JP2022028154A - 印刷物及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的には、上記の外装シートには、シート素材に商品の法定表示を含む商品情報を表示する通常印刷層と、商品識別情報を機器で解読可能としたID図形(2次元コード)を表示するID印刷層とから成るベーシック印刷層が設けられている。このベーシック印刷層は、外装シートの外側の表面側から視認可能になっている。また、外装シートは、ベーシック印刷層よりも内側の裏面側であって前記ID図形と重ならない位置に、商品識別情報を目視により読取り可能とするID記号を表示するシークレット印刷層が設けられている。また、シークレット印刷層とベーシック印刷層との間にマスキング印刷層が設けられている。そして、上記のシークレット印刷層は、外装シートの外側の表面側からはマスキング印刷層により視認不能になっており、外装シートの内側の裏面側からは視認できるようになっている。
先ず、透明フィルムで形成されたシート素材の外側の表面に、ID記号を表示するシークレット印刷層を印刷する。このID記号は、英文字や数字の文字等の記号により構成され、目視により商品のシリアルナンバーを直ちに読み取り可能とするためのものであり、外側の表面側Fから視認したときは、ミラー対称状に表された記号として印刷される。これにより、ID記号は、シート素材の裏面側から視認したとき、ただちに記号を読み取ることが可能になる。
次に、シークレット印刷層の上に、マスキング印刷層を印刷する。マスキング印刷層は、外側の表面側からシークレット印刷層を隠蔽するためのものであり、必要に応じて、複数層となるように重ねて印刷を行う。次に、マスキング印刷層の上に、ベーシック印刷層を印刷する。なお、シート素材の内側の裏面には粘着層が設けられている。
また、外装シートの一部を切り取る等、外装シートの表面側から視認できるID図形を削除した不正流通品が発生した場合でも、改修した不正流通品から外装シートを剥離すれば、裏面のID記号を読み取ることができ、不正流通の原因調査を行うことが可能になる。この際、ID記号は、リーダ機器を必要とせず、目視だけで識別情報を読み取ることができるので、直ちに調査を開始し、早期に原因を究明することができる。
また、特許文献1に記載の外装シートは、不透明なボトル等の商品容器に用いられることを想定したものであり、透明なボトル等の容器には用いることはできないという課題も有している。外装シートが透明なボトル等の商品容器に貼着された場合、貼着された外装シートの反対側から、外装シートの裏面が見えるため、商品の横流し等を行う不正流通業者が、裏面のID記号の存在を認識できるためである。
なお、商品のなかには、商品容器に、直接、商品情報やID図形(商品識別情報)を印刷しているものがあるが、上記の外装シートでは、商品容器に、直接、商品情報やID図形(商品識別情報)を印刷するものには適用できない。
また、前記印刷物は、前記商品情報表示部と重ならない領域に、少なくとも、前記商品識別情報が含まれる情報を2次元コードに変換して示した2次元コード情報が可視インクで印刷されていることが望ましい。
なお、不可視インクで印刷された商品識別情報は、ブラックライトで紫外線を照射することで発光発色するようになっている。そのため、不正流通業者が、本発明の印刷物と一体の商品を不正流通させた場合(例えば、印刷物から2次元コード表示部を削ったりした上で、商品を不正流通させた場合)でも、不正流通品を回収して、不正流通品と一体の印刷物にブラックライトで紫外線を照射するという簡単な作業で、肉眼により商品識別情報を読み取ることができる。すなわち、本発明の印刷物を利用することで、不正流通の原因調査を行うことができ、早期に原因を究明することが可能となる。すなわち、本発明の印刷物は、上述した特許文献1に記載の発明の「外装シートを剥離する作業」と比べて、簡単な作業により商品識別情報を確認することができる。
また、本発明の印刷物は、可視インクで印刷された商品情報表示部の上に重ねて、商品識別情報を不可視インクで印刷することにより作成できるため、上述した特許文献1に記載の発明の「透明フィルムで形成されたシート素材にID記号を印刷し、そのID記号の上にマスキング印刷層を印刷し、さらに、マスキング印刷層の上に、商品の法定表示を含むベーシック印刷層を印刷すること」により形成される構成よりも、工数をかけずに低コストで製造することができる。
商品の法定表示情報は、商品の販売のために必要な情報であるため、不正流通業者が、切り取ったり、削り或いはマジックで塗りつぶしたりされる可能性が極めて低い。実際に、これまでの不正流通商品の傾向を見ると、法定表示情報が切り取られたり、削られたりしているケースが稀である。そのため、本発明では、不正流通業者から切り取られたりする可能性が低い、法定表示情報の上に、重ねて、不可視インクで商品識別情報を印刷するようにしている。
