JP2022020037A - 耐震壁 - Google Patents

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Masahiko Morita
浩 梅森
Hiroshi Umemori
武 御所園
Takeshi Goshozono
正弘 稲山
Masahiro Inayama
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Abstract

【課題】施工手間を軽減できる木質耐震壁を提供すること。【解決手段】木質耐震壁1は、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁架構2の構面内に設けられる。木質耐震壁1は、柱梁架構2内に設けられた、木質板からなる矩形状の木質壁部10と、木質壁部10の出隅部に設けられて柱梁架構2に接合される壁補強部20と、木質壁部10と柱梁架構2との間をセメント系材料で塞いだ閉塞部30と、を備え、木質壁部10は、壁補強部20および閉塞部30を介して、柱梁架構2に接合される。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁架構の構面内に設けられる木質の耐震壁に関する。
従来より、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の柱梁架構の構面内に木質の耐震壁を設ける場合がある。
この柱梁架構に水平力が作用した場合、図17(a)に示すように、木質耐震壁には回転しようとする力が働く。この木質耐震壁の上下端部は梁で押さえられており、これにより、木質耐震壁には支圧応力が生じて、回転に抵抗するモーメントが生じる(壁の回転による抵抗)。また、図17(b)に示すように、木質耐震壁の上下端を梁に固定すると、この固定度合いにより曲げ応力が生じて、水平力に抵抗する(壁の曲げによる抵抗)。
これら2つの抵抗要素を確保するため、木質耐震壁を柱梁架構に固定することが重要となる。
そこで、特許文献1では、木質壁の上下端面や側端面に凸部および凹部を形成しておき、この木質壁の凸部および凹部を鉄筋コンクリート造の柱梁架構の凹部や凸部に係合させる。また、特許文献2では、木質壁に凹部および挿通孔を設け、この挿通孔に引きボルトを挿入して鉄骨梁に接合することで、木質壁を柱梁架構に接合する。あるいは、木質壁にスリットおよび貫通孔を設け、このスリットに鉄骨梁から延びるプレートを挿入し、貫通孔にドリフトピンを圧入することで、木質壁を柱梁架構に接合する。
しかしながら、特許文献1、2の構成では、木質壁自体に大幅な加工が必要であり、施工手間がかかっていた。
特開2016-216899号公報 特開2019-65685号公報
本発明は、建物の柱梁架構内に設置された木質耐震壁を提供することを課題とする。
本発明者らは、少なくとも一部がコンクリート構造である柱梁架構内に設ける木質の耐震壁として、木質壁部の上下端面に閉塞部を設け、木質壁部の出隅部に壁補強部を設けることで、柱梁架構に水平力が作用した場合、木質壁部の回転による抵抗モーメントおよび木質壁部の曲げにより水平力に対して抵抗し、耐震壁に高い剛性および高い強度を確保できる点に着目して、本発明に至った。
第1の発明の耐震壁(例えば、後述の木質耐震壁1、1A、1B、1C)は、少なくとも一部がコンクリート構造である柱梁架構(例えば、後述の柱梁架構2、2A)の構面内に設けられる耐震壁であって、前記柱梁架構内に設けられた、木質板からなる矩形状の木質壁部(例えば、後述の木質壁部10、10C)と、前記木質壁部の出隅部に設けられて前記柱梁架構に接合される壁補強部(例えば、後述の壁補強部20、20A、20B)と、前記木質壁部と前記柱梁架構との間をセメント系材料で塞いだ閉塞部(例えば、後述の閉塞部30)と、を備え、前記木質壁部は、前記壁補強部および前記閉塞部を介して、前記柱梁架構に接合されることを特徴とする。
本発明の少なくとも一部がコンクリート構造とは、鉄筋コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造、およびコンクリート充填鋼管構造を含む。また、本発明の柱梁架構では、柱および梁の少なくとも一方が鉄筋コンクリート構造であればよい。
この発明によれば、木質板からなる木質壁部の出隅部に壁補強部を取り付け、この壁補強部を介して、木質壁部を柱梁架構に接合した。よって、木質壁部に大幅な加工が必要ないので、施工手間を軽減できる。
