JP2022044065A - Pcグラウト真空再注入工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PC構造物の内部に配設されたシース管に存在するPCグラウト未充填空洞部にPCグラウトを再注入するに際し、作業者の負担及びPC構造物を傷める度合いを軽減できるPCグラウト真空再注入工法を提供することを目的としている。【解決手段】PCグラウト真空再注入工法は、PC構造物1の内部に配設されたシース管10の内部に存在するPCグラウト未充填空洞部11にPCグラウトを再注入するPCグラウト真空再注入工法であって、PCグラウト未充填空洞部11に向けてPC構造物1に作業孔13を削孔する削孔工程と、作業孔13にPCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とを作業孔13の孔口13aから挿入する挿入工程と、を有し、前記挿入工程において、PCグラウト注入用ノズル20の挿入深さに比べて排気用ノズル30の挿入深さが浅くなるように、両者に挿入深さのずれを生じさせるように挿入する。【選択図】図3

Description

本発明は、既設のプレストレストコンクリート(以下PC)構造物のPC緊張材挿通用シース管内に存在するPCグラウト未充填空洞部へのPCグラウト真空再注入工法に関する。
近年、ポストテンション方式のPC構造物に使用されているPC緊張材挿通用シース管の内部にPCグラウト未充填空洞部が存在し、その空洞部におけるPC緊張材の腐食が問題となっている。そこで、従来、既設のPC構造物のPCグラウト未充填空洞部に、PCグラウトを再注入するための方法・装置が開発されている(特許文献1及び2参照)。
例えば、特許文献1には、PC構造物のシース管の内部に存在するPCグラウト未充填空洞部を特定し、このPCグラウト未充填空洞部に向けてPC構造物の外部から複数の作業孔を削孔して連通させ、これらの作業孔のうち一部の作業孔から内部の空気を吸引し、他の作業孔からPCグラウトを再注入するPCグラウト真空再注入工法が開示されている。このPCグラウト再注入工法によれば、PC構造物のPCグラウト未充填空洞部へのPCグラウトの再注入を完全に行うことができると記載されている。
また、特許文献2には、PC構造物の表面にPCグラウト未充填空洞部に向けて1つの作業孔を削孔し、これにPCグラウトを再注入するためのPCグラウト注入用ホース、及びPCグラウト未充填空洞部の上端側に向けた上側排気管及び下端側に向けた下側排気管を挿入した後、作業孔を密閉し、PCグラウト注入用ホースよりPCグラウトをPCグラウト未充填空洞部に圧入するのに用いるPCグラウト真空再注入装置が開示されている。PCグラウト未充填空洞部には、その内部の空気が両排気管により排出され、PCグラウトが再注入される。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように改善すべき点があった。
すなわち、特許文献1のPCグラウト真空再注入工法では、1つのPCグラウト未充填空洞部に対し、PC構造物に複数の作業孔を削孔する。よって、この方法では、作業量が多いため、作業者の負担が大きく、また、作業孔の数が多いため、PC構造物を傷める度合いが大きい。
また、特許文献2のPCグラウト真空再注入装置を使用するに際し、作業者は、PC構造物の表面に1つの作業孔を削孔し、PCグラウト注入用ホースを挿入する他に、PCグラウト未充填空洞部の上端側及び下端側に向けて排気管を挿入する。よって、この装置を使用してPC構造物のPCグラウト未充填空洞部へPCグラウトを再注入する場合も、特許文献1と同様、作業量が多いため、作業者の負担が大きく、また、排気管を奥まで挿入するのに作業孔を大きくする必要があるため、PC構造物を傷める度合いが大きい。
特開2005-023567号公報 特開2014-062402号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、PC構造物の内部に配設されたシース管に存在するPCグラウト未充填空洞部にPCグラウトを再注入するに際し、作業者の負担及びPC構造物を傷める度合いを軽減することができるPCグラウト真空再注入工法を提供することを目的としている。
本発明により提供されるPCグラウト真空再注入工法は、PC構造物の内部に配設されたシース管に存在するPCグラウト未充填空洞部にPCグラウトを再注入するPCグラウト真空再注入工法であって、前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PC構造物に作業孔を削孔する削孔工程と、前記作業孔にPCグラウト注入用ノズルと排気用ノズルとを前記作業孔の孔口から挿入する挿入工程と、を有し、前記挿入工程において、前記PCグラウト注入用ノズルの挿入深さに比べて前記排気用ノズルの挿入深さが浅くなるように、両者に挿入深さのずれを生じさせるように挿入することを特徴としている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記挿入工程において、前記挿入深さのずれの大きさを5mm以上とする構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記挿入工程において、前記PCグラウト注入用ノズルの前記挿入深さを20mm以上とする構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記挿入工程において