このように、本発明によれば、紙や合成樹脂等で形成される商品容器(商品の収納容器或いは包装容器)に、直接、商品情報等を印刷している化粧品や高級シャンプー等にも適用できる。すなわち、本発明は、上述した特許文献1に記載の発明と比べて、汎用的に利用することができる。
このようにラベルを構成することで、商品情報等が印刷された印刷面が保護されたラベルが提供できる。
先ず、本実施形態の印刷物であるラベルについて、図1~図3を参照しながら説明する。
また、本実施形態において印刷物は、商品情報等が印刷されているものであれば良く、ラベルだけでなく、商品情報等が直接印刷される商品容器(商品の収納容器或いは商品の包装容器)も含まれている。この商品容器には、紙材で形成された紙箱、合成樹脂で形成されたプラスチックケースが含まれている。
なお、商品識別情報は、商品に一意に割り当てられた情報であり、本実施形態では、複数の英数字(図示する例では、「001ZZ012200」)により構成されている例を示す。
また、本実施形態では、2次元コード情報がQRコード(登録商標)である場合を示しているが、これは一例である。2次元コード情報がQRコード以外のもの(QRコード以外のマトリックス型2次元コードや、スタック型2次元コード)であっても良い。
また、本実施形態では、2次元コード表示部20に示す2次元コード情報は、「商品識別情報」を変換したものとして説明するがこれは一例である。2次元コード情報は、少なくとも、「商品識別情報」が含まれる情報を2次元コードに変換したものであれば良い。例えば、2次元コード情報が、「商品識別情報」と「商品の製造販売業者のURL情報」とが含まれる情報を2次元コードに変換したものであっても良い。
本実施形態の不可視インクは、肉眼では見えず、ブラックライトLで紫外線(波長315~400nm、UVA(Ultraviolet A))を照射されることで発光発色するものである。ラベル1の商品情報表示部10の上に不可視インクで印刷された商品識別情報30は、図1に示すように、紫外線が照射されていない状態においては視認できず、商品情報表示部10に提示されている商品情報を読むことが出来る。
一方、図2に示すように、ラベル1の商品識別情報30は、ブラックライトLで紫外線が照射されると、発光した状態になり、肉眼で視認できるようになる。
また、商品情報表示部10のうち、領域10aと領域10cとの間の中間部の領域10bに、「商品名、商品説明、使用方法、使用上の注意、原材料(成分の名称)」等の情報が印刷されている。
また、領域10bと領域10cとを跨いだ部分に、バーコード15が印刷されている。
このように、本実施形態のラベル1は、表面にラミネート層1cが設けられており、基材1aの表面に印刷された「商品情報表示部10、2次元コード表示部20及び商品識別情報」が保護されている。
なお、実際に、これまでの不正流通された商品(不正流通品)の傾向を見ると、法定表示情報が切り取られたり、削られたりしているケースが稀である。
このように、本実施形態のラベル1を利用することで、不正流通の原因調査を行うことができ、早期に原因を究明し、原因となった販売ルートへの商品供給を止めれば、以降の不正流通を防止することができる。
ここで、図4は、本実施形態のラベルの製造工程を説明するための模式図であり、(a)が凸版印刷機によりラベルを構成する基材の表面に商品情報が可視インクで印刷された状態を示した模式図であり、(b)がデジタルインクジェット印刷機によりラベルを構成する基材の表面に可視インクで2次元コード情報が印刷され、基材の表面に印刷された商品情報の上に重ねて不可視インクで商品識別情報が印刷された状態を示した模式図である。また、図5は、本実施形態のラベルを構成する基材の表面に、2次元コード情報と、商品識別情報とを印刷するための印刷システムを示した模式図である。
なお、図4(b)に示すラベル1では、説明の便宜上、ブラックライトLにより紫外線が照射された状態を示しているが、紫外線が照射されない限り、商品識別情報30が視認できないようになっている。
この商品情報は、商品毎に異なる情報ではなく、同じ商品において共通に用いられる情報である。そのため、本実施形態では、可視インクを備えた凸版印刷機(或いはオフセット印刷機)を用いて、ラベル1を構成する基材1aの表面に、可視インクで商品情報を印刷する。
これにより、図4(a)に示すように、ラベル1を構成する基材1aの表面に、商品情報表示部10だけが形成された状態になる。
この2次元コード情報及び商品識別情報は、商品毎に割り当てられた一意の情報である。そのため、本実施形態では、デジタルインクジェット印刷機(デジタルインクジェットプリンタ)を用いて、商品毎に可変の2次元コード情報及び商品識別情報印刷するようにしている。
