JP6498550B2 - 旋削装置 - Google Patents

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本発明は、吸引保持された板状ワークを周回するバイトによって旋削する旋削装置に関する。
従来、半導体ウエーハ等の板状ワークにおいては、表面を平坦にすべく旋削装置によって加工される場合がある。特許文献1に開示されるように、旋削装置は、切削刃となるバイトと、板状ワークを保持するためのピンチャックテーブルとを備え、回転する切削刃によって板状ワークの表面を旋削している。ピンチャックテーブルは、多数の支持ピンの先端で形成される平坦な保持面に板状ワークを吸引して保持している。旋削装置において、ピンチャックテーブルを使用することで、旋削による旋削屑が保持面に付着することを防止でき、保持面と板状ワークとの間に旋削屑が挟まることを防止できる効果がある。また、ピンチャックテーブルでは、板状ワークの吸着時に、板状ワークとの間に負圧となる密閉空間を形成することができ、吸引力を確保することが可能となる。
特許第4589201号公報
しかし、ピンチャックテーブルは、複数の柱状となる支持ピンの先端で板状ワークを支持しているので、板状ワークが薄くなると、隣り合う支持ピンの間において板状ワークが撓むこととなる。このため、支持ピンで支持される部分(支持ピンの真上位置)が薄く、その他の部分が相対的に厚く旋削されるため、板状ワークの厚みにばらつきが生じて凸凹する、という問題がある。かかる問題は、板状ワークが厚みを持っている場合には表れないが、板状ワークが薄くなる程、顕著に表れることとなる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、板状ワークが厚くなったり薄くなったりしても板状ワークを吸引保持して旋削することができる旋削装置を提供することを目的とする。
本発明の旋削装置は、板状ワークをバイトで旋削する旋削装置であって、板状ワークを吸引保持する保持手段と、バイトを回転軸を軸に周回させ保持手段が保持する板状ワークを旋削する旋削手段と、を備え、保持手段は、ピンチャックテーブルと、ピンチャックテーブルの上面に介在させ板状ワークを保持する介在プレートと、を備え、ピンチャックテーブルは、板状ワークの外周と同じ周形状の縁部と、縁部の内側の凹部の底面から立設し上端で板状ワークの下面を支持する複数の柱状の支持ピンと、支持ピンが立設する凹部の底面と吸引源とを連通する吸引孔と、を備え、介在プレートは、縁部と同じ外形の板で上面と下面とを連通する連通孔を備え、ピンチャックテーブルに介在プレートを介在させ板状ワークを保持する時と、介在プレートを用いないでピンチャックテーブルで板状ワークを保持する時とを選択可能にしたことを特徴とする。
この構成によれば、板状ワークが厚く、旋削屑が板状ワークと保持手段との間に入り込むような場合、介在プレートを用いずに、複数の支持ピンの上端面で板状ワークを保持することができる。一方、板状ワークが薄い場合には、ピンチャックテーブルに介在プレートを介在させて板状ワークを保持することで、隣り合う支持ピンの間で板状ワークが撓むことを回避でき、旋削によって板状ワークの厚みにばらつきが生じることを防止することができる。これにより、板状ワークの厚みに応じて介在プレートを選択的に用いることで、チャックテーブルを交換せずに、厚みが異なる板状ワークをそれぞれ吸引保持して旋削を行うことができる。
本発明の旋削装置において、板状ワークの厚みによって介在プレートを介在させるか否かを判断する判断部を備え、判断部の判断によりピンチャックテーブルが介在プレートを介在させ板状ワークを保持する時と、介在プレートを介在させないでピンチャックテーブルで板状ワークを保持する時とを通知可能にするとよい。
本発明によれば、ピンチャックテーブルに対して介在プレートを選択的に用いることで、板状ワークが厚くなったり薄くなったりしても板状ワークを吸引保持して旋削することができる。
