起部形状を反映した凹部11が形成されており、ギアプレート素材86の位置決めに寄与する。カウンター部10がヘリカルパンチ部40との間でギアプレート素材86を挟んだ時点で、これらカウンター部10とヘリカルパンチ部40の間ではみ出している部分はギアプレート素材86の周面部だけであり、ヘリカルパンチ部40の谷から山までの径において60〜70%の径方向のはみ出し体積を以てヘリカルパンチ部40の谷から径方向に延在されてはみ出している。
このようなカウンター部10の下方への動作からギアプレート素材86を上から挟んで固定した後、ダイス部20がヘリカルパンチ部40を螺旋状に移動してヘリカルギアをギアプレート素材86の周面に形成する。まず、ダイス部20が上型基台部60の下降に伴って、小さな領域ながらはみ出しているギアプレート素材86の周面部の上側端部に近づき、この部分ではダイス部20はテーパー部22を有していることから、ミリオーダー以下の範囲での位置ずれが仮に生じている場合でも、テーパー部20に沿ってギアプレート素材86の周面をダイス部20の内周面に導くことができる。
ダイス部20は、上型基台部60の下降に伴って、下方向に移動するが、ヘリカルパンチ部40は、ギアプレート素材86の周面が臨んでいる部分を除いて、既に外周面に螺旋状に歯が切られているヘリカルギアが設けられており、この外周のヘリカルギアに沿ってダイス部20も軸周りに回転する。ダイス部20は、先に説明したように、軸周りの回転を自由にさせるスラスト軸受30の下板部32に連結されていることから、ダイス部20自体も回転する。さらにダイス部20の内周面には、斜歯形成部21が全周に亘って設けられていて、ヘリカルパンチ部40のギアプレート素材86の周面が臨んでいる部分を除いて全外周に形成されているヘリカルギアの螺旋方向の案内に沿って、ダイス部20自体はほぼ位置ずれもなく螺旋状に案内される。特に、ダイス部20の内周面とヘリカルパンチ部40の外周面は、ギアプレート素材86の周面を除いて、全周同士の螺合関係となり、位置の整合性を作業時間が長時間化しても保つことができる。
ダイス部20の斜歯形成部21は、より詳しくは底面側よりも上面側で歯の径が徐々に小さくなり、より設計値に近づく形状を有している。言い換えれば、ダイス部20がヘリカルパンチ部40の外周部の案内に沿って螺旋状に案内されるが、初めのうちはダイス部20の斜歯形成部21は比較的に小さな圧力で、ギアプレート素材86の周面87を歯切り加工するが、その斜歯形成部21の圧力は徐々に大きくなって、下死点近くのダイス部20が十分に沈み込んだところでは、斜歯形成部21は完成時の歯形状に近い大きさでギアプレート素材86の周面87を歯切り加工する。斜歯形成部21も回転することから、例えば、歯切り形状を歯山の中心に対して左右非対称とし、さらに陽型よりも陰型の方が面取り分が大きくなるように歯切り形状の型を形成することで、精度の高い設計形状を反映した斜歯歯車を製造できる。図12では、ダイス部20がギアプレート素材86の厚みを打ち抜いたところを示しており、この時点でギアプレート素材86の周面には、ヘリカルギアが形成されている。ダイス部20の外周部も設けられている円環状のストリッパー部50は、ダイス部20の底面に押し込まれてクッションピン50が収縮した状態となり、通常よりが下げられた位置まで押される。
次に、型が開いて、ダイス部20は、ギアプレート素材86の周面87及びヘリカルパンチ部40の外周部のヘリカルギアの案内に沿って螺旋状に逆戻りして、元のヘリカルパンチ部40よりも上の位置に上昇する。この際、ヘリカルパンチ部40の外周部の外側に位置していたストリッパー部50が、クッションピン50の反発動作により元の高さまで戻るが、ストリッパー部50の内周面には、ダイス部20の内周面に形成された斜歯形成部21と同様な斜歯が形成されており、このストリッパー部20の反発上昇動作の際に、ストリッパー部50の内周面の斜歯がギアプレート素材86の周面87の抜きカスを除去するように挙動する。
ストリッパー部50が戻ったところで、図13に示すように十分に型が開き、周面87にヘリカルギアが形成されたギアプレート素材86が取り出し可能な状態となる。1つのギアプレート素材86を取り出した後で、次のヘリカルギアを形成すべきギアプレート素材86がセットされ、同様の動作を繰り返して順次ヘリカルギアプレートを製造する。
