JP2022040735A - 溶鋼の脱ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的に脱酸を行いながら脱窒を低減できる溶鋼の脱ガス処理方法を提供する。【解決手段】RH式真空脱ガス処理装置を用いた溶鋼の脱ガス処理方法であって、環流ガスとしてArガスを20分以上吹き込み、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計を14000Pa以上として脱ガス処理を行う。このとき、好ましくは真空槽内の浴深を0.05m以上とし、好ましくは真空槽内の雰囲気圧力を12000Pa以下とする。【選択図】なし

Description

本発明は、特にRH式真空脱ガス処理装置を用いた溶鋼の脱ガス処理方法に関する。
従来、肌焼鋼や快削鋼等の窒素濃度の高い高窒素鋼においては、これらを製造するために、窒素濃度の高い高窒素鋼溶鋼に対する通常の脱ガス処理に加えて、鋼材中の窒素濃度を高める必要がある。RH式真空脱ガス処理装置において溶鋼中の窒素濃度を高める方法としては、環流ガスとして窒素の吹込みを行ったり窒化合金を添加して加窒を行ったりすることが行われている。また、窒素濃度を高める処理を行う前に溶鋼中の酸素濃度を低下させるために、一般的にはArガスを環流ガスとして用いて溶鋼の脱ガス処理が行われる。
脱ガス処理中においては、環流ガスとしてArガスを用いることによって、最も効率よく溶鋼中の脱酸を行うことができる。しかしながら、脱酸中においては、溶鋼中の窒素がArガスに巻き込まれるため、溶鋼中の窒素濃度も低下してしまう。一方、環流ガスとして窒素ガスを用いると、脱酸中の脱窒は低減でき、さらには窒素濃度を増加させることもできるが、脱酸効果が低下してしまう。また、脱ガス処理によって脱酸を十分に進行させた後に、窒化合金を添加することも考えられるが、窒化合金が高価であることから、脱酸による脱窒が進行してしまうと、処理コストが大きくなってしまう。そこで、脱ガス処理期間を脱ガス期と窒化期とに分けて、脱酸と窒化とを両立させる方法が提案されている。
特許文献1には、RH式真空脱ガス処理をAr吹込み期と窒素吹込み期とに分け、窒素吹込み期の真空槽内浴深を、Ar吹込み期よりも0.15m以上深くすることで、吹き込んだ窒素の吸収を促進する方法が開示されている。また、特許文献2には、RH式真空脱ガス処理を脱ガス期と窒素添加期とに分け、窒素添加期の環流ガスとして窒素を用いるとともに真空槽内の窒素分圧を高めて、溶鋼中の窒素を高める方法が開示されている。
特開2018-131651号公報 特開昭56-25919号公報
上述の特許文献1及び2に記載の方法では、真空脱ガス処理期間をArガスによる脱ガス期と窒素分圧もしくは窒素ガスを用いた窒化期とに分けていることから、脱ガス処理時間に制約が生じる。したがって、脱酸を効果的に行う時間が十分に確保できなくなるため、脱酸効果が不安定になる可能性がある。また、特許文献1及び2に記載の方法は、窒化期に溶鋼中の窒素濃度を増加させることによって脱ガス中の脱窒分も補填する方法であるため、脱窒した分を再び窒化する分だけ窒素ガスを多く消費したり窒化の処理時間が増加したりする。そのため、窒化を行う際の操業効率が悪いという問題点がある。
本発明は前述の問題点を鑑み、安定的に脱酸を行いながら脱窒を低減できる溶鋼の脱ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、RH式真空脱ガス処理装置を用いて脱ガス処理を行っている間に脱窒が進行してしまう点に着目し、脱窒が起こるメカニズムについて鋭意検討した。その結果、これまで脱窒の反応サイトとしては真空槽内の溶鋼自由表面もしくは環流ガスの気泡と溶鋼との界面が考えられてきた。しかしながら、本発明者らは窒素濃度が高い溶鋼においては溶鋼内部からの脱窒反応も生じることを知見した。この溶鋼内部からの脱窒反応は溶鋼の静圧と雰囲気圧力とが低いほど活発に生じ、本発明者らはある条件を満たすとその溶鋼内部からの脱窒反応を抑制できることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下のとおりである。
(1)
