JP4607354B2 - 歯車成形方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間鍛造又は冷間鍛造により歯車を成形するための歯車成形方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の変速機に用いられるヘリカル歯車の製造方法の1つとして、図10に示されるような熱間鍛造された予備成形体12に対してカッタで切削加工を施し、図11に示すヘリカル歯車130を製造する方法がある。この場合、ヘリカル歯車130の側周壁部には、軸方向に対して所定角度で傾斜したヘリカル歯形部132が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来技術に係る製造方法においては、熱間鍛造された予備成形体12に対してカッタでの切削加工によってヘリカル歯形部132を成形する際に、該予備成形体12に生成される鍛流線(塑性変形による繊維組織の流れ)がカッタによって切断されてしまう場合がある。これにより、製造されたヘリカル歯車130の強度が著しく低下してしまうとともに、切削時に発生する切粉により材料歩留まりが悪化するという不具合がある。
【0004】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ヘリカル歯車や平歯車等の各種歯車をカッタ等による機械加工を施すことなく製造することにより、歯車の強度を確実に確保することが可能になるとともに、材料歩留まりの向上が図れ、製造コストの低廉化を達成できる歯車成形方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外歯を有する下パンチの一端部に歯車素材を載置して、該歯車素材の内部にマンドレルを挿通させるとともに、前記マンドレルに外装されるインサートパンチスリーブ及び上パンチによって該歯車素材を押圧する第1の工程と、前記インサートパンチスリーブによる前記歯車素材に対する押圧力を解除して該インサートパンチスリーブを該歯車素材から離間させるとともに、前記上パンチによって該歯車素材をさらに押圧することにより、前記外歯が噛合するダイに形成された歯形成形部内に該歯車素材を流動させて歯車の歯形部を成形する第2の工程と、ノックアウトパンチの作用下に前記下パンチを移動させて前記歯車を前記ダイから離型する第3の工程とからなることを特徴とする。
【0006】
なお、前記第2の工程では、例えば、前記歯車素材にヘリカル歯形部を成形することができる。または、平歯形部を成形するようにしてもよい。
【0007】
また、本発明は、センタガイドと、ノックアウトパンチと、該センタガイドの外周面を移動自在に配設される下パンチと、該下パンチに形成される外歯に噛合する歯形成形部を有するダイとを備え、前記ダイに対向するように、マンドレルと、該マンドレルに嵌着されるインサートパンチスリーブと、該インサートパンチスリーブの外周面を摺動自在な上パンチが設けられ、前記ノックアウトパンチ、前記マンドレル及び前記上パンチは、それぞれ第1の駆動機構、第2の駆動機構及び第3の駆動機構に接続され、歯車素材の内部にマンドレルを挿通させながら、前記インサートパンチスリーブと前記上パンチとによって該歯車素材を押圧することにより歯車の歯形部を成形するとともに、前記第2の駆動機構及び前記第3の駆動機構の駆動作用下に該マンドレル、該インサートパンチスリーブ及び該上パンチを該歯車に対して一体的に離間させた後、前記第1の駆動機構の駆動作用下にノックアウトパンチを移動させることにより前記下パンチを移動させて該歯車を前記ダイから離型することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、カッタなどによる機械加工を施すことなく歯車素材から歯車を製造することができるため、鍛造成形体に生成される鍛流線を誤って切断することを阻止できる。これにより、成形後の歯車の強度を確実に確保するとともに、歯車成形時に切粉の発生を可及的に回避することができるため、材料歩留まりの向上が図れ、製造コストの低廉化が達成される。
【0009】
