JP2021527581A - ポリマー基材のための酸官能性コポリマー被覆 - Google Patents

ポリマー基材のための酸官能性コポリマー被覆 Download PDF

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Abstract

本発明の複数の実施形態は、基材層、オーバーコート層、及び基材層とオーバーコート層の間の少なくとも1つの中間層を含む被覆フィルム構造体を提供する。基材層はポリマーフィルム基材を含み、オーバーコート層は酸官能性コポリマーを含み、少なくとも1つの中間層は酸化アルミニウムを含む。本被覆フィルム構造体は、ASTM−E3985にしたがって測定して、50%の相対湿度及び23℃において約3.00cm/m/日未満の酸素透過率を有する。更に、本被覆フィルム構造体は、ASTM−E−398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において2.50g/m/日未満の水蒸気透過率を有する。
【選択図】なし

Description

[0001]本発明の複数の実施形態は、一般にフィルム基材上で使用するための被覆に関する。より具体的には、本発明の複数の実施形態は、向上した酸素及び水蒸気バリア特性を有する、酸化アルミニウムを含む層及びスチレンコポリマーを含む層を含む被覆フィルム構造体に関する。
[0002]ポリマーフィルム基材は、基材に対して種々の所望の特性を与えるために種々の材料で被覆することができる。これらの特性としては、シール性、耐水性及び耐グリース性、接着性、及び耐引裂又は耐穿刺性が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの場合においては、被覆材料には金属又は金属酸化物を含ませることができる。これらのタイプの被覆は、ポリマーフィルム基材を使用し得るフレキシブル包装産業において特に重要である。食品を貯蔵するために使用されるパウチ及びバッグのような包装用品はポリマーフィルム基材を含み得る。これらの用品においては、包装の耐久性並びに包装内容物の品質及び貯蔵寿命を向上させるために、ポリマーフィルム基材においてバリヤ特性が望まれる場合がある。
[0003]金属及び金属酸化物被覆は、包装において使用されるプラスチックフィルムのバリヤ性を向上させるために使用される。しかしながら、これらの被覆の性能はフィルムの加工中に損なわれる傾向がある。例えば、フィルムは、印刷及び積層プロセス中において巻取及び解舒される際に緊張下に保持される。緊張は、フィルム上に堆積されている被覆の亀裂を引き起こす可能性がある。更に、フィルムの表面はまたローラー及びガイドとも接触し、これは被覆を摩耗及び擦過する可能性がある。被覆に対するこれらの損傷は、水蒸気及び酸素透過率に関する被覆ポリマーフィルムのバリヤ特性に影響を与える可能性がある。
[0004]したがって、水蒸気及び酸素に対する向上したバリヤ性能を示す被覆フィルム構造体に対する必要性が継続して存在する。更に、有利な水蒸気及び酸素透過率を示す、酸化アルミニウムを含む被覆フィルム構造体に対する必要性が存在する。本発明の複数の態様はこれらの必要性を満足する。
[0005]本発明の複数の態様は、基材層、オーバーコート層、及び基材層とオーバーコート層の間に配置されている少なくとも1つの中間層を含む被覆フィルム構造体を提供する。基材層はポリマーフィルム基材を含み、オーバーコート層は少なくとも一種類の酸官能性コポリマーを含み、少なくとも1つの中間層は酸化アルミニウムを含む。
[0006]1以上の実施形態によれば、本被覆フィルム構造体は、ASTM−D3985にしたがって測定して、50%の相対湿度及び23℃において約3.00cm/m/日未満の酸素透過率を有する。更に、本被覆フィルム構造体は、ASTM−E398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において2.50g/m/日未満の水蒸気透過率を有する。幾つかの特定の実施形態においては、本被覆フィルム構造体は、ASTM−D3985にしたがって測定して、50%の相対湿度及び23℃において約1.00cm/m/日未満の酸素透過率、及びASTM−E−398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において1.00g/m/日未満の水蒸気透過率を有する。
[0007]1以上の実施形態によれば、酸官能性コポリマーは疎水性スチレンコポリマーである。種々の実施形態においては、疎水性スチレンコポリマーは、アルカリ可溶性樹脂(ASR)で安定化されたスチレン−アクリルコポリマー、酸官能性スチレン−アクリルコポリマー、アルカリ可溶性アクリルコポリマー、及びカルボキシル化スチレン−ブタジエンゴム(SBR)分散液の群から選択される。
[0008]本発明の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、構造体の特徴が対応する参照番号で示されている以下の図面と併せて読めば最もよく理解することができる。
