JP2022013275A - 印刷物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来とは異なる印刷構造によって、高精細かつ微細な絵柄などの連続した色模様の印刷物及びその製造方法を提供すること。【解決手段】基材の片面に、第一印刷部と第二印刷部を有し、前記第一印刷部は、線幅が3μm以下の線を含む複数の線の組合せで構成され、前記第二印刷部は、幅200μm以上のベタパターンにて構成され、前記第一印刷部と前記第二印刷部は同一平面上に同一高さで形成されていることを特徴とする印刷物。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷物及び印刷物の製造方法に関する。
印刷法のなかでも、微細な画像パターンを形成可能な印刷法として、反転オフセット印刷法が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
反転オフセット印刷法に用いる装置80の模式図を図8に示す。なお、図7及び図8中の白抜き矢印は移動方向を示している。図8には、通称ブランケット82と呼ばれる筒状のインキ膜形成基材と、ブランケットにインキを供給しインキ膜83とするインキ供給手段81と、ブランケット上に形成されたインキ膜から不要部83bを除去する除去版84と、ブランケット上に残された要部83aが転写されて印刷物となる被印刷基板85と、除去版84および被印刷基板85を印刷に適切な位置へ搬送する定盤86が示されている。ブランケットには通常インキ膜が剥がれ易いような処理がなされ、例えばシリコーンゴムが用いられる。また、除去版は板状のガラス版を用い、定盤86上に吸着設置する。
図7により印刷工程を順を追って説明する。
まず、インキ供給手段71からインキをインキ膜形成基材72上に塗布してインキ膜73を形成する(図7(a))。このとき、インキはインキ膜形成基材上で予備乾燥状態に置かれ、多少の溶媒を失ってインキ膜となる。
ついで、該インキ膜に対し所定形状の除去版74を接触させて該インキ膜の不要部73bを転写してインキ膜形成基材から除去する(図7(b))。ここでは除去版として要部に対応する部位が凹部、不要部に対応する部位が凸部となった凸版を使用している。
次に、該インキ膜形成基材上に残った該インキ膜の要部73aを被印刷基板75に転写して、印刷物を得ることができる(図7(c))。
このような凸版反転オフセット印刷法により画像パターンを形成する例として、基材上に導電性インキを用いて印刷を行い、電磁波シールドを作製することが提案されている(例えば特許文献2参照)。このほか、さまざまな画像パターンを印刷した印刷物の製造が望まれている。
特公昭60-29358号公報 特開2005-175061号公報
従来の印刷物の印刷表示は、細かい点(網点)の集合で連続した色模様を表現し、またその網点の大きさによって色の濃淡を表現している。例えば、スクリーンやグラビア、オフセット印刷法によりカラーの印刷物を得ようとする際には、シアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色からなる網点の面積率(インキ面積)の違いによりカラーの印刷図柄を表現する。また、そのカラー印刷の解像度基準の1つにスクリーン線数LPI(Line per inch)という表記がある。
このLPIは1インチ当りに存在する線数を表しており、通常の印刷物では175~200本の線により表現される。
このLPIが大きいほど高精細とされ、現在最も高画質なものでLPIが1200前後のFMスクリーニング等が知られているものの、LPI2500を超える印刷物はフォトリソグラフィの様な工程数が多い印刷法でのみ実現可能であり、フォトリソグラフィで大量に作成するのは困難であった。
本発明は、上記のような点に着目してなされたものであり、従来とは異なる印刷構造によって、高精細かつ微細な絵柄などの連続した色模様の印刷物及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である印刷物は、
基材の片面に、第一印刷部と第二印刷部を有し、前記第一印刷部は、線幅が3μm以下の線を含む複数の線の組合せで構成され、前記第二印刷部は、幅200μm以上のベタパターンにて構成され、前記第一印刷部と前記第二印刷部は同一平面上に同一高さで形成されていることを特徴とする印刷物である。
本発明の一態様において、前記第一印刷部は、2色以上の有色の線の組合せで構成されていてもよい。
