JP2021534225A - 粗製臭化ロクロニウムの精製方法 - Google Patents

粗製臭化ロクロニウムの精製方法 Download PDF

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Abstract

真空マイクロ波乾燥法又は流動乾燥法によって、粗製臭化ロクロニウムにおける残留溶媒が医薬品の要件を満たすように除去する工程を含む粗製臭化ロクロニウムの精製方法を提供する。高品質の臭化ロクロニウムを得ることができ、臭化ロクロニウムの大規模な工業的製造が容易に実現できる。また、可燃性および爆発性の溶媒であるエチルエーテルの使用を回避又は削減することができる。さらに、使用される設備のコストが低く、占用スペースが小さい。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬の分野に関し、具体的には、粗製臭化ロクロニウムの精製方法に関する。
臭化ロクロニウム注射剤は、臨床的に広く使用されている筋弛緩剤である。ICH(The International Council for Harmonization,医薬品規制調和国際会議)のガイドラインにより、原薬における残留溶媒は、医薬品要件を満たすために特定の含有量を下回る必要がある。例えば、クラス2の溶媒の場合、ジクロロメタンの含有量は600ppm以下、アセトニトリルの含有量は410ppm以下、メタノールの含有量は3000ppm以下である必要がある。また、エチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンなどのクラス3の溶媒の場合、それらの含有量は5000ppm以下である必要がある。臭化ロクロニウムの製造過程では必然的に有機溶剤が使用されるが、医薬品として使用される臭化ロクロニウム原料の残留溶媒は上記の要件を満たさなければならない。
米国特許US20060058275A1号公報 米国特許US4894369号公報 米国特許US20050159398号公報 中国特許CN201180045999.6号公報 中国特許CN201610028808.X号公報 中国特許CN200710092747.4号公報 英国特許GB2445764号公報
本願は、粗製臭化ロクロニウムの精製方法を提供する。この方法により、残留溶媒が医薬品要件を満たす高品質の臭化ロクロニウム精製品を得ることができる。
一般的には、臭化ロクロニウムは、エピアンドロステロンを出発原料とし、7〜9ステップの化学反応によって合成される。具体的な操作プロセスは、文献US20060058275A1、US4894369、US20050159398、CN201180045999.6、CN201610028808.X、CN200710092747.4、GB2445764に記載されている。現在公開されているすべての文献から分かるように、合成反応では、最初の幾つかのステップは異なる場合があるが、最後のステップは、いずれも臭化ロクロニウムの中間体である「モノエステル」(CAS No.119302−24−8、(2β,3α,5α,16β,17β)−17−アセチルオキシ−3−ヒドロキシ−2−(4−モルホリノ)−16−(1−ピロリジル)アンドロスタン)と3−ブロモプロピレンを四級化反応させることで達成される。その反応方程式は以下のように示す。
Figure 2021534225
反応に用いられる溶媒は、通常ジクロロメタン、アセトニトリル等の双極性非プロトン性溶媒である。反応温度は10〜40℃であり、反応時間は5〜24時間である。当業者は、実際の状況に応じて材料の配合比、反応温度、反応時間等の実験パラメータを調整することができる。
本願では、臭化ロクロニウム原薬の製造過程中に溶媒の含有量が原薬(API)として要求される含有量を超える臭化ロクロニウムを、「粗製臭化ロクロニウム」と呼ぶ。粗製臭化ロクロニウムは、溶媒を過剰に含有する固体臭化ロクロニウム材料であってもよく、溶媒を多く含有する臭化ロクロニウムのスラリー又はペースト状のものであってもよく、臭化ロクロニウムの合成過程における最後のステップの反応液であってもよい。
臭化ロクロニウム注射液は、20年以上臨床に適用されており、数多くの文献、例えば上記文献には、臭化ロクロニウム原薬の合成プロセスが記載されている。しかし、臭化ロクロニウム原料の工業的製造にはまだ困難があり、既存の製造プロセスにはまだ欠陥がある。その主な理由の1つとしては、臭化ロクロニウム分子とその製造過程に用いられる溶媒とが溶媒和物を形成し易く、この溶媒和物中で溶媒と臭化ロクロニウム分子が強く結合していることが挙げられる。溶媒和物中の溶媒を臭化ロクロニウム分子と分離させるためには、極めて高い温度にさらす必要があるが、臭化ロクロニウムは、熱に敏感であり、わずかな高温でさえ分解しやすい。したがって、医薬品基準を満たすように粗製臭化ロクロニウム中の溶媒を除去することは、これまでも難しい課題であった。
この課題を解決するために、従来、主に2つの方法が採用されてきた。一つ目の方法としては、臭化ロクロニウム溶液(溶媒として、ジクロロメタン、アセトニトリル、アセトン等の双極性非プロトン性溶媒を用いる)から、可燃性、爆発性、低沸点のエチルエーテルを貧溶媒とし貧溶媒添加晶析法によって固体臭化ロクロニウムを得た後、真空乾燥によって、得られた粗製臭化ロクロニウムに含まれる主な残留溶媒であるエチルエーテルを、医薬品基準を満たすように低減させる。もう一つの方法では、臭化ロクロニウム溶液と貧溶媒とを混合して晶析させて粗製臭化ロクロニウムを得た後、固体を大量の水に溶解させ、凍結乾燥法により残留溶媒を低減させる。二つ目の方法に用いられる貧溶媒は、エチルエーテルのほか、安全で高沸点の他の溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、メチルt−ブチルエーテル等を用いてもよい。
上記一つ目の方法は、貧溶媒添加晶析法により粗製品を得た後に真空乾燥を行うものである。この場合に、貧溶媒として使用できるのは、エチルエーテルのみであり、他の溶媒はいずれも機能しない。エチルエーテルの沸点は僅か36℃であるが、エチルエーテルを貧溶媒とし臭化ロクロニウムを析出させた後、エチルエーテルと臭化ロクロニウム分子とが結合して溶媒和物を形成する。残留エチルエーテルが辛うじて医薬品基準(5000ppm以下)を満たすためには、37℃以上で真空度の高い条件で長時間(通常5日以上、ひいては10日以上)真空乾燥を行う必要がある。しかし、この条件では臭化ロクロニウムが分解しやすく、不純物が明らかに増加する。このため、このような方法で処理された臭化ロクロニウムは、不純物が医薬品基準を満たしても、その含有量が通常多い。また、温度を適切に制御できず、温度がわずかに高くても、乾燥時間が少し長くても、不純物量は許容できないレベルまで増加してしまう。
エチルエーテルの使用には、さらに、エチルエーテルが強い可燃性と爆発性を持っているという大きな欠点がある。このため、エチルエーテルは、原薬の製造中に絶対使用禁止ではないが、一般的には、使用量が少ない場合や他の使用できる溶媒がない場合にしか使用できない。エチルエーテルを用いて貧溶媒添加晶析法により臭化ロクロニウムを製造する場合、エチルエーテルの使用量が多い。例えば、臭化ロクロニウム10kgを製造するには、通常1100L以上のエチルエーテルが必要であるので、製造過程に深刻な安全上の問題が発生する。また、GMPの要求によると、医薬品要件を満たす臭化ロクロニウム原料は、密閉した清潔区域で製造される必要があり、これにより、リスクレベルがさらに高まる。エチルエーテルの使用量が多いプロジェクトについては、特に現在EHS(環境、安全、健康)に対する要求がますます厳しくなっている状況から、安全性のため規制当局によって通常は承認されない。
