JP2022023641A - シート加工装置及び画像形成システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2022023641000001
【課題】シート加工時の位置ズレの原因となり得る様々な条件を考慮してシート材の搬送制御を向上させるシート加工装置を提供する。
【解決手段】シート材を搬送する搬送手段(搬送ローラ対150)と、シート材を加工する加工手段(シート加工ツール105)と、シート材に加工手段を接離させる加工具接離手段(加工ツール動作部110)と、シート材の搬送方向との交差方向に加工手段を移動させる加工具移動手段(ツール移動部120)と、シート材の加工状態又は搬送状態に応じて搬送手段及び加工具移動手段における制御量を更新する搬送制御量更新手段と、を備えるシート加工装置(加工処理装置100)による。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート加工装置及び画像形成システムに関する。
シート材に対して、切断加工や筋付け加工を施すシート加工装置が知られている。シート加工装置は、画像や図柄が付されたシート材からステッカーやカード、又は箱状の立体物の展開形態を製作するために用いられる。
シート加工装置に関し、複数の型式が知られている。例えば、テーブル面に固定したシート材に対して加工ツールを二次元的に移動させながら選択的に圧接又は離間をさせることで二次元的に切断加工や筋付け加工を行うフラッドヘッドタイプが知られている。また、シート材を固定せずに搬送させながら加工ツールを相対的に移動させつつ選択的に圧接又は離間させることで二次元的にシート加工を行うシート材搬送タイプが知られている。なお、本明細書において「シート加工」とは、シート状の媒体に対する切断加工や筋付け加工を含み、シート材を用いて所定の物を製作するための加工処理及び加工処理を実行するための制御処理をいう。
シート材搬送タイプのシート加工装置として、切断加工に用いられるカッターをシート材に対して相対に移動させながら、二次元的に切断加工を実行するときに、加工対象のシート材の種類に応じて切断条件を選択し実行する装置が知られている(特許文献1を参照)。
特許文献1に開示されている装置は、切断加工時のみでシート材の種別に応じたシート加工を行うものである。しかし、シート材搬送タイプのシート加工装置には、切断加工以外の加工(例えば筋付け加工)も行うものも存在するので、特許文献1に開示されている技術は、多様なシート加工を行うシート加工装置においては、シート材の種別に応じたシート加工を行うことができない。
シート材搬送タイプのシート加工装置は、シート材に対して設定される加工軌跡に沿って加工ツールを相対的に移動させることで所定のシート加工を行うので、加工軌跡に対する加工ツールの位置ズレを起こす原因に搬送制御の精度が含まれる。
また、加工ツールをシート材に圧接した状態でシート材を搬送させることでシート加工を行うので、加工軌跡に対する加工ツールの位置(加工位置)は、シート材の種別によってもそのズレ量が異なることになる。さらに、シート材の種別による条件の差異の他にも様々な要因(条件)によって、加工位置にズレが生ずる原因となる。すなわち、シート材の種別以外の様々な条件を考慮して、シート材の予定搬送距離を算出し、算出結果に基づく搬送制御を精度よく行わなければ、正確な搬送制御による精度のよいシート加工を行うことは困難である。したがって、従来から知られているシート材搬送タイプのシート加工装置では、シート加工時のシート材の搬送ズレを防ぎ、十分な搬送精度を得るという点で課題がある。
本発明は、シート材搬送タイプのシート加工装置において、シート加工時の位置ズレの原因となり得る様々な条件を考慮してシート材の搬送制御を向上させるシート加工装置を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、シート材を加工するシート加工装置であって、前記シート材を搬送する搬送手段と、前記シート材を加工する加工手段と、前記シート材に加工具を接離させる加工具接離手段と、前記シート材の搬送方向との交差方向に前記加工手段を移動させる加工具移動手段と、前記シート材の加工状態又は搬送状態に応じて前記搬送手段及び前記加工具移動手段における制御量を更新する搬送制御量更新手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、シート材搬送タイプのシート加工装置において、シート加工時の位置ズレの原因となり得る様々な条件を考慮してシート材の搬送制御を向上させる。
本発明に係るシート加工装置の実施形態である加工処理装置の斜視図。 上記加工処理装置の断面図。 上記加工処理装置の要部を示す斜視図。 上記加工処理装置の要部の一部を拡大した拡大側面図。 上記加工処理装置の要部の一部を拡大した拡大平面図。 上記加工処理装置の要部の一部を拡大した拡大斜視図。 上記加工処理装置の要部の一部と特徴を示す平面図。 上記加工処理装置の制御構成を示すブロック図。 上記加工処理装置の機能構成を示す機能ブロック図。 上記加工処理装置の詳細な機能構成を示す機能ブロック図。 上記加工処理装置が実行する処理の流れを例示するフローチャート。 上記加工処理装置が実行する処理の詳細な流れを例示するフローチャート。 本発明に係る画像形成システムの実施形態を示す側面図。
[シート加工装置の全体構成像]
以下、本発明に係るシート加工装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る加工処理装置100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、加工処理装置100は、シート状の媒体を被加工対象物とする。そして、被加工対象物としてのシート材(シート1)の搬入口となる搬入側トレイ101と、加工後のシート1の搬出口となる搬出側トレイ102と、を備えている。なお、図1に示すように、加工処理装置100は、全体の動作を制御する制御装置300も備えている。