実施の形態に係る旋削装置によって加工される板状ワークの概略斜視図である。 実施の形態に係る旋削装置によって加工される板状ワークの部分拡大側面図である。 実施の形態に係る旋削装置の概略斜視図である。 保持手段の概略分解斜視図である。 ピンチャックテーブルに板状ワークを保持する直前状態を示す説明図である。 板状ワークを旋削する直前状態を示す説明図である。 板状ワークを旋削している状態を示す説明図である。 複数の板状ワークを積層して旋削している状態を示す説明図である。 介在プレートを使用した保持手段に多層板状ワークを保持する直前状態を示す説明図である。 多層板状ワークを旋削する直前状態を示す説明図である。 変形例に係る介在プレートの概略斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る旋削装置について説明する。先ず、図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る旋削装置によって加工される板状ワークについて説明する。図1は、板状ワークの概略斜視図である。図2は、板状ワークの部分拡大側面図である。
図1に示すように、板状ワークWは、本実施の形態ではシリコン、ガリウム砒素等の円盤状をなす半導体基板に、IC、LSI等のデバイスが形成された半導体ウエーハとされる。板状ワークWの表面は、複数の交差する分割予定ラインW1によって複数の領域に区画され、この区画された各領域にそれぞれデバイスW2が形成されている。
図2に示すように、デバイスW2においては、表面から突出する複数のバンプW3が形成されている。また、板状ワークWの表面には、全てのバンプW3を被覆する樹脂層W4がモールドされ、隣接するバンプW3の短絡が樹脂層W4によって防止される。バンプW3は、デバイスW2に形成された電子回路の電極に接合されており、デバイスW2の表面から突出するものの、高さは不揃いの場合が多い。バンプW3は、樹脂層W4により被覆され且つ樹脂層W4中に埋没しているため、旋削によってバンプW3を表出させつつ高さを揃える必要がある。なお、板状ワークWは、後述するバイト25(図3参照)によって旋削される構成であればよく、上記以外の材質となる半導体基板を備えた半導体ウエーハでもよいし、樹脂や金属等の靱性材で形成された基板でもよい。
続いて、図3を参照して、本実施の形態に係る旋削装置について以下に説明する。図3は、本実施の形態に係る旋削装置の概略斜視図である。なお、本実施の形態に係る旋削装置は、図3に示すように旋削装置専用の装置構成に限定されず、一連の加工が全自動で実施されるフルオートタイプの加工装置に組み込まれてもよい。
図3に示すように、旋削装置10は、板状ワークWを低速でY軸方向に加工送りしながら、単一のバイト25によって板状ワークWの上面を旋削するように構成されている。旋削装置10は、Y方向に長い水平な上面を備えた基台11と、基台11の長手方向一端側(奥側)に設けられた旋削手段12と、基台11上であって旋削手段12の下方に設けられた保持手段13と、基台11上において保持手段13の手前側に設けられた供給回収手段14とを備えて構成されている。
旋削手段12は、基台11の長手方向一端側から立ち上がる壁部16に送り機構17を介して支持されている。旋削手段12は、軸方向がZ軸方向に延びる円筒状のハウジング20と、ハウジング20に回転自在に支持された回転軸21と、回転軸21を回転駆動するサーボモータ22と、回転軸21の下端に固定された円盤状のホイールマウント23とを備えている。ホイールマウント23は、サーボモータ22によって回転軸21の軸回り方向に回転させられる。ホイールマウント23の下面には、ダイヤモンド等からなる刃部を有するバイト25が着脱可能に取り付けられ、このバイト25で板状ワークWが旋削される。バイト25は、ダイヤモンド、超硬合金、CBN等の硬質材料のものが使用される。
送り機構17は、壁部16の前面に配置されたZ軸方向に平行な一対のガイドレール28と、ガイドレール28にスライド可能に設置されたモータ駆動のZ軸テーブル29とを有している。Z軸テーブル29の前面には、ハウジング30を介して旋削手段12が支持されている。Z軸テーブル29の背面側にはボールネジ31が螺合されており、ボールネジ31の一端には駆動モータ32が連結されている。駆動モータ32によってボールネジ31が回転駆動され、旋削手段12がガイドレール28に沿ってZ軸方向に移動される。