また、木質壁部の上下端面を閉塞部で塞いだので、柱梁架構に水平力が作用した場合、この閉塞部および壁補強部を介して、柱梁架構から木質壁部に押圧力が伝わることになる。よって、木質壁部に支圧応力が生じて、木質壁部に回転による抵抗モーメントが生じ、木質壁部の変形が抑制される(壁の回転による抵抗)。
また、柱梁架構に水平力が作用した場合、壁補強部により、この水平力が木質壁部の出隅部に確実に伝達される。よって、木質壁部の曲げによりこの水平力に対して抵抗できる(壁の曲げによる抵抗)。
第2の発明の耐震壁は、前記壁補強部は、前記柱梁架構に接合される架構接合部(例えば、後述の架構接合部21)と、前記架構接合部から鉛直方向に延びて前記木質壁部の側端面に接合される壁接合部(例えば、後述の壁接合部22)と、を備え、前記架構接合部は、前記柱梁架構にボルト接合されることを特徴とする。
この発明によれば、壁補強部を、柱梁架構に接合される架構接合部と、木質壁部の側端面に接合される壁接合部と、を含んで構成し、この架構接合部を柱梁架構にボルト接合した。このように架構接合部を柱梁架構にボルトで強固に接合したので、壁補強部を介して、柱梁架構に作用した水平力を確実に木質壁部に伝達でき、剛性と強度に優れた木質耐震壁を実現できる。
第3の発明の耐震壁は、前記壁補強部と前記木質壁部とは、ビス接合、ボルト接合、および、前記壁補強部の凸部を前記木質壁部の凹部に係合させるコッター接合のうち、少なくとも1つ以上で接合されていることを特徴とする。
この発明によれば、壁補強部と木質壁部とを、ビス接合、ボルト接合、およびコッター接合のうち少なくとも1つによって接合したので、壁補強部と木質壁部とを強固に接合でき、木質耐震壁の強度を高めることができる。
本発明によれば、建物の柱梁架構内に設置された木質耐震壁を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る木質耐震壁の正面図である。 図1の木質耐震壁の破線Aで囲んだ部分の拡大図である。 木質耐震壁の壁補強部の部分拡大側面図である。 図3の壁補強部のB-B断面図およびC-C断面図である。 本発明の木質耐震壁に水平力が作用した場合の挙動を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る木質耐震壁の正面図である。 図6の木質耐震壁の破線Dで囲んだ部分の拡大図である。 木質耐震壁の壁補強部同士の接合部の拡大図およびE-E矢視図である。 本発明の第3実施形態に係る木質耐震壁の正面図である。 図9の木質耐震壁の破線Fで囲んだ部分の拡大図である。 木質耐震壁のコッター部の拡大図およびG-G断面図である。 本発明の木質耐震壁の試験体1についての水平加力試験の試験結果である。 試験体1~3のせん断力-層間変形関係をバイリニアモデルで表わした図である。 本発明の第4実施形態に係る木質耐震壁の正面図である。 本発明の変形例に係る木質耐震壁の正面図である。 本発明の変形例に係る木質耐震壁の壁補強部と梁との接合部分の拡大図である。 従来の耐震壁に水平力が作用した場合の挙動を説明するための図である。
本発明は、少なくとも一部にコンクリート構造を含む柱梁架構の構面内に設ける木質の耐震壁である。本発明の木質耐震壁は、矩形状の木質壁部と、木質壁部の出隅部に設けられる壁補強部と、木質壁部と柱梁架構との間に設けられた閉塞部と、を含んで構成される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る木質耐震壁1の正面図である。
木質耐震壁1は、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁架構2の構面内に設けられる。
柱梁架構2は、一対の鉄骨鉄筋コンクリート柱3と、この一対の鉄骨鉄筋コンクリート柱3間に架設された鉄骨梁4と、を備える。
木質耐震壁1は、柱梁架構2内の水平方向中央部に設けられた木質板からなる矩形状の木質壁部10と、木質壁部10の四つの出隅部に設けられて柱梁架構2の鉄骨梁4に接合される壁補強部20と、木質壁部10と柱梁架構2の鉄骨梁4との間をセメント系材料で塞いだ閉塞部30と、を備える。