ここで、以下の説明で共通して用いる座標系について説明する。本実施形態で用いられる座標系は、シート1の搬送方向(移動方向)や、加工ツールの移動方向の説明時に参照する。まず、加工前のシート1が加工処理装置100に搬入される方向を「Y方向」とする。また、加工後のシート1が搬出される方向を「Z方向」とする。そして、Y方向及びZ方向であるシート1の搬送方向に対して交差し、シート1の面に沿う方向としてシート1の幅に相当する方向を「X方向」とする。なお、X方向は、加工処理装置100の幅方向にも相当し、Z方向は加工処理装置100の奥行き方向に相当する。以上のとおり、Y方向とX方向とZ方向は相互に交差する。本実施形態では、X方向とY方向とZ方向の交差方向は、相互に直交するものを例として説明をする。
加工処理装置100では、シート加工中のシート1は、Y方向において往復搬送される。すなわち、シート加工の対象となるシート1の搬入方向とシート加工時の搬送方向はY方向であって、シート加工後のシート1の搬送方向はY方向から、加工処理装置100を載置する載置面と並行のZ方向に向かって搬出される。この構成により、加工処理装置100は、奥行き方向(Z方向)の寸法を縮小することができるのでシート加工装置として小型化を図ることができる。
なお、シート1の搬入方向及びシート加工中の往復搬送の方向を、垂直方向(Y方向)から水平側へ傾斜させた方向に設定することもできる。シート1の搬入方向及びシート加工中の搬送方向を、加工処理装置100の載置面に対する傾斜方向にする構成を採用しても、加工処理装置100の奥行き方向(Z方向)の寸法を縮小することはできる。すなわち、シート1の搬入方向と搬送方向を垂直方向に対して傾斜させる構成にすることでも、加工処理装置100の小型化を図ることはできる。なお、傾斜の度合い(傾斜角度)が垂直に近づくほどに、加工処理装置100の小型化の効果が大きくなる。そして、シート1を傾斜方向から搬入し搬送させる構成の場合、搬入路の傾斜角度は水平から45度以上であることが好適である。
次に、加工処理装置100に対するシート1の載置及び搬入等の動作の様子について説明する。シート加工処理を実行するときには、図1に示すように、ユーザは加工対象とするシート1を搬入口である搬入側トレイ101にセットする。このとき、多数のシート1をシート束としてセットすることができる。その後、シート1が加工処理装置100はシート束からシート1を一枚ずつ分離されて矢印Piの方向へと搬入される。また加工後のシート1は搬出口を構成する搬出側トレイ102において矢印Poの方向に排出される。ユーザにとっては、搬入側トレイ101と搬出側トレイ102へのアクセスがより容易であることが望ましい。その点、加工処理装置100であれば、搬入側トレイ101と搬出側トレイ102のZ方向のおける距離が短くなるので奥行き方向(Z方向)の小型化を図ることができる。すなわち、加工処理装置100の構成は、ユーザ利便性の向上の観点において特に望ましい構成となっている。
図2は、加工処理装置100の内部構造を示す断面図である。図2の断面図は、図1におけるY-Z平面に関する断面を例示している。図2に示すように、加工処理装置100は、シート1に対して圧接又は離間してシート加工を施す加工手段としてのシート加工ツール105と、加工具接離手段としての加工ツール動作部110と、加工具移動手段としてのツール移動部120と、加工具対向手段としてのツール対向部130と、を含む。また、加工処理装置100は、シート1をシート加工ツール105に対して往復搬送させる搬送手段としての搬送ローラ対150を備えている。搬送ローラ対150は、加工処理装置100の搬入口側と搬出口側に配置されている。図2においては、搬送ローラ対150のうち、搬入口側に配置される第一搬送ローラ対151のみを図示している。
シート加工ツール105は、シート1を挟んでツール対向部130と対向する位置(対向位置)に配置されるように、加工ツール動作部110によって保持されている。
加工ツール動作部110は、シート1に対して切断加工を施す切断具としての「カッター」や筋付け加工を施す筋付け具としての「クリーサ」を含むシート加工ツール105を保持している。シート加工ツール105の詳細は後述する。また、加工ツール動作部110は、シート1にシート加工ツール105を接触させ、かつ、シート1に対して所定の圧力を加えた状態にする「圧接動作」をシート加工ツール105に実行させる。また、加工ツール動作部110は、シート1に対して接触しているシート加工ツール105を、シート1から離して所定の隙間を形成する程度まで移動させる「離間動作」を実行させる。「圧接動作」及び「離間動作」は、加工ツール動作部110が備える加工動作機構によって実行される。
「圧接動作」及び「離間動作」において、シート加工ツール105は、シート1に対してZ方向における移動をする。このシート加工ツール105の移動は、加工動作機構によって実行される。なお、圧接動作においてシート加工ツール105がシート1に接触するとき、そのシート加工ツール105は「加工位置」にある。また、離間動作においてシート加工ツール105がシート1から離れているとき、そのシート加工ツール105は「退避位置」にある。
ツール移動部120は、シート1に対して切断加工や筋付け加工などのシート加工を施すときに、シート加工ツール105をX方向に往復移動させるツール移動機構を備えている。
ツール対向部130は、シート加工ツール105と対向する対向面を有し、回動する回動部材としてのローラ状の部材を備える。対向面は、加工時のシート加工ツール105がX方向に移動するときに、シート1に接触する加工位置に対応する。そして、対向面は、シート1にシート加工ツール105が加える押圧力などを受ける位置に相当する。
図2に示すように、ツール対向部130が備える対向面は、Y方向におけるシート加工ツール105との位置が同じ位置に相当する。言い換えると、ツール対向部130が備える対向面は、加工具がシート1に対して接触し離間するときの方向(Z方向)に配置されている。言い換えると、シート加工ツール105は対向面に対する移動方向(Z方向)において、シート1を挟んで対向する位置に配置されていて、Y方向へは移動しない構成によって保持されている。
加工処理装置100は、シート1をY方向において往復搬送させながらシート加工ツール105によるシート加工を実行する。このシート加工時に、シート加工ツール105と加工ツール動作部110は、ツール対向部130に対してY方向には移動せず、X方向に移動する。そして、シート加工ツール105と加工ツール動作部110は、X方向に移動しつつ、選択的に、シート1に対してシート加工ツール105の接触動作及び離間動作を実行する。以上のような動作により、加工処理装置100は、シート1に対して直線や任意の平面自由曲線からなる加工経路2を描きながらの加工を施すことができる。