保持手段13は、基台11の上面に形成された矩形状の凹部11a内に配置されている。保持手段13は、凹部11a内の移動台35上に設けられたピンチャックテーブル36と、ピンチャックテーブル36の上面に介在させて板状ワークWを保持可能な介在プレート37とを備えている。なお、ピンチャックテーブル36及び介在プレート37の詳細な構成については後述する。
ピンチャックテーブル36は、移動台35を介してY軸方向に移動自在に設けられている。移動台35は、基台11の凹部11a内に配置されたY軸方向に延びるガイドレールに摺動自在に取り付けられ、適宜な旋削送り機構(いずれも不図示)によって同方向を往復動させられる。移動台35のY軸方向両端部には、Y軸方向に伸縮する蛇腹状のカバー38、39が設けられ、これらカバーは、上述のガイドレールや駆動機構等を覆って切削屑等から保護している。
供給回収手段14は、基台11の上面手前側における凹所11bの底部に配置された移送機構40を備えている。また、供給回収手段14は、凹所11bの周囲において、上から見て反時計回りに配置された、供給カセット41、位置合わせ台42、供給アーム43、回収アーム44、スピンナ式の洗浄装置45、回収カセット46を備えている。
供給カセット41には、加工前の複数の板状ワークWが上下方向に並んだ状態で収容される。移送機構40は、昇降自在とされた2節リンク式の水平旋回アーム40aの先端にフォーク(吸着手段)40bが装着されて構成される。移送機構40は、水平旋回アーム40aの昇降及び旋回と、フォーク40bの吸着によって、供給カセット41内から1枚の板状ワークWを取り出し、樹脂層W4(図2参照)を上に向けた状態で、位置合わせ台42上に載置する機能を有する。
位置合わせ台42は、仮置きテーブル42aの周囲に、仮置きテーブル42aの中心に対して進退可能な複数の位置決めピン42bを配置して構成される。位置合わせ台42では、仮置きテーブル42a上に載置された板状ワークWの外周縁に複数の位置決めピン42bが突き当てられることで、板状ワークWの中心が仮置きテーブル42aの中心に位置決めされる。
供給アーム43及び回収アーム44は、1節の水平旋回アーム43a、44aの先端に吸着板43b、44bが取り付けられてそれぞれ構成されている。供給アーム43は、位置合わせ台42で位置決めされた板状ワークWを吸着板43bに吸着し、水平旋回アーム43aを旋回させて、保持手段13の上方に板状ワークWを配置する。このように配置してから、水平旋回アーム43aを下降させた後、吸着動作を停止することにより、保持手段13上に板状ワークWを載置する。
回収アーム44は、加工後の板状ワークWを、保持手段13上から吸着板44bに吸着し、水平旋回アーム44aを旋回させて板状ワークWを洗浄装置45内に移送する。洗浄装置45は、板状ワークWを水洗した後、板状ワークWを回転させて水分を振り飛ばして除去する。そして、洗浄装置45によって洗浄された板状ワークWは、移送機構40によって回収カセット46内に移送、収容される。
また、旋削装置10には、装置各部を統括制御する制御手段50が設けられている。制御手段50は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成される。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。制御手段50は、タッチパネルや操作キー等からなる不図示の入力手段から入力された板状ワークWの厚み情報や旋削対象についての情報に基づき、介在プレート37の要否を判断する判断部51を有している。また、制御手段50は、判断部51の判断結果に基づき、上記のタッチパネルやディスプレイ等の不図示の出力手段を制御する通知部52を備えている。通知部52の制御によって、ピンチャックテーブル36が介在プレート37を介在させ板状ワークWを保持する時と、介在プレート37を介在させないでピンチャックテーブル36で板状ワークWを保持する時とが出力手段において選択的に通知される。