木質壁部10を構成する木質板は、例えば、CLTや合板などの木質系面材である。CLT(Cross Laminated Timber)は、木材から切り出したひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層して接着したものである。合板は、木材から切り出した単板を繊維方向が直交するように積層して接着したものである。
図2は、図1の木質耐震壁1の破線Aで囲んだ部分の拡大図である。
壁補強部20は、柱梁架構2に接合される架構接合部21と、架構接合部21から鉛直方向に延びて木質壁部10の側端面に接合される壁接合部22と、架構接合部21および壁接合部22を補剛する補剛部23と、を備える。
図3は、壁補強部20の部分拡大側面図であり、図4(a)は、図3の壁補強部20のB-B断面図であり、図4(b)は、図3の壁補強部20のC-C断面図である。
架構接合部21は、柱梁架構2の鉄骨梁4のフランジに沿って設けられた板状部材であり、この鉄骨梁4のフランジに複数のボルト24で接合されている。
壁接合部22は、木質壁部10の出隅部の側端面11に沿って延びる板状であり、この側端面11に複数のビス25で接合されている。これらのビス25は、上下方向に所定間隔おきに複数列で設けられている。
補剛部23は、架構接合部21から略鉛直に延びる板状の第1補剛片40および第2補剛片41と、第1補剛片40および第2補剛片41の上端部から略水平に延びて壁接合部22に接合された板状の第3補剛片42と、を備える。具体的には、第1補剛片40は、架構接合部21および壁接合部22に略垂直に延びている。第2補剛片41は、第1補剛片40および架構接合部21に略垂直に延びている。第3補剛片42は、第1補剛片40、第2補剛片41、および壁接合部22に略垂直に延びている。
壁接合部22のうち補剛部23から所定距離離れた部分は、幅が狭い絞り部26となっている。
閉塞部30は、図3に示すように、柱梁架構2の鉄骨梁4に溶接固定されたスタッド31にメッシュ筋32を配筋し、グラウト材を充填したものである。
このように、木質壁部10は、壁補強部20および閉塞部30を介して、柱梁架構2に接合されている。
以上の木質耐震壁1は、柱梁架構2に水平力が作用した場合、以下のように動作する。すなわち、木質壁部10の上下端面と鉄骨梁4との隙間を閉塞部30で塞いだので、図5(a)に示すように、閉塞部30を介して、柱梁架構2の鉄骨梁4から木質壁部10に押圧力が伝わるから、木質壁部10に支圧応力が生じて、木質壁部10に回転による抵抗モーメントが生じる(壁の回転による抵抗)。なお、この閉塞部30は、鉄骨梁4の耐火被覆としても機能する。
また、図5(b)に示すように、壁補強部20により、この水平力が木質壁部10の出隅部に確実に伝達される。よって、木質壁部10の曲げによりこの水平力に対して抵抗できる(壁の曲げによる抵抗)。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)木質板からなる木質壁部10の四隅に壁補強部20を取り付け、これら壁補強部20を介して、木質壁部10を柱梁架構2に接合した。よって、木質壁部10に大幅な加工が必要ないので、施工手間を軽減できる。
また、上述のように、柱梁架構2に水平力が作用した場合、木質壁部10の回転による抵抗や木質壁部10の曲げにより、この水平力に対して抵抗できる。また、木質壁部10の出隅部に設けた壁補強部20が、この出隅部に局所的に生じる圧縮応力に抵抗し、この木質壁部10の出隅部に生じる応力を柱梁架構に伝達可能である。
(2)壁補強部20を、柱梁架構2に接合される架構接合部21と、木質壁部10の側端面11に接合される壁接合部22と、を含んで構成し、この架構接合部21を柱梁架構2の鉄骨梁4にボルト24で接合した。このように架構接合部21を柱梁架構2にボルト24で強固に接合したので、ボルト24のせん断抵抗により、柱梁架構2に作用した水平力が壁補強部20を介して確実に木質壁部10に伝達され、剛性と強度に優れた木質耐震壁1を実現できる。
(3)壁接合部22と木質壁部10とを、複数のビス25で接合したので、壁接合部22と木質壁部10とを強固に接合でき、木質耐震壁1の強度を高めることができる。
(4)壁接合部22に幅が狭い絞り部26を設けたので、壁接合部22が曲げ降伏する場合には、この絞り部26で引張降伏するから、壁接合部22のビス25を設けた部分に影響を及ぼすことなく降伏させることができる。
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る木質耐震壁1Aの正面図である。図7は、図6の木質耐震壁1Aの破線Dで囲んだ部分の拡大図である。