、前記排気用ノズルは、前記PCグラウト注入用ノズルよりも上方に配置する構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記挿入工程において、前記排気用ノズルとして容易に変形可能な材料から製造されたものを使用し、前記作業孔の前記孔口の大きさに起因して前記作業孔に前記PCグラウト注入用ノズルと前記排気用ノズルの両方を挿入できない場合に、前記排気用ノズルを扁平形状に変形させて挿入可能とする構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記挿入工程において、前記PCグラウト注入用ノズルと前記排気用ノズルとを前記作業孔に挿入させた状態で、前記孔口をパテ状の接着剤により密閉する構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記削孔工程において、内径がφ30mm程度の円形になるように、前記作業孔を削孔する構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記PCグラウト注入用ノズルの後端部とグラウトポンプとをPCグラウト注入用ホースで接合し、前記PCグラウトを供給可能とするグラウトポンプ接合工程と、前記排気用ノズルの後端部と真空ポンプとを排気用ホースで接合し、前記PCグラウト未充填空洞部から空気を排出可能にする真空ポンプ接合工程と、前記真空ポンプを駆動させ、前記PCグラウト未充填空洞部の空気を排出し、前記PCグラウト未充填空洞部を減圧状態にする減圧工程と、前記減圧工程により前記PCグラウト未充填空洞部が所定の減圧度になっていることを条件に、前記減圧状態による吸引力で前記PCグラウト注入用ノズルから前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウトの注入を行うPCグラウト減圧注入工程と、を更に有し、前記PCグラウト減圧注入工程においては、前記PCグラウトが前記排気用ノズルに流入するのを抑えつつ前記減圧工程を並行して行う構成とされている。
好ましくは、前記所定の減圧度は、-0.07Mpa以下である構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記PCグラウト減圧注入工程において前記PCグラウトが前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウト注入用ホース中を移動開始していることを条件に、グラウトポンプを駆動させることにより加圧力を発生させ、前記加圧力と前記減圧による前記吸引力とを併用して前記PCグラウト注入用ノズルから前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウトを注入するPCグラウト加圧減圧併用注入工程、を更に有する構成とされている。
好ましくは、前記グラウトポンプは、ハンドルを動かすことにより前記加圧力を発生させる手動式グラウトポンプである構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記PCグラウト減圧加圧併用注入工程において前記PCグラウトが前記排気用ホースに出てきたことを条件に、前記排気用ホースの所定の箇所を遮断することにより、前記真空ポンプによる排気を停止し、且つ前記グラウトポンプにより前記加圧力を所定の値になるように更に発生させ、前記PCグラウトを前記PCグラウト未充填空洞部に更に注入するPCグラウト加圧注入工程、を更に有する構成とされている。
好ましくは、前記加圧力の前記所定の値は、0.3Mpa以上である構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記PCグラウト加圧注入工程において前記PCグラウト注入用ホース内の圧力が低下しない事を注入完了の合図として検知することを条件に、前記PCグラウト注入用ホースの所定の箇所を遮断することにより、前記PCグラウトの注入を停止するPCグラウト注入停止工程、を更に有する構成とされている。
本発明によれば、PC構造物の内部に配設されたシース管に存在するPCグラウト未充填空洞部にPCグラウトを再注入するに際し、1つの作業孔を削孔し、その孔口付近にPCグラウト注入用ノズル及び排気用ノズルを挿入するだけでPCグラウトの再注入を実施できる結果、作業量を低減できるので、作業者の負担を軽減でき、PC構造物の加工量を低減できるので、PC構造物を傷める度合いを軽減することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかとすることができる。
本発明の実施形態に係るPCグラウト真空再注入工法に使用するPCグラウト再注入システムを示す図である。 図1のPCグラウト再注入システムのPCグラウト注入用ノズル及び排気用ノズルを作業孔に挿入した状態を示す斜視図である。 図2のIII-III線に沿う断面図である。 図1に示すPCグラウト再注入システムを用いたPCグラウト再注入作業の一例を説明するための図であり、真空ポンプによりPCグラウト未充填空洞部を減圧状態にしている状態を示す図である。 同じく、減圧状態による吸引力でPCグラウト未充填空洞部へPCグラウトを注入する状態を示す図である。 同じく、手動式グラウトポンプによる加圧力と減圧状態による吸引力とを併用してPCグラウト未充填空洞部へPCグラウトの注入作業を行う状態を示す図である。 同じく、排気用ホースを緊結することにより排気を遮断し、手動式グラウトポンプによる加圧力によりPCグラウト未充填空洞部へPCグラウトの注入作業を続ける状態を示す図である。 同じく、排気用ホース及びPCグラウト注入用ホースを緊結し、PCグラウトの再注入を完了した状態を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以降の説明において、上下方向などの方向は、図面の記載にしたがったものとする。