搬入側トレイ101にセットされたシート束は、給紙動作が始まるとピックアップローラにより装置に呼び込まれ、同時にピックアップローラと対向する分離パッドにて1枚ずつに分離される。分離され搬送されたシート1は分岐爪201を通過して搬入口側に配置される第一搬送ローラ対151へと搬送される。本実施形態ではパッド分離方式でシート分離を行うが、これに限らずベルト分離方式やFRR分離方式でもよい。搬送されたシート1は後端が分岐爪201を抜けるまで搬送されると、分岐爪201はスイッチバック202側へと移動される。往復搬送動作をしながら加工されるシート1は、その一部をスイッチバック202に出し入れしながら加工が施される。
ツール対向部130の下流では、湾曲搬送ガイド板203に沿って、シート1は湾曲しながら搬出側トレイ102へと搬送される。
[加工処理装置100の要部の構成]
図3は、加工処理装置100の内部構造の要部を示す斜視図である。図4は、加工処理装置100の内部構造のうち、シート加工ツール105及び加工ツール動作部110を示した側面図である。図5は、ツール移動部120の駆動源部分を拡大した拡大平面図である。図6は、ツール移動部120が備える移動保持機構部分を拡大した拡大斜視図である。なお、図3では、搬送ローラ対150を省略している。
[加工ツール動作部110の構造]
まず、図3と図4を参照しながら加工ツール動作部110の基本的な構成について説明する。加工ツール動作部110は、シート加工ツール105としての切断ツール111及び筋付けツール112と、第一ツールホルダ113と、第二ツールホルダ114と、第一接触離間アクチュエータ115と、第二接触離間アクチュエータ116と、を備える。
第一加工手段としての切断ツール111は、シート1に接触して切断加工を行う切断具である。第二加工手段としての筋付けツール112は、シート1を押圧して筋付け加工を行う筋付け具である。切断ツール111は、加工具対向手段としての第一対向ローラ131の垂直方向上方(Z方向)に保持され、第一対向ローラ131に対向配置されている。筋付けツール112は、加工具対向手段としての第二対向ローラ132の垂直方向上方(Z方向)に保持され、第二対向ローラ132に対向配置されている。
第一ツールホルダ113は、第一接触離間アクチュエータ115と切断ツール111を連結して保持する。第二ツールホルダ114は、第二接触離間アクチュエータ116と筋付けツール112を連結して保持する。
第一接触離間アクチュエータ115と第二接触離間アクチュエータ116は、後述する加工ツール移動部材128によって連結されている。この加工ツール移動部材128に加工ツール動作部110が保持されている。これにyほって、加工ツール動作部110は、X方向に移動可能に保持している。そして、加工ツール動作部110と一体的に、シート加工ツール105(切断ツール111と筋付けツール112)もX方向に移動可能に保持されている。第一接触離間アクチュエータ115と第二接触離間アクチュエータ116は、ソレノイドであり、通電することで、シート1に対して、シート加工ツール105を接触又は離間させる。シート加工ツール105がシート1に対して接触する方向に移動したとき、第一対向ローラ131及び第二対向ローラ132によってシート1を押圧する押圧状態になる。したがって、第一接触離間アクチュエータ115と第二接触離間アクチュエータ116によって、シート加工ツール105は第一対向ローラ131及び第二対向ローラ132に対してシート1を押圧させる状態を保持可能な構成になっている。
したがって、第一接触離間アクチュエータ115と第二接触離間アクチュエータ116の動作制御により、切断ツール111と筋付けツール112をシート1に対して選択的に接触又は離間する接離制御を行うことができる。この接離制御によって、シート1への加工動作が制御される。
図4に示すように、シート加工ツール105を保持する加工ツール動作部110のY方向上流側には搬送手段としての第一搬送ローラ対151が配置されている。また、シート加工ツール105を保持する加工ツール動作部110のY方向下流側には、搬送手段の一部としての第二搬送ローラ対152が配置されている。これら搬送ローラ対150(151、152)によってシート1がY方向に搬送される。Y方向上流側から加工処理装置100に搬入されたシート1は、第一搬送ローラ対151に挟持され、第一搬送ローラ対151の回転駆動によってシート加工ツール105の下に搬送されて加工される。その後、加工が完了したシート1は、第二搬送ローラ対152に挟持されて搬出される。
図3に示すように、第一対向ローラ131には、これに従動して回動する第一挟持ローラ133が対向配置されている。また、第二対向ローラ132には、これに従動して回動する第二挟持ローラ134が対向配置されている。シート1は、第一対向ローラ131と第一挟持ローラ133、及び、第二対向ローラ132と第二挟持ローラ134によって挟持された状態で、Y方向に往復移動(搬送)される。
[ツール移動部120の構造]
次に、図3及び、図5,6を参照しながら、ツール移動部120の構成について説明する。ツール移動部120は、X軸駆動モータ121と、出力タイミングプーリ122、第一タイミングベルト123、減速タイミングプーリ124と、第一加工ツール移動プーリ125と、第二タイミングベルト126と、第二加工ツール移動プーリ127と、加工ツール移動部材128と、加工ツール移動案内軸129とを備える。
X軸駆動モータ121は、切断ツール111及び筋付けツール112を保持する加工ツール動作部110を、シート1の搬送方向(Y方向)と交差する方向に移動させるための、正逆回転可能な駆動源である。X軸駆動モータ121の回転軸は、出力タイミングプーリ122から第一タイミングベルト123を介して減速タイミングプーリ124に連結される。
減速タイミングプーリ124は、一体に成形されているギア部を介して、第一加工ツール移動プーリ125に接触している。したがって、X軸駆動モータ121の回転駆動によって減速タイミングプーリ124を回転駆動させると、ギア部を介して第一加工ツール移動プーリ125が回転する。
図5及び図6に示すように、第一加工ツール移動プーリ125と、対となる第二加工ツール移動プーリ127とは、第二タイミングベルト126で連結されている。したがって、第一加工ツール移動プーリ125と第二加工ツール移動プーリ127との間に掛け回されている第二タイミングベルト126は、第一加工ツール移動プーリ125の回転によって回動する。