本実施形態では、壁補強部20Aが木質壁部10に接着されている点、および、上下の壁補強部20A同士が接合されている点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、各壁補強部20Aは、木質壁部10の側端面に接着されている。なお、本実施形態では、ビス25は、壁補強部20Aと木質壁部10との接着面に圧力をかけるためのものであるため、このビス25の本数は、第1実施形態よりも少なくなっている。
図8(a)は、壁補強部20A同士の接合部の拡大図である。図8(b)は、図8(a)のE-E矢視図である。
上下の壁補強部20Aの壁接合部22の先端部同士の間には、一対のスプライスプレート50が重ねて配置されており、これらスプライスプレート50で壁接合部22を挟み込んでボルト51を締め付けることで、上下の壁補強部20A同士が接合されている。なお、木質壁部10には、スプライスプレート50およびボルト51を収納するための凹部12が形成されている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(4)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)壁接合部22同士を一対のスプライスプレート50を介して連結したので、上下の壁接合部22が一体化され、木質壁部10と壁接合部22との接合が一部分離しても、上側の壁補強部20の壁接合部22と下側の壁補強部20の壁接合部22とが一体となって木質壁部10の変形を拘束し、木質耐震壁1の形状を保持することができる。したがって、木質耐震壁1Aの構造性能の急激な低下を防止できる。
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る木質耐震壁1Bの正面図である。図10は、図9の木質耐震壁1Bの破線Fで囲んだ部分の拡大図である。
本実施形態では、壁補強部20Bが木質壁部10にコッター部60で係合している点が、第2実施形態と異なる。
図11(a)は、コッター部60の拡大図である。図11(b)は、図11(a)のコッター部60のG-G断面図である。
コッター部60は、壁補強部20Bの壁接合部22から略水平に延びる板状の下側係止片61および上側係止片62と、これら下側係止片61と上側係止片62とを連結する略鉛直に延びる第4補剛片63および第5補剛片64と、を備える。
第4補剛片63は、壁接合部22、下側係止片61、および上側係止片62に略垂直に設けられている。第5補剛片64は、第4補剛片63、下側係止片61、および上側係止片62に略垂直に設けられている。
木質壁部10には、凹部13が形成されており、コッター部60は、この凹部13に挿入されて係合している。なお、コッター部60の下側係止片61および上側係止片62と凹部13との隙間には、がたつきがないように、エポキシ系樹脂が充填されている。
また、壁接合部22には、ビスが設けられておらず、この壁接合部22の面外方向の曲げを防止するために、鉛直方向に延びる二つのリブ27が設けられている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(5)と同様の効果がある。
〔水平加力試験〕
本発明の木質耐震壁について、実大試験体を製作し、この実大試験体を用いて水平加力試験を行った。
本試験では、3つの試験体を製作した。試験体1は、第1実施形態と同様の構成とした。試験体2は、第2実施形態と同様の構成とした。試験体3は、第3実施形態と同様の構成とした。各試験体の木質壁部は、S60-7-7(スギ)のCLTを用いて、壁幅1800mm、壁高さ4000mm、壁厚180mmとした。また、壁補強部は、SN490とし、耐力は木質壁部の側端面に接合される壁接合部の元端(絞り部)降伏(降伏点377N/mm)で設計した。また、閉塞部はグラウトモルタルを充填して形成した。
本試験は、上述の3つの試験体に、20MNの加力試験機を用いて、せん断変形角1/600、1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50、1/30radで3回の正負交番繰り返し載荷とした。