RH式真空脱ガス処理装置を用いた溶鋼の脱ガス処理方法であって、環流ガスとしてArガスを20分以上吹き込み、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計を14000Pa以上として脱ガス処理を行うことを特徴とする溶鋼の脱ガス処理方法。
(2)
真空槽内の浴深を0.05m以上とすることを特徴とする上記(1)に記載の溶鋼の脱ガス処理方法。
(3)
真空槽内の雰囲気圧力を12000Pa以下とすることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の溶鋼の脱ガス処理方法。
本発明によれば、安定的に脱酸を行いながら脱窒を低減できる溶鋼の脱ガス処理方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態においては、RH式真空脱ガス処理装置を用いて溶鋼の脱酸を行い、脱ガス処理中において脱窒を抑制するようにする。脱酸処理では、まず取鍋に収容された溶鋼に浸漬管を浸漬させ、真空槽内が所定の圧力になるまで真空引きし、浸漬管の横に配置された羽口から環流ガスとしてArガスを溶鋼に吹き付けて、溶鋼を循環させて脱酸を行う。
本実施形態においては、安定的に溶鋼中の酸素濃度を低くするために、脱酸の処理時間を20分以上とすることを前提とする。処理時間が20分未満では溶鋼中の酸素濃度が十分に低下していない場合があり、品質にばらつきが生じやすくなる。また、処理時間を十分に確保し、脱酸効率を高水準にするために、溶鋼1tあたり0.007~0.012Nm3/minの流量で、環流ガスとしてArガスを用いることとする。
次に、脱窒を抑制するための条件について説明する。本発明者らは、20分以上の処理時間で脱窒を抑制するために、溶鋼内部からの脱窒反応を抑制するための条件について検討した。一般的に、液体中に溶解しているガス成分は、その濃度と平衡するガス分圧が、液体の静圧と雰囲気圧力との合計よりも過剰に高くなると、溶液内部から発生する気泡として脱離する。この液体内部からの脱ガス反応は、ガス成分の濃度が高いほど、すなわち平衡ガス分圧が高いほど、また液体の静圧と雰囲気圧力とが低いほど、活発に生じる。
以上の知見に基づき、本発明者らは、窒素濃度が0.0100質量%よりも高い溶鋼においては、5000Pa以下の真空下にて同様に溶鋼内部からの脱窒反応(以下、内部脱窒)が活発に生じることを知見した。また、浸漬管の深さを調整して真空槽内の溶鋼の静圧を変えたところ、静圧が小さいほど溶鋼の内部脱窒が活発に生じることも知見した。以上の結果から、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計が14000Pa以上の条件下で脱酸を行うと、脱窒を抑制できることを本発明者らは見出した。つまり、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計が14000Pa未満の条件で脱酸を行うと、内部脱窒も進行して脱酸終了後の窒素濃度が大幅に低下してしまう。
ここで、真空槽内の溶鋼の静圧は、真空槽内の浴深に溶鋼の密度と重力加速度とを乗じた値に依存し、浸漬管の浸漬深さおよび真空槽内の雰囲気圧力によって調整することができる。
また、本実施形態においては、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計が14000Pa以上の条件下で脱酸を行うものとするが、この条件を満たす範囲内で真空槽内の雰囲気圧力が高くし、真空槽内の溶鋼の静圧を小さくすることもできる。ただし、溶鋼の静圧が過剰に小さい場合は、溶鋼の真空槽内の浴深も小さくなり、その結果、環流ガスが溶鋼から吹き抜けやすくなることから、溶鋼の流動性および攪拌が悪化する可能性がある。したがって、脱酸中においては、真空槽内の浴深は0.05m以上とすることが好ましい。
また、真空槽内の雰囲気圧力が過剰に高いと、環流ガスによる攪拌力が弱まり低酸素化を阻害する場合がある。そのため、真空槽内の雰囲気圧力は12000Pa以下とすることが好ましい。
なお、真空槽内の雰囲気圧力の下限および真空槽内の浴深の上限は特に限定しないが、真空槽内の浴深を大きくすれば、真空槽内の雰囲気圧力も小さくすることができる。ただし、真空槽内の浴深の上限は、浸漬管の長さや取鍋の深さなどによって決まるため、浸漬管が浸漬可能な限界深さに相当する浴深が実質的な上限といえる。