また、歯車素材から歯車を成形した後にダイから該歯車を離型させる場合、該歯車素材の芯出しをするマンドレルにインサートパンチスリーブが嵌着されるため、第2の駆動機構及び第3の駆動機構を同期して駆動させることにより該マンドレル、該インサートパンチスリーブ及び上パンチを一体的に歯車に対して離間させることが可能となる。従って、例えば、マンドレルを移動させるための専用のピンや該ピンを移動させるための駆動機構を設ける必要がない。このため、歯車素材から歯車を成形して該歯車をダイから離型させるまでに、インサートパンチスリーブ、上パンチ及びノックアウトパンチをそれぞれ移動させるための駆動機構を3つ設置するだけで歯車を成形することができる。
【0010】
さらに、前記歯形成形部の歯を軸方向に対して傾斜させる場合、すなわち、ヘリカル状に形成する場合、前記歯形成形部の歯の軸方向に対する角度θを30゜<θ<45゜の範囲内の角度に設定して、角度θを30゜<θ<45゜の範囲内で大きくすることにより、成形された歯車の歯と歯との当接面積を可及的に大きくできる。このため、例えば、歯車に所定の荷重が付与された場合、歯と歯との当接面積が大きい方が単位面積当たりに付与される荷重が小さくなるので、歯車を構成する歯にかかる負荷が低減され、該歯車の長寿命化を達成できるとともに、歯と歯との噛み合い音の発生を可及的に低減できる。
【0011】
しかも、この場合、歯車を構成する歯にかかる負荷が低減されることにより該歯の強度の低下を阻止でき、例えば、本発明によって成形された歯車を自動車の変速機に用いた場合、ギア幅をダウンさせることができ、ひいては変速機自体のコンパクト化を達成できる。すなわち、目的に応じて第1の歯形成形部の歯の軸方向に対する角度θを30゜<θ<45゜の範囲内の所望の角度に設定できるため、設計自由度が向上する。
【0012】
なお、前記歯形成形部の歯は、軸方向に対して平行に形成してもよい。この場合、平歯車の歯を形成するための歯となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歯車成形方法につき、歯車成形装置との関係において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態に係る歯車成形装置の一部省略縦断面説明図を図1に示す。この歯車成形装置10は、図10に示されるリング状の予備成形体(以下、歯車素材ともいう)12を鍛造してヘリカル歯車130(図11参照)に成形するためのものであり、固定部14と可動部16とを有する(図1参照)。
【0015】
前記固定部14は架台18を備え、該架台18はその略中央部に形成される第1の凹部20と、該第1の凹部20に対して半径方向外方に形成された略矩形状の第2の凹部22を含む。前記第1の凹部20内には、該第1の凹部20から図1において上方に延在するように略円柱状のセンタガイド24が立設され、該センタガイド24を囲繞するように爪部26と本体部28とからなる第1のホルダ30が該第1の凹部20と前記第2の凹部22との間に形成される第1の環状凸部32上に固着される。前記センタガイド24はその周面を前記爪部26に当接するとともに、該センタガイド24と前記本体部28との間に該センタガイド24を周回する間隙部34が形成される。
【0016】
前記架台18、前記爪部26及び前記間隙部34を貫通して略円柱状のノックアウトパンチ36が前記センタガイド24を囲繞するように同心円状に複数本設けられる。このノックアウトパンチ36は前記センタガイド24によって芯出しされるとともに、該ノックアウトパンチ36の一端部には前記第1のホルダ30の爪部26上に載置される環状のスペーサ38が固着され、かつ該ノックアウトパンチ36の他端部は、図1における下方において第1の駆動機構(図示せず)に接続される。さらに、前記スペーサ38上には、前記センタガイド24の外周面を回動自在な下パンチ40が載置される。この下パンチ40は、図1において、下方が肉厚部42として形成され、次いでテーパ部44を介して上方が肉薄部46として形成される。前記肉薄部46の先端外周部には、ヘリカル状の外歯48が刻設される。従って、前記第1の駆動機構の作用下に、前記ノックアウトパンチ36は鉛直方向に上下動自在であるとともに、前記スペーサ38を介して前記下パンチ40も鉛直方向に上下動自在である。