また本発明の一態様において、前記第一印刷部は、単位面積に配置する前記複数の線の線幅の調整によって、前記第一印刷部の色の濃淡表現が調整されていてもよい。
また本発明の一態様において、前記前記第一印刷部と前記第二印刷部は、表面粗さが算術平均粗さRaで50nm以下であってもよい。
また本発明の一態様において、前記前記第一印刷部と前記第二印刷部は、500nm以下の高さを有する矩形構造を備えていてもよい。
また本発明の一態様は、上記の印刷物を製造する方法であって、
インキをインキ膜形成基材上に均一にコートしてインキ膜を形成するインキコート工程と、
前記インキ膜形成基材の前記インキ膜から凸版状の除去版を用いて不要部を除去する除去工程と、
前記インキ膜形成基材上に残った前記インキ膜の要部を被印刷基板上に転写する転写工程と、を少なくとも備える印刷物の製造方法である。
本発明によれば、微細な線の組み合わせによるカラー表現と大面積のベタパターン印刷が同一平面上に同一高さで構成された印刷物とすることによって、高精細かつ微細な絵柄で、連続した色模様や色の濃淡を表現することができ、また工程を増やすことなく大量に印刷物を得ることが可能となる。これによって、デザインの自由度の高い偽造防止印刷物等を提供できる。
実施形態に係る印刷物の構成を説明する概念図である。 実施形態に係る印刷部の構成を説明する概念図である。 実施形態に係る配線パターンの一例を説明する模式図であり、(a)は正面から視認した状態を、(b)はそのときの配線パターンをそれぞれ表す。 反転オフセット印刷用凸版の一例を示す断面図である。 凸版の製造工程の一例を示す模式図である。 (a)は本発明の凸版反転オフセット印刷用凸版の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)で示す図のA-Bラインでの断面図である。 反転オフセット印刷法を説明する工程の模式図である。 反転オフセット印刷法に用いる装置の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、図面は模式的なものであり平面寸法は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態に係る印刷物1は、図1に示すように、基材2の片面の一部に、第一印刷部3aと第二印刷部3bを有する。第一印刷部3aは複数の線の組み合わせにより表現される絵柄で構成され、第二印刷部3bはベタパターンの絵柄であり、第一印刷部と第二印刷部は、同一平面上に同一高さで構成されている。
なお、第一印刷部と第二印刷部を構成する表示は、必ずしも明確な柄などの模様が視認可能なように構成されている必要はない。また、本実施形態に係る第一印刷部と第二印刷部は、基材2上に2色以上配置されていてもよい。
本実施形態に係る印刷物1は、基材2と第一印刷部3a(又は基材2と第二印刷部3b)とを合わせた総厚が、例えば5.0μm以上2000.0μm以下の範囲内である。
なお、基材2上には、本実施形態に係る第一印刷部と第二印刷部以外の印刷部分を有していてもよい。また、本実施形態に係る第一印刷部と第二印刷部以外の印刷部分の中の一部として、第一印刷部と第二印刷部が配置されていてもよい。
また、本実施形態に係る第一印刷部と第二印刷部以外の印刷部分は、例えば従来のように網点の集合で絵柄その他の印刷表示がなされていてもよい。
本実施形態では、図2に示すように、絵柄その他の印刷表示からなる第一印刷部3aは、例えば、複数の線4を組み合わせて構成される。第二印刷部3bは、線幅が200μm以上のベタパターンの絵柄である。
本実施形態に係る第一印刷部3aを構成する線4は、単独の線としては目視では視認不可能な微細な線幅Dを有し、線幅Dは、3μm以下の線を含む。
線4は、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色等から選択される。少なくとも2色の有色の線4の組合せで第一印刷部3aを構成することで、肉眼では混色作用により任意の色に見える微細カラー印刷を表現することができる。
なお、色の表示としては1色の有色の線4で第一印刷部を構成するようにしても構わない。また、1色の有色の線4で第一印刷部を構成する場合、線幅Dや後述する線間の隙間Sの調整によって、濃淡を持った色表示にすることが好ましい。ここで、本実施形態における「線幅D」とは、線4の延在方向と直交する方向の線幅を意味する。
