JP6995165B2 - 離脱防止装置及びこの装置を備えた管継手 - Google Patents

離脱防止装置及びこの装置を備えた管継手 Download PDF

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Description

本発明は、一方の流路構成部材の受口部に他方の流路構成部材の挿口部を挿入し、リング状のシール部材を介して密封状に接続される接続箇所に設けられ、前記流路構成部材同士の離脱を防止する離脱防止装置及びこの装置を備えた管継手に関する。
従来の流路構成部材同士の離脱を防止する離脱防止装置としては、流路構成部材を構成する挿口部に外嵌された本体部材の内部に、この挿口部に係止するための係止部材を収容し、挿口部の端部に外嵌したリング状のシール部材及びこれを密封状態で保持する保持部材とともに、別の流路構成部材である受口部に向け管軸方向に挿入して密封状に接続するものがある。
このような離脱防止装置には、本体部材の内部に収容した係止部材に、受口部内面に向けて管軸方向に延びる押出軸の一端を接続するものがあり、当該装置の本体部材を受口部に管軸方向に接続する際に、この押出軸の他端が受口部の内面に当接して得られる支持力で、本体部材に伴う係止部材の管軸方向の進入を規制することで、係止部材に与える管軸方向の押圧力を遮断し、この状態で更に管軸方向に進行する本体部材の内面のテーパ面を利用して、この係止部材に内径方向の押圧力を与え、係止部材を挿口部に係止するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-308182号公報(第4頁、第6図)
しかしながら、特許文献1にあっては、流路構成部材を密封するためのシール部材及びこれを保持する保持部材に、係止部材に接続された押出軸を貫通させるための貫通孔が形成されているため、シール部材による密封性に影響を及ぼすばかりか、軸径の細い押出軸では係止部材の管軸方向の移動を規制する十分な支持力を得られず、係止部材に対し管軸方向の押圧力と内径方向の押圧力を複合して与えてしまう結果、係止部材が挿口部の外周面に係止する食い込みに不具合が生じ、所期の離脱防止機能を十分に発揮できない虞が発生するという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、シール部材の密封性に影響を与えることなく、且つ離脱防止機能を十分に発揮できる離脱防止装置及びこの装置を備えた管継手を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の離脱防止装置は、
一方の流路構成部材の受口部にリング状のシール部材を介して他方の流路構成部材の挿口部を挿入し、密封状に接続される接続箇所に設けられ、前記流路構成部材同士の離脱を防止する離脱防止装置であって、
前記挿口部の外周面に外嵌され、前記外周面に対向する内周部を有する本体部材と、前記本体部材の内周部に収容され、前記本体部材により内径方向に押圧されることで前記挿口部の外周面に係止される係止部材と、前記係止部材及び前記シール部材の間に設けられ、前記シール部材を密封状態で保持する保持部材と、を少なくとも備え、
前記係止部材と、前記シール部材及び前記保持部材よりも外径側の前記受口部の端部との間に、前記係止部材の軸方向の進入を規制する介設体が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、係止部材の軸方向の進入を規制する介設体が、当該係止部材と、シール部材及び保持部材よりも外径側の受口部の端部との間に設けられているため、シール部材及び保持部材による密封性に影響を及ぼすことなく、且つ係止部材に与える軸方向の押圧力を遮断した状態で、更に本体部材により係止部材に内径方向の押圧力を与える結果、係止部材による所期の離脱防止機能を発揮させることができる。
前記介設体は、前記係止部材と一体に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、係止部材が介設体と一体であるため、係止部材を挿口部の所定位置に対し正確に係止させることができる。
前記介設体は、前記係止部材と別体に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、係止部材が介設体と別体であるため、離脱方向の外力が作用した際に、係止部材を単独で挿口部に対し容易に傾動させることができる。
前記介設体は、前記係止部材の周方向の略中央部に設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、周方向の略中央部に設けられた介設体により、係止部材を軸方向に対し傾くことなく進入規制することができる。
本発明の管継手は、
前記一方の流路構成部材である受口管と、前記他方の流路構成部材である挿口管と、前記シール部材と、前記離脱防止装置と、を有することを特徴としている。
この特徴によれば、シール部材及び保持部材による密封性に影響を及ぼすことなく、且つ係止部材による所期の離脱防止機能を発揮した管継手を供することができる。
実施例1における管継手を示す側断面図である。 (a)は実施例1における押輪の上面図及び押輪を後端側から見た図、(b)は実施例1における押輪のA-A断面図及び押輪を先端側から見た図である。 (a)は、第1フォルダ部材を後端側から見た図及びB-B断面図、(b)は、第2フォルダ部材を先端側から見た図及びC-C断面図である。 (a)は、フォルダユニットの組立を示す模式図、(b)は、組み上がったフォルダユニットを示す側断面図、(c)は、係止部材を後端側から見た図である。 (a)は、実施例1における離脱防止装置及び挿口部と受口部との位置合わせをした状態を示す側断面図、(b)は、離脱防止装置及び挿口部を受口部に挿入した状態を示す側断面図である。 (a)は、実施例1における押輪を受口部に対して近接させた状態を示す側断面図、(b)は、(a)の状態から係止部材及び挿口部が離脱方向に移動した状態を示す側断面図である。 (a)は実施例2における第1フォルダ部を後端側から見た図、(b)は、第2フォルダ部を先端側から見た図であり、(c)は、フォルダのD-D断面図である。 (a)は、実施例2における離脱防止装置及び挿口部と受口部との位置合わせをした状態を示す側断面図、(b)は、離脱防止装置及び挿口部を受口部に挿入した状態を示す側断面図である。 (a)は、実施例2における押輪を受口部に対して近接させた状態を示す側断面図、(b)は、(a)の状態から係止部材及び挿口部が離脱方向に移動した状態を示す側断面図である。 (a)は実施例3における押輪の上面図及び押輪を後端側から見た図、(b)は実施例3における押輪のE-E断面図及び押輪を先端側から見た図である。 (a)は実施例3における押え部材を後端側から見た図、(b)はF-F断面図である。 (a)は実施例3において係止部材を押輪に取付けた状態を示す説明図、(b)は、(a)の状態から押え部材を取付けた状態を示す説明図である。 (a)は、実施例3における離脱防止装置及び挿口部と受口部との位置合わせをした状態を示す側断面図、(b)は、離脱防止装置及び挿口部を受口部に挿入した状態を示す側断面図である。 (a)は、実施例3における押輪を受口部に対して近接させた状態を示す側断面図、(b)は、(a)の状態から係止部材及び挿口部が離脱方向に移動した状態を示す側断面図である。 (a)は実施例4における押輪の上面図及び押輪を後端側から見た図、(b)は実施例4における押輪のG-G断面図及び押輪を先端側から見た図である。 (a)は、実施例4における離脱防止装置及び挿口部と受口部との位置合わせをした状態を示す側断面図、(b)は、離脱防止装置及び挿口部を受口部に挿入した状態を示す側断面図である。 (a)は、実施例4における押輪を受口部に対して近接させた状態を示す側断面図、(b)は、(a)の状態から係止部材及び挿口部を離脱方向に移動させた状態を示す側断面図である。 (a)は実施例5における押輪の上面図及び押輪を後端側から見た図、(b)は実施例5における押輪のH-H断面図及び押輪を先端側から見た図である。 (a)は実施例5における押え部材にスペーサを取付けた状態を後端側から見た図、(b)はJ-J断面図である。 (a)は、実施例5における離脱防止装置及び挿口部と受口部との位置合わせをした状態を示す側断面図、(b)は、離脱防止装置及び挿口部を受口部に挿入した状態を示す側断面図である。 (a)は、実施例5における押輪を受口部に対して近接させた状態を示す側断面図、(b)は、(a)の状態から係止部材及び挿口部が離脱方向に移動した状態を示す側断面図である。 (a)は実施例6における第1フォルダ部材にスペーサを取付けた状態を後端側から見た図、(b)はK-K断面図である。 (a)は、実施例6における離脱防止装置及び挿口部と受口部との位置合わせをした状態を示す側断面図、(b)は、離脱防止装置及び挿口部を受口部に挿入した状態を示す側断面図である。 (a)は、実施例6における押輪を受口部に対して近接させた状態を示す側断面図、(b)は、(a)の状態から係止部材及び挿口部が離脱方向に移動した状態を示す側断面図である。
本発明に係る離脱防止装置及びこの装置を備えた管継手を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る離脱防止装置及び管継手につき、図1から図6を参照して説明する。尚、図1の右側(挿口管の先端側)を先端側とし、また図1の左側を後端側として説明する。
図1に示すように、本実施例の挿口管1(他方の流路構成部材)及び受口管2(一方の流路構成部材)は、例えば、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄製であり、管路部は、内周面がモルタル層で被覆されている。尚、本発明に係る挿口管1及び受口管2は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいは石綿、コンクリート製、塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン製等であってもよい。更に尚、挿口管1及び受口管2の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により挿口管1及び受口管2の内周面に被覆してもよい。また、挿口管1及び受口管2内の流体は、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
図1に示すように、本実施例の管継手10は、挿口管1の端部に形成された挿口部1aと、受口管2の端部に形成され挿口部1aが挿入される受口部20と、離脱防止装置11と、から主に構成されている。更に離脱防止装置11は、挿口部1aの外周面1bに外嵌される押輪3(本体部材)と、ゴム製の環状のパッキン4(シール部材)と、環状のフォルダユニット5と、から主に構成されている。
受口部20は、その開口側端部の外周面の周方向に所定間隔離間して複数のフランジ25(図1では1つのみ示す)が形成されており、各フランジ25には、押輪3のフランジ35と接続するための貫通孔28が形成されている。受口部20の内周面には、開口側端部から管軸方向の内方に向けて漸次縮径するテーパ面20cが形成されている。なお、フランジ25,35は、複数のみならず、周方向に一体に形成されてもよく、例えば、後端側から見て略矩形状ではなく略円形に単数としてもよい。
パッキン4は、挿口部1aの外周面1bに外嵌される環状を成し、自然状態で断面視略円形状に形成された先端部4aと、断面視略台形状に形成された基部4bと、先端部4aが形成されている一端とは反対側の底部4cと、から形成されている(図5参照)。
図2に示されるように、押輪3は、軸方向から見て略矩形状の外形を成すとともに中央部に挿通孔30が形成される筒状体であり、押輪3の4つの角部それぞれには、貫通孔38が軸方向に形成されている。また、挿口部1aが挿通される押輪3の挿通孔30の内周部には、挿口部1aの先端側(受口部20側の端部側)から順に、嵌合凹部30a、収容部30b、テーパ部30c、小径部30dが連続して形成されている(特に図2(b)のA-A断面図参照)。