[PCグラウト再注入システム]
図1に示すように、本発明の実施形態に係るPCグラウト真空再注入工法は、PCグラウト再注入システムAを使用して実施される。このPCグラウト再注入システムAを使用して、PC構造物1の内部に配設されているシース管10の内部に存在するPCグラウト未充填空洞部11にPCグラウト24を再注入する。PC構造物1として、例えば、橋桁が挙げられる。シース管10の内部には、PC緊張材12が挿通されており、PCグラウト未充填空洞部11が存在する場合がある。このPCグラウト未充填空洞部11にPCグラウト24を再注入するために、PCグラウト未充填空洞部11に向けてPC構造物1に作業孔13が削孔される。なお、図3に示すように、PC緊張材12は、複数本の単線12aの束である。また、シース管10の外径D1は、例えば、φ100mmである。作業孔13は、例えば、内径D2がφ30mm程度の円形に削孔される。
図1に示すように、PCグラウト再注入システムAは、PCグラウト注入経路2と排気経路3とを具備している。PCグラウト注入経路2は、矢印N3で示すようにPC構造物1の内部にPCグラウト24を注入するための経路であり、PCグラウト注入用ノズル20、PCグラウト注入用ホース21、手動式グラウトポンプ22、ペール缶23、及びPCグラウト24を有している。排気経路3は、矢印N4で示すようにPC構造物1の内部の空気を排出して減圧するための経路であり、排気用ノズル30、排気用ホース31、圧力計付トラップ32、真空ポンプ33、及びガソリン式小型発電機34を有している。なお、ここで、PC構造物1の内部は、作業孔13とシース管10内のPCグラウト未充填空洞部11とを含む。
図1~図3に示すように、PCグラウト注入用ノズル20は、その先端部20aからPC構造物1の内部にPCグラウト24を注入するために、PC構造物1に削孔された作業孔13の孔口13a付近に取り付けられる。PCグラウト注入用ノズル20として、例えば、一般構造用炭素鋼鋼管製の接手が使用できる。中でも、両端がタケノコ形状になっているものが好ましい。図3に示すように、その外径D3は、例えば、φ25mmである。PCグラウト注入用ノズル20の作業孔13への挿入深さL1は、例えば、20mm以上であり、20mm以上50mm以下、20mm以上40mm以下、30mm以上、又は30mm以上50mm以下とすることが好ましく、特に30mm程度とすることが好ましい。
図1に示すように、PCグラウト注入用ホース21は、PCグラウト24を供給するためにPCグラウト注入用ノズル20と後述する手動式グラウトポンプ22とを繋ぐためのものであり、PCグラウト24の流れを確認できるように透明であることが好ましく、また、折り曲げて緊結することによりPCグラウト24の流れを遮断できることが好ましい。PCグラウト注入用ホース21として、例えば、内径φ25mm、外径φ33mmの軟質ポリ塩化ビニル製のものが挙げられ、具体的には、例えば、三洋化成株式会社製のSKソフトブレードホース(商品名)が使用できる。PCグラウト注入用ホース21は、PCグラウト注入用ノズル20と接合される側に約1mの長さの予減圧部21aを有しており、手動式グラウトポンプ22と接合される側にPCグラウト24の予充填部21bを有している。予減圧部21aと予充填部21bとの間には、バルブ21cが設けられている。
予減圧部21aは、PCグラウト24の注入作業に当たり、PCグラウト未充填空洞部11及び作業孔13と共に減圧される部分である。一方で、予充填部21bは、PCグラウト24を予め充填しておくための部分である。バルブ21cは、PCグラウト注入用ホース21中におけるPCグラウト24の流れを制御するために設けられている。バルブ21cとして、例えば、汎用ボールバルブが用いられる。バルブ21cは、両端部がタケノコ形状になっている。予減圧部21aは、第1端部21dがPCグラウト注入用ノズル20の後端部20bに接合されており、第2端部21eがバルブ21cの一方の端部に接合されている。予充填部21bは、第1端部21fがバルブ21cの他方の端部に接合され、第2端部21gが後述する手動式グラウトポンプ22の吐出口22fに接合されている。これらの接合部は、ホースバンド(図示略)を用いて固定される。接合された状態で、予減圧部21aの第1端部21dは、PCグラウト注入用ホース21の第1端部(先端部)となり、予充填部21bの第2端部21gは、PCグラウト注入用ホース21の第2端部(後端部)となる。なお、バルブ21cの位置は上記に限定されるものではなく、例えば、PCグラウト注入用ノズル20の後端部20bの近傍や手動式グラウトポンプ22の吐出口22fの近傍に設けてもよい。