文献US20060058275A1および本発明者の前記研究の結果によれば、ジクロロメタン、n−ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソブチルエチルエステル、メチルt−ブチルエーテル等の、臭化ロクロニウムの製造過程に使用可能な沸点がやや高い溶媒は、臭化ロクロニウムと結合して溶媒和物を形成した後、通常の真空乾燥方法により医薬品要件を満たすレベルに達するように除去することができない。臭化ロクロニウムの製造過程において最後のステップに用いられる溶媒がメチルt−ブチルエーテル、酢酸エチルである場合、得られた粗製臭化ロクロニウムには、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチルの残留溶媒が含まれる。このような粗製品を80℃、真空度−0.098Mpaの条件で16時間乾燥させても、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチルの含有量は依然として基準上限5000ppmを大幅に超え、ひいては100倍を超え、即ち500000ppm以上に達することがある。この条件で引き続き12時間乾燥させても、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチルの含有量はほとんど低減しない。
上記の二つ目の方法では、沸点が高く、安全性が高い他の溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルt−ブチルエーテル等)を貧溶媒とし固体臭化ロクロニウムを溶液から析出させた後、凍結乾燥によって臭化ロクロニウムに残ったこれらの比較的安全で高沸点の溶媒を除去する。文献CN200710092747.4、GB2445764、US20060058275A1に記載される凍結乾燥方法により、粗製臭化ロクロニウム中の溶媒量が医薬品基準を満たすように除去できる、しかし、凍結乾燥法によって残留溶媒を除去した臭化ロクロニウムには、通常多くの不純物Cが含まれる。0.1%以下には制御され難く、一般的に基準要求の上限0.2%に近く、0.2%を超えることもあり、EP8.0(European Pharmacopeia 8.0、ヨーロッパ薬局方、第8版)に規定された基準上限0.2%を超える可能性がある。臭化ロクロニウムは、アセテートの一種であり、水の存在下で加水分解しやすく、凍結乾燥操作中にまず粗製臭化ロクロニウムを大量の水に溶解させる必要があるので、不純物Cの量が加水分解によって増えるためである。また、凍結乾燥法は、エネルギー消費量が高く、設備の占める空間が大きく、設備のコストが高く、同じ製造規模では、凍結乾燥設備のコストは、本願を実施するためのコストの10倍を超えている。
したがって、現在、粗製臭化ロクロニウムに含まれる溶媒を除去して最終製品に含まれる残留溶媒を薬物として許容できる範囲とすることは、かなり困難であり、臭化ロクロニウム原料の製造における難しい課題である。つまり、上記の「粗製臭化ロクロニウム」を得た後、含まれる溶媒を除去して医薬品基準を満たす臭化ロクロニウム原料を製造することは、非常に難しい。
上記の点を踏まえて、本願発明は、真空マイクロ波乾燥法又は流動乾燥法によって、粗製臭化ロクロニウム中の残留溶媒を医薬品要件を満たすように除去することを含む、粗製臭化ロクロニウムの精製方法を提供する。この方法は、上記の困難な課題を克服しただけでなく、操作が簡単で、環境にやさしく、コストが低く、効果が顕著である。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記方法は、溶媒aで粗製臭化ロクロニウム中の残留溶媒を置換した後、溶媒aを含有する粗製臭化ロクロニウムを真空マイクロ波乾燥させることを含む。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記方法は、溶媒aと粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、真空マイクロ波によって当該液体を硬化状態(真空マイクロ波硬化)にしてから、その溶媒及び水分が医薬品要件を満たすレベルに達するように、引き続き真空マイクロ波乾燥及び/又は他の乾燥方法により処理することを含む。
本明細書に記載される真空マイクロ波硬化とは、真空マイクロ波乾燥がある程度行われると、処理された液体材料が溶媒の蒸発によって固体になることをいう。硬化開始時には、臭化ロクロニウムサンプル中の残留溶媒の含有量が通常多く、医薬品基準の要求を満たさない。この場合、引き続き真空マイクロ波乾燥及び/又は他の乾燥方法により処理する必要がある。
さらに、前記溶媒aは、マイクロ波吸収能の強い極性溶媒であり、さらに、C〜Cの一価アルコール、C〜Cの一塩基酸、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン及び水から選択される一種又は複数種であってもよい。もちろん、使用可能な溶媒aは、これらに限られず、当業者は、本願発明の開示内容により、本発明に記載される溶媒を使用するとともに、他の使用可能な溶媒を選択又は試用することができる。このような溶媒の簡単な検討は、本願発明の通常の選択に基づくものであり、本願発明の保護範囲に含まれるものであることがわかる。
ある実施形態では、本願発明に記載される溶媒aは、C〜Cの一価アルコール、C〜Cの一塩基酸、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン及び水から選択される一種又は複数種である。
ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、C〜Cの一塩基酸、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン及び水から選択される一種又は複数種である。
ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、C〜Cの一塩基酸、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、C〜Cの一塩基酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、C〜Cの一価アルコール、ギ酸、酢酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、酢酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、ギ酸、酢酸及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、ギ酸、酢酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、ギ酸、酢酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、酢酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、ギ酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、ギ酸、水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、酢酸、水から選択される一種又は複数種である。あるいは、ある実施形態では、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、メタノールと水(メタノール/水又はメタノール−水)、エタノールと水(エタノール/水又はエタノール−水)、メタノールと水と酢酸(メタノール/水/酢酸又はメタノール−水−酢酸)、又はエタノールと水と酢酸(エタノール/水/酢酸又はエタノール−水−酢酸)である。