[0009]図1は、本明細書に記載される1以上の実施形態による被覆フィルム構造体の断面側面図を図示する。 [0010]図2は、本明細書に記載される1以上の実施形態による被覆フィルム構造体の断面側面図を図示する。 [0011]図3は、オーバーコート配合物中のポリマーのガラス転移温度(T)の関数としての酸素透過率(OTR)及び水蒸気透過率(WVTR)の変化(亜鉛値から亜鉛なしの値を引いたもの)のグラフである。 [0012]図4は、被覆されていないBOPET/AlO及びオーバーコートされたBOPET/AlOについてのゲルボ屈曲の関数としての酸素透過率の変化のプロットである。
[0013]ここで、被覆構造体の種々の実施形態を詳細に参照する。被覆フィルム構造体の成分は、少なくとも1つのポリマーフィルムを含む第1の基材層、酸化アルミニウムを含む中間層、及び酸官能性コポリマーを含むオーバーコート層を含む。種々の実施形態の被覆フィルム構造体は、水蒸気及び酸素に対する増加したバリア性能を示すことができる。
[0014]種々の実施形態においては、基材層は少なくとも1種類のポリマーフィルム基材を含む。ポリマーフィルム基材は、ポリエステル、ポリアミド、又はポリオレフィンであってよい。例えば、基材には、少なくとも1種類のポリエチレン又はポリプロピレン、ポリエステル基材、又はこれらの組み合わせを含ませることができる。例として(限定ではない)、ポリマーフィルムには、ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BOPET)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリプロピレン、二軸延伸ポリアミド、ナイロン、又はポリ塩化ビニルを含ませることができる。幾つかの実施形態においては、ポリマー基材はBOPETのようなポリエステルを含む。他の実施形態によれば、ポリマー基材はポリプロピレンを含む。好適なポリプロピレンとしてはBOPPが挙げられるが、これに限定されない。
[0015]1以上の実施形態においては、基材層は1μm〜120μmの厚さを有する。他の実施形態においては、基材層は、1μm〜100μm、1μm〜80μm、1μm〜60μm、1μm〜50μm、5μm〜120μm、5μm〜100μm、5μm〜80μm、5μm〜60μm、5μm〜50μm、10μm〜120μm、10μm〜100μm、10μm〜80μm、10μm〜50μm、又は10μm〜30μmの厚さを有する。過度に薄い基材層を有する被覆フィルム構造体は、穿刺又は引裂をより起こし易い可能性がある。過度に厚い基材層を有する被覆フィルム構造体は不適当な可撓性を有する可能性があり、被覆が変形に対してより耐久性が低い可能性がある。
[0016]ポリマーフィルム基材の一方又は両方の表面を表面処理することができる。例えば、表面処理によって、メタライゼーション、被覆、印刷インク、積層、又はこれらの組合せに対するポリマーフィルム基材の受容性を向上させることができる。例として(限定ではない)、ポリマーフィルム基材の一方又は両方の表面を、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、化学処理などの1以上にかけることができる。化学処理としては、酸、塩基、又は酸化剤による化学エッチングが挙げられる。化学エッチングのために使用される化学処理としては、硝酸、クロム酸カリウム、三塩素酸(trichloric acid)、又はこれらの組合せを挙げることができる。
[0017]種々の実施形態の被覆フィルム構造体は、酸官能性コポリマーを含む少なくとも1つのオーバーコート層を含む。本明細書において使用する「酸官能性コポリマー」という用語は、1以上の酸官能性基を含む少なくとも1種類のコモノマーを含むコポリマーを指す。幾つかの実施形態においては、酸官能性コポリマーは、スチレン−アクリルコポリマーを製造するために使用されるアルカリ可溶性安定化樹脂である。1以上の酸官能性基を含むモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、フマル酸、マレイン酸、及び二塩基酸/無水物のモノアルキルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態においては、酸官能性コポリマーはアクリル酸コモノマーを含む。
[0018]種々の実施形態においては、耐水性のためのバリア機能性は、ASTM−D−3285(TAPPI−T−441)に規定されているように、Cobbサイジング試験によって測定することができる。種々の実施形態においては、被覆された基材は、30分間のCobb試験後に、約30以下、約20以下、又は約10以下のCobb値(30分曝露)を示す。酸官能性コポリマーは、例として(限定ではない)カルボキシル化スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、酸官能性スチレン−アクリルコポリマー、アルカリ可溶性アクリルコポリマー、又はアルカリ可溶性樹脂で安定化されたスチレン(メタ)アクリルポリマー、例えば1990年9月4日に発行された「樹脂強化エマルジョンポリマー及びその製造方法」と題された米国特許第4,954,558号(その全開示事項は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものであってよい。幾つかの実施形態においては、酸官能性コポリマーは、1983年11月8日に発行された「ビニルモノマーの連続塊状共重合法」と題された米国特許第4,414,370号、1985年7月16日に発行された「高固形分で均一なコポリマーを製造するための塊状重合法」と題された米国特許第4,529,787号、及び1985年10月8日に発行された「高固形分で均一なコポリマーを製造するための塊状重合法」と題された米国特許第4,546,160号(これらは全て参照により本明細書に組み込まれる)の教示にしたがって製造することができる。