また、第一印刷部を構成する印刷表現の色の濃淡(印刷部3の色の濃淡表現)は、複数の線4を一方向に沿って並列して第一印刷部を構成する場合、単位面積当たりに配置する線4の線幅Dを変更することで調整される。
従来、網点で印刷を表現する場合、色の濃淡は、網点の大きさを変更することで表現していた。すなわち、単位面積当たりのインキの占有率(=単位面積当たりのインキ面積)
を変化させることで、色の濃淡を表現していた。
これに対し、本実施形態では、同じインキ面積であっても、線幅Dを変更することで色の濃淡を調整することが可能となる。例えば、10μm幅の線4を10μm間隔で配列する代わりに、100μm幅の線4を100μm間隔で配列した場合の方が、インキ面積(この例では面積率が50%)は同じであっても、目視時における色の濃さ(色差計測定値)が濃くなる。
このようにして、本実施形態にあっては、インキ面積を変えることなく色の濃淡調整も可能となる。これによって、本実施形態では、色の濃淡調整の自由度が広がり、微細印刷であっても、より高精細なカラー印刷表現が可能となる。
複数の線4で第一印刷部3aを構成する場合、複数の線4を特定の配線パターンで配置して表現する。特定の配線パターンとは、例えば複数の線4を、所定の一方向に向けて配列させるパターン、同心状に配置するパターン、格子状に配置するパターン、放射状に配置するパターンなどが考えられる。配線パターンの規則は、前述のパターンに限定されない。
また、第二印刷部3bは、線幅が200μm以上のベタパターンで構成され、単独の線として目視可能な線となっている。第二印刷部は、第一印刷部と同様にシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色等から選択される。
第一印刷部3aは線幅Dが3μm以下を含む線4の組合せであって、かつ、第二印刷部3bは線幅Dが200μm以上のベタパターンが同一平面上に同一高さで構成されていれば、ランダムな配置など、どのような配線パターンであっても本実施形態は適用可能である。同一平面上に同一高さで構成されていることで、視認する角度によって色が変化して見えてしまうことがなく、安定した色で視認できる。
また、線4は、直線状に延在している必要はなく、蛇行など曲線状に延在していてもよい。なお、以降、色の付いた線4を有色線4と呼ぶこともある。
次に、複数色の有色線4を組み合わせて構成される第一印刷部の表現例を示す。
図3は、線4を一方向に向けて配列した配線パターンの模式図である。図3(a)は、第一印刷部を正面から肉眼で視認した状態の模式図であり、図3(b)は、その拡大模式図である。例えば、図3(a)の第一印刷部は薄い赤色、第二印刷部はベタパターンの濃い赤色として見えている。
このとき、図3(a)を拡大した図3(b)には、2本のマゼンタの有色線4aと1本のイエローの有色線4cとを繰り返して配列して構成された配線パターンが示されている。このようにして、目視すると図3(a)のように赤色の四角形状に見える第一印刷部を表現出来る。
この例では、マゼンタの有色線4a及びイエローの有色線4cの各線幅Dを3μmとし、線間の各隙間Sを3μmに設定した。なお、上述の各線4は、互いに平行でなくてもよい。
ここで、図3では、各配線パターンを単純にするために、印刷部3の輪郭が四角形の場合を例示しているが、本実施形態では第一印刷部の輪郭は四角形に限定されるものではない。第一印刷部の輪郭は、円形や多角形状やその他の形状であってもよい。例えば、同心状の配線パターンの場合には、その多角形状の線4を同心状に配線すればよい。また、各線間の隙間Sは、等間隔である必要もない。
第一印刷部で表示(視認)される色は、有色線4の組合せで混色することにより、任意の色が設定出来る。
例えば、赤は、マゼンタの有色線4a:イエローの有色線4c=2:1の面積比となるように、3原色の比率によって再現される。また、橙は、マゼンタの有色線4a:イエローの有色線4c=1:2の面積比となるように、3原色の比率によって再現される。また、緑は、シアンの有色線4b:イエローの有色線4c=1:1の面積比となるように、3原色の比率によって再現される。また、藍は、シアンの有色線4b:マゼンタの有色線4a=2:1の面積比となるように、3原色の比率によって再現される。また、紫は、シアンの有色線4b:マゼンタの有色線4a=1:2の面積比となるように、3原色の比率によって再現される。