さらに、ある実施形態では、臭化ロクロニウムは、水の存在下で加水分解して不安定になりやすく、酢酸を添加することによって安定化することができる。しかし、酢酸は、沸点が高いため除去され難く、最終的に製品に残ることが避けられない。したがって、最終的に精製して得られた臭化ロクロニウム製品中の酢酸の含有量がUSP38(United States Pharmacopoeia 38、米国薬局方第38版)に規定された基準上限(5%)以下である(質量百分率、w/w:即ち、臭化ロクロニウム原薬100gに含まれる酢酸が5g以下である)という要件又は他の特別な要件を満たすために、酢酸の量を適切に制御する必要がある。
さらに、本願発明のある実施形態では、酢酸は添加後の後処理過程で一部が揮発することから、酢酸の添加量は、5%(V/V)を超えてもよい。一般的には溶媒aの総量の8%(V/V)以下とすることにより、最終製品中の酢酸の含有量をUSPに規定された基準上限(5%(W/W))以下にさらに制御される。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記真空マイクロ波の真空度は、−0.01〜−0.1Mpaであり、あるいは、さらに−0.01〜−0.099Mpa、さらに−0.01〜−0.08Mpa、さらに−0.01〜−0.07Mpa、さらに−0.01〜−0.06Mpaであり、あるいは、さらに−0.06〜−0.1Mpa、さらに−0.06〜−0.099Mpa、さらに−0.06〜−0.09Mpa、さらに−0.06〜−0.089Mpa、さらに−0.06〜−0.08Mpa、さらに−0.06〜−0.079Mpa、さらに−0.06−〜−0.07Mpaであり、あるいは、さらに−0.07〜−0.01Mpa、さらに−0.07〜−0.099Mpa、さらに−0.07〜−0.09Mpa、さらに−0.07〜−0.089Mpa、さらに−0.07〜−0.08Mpaであり、あるいは、さらに一層−0.08〜−0.099Mpa(例えば、−0.08〜−0.096Mpa又は−0.08〜−0.098Mpaであってもよい)、さらに−0.08〜−0.09Mpa、さらに−0.08〜−0.089Mpa、さらに−0.08〜−0.085Mpaである。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記真空マイクロ波の温度は、10〜60℃であり、例えば10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃又は60℃であり、あるいは、さらに10〜50℃、20〜50℃であり、あるいは、さらに10〜40℃又は20〜40℃であり、あるいは、さらに30〜40℃であり、あるいは、さらに一層25〜36℃であってもよい。本願発明の実施形態に記載された、例えば43℃以下、40℃以下又は36℃以下の温度範囲は、ここで温度の定義に適用される。
さらに、前記他の乾燥方法は、当業者が通常使用する乾燥方法、又は減圧(真空)乾燥法、ガスブロー乾燥法及び流動乾燥法から選択される一種又は複数種であり得るが、これらに限られない。当業者は、本願の開示内容に基づいて、本願発明に記載される方法により他の乾燥方法を選択できることがわかる。
本明細書に記載されるガスブロー乾燥法では、固体材料を吸気・排気可能な密閉設備に入れ、設備内部を特定の温度に維持し、空気又は不活性ガスを設備に出入りさせる。例えば、固体材料を真空オーブンのデッキ上のトレイに入れ、真空オーブンを特定の温度に維持し、空気又は不活性ガスをオーブンに出入りさせる。特に材料の含水量が高い場合に、空気により製品が酸化して変色する可能性があるため、一般的に不活性ガスが好適である。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記方法は、溶媒aと粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、真空マイクロ波によって当該液体を硬化状態(真空マイクロ波硬化)にしてから、その溶媒及び水分が医薬品要件を満たすレベルに達するように、引き続き真空マイクロ波乾燥及び/又はガスブロー乾燥法により処理することを含む。
さらに、ある実施形態では、残留溶媒が医薬品要件を満たすと、ガスを導入することなく引き続き真空乾燥させて水分を除去することができる。
さらに、ある実施形態では、真空マイクロ波乾燥の前に、まず粗製臭化ロクロニウムを真空乾燥オーブンに入れて真空引き処理を行うことができる。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、真空マイクロ波乾燥がある程度行われると、粗製臭化ロクロニウムが硬化してしまう。この際の固体粗製臭化ロクロニウムにはまだ残留溶媒及び水分が含まれるが、医薬品基準の要件を満たしていない場合には、引き続き真空マイクロ波乾燥を行ってもよく、ガスブロー乾燥法、真空乾燥法、流動乾燥法、又はこれらの方法の組合せを採用してもよい。ここでいうガスブロー乾燥法では、固体材料を吸気・排気可能な密閉設備に入れ、設備内部を特定の温度に維持し、ガスを設備に出入りさせる。例えば、固体材料を真空オーブンのデッキ上のトレイに入れ、真空オーブンを特定の温度に維持し、空気又は不活性ガスをオーブンに出入りさせる。
本願発明の実施形態によれば、粗製臭化ロクロニウムとマイクロ波吸収能の強い溶媒aとを混合した液体は、真空マイクロ波処理によって短時間(例えば、ある実施形態では、10〜25min、さらに10〜20minであり、例えば10min、12min、14min、15min、16min、17min、18min、19min、20min、23min、25minのうちの任意の二つの時間の間の時間範囲であってもよい)で、低温(例えば、ある実施形態では、10〜60℃であり、あるいは、別の実施形態では、20〜40℃であり、あるいは、また別の実施形態では、25〜36℃である)で硬化して固体とすることができる。その後、引き続き真空マイクロ波の作用によってその溶媒が医薬品基準を満たすように処理する。固体が得られた後、含まれる残留溶媒が原薬基準を満たすように他の乾燥手段(例えば、ガスブロー、真空乾燥法、流動乾燥法のうちの一種又は複数種)と組み合わせて処理してもよい。
さらに、本願発明のある実施形態では、真空マイクロ波硬化後に、他の乾燥方法を使用する場合、他の乾燥方法に用いられる温度は、60℃以下である必要があり、通常43℃以下であり、さらに36℃以下である。
さらに、製造規模があまり大きくない場合、真空マイクロ波硬化後に得られた固体を小型真空乾燥オーブン(例えばDZF−6050型の真空乾燥オーブン)に移して後のガスブロー乾燥を行ってもよい。製造規模が大きい場合には、工業用大型真空乾燥オーブン又はダブルコーンロータリー乾燥機を用いてガスブロー乾燥を行ってもよい。乾燥過程においてオーブン内部(材料)を特定の温度(通常26〜43℃)に維持し、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素又は空気を導入してガスブロー乾燥を行ってもよく、真空乾燥を行ってもよく、あるいは上記の二つの方法を組み合わせて使用してもよい。本願発明のある実施形態では、材料又は系を特定の湿度に維持することで溶媒除去効果を向上させることができる。
本願発明の実施形態によれば、真空マイクロ波の電力は、乾燥する材料の量、乾燥過程における抽気ポンプの抽気速度及び/又はその限界真空度、並びに乾燥過程の状況に応じて調整することができる。一般的には、本願発明のある実施形態では、乾燥過程の前期では溶媒の含有量が多いため、通常高電力が必要であるが、乾燥の後期で溶媒の含有量が少ないため、通常低電力が必要である。
本願発明の一つ又は複数の実施形態によれば、一回で材料200gを乾燥する場合、マイクロ波の電力の変化範囲は、300〜800Wである。一回で材料6〜8kgを乾燥する場合、マイクロ波の電力の変化範囲は、1000〜20000Wである。
本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記方法は、主な残留溶媒がエチルエーテルである粗製臭化ロクロニウムを流動乾燥させることを含む。
