JP2022015232A - クランプ及びサドルの固定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、サドル継手は、通常EF(エレクロトフュージョン)継手として構成されており、サドル本体の内部に配した電熱線に通電してこれを発熱させることにより、サドル継手と本管の界面を溶融して両者を接合するように構成されている。
本発明に係るクランプは、間隔をあけて配置された2つのバンド部と、前記2つのバンド部の第1の端同士を接続する第1のクランプ片と、を備える本体部材と、前記2つのバンド部それぞれの第2の端に形成された穴に配置されるシャフト部を備える回転部材と、を備え、2つの前記穴の少なくとも片方には、前記バンド部を前記穴から、前記穴の軸に直交する方向に貫通する切り欠きが設けられている。
よって、円筒状の管に複数のサドルを連続させて融着でき、施工スピードを速くできる。また、クランプを安価にすることにより、管にサドルを融着した後、クランプをサドルに取り付けた状態にできる。これにより、クランプをサドルから取り外す手間がなくなり、施工スピードを速くできる。
さらに、本体部材と回転部材とは、クランプを固定する直前まで別体となっている。このことから、万が一本体部材及び回転部材のいずれかに異常が見つかった際に、そのいずれかのみを交換することで対応することができる。
(第1実施形態)
図1から図3に示すように、サドル継手1は、例えば、水道水やガスを流通させる本管(管)10に枝管(分岐管)12を接続する継手である。サドル継手1は、通常、EF継手(エレクロトフュージョン継手、電気融着継手)として構成されている。サドル継手1は、サドル2が本管10に密着され、サドル2の内部に設けられた電熱線4(図5参照)を発熱させることにより、サドル2と本管10とが融着されるように構成されている。サドル2と本管10とが融着されることにより、サドル2の分岐管部18に枝管12を接続して、本管10に枝管12が接続される。
以下、本管10の軸方向を「軸方向」、本管10の径方向を「径方向」、本管10の周方向を「周方向」として説明することもある。また、本管10の軸に直交する方向の一方側を「第1側」、他方側を第1側の反対側である「第2側」として説明する。
サドル本体15は、本管10に沿って半径Rの湾曲に形成され、本管10のうち第1側の外周面10aに融着される。サドル本体15の中央には、本管10と枝管12とを連通させるための円形の孔(不図示)が形成されている。サドル本体15には、円形の孔の外周縁に沿って分岐管部18が形成されている。分岐管部18は、円形の孔の外周縁から本管10の径方向外側(第1側)に向けて突出されている。
サドル本体15には、軸方向において分岐管部18の両側に、端子5,5が設けられている。端子5,5は、サドル本体15に埋設された電熱線4と接続されている。
サドル本体15、第1のサドル鍔16、および第2のサドル鍔17は、軸方向の長さ(すなわち、軸長さ)L1に形成されている。すなわち、サドル2は、軸方向の長さ(すなわち、軸長さという)L1に形成されている。
クランプ3は、本体部材3aと、回転部材28と、を備えている。図6に示すように、本体部材3aは、間隔をあけて配置された一対の弾性バンド(バンド部)24、弾性バンド24の第1の端同士を接続する第1のクランプ片22、弾性バンド24の第2の端同士を接続する第2のクランプ片23と、を備えている。クランプ3は、一対の位置決め突起25と、穴35(図6も参照)と、切り欠き36と、を更に備えている。
クランプ3(回転部材28を除く)を熱可塑性樹脂製の一体成形部材とすることにより、クランプ3の部材構成を少なくしてクランプ3を安価にできる。また、第1のクランプ片22および第2のクランプ片23と、弾性バンド24と、が回転部材28を介さず一体的であることにより、クランプ3全体の形状が安定する。その結果、例えば、施工時において片手での操作を実現すること等ができる。
連結部32は、接触面32aと、凹部(回り止め)34と、を有する。連結部32の接触面32aは、サドル本体15(図1参照)の外周面に沿って接触可能に湾曲に形成されている。凹部34は、連結部32の軸方向の中央に形成されている。凹部34は、連結部32において、サドル本体15の反対側に開口するとともに、弾性バンド24側の面32bから弾性バンド24の反対側の面32cにかけて貫通されている。
これにより、第2のクランプ片23の両端部に設けられた接続部33は、第2のサドル鍔17の両端から軸方向に離れた位置に配置されている。第2のクランプ片23は、第2のサドル鍔17に第1側から対向するように配置される。なお第2のクランプ片23の軸長さL2は、第1のクランプ片22の軸長さL2と等しい。
弾性バンド24は、本管10に対して、第1側(すなわち、サドル2)の反対側である第2側に配置されている。