第一印刷部の印刷を反転オフセット印刷によって実施すると、各線4を構成するインキが基材2上に矩形で印刷されるため好ましい。また、基材2に対する第一印刷部と第二印刷部の高さは、好ましくは200nm以下である。第一印刷部と第二印刷部の高さがこの範囲であれば、視認する角度によって色の変化がなく一定となる。
第一印刷部を構成する複数の線4の高さにバラツキがなく一定が望ましい。線4の高さにバラツキがあることで、視認する角度による色の変化が生じてしまう。また、複数の線4で構成される第一印刷部は、その表面の算術平均粗さRaが50nm以下であることが好ましい。この範囲内にすることで、視認する角度による色の変化を小さくすることが可能となる。
このように、本実施形態によれば、微細な線4を組み合わせて色が連続して視認可能な絵柄模様などの印刷表現が形成可能となることで、高精細な印刷物(微細印刷物)1を得ることが可能となる。なお、基材2は、シート状に限定されず、玩具などの立体物であっても良く、その立体物が有する表面に印刷部3が形成されていてもよい。
以上のように、矩形形状の微細配線印刷とベタパターン印刷を組み合わせることで、目視では確認できないが、拡大して観察することにより、細線印刷とベタパターン印刷が組み合わされていることを確認することで、例えば、印刷物1に偽造防止機能を付与することが可能となる。
上述した線4で構成される第一印刷部、即ち矩形形状の微細配線とベタパターンを有する第二印刷部は、例えば反転オフセット印刷法で形成することが可能である。印刷装置を用いて本発明に係る印刷物を作製した一例を次に説明する。
(印刷装置の概略構成)
凸版反転オフセット印刷機について、図4を用いて説明する。
凸版の材料は、堅牢で加工が容易であることから、ガラスが好ましい。
図4の(a)に示す凸版40は、ブランケット上のインキ膜から不要部を除去し、要部を残すために、不要部に対応した部位が凸部(レリーフパターン)となるように形成されている。図4を用いて説明すると、本明細書中では凸版表面の最も高い部位を凸部頂部42、最も低い部位を凹部底面44とし、凸部の側面、あるいは凹部の側面でもある部位は凸部側面43とする。凸部頂部42と凹部底面44の高さの差を版深dとし、その許容される範囲は製造される印刷物によって選択される。
また、凸部側面43および凹部底面44は、印刷インキが被着しないように撥インキ処理面となっていてもよい。
<凸版の製造>
凸版の製造工程の一例を図5を用いて説明する。
まず、凸版基材51となる表面の凸部に対応する位置を、パターン状にマスク52する(図5(a))。
マスク52は、次に行われるレリーフ形成工程において基材表面を保護する役割を備えるため、表面保護に適する材料、例えば金属を用いることができる。マスク52の形成方法としては特に制限はないが、例えば金属の場合は蒸着の後、必要な部分を覆うようレジストを形成し、金属のみをエッチングする条件でエッチングを行うことでパターン状に形成できる。
こうして得られた、マスク済みの基材53のマスクで覆われていない領域を彫り込んでレリーフ54を形成する(図5(b))。
レリーフの形成方法は、選択した基材に応じて適宜選択することができ、例えばサンドブラスト、ウェットブラストなどのブラスト法、FIB(収束イオンビーム)による切削、ナノインプリンティング法、ドライエッチング、ウエットエッチング等を挙げることができる。
レリーフ形成法として例えばガラス基材を凸版基材とした場合、ガラス基材上にクロム蒸着を行い、このクロム皮膜上にフォトリソグラフィー法によってレジストを形成し、露光、現像して、不要部(すなわち要部に対応する領域)を開口させ、クロム皮膜のエッチングを行う。次いでクロム皮膜上のレジストを剥離し、クロム皮膜をマスクとしてガラス基材のウエットエッチングを行い、ガラス基材に所定の深さのレリーフパターンを形成する。
次に場合によって、凸版側面及び凹部(すなわちエッチングによって新たに形成された面)に対して、撥インキ処理55を行ってもよい(図5(c))。
凸版の凹部に撥インキ処理面(シランカップリング剤単分子膜)56が形成される。
撥インキ処理をするために選択する表面処理剤は、用いるインキによって異なるが、撥水性や撥油性の高いフッ素元素やシロキサン基が含まれるシランカップリング剤を用いるのが好ましい。好ましく用いることのできる化合物としては例えば、長鎖フルオロアルキルシラン、加水分解性基含有シロキサン、フルオロエーテル基含有ポリマー、フルオロアルキル基含有オリゴマーなどが挙げられる。