嵌合凹部30aは、その内部に後述する第1フォルダ部材51の環状部52を嵌合可能となっている。この嵌合凹部30aは、押輪3の先端部(受口部20側の端部)の外縁を除いて略全面が後端部側に凹むように形成されている。
収容部30bは、その内部に後述する係止部材6,6,…を嵌合可能となっている。詳しくは、収容部30bには、外径方向に膨出する4つの溝部30g,30g,…が周方向に所定間隔離間して形成されており、溝部30g,30g,…には、後述する係止部材6,6,…の鍔部7,7,…が嵌入可能になっている。
テーパ部30cは、収容部30bから小径部30dに向けて漸次縮径するテーパ面30eと、テーパ面30eにおける小径部30d側の端部から内径方向に立ち上がる奥端面30fと、を備えている。この奥端面30fは、挿通孔30の軸方向に対して直交する方向に立ち上がっている。尚、小径部30dは、挿口部1aの外径よりも若干大径に形成されている。
図1に示されるように、フォルダユニット5は、環状の第1フォルダ部材51と、第1フォルダ部材51より外径が小径な環状の第2フォルダ部材56と、第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56との間に周方向に所定間隔を置いて取り付けられる4つの係止部材6,6,…と、から構成されている。尚、第1フォルダ部材51は、係止部材6よりも受口部20側に配置され、第2フォルダ部材56は、係止部材6を挟んだ第1フォルダ部材51の反対側に配置されている。
図3(a)に示されるように、第1フォルダ部材51(保持部材)は、合成樹脂製であり、板状の環状部52と、環状部52から略直角に突出する4つの筒状部53,53,…と、から形成されている。環状部52は、筒状部53,53,…側の面が内径方向に向けて縮径するように傾斜するテーパ面52aとなっており、このテーパ面52aの反対側の面が軸方向に直交する平坦面52bとなっている。また、環状部52の外周縁には、所定間隔を置いて4つの切欠き部55,55,…が形成されている。
筒状部53は、軸方向から見て内径側が開放された略C字形状を成す凹部53cを備えており、後述する第2フォルダ部材56の凸部58が嵌合可能となっている。尚、筒状部53,53,…は、隣接する切欠き部55,55,…間の略中間位置に配置されている。
図3(b)に示されるように、第2フォルダ部材56は、合成樹脂製であり、第1フォルダ部材51における環状部52の外径よりも小径の外形を有する環状部57と、環状部57から略直角に突出する4つの凸部58,58,…と、から形成されており、凸部58,58,…を第1フォルダ部材51の筒状部53,53,…の凹部53c,53c,…に嵌合させることで、第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56が組み合わせられて軸方向に連結される(図4参照)。また、この第2フォルダ部材56の環状部57の内径側には、環状のシール部材12が装着されるようになっている(図5、図6参照)。
尚、本実施例では、第1フォルダ部材51及び第2フォルダ部材56には、筒状部53,53,…及び凸部58,58,…がそれぞれ4つずつ設けられる形態を説明したが、係止部材6の数量や大きさ等に合わせて自由に設計してもよい。
図4(a)に示されるように、第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56が連結された際には、第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56との間に係止部材6,6,…が挟持される(1つのみ図示)。
図4(特に図4(c))に示されるように、係止部材6は、軸方向から見て略弧状を成し、略弧状の複数の爪部61,61,…(本実施例では3つ)が並列して内径側に形成された基部60と、基部60の周方向の略中央において該基部60の外周縁における先端部から軸方向に突出する鍔部7(介設体)と、から構成されている。この係止部材6は、ダクタイル鋳鉄製あるいは、その他の金属製、または樹脂製であり、鍔部7は、基部60と一体形成されている。すなわち本実施例では、係止部材6と介設体である鍔部7とは、一体形成されている。
基部60の外周縁における後端部には、鍔部7の反対方向に向けて先細りする第1テーパ面62が設けられている。また、基部60における先端側の側面(第1フォルダ部材51側の端部)には、第1フォルダ部材51のテーパ面52aと略平行となるように傾斜する第2テーパ面63が設けられている。
図4(b)に示されるように、係止部材6が第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56との間に挟持された状態にあっては、係止部材6と一体に形成された鍔部7が切欠き部55に挿入されて係止されている。すなわち、係止部材6は、第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56との間に落下が規制された状態で保持される。
次に、管継手10により挿口管1と受口管2とを密封状態で接続するまでの一連の流れを図5~図6を用いて詳しく説明する。
先ず、図5(a)に示されるように、挿口管1の挿口部1aに、フォルダユニット5(係止部材6,6,…、第1フォルダ部材51及び第2フォルダ部材56)を取付けた押輪3とパッキン4とを外嵌させた状態とする。上記状態にあっては、係止部材6,6,…は、その大部分が押輪3の収容部30b内に嵌合されており、係止部材6,6,…における後端側の一部と第2フォルダ部材56とは、テーパ部30c内に収容されている。詳しくは、各係止部材6と一体の各鍔部7の外周面は、収容部30b(溝部30g)の内周面に近接するとともに、各係止部材6における第1テーパ面62とテーパ部30cにおけるテーパ面30eとが当接するようになる。すなわち、挿口部1aにフォルダユニット5を外嵌した際には、各係止部材6が押輪3の収容部30b及びテーパ部30c側に寄って配置されるため、各係止部材6の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに接触せずに離間するように配置されている。