続いて、図4を参照して、保持手段13の詳細な構成について説明する。図4は、保持手段の概略分解斜視図である。保持手段13は、ピンチャックテーブル36単体によって構成するときと、ピンチャックテーブル36に介在プレート37を接着させて構成するときとを選択して利用可能となっている。
ピンチャックテーブル36は、上面側に凹部36aを形成するように円板状部36b及び縁部36cを備えている。縁部36cは、円板状部36bの外周部から上方に突出形成され、板状ワークWの外周と同じ若しくは若干小さい周形状に形成されている。縁部36cの内側となる凹部36aの底面から複数の支持ピン36dが立設されている。各支持ピン36dは、柱状に形成されるとともに円板状部36bと一体に形成されている。隣接する支持ピン36dの間隔は、略同一であり、複数の支持ピン36dの上端(先端)により板状ワークWの下面を支持する平坦な支持面が形成される。
凹部36aの底面には複数の吸引孔36eが形成され、これら吸引孔36eは真空ポンプ等の吸引源48(図5参照)に連通している。吸引源48の駆動によって凹部36a内に負圧が生じ、この負圧によって板状ワークWを縁部36c及び支持ピン36d上で吸引保持することができる。
介在プレート37は、縁部36cと同じ外形の円板状に形成されている。介在プレート37には、その上面と下面とを連通する複数の連通孔37aが上面及び下面の全面に亘って形成されている。隣接する連通孔37aの間隔は、略同一であり、介在プレート37の外周を縁部36cの外周に揃えて載置したときに、支持ピン36dと連通孔37aとが重ならない位置に形成されている。介在プレート37は、ピンチャックテーブル36における縁部36c及び支持ピン36dの上端面に接着剤を介して接着可能に設けられる。この接着状態において、凹部36a内が負圧になると連通孔37aを通じて吸引が行われ、介在プレート37上で板状ワークWを吸引保持することができる。
続いて、本実施の形態に係る旋削装置10において、板状ワークWから半導体チップを製造するための旋削及び積層の要領について図5から図10を参照して説明する。図5は、ピンチャックテーブルに板状ワークを保持する直前状態を示す説明図である。図5に示すように、事前に、板状ワークWは裏面研削されて所定の厚さに薄化されている。また、板状ワークWの裏面(下面)には、板状ワークWの撓みを規制するための銅からなる支持基板Sが接着剤Bによって接着されている。なお、積層にあたり最初に旋削される板状ワークWだけに、支持基板Sが接着される。
支持基板Bに接着された板状ワークWは、供給アーム43(図1参照)を介してピンチャックテーブル36上に載置され、凹部36a内が密閉された空間となる。この状態で、吸引源48の作動によって凹部36a内を負圧にすると、板状ワークWがピンチャックテーブル36上で吸引保持される。
図6は、板状ワークを旋削する直前状態を示す説明図であり、図7は、板状ワークを旋削している状態を示す説明図である。図6及び図7に示すように、板状ワークWがピンチャックテーブル36上で吸引保持されてから、回転軸21を中心軸にバイト25が高速で周回される。この周回を継続させながら、送り機構17を駆動して、板状ワークWの樹脂層W4側を所定量削り込む高さ、すなわちバンプW3を所定の高さに揃える高さまで旋削手段12を下降させておく。そして、旋削送り機構49の駆動によって、旋削手段12の下方の加工位置方向に所定速度でピンチャックテーブル36を移動させる。すると、板状ワークWの表面側(樹脂層W4側)がバイト25によって旋削されていき、板状ワークWの表面全面が平坦に旋削される。この旋削によって、板状ワークWの表面は、切削された平坦な樹脂層W4の間に、切削された全てのバンプW3の平坦な先端面が表出した状態となる。