凸版の表面に撥インキ処理を施す方法としては、上述のカップリング剤を凸版表面に化学的に結合させて固定する方法を挙げることができる。例えば、シランカップリング剤を使用した公知のガラス表面処理方法を用いることができる。
すなわち、シランカップリング剤を水、酢酸水、水-アルコール混合液、あるいはアルコールに溶解させてカップリング剤溶液を調製する。次いで、前記カップリング剤溶液を公知の塗工方法であるスピンコート、ロールコート、アプリケータなどを用いてガラス表面に塗工する。最後に加熱乾燥して溶媒を除くことでシランカップリング剤をガラスなどの凸版表面に固定できる。このとき加熱乾燥によって、シランカップリング剤とガラス表面はオリゴマー化することによって強固に結合するために、非常に耐性のある表面処理となる。
撥インキ処理後に、マスク52に付着した未反応のシランカップリング剤を洗浄して除去することで、要部(パターン形成位置)に該当する凹部に撥インキ処理が施された本発明の凸版50を得ることができる(図5(d))。
凸版60のパターンは、図6(a)で模式的に示したパターンを1単位として、ガラス板中央部の100mm四方の領域に、10単位×10単位で計100単位配置したもので
ある。ベタパターン部61に対応する画像パターンは250μm×250μmの方形であり、微細線パターン部62に対応する画像パターンはライン/スペース幅は3μm/3μmの矩形である。
また図6(b)は、図6(a)の線分ABで切断した凸版60の断面図を示す。前述のレリーフ形成方法によって、凸部を形成している。
<印刷物の製造>
次に、凸版反転オフセット印刷法による印刷物の製造について図7、図8を用いて説明する。なお、既に説明したものについては説明を省略する。
凸版反転オフセット印刷法に用いられるインキ膜形成基材72、82は通称ブランケットと呼ばれ、この材料としてはインキ膜の形成、凸版による非画像部(不要部73b、83b)のインキ膜除去、及び被印刷基板75、85への画像部(要部73a、83a)インキ膜の転写が可能なものが用いられる。また、変形の少ない材料が好ましいが、ある程度の柔軟性が求められる。
ブランケットの材料として、シリコーン系エラストマー、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどを用いることができる。また、ブランケット表面の濡れ性を調整するため、ブランケット表面にフッ素樹脂およびシリコーンの塗布、プラズマ処理、UVオゾン洗浄処理などの表面処理を施しても良い。このようなインキ膜形成部材は通常可撓性を有する板として供給されるので、これを円筒形の版胴に巻きつけて用いたり(図8参照)、強度のある平板に固定して用いたりすることができる。
凸版反転オフセット印刷法に用いられるインキは、印刷分野で知られている光の3原色(赤、緑、青)や減法混色の3原色(黄、紅、藍)の他、墨(黒)のインキを用いることができる。本実施形態では、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色のうちのいずれかの発色に相当するインキを用いる。
インキの発色顔料としては、プロセス印刷で利用されているジスアゾイエロー、ブリリアントカーミン、フタロシアニンブルー等が有名であるが、これに限定されず、印刷分野で知られている有機顔料・無機顔料を適宜用いることができる。
無機顔料としては、例えば、金属粒子の他、二酸化チタン、亜鉛華、鉄黒に代表される酸化物の他、水酸化物、硫化物、セレン化物、フェロシアン化物、クロム酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、炭素等がある。
有機顔料としては、例えば、炭素化合物の他、ニトロソ系、ニトロ系、アゾ系、レーキ系、フタロシアニン系、縮合多環材料の他、蓄光や残光顔料、紫外や赤外等ある特定の波長の光に反応して発光する金属酸化物や量子ドット等がある。
また、これら顔料を1種類用いてもよいし、複数を混合して利用してもよい。
また、これらの色を目的とした顔料に対し、導電性を目的として金属微粒子や導電性金属酸化物微粒子あるいは金属ナノワイヤや金属塩化物、導電性ポリアニリン、導電性ポリプロピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体)などの導電性ポリマー等を混合して利用してもよい。