尚、係止部材6,6,…は、第1フォルダ部材51及び第2フォルダ部材56に保持された状態で押輪3内に取付けられるため、押輪3への取付け作業時に係止部材6,6,…が落下することが防止され作業性が高くなっている。
次いで、押輪3の貫通孔38と、受口部20の貫通孔28の軸を合わせ、T頭ボルト80を貫通孔38と貫通孔28とに挿通した状態でナット85をT頭ボルト80の軸部先端に仮止めする。
次いで、図5(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20内に所定量挿入した後、押輪3、フォルダユニット5、及びパッキン4を受口部20に近接するように軸方向に移動する。すると、パッキン4の先端部4aが挿口部1aの外周面1bと受口部20の内周面との間で圧接される。前述のように、受口部20には、開口側に拡径するテーパ面20cが形成されているため、受口部20に挿口部1aを挿入しやすく、且つ挿入に伴い互いの軸心が一致するように位置決めされる。
挿口部1aを受口部20に所定距離挿入し、押輪3を受口部20に近接するように軸方向に移動すると、鍔部7の端面7aが受口部20の開口側端面20d(受口部の端部)に面当接し、係止部材6の受口部20方向への移動が規制される。尚、鍔部7の端面7aが受口部20の開口側端面20dに当接した際には、押輪3と受口部20のフランジ25とは挿入代を残して互いに離間しているとともに、第1フォルダ部材51のテーパ面52aと係止部材6の第2テーパ面63とは互いに接触している。
この鍔部7の端面7a及び受口部20の開口側端面20dは、軸方向に対して直交する方向に立ち上がっているため、鍔部7の端面7a及び受口部20の開口側端面20dが面当接した際には、係止部材6を挿口部1aに対し傾かせることなく受口部20方向への移動を規制できる。
また、鍔部7は、パッキン4や第1フォルダ部材51等に比べて強度の高い受口部20の開口側端面20dに当接するため、係止部材6の受口部20方向への移動を安定して規制できる。
さらに、鍔部7は、係止部材6の周方向の略中央部に設けられているため、鍔部7が受口部20の開口側端面20dに当接した際に、係止部材6に対して偏った力が働くことを抑制できる。具体的には、鍔部7が受口部20の開口側端面20dに当接した際に生じる反力を係止部材6全体に略均等に伝えることができるため、係止部材6の周方向の端部側を中心に径方向または軸方向等に回転しようとする偏荷重を抑制できる。
また、鍔部7は、押輪3の溝部30gに収容されているため、挿口部1aの受口部20への挿入作業時に鍔部7の位置ずれが規制される。すなわち、鍔部7は、押輪3の溝部30gにより案内されるため、鍔部7を受口部20の開口側端面20dに偏当たりさせることなく、係止部材6の受口部20側の移動を好適に規制できる。
次に、図6(a)に示されるように、T頭ボルト80とナット85とを締め付けることで、押輪3を受口部20側に更に移動させる。前述のように、係止部材6は、鍔部7と受口部20の開口側端面20dとの面当接により受口部20側の移動が規制されているため、これに伴い第2フォルダ部材56は移動せずに係止部材6の後方側に留まる。
一方、第1フォルダ部材51は、押輪3の受口部20側への移動に従って、その環状部52がパッキン4の底部4cを受口部20側に押し付けるように移動する。これにより、パッキン4の基部4bが受口部20のテーパ面20c及び挿口部1aの外周面に圧接され、挿口部1aと受口部20との間が密封される。また、第1フォルダ部材51の環状部52は、押輪3と受口部20の開口側端面20dとで挟持されるようになるため、パッキン4による挿口部1aと受口部20との密封状態が保持される。
すなわち、係止部材6よりも受口部20側に配置される第1フォルダ部材51のみが受口部20側に移動し、第2フォルダ部材56の移動が規制されるため、第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56とが相対的に離間するように移動して互いに分離する。詳しくは、第2フォルダ部材56の凸部58,58,…が第1フォルダ部材51の筒状部53,53,…の凹部53c,53c,…内で摺動して第1フォルダ部材51と第2フォルダ部材56との連結間隔が拡がる。したがって、第1フォルダ部材51のテーパ面52aと係止部材6の第2テーパ面63とは、軸方向に寸法L1分離間することとなる。
また、係止部材6の受口部20側の移動が規制された状態で押輪3が受口部20側に移動すると、係止部材6の第1テーパ面62と押輪3のテーパ面30eとが摺動するようになり、これにより係止部材6が内径方向に押し付けられるようになる。つまり、押輪3の受口部20への移動が第1テーパ面62とテーパ面30eとの摺動により係止部材6を内径方向に押圧する押圧力に変換された結果、係止部材6の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むことになる。鍔部7が係止部材6の軸方向の進入を規制した状態で、爪部61,61,…の挿口部1aの外周面1bに食い込むため、挿口管1の先端側の端部が受口部30内周側部に当接して挿入困難になる虞を防ぎながら効果的な食い込みを実現でき、爪部61,61,…のうち後端部側の爪部61に食い込みが集中し、所期の初期状態食い込みを実現する。
このように、係止部材6の軸方向の進入を規制する鍔部7が、当該係止部材6と、パッキン4及び第1フォルダ部材51よりも外径側の受口部20の開口側端面20dとの間に設けられているため、係止部材6及び鍔部7がパッキン4に直接接触することが無い。そのため、第1フォルダ部材51で保持されるパッキン4による密封性に影響を及ぼすことを防止できるとともに、係止部材6の傾き等を抑制して該係止部材6による所期の離脱防止機能を発揮させることができる。
尚、鍔部7は、パッキン4に直接接触することが無いため、鍔部7の形状及び大きさの設計自由度が増し、例えば鍔部7が受口部20の開口側端面20dに当接する領域を大きくできる。これにより、係止部材6の受口部20への移動を安定的に規制することができる。