本願発明に記載される、主な残留溶媒がエチルエーテルである粗製臭化ロクロニウムは、エチルエーテルを主な残留溶媒として含む粗製臭化ロクロニウム、又は主な残留溶媒がエチルエーテルとなるように上記のように定義した粗製臭化ロクロニウムを処理したものである。
本明細書に記載される、エチルエーテルを主な残留溶媒として含むとは、残留溶媒としてのエチルエーテルの含有量が医薬品基準を超え、他の残留溶媒が医薬品基準を満たすか、又は医薬品基準をほぼ満たすことをいう。例としては、含まれる残留溶媒がエチルエーテル及びジクロロメタンである場合、ICH(The International Council for Harmonization,医薬品規制調和国際会議)のガイドラインによると、エチルエーテルの量は5000ppm以下であり、ジクロロメタンの量は600ppm以下である必要がある。このため、ここでいうエチルエーテルが主な残留溶媒として含まれる場合、エチルエーテルの量は5000ppm以上であり、ひいてはこの値の100倍、即ち500000ppmを超える可能性があり、ジクロロメタンの量は、600ppm未満であるか、又は600ppmに近い値、例えば610ppm又は620ppmである。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、本願発明に記載されるエチルエーテルを主な残留溶媒として含む粗製臭化ロクロニウムは、主な残留溶媒がエチルエーテルとなるように貧溶媒添加晶析法によって上記のように定義した粗製臭化ロクロニウムを処理したものである。
本願発明のある実施形態では、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムに含まれる主な残留溶媒がエチルエーテルとなるように、粗製臭化ロクロニウムを貧溶媒添加晶析法によって処理した後、流動乾燥を行うことを含む。
本願発明のある実施形態では、前記貧溶媒添加晶析法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造することを含む。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記溶媒bは、双極性非プロトン性溶媒である。さらに、前記溶媒bは、臭化ロクロニウムを溶解可能な溶媒である。さらに、前記溶媒bは、ジクロロメタン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及びN,N−ジメチルアセトアミドから選択される一種又は複数種である。さらに、前記溶媒bは、ジクロロメタン、アセトニトリル、アセトン及びDMSOから選択される一種又は複数種であり、さらにジクロロメタンである。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記溶媒cは、貧溶媒であり、さらに、臭化ロクロニウムが不溶または微溶な溶媒である。さらに、前記溶媒cは、エチルエーテル又はエチルエーテル以外の溶媒である。さらに、前記エチルエーテル以外の溶媒は、イソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンから選択される一種又は複数種である。さらに、前記エチルエーテル以外の溶媒は、メチルt−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル及びn−ヘキサンから選択される一種又は複数種である。さらに、前記エチルエーテル以外の溶媒は、メチルt−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル又はn−ヘキサンである。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、流動乾燥を行うことを含む。
さらに、ある実施形態では、前記溶媒cがエチルエーテルである場合、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、流動乾燥を行うことを含む。
さらに、本願発明を実施する際に、流動乾燥法によって粗製臭化ロクロニウム中のエチルエーテルを容易に除去できるが、粗製臭化ロクロニウム中の他の溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸メチル、n−ヘキサン、メチルt−ブチルエーテル等)を除去するのが難しい。したがって、本願発明を実施する場合、エチルエーテルの危険性から、上記他の溶媒cを貧溶媒として使用して固体粗製臭化ロクロニウムを製造する際に、これらの高沸点の貧溶媒(溶媒c)から析出した固体をろ過した後、エチルエーテルで洗浄することで、流動乾燥前の粗製臭化ロクロニウムに含まれる主な溶媒をエチルエーテルとし、他の溶媒を、医薬品基準を満たす上限値に近づけ、又は上限値とすることができる。これにより、エチルエーテルの使用量を低減できる。
さらに、ある実施形態では、前記溶媒cがエチルエーテル以外の溶媒である場合、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造し、エチルエーテルで当該固体を洗浄した後、流動乾燥を行うことを含む。
本願発明の一つ又は複数の実施形態では、本願発明に記載される流動乾燥は、沸騰乾燥とも呼ばれる。使用される設備としては、沸騰床乾燥機(例えばXFシリーズ沸騰乾燥機XF10、XF20、XF30等)、振動流動床乾燥機(例えばZLGシリーズ振動流動床乾燥機)等がある。このような乾燥方法では、材料(通常粉状又は微粒子状)を通気性のあるオリフィス板に置き、ガスをオリフィス板の下部から一定の流速でオリフィス板を通過させ、材料を吹き上げて流動又は沸騰状態を作ることで、材料粒子が気流中に上下動し、混合し衝突し、十分に接触するため、その乾燥効率が高い。材料を通過したガスは、巻き込まれた粉塵を布袋又はサイクロンによって回収した後に排出される。合格品を乾燥して、排出口から排出する。
さらに、一つ又は複数の実施形態では、流動乾燥を実施する際に使用するガスは、不活性ガス(例えば、窒素ガス、二酸化炭素、アルゴンガス)又は空気であってもよい。
さらに、空気である場合、一般的には、乾燥、清浄処理を行う必要がある。水含有量が高すぎる気流と固体(例えば粉状)臭化ロクロニウム材料とが接触すると、臭化ロクロニウムが加水分解するだけでなく、ブロッキングが発生し、乾燥効果が悪化する可能性がある。乾燥、清浄処理によって、空気を濃硫酸ガス洗浄瓶、ソーダライム塔等に通すことができる。さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、上記乾燥温度は、15〜70℃であり、例えば、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60、65℃又は70℃であり、さらに15〜60℃、さらに一層15〜50℃又は25〜50℃、さらに一層30〜37℃であってもよい。
本願発明では、流動乾燥法における気流の流速は、特に制限されないが、材料とガスが十分に接触し、材料間が互いに摩擦して衝突し、溶媒をできるだけ早く除去することから、材料の十分な流動状態を保つように十分に速いことが最も好ましい。気流速度が遅いと、溶媒除去時間が大幅に長くなる。
上記のように、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、エチルエーテル以外の溶媒c(エチルエーテル以外の溶媒は、上記のように選択され、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、n−ヘキサン、メチルt−ブチルエーテル等が挙げられる)を貧溶媒として使用すると、後の流動乾燥法では、医薬品要件を満たすようにこれらの高沸点溶媒cを除去するのが難しい。したがって、後の流動乾燥の前に、さらにエチルエーテルで洗浄してこれらの高沸点溶媒cを除去する必要がある。