これにより、図4(b)に示すように、ラベル1を構成する基材1aの表面に、商品情報表示部10及び2次元コード表示部20が形成されると共に、商品情報表示部10の上に重ねて、商品識別情報30が形成される。
本実施形態の方法(印刷方法)は、上述した特許文献1に記載の発明の「透明フィルムで形成されたシート素材にID記号を印刷し、そのID記号の上にマスキング印刷層を印刷し、さらに、マスキング印刷層の上に、商品の法定表示を含むベーシック印刷層を印刷すること」により形成される方法よりも、工数がかからず低コストで実現できる。
例えば、紙の基材1aではなく、基材(図示せず)が、プラスチックケース等の商品容器(収納容器或いは包装容器)を形成するための合成樹脂で形成された資材であっても良い。また、紙の基材1aが、ラベルに用いられるものではなく、厚紙等で形成された紙箱等の商品容器(収納容器或いは包装容器)に用いられるものであっても良い。
また、本発明は、紙以外のラベル、例えば、プラスチックラベルにも適用することができる。
この構成によれば、高価なシャンプーのように、商品情報が包装容器に直接印刷されている商品についても本発明が適用される。すなわち、本発明は、上述した特許文献1に記載の発明と比べて、汎用的に利用することができる。
1…ラベル
1a…基材
1b…接着層
1c…ラミネート層
10…商品情報表示部
20…2次元コード表示部
30…商品識別情報
100…デジタルインクジェット印刷機
200…コンピュータ
210…プリンタドライバ
また、前記法定表示情報には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律により定められた表示、化粧品の表示に関する公正競争規約、不当景品類及び不当表示防止法により定められた表示が含まれていることが望ましい。
基材の一方面に各種情報を印刷する印刷方法であって、基材の一方面に各種情報を印刷する印刷方法であって、第1印刷機により、前記基材の一方面に対して、商品の法定表示情報を含む商品情報を可視インクで印刷するステップと、不可視インクを備えた第2印刷機により、前記商品情報が印刷された前記基材の一方面のうち前記印刷された商品情報と重ならない領域に対して、少なくとも、前記商品に一意に割り当てられた商品識別情報が含まれる情報を2次元コードに変換して示した2次元コード情報を可視インクで印刷すると共に、前記印刷された前記法定表示情報の上に重ねて、前記商品識別情報を該不可視インクで印刷するステップとを有することを特徴とする。
Claims (6)
- 基材の一方面に各種情報が印刷された印刷物であって、
商品の法定表示情報を含む商品情報が可視インクで印刷された商品情報表示部が形成され、
前記商品情報表示部の上に重ねて、前記商品に割り当てられた商品識別情報が不可視インクで印刷されていることを特徴とする印刷物。 - 前記商品情報表示部と重ならない領域に、少なくとも、前記商品識別情報が含まれる情報を2次元コードに変換して示した2次元コード情報が可視インクで印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
- 前記不可視インクで印刷された商品識別情報は、前記法定表示情報の上に重ねて印刷されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷物。
- 前記基材は、前記商品の収納容器或いは包装容器を形成するための資材であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の印刷物。
- 前記基材は、シート状に形成され、その他方面には接着層が形成され、その一方面にラミネート層が形成されているラベルであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の印刷物。
- 基材の一方面に各種情報を印刷する印刷方法であって、
第1印刷機により、前記基材の一方面に対して、商品の法定表示情報を含む商品情報を可視インクで印刷するステップと、
不可視インクを備えた第2印刷機により、前記商品情報が印刷された前記基材の一方面のうち前記印刷された商品情報と重ならない領域に対して、少なくとも、前記商品に割り当てられた商品識別情報が含まれる情報を2次元コードに変換して示した2次元コード情報を可視インクで印刷すると共に、前記印刷された商品情報の上に重ねて、前記商品識別情報を該不可視インクで印刷するステップとを有することを特徴とする印刷方法。
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