[0019]幾つかの実施形態においては、酸官能性コポリマーは、アクリルコモノマー及びスチレンコモノマーを含むコポリマーである。酸官能性コポリマーには、例えば、約10重量%〜約99重量%のスチレン、約10重量%〜約30重量%のスチレン、約10重量%〜約20重量%のスチレン、約20重量%〜約30重量%のスチレン、約30重量%〜約50重量%のスチレン、約40重量%〜約60重量%のスチレン、又は約80重量%〜約99重量%のスチレンを含ませることができる。酸官能性コポリマーには、例えば、約1重量%〜約90重量%のアクリルコモノマー、約1重量%〜約20重量%のアクリルコモノマー、約50重量%〜約60重量%のアクリルコモノマー、約70重量%〜約90重量%のアクリルコモノマー、又は約40重量%〜約60重量%のアクリルコモノマーを含ませることができる。特定の実施形態によれば、他の量のスチレン及びアクリルコモノマーが意図される。
[0020]特にスチレンの量は、酸官能性コポリマーのガラス転移温度(T)に影響を及ぼし得る。特に、酸官能性コポリマーのスチレン含量が増加するにつれて、酸官能性コポリマーのTも上昇する。種々の実施形態においては、酸官能性コポリマーは、約−25℃〜約130℃、約−25℃〜約110℃、約0℃〜約130℃、約0℃〜約120℃、約−20℃〜約90℃、約−10℃〜約50℃、又は更には約−5℃〜約20℃のTを有する。
[0021]種々の実施形態においては、酸官能性コポリマーは、約2mgKOH/g〜約240mgKOH/g、約2mgKOH/g〜約76mgKOH/g、約4mgKOH/g〜約50mgKOH/g、又は約30mgKOH/g〜約45mgKOH/gの酸価を有する。酸官能性コポリマーがアルカリ可溶性アクリルコポリマーである実施形態のような幾つかの実施形態においては、酸価は、約50mgKOH/g〜約240mgKOH/gであってよい。種々の実施形態においては、酸官能性コポリマーは、約100,000g/molより高く、約150,000g/molより高く、又は更には約200,000g/molより高い分子量(MW)を有する。酸官能性コポリマーがアルカリ可溶性アクリルコポリマーである実施形態のような更に他の実施形態においては、分子量は約2,000g/mol〜約17,000g/molであってよい。
[0022]本発明の幾つかの実施形態においては、オーバーコート層には架橋剤を更に含ませることができる。架橋剤は多価金属塩を含んでいてよい。例えば、架橋剤は遷移金属イオンであってよい。幾つかの実施形態においては、架橋剤に、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化銅、及びそれらの複合体のような金属酸化物を含ませることができる。
[0023]幾つかの実施形態においては、架橋剤の量は、酸官能性コポリマーの酸官能性によって変化し得る。特に、幾つかの実施形態によれば、架橋剤のモル数と酸官能性コポリマーの酸官能性との比は約1:1未満である。例えば、架橋剤のモル数と酸官能性コポリマーの酸官能性との比は、約0.1:10〜約7:10、約0.5:10〜約7:10、又は約3:10〜約7:10であってよい。
[0024]オーバーコート層にはまた、場合によって、殺生物剤、増粘剤(本明細書においてはレオロジー調整剤とも呼ぶ)、消泡剤、可塑剤、及び/又はアルコールなど(しかしながらこれに限定されない)の共溶媒など(しかしながらこれらに限定されない)の1種類以上の他の添加剤を含ませることもできる。好適な殺生物剤としては、例として(限定ではない)Lonza Group(Basel,スイス)から入手できる、商品名PROXEL(登録商標)、例えばPROXEL(登録商標)GXL 5%で商業的に入手できるものを挙げることができる。
[0025]幾つかの実施形態においては、オーバーコート層は水膨潤性ポリマーからなる群から選択される増粘剤を含む。オーバーコート層中に含まれる増粘剤の特定の量は、特定の実施形態によって変化し得、他のファクターの中でも、使用される増粘剤のタイプ及びオーバーコート層の所望の粘度によって変化し得る。水膨潤性ポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリウレタン、及びそれらのコポリマー、多糖、セルロースエーテル、ガム、及びそれらの混合物のような天然、半合成、又は合成の水膨潤性ポリマーからなる群から選択することができる。幾つかの実施形態においては、増粘剤は、無機クレイ、セルロース系多糖、合成炭化水素ポリマー、バイオポリマー多糖、アクリルコポリマー、ポリアクリレートアンモニウム塩、ポリエーテルカルボキシレートポリマー、非会合性増粘剤及び会合性増粘剤、並びに塩基中和エチレンアクリル酸コポリマーからなる群から選択することができる。