【0017】
第2の凹部22の4つの角部には、図2に示すように、センタガイド24の軸に対して所定間隔離間したガスダンパ54がそれぞれ配設される。このガスダンパ54のロッド56にはディスク状のセットプレート58が固定される(図1参照)。図1から諒解されるように、第1の環状凸部32、第1のホルダ30及びノックアウトパンチ36を囲繞するように、コイルスプリング64が介装される。
【0018】
また、前記第2の凹部22の半径方向外方に形成された第2の環状凸部66上には、前記ガスダンパ54と前記セットプレート58を外装するように環状の膨出部68を有する第2のホルダ70が固着される。この第2のホルダ70の外周面74は、架台18の外周面72よりも半径方向外方に突出している。
【0019】
さらに、前記セットプレート58の上部に形成された環状平坦部76には環状の案内部材78が取着され、該案内部材78上には前記下パンチ40を囲繞するスペーサ80が回動自在に載置される。前記スペーサ80の上部にはダイ84が固着され、該ダイ84の中央上部にはテーパ部81を有する凹部82が形成される。このダイ84には、前記凹部82に連通してヘリカル歯車130のヘリカル歯形部132(図11参照)を成形するための歯形成形部86が刻設される(図3参照)。この歯形成形部86の歯87は、図3に示すように、軸方向に対して角度θだけ傾斜し等間隔に全周にわたって刻設されている。本実施の形態において、前記角度θは、30゜<θ<45゜の範囲内に設定されていると好ましい。
【0020】
前記第2のホルダ70の上部には環状の第3のホルダ88が固着されるとともに、ガスダンパ54の弾発力により、前記ダイ84の半径方向外方に指向して該ダイ84に設けられる第2のストッパ部92は該第3のホルダ88の半径方向内方に指向して該第3のホルダ88に設けられる第1のストッパ部90に係合する。なお、前記架台18、前記第2のホルダ70及び前記第3のホルダ88のそれぞれの外周面72、74、89に第4のホルダ93が嵌合している。
【0021】
可動部16は、図1に示すように、ロッド94と、該ロッド94の一端部の略中央部に固着される略円柱状のマンドレル96と、該マンドレル96に嵌着されるインサートパンチスリーブ98とを有する。このマンドレル96は、歯車素材12を鍛造成形するときに該歯車素材12の芯出しをするためのものである。前記インサートパンチスリーブ98の外周面は、図1において下方から第1の直線部100と、該第1の直線部100から軸に対して離間する方向に所定角度傾斜した第1のテーパ部102と、該第1のテーパ部102から軸方向に延在する第2の直線部104と、該第2の直線部104から軸に対して離間する方向に所定角度傾斜した第2のテーパ部106と、該第2のテーパ部106から軸方向に延在する第3の直線部108とから構成されている。さらに、前記ロッド94の他端部は、図1における上方において第2の駆動機構(図示せず)に接続されている。従って、前記第2の駆動機構の作用下に、前記ロッド94は、鉛直方向に上下動自在となる。
【0022】
さらに、前記ロッド94を囲繞するようにスペーサ110が配設され、前記インサートパンチスリーブ98の外周面を摺動自在な環状の上パンチ112が該スペーサ110の底面に設けられる。この上パンチ112の内周面は、図1において下方から第4の直線部114と、該第4の直線部114から軸に対して離間する方向に所定角度傾斜した第3のテーパ部116と、該第3のテーパ部116から軸方向に延在する第5の直線部118と、該第5の直線部118から軸に対して離間する方向に所定角度傾斜した第4のテーパ部120とから構成され、該上パンチ112の先端外周には、ダイ84の凹部82に形成されるテーパ部81の形状に合致する第5のテーパ部122が形成される。図1から諒解されるように、前記インサートパンチスリーブ98に形成される第1の直線部100と前記上パンチ112に形成される第4の直線部114及び該インサートパンチスリーブ98に形成される第2の直線部104と該上パンチ112に形成される第5の直線部118とが当接している。