図12は、試験体1についての試験結果(せん断力-層間変形関係)を示す。図12より、正加力側の領域においては、層間変形角1/30rad(層間変形130mm)付近に至るまで、せん断力が保持されていることが判る。また、せん断力-層間変形関係は、大きな履歴ループとなっており、本発明の耐震壁が優れたエネルギー吸収性能を有することが確認できた。
図13は、試験体1~3の正加力側の領域におけるせん断力-層間変形関係をバイリニアモデルで表わしたものである。初期剛性は、高い方から、試験体2(Type2)、試験体3(Type3)、試験体1(Type1)となったが、各試験体に大きな差は認められなかった。よって、本発明の木質耐震壁は、優れた構造性能を確保できることが確認できた。
〔第4実施形態〕
図14は、本発明の第3実施形態に係る木質耐震壁1Cの正面図である。
本実施形態では、木質壁部10を柱梁架構2内の水平方向一端側に寄せて設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、本実施形態では、木質壁部10が図14中右側端部に寄っており、木質壁部10Cの左側の側端面11は、鉄骨鉄筋コンクリート柱3に当接している。したがって、壁補強部20が木質壁部10の図14中左側の上下の出隅部のみに設けられている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(4)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施形態では、木質耐震壁1、1A、1B、1Cを鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁架構2に設けたが、これに限らず、木質耐震壁1~1Cを鉄筋コンクリート造、鉄骨造、コンクリート充填鋼管構造などの柱梁架構に設けてもよい。具体的には、木質耐震壁1を鉄筋コンクリート造の柱梁架構2Aに設ける場合、以下のようになる。すなわち、図15および図16に示すように、柱梁架構2Aは、一対の鉄筋コンクリート柱5と、この一対の鉄筋コンクリート柱5間に架設された鉄筋コンクリート梁6と、を備える。壁補強部20の架構接合部21は、鉄筋コンクリート梁6にアンカーボルト28を打ち込み、このアンカーボルト28にナット29を締め付けることで、鉄筋コンクリート梁6に固定されている。また、閉塞部30は、鉄筋コンクリート梁6にアンカー33を打ち込み、このアンカー33にメッシュ筋32を配筋し、グラウト材を充填することで、形成されている。このようにしても、上述の(1)~(4)と同様の効果がある。
1、1A、1B、1C…木質耐震壁 2、2A…柱梁架構
3…鉄骨鉄筋コンクリート柱 4…鉄骨梁 5…鉄筋コンクリート柱
6…鉄筋コンクリート梁
10、10C…木質壁部 11…側端面 12…凹部 13…凹部
20、20A、20B…壁補強部 21…架構接合部 22…壁接合部
23…補剛部 24…ボルト 25…ビス 26…絞り部 27…リブ
28…アンカーボルト 29…ナット
30…閉塞部 31…スタッド 32…メッシュ筋 33…アンカー
40…第1補剛片 41…第2補剛片 42…第3補剛片
50…スプライスプレート 51…ボルト
60…コッター部 61…下側係止片 62…上側係止片
63…第4補剛片 64…第5補剛片

Claims (3)

  1. 少なくとも一部がコンクリート構造である柱梁架構の構面内に設けられる耐震壁であって、
    前記柱梁架構内に設けられた木質板からなる矩形状の木質壁部と、
    前記木質壁部の出隅部に設けられて前記柱梁架構に接合される壁補強部と、
    前記木質壁部と前記柱梁架構との間をセメント系材料で塞いだ閉塞部と、を備え、
    前記木質壁部は、前記壁補強部および前記閉塞部を介して、前記柱梁架構に接合されることを特徴とする耐震壁。
  2. 前記壁補強部は、前記柱梁架構に接合される架構接合部と、
    前記架構接合部から鉛直方向に延びて前記木質壁部の側端面に接合される壁接合部と、を備え、
    前記架構接合部は、前記柱梁架構にボルト接合されることを特徴とする請求項1に記載の耐震壁。
  3. 前記壁補強部と前記木質壁部とは、ビス接合、ボルト接合、および、前記壁補強部の凸部を前記木質壁部の凹部に係合させるコッター接合のうち、少なくとも1つ以上で接合されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震壁。
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