図8は、複数の板状ワークを積層して旋削している状態を示す説明図である。1枚の板状ワークWに対して上記のように旋削が行われた後、旋削された板状ワークWの表面に、未旋削の板状ワークWを積層する。このとき、後の工程において分割して半導体チップを形成し得るよう、各板状ワークWのバンプW3の位置が位置合わせされる。図8に示すように、板状ワークWの積層後、積層された板状ワークWのうち、最上位の板状ワークWの表面側が旋削される。この旋削は、最上位の板状ワークWの樹脂層W4側を、上述と同様に所定量削り込む高さまで旋削手段12を下降させ、旋削手段12の下方にピンチャックテーブル36を移動させることによって行われる。板状ワークWの旋削と積層とを交互に繰り返すことによって、複数枚(図8では3枚)の板状ワークWが積層され、多層構造となる多層板状ワークW’が形成される。
図9は、介在プレートを使用した保持手段に多層板状ワークを保持する直前状態を示す説明図である。図9に示すように、必要枚数の板状ワークWを旋削及び積層して多層板状ワークW’を形成した後、多層板状ワークW’から支持基板S(図8参照)を剥離する。このとき、多層板状ワークW’の裏面(図9中上面)には接着剤Bが残存する。従って、残存した接着剤Bを除去するために旋削を行う。この旋削を行う準備として、ピンチャックテーブル36の上面に介在プレート37を接着してから、介在プレート37上に多層板状ワークW’が載置される。その後、吸引源48の駆動によって凹部36a及び連通孔37aを通じて介在プレート37と板状ワークWとの間が負圧となり、ピンチャックテーブル36に介在プレート37を介在させて板状ワークWが吸引保持される。このとき、多層板状ワークW’が薄厚となり、仮にピンチャックテーブル36で支持すると支持ピン36dで撓みが生じる場合でも、多層板状ワークW’の下面が介在プレート37で保持され撓みが発生することを防ぐことができる。
なお、ピンチャックテーブル36と介在プレート37との接着は、介在プレート37の下面と、ピンチャックテーブル36における縁部36c及び支持ピン36dの上端面との両方に接着剤を塗布してもよいし、何れか一方に接着剤を塗布してもよい。
図10は、多層板状ワークを旋削する直前状態を示す説明図である。図10に示すように、ピンチャックテーブル36に介在プレート37を介在させて多層板状ワークW’を吸引保持した後、多層板状ワークW’の最上位の板状ワークWに残存した接着剤Bが旋削によって除去される。この除去は、接着剤Bを除去すべく最上位の板状ワークWの上面高さまで旋削手段12を下降させ、旋削手段12の下方にピンチャックテーブル36を移動させることによって行われる。
ここで、上述した各旋削を行う前には、オペレータによって旋削対象となる板状ワークW、多層板状ワークW’の情報(例えば、厚みや識別用の番号)が入力手段(不図示)を介して判断部51(図1参照)に入力される。判断部51では、入力された情報に対し、制御手段50(図1参照)に予め記憶したデータベースやプログラムに基づき、介在プレート37を介在させるか否かを判断する。この判断結果に基づき、通知部52(図1参照)は、出力手段(不図示)によって、ピンチャックテーブル36が介在プレート37を介在させ板状ワークWを保持する時と、介在プレート37を介在させないでピンチャックテーブル36で板状ワークWを保持する時とを選択して通知するよう制御する。この通知内容は、例えば、図5に示すように支持基板Sで補強された板状ワークWを保持する場合、「介在プレートが不要」となり、図8に示すように、数十μm厚の多層板状ワークW’を保持する場合、撓みを抑制して吸引保持するため、「介在プレートが必要」となる。従って、オペレータは、通知内容に応じ、ピンチャックテーブル36に対する介在プレート37の着脱を行えるようになる。
なお、ピンチャックテーブル36から介在プレート37を取り外す場合、それらの接着を解除する必要がある。この解除の方法として、吸引孔36eを給気ポンプ(不図示)に接続し、吸引孔36eから強力なエアーを噴出することで介在プレート37を吹き飛ばす方法を採用することができる。接着を解除した後、ピンチャックテーブル36や介在プレート37に残存した接着剤は洗浄液で洗浄して除去することができる。また、ピンチャックテーブル36における縁部36c及び支持ピン36dの上端面に残存した接着剤は、上述した旋削による接着剤Bの除去と同様の要領によって除去してもよい。