【0023】
前記上パンチ112の外周面には、該上パンチ112をスペーサ110方向に支持固定する第5のホルダ124が嵌合し、かつ該スペーサ110及び第5のホルダ124には第6のホルダ126が外装される。前記スペーサ110及び前記第6のホルダ126は、図1における上方において第3の駆動機構(図示せず)に接続されている。従って、前記第3の駆動機構の作用下に、前記スペーサ110及び前記第6のホルダ126は、鉛直方向に上下動自在となる。すなわち、前記上パンチ112が前記インサートパンチスリーブ98の外周面を鉛直上下方向に摺動自在となる。なお、前記第2の駆動機構(図示せず)と前記第3の駆動機構(図示せず)とは、それぞれ独立して、若しくは同期して駆動することが可能である。
【0024】
本実施の形態に係る歯車成形装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその歯車成形方法との関係でその作用及び効果について説明する。
【0025】
先ず、図示しない第2の駆動機構と第3の駆動機構とを同期して駆動させ、図1に示すように、可動部16を固定部14に対して離間した状態にする。そして、下パンチ40の肉薄部46上にリング状の歯車素材12(図10参照)を載置する。このとき、前記肉薄部46の先端外周部に刻設された外歯48の一部をダイ84の内周部に刻設された歯形成形部86に噛合させる。
【0026】
その後、図示しない前記第2の駆動機構及び前記第3の駆動機構を同期して駆動させ、前記可動部16を鉛直下方向に移動させて該可動部16を前記固定部14に接近当接させる(図4参照)。この場合、ダイ84の凹部82に形成されたテーパ部81に上パンチ112に形成された第5のテーパ部122が当接するとともに、マンドレル96が歯車素材12の内部に挿通される。しかも、前記歯車素材12がインサートパンチスリーブ98及び上パンチ112により鉛直下方向に押圧される。これにより、ガスダンパ54の弾発力に抗して、セットプレート58、スペーサ80及びダイ84が鉛直下方向に押圧される。従って、第3のホルダ88に形成される第1のストッパ部90に対する前記ダイ84に設けられた第2のストッパ部92の係合作用が解除されて、該第1のストッパ部90と該第2のストッパ部92との間に第1の間隙部128が形成される(図4参照)。さらに、前記下パンチ40がセンタガイド24の外周面を回動自在であるため、前記外歯48が前記歯形成形部86にさらに噛合することになる(図4参照)。その際、前記歯車素材12の肉の一部が、前記歯形成形部86内を流動する。
【0027】
次いで、第2の駆動機構(図示せず)を駆動させてインサートパンチスリーブ98を鉛直上方向に移動させるとともに、第3の駆動機構(図示せず)を駆動させ上パンチ112をさらに鉛直下方向に移動させる。これにより、前記歯車素材12に対するインサートパンチスリーブ98の押圧作用が解除されて、該歯車素材12と該インサートパンチスリーブ98との間に第2の間隙部129が形成される(図5参照)。同時に、ガスダンパ54の弾発力に抗して、セットプレート58、スペーサ80及びダイ84がさらに鉛直下方向に押圧され、第1のストッパ部90と第2のストッパ部92との間に形成された第1の間隙部128が拡開される(図5参照)。このとき、歯車素材12の肉がさらに歯形成形部86内に流動する。その際、前記歯車素材12は前記マンドレル96の外周面を所定方向に所定角度だけ回転するとともに、前記歯形成形部86はヘリカル状に刻設されているため、前記歯車素材12の肉が該歯形成形部86内を螺旋的に流動しながら該歯形成形部86を押圧することになる。すなわち、前記ダイ84には軸に対して離間する方向に螺旋的な力が付与されるが、前記上パンチ112により該ダイ84が鉛直下方向に押圧されているため、該ダイ84は前記歯車素材12の回転方向に所定角度だけ回転することになる。換言すれば、前記ダイ84と、該ダイ84の底面に固着したスペーサ80が、軸を中心に一体的に案内部材78上を前記歯車素材12の回転方向に所定角度だけ回転する。これにより、ヘリカル歯車130のヘリカル歯形部132が成形される(図11参照)。