図1に示すように、手動式グラウトポンプ22は、吸引ホース22a、ポンプ本体22b、ストレーナー22c、ハンドル22d、エアーチャンバー22e、吐出口22f、及び圧力計22gを具備しており、PCグラウト24を注入するための加圧力を発生するためのものである。吸引ホース22aの第1端部22hは、ポンプ本体22bの吸引口22fに接合されている。また、第2端部22jには、ストレーナー22cが取り付けられている。ストレーナー22cは、ペール缶23に充填されたPCグラウト24中に投入される。手動式グラウトポンプ22は、手動ダイヤフラム作動式であり、ハンドル22dを矢印N1,N2で示すように動かすと、ポンプ本体22b内のダイヤフラムが作動し、ペール缶23に充填したPCグラウト24を吸引し、吐出口22fから吐出する。エアーチャンバー22eは、吐出量を安定化するためのものである。また、圧力計22gは、加圧力を確認するためのものである。手動式グラウトポンプ22として、例えば、岡三機工株式会社製のOKG-02A型(型番)が使用できる。なお、手動式グラウトポンプ22は、本発明でいうグラウトポンプの一例に相当する。但し、グラウトポンプは、手動式に限られず、エンジンを駆動力とするものでもよい。
PCグラウト24として、超低粘性のものが使用される。例えば、水材料比が32%~42%の場合、コンシステンシー(JP漏斗落下時間)が3.5秒~6.0秒(温度5℃~35℃)のものが好ましい。具体的には、例えば、太平洋マテリアル株式会社製のハイジェクター(登録商標)AD-1(型番)、ハイジェクター(Premix-AD)(登録商標)が使用できる。
図1~図3に示すように、排気用ノズル30は、PCグラウト注入用ノズル20と一緒に作業孔13に取り付けられ、その先端部30aからPC構造物1の内部の空気を排出するためのものである。両者の取り付けは、作業孔13に挿入することにより行われ、挿入は、作業孔13の長さの範囲において行われる。両者は、作業孔13の孔口13a付近に浅く挿入されるのが好ましい。排気用ノズル30として、容易に変形可能な材料から製造されたものが使用でき、例えば、外径φ10mm、厚み0.3mmのアルミ管(特別注文品)が挙げられる。排気用ノズル30は、作業孔13の孔口13a付近にPCグラウト注入用ノズル20と重ねて挿入されるのが好ましい。その際、排気用ノズル30は、作業孔13の正面視において、PCグラウト注入用ノズル20に対して上下左右方向、斜め上方向、又は斜め下方向のいずれに配置されてもよいが、PCグラウト注入用ノズル20よりも上方になるように配置されるのが好ましい。上記したように作業孔13の内径はφ30mm程度であることが好ましく、PCグラウト注入用ノズル20の外径D3はφ25mm程度が好ましいので、そのままでは両者を重ねて挿入できない。PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とを重ねて挿入するために、排気用ノズル30の先端部30aの高さL2を5mm程度の扁平形状に変形させる。
上記したように、PCグラウト注入用ノズル20の作業孔13への挿入深さL1は、例えば、約30mmとされる。これに対し、排気用ノズル30の作業孔13への挿入深さL3を、例えば、約20mmとする。このように排気用ノズル30は、PCグラウト注入用ノズル20に比べて浅く、両者に10mm程度の挿入深さのずれL4が生じるように、作業孔13に挿入するのが好ましい。但し、PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30との挿入深さのずれL4は、10mm程度に限られず、5mm以上、10mm以上、5mm以上30mm以下、5mm以上20mm以下、又は10mm以上25mm以下であることが好ましい。
PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とが挿入された作業孔13の孔口13aは、PC構造物1の内部の密閉性維持のため、パテ状の接着剤25で埋められる。接着剤25として、例えば、エポキシ樹脂系接着剤が好ましく、具体的には、例えば、ショーボンド建設株式会社製のショーボンド(登録商標)#101(型番)が使用できる。
図1に示すように、排気用ホース31は、排気用ノズル30と後述する真空ポンプ33とを繋ぐためのものである。排気用ホース31として、例えば、内径10mm、外形16mmの軟質ポリ塩化ビニル製のものが挙げられ、具体的には、例えば、三洋化成株式会社製のSKソフトブレードホース(商品名)が使用できる。排気用ホース31は、PCグラウト24の流れを確認できるように、透明であることが好ましく、また、折り曲げて緊結することにより真空ポンプ33による排気を止め、且つPCグラウト24の流れを遮断できることが好ましい。
排気用ホース31は、第1端部31aが排気用ノズル30の後端部30bに接合されており、第2端部31bが真空ポンプ33の吸引口33aに接合されている。これらの接合部は、ホースバンド(図示略)を用いて固定されている。排気用ホース31の途中には圧力計付トラップ32が設けられている。圧力計付トラップ32は、PCグラウト24又はPCグラウト未充填空洞部11に含まれる水もしくはホコリが真空ポンプ33に入り込むことにより発生する故障を防止するためのものである。圧力計32aは、PC構造物1の内部の減圧度を確認するために設けられている。圧力計付トラップ32として、例えば、蒸気配管の水抜き装置が使用される。
真空ポンプ33は、排気用ノズル30からPC構造物1の内部の空気を排出し、減圧状態にするためのものである。減圧状態により発生する吸引力により、PCグラウト24は、PC構造物1の内部に注入される。真空ポンプ33として、具体的には、例えば、タスコ社製の油回転式真空ポンプTA150MX(型番)が使用できる。真空ポンプ33は、ガソリン式小型発電機34と電源供給ケーブル33bにより接続されており、電源の供給を受ける。