[0026]1以上の実施形態においては、オーバーコート層は、約0.05g/m〜約2.0g/mの乾燥被覆重量を有する。他の実施形態においては、オーバーコート層は、約0.05g/m〜約1.5g/m;約0.1g/m〜約1.0g/m;又は約0.2g/m〜約0.5g/mの乾燥被覆重量を有する。更なる実施形態においては、オーバーコート層には、乾燥被覆重量基準で少なくとも50%の酸官能性コポリマー、又は乾燥被覆重量基準で少なくとも60%の酸官能性コポリマーを含ませることができる。別の言い方をすると、他の実施形態においては、オーバーコート層に乾燥被覆重量基準で60〜100%の酸官能性コポリマーを含ませることができる。
[0027]図1を参照すると、1以上の実施形態においては、被覆フィルム構造体100は、基材層102とオーバーコート層106の間に配置されている少なくとも1つの中間層104を含む。中間層104は、例えば基材層102上に配置することができる。中間層104は、基材層102、オーバーコート層106、又は両方と接触させることができる。
[0028]1以上の実施形態によれば、中間層104には、金属、金属酸化物、又は両方を含ませることができる。少なくとも1つの実施形態においては、中間層104は酸化アルミニウムを含む。中間層104は、約5nm〜約30nm、約5nm〜約25nm、約5nm〜約15nm、又は約5nm〜約10nmの厚さを有していてよい。
[0029]種々の実施形態においては、被覆フィルム構造体に少なくとも1つの被覆層108を更に含ませることができる。少なくとも1つの実施形態においては、少なくとも1つの被覆層108は、ポリマーフィルム基材と中間層104の間に配置する。他の実施形態においては、少なくとも1つの更なる被覆層108を、更なる被覆層108が基材又は中間層104に接触しないようにオーバーコート層106に施すことができる。更に他の実施形態においては、2以上の更なる被覆層108を被覆フィルム構造体内に含ませることができる。更なる被覆層108は、例えば、上記に記載したオーバーコート配合物の1つであってよく、これをポリマーフィルム基材と中間層104の間に施すことができる。更なる被覆層108には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリオレフィン、又はこれらの混合物を含ませることができる。オーバーコート層106と同様に、更なる被覆層108には、場合によって、殺生物剤、接着増強剤、架橋剤などのような1種類以上の添加剤を含ませることができる。更なる被覆層108及びオーバーコート層106を使用する実施形態においては、更なる被覆層108及びオーバーコート層106は同じ配合を有していてよく、或いは異なる配合を有していてよい。
[0030]図2を参照すると、1以上の実施形態においては、被覆フィルム構造体200は、基材層102、被覆層108、中間層104、及びオーバーコート層106を含む。被覆層108は、中間層104と基材層102の間に配置されているので、オーバーコート層106に接触していない。更に図2を参照すると、中間層104は、介在する被覆層108が配置されているために、基材層102と接触していない。
[0031]1以上の実施形態においては、少なくとも1つの被覆層108は約0.05g/m〜約1.5g/mの乾燥被覆重量を有する。他の実施形態においては、少なくとも1つの被覆層108は、約0.05g/m〜約1.0g/m;約0.1g/m〜約0.5g/m;又は約0.3g/m〜約0.7g/m;の乾燥被覆重量を有する。全被覆層108の合計被覆重量は、約4.5g/m以下、約3.0g/m以下、又は更には約2.0g/m以下である。
[0032]1以上の実施形態においては、被覆フィルム構造体は、積層体接着剤を含む少なくとも1つの層を更に含む。他の実施形態においては、被覆フィルム構造体は第2の基材層を更に含む。積層体接着剤は、オーバーコート層106内、又は更なる被覆層108内に配置することができる。他の実施形態においては、積層体接着剤は、第1の基材層102と第2の基材層の間の層内に配置することができる。積層体接着剤としては、1成分又は2成分接着剤のいずれかであってよいポリウレタン系接着剤が挙げられ、架橋度は特定の最終用途に関して定められる。好適な接着剤としては、非限定的な例として、Henkel AG & Company(Dusseldorf,ドイツ)から入手できるLoctite LIOFOL(登録商標)(例えばLoctite LIOFOL(登録商標)LA2760/LA5028など)の商品名で商業的に入手できるものが挙げられる。好適な接着剤としてはまた、例として(限定ではない)、2.5ニュートン/インチ(N/インチ)〜10N/インチの間の接着強さを有するものも挙げられる。
[0033]種々の実施形態においては、本被覆フィルム構造体は、金属化バリヤ層のみを含む構造体と比べて向上した酸素及び水蒸気に対するバリヤ特性を示す。例えば、被覆フィルム構造体の種々の実施形態は、ASTM−D3985にしたがって測定して、50%の相対湿度及び23℃において約3.00cm/m/日未満の酸素透過率を示す。複数の実施形態においては、本被覆フィルム構造体は、ASTM−D3985にしたがって測定して、50%の相対湿度及び23℃において約2.00cm/m/日未満、50%の相対湿度及び23℃において約1.75cm/m/日未満、50%の相対湿度及び23℃において約1.60cm/m/日未満、50%の相対湿度及び23℃において約1.50cm/m/日未満、又は50%の相対湿度及び23℃において約1.00cm/m/日未満の酸素透過率を示すことができる。例えば、本被覆フィルム構造体は、ASTM−D3985にしたがって測定して、50%相対湿度及び23℃において約0.1cm/m/日〜約3.00cm/m/日、50%相対湿度及び23℃において約0.40cm/m/日〜約2.00cm/m/日、又は50%相対湿度及び23℃において約0.60cm/m/日〜約1.80cm/m/日の酸素透過率を示すことができる。