【0028】
そして、図示しない第2の駆動機構及び第3の駆動機構を同期して駆動させ、可動部16を固定部14から離間させる(図6参照)。すなわち、マンドレル96、インサートパンチスリーブ98及び上パンチ112が、ヘリカル歯車130に対して一体的に離間することになる。これにより、ガスダンパ54の弾発力に抗して、セットプレート58、スペーサ80及びダイ84に付与された鉛直下方向の押圧力が解除されて、該ダイ84の第2のストッパ部92が第3のホルダ88の第1のストッパ部90に係合する(図6参照)。
【0029】
その後、第1の駆動機構(図示せず)の作用下にノックアウトパンチ36を鉛直上方向に移動させる。このとき、前記ノックアウトパンチ36に固着されるスペーサ38を介して下パンチ40の外歯48がダイ84の歯形成形部86に噛合しながら、該下パンチ40が鉛直上方向に回転移動する。その際、成形されたヘリカル歯車130のヘリカル歯形部132と前記歯形成形部86との噛み合いにより、前記ダイ84が軸を中心に所定方向に所定角度だけ戻される。すなわち、歯車素材12を成形する前の状態(図1に示す状態)となる。これにより、ヘリカル歯車130がダイ84から離型した状態となる(図7参照)。
【0030】
ヘリカル歯車130は、搬送装置(図示せず)によって次工程に搬送され、最終的に、所定の寸法及び形状に機械加工が施されて製品として完成される。
【0031】
なお、本実施の形態においては、ヘリカル歯車を成形する場合を例として説明したが、その他の歯車、例えば、図8に示すような平歯形部140を有する平歯車142を成形することもできる。この場合、図9に示すように、軸方向に対して平行に形成された歯150を有する歯形成形部152を使用すればよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カッタなどによる機械加工を施すことなく歯車素材から歯車を製造することができるため、鍛造成形体に生成される鍛流線が誤って切断されることを阻止できる。これにより、成形後の歯車の強度を確実に確保することが可能になるとともに、歯車成形時に切粉が発生することを回避できるため、材料歩留まりの向上が達成され、製造工程か簡素化するとともに、製造コストの低廉化が達成される。
【0033】
また、歯車素材から歯車を成形した後にダイから該歯車を離型させる場合、該歯車素材の芯出しをするマンドレルにインサートパンチスリーブが嵌着されるため、第2の駆動機構及び第3の駆動機構を同期して駆動させることにより該マンドレル、該インサートパンチスリーブ及び上パンチを一体的に歯車に対して離間させることが可能となる。従って、例えば、マンドレルを移動させるための専用のピンや該ピンを移動させるため駆動機構を設ける必要がない。このため、歯車素材から歯車を成形して該歯車をダイから離型させるまでに、インサートパンチスリーブ、上パンチ及びノックアウトパンチをそれぞれ移動させるための駆動機構を3つ設置するだけで歯車を成形することができる。
【0034】
さらに、ダイに形成される歯形成形部の歯の軸方向に対する角度θを30゜<θ<45゜の範囲内の角度に設定した場合、角度θを30゜<θ<45゜の範囲内で大きくすることによって、成形された歯車の歯と歯との当接面積を可及的に大きくできる。このため、例えば、歯車に所定の荷重が付与された場合、歯と歯との当接面積が大きい方が単位面積当たりに付与される荷重が小さくなるので、歯車の歯にかかる負荷が低減され該歯車の長寿命化を達成できるとともに、歯と歯との噛み合い音の発生を可及的に低減できる。しかも、歯車の歯にかかる負荷が低減されることにより該歯の強度の低下を阻止でき、例えば、本発明によって成形された歯車を自動車の変速機に用いた場合、ギア幅を小さくでき、ひいては変速機自体のコンパクト化が達成される。すなわち、目的に応じてヘリカル歯形成形部の歯の軸方向に対する角度θを30゜<θ<45゜の範囲内の所望の角度に設定できるため、設計自由度が向上するという特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る歯車成形装置を示す一部省略縦断面説明図である。