[PCグラウト真空再注入工法]
先ず、図2及び図3に示すように、PC構造物1に、シース管10の内部に存在するPCグラウト未充填空洞部11に向けて、内径D2がφ30mm程度になるように、作業孔13を削孔する。この作業孔13の削孔工程は、本発明でいう削孔工程の一例に相当する。
次に、作業孔13の孔口13aにPCグラウト注入用ノズル20の先端部20aと排気用ノズル30の先端部30aとを重ねて且つ両者の挿入深さをずらして挿入する。その際、排気用ノズル30は、PCグラウト注入用ノズル20よりも上方に配置する。PCグラウト注入用ノズル20として、外径D3がφ25mmの一般構造用炭素鋼鋼管を使用する。排気用ノズル30として、外径がφ10mm、厚み0.3mmのアルミ製の管を使用する。PCグラウト注入用ノズル20の先端部20aの挿入深さL1は、30mmとする。一方で、排気用ノズル30の先端部30aの作業孔13への挿入深さL3は、20mmとする。よって、PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30との挿入深さのずれL4は、10mmとなる。内径D2がφ30mm程度の作業孔13に挿入できるように、排気用ノズル30の先端部30aは、高さL2が5mm程度になるように扁平形状に変形させる。PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とを孔口13aに挿入させた状態で、孔口13aをパテ状の接着剤25により密閉する。このPCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30の作業孔13への挿入工程は、本発明でいう挿入工程の一例に相当する。
次に、図4に示すように、PCグラウト注入経路2を組み立てる。具体的には、先ず、ペール缶23に、別途調整した超低粘性のPCグラウト24を充填する。第1端部21fにバルブ21cが接合されたPCグラウト注入用ホース21の予充填部21bの第2端部21gを手動式グラウトポンプ22の吐出口22fにホースバンドにより接合する。次に、第1端部22hがポンプ本体22bの吸引口22iに接合された吸引ホース22aのストレーナー22cが取り付けられた第2端部22jをペール缶23に投入する。次に、手動式グラウトポンプ22のハンドル22dを矢印N1及びN2で示すように動かすことによりPCグラウト24を吐出口22fから吐出させ、矢印N3で示すように予めバルブ21cの位置まで充填する。次に、グラウト注入用ノズル20の後端部20bにPCグラウト注入用ホース21の予減圧部21aの第1端部21dをホースバンドにより接合する。更に、予減圧部21aの第2端部21eをバルブ21cにホースバンドにより接合する。このグラウト注入用ノズル20と手動式グラウトポンプ22の接合工程は、本発明でいうグラウトポンプ接合工程の一例に相当する。
次に、排気経路3を組み立てる。具体的には、先ず、排気用ノズル30の後端部30bに排気用ホース31の第1端部31aをホースバンドにより接合する。次に、排気用ホース31の第2端部31bを真空ポンプ33の吸引口33aにホースバンドにより接合する。また、排気用ホース31の途中に圧力計付トラップ32を設ける。この排気用ノズル30と真空ポンプ33の接合工程は、本発明でいう真空ポンプ接合工程の一例に相当する。
次に、図4に示すように、真空ポンプ33のスイッチを入れて駆動させ、矢印N4で示すようにPCグラウト未充填空洞部11から空気を排出し、減圧状態とする。次に、PCグラウト未充填空洞部11内の減圧度が、圧力計32aの読みで-0.07Mpa以下で安定した状態になっていることを確認する。この真空ポンプ33による減圧工程は、本発明でいう減圧工程の一例に相当する。
次に、図5に示すように、矢印N5で示すようにバルブ21cを開けて、矢印N3で示すように減圧状態による吸引力で予充填部21bからシース管10の内部のPCグラウト未充填空洞部11に向けてPCグラウト24の注入を開始する。その際、PCグラウト24の排気用ノズル30への流入が抑制され、矢印N4で示すように、真空ポンプ33によるPCグラウト未充填空洞部11の空気の排出を継続して行う。即ち、本工程においては、減圧状態により発生する吸引力による注入作業と真空ポンプ33による減圧作業とを同時進行する。この真空ポンプ33によるPCグラウト24の減圧注入工程は、本発明でいうPCグラウト減圧注入工程の一例に相当する。
次に、図6に示すように、真空ポンプ33の駆動によりPCグラウト24がPCグラウト未充填空洞部11に向けてPCグラウト注入用ホース21中を移動開始していることを確認したら、手動式グラウトポンプ22のハンドル22dを矢印N1及びN2で示すように動かし、吸引の補助のため少し圧力を加えて、矢印N3で示すようにPCグラウト24をPCグラウト未充填空洞部11に注入する。即ち、本工程においては、手動式グラウトポンプ22により発生する加圧力と真空ポンプ33により発生する吸引力とを併用して注入作業を行う。PCグラウト24の排気用ノズル30への流入が抑制されるからである。この手動式グラウトポンプ22による加圧と真空ポンプ33による減圧とを併用したPCグラウト24の注入工程は、本発明でいうPCグラウト加圧減圧併用注入工程の一例に相当する。