さらに、別の選択として、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、前記溶媒cがエチルエーテル以外の溶媒である場合、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、溶媒aと当該固体粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、当該液体を真空マイクロ波乾燥させることを含む。ある実施形態では、減圧濃縮又はガスブローによって、エチルエーテル以外の溶媒をある程度低減させた後、真空マイクロ波乾燥を行ってもよい。
さらに、ある実施形態では、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、溶媒aと当該固体粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、真空マイクロ波によって当該液体を硬化状態にし、その溶媒及び水分が医薬品要件を満たすレベルに達するように、引き続き真空マイクロ波乾燥及び/又は他の乾燥方法により処理することを含む。ある実施形態では、減圧濃縮又はガスブローによって、エチルエーテル以外の溶媒をある程度に低減させた後、真空マイクロ波乾燥を行ってもよい。
さらに、前記溶媒aは、上記のように選択され、例えば、本願発明のある実施形態では、溶媒aは、メタノール、エタノール、水、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸から選択される一種又は複数種であってもよく、さらにメタノール、酢酸、ギ酸、水及びアセトンから選択される一種又は複数種であってもよい。
さらに、ある実施形態では、臭化ロクロニウムは、水の存在下で加水分解して不安定になりやすく、酢酸を添加することによって安定化することができるが、酢酸は、沸点が高いため除去され難く、最終的に製品に残ることが避けられない。したがって、最終的に精製して得られた臭化ロクロニウム製品における酢酸の含有量がUSP38(United States Pharmacopoeia 38、米国薬局方第38版)に規定された基準上限(5%)以下である(質量百分率、w/w:即ち、臭化ロクロニウム原薬100gに含まれる酢酸が5g以下である)という要件又は他の特別な要件を満たすために、酢酸の量を適切に制御する必要がある。
さらに、本願発明のある実施形態では、酢酸は添加後に後の処理過程で一部が揮発することから、酢酸の添加量は、5%(V/V)を超えてもよいが、一般的に溶媒aの総量の8%(V/V)以下とすることにより、最終製品における酢酸の含有量がUSPに規定された基準上限値(5%(W/W))以下にさらに制御される。
さらに、本願発明の一つ又は複数の実施形態では、真空マイクロ波乾燥がある程度行われると、粗製臭化ロクロニウムが硬化してしまう。この際に固体粗製臭化ロクロニウムにはまだ残留溶媒及び水分が含まれるが、医薬品基準の要件を満たしていない場合には、引き続き真空マイクロ波乾燥を行ってもよく、ガスブロー乾燥法、真空乾燥法、流動乾燥法、又はこれらの方法の組合せを採用してもよい。ここでいうガスブロー乾燥法では、固体材料を吸気・排気可能な密閉設備に入れ、設備内部を特定の温度に維持し、ガスを設備に出入りさせる。例えば、固体材料を真空オーブンのデッキ上のトレイに入れ、真空オーブンを特定の温度に維持し、空気又は不活性ガスをオーブンに出入りさせる。
本願発明の実施形態によれば、粗製臭化ロクロニウムとマイクロ波吸収能の強い溶媒aとを混合した液体は、真空マイクロ波処理によって短時間(例えば、ある実施形態では、10〜25min、さらに10〜20minであり、例えば10min、12min、14min、15min、16min、17min、18min、19min、20min、23min又は25minであってもよい)で、低温(例えば、ある実施形態では、10〜60℃であり、あるいは、別の実施形態では、20〜40℃であり、あるいは、また別の実施形態では、25〜36℃である)で硬化して固体となる。その後、引き続き真空マイクロ波の作用によってその溶媒が医薬品基準を満たすように処理する。固体が得られた後、含まれる残留溶媒が原薬基準を満たすように他の乾燥手段(例えば、ガスブロー、真空乾燥法、流動乾燥法)と組み合わせて処理してもよい。
さらに、本願発明のある実施形態では、真空マイクロ波硬化後に、他の乾燥方法を使用する場合、他の乾燥方法に用いられる温度は、60℃以下である必要があり、通常43℃以下であり、さらに36℃以下である。
さらに、製造規模があまり大きくない場合、真空マイクロ波硬化後に得られた固体を小型真空乾燥オーブン(例えばDZF−6050型の真空乾燥オーブン)に移して後のガスブロー乾燥を行ってもよい。製造規模が大きい場合には、工業用大型真空乾燥オーブン又はダブルコーンロータリー乾燥機を用いてガスブロー乾燥を行ってもよい。乾燥過程中にオーブン内部(材料)を特定の温度(通常26〜43℃)に維持し、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素又は空気を導入してガスブロー乾燥を行ってもよく、真空乾燥を行ってもよく、あるいは上記の二つの方法を組み合わせて使用してもよい。本願発明のある実施形態では、材料又は系を特定の湿度に維持することで溶媒除去効果を向上させることができる。
本願発明のある実施形態では、真空マイクロ波乾燥の真空度と真空マイクロ波乾燥の温度は、上記のとおり設定することができる。例えば、真空マイクロ波乾燥の真空度は、−0.01〜−0.1Mpaであり、あるいは、別の実施形態では、さらに−0.06〜−0.1Mpaであり、あるいは、また別の実施形態では、さらに−0.08〜−0.099Mpaである。例えば、ある実施形態では、真空マイクロ波乾燥の温度は、10〜60℃であり、あるいは、ある実施形態では、さらに20〜60℃であり、あるいは、別の実施形態では、さらに20〜40℃であり、あるいは、また別の実施形態では、さらに30〜40℃であり、あるいは、さらに別の実施形態では、25〜36℃であってもよい。
本願発明の実施形態によれば、真空マイクロ波の電力は、乾燥する材料の量、乾燥過程における抽気ポンプの抽気速度及び/又はその限界真空度、並びに乾燥過程の状況に応じて調整することができる。一般的には、本願発明のある実施形態では、乾燥過程の前期で溶媒の含有量が多いため、通常高電力が必要であるが、乾燥の後期で溶媒の含有量が少ないため、通常低電力が必要である。
本願発明の一つ又は複数の実施形態によれば、一回で材料200gを乾燥させる場合、マイクロ波の電力の変化範囲は、300〜800Wである。一回で材料6〜8kgを乾燥させる場合、マイクロ波の電力の変化範囲は、1000〜20000Wである。
本願発明の精製方法によれば、残留溶媒の除去処理過程では臭化ロクロニウム分子の構造はほとんど破壊されない。粗製臭化ロクロニウム中の関連物質の含有量が高くない場合、本願発明の真空マイクロ波乾燥法の操作及び後の乾燥処理により得られた臭化ロクロニウムの最終製品における関連物質の含有量は、通常低い。本願発明のある実施形態では、不純物Aの含有量は精製終了後に低下することが認められた。
本願発明の方法によって粗製臭化ロクロニウムを精製することで、関連物質(既知の不純物)及びその含有量、残留溶媒の含有量がEP8.0(ヨーロッパ薬局方第8版)及び/又はUSP38(米国薬局方第38版)に規定された要求を満たす高品質の臭化ロクロニウム(最終製品)を得ることができる。関連物質の含有量が0.1%以下であり、既知と未知の不純物の総含有量が通常0.4%以下であることが多い。主な生成物である臭化ロクロニウムの含有量は、米国基準に基づいて測定すると、通常99.0%以上であり(米国基準では98〜102%である)、他の指標に関しても良好な結果であり、医薬品基準を満たしている。
本願発明に係る方法によって、高品質の臭化ロクロニウムを得ることができ、臭化ロクロニウムの大規模な工業的製造が容易に実現できる。また、可燃性および爆発性の溶媒であるエチルエーテルの使用を回避又は削減することができる。さらに、使用する設備のコストが低く、占用スペースが小さい。