また、鍔部7は、係止部材6と一体に形成されているため、係止部材6を挿口部1aの外周面1bの所定位置に対し正確に係止させることができる。具体的には、鍔部7は、係止部材6と一体に形成されているため、鍔部7が受口部20の開口側端面20dに当接した際に生じる反力が係止部材6に対して直接伝わるため、係止部材6を内径方向に押圧する押圧力が分散されることがなく、係止部材6を挿口部1aの外周面1bに正確に係止できる。
また、前述のように、係止部材6の傾き等が規制された状態で受口部20側の移動が規制されているため、係止部材6の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに対し略均等に食い込むようになる。換言すれば、係止部材6の爪部61,61,…が局所的に挿口部1aの外周面1bに食い込むことを抑制できる。
次いで、図6(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20から離脱する方向に地震等の不測の外力が作用した場合について説明する。この外力により、係止部材6が挿口部1aと一緒に受口部20から離れる方向に移動する。具体的には、第1フォルダ部材51のテーパ面52aと係止部材6の第2テーパ面63とが軸方向に寸法L1よりも大きな寸法L2分離間することとなる(L1<L2)。
このように、係止部材6が挿口部1aと一緒に受口部20から離れる方向に移動するため、係止部材6は、押輪3のテーパ面30eによってさらに内径方向へと押圧され、爪部61が挿口部1aの外周面1bにさらに食い込む。この際、爪部61は楔効果と後端部側爪部61を中心とした係止部材6の傾動効果で食い込み、効果的な離脱防止力を発揮するが、前述したように後端部側爪部61に初期状態で食い込み力が集中しているので、係止部材6の傾動により先端部側爪部61の食い込みが過度にならず、各爪部61,61,…が均等な食い込みを発揮しながらも、管内周面(例えばモルタル層)への影響をも抑えることができる。係止部材6の爪部61の刃先は、受口部20側を向くように径方向(軸方向と直交する方向)に対して傾斜しているため、係止部材6は挿口部1aと受口部20との離脱方向への楔効果を発揮することができる。
また、挿口部1aが受口部20から離脱する方向に移動すると、第2フォルダ部材56の環状部57と押輪3の奥端面30fとでシール部材12が狭圧され、押輪3と挿口部1aとの間が密封される。さらに上記した係止部材6の移動によっても、第1フォルダ部材51は移動することなくパッキン4を保持し続けるため、パッキン4の密封性を維持することができる。
また、各係止部材6は、押輪3の溝部30gに嵌合しているため、挿口管1に周方向へ回転する力が働いた際には、溝部30gにより係止部材6が規制され挿口管1の回転を防ぐことができる。
尚、本実施例では、係止部材6を4つ用いる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、係止部材の数量は挿口部の外径等に合わせて適宜変更することができる。さらに尚、係止部材6には3つの爪部61,61,…が設けられていたが、少なくとも1つ設けられていれば、爪部の数量を適宜変更してもよいし、爪部の形状も自由に変更できる。
また、本実施例では、ダクタイル鋳鉄製の挿口管1及び受口管2を用いる形態であるため、離脱防止機能を高めるために係止部材6を複数用いていたが、例えば、挿口管及び受口管が塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン等の合成樹脂製である場合には、正面視略C字状となるように周方向に連続する1つの係止部材を用いてもよい。
次に、実施例2に係る離脱防止装置及び管継手につき、図7~図9を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施例における係止部材6は、フォルダ250により保持されている(図8参照)。図7に示されるように、フォルダ250は、係止部材6の先端部側に配置される第1フォルダ部251(保持部材)と、係止部材6の後端部側に配置される第2フォルダ部256と、第1フォルダ部251及び第2フォルダ部256を連結する複数の連結部253,253,…と、から主に構成されている。これら第1フォルダ部251、第2フォルダ部256及び連結部253,253,…は、合成樹脂により一体形成されている。
第1フォルダ部251は、環状を成し、その外周縁には、所定間隔を置いて4つの切欠き部55,55,…が形成されている。第2フォルダ部256は、第1フォルダ部251の外径よりも小径の外径を有する環状を成しており、該第2フォルダ部256における第1フォルダ部251側の面には、突条部256a,256a,…が周方向に所定間隔離間して突出形成されている(本実施例では8つ)。
連結部253,253,…は、本実施例では8つ設けられており、係止部材6の周方向の長さと略同一幅で離間して一対を成すように周方向に4組配置されている。一対を成す連結部253,253の間には、係止部材6を収容できるようになっている。
また、この連結部253は、板状を成す板状部253aと、一対を成す他方の連結部253に向けて突出する膨出部253bと、を備えている。この膨出部253bは、係止部材6の周方向の両端に形成された図示しない凹部に対して嵌合するようになっており、一対を成す連結部253,253の間に係止部材6が収容された際に、係止部材6の周方向の移動を防止できるようになっている。
尚、板状部253aは、軸方向(第1フォルダ部251及び第2フォルダ部256が離間する方向)に所定以上の引張力が働くことで破断または伸長可能なように、他の部位に比べて脆弱に形成されている。
挿口管1と受口管2とを接続する際には、前記実施例と同様に、図8(a)に示されるように、挿口部1aに、係止部材6,6,…及びフォルダ250を取付けた押輪3とパッキン4とを外嵌させ、挿口部1aを受口部20の開口近傍に配置する。尚、係止部材6,6,…をフォルダ250に取付けた状態にあっては、突条部256a,256a,…が係止部材6,6,…の内径方向への移動を規制している。すなわち、係止部材6,6,…はフォルダ250に対し落下することなく保持されている。