第1の傾斜バンド部24bは、湾曲バンド部24aの一端部から第1のクランプ片22まで傾斜状に延びている。第1の傾斜バンド部24bは、第1のクランプ片22のうち、第1のサドル鍔16に接触する面22aにおいて、軸方向の両端部に連結されている。
第2の傾斜バンド部24cは、湾曲バンド部24aの他端部から接続部33まで傾斜状に延びている。第2の傾斜バンド部24cは、接続部33のうち、連結部32の反対側の面33bに連結されている。
さらに、弾性バンド24に連結された第2のクランプ片23を、第2のサドル鍔17に対向させることにより、回転部材28を第2のサドル鍔17に容易に引っ掛けることができる。これにより、クランプ3をサドル2に容易に仮固定できる。
これらの第1の突起41および第2の突起42は、互いの中央において交差している。
また、第1実施形態では、弾性バンド24に第1の突起41、第2の突起42をそれぞれ1つ形成した例について説明するが、これに限らない、例えば、弾性バンド24に第1の突起41、第2の突起42を複数設けてもよい。
第1のサドル鍔16に一対の位置決め突起25が形成されることにより、本管10の軸方向において、クランプ3の中心をサドル2の中心に合わせる、あるいは近づける位置に簡単に配置できる。
このような、軸長さL1の異なる多種のサドル2に対応させて、位置決め突起25の位置が異なるクランプ3を射出成形するために、多種の金型を用意することは経済的に好ましくない。そこで、例えば、クランプ3の位置決め突起25がサドル2の軸長さL1に対応しない場合には、クランプ3から位置決め突起25を除去して使用するようにした。
よって、一種類の金型で成形したクランプ3を、軸長さL1の異なる多種のサドル2に適用させることができる。これにより、軸長さL1の異なる多種のサドル2に合わせて、多種のクランプ3を射出成形する必要がなく、多種のサドル2に適用するクランプ3を一種類の金型で兼用できる。
すなわち、金型に位置決め突起25用の入れ子を備える。クランプ3に位置決め突起25が必要な場合には、金型に位置決め突起25用の入れ子を配置することにより、クランプ3に位置決め突起25を一体成形できる。一方、クランプ3から位置決め突起25を除去する場合には、金型から位置決め突起25用の入れ子を外して、クランプ3に位置決め突起25を成形しないようにできる。
あるいは、クランプ3を金型で成形する際に、位置決め突起25をクランプにインサート成形してもよい。一方、位置決め突起25を必要としないクランプ3の場合には、クランプ3を金型で成形する際に、位置決め突起25をインサート成形しないことにより、クランプに位置決め突起25を形成しないようにする。
穴35は、第1側から第2側にかけての方向を長辺として、長方形状に形成されている。また、穴35は、接続部33を軸方向に貫通している。穴35の短辺の大きさは、回転部材28のシャフト部29を回転可能に保持するため、シャフト部29の幅よりも大きくなっている。また、穴35の長辺の大きさは、クランプ3を回転部材28によってサドル2に固定する際(後述する)にシャフト部29が穴35内で長辺方向に動くことを許容する程度に設定される。例えば、穴35の長辺と短辺の長さの比は、2:1であることが好ましい。
抑え部30は、軸方向を長手方向として延びている。抑え部30は、例えば、軸方向から見て長方形状をなしている。なお、長方形状は抑え部30の厚さ方向を短辺とすることが好ましい。また、長辺は短辺の3倍程度の長さを有することが好ましい。例えば、短辺(抑え部30の厚さ)が6mmであるのに対し、長辺が18~19mm程度であることが好ましい。詳細の寸法については、相手部品の仕様に合わせて適宜決定する。
第1実施形態においては、抑え部30の断面形状を、一例として、長方形状として説明するが、本発明はこれに限らない。その他の例として、長方形状を他の形状としてもよい。
また、シャフト部29の断面形状を、一例として、正方形状として説明するが、本発明はこれに限らない。その他の例として、正方形状を他の形状としてもよい。
例えば、シャフト部29の斜辺の長さが7.7mm(シャフト部29の一片の長さが6mmで、角には面取りR1を施している場合)に対し、穴35の短辺が8mmとすることが好ましい。
すなわち、まず、一方のシャフト部29を一方の穴35に挿入する。次に、他方のシャフト部29を他方の穴35に備えられた切り欠き36から挿入する。
また本実施形態のように、切り欠き36が両方の穴35に備えられている場合は、一対のシャフト部29を同時に穴35へ挿入してもよい。
図15に示すように、第1工程において、本管10のうち第1側の外周面10aにサドル2をかぶせる。本管10にかぶせたサドル2の第1のサドル鍔16に、クランプ3の第1のクランプ片22を第1側から引っ掛ける(係止する)。