また、本実施形態における脱ガス処理は、窒素濃度を上昇させるのではなく、脱窒を抑制する処理であることから、脱ガス処理前に予め窒素濃度を高めておくことが好ましい。窒素濃度を上昇させる方法は特に限定されないが、例えば溶鋼の出鋼前に転炉にて窒素ガスを底吹きしてもよく、出鋼後に窒化合金を溶鋼に添加してもよい。窒素濃度をあらかじめ上昇させる場合には、目標とする高窒素鋼の種類にもよるが、脱ガス処理前の段階で溶鋼の窒素濃度を0.0150質量%以上としておくことが好ましい。
また、本実施形態では、脱窒を抑制して溶鋼中の窒素濃度の低下を抑制するものであるが、脱ガス処理により溶鋼中の酸素濃度を十分に低下させた後に、引き続き環流ガスとして窒素ガスを用いて環流を行い溶鋼中の窒素濃度を上げる処理を行ってもよく、脱ガス処理終了後に窒化合金を溶鋼に添加して窒素濃度を上げるようにしてもよい。本実施形態の脱ガス処理方法によれば、脱ガス処理中での脱窒が抑制されるため、その後窒化を行って所望の窒素濃度に調整する際にも、窒素ガスや窒化合金の量を少なくすることができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
上底吹き転炉で脱炭吹錬を行った溶鋼280tに対して、該転炉にて底吹き羽口より窒素ガスを吹き込むことにより、溶鋼中の窒素濃度を上昇させた。その後、溶鋼280tを取鍋に出鋼し、取鍋をRH式真空脱ガス処理装置まで移送した。続いて、浸漬管を取鍋内の溶鋼に浸漬させ、真空槽内の雰囲気圧力および真空槽内の浴深を様々なパターンに調整し、環流ガスとしてArガスを溶鋼1tあたり0.01Nm3/min流して溶鋼を環流させ、脱ガス処理を行った。なお、脱ガス処理を行う直前の溶鋼の組成は、Cが0.1~0.5質量%、Siが0.1~0.8質量%、Mnが0.3~1.5質量%、Sが0.008~0.080質量%、Alが0.01~0.06質量%、Nが0.0183~0.0198質量%、Oが0.0026~0.0033質量%であった。
また、脱ガス処理中においては、溶鋼の流れをビデオカメラで観察し、溶鋼の環流が安定しているか否かも合わせてチェックした。以下の表1に、脱ガス処理の処理時間、処理前後の窒素濃度、処理前後の酸素濃度を示す。
Figure 2022040735000001
比較例No.1~No.3では、処理時間が20分以上であったため、脱酸によって酸素濃度を十分に低下させることはできたが、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計が14000Paよりも低かったため、脱ガス処理による脱窒量ΔNが0.0072~0.0078質量%と高かった。
一方、実施例No.4~No.10では、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計が14000Pa以上であったため、脱窒量ΔNが0.0020~0.0029質量%と低かった。なお、実施例No.9においては、浴深が0.04mと低かったことから、溶鋼の流れが停滞して環流が不安定な状態であったが、脱窒量ΔNも低く、酸素濃度は低い値となった。また、実施例No.10においては、真空槽内の雰囲気圧力が12000Paよりも高かったことから、処理後の酸素濃度は0.0013質量%と他の実施例No.4~No.9に比べてやや高めであったものの、十分に酸素濃度を低減でき、さらには脱窒量ΔNも低かった。

Claims (3)

  1. RH式真空脱ガス処理装置を用いた溶鋼の脱ガス処理方法であって、環流ガスとしてArガスを20分以上吹き込み、真空槽内の溶鋼の静圧と真空槽内の雰囲気圧力との合計を14000Pa以上として脱ガス処理を行うことを特徴とする溶鋼の脱ガス処理方法。
  2. 真空槽内の浴深を0.05m以上とすることを特徴とする請求項1に記載の溶鋼の脱ガス処理方法。
  3. 真空槽内の雰囲気圧力を12000Pa以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶鋼の脱ガス処理方法。
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