JP2022045183A - 細線の加工方法 - Google Patents

細線の加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022045183A
JP2022045183A JP2020150733A JP2020150733A JP2022045183A JP 2022045183 A JP2022045183 A JP 2022045183A JP 2020150733 A JP2020150733 A JP 2020150733A JP 2020150733 A JP2020150733 A JP 2020150733A JP 2022045183 A JP2022045183 A JP 2022045183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin wire
cutting
cutting blade
substrate
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020150733A
Other languages
English (en)
Inventor
真平 吉野
Shimpei Yoshino
祐哉 松岡
Yuya Matsuoka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Abrasive Systems Ltd filed Critical Disco Abrasive Systems Ltd
Priority to JP2020150733A priority Critical patent/JP2022045183A/ja
Publication of JP2022045183A publication Critical patent/JP2022045183A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】細線を固定して該細線を精密に加工する。【解決手段】保持ユニットと、切り刃を外周に有する切削ブレードを回転可能に備えた切削ユニットと、を備えた切削装置を用いた細線の加工方法であって、溝が上面に形成された基板を準備し、該保持ユニットで該基板を保持するとともに細線を該溝に配設し、該切削ブレードを挟むように位置付けられるとともにそれぞれ下面が該切削ブレードの該切り刃の下端よりも低い一対の弾性部材が配設された切削ユニットを準備し、該切削ブレードの該切り刃が該基板の該溝に配設された該細線を横断するように該切削ブレードを該基板の上方に位置付け、該切削ユニットを下降させて該一対の弾性部材を該細線に当接させ、さらに該切削ユニットを下降させて回転する該切削ブレードの該切り刃で該細線を切削し、該細線を横断する切り溝を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、細線を加工する加工方法に関する。
人の体内の血管内に挿入され、先端が所定部位まで到達することで該所定部位における診断や治療に使用されるチューブ状のカテーテルが知られている。カテーテルを該所定部位まで挿入するために、予め血管内に挿入されるガイドワイヤと呼ばれる金属細線が使用される。例えば、ガイドワイヤを血管内に挿入し、ガイドワイヤを基端側から先端側に向かって収容していくように該ガイドワイヤに沿ってカテーテルを進行させると、血管の複雑な形状に対応するようにカテーテルを該血管内に滞りなく挿入できる。
ガイドワイヤには、血管内を進行するのに適した性能が要求される。すなわち、可撓性と、進行方向の荷重に対する垂直荷重性と、が同時に要求される。さらに、体外に位置するガイドワイヤの後端部を回転させて進行方向等を制御しながら先端部を進行させるので、その回転に対するねじり剛性が必要である。
ガイドワイヤに使用される材料としてはNi-Ti(ニッケルチタン)合金が注目されている。そして、ガイドワイヤの使用用途の拡大に対応できる機械的性能を実現するために、それぞれ個々に特徴を有する様々なNi-Ti合金製のガイドワイヤが開発されている(特許文献1参照)。
特開2002-28248号公報
近年、Ni-Ti合金製のパイプ状の細線の内部にさらに細い細線を挿入した医療器具が提案されている。例えば、このパイプ状の細線は外径が0.3mm、内径0.2mmに形成されており、内部に挿入される細線の直径は0.15mm程度とされる。このようなパイプ状の細線に柔軟性を持たせ屈曲可能とするために、パイプ状の細線の外周に予め複数の切れ目を形成することが検討されている。