加工ツール移動部材128は、第二タイミングベルト126を挟持し、第二タイミングベルト126の所定の位置で固定されている。したがって、第二タイミングベルト126が第一加工ツール移動プーリ125と第二加工ツール移動プーリ127の間で回動すると、その回動方向に応じて、加工ツール移動部材128も移動する。加工ツール移動部材128は、加工ツール移動案内軸129が挿通されている。加工ツール移動案内軸129は、X方向に延伸された部材であって端部が加工処理装置100の筐体に固定されている。したがって、加工ツール移動部材128は、第二タイミングベルト126の回動により、すなわち、X軸駆動モータ121の回転によって、加工ツール移動案内軸129にガイドされてX方向にのみ移動する。したがって、X軸駆動モータ121が正逆回転することで、加工ツール移動部材128に連結されて固定されている加工ツール動作部110は、シート1の搬送方向と交差する方向(X軸方向)に往復移動するように構成されている。これによってシート加工ツール105は、シート1の搬送方向と交差する方向(X軸方向)に往復移動が可能となるように保持されている。
[ツール対向部130の構造]
続いて、図3と図7を参照ながら、ツール対向部130の構成について説明する。ツール対向部130は、第一対向ローラ131と、第二対向ローラ132と、第一挟持ローラ133(133a、133b)と、第二挟持ローラ134(134a、134b)と、を有する。第一対向ローラ131と第二対向ローラ132は、電動モータなどの駆動源によって正方向と逆方向の両方向に回転する回動部材であり、第一搬送ローラ対151及び第二搬送ローラ対152によるシート1の搬送と同期してシート1を搬送するように回転される。第一対向ローラ131と第二対向ローラ132は、駆動ローラでもあり、第一挟持ローラ133と第二挟持ローラ134は、駆動ローラの回転駆動により回動する従動ローラである。
第一挟持ローラ133は、第一対向ローラ131に対して押圧されるように、付勢部材によって-Z方向に加圧されている。第二挟持ローラ134は、第二対向ローラ132に対して押圧されるように、付勢部材によって-Z方向に加圧されている。したがって、第一対向ローラ131と第一挟持ローラ133(133a、133b)、第二対向ローラ132と第二挟持ローラ134(134a、134b)、のそれぞれにおいて加工時のシート1を挟持するように構成されている。なお、図3において、第二挟持ローラ134の一部(134b)は、加工ツール動作部110に隠れて図示されていない。
シート1の加工時には、第一搬送ローラ対151と第二搬送ローラ対152による搬送以外に、駆動ローラである第一対向ローラ131と第二対向ローラ132が正逆回転することで、加工時のシート1を往復搬送させて、シート1に形成された加工経路2に沿ってシート加工が行われるように、シート1の動作が制御される。すなわち、ツール対向部130は、シート1をY方向において往復搬送する搬送手段としても機能する。シート1は、ツール対向部130に対する回動制御によって、切断ツール111と第一対向ローラ131との間、及び筋付けツール112と第二対向ローラ132との間で往復搬送される。
本実施形態における搬送ローラ対150や第一対向ローラ131及び第二対向ローラ132などの各回転部材、及び、X軸駆動モータ121はステッピングモータを前提にしたものである。したがって、シート1の搬送量を制御する要素となる「搬送制御量」は、ステッピングモータに入力されるパルス信号の周期及びパルス数などによって規定される。なお、これら回転部材はステッピングモータの限定されるものではなく、上記に例示した動作を実現しうるものであれば、その種類を問わない。その場合、シート1の搬送量を制御するための要素としての「搬送制御量」は、回転部材として駆動源の動作速度や動作量を規定する入力値によって規定される。また、第一接触離間アクチュエータ115及び第二接触離間アクチュエータ116は、それぞれにおいて個別にソレノイドを備える構成を前提にしたものであるが、上記に例示した動作を実現しうるものであれば、駆動手段の種類を問わない。
[加工処理装置100の制御構成]
次に、本実施形態に係る加工処理装置100の制御構成について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、加工処理装置100の制御系に係るハードウェア構成を示すブロック図である。図9は、加工処理装置100の制御系に係る機能構成を示すブロック図である。
図8に示すように、加工処理装置100が備える制御装置300は、一般的な情報処理装置と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る制御装置300は、CPU(Central Processing Unit)310、RAM(Random Access Memory)320、ROM(Read Only Memory)330、操作表示パネル340及びI/F350がバス360を介して接続されている。また、I/F350には、カッターツールドライバ351、筋付けツールドライバ352、ツール移動ドライバ353、シート搬送ドライバ354が接続されている。
CPU310は演算手段であり、情報処理装置全体の動作を制御する。RAM320は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU310が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM330は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェアや制御プログラム等が格納されている。操作表示パネル340は、加工処理装置100の動作状態などを外部に報知するための情報表示をする表示画面を備える。また、入力手段としての操作表示パネル340は、制御に用いられる設定値などを固定値として入力する入力インターフェースを提供する。
I/F350は、CPU310の演算機能のより生成される制御信号により各機能構成を動作させるドライバに伝達する。カッターツールドライバ351は、切断ツール111をシート1に接触して押圧する動作及びシート1から離間させる動作を含む接離動作を制御する。筋付けツールドライバ352は、筋付けツール112をシート1に接触して押圧する動作及びシート1から離間させる動作を含む接離動作を制御する。