次に、図7に示すように、加圧と減圧とを併用した注入工程において、注入作業が進み、排気用ノズル30への流入を抑制できなくなり、矢印N3で示すようにPCグラウト24が真空ポンプ33側の排気用ホース31に出てきたら、排気用ホース31のPCグラウト24がない箇所を折り曲げてガムテープ31c等により緊結し、真空ポンプ33による排気を遮断する。排気用ホース31のPCグラウト24がない箇所は、本発明でいう排気用ホースの所定の箇所の一例に相当する。排気用ホース31を緊結後、手動式グラウトポンプ22のハンドル22dを矢印N1及びN2で示すように動かすことにより加圧力を発生させ、矢印N3で示すようにPCグラウト24をPCグラウト未充填空洞部11に更に注入する。圧力計22gを確認しながら、手動式グラウトポンプ22により、0.3Mpa以上になるまで加圧する。但し、0.3Mpaに達しない場合でも、圧力が低下しなければPCグラウト未充填空洞部11に注入されているものとする。この手動式グラウトポンプ22によるPCグラウト24の加圧注入工程は、本発明でいうPCグラウト加圧注入工程の一例に相当する。
次に、図8に示すように、PCグラウト注入用ホース21内の圧力が低下しない事を再注入完了の合図として確認したら、PCグラウト注入用ホース21の予減圧部21aの中間部分の所定の箇所を折り曲げてガムテープ21h等により緊結し、加圧力によるPCグラウト24のこれ以上の注入を遮断する。再注入作業は、PCグラウト24をPCグラウト未充填空洞部11及び作業孔13に充填して完了する。一方で、緊結した排気用ホース31は、PCグラウト24が固まるまで、ガムテープ等を用いてPC構造物1の壁面に止めておき、PCグラウト24が硬化するまで動かさないように養生する。このPCグラウト24の注入を停止する工程は、本発明でいうPCグラウト注入停止工程の一例に相当する。
本実施形態によれば、1つのPCグラウト未充填空洞部11に対し、1つの作業孔13を削孔し、その孔口13aからPCグラウト注入用ノズル20及び排気用ノズル30を挿入する際に、PCグラウト注入用ノズル20の挿入深さL1に比べて排気用ノズル30の挿入深さL3が浅くなるように、両者に挿入深さのずれL4を生じさせるように挿入する。これにより、1つの作業孔13において注入作業と減圧作業とを同時進行した場合に、PCグラウト未充填空洞部11への注入中にPCグラウト24が排気用ノズル30へ流入するのを抑制し、遅延させることができる。そのため、シース管10の内部のPCグラウト未充填空洞部11へのPCグラウト24の再注入を効率よく実施できる。このように、作業孔の削孔作業やノズルの挿入作業の作業量を少なくできるので、PCグラウト再注入作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。ひいては、PCグラウト再注入の工期短縮、コスト削減を図ることができる。また、作業孔13の数を少なくできることにより、PC構造物1の強度の低下を防止でき、PCグラウト24の使用量を抑制できることにより、材料費の点からもコスト低減を図ることができる。
また、前記したPCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30の作業孔13への挿入工程において、挿入深さのずれL4の大きさを例えば、5mm以上、特に10mm程度とすることにより、PCグラウト24の再注入作業において特に良い結果を得ることができる。
また、PCグラウト注入用ノズル20の作業孔13への挿入深さL1を、例えば、20mm以上、30mm以上、又は30mm程度とすることにより、作業者は、作業孔13の孔口13a付近で挿入作業を行うだけで、PCグラウト24の注入作業を進めることができる。その結果、PCグラウト再注入作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。
また、排気用ノズル30は、作業孔13へ挿入する際に、PCグラウト注入用ノズル20よりも上方に配置する。これにより、1つの作業孔13において注入作業と減圧作業とを同時進行した場合に、PCグラウト未充填空洞部11への注入中にPCグラウト24が排気用ノズル30へ流入するのをより確実に抑制し、遅延させることができる。
また、作業孔13の孔口13aの大きさに起因して作業孔13にPCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30の両方を挿入できない場合に、排気用ノズル30として容易に変形可能なアルミ製のものを扁平形状に変形させて挿入可能とする。これにより、作業孔13を細くしてPCグラウト24の注入作業を進めることができる。例えば、内径φ30mm程度の円形の孔を作業孔13として使用することができる。作業孔13の加工量を少なくできることにより、作業孔13に充填されるPCグラウト24の必要量を少なくすることができるため、コスト低減を図ることができる。また、PC構造物1の強度の低下を防止できる点でも有利なものとなる。また、作業孔13の削孔作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。
また、作業孔13の孔口13aは、小さいため、PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とを作業孔13に挿入させた状態で、パテ状の接着剤25を使用して簡便に密閉することができる。これにより、高強度モルタルキャップのような孔口13aを密閉するための追加の部材を必要としないので、コストの削減を図ることができる。また、作業孔13の孔口13aの密閉作業の省力化を図ることができる結果、作業者の負担を軽減することができる。