例えば、パイプ状の細線の外周に幅0.01mm、切り残し厚さ0.05mmの複数の切れ目を0.1mm間隔で形成するような極めて精密な加工が求められている。しかしながら、Ni-Ti合金のような金属材料で形成されたパイプ状の細線を精密に加工するのは容易ではない。問題点の一つは、加工中に細線が移動しないように該細線を適切に固定するのが困難であることである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、細線を精密に加工できる細線の加工方法を提供することである。
本発明の一態様によると、保持ユニットと、切り刃を外周に有する切削ブレードを回転可能に備えた切削ユニットと、を備えた切削装置を用いた細線の加工方法であって、溝が上面に形成された基板を準備する基板準備ステップと、該保持ユニットで該基板を保持するとともに細線を該溝に配設する細線準備ステップと、該切削ブレードを挟むように位置付けられるとともにそれぞれ下面が該切削ブレードの該切り刃の下端よりも低い一対の弾性部材が配設された切削ユニットを準備する切削ユニット準備ステップと、該切削ブレードの該切り刃が該基板の該溝に配設された該細線を横断するように該切削ブレードを該基板の上方に位置付ける切削ブレード位置付けステップと、該切削ユニットを下降させて該一対の弾性部材を該細線に当接させ、さらに該切削ユニットを下降させて回転する該切削ブレードの該切り刃で該細線を切削し、該細線を横断する切り溝を形成する切り溝形成ステップと、を有することを特徴とする細線の加工方法が提供される。
好ましくは、該弾性部材は、ゴムまたはスポンジである。
本発明の一態様に係る細線の加工方法では、保持ユニットと、切り刃を外周に有する切削ブレードを回転可能に備えた切削ユニットと、を備えた切削装置を用いて細線を加工する。上面に溝を有する基板を準備し、該基板を保持ユニットで保持し、細線を該溝に配設する。そして、切り刃が該細線を横断するように切削ブレードを細線の上方に位置付けて、切削ブレードを回転させながら切削ユニットを下降させる。
切削ユニットは、切削ブレードを挟む一対の弾性部材を備えている。そして、切削ユニットを下降させたときに該弾性部材が該切削ブレードよりも先に細線にあたり、上方から該配線を押さえる。そのため、回転する切削ブレードが細線に当たる際には、該切削ブレードの両側面側で細線が該弾性部材と基板の溝との間で固定された状態となる。これにより、細線の移動を防止できるため、細線の精密な加工が実現される。
したがって、本発明の一態様によると、細線を精密に加工できる細線の加工方法が提供される。
切削装置を模式的に示す斜視図である。 図2(A)は、基板を模式的に示す斜視図であり、図2(B)は、細線準備ステップを模式的に示す斜視図である。 切削ブレード位置付けステップを模式的に示す斜視図である。 切り溝形成ステップを模式的に示す斜視図である。 切削ブレードで加工されている細線を模式的に示す断面図である。 細線の加工方法の各ステップのフローを示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。本実施形態に係る細線の加工方法では、被加工物を切削加工する切削装置が使用される。まず、使用される切削装置について説明する。図1は、切削装置2を模式的に示す斜視図である。
切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の上面には、長手方向がX軸方向に沿うように矩形の開口4aが形成されている。開口4a内には、ボールネジ式のX軸移動機構(不図示)と、X軸移動機構の上部を覆うテーブルカバー10及び蛇腹状の防塵防滴カバー12と、が配置されている。X軸移動機構は、テーブルカバー10によって覆われたX軸移動テーブル(不図示)を備えており、このX軸移動テーブルをX軸方向に移動させる。
X軸移動テーブルの上面には、テーブルカバー10から露出するように保持ユニット14が配設されている。保持ユニット14は、上方に露出した保持面14aに載せられた被保持物を吸引保持する機能を有する。保持ユニット14はモータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、保持ユニット14は、X軸移動機構によってX軸移動テーブルやテーブルカバー10とともにX軸方向に移動する。
保持ユニット14は、被保持物となる後述の基板と同様の径のポーラス部材を上面に備える。そして、該ポーラス部材の上面が基板を保持する保持面14aとなる。保持ユニット14の内部には、該保持ユニット14の外部に設けられたエジェクタ等の吸引源(不図示)に一端が接続された吸引路(不図示)が形成されている。吸引路の他端は、該ポーラス部材に達している。保持面14aに被保持物を置き該吸引源を作動させると、保持ユニット14は該被保持物を吸引保持できる。
保持ユニット14の上方には、切削ユニット38が配設される。基台4の上面には、切削ユニット38を支持するための支持構造16が配置されている。支持構造16は、開口4aの上方に該開口4aを渡るように伸長した腕部18を上部に備える。