このようなプレス装置1で形成されたヘリカルギアプレートは、ダイス部20とヘリカルパンチ部40のヘリカルギアの打ち抜き加工によって、加工時間も短く低コストで製造可能である。また、ダイス部20とヘリカルパンチ部40の間のクリアランスを小さくしたり、ダイス部20とヘリカルパンチ部40を敢えてほぼ全周となるように構成して、これらの型の位置合わせ精度が出るような工夫がなされているため、極めて高い精度で生産性も高く部品製造を行うことができる。
1 プレス装置
2 ヘリカルギアプレート
3 周面部
4 ヘリカルギア
5 突起部
6 丸孔部
7 透孔
8 ギアプレート素材
10 カウンター部
11 凹部
12 圧力ピン
20 ダイス部
21 斜歯形成部
22 テーパー部
30 スラスト軸受
31 上板部
32 下板部
33 転動体
40 ヘリカルパンチ部
41 載置部
42 突起部
50 ストリッパー部
51 下部プレート
52 クッションピン
53 内周面
60 上型基台部
61 ガイドポスト
70 下型基台部
86 ギアプレート素材
87 周面

Claims (9)

  1. 略平板状とされる本体部を有し、該本体部の一端部は周面を有し、該周面には前記本体部の厚み方向と平行な軸を中心に回転しながら該本体部の厚み方向に前記本体部に対して相対的に移動するダイス部によりヘリカルギアが形成されることを特徴とするヘリカルギアプレート。
  2. 前記ダイスによる加工は冷間若しくは温間プレス加工であることを特徴とするヘリカルギアプレート。
  3. 請求項1記載のヘリカルギアプレートを製造するプレス装置であって、
    ギアプレート素材のヘリカルギアが形成される周面を当該ヘリカルパンチ部の周面に臨ませるように該ギアプレート素材を上面に固定するヘリカルパンチ部と、
    前記ヘリカルパンチ部に対向して配設され、前記ギアプレート素材に対する歯の形成時には前記ヘリカルパンチ部との間で前記ギアプレート素材を挟んで固定するカウンター部と、
    内周面側に斜歯形成部を有し、前記カウンター部の側面に沿って回転し且つ前記ヘリカルパンチ部側に移動して前記カウンター部と前記ヘリカルパンチ部の間に挟持された前記ギアプレート素材の周面に前記斜歯形成部を圧接させ、前記ギアプレート素材の端部の周面の一部にヘリカルギアを形成するダイス部と
    を有することを特徴とするプレス装置。
  4. 前記カウンター部及び前記ヘリカルパンチ部は略円筒形状であり、前記ダイス部はその内周面側に斜歯形成部を設けた円環形状を有し、前記ダイス部は当該ダイス部の内周面が前記カウンター部及び前記ヘリカルパンチ部の周面に沿って螺旋状に移動して、前記ギアプレート素材の端部の周面の一部にヘリカルギアを形成することを特徴とする請求項3記載のプレス装置。
  5. 前記ヘリカルパンチ部の周面には、前記ダイス部の内周面に形成された斜歯形成部と螺合するダイス案内溝が形成されていることを特徴とする請求項4記載のプレス装置。
  6. 前記ヘリカルパンチ部の周面に臨んで円環状のストリッパー部が配設されていることを特徴とする請求項5記載のプレス装置。
  7. 前記ストリッパー部の内周面には、前記斜歯形成部と同様の斜歯が設けられており、前記ストリッパー部は前記斜歯形成部に沿って回転しながら上下動作することを特徴とする請求項6記載のプレス装置。
  8. 前記ダイス部は、当該プレス装置の上下するシリンダー部に対してスラスト軸受部を介して連結されることを特徴とする請求項3記載のプレス装置。
  9. 端部の周面の一部にヘリカルギアが設けられるヘリカルギアプレートを製造するプレス装置であって、
    ギアプレート素材のヘリカルギアが形成される周面を当該ヘリカルパンチ部の周面に臨ませるように該ギアプレート素材を上面に固定するヘリカルパンチ部と、
    前記ヘリカルパンチ部に対向して配設され、前記ギアプレート素材に対する歯の形成時には前記ヘリカルパンチ部との間で前記ギアプレート素材を挟んで固定するカウンター部と、
    内周面側に斜歯形成部を有し、前記カウンター部の側面に沿って回転し且つ前記ヘリカルパンチ部側に移動して前記カウンター部と前記ヘリカルパンチ部の間に挟持された前記ギアプレート素材の周面に前記斜歯形成部を圧接させ、前記ギアプレート素材の周面にヘリカルギアを形成するダイス部と
    を有することを特徴とするプレス装置。
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