また、前記した真空ポンプ33によるPCグラウト24の減圧注入工程においては、1つの作業孔13にPCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とをずらして挿入すれば、減圧状態により発生する吸引力によりPCグラウト未充填空洞部11へのPCグラウト24の注入作業を開始したとしても、PCグラウト24が排気用ノズル30へ流入するのを抑制し、遅延させることができる。これにより、真空ポンプ33による減圧作業を並行して同時進行し、PCグラウト未充填空洞部11内を所定の減圧度(例えば、-0.07Mpa以下)に維持できる。そのため、吸引力による注入作業を効率的に進めることができるので、作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。
また、前記した手動式グラウトポンプ22による加圧と真空ポンプ33による減圧とを併用したPCグラウト24の注入工程においては、手動式グラウトポンプ22を駆動させることにより発生した加圧力と真空ポンプ33により発生した減圧による吸引力との両方の力を利用してPCグラウト注入用ノズル20からPCグラウト未充填空洞部11に向けてPCグラウト24を注入する。これもまた、PCグラウト注入用ノズル20と排気用ノズル30とをずらして挿入することにより可能になった工程である。これにより、PCグラウト未充填空洞部11へのPCグラウト24の注入作業を効率的に進めることができる。そのため、作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。
また、前記した手動式グラウトポンプ22によるPCグラウト24の加圧注入工程においては、前記した加圧と減圧とを併用したPCグラウト24の注入工程において注入作業が進み、排気用ノズル30への流入を抑制できなくなり、PCグラウト24が排気用ホース31に出てきたことを条件に、排気用ホース31のPCグラウト24の来ていない部分を緊結により遮断することにより真空ポンプ33による排気を停止し、且つ手動式グラウトポンプ22により前記加圧力を所定の値(例えば、0.3Mpa以上)になるように更に発生させ、前記加圧力のみによる注入に切り替える。このように、適切な時期に、減圧状態による吸引力による注入を停止することにより真空ポンプ33へのPCグラウト24の流入を防止し、手動式グラウトポンプ22により発生させた加圧力による注入作業に切り替えることができる。これにより、PCグラウト未充填空洞部11へのPCグラウト24の注入作業を効率的に進めることができ、作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。
また、前記したPCグラウト24の注入を停止する工程においては、前記した手動式グラウトポンプ22によるPCグラウト24の加圧注入工程においてPCグラウト注入用ホース21内の圧力が低下しない事を注入完了の合図として検知することを条件に、PCグラウト注入用ホース21の所定の箇所を緊結して遮断することにより、前記PCグラウトの注入を停止する。このように、注入作業の停止時期を適切に知ることができるため、PCグラウト24の注入作業を効率的に進めることができる。これにより、作業の省力化を図り、作業者の負担を軽減することができる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るPCグラウト真空再注入工法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 PC構造物
10 シース管
11 PCグラウト未充填空洞部
13 作業孔
13a 孔口(作業孔の)
20 PCグラウト注入用ノズル
20b 後端部(PCグラウト注入用ノズルの)
21 PCグラウト注入用ホース
22 手動式グラウトポンプ(グラウトポンプ)
22d ハンドル(手動式グラウトポンプの)
24 PCグラウト
25 パテ状の接着剤
30 排気用ノズル
30b 後端部(排気用ノズルの)
31 排気用ホース
33 真空ポンプ
D2 内径(作業孔の)
L1 挿入深さ(PCグラウト注入用ノズルの)
L3 挿入深さ(排気用ノズルの)
L4 挿入深さのずれ
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記PCグラウト減圧注入工程において前記PCグラウトが前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウト注入用ホース中を移動開始していることを条件に、グラウトポンプを駆動させることにより加圧力を発生させ、前記加圧力と前記減圧状態による前記吸引力とを併用して前記PCグラウト注入用ノズルから前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウトを注入するPCグラウト加圧減圧併用注入工程、を更に有する構成とされている。
好ましくは、前記PCグラウト真空再注入工法は、前記PCグラウト加圧減圧併用注入工程において前記PCグラウトが前記排気用ホースに出てきたことを条件に、前記排気用ホースの所定の箇所を遮断することにより、前記真空ポンプによる排気を停止し、且つ前記グラウトポンプにより前記加圧力を所定の値になるように更に発生させ、前記PCグラウトを前記PCグラウト未充填空洞部に更に注入するPCグラウト加圧注入工程、を更に有する構成とされている。

Claims (14)