以下、具体的な実施例によりさらに本願発明を説明する。これらの実施例は、本願発明を説明するためのものに過ぎず、本願発明の技術的範囲(保護範囲)を制限するためのものではないことを理解すべきである。以下の実施例において、具体的な条件が明記されていない実験方法は、一般的に、通常の条件又はメーカーが薦める条件に従って行う。
特に定義しない限り、本願明細書で使われるすべての専門用語と科学用語は、当業者によく知られている意味と同じである。
下記の実施例1〜7は、単なる例示であり、当業者が本願発明の技術方案をより明確に理解するためのものであるが、本願明細書等で提供された新規な方法は、指導的役割を果たすものであり、本願明細書等の開示内容に基づいて、下記の実施形態と同一又は類似の手段で、本願明細書等の発明内容で言及された、又は本願明細書等で言及された内容に類似、関連する、又は当業者がよく使用する溶媒や操作やパラメータにより、上記の内容の様々な組合せ方式を組み合わせるか、あるいはある項目のみ又は複数の項目を置換するか、あるいは置換して組み合わせるように得られた実施形態は、いずれも本願発明の保護範囲に属することは明らかである。なお、上記のように、本願明細書で提供された新規な方法は、指導的役割を果たすものであるので、出願人は、本願発明のすべての実施形態を全て列挙することができないことを理解すべきである。
下記の実施例における粗製臭化ロクロニウムの製造は、US20060058275A1、CN101381390A又はUS4894369に記載の方法又は修飾後の方法によって行うことができる。不純物、含有量及び酢酸の測定方法は、USP38に記載の臭化ロクロニウムの基準に従う。残留溶媒の測定方法は、US20060058275A1に従う。水分の測定は、カールフィッシャー法によって行う。
ここで、USP38及びICHのガイドラインは、以下のとおりである。
USP38に規定された臭化ロクロニウムの基準によると、関連物質は、A≦0.2%、B≦0.3%、C≦0.3%、D≦0.1%、E≦0.1%、F≦0.1%、G≦0.1%、H≦0.1%、不純物総量≦1.5%であり、酢酸≦5%であり、主成分の含有量が98〜102%である。
ICHのガイドラインによると、残留溶媒として、ジクロロメタン≦600ppm、アセトニトリル≦410ppm、エタノール≦5000ppm、メタノール≦3000ppm、メチルt−ブチルエーテル≦5000ppm、酢酸エチル≦5000ppmである。
実施例1
粗製臭化ロクロニウムの製造
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル500gと、ジクロロメタン2.25Lと、3−ブロモプロピレン600mLとを混合し、室温下で16時間撹拌した後、反応混合物をろ過し、その後、ジクロロメタン1.75Lを加えて希釈した。その後、激しく撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lと混合し、白い沈殿物を析出させ、引き続き20分間撹拌し、沈殿物を濾別し、ジクロロメタン3.5Lに再度溶解した後、撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lに加え、沈殿物を濾別してメチルt−ブチルエーテルで洗浄し、粗製臭化ロクロニウムを得た。
粗製臭化ロクロニウムの精製
まず、上記の粗製臭化ロクロニウムを真空乾燥オーブン内で3〜5時間真空引きした後、2Lの一つ口フラスコに移した。さらに、フラスコにメタノール680ml、水100ml及び酢酸30mlを加え、窒素ガスを導入してバブリングして溶解させた後、マイクロ波トレイに入れ、マイクロ波真空乾燥機に入れて真空マイクロ波乾燥により、温度を43℃以下、真空度を−0.08〜−0.096Mpaに制御し、16min乾燥させ、固体を得た。その後、温度を43℃以下、真空度を−0.096Mpa超に制御し、引き続き50〜60min乾燥させた。材料の残留溶媒及び水分の含有量を追跡して監視し、合格後に材料を取り出し、臭化ロクロニウムの最終製品を得た。
測定
水分は2.6%であり、残留溶媒の含有量は、メタノール:2800ppm、ジクロロメタン:60ppm、メチルt−ブチルエーテル:2960ppm、酢酸:4.6%であった。関連物質として、A:0.11%、C:0.10%、F:0.07%、G:0.03%、H:0.05%、B、D、E:測定せず、不純物総量:0.4%(合格の基準上限は1.5%である)であり、主成分の含有量(酢酸及び水を除く)が99.1%であった。
実施例2
粗製臭化ロクロニウムの製造
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル500gと、アセトニトリル2Lと、3−ブロモプロピレン600mlとを混合し、室温下で8時間撹拌した。反応混合物をろ過して得られた濾液を、ジクロロメタン2Lで希釈した。その後、激しく撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lと混合し、白い沈殿物を析出させ、引き続き20分間撹拌し、沈殿物を濾別し、ジクロロメタン3.5Lに再度溶解した後、撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lに加え、沈殿物を濾別してメチルt−ブチルエーテルで洗浄し、粗製臭化ロクロニウムを得た。
粗製臭化ロクロニウムの精製
まず、上記の粗製臭化ロクロニウムを真空乾燥オーブン内で30分間真空引きした後、2Lの一つ口フラスコに移した。さらに、フラスコにメタノール560mlを加え、ガラス導管1本で二酸化炭素ガスを導入してバブリングして混合し、固体を均一相の液体になるように溶解し、水60mlを加え、引き続き二酸化炭素ガスを約1時間導入した。その後、フラスコ内の液体をマイクロ波真空トレイに入れ、マイクロ波真空乾燥機に入れ、温度を36℃以下、真空度を−0.08〜−0.096Mpaに制御し、約20〜23min乾燥して、固体を得た。
固体を真空乾燥オーブンに移し、オーブン内の温度を34〜37℃に設定し、二酸化炭素ガスを導入して24時間ブローした後、サンプリングして残留溶媒を測定し、残留溶媒であるメタノールが3000ppm以下となったところで、ガスの導入を停止した。真空乾燥オーブンを真空ポンプに接続して真空引きし(真空度を−0.095Mpa超に設定)、引き続き乾燥し(オーブン内に五酸化二リンを入れた)、約6時間後に材料を取り出し、臭化ロクロニウムの最終製品を得た。
測定
水分の含有量は2.1%であり、残留溶媒の含有量は、メタノール:2090ppm、アセトニトリル:測定せず、メチルt−ブチルエーテル:2350ppm、ジクロロメタン:330ppmであった。関連物質として、A:0.06%、C:0.09%、F:0.05%、G:0.02%、H:0.04%、B、D、E:測定せず、不純物の総量:0.36%(合格の基準上限は1.5%である)であり、主成分の含有量(水無しで計算)が99.3%であった。
実施例3
粗製臭化ロクロニウムの製造
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル500gと、アセトニトリル2Lと、3−ブロモプロピレン600mLとを混合し、室温下で8時間撹拌した。反応混合物をろ過して得られた濾液を、ジクロロメタン2Lで希釈した。その後、激しく撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lと混合し、白い沈殿物を析出させ、引き続き20分間撹拌し、沈殿物を濾別した。ジクロロメタン3.5Lに再度溶解した後、撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lに加え、沈殿物を濾別してメチルt−ブチルエーテルで洗浄し、粗製臭化ロクロニウムを得た。
粗製臭化ロクロニウムの精製