ツール移動ドライバ353は、X軸駆動モータ121の正逆方向の回動動作を制御し、シート加工ツール105のX方向における移動速度、移動方向及び移動量を制御する。
シート搬送ドライバ354は、搬送ローラ対150やツール対向部130を構成する第一対向ローラ131及び第二対向ローラ132の回転方向、回転速度、回転量などを制御して、シート1に対するシート加工時のY方向における往復搬送動作における移動速度や移動量を制御する。
[機能構成]
上記にて説明したハードウェア構成において、ROM330に格納された加工制御プログラムに基づいて、シート1への加工条件として入力される情報を用いてCPU310が演算処理を実行することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェア構成との組み合わせによって、本実施形態に係る加工処理装置100の処理機能を実現する機能ブロックが構成される。
図9に示すように、加工処理装置100の制御装置300によって実現される制御部31は、加工処理装置100の全体の動作を制御する制御手段311と、カッターツール接離手段312と、筋付けツール接離手段313と、ツール移動手段314と、シート移動手段315と、加工条件設定手段316と、を有する。
制御手段311は、シート1に対するシート加工を実行するときの各種制御処理を司る。制御手段311による演算処理の結果によって、後述する各種手段が上述したドライバを介してシート加工のための制御を実行する。制御手段311による演算結果は、シート1のY方向への搬送量(搬送距離)や搬送速度を規定する情報(データ)、シート1に対するシート加工ツール105のX軸方向への移動量及び移動速度を規定する情報(データ)を含む。
カッターツール接離手段312は、制御手段311から通知される情報に基づいて、所定のタイミングで切断ツール111をシート1に接触、押圧、離間させる。筋付けツール接離手段313は、制御手段311から通知される情報に基づいて、所定のタイミングで筋付けツール112をシート1に接触、押圧、離間させる。
ツール移動手段314は、制御手段311から通知される情報に基づいて、シート加工ツール105のX軸方向の移動方向、移動量、移動速度、移動開始及び停止のタイミングを制御する。そして、ツール移動手段314は、加工ツール動作部110の動作状態及びツール移動部120の動作状態を制御手段311に通知する。制御手段311からは、動作状態を反映させた演算処理によって得られた演算結果としての情報が、ツール移動手段314に対して通知される。この制御手段311との通信によって、シート加工ツール105のX軸方向における移動方向、移動量、移動速度、移動開始及び停止タイミングの制御に必要となる「搬送制御量」が規定される。
シート移動手段315は、制御手段311から通知される情報に基づいて、シート1のY軸方向の移動方向(搬送方向)、移動量、移動速度、移動開始及び停止のタイミングを制御する。そして、シート移動手段315は、ツール対向部130及び搬送ローラ対150の動作状態を制御手段311に通知する。制御手段311からは、動作状態を反映させた演算処理によって得られた演算結果としての情報が、シート移動手段315に対して通知される。この制御手段311との通信によって、シート1のY軸方向における移動方向、移動量、移動速度、移動開始及び停止タイミングの制御に必要となる「搬送制御量」が規定される。
ツール移動手段314及びシート移動手段315から制御手段311に通知される「動作状態」に基づくと、シート1に対する「加工状態」を推定することができる。したがって、制御手段311との通信によって、ツール移動手段314及びシート移動手段315が行う制御動作は、加工状態に基づくものでもある。
加工条件設定手段316は、操作表示パネル340を介してユーザが入力するシート1の属性(種類、厚さ、坪量などシート加工に影響を与えるシート1に関する情報群)を制御手段311が備える記憶領域に格納させる。また、加工条件設定手段316は、制御手段311がシート加工処理を制御するときの動作条件の設定を保持する。なお加工条件には様々な条件が含まれる。例えば、シート1に対する切断加工を行うときに、いわゆる「フルカット」とするか「ハーフカット」などの加工度合いを表す情報である。また、筋付け加工の場合であれば、筋目深さが加工条件に相当し、筋の強弱などの加工量を表す情報である。
CPU310によって実行される制御プログラムからなる制御部31によって、上記の各機能手段が構成され、それぞれが制御処理を実行する。この制御処理によって、シート1を搬送しながら切断ツール111と筋付けツール112を移動させ、選択的に接離動作を行うことができる。この接離動作によって任意に二次元の軌跡をシート1に描きながら、シート1に所望する位置で筋付け加工を行い、所望する形状で切断加工をする、シート加工処理を実行することが可能になる。
[搬送制御量の演算部]
次に本実施形態に係る加工処理装置100が備える搬送制御量更新手段としての搬送制御量演算部3110について、図10を用いて説明する。搬送制御量演算部3110は、制御手段311に含まれる機能ブロックの一つであり、シート加工ツール105及びシート1の搬送制御量を演算によって算出する。なお、搬送制御量演算部3110は制御手段311の外部に設けられてもよい。
図10に例示するように、搬送制御量演算部3110は、カット処理やクリース処理(筋付け処理)の開始指示をトリガーとして搬送制御量の演算を開始するメイン演算部3111と、メイン演算部3111からの指示に基づいて搬送制御量を計算するサブ演算部3112と、を含む。また、搬送制御量演算部3110は、加工状態情報入力部3113、搬送状態情報入力部3114、その他状態情報入力部3115、を含む。さらに、搬送制御量演算部3110は、外部からの指定値の入力を受け付ける指定情報入力部3116を含む。
メイン演算部3111は、演算に用いられる情報の入力処理、演算条件の分岐判定処理、演算結果の出力、すなわち「搬送制御量」を算出して出力する出力処理を実行する。ツール移動手段314や、シート移動手段315は、メイン演算部3111が出力する搬送制御量に基づいて、シート加工ツール105の搬送(移動)制御や、シート1の搬送(移動)は制御を実行する。