以上のように、本実施の形態に係る保持手段13によれば、図5のような支持基板Sを接着した板状ワークWのように旋削対象が厚い場合、介在プレート37を使用せずにピンチャックテーブル36で吸引保持しても、支持ピン36dでの板状ワークWの撓みが回避される。これにより、介在プレート37を介在させないので、旋削による旋削屑が凹部36a内に落ち、ピンチャックテーブル36の上端となる保持面と支持基板Sとの間に旋削屑が挟まることを防止できる。更には、凹部36aの開口側での広い領域で吸引力を作用させることができ、吸引力を大きく確保して保持状態を良好に維持することができる。
また、図8のような多層板状ワークW’のように旋削対象が薄くなる場合、ピンチャックテーブル36に介在プレート37を介在させて吸引保持され、支持ピン36dでの板状ワークWの撓みが回避される。これにより、旋削によって板状ワークWや多層板状ワークW’の厚みにばらつきが生じたり平坦にならずに凸凹したりする等、加工精度が低下することを防止することができる。このように、本実施の形態では、保持手段13で介在プレート37を選択的に使用することで、保持手段13全体を交換せずに共通のピンチャックテーブル36を用いて旋削対象(板状ワークW、多層板状ワークW’)の厚さの変化に対応することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、介在プレートは、上記実施の形態と同様に機能する限りにおいて、図11に示す構成にする等、種々の変更が可能である。図11は、変形例に係る介在プレートの概略斜視図である。図11に示すように、介在プレート60は、縁部36c(図4参照)と同じ外形に形成される円板状のプレート本体60aを含む。プレート本体60aは、ポーラスセラミックス等の多孔質部材で形成され、図では表れないが微視的に見ると上面と下面とを連通する多数の連通孔が形成されている。プレート本体60aの側面は、樹脂やガラス等の材質で形成された封止被膜60bによって封止されている。これにより、プレート本体60aの側面からの吸引漏れが防止される。
以上説明したように、本発明は、種々の厚さの板状ワークを旋削する旋削装置に有用である。
10 旋削装置
12 旋削手段
13 保持手段
21 回転軸
25 バイト
36 ピンチャックテーブル
36a 凹部
36c 縁部
36d 支持ピン
36e 吸引孔
37、60 介在プレート
37a 連通孔
48 吸引源
51 判断部
W 板状ワーク
W’ 多層板状ワーク(板状ワーク)

Claims (2)

  1. 板状ワークをバイトで旋削する旋削装置であって、板状ワークを吸引保持する保持手段と、該バイトを回転軸を軸に周回させ該保持手段が保持する板状ワークを旋削する旋削手段と、を備え、
    該保持手段は、ピンチャックテーブルと、該ピンチャックテーブルの上面に介在させ板状ワークを保持する介在プレートと、を備え、
    該ピンチャックテーブルは、板状ワークの外周と同じ周形状の縁部と、該縁部の内側の凹部の底面から立設し上端で板状ワークの下面を支持する複数の柱状の支持ピンと、該支持ピンが立設する該凹部の該底面と吸引源とを連通する吸引孔と、を備え、
    該介在プレートは、該縁部と同じ外形の板で上面と下面とを連通する連通孔を備え、
    該ピンチャックテーブルに該介在プレートを介在させ板状ワークを保持する時と、該介在プレートを用いないで該ピンチャックテーブルで板状ワークを保持する時とを選択可能にした旋削装置。
  2. 板状ワークの厚みによって該介在プレートを介在させるか否かを判断する判断部を備え、
    該判断部の判断により該ピンチャックテーブルが該介在プレートを介在させ板状ワークを保持する時と、該介在プレートを介在させないで該ピンチャックテーブルで板状ワークを保持する時とを通知可能にした請求項1記載の旋削装置。
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