粗製臭化ロクロニウムを2Lの一つ口フラスコに加え、フラスコにメタノール480mlと水100mlの混合物を加え、二酸化炭素を導入してバブリングし、撹拌して固体が均一な液体となるように溶解させた。その後、この液体をマイクロ波真空トレイに入れ、マイクロ波真空乾燥機に入れ、温度を40℃以下、真空度を−0.08〜−0.096Mpaに制御し、約16〜19min乾燥させ、固体を得た後、引き続き真空マイクロ波によって4〜6分間乾燥させた。
固体を真空乾燥オーブンに移し、オーブン内の温度を34〜36℃に設定し、二酸化炭素を導入して24時間ブローした後、サンプリングして残留溶媒を測定し、残留溶媒であるメタノールが3000ppm以下になったところで、ガスの導入を停止した。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、真空引きし(真空度を−0.096Mpa超に設定)、引き続き乾燥させ、水分の含有量を監視し、水分の含有量が4.0%以下になったところで、材料を取り出し、臭化ロクロニウムの最終製品を得た。
測定
水分の含有量は3.3%であり、残留溶媒の含有量は、メタノール:1200ppm、アセトニトリル:測定せず、メチルt−ブチルエーテル:960ppm、ジクロロメタン:360ppmであった。関連物質として、A:0.08%、C:0.13%、F:0.05%、G:0.03%、H:0.04%、B、D、E:測定せず、不純物の総量:0.43%(合格の基準上限は1.5%である)であり、主成分の含有量(水無しで計算)が99.6%であった。
実施例4
粗製臭化ロクロニウムの製造
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル500gと、ジクロロメタン2Lと、3−ブロモプロピレン600mLとを混合し、室温で16時間撹拌した。反応液をろ過し、濾液をジクロロメタン1Lに加えた後、激しく撹拌しながらメチルt−ブチルエーテル25Lと混合し、白い沈殿物を析出させ、引き続き20分間撹拌し、沈殿物を濾別した。ジクロロメタン3.5Lに再度溶解した後、激しく撹拌しながら酢酸エチルとメチルt−ブチルエーテル(V:V=1:10)の混合溶媒20Lをゆっくり加え、白い沈殿物を析出させ、ろ過して溶媒と沈殿物とを混合し、粗製臭化ロクロニウムを得た。
粗製臭化ロクロニウムの精製
粗製臭化ロクロニウムにメタノール600mlを加え、27℃以下の温度でメタノール400mlを濃縮除去した後、メタノール250ml、水90ml、酢酸30mlを加え、均一に混合した後、マイクロ波トレイに入れ、トレイをマイクロ波真空乾燥機に入れ、温度を43℃以下、真空度を−0.08〜−0.098Mpaに制御し、約15〜20min乾燥させ、固体を得た。
固体を真空乾燥オーブンに移し、温度を36℃に設定し、窒素ガスを導入して24時間ブローした後、サンプリングして残留溶媒を測定した。残留溶媒であるメタノールの含有量が5000ppm以下になったところで、ガスの導入を停止し、真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、オーブンを真空ポンプに接続して真空引きし、引き続き6時間乾燥させた。その後、サンプリングして残留溶媒及び水分を測定し、合格しない場合は、合格するまで引き続き3〜5時間真空乾燥させた。そして、材料を取り出して粉砕し、50〜60メッシュのふるいを通過させ、臭化ロクロニウムの最終製品を得た。
測定
水分の含有量は3.5%であり、残留溶媒の含有量は、メタノール:1900ppm、ジクロロメタン:60ppm、酢酸エチル:960ppm、メチルt−ブチルエーテル:830ppm、酢酸:4.6%であった。関連物質として、A:0.06%、C:0.1%、F:0.08%、G:0.04%、H:0.05%、B、D、E:測定せず、不純物の総量:0.39%(合格の基準上限は1.5%である)であり、主成分の含有量(酢酸及び水分を除く)が99.5%であった。
実施例5
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル400gに対して、ジクロロメタン3600mLを加えて溶解させ、臭化アリル150mlおよびキチン8gを加えて、窒素ガスの雰囲気下で、30〜34℃で反応させて23〜25時間撹拌し、反応液をろ過し、濾液を26℃以下で粘稠状態になるように減圧濃縮した。その後、ジクロロメタン400mlを加えて泡状に濃縮し、メタノール530mlを加え、フラスコとその中の材料の総重量を秤量し、28℃以下の温度で減圧濃縮して約290g減量した。その後、メタノール−水−酢酸(V/V/V=4:4:1)230mlを加えて均一に混合した後、マイクロ波トレイに入れ、トレイをマイクロ波真空乾燥機に入れ、温度を43℃以下、真空度を−0.08〜−0.098Mpaに制御し、約15〜20min乾燥して、固体を得た。
固体を真空乾燥オーブンに移し、オーブン内の温度を33〜36℃に設定し、窒素ガス及び二酸化炭素を導入し(V/V=1:6)、24時間ブローした後、サンプリングして残留溶媒を測定し、残留溶媒であるメタノールが3000ppm以下になったところで、ガスの導入を停止した。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、真空引きし(真空度を−0.096Mpa超に設定)、引き続き乾燥させ、水分の含有量を監視し、水分の含有量が4.0%以下になったところで、材料を取り出し、臭化ロクロニウムの最終製品を得た。
測定
水分は含有量3.2%であり、残留溶媒の含有量は、メタノール:1600ppm、ジクロロメタン:360ppm、酢酸:4.1%であった。HPLC測定:関連物質として、A:0.08%、C:0.1%、F:0.08%、G:0.03%、H:0.04%、B、D、E:測定せず、不純物の総量:0.39%(合格の基準上限は1.5%である)であり、主成分の含有量(水を除く)が99.6%であった。
実施例6
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル400gに対して、ジクロロメタン3600mLを加えて溶解させ、臭化アリル200ml及びキチン8gを加え、窒素ガス雰囲気下で、30〜34℃で反応させて22〜24時間撹拌し、反応液をろ過し、濾液を泡状に減圧濃縮した。その後、ジクロロメタン3600mlを加え、泡状固体を溶解させた後、溶解液をエチルエーテル36Lに加え、20分間撹拌し、固体を濾別して真空乾燥オーブンに移し、室温で2時間抽気した後、粉末状固体を得た。この固体を沸騰床乾燥機に移し、ガス導入温度を36℃に設定し、ガスを硫酸吸収装置を通過させて系中に導入し、材料を流動状態に維持した。24時間後にガスクロマトグラフィーによって残留溶媒を測定し、残留溶媒が合格しない場合、合格するまで引き続き乾燥させ、残留溶媒が合格したら、材料を回収してその含有量、関連物質及び水分を測定した。
測定結果
エチルエーテル3300ppm、ジクロロメタン320ppmであり、関連物質として、不純物A:0.13%、不純物C:0.07%、不純物F:0.1%、不純物G、D、E、H、B:何れも0.05%未満、水分2.3%、不純物総量0.61%、主成分の含有量(水無しで計算)99.0%であった。
実施例7
臭化ロクロニウムの中間体であるモノエステル400gに対して、ジクロロメタン3600mLを加えて溶解させ、臭化アリル200ml及びキチン4gを加え、窒素ガスの保護下で、31〜35℃で反応させて22〜24時間撹拌し、反応液をろ過し、濾液を泡状に減圧濃縮した。その後、ジクロロメタン3600mlを加えて溶解させ、メチルt−ブチルエーテル36Lを加え、20分間撹拌し、固体を濾別し、エチルエーテルで3〜4回よく混合して洗浄し、固体を真空乾燥オーブンに移し、室温で2時間抽気した後、粉末状固体を得た。粉末状固体を沸騰流動床乾燥機に移し、ガス導入温度を36℃に設定し、ガスを硫酸吸収装置を通過させて系中に導入し、材料を流動状態に維持した。24時間後にガスクロマトグラフィーによって残留溶媒を測定し、残留溶媒が合格しない場合、合格するまで引き続き乾燥させ、残留溶媒が合格したところで、材料を回収してその含有量、関連物質、残留溶媒及び水分を測定した。