[0034]1以上の実施形態においては、本被覆フィルム構造体は、ASTM−E398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において2.50g/m/日未満の水蒸気透過率を有する。他の実施形態においては、本被覆フィルム構造体は、ASTM−E398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において1.75g/m/日未満、1.50g/m/日未満、1.25g/m/日未満、又は更には1.00g/m/日未満の水蒸気透過率を有する。
[0035]本発明の実施形態の被覆フィルム構造体の向上したバリヤ特性は、被覆フィルム構造体の寿命にわたって持続させることができる。Gelbo屈曲試験(ASTM−F392)は、フレキシブル包装材料の屈曲耐久性を測定する。屈曲耐久性は、反復変形に対するバリヤ材料の抵抗性として定量することができる。幾つかの実施形態においては、酸素バリヤは5回の屈曲後に変化しないで維持される。
[0036]被覆フィルム構造体及び構成成分の層を製造するために、種々の合成法が意図される。オーバーコート層106又は更なる被覆層108は、有機溶媒、無機溶媒、又はこれらの組合せの中の溶液として調製することができる。或いは、それぞれのオーバーコート層106又は更なる被覆層108は、水性エマルジョンとして調製することができる。溶液又はエマルジョン形態の層の組成物を、被覆フィルム構造体の基材又は他の層に施すことができる。更に他の実施形態においては、層の組成物は、蒸着によって気化させて被覆フィルム構造体に施すことができる。
[0037]中間層104は、任意の好適な方法で基材層102上に堆積させることができる。例えば、中間層104は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、真空蒸着、又は原子層堆積(ALD)を使用してポリマーフィルム基材上に堆積させることができる。1つの特定の実施形態においては、中間層104はPVDによってポリマーフィルム基材上に堆積させる。
[0038]一実施形態においては、オーバーコート層106は、構成成分を混合容器に加えて、全ての成分が均一になるまで周囲温度において混合することによって調製することができる。しかしながら、上昇した温度、上昇した圧力、可溶化剤の存在下、又はこれらの組合せにおいて成分を混合する方法などの、オーバーコート層106を調製するための他の方法を使用することができると意図される。ここで使用する可溶化剤としては、レオロジー調節剤、pH緩衝剤、対イオンの塩、又は均一なオーバーコート層106の組成物の混合を助ける他の化合物が挙げられる。
[0039]オーバーコート層106は、グラビア被覆、フレキソ印刷被覆、又は他の適用法を使用して施すことができる。リバースグラビアキス被覆構造を使用して、中間層104又は他の層に対する損傷を最小にすることができる。オーバーコート層106を施した後、それを、熱風、放射熱、周囲条件乾燥、又は接着性被覆フィルム構造体を与える任意の他の好適な手段によって乾燥することができる。また、同様の方法によって、更なる被覆層108を施して乾燥することもできる。
[0040]被覆フィルム構造体の全ての層を施した後、被覆フィルム構造体は、そのバリヤ特性を試験する前に硬化させることができる。硬化は、常温又は活性化条件で行うことができる。常温硬化は、被覆フィルム構造体を大気条件において静置することを含む。活性硬化には、熱、真空、又は電磁放射線を適用することを含ませることができる。
実施形態例:
[0041]第1の実施形態例は、ポリマーフィルム基材を含む基材層、少なくとも1種類の疎水性スチレンコポリマーを含むオーバーコート層、及び基材層とオーバーコート層の間に配置され、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの中間層を含む被覆フィルム構造体である。かかる実施形態には下記の構成要素:構成要素1:ポリマーフィルム基材は、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンからなる群から選択されるポリマーを含む;構成要素2:構成要素1、及びポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BOPET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、キャストポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(PE)、及び二軸延伸ポリアミドからなる群から選択される;構成要素3:被覆フィルム構造体は、50%の相対湿度、23℃において、約3.00cm/m/日未満の酸素透過率を有する;構成要素4:被覆フィルム構造体は、50%の相対湿度、23℃において、約2.00cm/m/日未満(又は約0.1cm/m/日〜約3.00cm/m/日)、又は約0.40cm/m/日〜約2.00cm/m/日、又は約0.60cm/m/日〜約1.80cm/m/日)の酸素透過率を有する;構成要素5:被覆フィルム構造体は、ASTM−E−398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において2.50g/m/日未満(1.75g/m/日未満、1.50g/m/日未満、1.25g/m/日未満、又は更には1.00g/m/日未満)の水蒸気透過率を有する;構成要素6:オーバーコート層は110℃未満のガラス転移温度(T)を有する;構成要素7:オーバーコート層は−20℃〜100℃のガラス転移温度(T)を有する。