なお、メイン演算部3111における演算開始のトリガーは、シート1の移動処理中に変化する条件が含まれている演算を必要とする場合は、シート加工に係る直線加工や曲線加工を行うために、シート加工ツール105のシート1に対する相対的な直線移動又は曲線移動を開始する指示を受けた時に、搬送制御量の演算を開始してもよい。
サブ演算部3112は、メイン演算部3111が取得した各状態情報及び参照テーブル3117を参照して取得した係数を用いて、搬送制御量を算出するための計算を実行する。サブ演算部3112において実行される計算は、予め設定されている計算式に基づくもの、参照テーブル3117から取得された係数を用いるものなどが想定される。サブ演算部3112は所定の計算処理をした結果を、メイン演算部3111に通知する。
加工状態情報入力部3113は、加工対象となるシート1に対して設定されている種別情報などをメイン演算部3111に入力する。「シート1に対して設定されている種別情報」とは、操作表示パネル340を用いてユーザが予め指定したシート1の種類や、シート1の種類に対応する厚み又は坪量などであって、ユーザが任意に指定することができるシート1に関する情報である。この情報によって、シート1の搬送状態は影響を受ける。言い換えると、「シート1に対して設定されている種別情報」とは、シート1へのシート加工において位置ズレの影響にあり得る情報であって、シート1に特性に関連する情報をいう。シート1の厚みなどは、シート加工中におけるX軸駆動モータ121への負荷やシート加工中における搬送ローラ対150及び第一対向ローラ131と第二対向ローラ132における負荷が変動する。そこで、加工条件として設定されるシート1の種別を示す情報を反映させて搬送制御量を更新することで、より正確な搬送制御を行うことができる。
搬送状態情報入力部3114は、操作表示パネル340を介してユーザが予め設定したシート1の「加工条件」に含まれるシート1の種別(厚みや坪量)を示す情報に基づいてシート加工中における搬送条件や搬送状態に関する情報をメイン演算部3111に入力する。また、操作表示パネル340を介してユーザが予め設定したシート1の加工条件(加工内容)に基づいて、シート加工中における搬送条件や搬送状態に関する情報をメイン演算部3111に入力する。シート1の加工条件によって、シート加工中における搬送ローラ対150及び第一対向ローラ131と第二対向ローラ132における負荷が変動する。また、シート1への加工内容によって、シート加工中におけるX軸駆動モータ121の負荷が変動する。この負荷の変動を搬送状態や搬送条件として、搬送制御量の算出に用いることで、シート1への加工条件に基づいて変動し得る搬送条件や搬送状態を反映させて搬送制御量を更新することができるので、より正確な搬送制御を行うことができる。
なお、搬送状態には、シート1の搬送速度、切断ツール111や筋付けツール112の刃の移動速度が含まれる。また、搬送状態には、加工条件に基づいて規定される、切断ツール111や筋付けツール112のシート1に対する相対的な移動方向としての加工方向が含まれる。加工方向とは、シート1に対して切断ツール111や筋付けツール112がY方向(縦方向)、X方向(横方向)、これらを複合した斜め方向などを含む。
また、搬送制御量の更新のために演算処理において用いられる「搬送状態」には、例えば、シート1を搬送する搬送手段を構成する各ローラの種類を示す情報も含まれる。また、シート1を挟持してY方向に往復搬送させる各ローラの数や位置、配置関係も「各ローラの種類を示す情報」に含める。シート1を挟持するローラ数、それぞれの位置関係(配置間の距離)によって、シート1の搬送力は大きく異なるので、これらを搬送制御量の算出に用いる条件として反映させることで、より正確な搬送制御量を算出できる。
また「搬送状態」には、搬送手段を構成するローラの動作が、加工手段としてシート加工ツール105に対してシート1を「引張」によって搬送させるのか、「押し込み」によって搬送させるのか、いずれの搬送方法であるかを示す情報も含まれる。ローラの動作が、「押し込み」の場合はシート1にたわみが発生し、「引張」と搬送制御量が大きく変わる。そこで、これらを搬送制御量の算出に用いる条件として反映させることで、より正確な搬送制御量を算出できる。
また「搬送状態」には、シート加工の対象物としてのシート1の搬送時の姿勢が「ストレート」か「カーブ」などを示す情報も含む。シート1の加工時の搬送姿勢の差異によってシート1を搬送する搬送手段に加わる負荷が異なる。例えば「カーブ」は「ストレート」よりも負荷が高くなるので、同じ搬送制御量で搬送させると搬送量(搬送距離)が短くなる。そこで、これらを搬送制御量の算出に用いる条件として反映させることで、より正確な搬送制御量を算出できる。
また「搬送状態」には、シート1の加工面に画像が形成されているか否かを示す情報や、形成されている画像の濃度に関する情報も含む。シート1の加工面に筋付けツール112が接触しながら相対的に移動することで筋付け加工を施すので、加工面に形成されている画像の濃度によって搬送負荷は変動する。そこで、これらを搬送制御量の算出に用いる条件として反映させることで、より正確な搬送制御量を算出できる。なお、シート1の加工面に対する画像形成の有無の検出、及び形成されている画像の濃度の検出は、加工ツール動作部110にイメージセンサ(カメラ)などを搭載すればよい。搬送状態情報入力部3114は、イメージセンサの出力結果に基づいて搬送状態に含む情報を生成して、メイン演算部3111に通知するようにすればよい。
なお、検知手段としてのイメージセンサは、図4に例示するシート1の表面(シート1に対する加工側の面)の画像を取得するための画像センサ162のように、加工ツール動作部110に搭載されていて、シート加工時にシート1の表面を監視するものであればよい。
その他状態情報入力部3115は、操作表示パネル340を介してユーザが予め設定する「その他状態情報」をメイン演算部3111に入力する。なお「その他状態情報」とは、上述した情報(シート1の特性を示す情報や搬送条件などを示す情報以外の情報)であって、シート加工処理において加工位置に影響を与える情報をいう。
指定情報入力部3116は、操作表示パネル340に入力された特定の値をメイン演算部3111に入力する。