この状態において、弾性バンド24が、本管10のうち第2側の外周面10bに嵌るように配置され、外周面10bに接触して弾性嵌合する。また、第1のクランプ片22が第1のサドル鍔16に引っ掛けられ、回転部材28の当接部28bが第2のサドル鍔17に引っ掛けられる。よって、クランプ3は、サドル2に安定的に仮固定される。
このとき、当接部30aが面32bを本管10の第1側へ押し上げることで、面32bと第2のサドル鍔17とのD方向の距離が徐々に大きくなる。すなわち、第2のクランプ片23が第2のサドル鍔17から離れるように矢印D方向に移動する。
よって、円筒状の管10に複数のサドル2を連続させて融着でき、施工スピードを速くできる。また、クランプ3を安価にすることにより、管10にサドル2を融着した後、クランプ3をサドル2に取り付けた状態にできる。これにより、クランプ3をサドル2から取り外す手間がなくなり、施工スピードを速くできる。
さらに、本体部材3aと回転部材28とは、クランプ3を固定する直前まで別体となっている。このことから、万が一本体部材3a及び回転部材28のいずれかに異常が見つかった際に、そのいずれかのみを交換することで対応することができる。
図20から図22に示すように、サドル付分水栓50は、サドル51と、分水栓52と、クランプ(サドルクランプ、サドルジグ)53と、を備えている。分水栓52は、サドル51の継手部56に接続されている。分水栓52は、一般に使用されている分水栓と概ね同じ構成であり、詳しい説明を省略する。
その他の方法として、例えば、第1実施形態のクランプ3を成形する金型でクランプ3を成形する。成形したクランプ3から位置決め突起25を取り除くことによりクランプ53を形成できる。
さらに、他の方法として、例えば、第1実施形態のクランプ3を成形する金型でクランプ53を成形する際に、位置決め突起25をインサート成形しないことにより、クランプ53を成形できる。
これにより、クランプ53の金型を、第1実施形態のクランプ3を形成する金型と兼用できる。
そこで、クランプ3の位置決め突起25がサドル51の軸長さL1に対応しない場合には、第2実施形態のクランプ53のように位置決め突起25を設けないようにした。これにより、クランプ53をサドル51に対応させることができる。
よって、第2実施形態のクランプ53の金型を、第1実施形態のクランプ3を形成する金型と兼用できる。兼用の金型で形成したクランプ3,53は、軸長さL1の異なる多種のサドル2,51に適用させることができる。
例えば、操作片38及び凹部34の位置は、軸方向においてどちらかの側に偏っていてもよい。このことによって、例えば施工現場において操作片を操作する空間が足りず、回転部材が軸方向中央部にあっては操作できないといった問題等に対応することができる。
このような形状にすることで、サドル2におけるどちらかの側のみに位置合わせをすることで、多種のサドル2に対応することができる。
3,53 クランプ
3a 本体部材
22 第1のクランプ片
23 第2のクランプ片
24 バンド部
25 突起
28 回転部材
29 シャフト部
35 穴
36 切り欠き
37 波型形状
41 第1の突起
42 第2の突起
Claims (7)
- 間隔をあけて配置された2つのバンド部と、前記2つのバンド部の第1の端同士を接続する第1のクランプ片と、を備える本体部材と、
前記2つのバンド部それぞれの第2の端に形成された穴に配置されるシャフト部を備える回転部材と、を備え、
2つの前記穴の少なくとも片方には、前記バンド部を前記穴から、前記穴の軸に直交する方向に貫通する切り欠きが設けられている、
クランプ。 - 前記第2の端同士を接続する第2のクランプ片を有し、
前記第2のクランプ片には前記回転部材の回り止め部を備えている、
請求項1に記載のクランプ。 - 前記クランプが熱可塑性樹脂からなる、
請求項1または2に記載のクランプ。 - 前記バンド部は、突起を有する、
請求項1から3に記載のクランプ。 - 前記クランプ片にローレット加工がなされている、
請求項1から4に記載のクランプ。 - 前記バンド部の一部に波型形状を有する、
請求項1から5に記載のクランプ。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のクランプにより、サドルを管に固定するサドルの固定方法であって、
前記サドルに前記第1のクランプ片を引っ掛ける第1工程と、
前記第1工程の後、前記シャフト部を前記穴に配置し、前記サドルと前記クランプとの間に前記管を挟む第2工程と、
前記第2工程の後、前記回転部材を回転させて前記回転部材を前記サドルに押し付け、前記バンド部によって前記管を締め付ける第3工程と、を備え、
前記第2工程で、前記シャフト部を前記穴に配置するときに、前記シャフト部を前記切り欠きを通して前記穴に配置する、サドルの固定方法。
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