構成要素8:オーバーコート層は−10℃〜50℃のガラス転移温度(T)を有する;構成要素9:オーバーコート層は−10℃〜30℃のガラス転移温度(T)を有する;構成要素10:疎水性スチレンコポリマーは、アルカリ可溶性樹脂(ASR)で安定化されたスチレン−アクリルコポリマー、アルカリ可溶性アクリルコポリマー、酸官能性スチレン−アクリルコポリマー、及びカルボキシル化スチレン−ブタジエンゴム(SBR)からなる群から選択される;構成要素11:オーバーコート層は多価カチオンを更に含む;構成要素12:構成要素11、及び多価金属カチオンは遷移金属イオンを含む;構成要素13:構成要素12、及び遷移金属イオンは、亜鉛、ジルコニウム、鉄、及び銅のイオンからなる群から選択される;構成要素14:構成要素11、及び遷移金属イオンは約0.1:10〜約7:10(又は約0.5:10〜約7:10、又は約3:10〜約7:10)で存在する;構成要素15:分子量は約100,000g/molより高い(又は約150,000g/molより高く、又は更には約200,000g/molより高い);及び構成要素16:分子量は約2,000g/mol〜約17,000g/molであってよい;の1以上を含ませることができる。組み合わせの例としては、構成要素1及び場合により構成要素2と、構成要素3〜16の1以上との組み合わせ;構成要素3と、構成要素4〜16の1以上との組み合わせ;構成要素4と、構成要素5〜16の1以上との組み合わせ;構成要素5と、構成要素6〜16の1以上との組み合わせ;構成要素7〜9の1つと、構成要素10〜16の1以上との組み合わせ;構成要素11及び場合により構成要素12〜14の1以上と、構成要素15〜16の1以上との組み合わせ;並びに構成要素15及び16の組み合わせ;を挙げることができるが、これらに限定されない。
[0042]種々の実施形態をより容易に理解することができるように以下の実施例を説明する。これらは種々の実施形態を例示することを意図しているが、その範囲を限定しない。
実施例1:被覆フィルム構造体の向上した酸素バリア、湿分バリア、及び耐水特性:
[0043]酸化アルミニウム(AlO)中間層及びスチレンアクリルオーバーコートを有するBOPETポリマーフィルム基材を含む種々の例の被覆フィルム構造体を製造した。次に、酸素透過率、水蒸気透過率、及び耐水性を、2つの比較例に対して比較した。比較例Aは、AlO被覆を有し、オーバーコートを有しないBOPETポリマーフィルム基材である。比較例Bは、酸化アルミニウム(AlO)中間層、並びに87.6重量%の脱イオン水、8.6重量%の日本合成のG-POLYMER(商標)AZF8035Q、1.8重量%のCYMEL(登録商標)385(Allnex)、0.95重量%のPEI LOXANOL(登録商標)MI6730(BASF)、0.70重量%のオルトリン酸85%、0.19重量%のホルムアルデヒド37%、及び0.16重量%のPROXEL(登録商標)GXL5%を含む非晶質ポリビニルアルコール(PVOH)オーバーコートを有するBOPETポリマーフィルム基材である。本実施例は、PETフィルム基材層と、スチレンアクリルコポリマーを含むオーバーコート層の間に配置されたAlOを含む中間層を有する。AlOは、熱蒸着による物理蒸着及び反応性酸化によって、約10nmの厚さで施した。使用した全ての基材フィルムは、12μmの厚さを有する商業グレードの包装フィルムであった。スチレンアクリルオーバーコートにおいて使用したスチレンアクリルコポリマーのT及び酸価を表1にまとめる。
Figure 2021527581
[0044]オーバーコート配合物は、成分をパドルミキサー内で室温において均一になるまで混合することによって調製した。RK Printcoat Instruments製のEPDMショア50ゴムローラー及びTR34彫刻ロールを有するKloxプルーファーを使用して、液体オーバーコート配合物を実施例の試料に施した。
[0045]中間層及びオーバーコート層を含む被覆フィルム構造体の酸素透過率を、ASTM−D3985にしたがって、50%の相対湿度(RH)、23℃において測定した。基材の被覆された側に湿分を直接施し、基材の他方の側を0%RHに維持した。水蒸気透過率を、ASTM−E−398にしたがって、37.8℃及び90%の相対湿度において測定した。耐水性は、フィルム上に水滴を配置し、5分後に水滴を除去することによって測定した。次に、フィルムを1〜5で評価した。ここで、1はフィルムが水中に溶解することに対応し、5はフィルムが水の存在によって変化しないことに対応する。実施例の酸素透過率、水蒸気透過率、及び耐水性を表2に要約する。
Figure 2021527581