インキに含まれる溶剤としては、例えばドデカン、テトラデカンを使用する。インキに含まれる溶剤は任意のものを用いることができる。例えば、速乾性インキでは、常温で乾燥する沸点の低い溶剤(MEK、エタノール、アセトンなど)を、水性インキでは水(精製水)を、オイル系インキでは常温で蒸発しないオイル(脂肪族炭化水素、グリコールエーテル、高級アルコールなど)を用いることが可能である。
顔料以外のインキ材料として用いる樹脂材料は、透明樹脂や、色付きの樹脂、あるいは、不透明な樹脂を用いてもよい。すなわち、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の汎用プラスチックを用いることが可能である。
ここで、熱可塑性樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、COC(環状オレフィン・コポリマー)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂))、COP(シクロオレフィンポリマー)、MS(メタクリル酸スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂))、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等などの熱可塑性樹脂を用いることが可能である。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド等の当該分野でよく知られている熱硬化性樹脂を用いることが可能である。
また、上記以外にも、インキ材料として用いる樹脂材料として、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリオキシメチル)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニルサルフィド)等のエンジニアプラスチックや、スーパーエンジニアプラスチックを用いることも可能である。この他にも電離放射線によって硬化するアクリルやウレタン、エポシキ、ポリエステル、チオール等の樹脂を用いることが可能である。
(混入する光散乱粒子)
また、インキには光散乱粒子が混入されていてもよい。すなわち、光散乱粒子は、印刷物1を構成する、異なる色相のインキいずれかに含まれていてもよいし、積層した複数の層のうちいずれかに含まれていてもよい。
インキに混入させる光散乱粒子としては、例えば、真球形状粒子や不定型形状粒子が用いられる。また、光散乱粒子の材料としては、例えば、無機微粒子や有機微粒子で構成される粒子が用いられる。
具体例としては、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体や、メラミン-ホルマリン縮合物の粒子、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコーン系粒子、フッ素系粒子、エポキシ粒子及びこれらの共重合体、スメクタイト、カオリナイト、タルク等の粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等の無機酸化物粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等の無機微粒子を挙げることができる。
これらの高い屈折率を有する透明な粒子は、一種類の粒子だけを混合して使用してもよいし、複数種類を混ぜて使用してもよい。また、無機微粒子や有機微粒子の表面に塗工や蒸着等によって表面加工を施したものを、一種類で使用してもよいし、複数種類を混ぜて使用してもよい。すなわち、混入する光散乱粒子には、異なる屈折率を有する少なくとも二つの光散乱粒子を含んでもよい。
なお、混入する光散乱粒子には、異なる屈折率を有する光散乱粒子の代わりに、異なる
ヘイズ値を有する2つ以上の光散乱粒子を含んでもよい。なお、光散乱粒子を混入する代わりに、線4を構成した状態のインキが空気を含む微細な空洞を含有するようにしてもよい。
ブランケット72、82上へのインキの供給手段71、81としては、均一なインキ膜が形成できればよく、例えばバーコート、ダイコート、キャップコート、スピンコート、スリットコート法等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
インキ膜の転写によって画像が形成される被印刷基板75、85は、目的とする印刷物に応じて適宜選択することができる。電子部品を製造する場合は通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネートなどのフレキシブルなプラスチック材料、石英などのガラス基板やシリコンウェハーなどを挙げることができる。