参照テーブル3117は、搬送制御量を演算するにあたり、メイン演算部3111に各入力部から入力された各種の状態情報に関連付けられている係数を格納する。参照テーブル3117は、メイン演算部3111が搬送制御量の算出において各入力部からの入力値ではなく、これに関連する係数を用いる必要があるときに参照され、格納された情報群の中から参照された係数をメイン演算部3111に返す。メイン演算部3111は参照テーブル3117を参照して得られた係数をサブ演算部3112に渡すことで、シート加工ツール105の搬送制御(移動制御)及びシート1の搬送制御(移動制御)に用いる搬送制御量に係数を反映させることができる。
[シート加工制御方法の実施形態]
次に、加工処理装置100において実行されるシート加工処理の制御の流れについてフローチャートを用いて説明する。図11は、シート1に対し形成された加工経路2に沿ってシート加工を実行するときの搬送制御量を算出する処理の流れを例示している。当該処理は、シート1を搬入側トレイ101にセットして、シート加工の実行開始が指示された後に続けて実行される処理である。
まず、メイン演算部3111が、各状態情報入力部(加工状態情報入力部3113,搬送状態情報入力部3114,その他状態情報入力部3115)から入力された情報を取り込む各種条件取得処理が実行される(S1101)。S1101では、加工状態情報入力部3113から、予め規定されている加工条件や、シート1の種別等であって加工処理において位置ズレを起こす原因なり得る要素として、加工状態に影響を与える条件を取り込む。また、搬送状態情報入力部3114は、シート移動手段315が制御手段311から通知される情報(シート1のY軸方向の移動方向、移動量、移動速度)等であって、加工処理において位置ズレを起こす原因なり得る要素として、搬送状態に影響を与える条件を取り込む。また、その他状態情報入力部3115からは、上記に列挙した以外の要素であって加工処理における位置ズレに影響を与える条件を取り込む。また、各種条件取得処理では、指定情報入力部3116から入力された情報(指定値)の取り込みや、参照テーブル3117を参照して得られた係数も取り込む。
続いて、サブ演算部3112が、メイン演算部3111がS1101において取り込んだ情報を一つ取り出す情報取出処理が実行される(S1102)。取り出した情報が搬送制御量の計算を行うときの「単独条件」に該当するか否かを判定する(S1103)。「単独条件」とは、シート加工を行うときに単一の情報によって搬送制御量を算出することができる条件をいう。すなわち、一つの条件だけで搬送制御量に反映すべき値、あるいは係数が求まるものをいう。
なお、「単独条件に該当しない」とは、複数の条件を複合させて用いなければ搬送制御量を算出できない条件をいう。したがって、多変数の公式や、多次元の表のように複数の条件を使って反映すべき値、あるいは係数を求める必要があるものについては「単独条件に該当しない」になる。
取り出した情報が「単独条件」でなければ(S1103:NO)、取り出された情報によって搬送制御量の算出のための必要条件が揃ったか否かを判定し(S1104)、必要条件が揃っていなければ(S1104:NO)、処理をS1102に戻す。
S1103において「単独条件」であるとき(S1103:YES)、また必要条件が全て揃ったとき(S1104:YES)、条件に基づいて搬送制御量を計算し、計算結果をすでに設定されている搬送制御量に反映させる(S1105)。
搬送制御量反映処理(S1105)では、サブ演算部3112が各条件を用いた計算に必要な情報(計算式やデータテーブル又はデータベース)を用いて搬送制御量を算出し、算出結果となる値を用いて搬送制御量を更新する。なお、「計算に必要な情報」は、制御装置300の記憶手段(ROM330など)に予め記憶されているので、これを参照することで得られる情報である。S1105の詳細な処理については後述する。
続いて、S1101において取り込まれた条件をすべて、搬送制御量に反映させたか否かを判定する(S1106)。全ての条件の反映が終了するまで処理をS1102に戻し(S1106:NO)、全ての条件の反映が終了したら(S1106:YES)、メイン演算部3111からツール移動手段314やシート移動手段315に対して搬送制御量を出力する。
[搬送制御量の反映]
次に、搬送制御量反映処理を詳細に説明する。図12は、搬送制御量反映処理(S1105)を詳細化したフローチャートである。以下の説明において「係数」とは、搬送制御量に反映させる値のことを意味している。
まず、搬送制御量に反映させる値が「固定値」であれば(S1201:YES)、その固定値を係数として使用する(S1202)。搬送制御量に反映させる値が「固定値」ではなく(S1201:NO)、所定の計算式に従って係数を決定するときは(S1203:YES)、計算式を参照して係数を算出する(S1204)。
計算式に従って係数を決定しないときであって(S1203:NO)、データテーブルを参照して係数を決定するときは(S1205:YES)、データテーブルを参照して係数を決定する(S1206)。データテーブルを参照しないときは(S1205:NO)、その他の手段を使用して係数を決定する(S1207)。
以上のいずれかの条件分岐によって決定された係数を搬送制御量に乗算して、搬送制御量を更新する(S1208)。なお、S1208の処理は、S1202、S1204、S1206、S1207において決定される係数を一つだけ使用して搬送制御量を更新する場合のみに限定されるものではない。多変数の式や多次元の表などを用いて複数の条件を使用して実行する場合もある。また、用いる条件(係数)によっては、S1208における搬送制御量の更新演算処理は、乗算ではなく加算、減算、除算など、乗算以外の演算を行うこともある。
S1208が終了すると、S1105の処理の1回分が終了となる。図11にて説明したフローチャートに元地、必要な条件数分同様の処理が繰り返される。
[画像形成システムの実施形態]
次に、本発明に係る画像形成システムの実施形態について図13を用いて説明する。図13は、本実施形態に係る画像形成システム10の外観を例示する側面図である。すでに説明をした加工処理装置100は、スタンドアローンのものとして使用可能なものではあるが、画像形成システム10に含まれるものでもよい。