支持構造16の前面上部には、切削ユニット38をY軸方向(割り出し送り方向)に移動させる割り出し送りユニット20が設けられている。割り出し送りユニット20は、支持構造16の前面にY軸方向に沿って伸長した一対のY軸ガイドレール22を備える。一対のY軸ガイドレール22には、Y軸移動プレート24がスライド可能に装着されている。Y軸移動プレート24の裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ガイドレール22に平行なY軸ボールネジ26が螺合されている。
Y軸ボールネジ26の一端部には、Y軸パルスモータ(不図示)が連結されている。Y軸パルスモータによってY軸ボールネジ26を回転させることにより、Y軸移動プレート24がY軸ガイドレール22に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動プレート24の表面(前面)には、切削ユニット38をZ軸方向(上下方向)に沿って昇降させる昇降ユニット28が設けられる。昇降ユニット28は、Z軸方向に沿った一対のZ軸ガイドレール30をY軸移動プレート24の表面に備える。一対のZ軸ガイドレール30にはZ軸移動プレート32がスライド可能に取り付けられている。
Z軸移動プレート32の裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ガイドレール30に平行な方向に沿うように設けられたZ軸ボールネジ34が螺合されている。Z軸ボールネジ34の一端部にはZ軸パルスモータ36が連結されており、このZ軸パルスモータ36によってZ軸ボールネジ34を回転させることにより、Z軸移動プレート32がZ軸ガイドレール30に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート32の下部には切削ユニット38が固定されている。切削ユニット38に隣接する位置には、保持ユニット14に支持された被加工物を撮像し、加工位置を検出するための撮像ユニット40が設けられている。割り出し送りユニット20により切削ユニット38及び撮像ユニット40のY軸方向における位置が制御され、昇降ユニット28により切削ユニット38及び撮像ユニット40のZ軸方向における位置が制御される。
図3には、切削ユニット38を模式的に示す斜視図が含まれている。切削ユニット38は、先端に切削ブレード42が装着されたスピンドル44を収容する筒状のスピンドルハウジング46を備える。このスピンドルハウジング46には、Y軸方向に対して概ね平行な回転軸となるスピンドル44が回転できるように収容される。
このスピンドル44の一端部には、環状の切削ブレード42が装着される。切削ブレード42は、アルミニウム等で形成された環状の基台48と、該基台48の外周部に固定された環状の切り刃50と、を備える。切り刃50は、例えば、ダイヤモンド等の砥粒を樹脂や金属等の結合材で固定することによって形成される。
スピンドル44の他端側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドル44の一端部に装着された切削ブレード42は、この回転駆動源が生じる力によって回転する。スピンドルハウジング46の一端側には、スピンドル44に装着された状態の切削ブレード42の外周部の上側を覆うブレードカバー52が設けられている。ブレードカバー52は、例えば、スピンドルハウジング46の一端部に固定されている。
ブレードカバー52の下端には、それぞれ、Y軸方向において切削ブレード42を挟むように配置される一対のノズル54が設けられている。被加工物を切削する際には、この一対のノズル54から切削ブレード42や被加工物に切削水が供給される。切削水としては、例えば、水(純水)や、水に薬品を添加した液体等が使用される。
次に、切削ユニット38で切削される細線について説明する。図2(B)等には、細線1を模式的に示す斜視図が含まれている。細線1は、例えば、人体の血管内に挿入されて使用されるNi-Ti合金製の部材である。ただし、細線1の材質はこれに限定されない。細線1は、例えば、中空のパイプ状の部材であり、内部にさらに細い細線(不図示)が挿入されて使用されることが想定される。
例えば、このパイプ状の細線1は外径が0.3mm、内径0.2mmに形成されており、内部に挿入される細線の直径は、0.15mm程度とされる。このようなパイプ状の細線1に柔軟性を持たせ屈曲可能とするために、細線1の外周に予め複数の切れ目を形成する加工が望まれている。例えば、細線1の外周に幅0.01mm、切り残し厚さ0.05mmの複数の切れ目を0.1mm間隔で形成するような極めて精密な加工が求められている。