被印刷基板75、85は、印刷物が使用される環境に合わせてフィルム等のフレキシブルな基材を選択することも可能であり、この場合は生産効率の向上のために長尺の基材を用い、連続して印刷を行うことが好ましい。
インキ膜形成基材72、82からの不要インキ膜除去後に、凸版の凸部が保持するインキ膜は洗浄工程によって洗浄される。
凸版の洗浄方法としては、薬液や有機溶剤によって洗浄する方法と、粘着剤を担時した粘着性フィルムにインキ膜を押し当てて取り除く方法とを挙げることができる。洗浄に使用することのできる薬液としては、例えば硫酸や塩酸等を挙げることができる。有機溶媒としては、例えばトルエン等を挙げることができる。
薬液や有機溶剤はインキ膜の組成によって適宜選択することができ、凸版を構成する材料を侵さない液を選べばよい。また、洗浄時には超音波により振動を与えることもできる。
洗浄に用いることのできる粘着性フィルムとしては、市販の粘着性フィルムを使用することができ、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体を基材フィルムとし、アクリル系粘着剤を塗布することによって粘着性の付与された粘着性フィルムを用いることができる。洗浄時に粘着剤が凸版側に転移しなければよい。
粘着性フィルムによる洗浄は、洗浄後即時印刷に用いることができるので、特に連続的に同じ凸版を用いて印刷を行う場合に適している。そのため、粘着性フィルムもロール状状態で供給され、使用に応じて必要な部分を凸版に押し当て、使用後のフィルムは巻き取られるようになっていてもよい。
(その他)
本発明は実施形態に示された態様のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1:印刷物
2:基材
3:印刷部
3a:第一印刷部
3b:第二印刷部
4:印刷線
4a:マゼンタの有色線
4b:シアンの有色線
4c:イエローの有色線
40:凸版
41:撥インキ処理面
42:凸部頂部
43:凸部側面
44:凹部底面
50:撥インキ性処理凸版
51:凸版基材
52:マスク
53:マスク済みの基材
54:レリーフ
55:撥インキ処理
56:撥インキ処理面(シランカップリング剤単分子膜)
60:凸版
61:パターン疎部
62:パターン密部
71、81:インキ供給手段
72、82:インキ膜形成基材
73、83:インキ膜
73a、83a:インキ膜の要部
73b、83b:インキ膜の不要部
74、84:凸版
75、85:被印刷基板
76、86:定盤
80:凸版反転オフセット印刷装置

Claims (6)

  1. 基材の片面に、第一印刷部と第二印刷部を有し、前記第一印刷部は、線幅が3μm以下の線を含む複数の線の組合せで構成され、前記第二印刷部は、幅200μm以上のベタパターンにて構成され、前記第一印刷部と前記第二印刷部は同一平面上に同一高さで形成されていることを特徴とする印刷物。
  2. 前記第一印刷部は、2色以上の有色の線の組合せで構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記第一印刷部は、単位面積に配置する前記複数の線の線幅の調整によって、前記第一印刷部の色の濃淡表現が調整されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷物。
  4. 前記前記第一印刷部と前記第二印刷部は、表面粗さが算術平均粗さRaで50nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印刷物。
  5. 前記前記第一印刷部と前記第二印刷部は、500nm以下の高さを有する矩形構造を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の印刷物を製造する方法であって、
    インキをインキ膜形成基材上に均一にコートしてインキ膜を形成するインキコート工程と、
    前記インキ膜形成基材の前記インキ膜から凸版状の除去版を用いて不要部を除去する除去工程と、
    前記インキ膜形成基材上に残った前記インキ膜の要部を被印刷基板上に転写する転写工程と、を少なくとも備えることを特徴とする印刷物の製造方法。
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