次いで、図8(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20に所定距離挿入し、押輪3を受口部20に近接するように軸方向に移動すると、鍔部7が受口部20の開口側端面20dに当接し、係止部材6の受口部20方向への移動が規制される。
次に、図9(a)に示されるように、T頭ボルト80とナット85とを締め付けることで、押輪3を受口部20側に更に移動させる。これにより、第1フォルダ部251と第2フォルダ部256とが相対的に離間するように移動するため、前述した各連結部253の板状部253a(脆弱部)が破断または伸長するとともに、係止部材6の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むようになる。このとき、第1フォルダ部251が押輪3と受口部20の開口側端面20dとで挟持されるようになるため、パッキン4による挿口部1aと受口部20との密封状態が保持される。
そして、図9(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20から離脱する方向に地震等の不測の外力が作用した場合、この外力により、係止部材6をさらに挿口部1aの外周面1bにさらに食い込ませることで楔効果と傾動効果を発揮し、挿口管1と受口管2との離脱を防止する。
次に、実施例3に係る離脱防止装置及び管継手につき、図10~図14を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図10に示されるように、本実施例の押輪303は、挿口部1aが挿通される挿通孔330を有し、挿通孔330の内周部には、係止部材6を収容可能な収容溝部310が周方向に離間して複数形成されている(本実施例では4つ)。収容溝部310は、係止部材6の基部60を収容する収容部330bと、係止部材6の鍔部7を収容する溝部330gとから構成されている。
また、押輪3の先端部には、嵌合凹部330aと、後述の押え部材351を保持するための複数の凸部302と、が形成されている。複数の凸部302は、所定間隔離間して正面視略環状を成すように配設されている。また押輪3の後端部には、小径部330dが形成されている。
収容部330bには、収容部330bから小径部330dに向けて漸次縮径するテーパ面330eと、テーパ面330eにおける小径部330d側の端部から内径方向に立ち上がる奥端面330fと、を備えている。
図11に示されるように、本実施例に用いられるパッキン4を密封状態で保持する保持部材としての押え部材351は、合成樹脂製の平板材により環状に形成されている。この押え部材351の外周縁には、所定間隔を置いて4つの切欠き部355,355,…が形成されている。また、押え部材351の後端側の端面には、内径方向に向けて縮径するように傾斜するテーパ面352aを有しており、押え部材351の先端側の端面は、軸方向に直交する平坦面352bとなっている。
図12(a)に示されるように、各収容溝部310には、係止部材6がそれぞれ収容される。収容溝部310に係止部材6を収容した際には、収容溝部310における周方向の端部と係止部材6における周方向の端部との間に、弾性を有する部材から成る弾性部材304が配設される。この弾性部材304により収容溝部310での係止部材6の位置を保持させることで移動防止できるため、作業性が向上する。
図12(b)に示されるように、押え部材351は、切欠き部355,355,…を各収容溝部310に収容された係止部材6の鍔部7に合わせた状態で嵌合凹部330aに配置される。これによれば、切欠き部355,355,…が鍔部7に当接することで押え部材351が周方向にずれることが規制される。また、押え部材351を嵌合凹部330aに配置した際には、押え部材351の外周面が凸部302,302,…の内側に配置されることとなり、これにより押え部材351が径方向にずれることを防止できる。
挿口管1と受口管2とを接続する際には、前記実施例と同様に、図13(a)に示されるように、係止部材6,6,…及び押え部材351を取付けた押輪303とパッキン4とを挿口部1aに外嵌させ、挿口部1aを受口部20の開口近傍に配置する。
次いで、図13(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20に所定距離挿入し、押輪303を受口部20に近接するように軸方向に移動すると、鍔部7が受口部20の開口側端面20dに当接し、係止部材6の受口部20方向への移動が規制される。
次に、図14(a)に示されるように、T頭ボルト80とナット85とを締め付けることで、押輪303を受口部20側に更に移動させる。これにより、押え部材351がパッキン4を受口部20側に押圧するように移動するとともに、収容溝部310のテーパ面330eと係止部材6の第1テーパ面62との摺動により係止部材6の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むようになる。また、押え部材351が押輪303と受口部20の開口側端面20dとで挟持されるようになるため、パッキン4による挿口部1aと受口部20との密封状態が保持される。
係止部材6及び鍔部7は、収容溝部310に収容されているため、係止部材6の受口部20方向への移動が規制された状態で押輪303を受口部20側に移動させた際には、収容溝部310に案内されることで好適に爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むようになる。また、係止部材6の収容溝部310での位置を保持する弾性部材304は、弾性変形可能であるため、係止部材6と収容溝部310との相対的に近接移動を阻害することを抑制できる。
そして、図14(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20から離脱する方向に地震等の不測の外力が作用した場合、この外力により、係止部材6をさらに挿口部1aの外周面1bにさらに食い込ませることで楔効果と傾動効果を発揮し、挿口管1と受口管2との離脱を防止する。