幅0.01mmの切れ目を細線1に形成するには、切り刃50の刃厚が0.01mm程度の切削ブレード42で細線1を切削するとよい。しかしながら、保持ユニット14の平坦な保持面14aに細線1を載せても該保持面14aの全面を塞ぐことはできずに負圧が漏れるため、保持ユニット14で該細線1を適切に保持できない。また、パイプ状の細線1は保持面14a上を転がりやすい。この状態において切削ブレード42で細線1を切削しても加工中に細線1が移動してしまうため、細線1を精密に加工するのが困難である。
そこで、本実施形態に係る細線の加工方法では、細線1の移動を防止しつつ細線1を切削する。次に、加工中の細線1の移動を防止する構成を中心に、説明を続ける。本実施形態に係る細線の加工方法では、保持ユニット14上に細線1を固定するために、上面に溝が形成された基板を使用する。図2(A)は、基板3を模式的に示す斜視図である。
基板3は、例えば、シリコン、SiC(シリコンカーバイド)、若しくは、その他の半導体等の材料、または、サファイア、ガラス、石英等の材料からなる略円板状の基板である。ただし、基板3の材質はこれに限定されない。基板3の裏面3b側は平坦であり、基板3の径は保持ユニット14の保持面14aの径と同程度とされる。基板3を保持ユニット14の保持面14aに載せると、保持面14aの全域を該基板3で覆うことができる。そのため、基板3は、保持ユニット14で吸引保持可能である。
基板3の上面3aには、直線状の溝5が形成される。溝5には被加工物となる細線1が配設される。ここで、溝5の形状について説明する。溝5の幅は、配設される細線1の転がり移動を防止できるように、細線1の外径より小さいことが好ましい。例えば、溝5の幅が細線1の径よりも小さく溝5が十分に深い場合、溝5に配設された細線1は、溝5の両側壁と、基板3の上面3aと、を接続する一対の角部7の間に挟まれることとなる。この場合、細線1の転がりが角部7により防止される。
溝5に配設された細線1を切削ブレード42で切削したときに該細線1に所定の切り込み深さで切り込んだ切り刃50が基板3に接触しないように、該溝5の幅は、適切な範囲で設定されるとよい。例えば、細線1が溝5に配設されたときに該切り込み深さよりも大きい厚さで該細線1が溝5の上方に露出されることが好ましい。該溝5の幅は、これを実現できるように適宜設定されるとよい。
ただし、基板3の材質や切削ブレード42の種別次第では、切削ブレード42の切り刃50が細線1だけでなく基板3に接触して該基板3が切削されても問題とならない場合がある。この場合、溝5の幅を広げることで、切削される細線1の移動をより強く抑制できる。
基板3の上面3aに溝5を形成するには、例えば、図1に示す切削装置2を使用するとよい。この場合、まず、基板3に形成する溝5の幅に対応する刃厚の切り刃50を備える切削ブレード42を切削ユニット38のスピンドル44の先端に装着しておく。そして、溝5が形成される上面3aが上方に露出するように保持面14a上に基板3を載せ、保持ユニット14で基板3を吸引保持する。
その後、切り刃50の下端の高さ位置が基板3に形成される溝5の底部の高さ位置と一致するように切削ユニット38の高さ位置を調整する。そして、30000rpm程度の速度で切削ブレード42を回転させるとともにノズル54から切削水を噴出させながら保持ユニット14をX軸方向に移動させ、基板3に切り刃50を接触させる。すると、切削ブレード42で基板3が切削されて、所定の形状の溝5がX軸方向に沿って基板3の上面3aに形成される。
なお、溝5の形成方法はこれに限定されない。例えば、溝5の幅よりも小さい刃厚の切り刃50を備える切削ブレード42で繰り返し基板3を切削することで溝5を形成してもよい。この場合、溝5の形成予定位置のすべてが切削されるように、基板3が切削される度にY軸方向に沿って切削ユニット38を移動させる。
さらに、本実施形態に係る細線の加工方法では、細線1の移動を防止する一対の弾性部材を備える切削ユニット38が使用される。図3には、弾性部材56を備える切削ユニット38を模式的に示す斜視図が含まれている。弾性部材56は、例えば、ゴム等の材料で形成されたブロック状の部材、または、合成樹脂等の材料で形成されたスポンジ状の部材である。
一対の弾性部材56は、切削ブレード42を挟むように位置付けられるとともにそれぞれ下面が該切削ブレード42の切り刃50の下端よりも低くなるように切削ユニット38に固定される。例えば、図3等に示す通り、ノズル54の外側に固定される。
溝5に配設された細線1を切削する際、後述の通り細線1の上方に切削ブレード42を位置付け、切削ユニット38を下降させる。このとき、まず、弾性部材56が細線1及び基板3に当たる。そして、切削ユニット38をさらに下降させると、弾性部材56は、弾性変形しながら変形量に応じた力で細線1及び基板3を上方から押圧する。