  1. PC構造物の内部に配設されたシース管の内部に存在するPCグラウト未充填空洞部にPCグラウトを再注入するPCグラウト真空再注入工法であって、
    前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PC構造物に作業孔を削孔する削孔工程と、
    前記作業孔にPCグラウト注入用ノズルと排気用ノズルとを前記作業孔の孔口から挿入する挿入工程と、を有し、
    前記挿入工程において、前記PCグラウト注入用ノズルの挿入深さに比べて前記排気用ノズルの挿入深さが浅くなるように、両者に挿入深さのずれを生じさせるように挿入する、PCグラウト真空再注入工法。
  2. 前記挿入工程において、前記挿入深さのずれの大きさを5mm以上とする、請求項1に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  3. 前記挿入工程において、前記PCグラウト注入用ノズルの前記挿入深さを20mm以上とする、請求項1又は2に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  4. 前記挿入工程において、前記排気用ノズルは、前記PCグラウト注入用ノズルよりも上方に配置する、請求項1~3のいずれかに記載のPCグラウト真空再注入工法。
  5. 前記挿入工程において、前記排気用ノズルとして容易に変形可能な材料から製造されたものを使用し、前記作業孔の前記孔口の大きさに起因して前記作業孔に前記PCグラウト注入用ノズルと前記排気用ノズルの両方を挿入できない場合に、前記排気用ノズルを扁平形状に変形させて挿入可能とする、請求項1~4のいずれかに記載のPCグラウト真空再注入工法。
  6. 前記挿入工程において、前記PCグラウト注入用ノズルと前記排気用ノズルとを前記作業孔に挿入させた状態で、前記孔口をパテ状の接着剤により密閉する、請求項1~5のいずれかに記載のPCグラウト真空再注入工法。
  7. 前記削孔工程において、内径がφ30mm程度の円形になるように、前記作業孔を削孔する、請求項1~6のいずれかに記載のPCグラウト真空再注入工法。
  8. 前記PCグラウト注入用ノズルの後端部とグラウトポンプとをPCグラウト注入用ホースで接合し、前記PCグラウトを供給可能とするグラウトポンプ接合工程と、
    前記排気用ノズルの後端部と真空ポンプとを排気用ホースで接合し、前記PCグラウト未充填空洞部から空気を排出可能にする真空ポンプ接合工程と、
    前記真空ポンプを駆動させ、前記PCグラウト未充填空洞部の空気を排出し、前記PCグラウト未充填空洞部内を減圧状態にする減圧工程と、
    前記減圧工程により前記PCグラウト未充填空洞部内が所定の減圧度になっていることを条件に、前記減圧状態による吸引力で前記PCグラウト注入用ノズルから前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウトの注入を行うPCグラウト減圧注入工程と、を更に有し、
    前記PCグラウト減圧注入工程においては、前記PCグラウトが前記排気用ノズルに流入するのを抑えつつ前記減圧工程を並行して行う、請求項1~7のいずれかに記載のPCグラウト真空再注入工法。
  9. 前記所定の減圧度は、-0.07Mpa以下である、請求項8に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  10. 前記PCグラウト減圧注入工程において前記PCグラウトが前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウト注入用ホース中を移動開始していることを条件に、グラウトポンプを駆動させることにより加圧力を発生させ、前記加圧力と前記減圧による前記吸引力とを併用して前記PCグラウト注入用ノズルから前記PCグラウト未充填空洞部に向けて前記PCグラウトを注入するPCグラウト加圧減圧併用注入工程、を更に有する、請求項8又は9に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  11. 前記グラウトポンプは、ハンドルを動かすことにより前記加圧力を発生させる手動式グラウトポンプである、請求項10に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  12. 前記PCグラウト減圧加圧併用注入工程において前記PCグラウトが前記排気用ホースに出てきたことを条件に、前記排気用ホースの所定の箇所を遮断することにより、前記真空ポンプによる排気を停止し、且つ前記グラウトポンプにより前記加圧力を所定の値になるように更に発生させ、前記PCグラウトを前記PCグラウト未充填空洞部に更に注入するPCグラウト加圧注入工程、を更に有する、請求項10又は11に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  13. 前記加圧力の前記所定の値は、0.3Mpa以上である、請求項12に記載のPCグラウト真空再注入工法。
  14. 前記PCグラウト加圧注入工程において前記PCグラウト注入用ホース内の圧力が低下しない事を注入完了の合図として検知することを条件に、前記PCグラウト注入用ホースの所定の箇所を遮断することにより、前記PCグラウトの注入を停止するPCグラウト注入停止工程、を更に有する、請求項12又は13に記載のPCグラウト真空再注入工法。
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