次に、実施例4に係る離脱防止装置及び管継手につき、図15~図17を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図15に示されるように、本実施例に用いられる押輪403は、切欠き溝404の構成以外実施例1の押輪3と略同一構成となっている。押輪403は、先端側の端部における溝部30g,30g,…の外径側に切欠き溝404,404,…が形成されている。
挿口管1と受口管2とを接続する際には、図16(a)に示されるように、フォルダユニット5(係止部材6’,6’,…、第1フォルダ部材51及び第2フォルダ部材56)を取付けた押輪403とパッキン4’とを挿口管1の挿口部1aに外嵌させ、挿口部1aを受口部20の開口近傍に配置する。
尚、本実施例で用いられるパッキン4’は、その底部4c’側端部(受口部20と反対側の端部)の内周側に切欠段部4dが形成されている。底部4c’には、その内周縁である切欠段部4dと底部4c’の外周縁とに亘って形成される環状のパッキン保持体13が固着されている。さらに尚、本実施例で用いられる係止部材6’は、パッキン保持体13の外周面よりも外径側に位置するように鍔部7’が形成されている。
次いで、図16(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20に所定距離挿入し、押輪403を受口部20に近接するように軸方向に移動すると、鍔部7’が受口部20の開口側端面20dに当接し、係止部材6’の受口部20方向への移動が規制される。
次に、図17(a)に示されるように、T頭ボルト80とナット85とを締め付けることで、押輪403を受口部20側に移動させる。これにより、第1フォルダ部材51がパッキン保持体13及びパッキン4を受口部20側に押圧するように移動するとともに、押輪3のテーパ面33eと係止部材6’の第1テーパ面62との摺動により係止部材6’の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むようになる。
また、押輪403は、前述した切欠き溝404が設けられていることにより、押輪403と受口部20との近接移動が鍔部7’により阻害されない。これにより第1フォルダ部材51は、押輪403と受口部20の開口側端面20dとで挟持されるようになるため、パッキン4’による挿口部1aと受口部20との密封状態が保持される。
そして、図17(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20から離脱する方向に地震等の不測の外力が作用した場合、この外力により、係止部材6’をさらに挿口部1aの外周面1bにさらに食い込ませることで楔効果と傾動効果を発揮し、挿口管1と受口管2との離脱を防止する。
次に、実施例5に係る離脱防止装置及び管継手につき、図18~図21を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図18に示されるように、本実施例に用いられる押輪503は、切欠き溝504の構成以外実施例3の押輪303と略同一構成となっている。押輪503は、先端側の端部における溝部330g,330g,…の外径側に切欠き溝504,504,…が形成されている。
図19に示されるように、本実施例に用いられるパッキン4を密封状態で保持する保持部材としての押え部材551は、合成樹脂製の平板材により環状に形成されている。この押え部材551の外周縁には、所定間隔を置いて4つの切欠き部555,555,…が形成されている。また、押え部材551の先端面及び後端面は平坦な面となっている。
押え部材551における切欠き部555,555,…の近傍には、断面視L字状のスペーサ70(介設体)が配設されている。このスペーサ70は、押え部材551の後端部に配設される略円弧上の第1板部71と、第1板部71の周方向略中央部における外周縁から先端側(受口部20側)に延びる第2板部72と、から構成される。本変形例では、スペーサ70は、第2板部72が押え部材551の後端部に接着力の弱い接着層(図示せず)により仮貼着されている。尚、スペーサ70は、押え部材551から分離可能であればよく、必ずしも押え部材551に貼着されていなくともよい。
挿口管1と受口管2とを接続する際には、前記実施例と同様に、図20(a)に示されるように、係止部材560,560,…及び押え部材551を取付けた押輪503とパッキン4’とを挿口部1aに外嵌させ、挿口部1aを受口部20の開口近傍に配置する。尚、本実施例で用いられる係止部材560は、鍔部に代えてスペーサ70が構成されていること以外、前記実施例と略同一構成となっている。
次いで、図20(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20に所定距離挿入し、押輪503を受口部20に近接するように軸方向に移動すると、スペーサ70の第2板部72が受口部20の開口側端面20dに当接し、これに伴い係止部材560の受口部20方向への移動が規制される。
次に、図21(a)に示されるように、T頭ボルト80とナット85とを締め付けることで、押輪503を受口部20側に移動させる。これにより、押え部材551がスペーサ70の第1板部71から剥離されてパッキン保持体13及びパッキン4’を受口部20側に押圧するように移動するとともに、押輪503のテーパ面330eと係止部材560の第1テーパ面62との摺動により係止部材560の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むようになる。
また、押輪503は、前述した切欠き溝504が設けられていることにより、押輪503と受口部20との近接移動がスペーサ70により阻害されない。これにより押え部材551は、押輪503と受口部20の開口側端面20dとで挟持されるようになるため、パッキン4’による挿口部1aと受口部20との密封状態が保持される。
そして、図21(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20から離脱する方向に地震等の不測の外力が作用した場合、この外力により、係止部材560をさらに挿口部1aの外周面1bにさらに食い込ませることで楔効果と傾動効果を発揮し、挿口管1と受口管2との離脱を防止する。