その後、回転する切削ブレード42の切り刃50が細線1に当たり、細線1が切削ブレード42で切削される。ここで、細線1は、弾性部材56により基板3に押し付けられた状態となって固定される。そのため、切削ブレード42で加工される際に細線1が移動することがない。
ここで、細線1を切削する際、基板3及び切削ユニット38には、切削装置2の内部や外部に存在する様々な振動源からそれぞれ異なる経路で振動が伝わるため、それぞれ異なる態様で振動する。そして、本実施形態に係る細線の加工方法では、基板3と切削ユニット38とが弾性部材56を介して接続される。互いの振動が他方に伝達されると、細線1の精密な加工に悪影響が生じるおそれがある。
しかしながら、弾性部材56は、互いの振動状態にしなやかに対応しながら時々刻々と変形するため、基板3と切削ユニット38とに互いの振動を伝達しにくく、間断なく細線1を押圧して固定できる。そのため、例えば、細線1を剛性部材等で押圧して固定するような場合と比較して、細線1の固定に弾性部材56を使用すると、細線1のより精密な加工を実現できる。
次に、本実施形態に係る細線の加工方法について説明する。該細線の加工方法は、例えば、図1等に模式的に示す切削装置2で実施される。図6は、本実施形態に係る細線の加工方法の各ステップの流れを説明するフローチャートである。以下、本実施形態に係る細線の加工方法の各ステップについて説明する。
本実施形態に係る細線の加工方法では、上面3aに溝5が形成された基板3を準備する基板準備ステップS10を実施する。基板準備ステップS10では、図2(A)に示されるような基板3を準備する。基板準備ステップS10では、溝5の幅に対応する刃厚の切り刃50を備える切削ブレード42で円板状の基板3の上面3aを切削することで所定の形状の溝5を形成してもよい。または、予め上面3aに溝5が形成された基板3を準備してもよい。
基板準備ステップS10を実施した後、保持ユニット14で基板3を保持するとともに細線1を溝5に配設する細線準備ステップS20が実施される。図2(B)は、細線準備ステップS20を模式的に示す斜視図である。細線準備ステップS20では、基板3を保持ユニット14の保持面14aの上に載せ、保持ユニット14で基板3を吸引保持する。その後、基板3の溝5に細線1を配設する。このとき、細線1は、溝5の両側壁の上端の角部7に支持される。
次に、切削ブレード42を挟むように位置付けられるとともにそれぞれ下面が該切削ブレード42の切り刃50の下端よりも低い一対の弾性部材56が配設された切削ユニット38を準備する切削ユニット準備ステップS30を実施する。図3は、切削ユニット準備ステップS30を模式的に示す斜視図である。
切削ユニット準備ステップS30では、例えば、切削ユニット38のブレードカバー52が備える一対のノズル54のそれぞれ外側下方に一対の弾性部材56を固定する。ここで、弾性部材56は、例えば、接着剤やネジ等によりノズル54に固定される。ただし、切削ユニット38における弾性部材56の配設態様はこれに限定されず、弾性部材56はブレードカバー52に固定されてもよい。
また、予め弾性部材56が切削ユニット38に配設されている場合、切削ユニット準備ステップS30では、該弾性部材56が問題なく使用に耐えられる状態であるか否かが確認されてもよい。ただし、切削ユニット準備ステップS30では、確認するまでもなく弾性部材56が使用に耐えられる状態あると考えられる場合、該確認が省略されてもよい。すなわち、切削ユニット準備ステップS30では、特段の作業が実施されなくてもよい。
なお、本実施形態に係る細線の加工方法では、基板準備ステップS10及び細線準備ステップS20と、切削ユニット準備ステップS30と、の順番は特に限定されない。すなわち、基板準備ステップS10及び細線準備ステップS20の前に切削ユニット準備ステップS30が完了していてもよい。
基板準備ステップS10と、細線準備ステップS20と、切削ユニット準備ステップS30と、が実施された後、切削ブレード位置付けステップS40が実施される。切削ブレード位置付けステップS40では、切削ブレード42の切り刃50が基板3の溝5に配設された細線1を横断するように、切削ブレード42が基板3の上方に位置付けられる。
図3は、切削ブレード位置付けステップS40を模式的に示す斜視図である。切削ブレード位置付けステップS40では、例えば、保持ユニット14で保持された基板3の上面3aを撮像ユニット40で撮像して、基板3の溝5の向きを確認する。そして、保持ユニット14の保持面14aに垂直な軸の周りに回転させ、溝5の向きをX軸方向に合わせる。さらに、細線1の切削される予定の位置が切り刃50の真下に位置付けられるように、切削ユニット38及び保持ユニット14の相対位置が調整される。
次に、切削ユニット38を下降させて一対の弾性部材56を細線1に当接させ、さらに該切削ユニット38を下降させて回転する切削ブレード42の切り刃50で細線1を切削し、該細線1を横断する切り溝を形成する切り溝形成ステップS50が実施される。図5は、切り溝形成ステップS50を模式的に示す断面図である。