[0046]表2におけるデータは、本実施例が比較例Bを超える耐水性の顕著な向上、及び被覆されていないAlO(比較例A)を超える向上したOTRを示すことを示している。
実施例2:被覆フィルム構造体の向上した酸素バリア、湿分バリア、及び耐水特性:
[0047]酸化アルミニウム(AlO)中間層、及びオーバーコート配合物中にZnO架橋剤(ZINPLEX 15(登録商標))を含むスチレンアクリルオーバーコートを有するPETポリマーフィルム基材を含む種々の例の被覆フィルム構造体を製造した。次に、酸素透過率、水蒸気透過率、及び耐水性を測定した。AlOは、熱蒸着による物理蒸着及び反応性酸化によって、約10nmの厚さで施した。使用した全ての基材フィルムは、12μmの厚さを有する商業グレードの包装フィルムであった。スチレンアクリルオーバーコートに関する配合を表3にまとめる。量は重量%で報告する。
Figure 2021527581
[0048]オーバーコート配合物は、実施例1〜4に関して上記に記載したように調製した。酸素透過率、水蒸気透過率、及び耐水性を上記記載のように測定し、表4に要約する。
Figure 2021527581
[0049]表2及び4におけるデータを比較すると、実施例1及び2について、OTR及びMVTRの両方がZnO架橋剤の添加により減少する(バリア機能性が向上する)ことが示される。しかしながら、実施例3及び4については、OTRは増加したが、MVTRは減少し、これは水蒸気バリア機能性が向上したが、酸素透過バリア機能性が減少したことを示す。
実施例3:
[0050]酸化アルミニウム(AlO)中間層、及びオーバーコート配合物中に場合によりZnO架橋剤(ZINPLEX 15(登録商標))を含むスチレンアクリルオーバーコートを有するPETポリマーフィルム基材を含む種々の例の被覆フィルム構造体を製造した。オーバーコート層の組成を表5に与える。
Figure 2021527581
[0051]オーバーコート配合物は、実施例1〜4に関して上記に記載したように調製した。酸素透過率、水蒸気透過率、及び耐水性を上記記載のように測定し、表6に要約する。
Figure 2021527581
[0052]本実施例は、亜鉛架橋が、スチレンアクリルオーバーコート配合物中において使用するとOTR及び/又はWVTRを向上させるのに有用であり得ることを示す。
実施例4:
[0053]酸化アルミニウム(AlO)中間層、及びオーバーコート配合物中に場合によりZnO架橋剤(ZINPLEX 15(登録商標))を含むスチレンアクリルオーバーコートを有するBOPETポリマーフィルム基材を含む種々の例の被覆フィルム構造体を製造した。オーバーコート層の組成、及び得られた積層フィルムの特性を表7に与える。
Figure 2021527581
[0054]本実施例は、オーバーコート配合物中にZnO架橋剤を含ませると、OTR及びWVTRを向上させることができることを示す。上記記載の配合物の多くについて、ZnOと酸基との好ましい重量比は約0.01〜0.05であると思われる。
実施例5:
[0055]酸化アルミニウム(AlO)中間層、及びオーバーコート配合物中に場合によりZnO架橋剤(ZINPLEX 15(登録商標))を含むアルカリ可溶性樹脂オーバーコートを有するBOPETポリマーフィルム基材を含む種々の例の被覆フィルム構造体を製造した。オーバーコート層の組成、及び得られた積層フィルムの特性を表8に与える。全ての試料は5の耐水性を有していた。
Figure 2021527581
[0056]本実施例は、アルカリ可溶性樹脂オーバーコート配合物中にZnO架橋剤を含ませると、OTR及びWVTRを向上させることができることを示す。より大きな酸価はOTR及びWVTRにおけるより大きな向上を与えると思われる。
実施例5:
[0057]酸化アルミニウム(AlO)中間層、及びオーバーコート配合物中に場合によりZnO架橋剤(ZINPLEX 15(登録商標))を含むカルボキシル化スチレンブタジエンゴムオーバーコートを有するBOPETポリマーフィルム基材を含む種々の例の被覆フィルム構造体を製造した。オーバーコート層の組成、及び得られた積層フィルムの特性を表9に与える。全ての試料は5の耐水性を有していた。
Figure 2021527581
[0058]本実施例は、カルボキシル化スチレン−ブタジエンゴムオーバーコート配合物中にZnO架橋剤を含ませると、OTR及びWVTRを向上させることができることを示す。
実施例6:
[0059]上述の実施例からのデーターの幾つかを図3にまとめた。図3は、オーバーコート配合物中のポリマーのTの関数としてのOTR及びWVTRの変化(亜鉛値から亜鉛なしの値を引いたもの)のグラフである。負のデルタ値は、OTR又はWVTRの向上を示す。実線はOTRへのフィッティングであり、破線はWVTRへのフィッティングである。好ましくは、オーバーコート配合物中のポリマーは、−20℃〜100℃、より好ましくは−10℃〜50℃、最も好ましくは−10℃〜35℃のTを有する。
実施例6:
[0060]表3及び4において使用した耐水性試験に加えて、ポリマーの幾つかを使用して30分間曝露Cobb試験(ASTM−D−3285(TAPPI−T−441))も行って、それらの疎水性のレベルを示した(表10)。この試験を行うために、ポリマーを重い被覆重量で紙表面に施す。30分における所定の表面積にわたる紙による水の吸収を、グラム/平方メートルで記録する。この数がより小さいと、疎水性はより大きい。