このように、スペーサ70は、係止部材560と別体に形成されているため、挿口管1と受口管2とに離脱方向の外力が作用した際に、係止部材560を単独で押輪503に近接するように移動する。すなわち、挿口管1と受口管2とに離脱方向の外力が作用した際に、係止部材560が傾いたとしても、係止部材560の押輪503への近接移動がスペーサ70により阻害されることを防止できる。
次に、実施例6に係る離脱防止装置及び管継手につき、図22~図24を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施例に用いられる押輪403は、前記実施例4と略同一構成となっている。また、図22に示されるように、第1フォルダ部材51の切欠き部55,55,…には、スペーサ70’,70’,…が取付けられている。詳しくは、スペーサ70’は、切欠き部55に嵌合する第1板部71’と、第1板部71’の外周縁から先端側(受口部20側)に延びる第2板部72’と、から構成されている。
挿口管1と受口管2とを接続する際には、前記実施例と同様に、図23(a)に示されるように、係止部材660,660,…、第1フォルダ部材51及び第2フォルダ部材56を取付けた押輪403とパッキン4’とを挿口部1aに外嵌させ、挿口部1aを受口部20の開口近傍に配置する。尚、本実施例で用いられる係止部材660は、スペーサ70’の第2板部72’が嵌合される嵌合部660a以外、前記実施例5の係止部材660と略同一構成となっている。
次いで、図23(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20に所定距離挿入し、押輪403を受口部20に近接するように軸方向に移動すると、スペーサ70’の第2板部72’が受口部20の開口側端面20dに当接し、これに伴い係止部材660の受口部20方向への移動が規制される。このとき、スペーサ70’の第2板部72’は、係止部材660の嵌合部660aに嵌合されているため、係止部材660の受口部20方向への移動を安定して規制できる。
次に、図24(a)に示されるように、T頭ボルト80とナット85とを締め付けることで、押輪403を受口部20側に移動させる。これにより、第1フォルダ部材51がスペーサ70’の第1板部71’から剥離されてパッキン保持体13及びパッキン4’を受口部20側に押圧するように移動するとともに、押輪403のテーパ面33eと係止部材660の第1テーパ面62との摺動により係止部材660の爪部61,61,…が挿口部1aの外周面1bに食い込むようになる。
また、押輪403は、前述した切欠き溝404が設けられていることにより、押輪403と受口部20との近接移動がスペーサ70’により阻害されない。これにより第1フォルダ部材51は、押輪403と受口部20の開口側端面20dとで挟持されるようになるため、パッキン4’による挿口部1aと受口部20との密封状態が保持される。
そして、図24(b)に示されるように、挿口部1aを受口部20から離脱する方向に地震等の不測の外力が作用した場合、この外力により、係止部材660をさらに挿口部1aの外周面1bにさらに食い込ませることで楔効果と傾動効果を発揮し、挿口管1と受口管2との離脱を防止する。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明の一方及び他方の流路構成部材は、端部に受口部及び挿口部を有し流路を構成する部材であれば、必ずしも管に限らず、例えば内部に弁体を備えた弁筐体などであってもよい。
また例えば、本実施例の押輪は、一体に形成されるものであるが、これに限らず分割構造としてもよい。
1 挿口管(他方の流路構成部材)
1a 挿口部
2 受口管(一方の流路構成部材)
3 押輪(本体部材)
4,4’ パッキン(シール部材)
6,6’ 係止部材
7,7’ 鍔部(介設体)
10 管継手
11 離脱防止装置
20 受口部
20d 開口側端面(受口部の端部)
30 挿通孔(本体部材の内周部)
30g 溝部(案内部)
33e テーパ面
51 第1フォルダ部材(保持部材)
56 第2フォルダ部材
61 爪部
62 第1テーパ面
70,70’ スペーサ(介設体)
250 フォルダ
251 第1フォルダ部(保持部材)
256 第2フォルダ部
303 押輪(本体部材)
310 収容溝部(本体部材の内周部)
330e テーパ面
351 押え部材(保持部材)
403 押輪(本体部材)
503 押輪(本体部材)
551 押え部材(保持部材)
560 係止部材
660 係止部材

Claims (4)

  1. 一方の流路構成部材の受口部にリング状のシール部材を介して他方の流路構成部材の挿口部を挿入し、密封状に接続される接続箇所に設けられ、前記流路構成部材同士の離脱を防止する離脱防止装置であって、
    前記挿口部の外周面に外嵌され、前記外周面に対向する内周部を有する本体部材と、前記本体部材の内周部に収容され、前記本体部材により内径方向に押圧されることで前記挿口部の外周面に係止される複数の係止部材と、前記係止部材及び前記シール部材の間に設けられ、前記シール部材を密封状態で保持する保持部材と、を少なくとも備え、
    前記シール部材及び前記保持部材よりも外径側の前記受口部の端部に当接することで、前記係止部材の軸方向の進入を規制する介設体が形成されており、前記各係止部材は、前記介設体が前記本体部材の前記内周部に嵌合することで前記挿口部の回転を防止していることを特徴とする離脱防止装置。
  2. 前記介設体は、前記係止部材と一体に形成されていることを特徴とする請求項に記載の離脱防止装置。
  3. 前記介設体は、前記係止部材と別体に形成されていることを特徴とする請求項に記載の離脱防止装置。
  4. 前記一方の流路構成部材である受口管と、前記他方の流路構成部材である挿口管と、前記シール部材と、請求項1ないしのいずれかに記載の前記離脱防止装置と、を有することを特徴とする管継手。
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