30000rpm程度の高速で切削ブレード42を回転させ、切削ユニット38を下降させ、ノズル54から切削ブレード42等に切削水を噴射しながら細線1に切り刃50を接触させると、該細線1が切削される。細線1を切削すると細線1から切削屑や加工熱が生じるが、切削屑や加工熱は切削水に取り込まれて速やかに除去される。
そして、Ni-Ti合金等で形成された細線1に切り溝が形成される際、細線1には大きな力がかかる。そのため、細線1が十分に固定されていない場合、細線1が基板3の上で移動してしまい、細線1の予定されてない位置に切り刃50が接触して細線1に損傷が生じるおそれや、細線1が切断されるおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係る細線の加工方法では、切削ブレード42の切り刃50よりも弾性部材56が先に細線1及び基板3に接触して弾性変形し、細線1に下方に向いた力をかけるため、細線1が基板3の溝5に固定される。そのため、切削されている細線1は、所定の高さ位置まで切り刃50が下降して所定の形状の切り溝が形成され切削ブレード42が引き上げられるまで移動しない。
例えば、外径が0.3mm、内径0.2mmに形成されたパイプ状の細線1を切り残し厚さが0.05mとなるように0.25mmの加工深さで切削する場合について、説明する。このとき、図5に示す通り、切り刃50をパイプ状の細線1の上端から切り込ませ、細線1の下端部に切り刃50が切り込む直前に切削ユニット38の下降を停止させる。すると、細線1に切り溝が形成されて該下端部が残る。この間、細線1は、弾性部材56と、溝5の角部7と、で挟まれて固定される。
そして、切削ユニット38を上昇させて切削ブレード42を細線1から引き上げて切削を完了させる。さらに切削ユニット38を上昇させると、弾性部材56が元の形状に復元されていき細線1にかかる力が弱まり、やがて細線1から弾性部材56が離れて、細線1の固定が解除される。
細線1の他の部分に続けて切り溝を形成する場合、切削ユニット38をY軸方向に沿って移動させ、切削ユニット38を下降させて切削ブレード42で細線1を同様に切削する。この場合、細線1に新たな切り溝が形成されるが、この際にも細線1が弾性部材56により固定されるため、該細線1の移動が防止される。このように、細線1の切削を繰り返すと、細線1に複数の切り溝を形成できる。
なお、細線1に新たに切り溝を形成する際、細線1を伸長方向の周りに所定の角度で回転させておくと、細線1に任意の方向に開いた切り溝を形成できる。例えば、細線1に切り溝を形成する度に細線1を120°回転させていくと、任意の方向に屈曲可能な細線1を形成できる。
以上に説明するように、本実施形態に係る細線の加工方法では、弾性部材56で細線1が固定されるため、切削中に細線1が移動することはない。そのため、細線1を適切に切削して切り溝を形成できる。
なお、本発明は、上記の実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、パイプ状であり中空の細線1を切削する場合を例に説明したが、本発明の一態様はこれに限定されない。すなわち、細線1の中心には貫通孔が形成されていなくてもよく、円柱状の細線1が切削されてもよい。この場合においも、弾性部材56で細線1を固定できるため、細線1の切削を適切に実施できる。
また、上記実施形態では、基板3の溝5の幅が細線1の径よりも小さく、溝5の一対の角部7で細線1が支持される場合を例に説明したが、本発明の一態様はこれに限定されない。例えば、溝5の幅は細線1の径と略同一でもよい。この場合、溝5に配設された細線1は、溝5の底部で支持される。
このとき、溝5の外部に露出する部分が細線1に無く、溝5の内部に完全に細線1が収容されていると、弾性部材56が該細線1に接触できず該細線1を固定できない。そこで、溝5の深さは、細線1の径よりも小さいことが好ましい。
さらに、上記実施形態では、弾性部材56がゴムやスポンジ等の部材である場合を例に説明したが、本発明の一態様はこれに限定されない。例えば、弾性部材56は、切削ユニット38に固定されたZ軸方向に沿ったコイルばねと、該コイルばねの下端に吊された硬質部材と、を含んでもよい。この場合、該硬質部材を細線1に接触させ、該コイルばねにより硬質部材を上方から押圧することで細線1を固定する。すなわち、弾性部材56は単独の部材で実現されなくてもよく、複数の部材の組み合わせにより実現されてもよい。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 細線
3 基板
3a 上面
3b 裏面
5 溝
7 角部
2 切削装置
4 基台
4a 開口
10 テーブルカバー
12 防塵防滴カバー
14 保持ユニット