Figure 2021527581
[0061]Tが非常に高い場合を除く全ての場合において、低いCobb値で疎水性の被覆が得られることが分かる。高いTは完全にフィルム形成しないポリマーを与え、その低いCobb値の原因となる。
実施例7:
[0062]Gelbo屈曲試験(ASTM−F392−11(2015))は、可撓性包装材料の屈曲耐久性を測定する。屈曲耐久性は、反復変形に対するバリア材料の抵抗性として定量することができる。AlO被覆の主な欠点は、かかるな屈曲によってそれらがいかに容易に損傷を受けるかである。BOPET被覆AlOに関する実施例の幾つかを、1、5、10、及び20回の屈曲にかけた。次に、屈曲後の酸素透過率を測定した。被覆されていないAlO被覆フィルムと比較して、全ての実施例は、屈曲によるバリアの維持における向上を示した(表11)。
Figure 2021527581
[0063]他に示していない限りにおいて、明細書及び特許請求の範囲における範囲の開示は、その範囲自体及びその中に包含される任意の範囲、並びに端点を含むものと理解すべきである。
[0064]特許請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく修正及び変更を本明細書に記載する態様に加えることができることは当業者に明らかであろう。而して、明細書は、かかる修正及び変更が添付の特許請求の範囲及びそれらの均等範囲内であるならば、本明細書に記載する種々の態様の修正及び変更をカバーすると意図される。

Claims (15)

  1. ポリマーフィルム基材を含む基材層;
    少なくとも1種類の疎水性スチレンコポリマーを含むオーバーコート層;及び
    前記基材層と前記オーバーコート層との間に配置されており、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの中間層;
    を含む被覆フィルム構造体。
  2. 前記ポリマーフィルム基材が、ポリエステル、ポリアミド、及びポリオレフィンからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の被覆フィルム構造体。
  3. 前記ポリマーが、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BOPET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、キャストポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(PE)、及び二軸延伸ポリアミドからなる群から選択される、請求項2に記載の被覆フィルム構造体。
  4. 前記被覆フィルム構造体が、50%の相対湿度、23℃において、約3.00cm/m/日未満の酸素透過率を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  5. 前記被覆フィルム構造体が、50%の相対湿度、23℃において、約2.00cm/m/日未満の酸素透過率を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  6. 前記被覆フィルム構造体が、ASTM−E−398にしたがって測定して、90%の相対湿度及び37.8℃において2.50g/m/日未満の水蒸気透過率を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  7. 前記オーバーコート層が110℃未満のガラス転移温度(T)を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  8. 前記オーバーコート層が−20℃〜100℃のガラス転移温度(T)を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  9. 前記オーバーコート層が−10℃〜50℃のガラス転移温度(T)を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  10. 前記オーバーコート層が−10℃〜30℃のガラス転移温度(T)を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  11. 前記疎水性スチレンコポリマーが、アルカリ可溶性樹脂(ASR)で安定化されたスチレン−アクリルコポリマー、アルカリ可溶性アクリルコポリマー、酸官能性スチレン−アクリルコポリマー、及びカルボキシル化スチレン−ブタジエンゴム(SBR)からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  12. 前記オーバーコート層が多価カチオンを更に含む、請求項1〜11のいずれかに記載の被覆フィルム構造体。
  13. 前記多価金属カチオンが遷移金属イオンを含む、請求項12に記載の被覆フィルム構造体。
  14. 前記遷移金属イオンが、亜鉛、ジルコニウム、鉄、及び銅のイオンからなる群から選択される、請求項13に記載の被覆フィルム構造体。
  15. 前記遷移金属イオンが約0.1:10〜約7:10で存在する、請求項14に記載の被覆フィルム構造体。
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