画像形成システム10は、媒体供給手段12を有する画像形成装置11と、後処理装置13と、を有している。画像形成装置11は、媒体供給手段12から給送されるシート1に対して任意の画像を形成して、後処理装置13に向けて搬送する。なお、画像形成装置11は、記録媒体としてのシート1に対して画像を形成する材料(液体インクやトナーなど)を付着させる装置であって、例えば、電子写真方式に係るもの、インクジェット方式に係るもの、孔版印刷に係るもの、などである。
後処理装置13に加工処理装置100が備えられていれば、画像形成装置11において画像が形成されたシート1に対して上記にて説明をした第一加工及び第二加工が施されて、加工後のシート1が搬出される。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム10によれば、シート1に対して任意の画像が形成されたものを所定の加工経路2に沿って精度良くシート加工処理を行うことができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 :シート
2 :加工経路
10 :画像形成システム
11 :画像形成装置
12 :媒体供給手段
13 :後処理装置
31 :制御部
100 :加工処理装置
101 :搬入側トレイ
102 :搬出側トレイ
105 :シート加工ツール
110 :加工ツール動作部
111 :切断ツール
112 :筋付けツール
113 :第一ツールホルダ
114 :第二ツールホルダ
115 :第一接触離間アクチュエータ
116 :第二接触離間アクチュエータ
120 :ツール移動部
121 :X軸駆動モータ
122 :出力タイミングプーリ
123 :第一タイミングベルト
124 :減速タイミングプーリ
125 :第一加工ツール移動プーリ
126 :第二タイミングベルト
127 :第二加工ツール移動プーリ
128 :加工ツール移動部材
129 :加工ツール移動案内軸
130 :ツール対向部
131 :第一対向ローラ
132 :第二対向ローラ
133 :第一挟持ローラ
134 :第二挟持ローラ
150 :搬送ローラ対
151 :第一搬送ローラ対
152 :第二搬送ローラ対
162 :画像センサ
201 :分岐爪
202 :スイッチバック
203 :湾曲搬送ガイド板
300 :制御装置
310 :CPU
311 :制御手段
312 :カッターツール接離手段
313 :筋付けツール接離手段
314 :ツール移動手段
315 :シート移動手段
316 :加工条件設定手段
320 :RAM
330 :ROM
340 :操作表示パネル
350 :I/F
351 :カッターツールドライバ
352 :筋付けツールドライバ
353 :ツール移動ドライバ
354 :シート搬送ドライバ
3110 :搬送制御量演算部
3111 :メイン演算部
3112 :サブ演算部
3113 :加工状態情報入力部
3114 :搬送状態情報入力部
3115 :その他状態情報入力部
3116 :指定情報入力部
3117 :参照テーブル
Pi :矢印
Po :矢印
特開2005-246562号公報

Claims (12)

  1. シート材を加工するシート加工装置であって、
    前記シート材を搬送する搬送手段と、
    前記シート材を加工する加工手段と、
    前記シート材に前記加工手段を接離させる加工具接離手段と、
    前記シート材の搬送方向との交差方向に前記加工手段を移動させる加工具移動手段と、
    前記シート材の加工状態又は搬送状態に応じて前記搬送手段及び前記加工具移動手段における制御量を更新する搬送制御量更新手段と、
    を備えることを特徴とするシート加工装置。
  2. 前記搬送手段及び前記加工具移動手段は、パルス信号に基づいて動作する駆動源を有し、
    前記搬送制御量更新手段は、前記駆動源の動作量を規定するパルス数を更新する、
    請求項1に記載のシート加工装置。
  3. 前記搬送状態には、前記シート材の搬送時と前記シート材に対する加工時において前記搬送手段と前記加工具移動手段に加わる負荷の大きさを示す情報を含む、
    請求項1又は2に記載のシート加工装置。
  4. 前記搬送状態には、前記シート材の搬送速度と前記加工手段の移動速度を示す情報を含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  5. 前記搬送状態には、前記シート材に対する前記加工手段の相対的な移動方向を示す情報を含む、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  6. 前記搬送手段は、複数のローラを含み、
    前記搬送状態には、前記ローラの種別及び配置関係を示す情報を含む、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  7. 前記搬送状態には、前記ローラが前記加工手段に対し前記シート材を搬送させる搬送方法を示す情報を含む、
    請求項6に記載のシート加工装置。
  8. 前記搬送状態には、前記シート材の加工時の搬送姿勢を示す情報を含む、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  9. 前記シート材の加工面に対する画像の形成の有無及び当該画像の濃度を検知する検知手段を備え、
    前記搬送状態には、前記検知手段において検知される前記シート材の加工面に対する画像形成の有無及び形成された画像の濃度を示す情報を含む、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  10. 前記搬送状態には、前記シート材の厚みを含む種別を示す情報を含む、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  11. 前記加工状態及び前記搬送状態を指定する固定値を入力する入力手段を備え、
    前記搬送制御量更新手段は、前記固定値に基づいて制御量を更新する、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシート加工装置。
  12. 画像を形成する画像形成装置と、前記画像が形成されたシート材を加工するシート加工装置と、を備える画像形成システムであって、
    前記シート加工装置が、請求項1乃至11のいずれか一項に記載されたシート加工装置であることを特徴とする画像形成システム。
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