【図2】図1におけるII−II線からみた矢視説明図である。
【図3】図1の歯車成形装置を構成するダイを示す一部省略拡大縦断面説明図である。
【図4】図1の歯車成形装置において、インサートパンチスリーブと上パンチにより歯車素材を押圧した状態を示す一部省略縦断面説明図である。
【図5】図4に示す状態からさらに上パンチにより歯車素材を押圧した状態を示す一部省略縦断面説明図である。
【図6】図1の歯車成形装置において、固定部から可動部が離間した状態を示す一部省略縦断面説明図である。
【図7】図1の歯車成形装置において、鍛造成形された後のヘリカル歯車がダイから離型した状態を示す一部省略縦断面説明図である。
【図8】平歯車の概略全体斜視図である。
【図9】平歯車を成形するための歯が形成された歯車成形部を示す一部省略拡大縦断面説明図である。
【図10】予備成形体(歯車素材)の概略全体斜視図である。
【図11】ヘリカル歯車の概略全体斜視図である。
【符号の説明】
10…歯車成形装置 12…歯車素材(予備成形体)
24…センタガイド 36…ノックアウトパンチ
40…下パンチ 48…外歯
86、152…歯形成形部 87、150…歯
96…マンドレル 98…インサートパンチスリーブ
112…上パンチ 130…ヘリカル歯車
132…ヘリカル歯形部 140…平歯形部
142…平歯車
Claims (7)
- 外歯を有する下パンチの一端部に歯車素材を載置して、該歯車素材の内部にマンドレルを挿通させるとともに、前記マンドレルに外装されるインサートパンチスリーブ及び上パンチによって該歯車素材を押圧する第1の工程と、
前記インサートパンチスリーブによる前記歯車素材に対する押圧力を解除して該インサートパンチスリーブを該歯車素材から離間させるとともに、前記上パンチによって該歯車素材をさらに押圧することにより、前記外歯が噛合するダイに形成された歯形成形部内に該歯車素材を流動させて歯車の歯形部を成形する第2の工程と、
ノックアウトパンチの作用下に前記下パンチを移動させて前記歯車を前記ダイから離型する第3の工程と、
からなることを特徴とする歯車成形方法。 - 請求項1記載の歯車成形方法において、
前記第2の工程により、前記歯車素材にヘリカル歯形部が成形されることを特徴とする歯車成形方法。 - 請求項1記載の歯車成形方法において、
前記第2の工程により、前記歯車素材に平歯形部が成形されることを特徴とする歯車成形方法。 - センタガイドと、ノックアウトパンチと、該センタガイドの外周面を移動自在に配設される下パンチと、該下パンチに形成される外歯に噛合する歯形成形部を有するダイとを備え、
前記ダイに対向するように、マンドレルと、該マンドレルに嵌着されるインサートパンチスリーブと、該インサートパンチスリーブの外周面を摺動自在な上パンチが設けられ、
前記ノックアウトパンチ、前記マンドレル及び前記上パンチは、それぞれ第1の駆動機構、第2の駆動機構及び第3の駆動機構に接続され、
歯車素材の内部にマンドレルを挿通させながら、前記インサートパンチスリーブと前記上パンチとによって該歯車素材を押圧することにより歯車の歯形部を成形するとともに、前記第2の駆動機構及び前記第3の駆動機構の駆動作用下に該マンドレル、該インサートパンチスリーブ及び該上パンチを該歯車に対して一体的に離間させた後、前記第1の駆動機構の駆動作用下にノックアウトパンチを移動させることにより前記下パンチを移動させて該歯車を前記ダイから離型することを特徴とする歯車成形装置。 - 請求項4記載の歯車成形装置において、
前記歯形成形部の歯が軸方向に対して傾斜して形成されていることを特徴とする歯車成形装置。 - 請求項5記載の歯車成形装置において、
前記歯形成形部の歯の軸方向に対する角度θは、30゜<θ<45゜の範囲内であることを特徴とする歯車成形装置。 - 請求項4記載の歯車成形装置において、
前記歯形成形部の歯が軸方向に対して平行に形成されていることを特徴とする歯車成形装置。
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