測定結果
メチルt−ブチルエーテル4600ppm、エチルエーテル2000ppm、ジクロロメタン320ppmであり、関連物質として、不純物A:0.13%、不純物C:0.08%、不純物F:0.09%、不純物G、D、E、H、B:何れも0.05%未満、不純物総量0.69%、水分2.2%、主成分の含有量(水無しで計算)99.3%であった。

Claims (10)

  1. 真空マイクロ波乾燥法又は流動乾燥法によって、粗製臭化ロクロニウムにおける残留溶媒を医薬品要件を満たすように除去することを含む粗製臭化ロクロニウムの精製方法。
  2. 溶媒aで粗製臭化ロクロニウムにおける残留溶媒を置換した後、溶媒aを含有する粗製臭化ロクロニウムを真空マイクロ波乾燥させることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 溶媒aと粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、真空マイクロ波によって当該液体を硬化状態にしてから、その溶媒及び水分が医薬品要件を満たすレベルに達するように、引き続き真空マイクロ波乾燥及び/又は他の乾燥方法により処理することを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 主にエチルエーテルを含む粗製臭化ロクロニウムを流動乾燥させることを含む請求項1に記載の方法であって、
    さらに、上述した主にエチルエーテルを含む粗製臭化ロクロニウムは、エチルエーテルを主な残留溶媒として含む粗製臭化ロクロニウム、又は主な残留溶媒がエチルエーテルとなるように処理された粗製臭化ロクロニウムであり、
    さらに、上述した主にエチルエーテルを含む粗製臭化ロクロニウムは、主な残留溶媒がエチルエーテルとなるように貧溶媒添加晶析法によって処理された粗製臭化ロクロニウムであり、
    さらに、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムに含まれる主な残留溶媒がエチルエーテルとなるように粗製臭化ロクロニウムを貧溶媒添加晶析法によって処理した後、流動乾燥を行うことを含むことを特徴とする方法。
  5. 前記貧溶媒添加晶析法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造することを含み、
    さらに、前記溶媒bは、双極性非プロトン性溶媒であり、
    さらに、前記溶媒bは、臭化ロクロニウムを溶解可能な溶媒であり、
    さらに、前記溶媒bは、ジクロロメタン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及びN,N−ジメチルアセトアミドから選択される一種又は複数種であり、
    さらに、前記溶媒bは、ジクロロメタン、アセトニトリル、アセトン及びDMSOから選択される一種又は複数種であり、さらにジクロロメタンであり、
    さらに、前記溶媒cは、貧溶媒であり、さらに臭化ロクロニウムに不溶又は微溶な溶媒であり、
    さらに、前記溶媒cは、エチルエーテル又はエチルエーテル以外の溶媒であり、
    さらに、前記溶媒cは、エチルエーテル以外の溶媒であり、イソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンから選択される一種又は複数種であり、
    さらに、前記溶媒cは、エチルエーテル以外の溶媒であり、メチルt−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル及びn−ヘキサンから選択される一種又は複数種であり、
    さらに、前記溶媒cは、エチルエーテル以外の溶媒であり、メチルt−ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル又はn−ヘキサンであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、流動乾燥を行うことを含む請求項1、4又は5に記載の方法であって、
    さらに、前記溶媒cがエチルエーテルである場合、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、流動乾燥を行うことを含み、
    さらに、前記溶媒cがエチルエーテル以外の溶媒である場合、前記方法は、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造し、エチルエーテルで当該固体を洗浄した後、流動乾燥を行うことを含むことを特徴とする方法。
  7. 前記流動乾燥に用いられるガスは、空気、アルゴンガス、窒素ガス及び二酸化炭素ガスから選択される一種又は複数種であり、
    さらに空気、アルゴンガス、窒素ガス又は二酸化炭素ガスであり、
    さらに、前記ガスは、固体臭化ロクロニウムと接触する前に乾燥処理されており、
    さらに、前記乾燥に用いられるガス導入温度は、15〜60℃、さらに25〜45℃、さらに一層30〜37℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記溶媒cがエチルエーテル以外の溶媒である場合、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、溶媒aと当該固体粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、当該液体を真空マイクロ波乾燥させることを含み、
    さらに、粗製臭化ロクロニウムを溶媒bに溶解させて粗製臭化ロクロニウム溶液を調製し、当該粗製臭化ロクロニウム溶液と溶媒cとを混合して固体粗製臭化ロクロニウムを製造した後、溶媒aと当該固体粗製臭化ロクロニウムとを臭化ロクロニウム含有液体となるように混合し、真空マイクロ波によって当該液体を硬化状態にしてから、その溶媒及び水分が医薬品要件を満たすレベルに達するように、引き続き真空マイクロ波乾燥及び/又は他の乾燥方法により処理することを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. 前記溶媒aは、マイクロ波吸収能の強い極性溶媒であり、
    さらに、前記溶媒aは、C〜Cの一価アルコール、C〜Cの一塩基酸、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン及び水から選択される一種又は複数種であり、
    さらに、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、ギ酸、酢酸、アセトン及び水から選択される一種又は複数種であり、
    さらに、前記溶媒aは、メタノール、エタノール、メタノールと水、エタノールと水、メタノールと水と酢酸、又はエタノールと水と酢酸であり、
    さらに、前記真空マイクロ波の真空度は、−0.01〜−0.1Mpa、さらに−0.06〜−0.1Mpa、さらに−0.08〜−0.099Mpaであり、
    さらに、前記真空マイクロ波の温度は、10〜60℃、さらに10〜50℃、さらに10〜40℃、さらに20〜40℃、さらに30〜40℃、さらに一層25〜36℃であり、
    さらに、前記他の乾燥方法は、当業者が通常使用する乾燥方法、又は減圧(真空)乾燥法、ガスブロー乾燥法及び流動乾燥法から選択される一種又は複数種であり得ることを特徴とする請求項2又は8に記載の方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法により精製して得られた、医薬品基準を満たす臭化ロクロニウム。
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