14a 保持面
16 支持構造
18 腕部
20 割り出し送りユニット
22,30 ガイドレール
24,32 移動プレート
26,34 ボールネジ
28 昇降ユニット
36 パルスモータ
38 切削ユニット
40 撮像ユニット
42 切削ブレード
44 スピンドル
46 スピンドルハウジング
48 基台
50 切り刃
52 ブレードカバー
54 ノズル
56 弾性部材

Claims (2)

  1. 保持ユニットと、切り刃を外周に有する切削ブレードを回転可能に備えた切削ユニットと、を備えた切削装置を用いた細線の加工方法であって、
    溝が上面に形成された基板を準備する基板準備ステップと、
    該保持ユニットで該基板を保持するとともに細線を該溝に配設する細線準備ステップと、
    該切削ブレードを挟むように位置付けられるとともにそれぞれ下面が該切削ブレードの該切り刃の下端よりも低い一対の弾性部材が配設された切削ユニットを準備する切削ユニット準備ステップと、
    該切削ブレードの該切り刃が該基板の該溝に配設された該細線を横断するように該切削ブレードを該基板の上方に位置付ける切削ブレード位置付けステップと、
    該切削ユニットを下降させて該一対の弾性部材を該細線に当接させ、さらに該切削ユニットを下降させて回転する該切削ブレードの該切り刃で該細線を切削し、該細線を横断する切り溝を形成する切り溝形成ステップと、
    を有することを特徴とする細線の加工方法。
  2. 該弾性部材は、ゴムまたはスポンジであることを特徴とする請求項1記載の細線の加工方法。
JP2020150733A 2020-09-08 2020-09-08 細線の加工方法 Pending JP2022045183A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020150733A JP2022045183A (ja) 2020-09-08 2020-09-08 細線の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020150733A JP2022045183A (ja) 2020-09-08 2020-09-08 細線の加工方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022045183A true JP2022045183A (ja) 2022-03-18

Family

ID=80682142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020150733A Pending JP2022045183A (ja) 2020-09-08 2020-09-08 細線の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022045183A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5459484B2 (ja) ダイシング装置及びダイシング方法
JP2008062476A (ja) 加工装置およびチャックテーブル
JP2007073586A (ja) 切削工具
JP2008023693A (ja) 研削装置および研削ホイール
JP5483304B2 (ja) 医療用切削具の製造装置及び製造方法
JP2019188484A (ja) 加工装置
JP2023040145A (ja) ダイシング装置及びカッターセット方法
JP2008254132A (ja) チャックテーブル
JP2022045183A (ja) 細線の加工方法
JP2019115962A (ja) チャックテーブル修正方法及び切削装置
JP2009274177A (ja) 切削装置
JP2019202399A (ja) 研削装置
JP2005028550A (ja) 結晶方位を有するウエーハの研磨方法
US8915771B2 (en) Method and apparatus for cleaning grinding work chuck using a vacuum
JP5242348B2 (ja) 加工装置
JP5025282B2 (ja) フレームクランプ装置および切削装置
JP2022001396A (ja) 切削装置
JP4381783B2 (ja) 切削装置
JP5956112B2 (ja) 切削装置
JPH10286708A (ja) 微細孔加工方法及びこれに用いる加工装置
JP6498550B2 (ja) 旋削装置
JP2020199576A (ja) 加工機構
JP4549471B2 (ja) 板状物研削装置及び板状物研削方法
JP6979607B2 (ja) 研削装置及び研削方法
JP2020037153A (ja) 反転ユニットおよび加工装置