本発明は、例えば自動車内のケーブル束等の細長い物体に巻き付けるための接着テープ、特に巻付けテープであって、織布担体、さらに織布担体の片面または両面に被着された接着コーティング、および織布担体中に織り込まれた少なくとも1本のマーキング糸を備えている、接着テープに関する。
自動車内のケーブル束に巻き付けるための接着テープおよび特に巻付けテープは、多様な要求を満たさねばならない。これらの要求にはまず第1に、例えば油やガソリンに対する特別な媒体耐性が含まれる。大きな耐熱性も要求される。実際には、このような巻付けテープは−50℃もしくは−40℃〜+150℃以上の範囲内で使用され得る。さらに、例えばこのように巻き付けられたケーブルハーネスまたはケーブル束のガタつきノイズが可能な限り防止されるように、少ないアコースティックエミッションが目標とされる。
上述した要求に対して補足的に、車体でのすり切れを防止するために、高い耐摩耗性が要求されることが多い。この場合、耐摩耗性は、例えば国際公開第2005085379号に記載の従来技術に基づき、LV312(2009)規格に準拠して規定され得る。実際には、ここでは一般に様々な摩耗等級が互いに区別される。
自動車メーカの要求もしくは当該のケーブルハーネスが装備される自動車の組込み・運転条件に応じて、全く異なる接着テープもしくは巻付けテープが使用される。これらは通常、組立工により当該のケーブル束の周りに手で巻き付けられる。個々の接着テープを区別するために、接着テープには対応するパッケージまたは巻心の内側に設けられたマーク、製品ID等も備えられている。これにより、組立工は相応して指示された接着テープを選択してケーブル束もしくはケーブルセットを適宜に仕立てることができる。
仕立てられたケーブルハーネスは、次いで一般に自動車メーカにおいて組み立てられる。このことは、場所的にケーブルハーネス製造から多少なりとも遠く離れて行われることが多い。これにより、基本的に取り違えることがあり得る。さらに、今日ではますます詳細な受入・品質検査が要求される。しかしながら、仕立て終えたケーブルハーネスから、指定された接着テープが取り付けられているか否かを看取することはできない。
確かに、上位概念を形成する、国際公開第2016113132号に記載の従来技術から、このような接着テープにおけるマーキングとしての連続的な縫い糸が公知である。ただしこのマーキングは、巻付け時の位置決め補助手段として用いられ、このため、物体に固定された先行巻成体の上に、位置決め補助手段により規定されたオーバラップでもって次の巻成体が接着されるように形成されている。
本発明の根底を成す技術的な課題は、このような接着テープを改良して、特に取付け状態においても、相応して規定されたもしくは要求を満たす接着テープが取り付けられているか否かの検査を行うことができるようにすることにある。
この技術的な課題を解決するために本発明は、上位概念に記載の、例えば自動車内のケーブル束等の細長い物体に巻き付けるための接着テープおよび特に巻付けテープにおいて、マーキング糸が、製造過程時に織布担体中に織り込まれた経糸および/または緯糸として形成されている、ということを提案する。
つまり上位概念を形成する、国際公開第2016113132号に記載の従来技術とは異なり、本発明は、少なくとも1本の経糸もしくは緯糸がマーキング糸として構成された織布担体を備えた接着テープを用いて製作する。これにより、公知の教示において、そこで言及された縫い糸と共に、これと結び付いた縫付けに基づき必要とされる追加的な製造過程が省かれる。マーキング糸は本発明によりむしろ、織布の製造過程時に織布担体中に直接に織り込まれる。
有利な構成では、マーキング糸はその番手に関して、その他の経糸および/または緯糸に適合されている。典型的には、このような接着テープに適した織布担体は、通常のケースでは33dtex〜550dtexに固定された糸番手を有している。この場合、当該の織布担体の経糸と緯糸とは必ずしも一致する糸番手を有していなくてもよい。そうではなくて、ここでは、経糸が緯糸よりも太く形成されていて、例えば幅に関して2000dtex/cm〜4000dtex/cmの番手を有する織布を使用することもできる。これに対して緯糸は、長さに関して8000dtex/cm〜16000dtex/cmの範囲内の番手を有していてよい。
いずれにせよ、マーキング糸はその番手をその他の緯糸に適合させられているもしくはマーキング糸の番手はその他の経糸の番手に対応している。これにより、織り過程をマーキング糸の存在により妨げられることなく通常通りに行いかつ終了させることができる。
この場合は一般に、マーキング糸は、接着テープの外面に織り込まれた状態で見えるように配置されている、という措置がとられる。このような構成は特に、本発明による接着テープの織布担体が、一般には好適な態様である一重織り織布としては形成されていない場合に推奨される。そうではなくて、織布担体は、基本的には互いに結合された2つの個別織布の層から構成されていてもよい。この場合、2つの個別織布の層は、接着剤または織布自体の糸により互いに結合されていてよい。
いずれにせよ、このような積層体として構成された織布担体の場合には、マーキング糸が接着テープの外面に織り込まれた状態で見えるように配置されていると有利である。つまり積層体の場合に転用すると、マーキング糸は最終的に、組立状態において外側を向いた個別織布中に織り込まれており、これにより、上述した所望の品質検査を組立状態でも行うことができる。
マーキング糸が、その他の経糸もしくは緯糸と申し分なく区別され得、その指示機能を果たすようにするために、マーキング糸は一般に、その他の経糸および/または緯糸に比べて対照的な色を有している。例えば、マーキング糸が赤色、黄色、緑色または青色を有していてよいのに対し、織布のその他の糸は黒色に染色されている。しかしまた択一的または追加的に、マーキング糸は、その他の経糸および/または緯糸とは異なる表面状態を備えていてもよい。
このような、その他の経糸もしくは緯糸に対して異なるマーキング糸の表面状態は、例えばマーキング糸がテクスチャリングされている場合に生じる。このようにして、マーキング糸は縮れ構造と比較可能な、天然繊維から形成された糸を有している。これに対して、その他の経糸および/または緯糸が、この場合有利には例えばポリアミドまたはポリエステルから成るプラスチック糸であるために平滑な表面構造を有していると、マーキング糸は、その表面のテクスチャもしくは縮れ構造に基づき区別され得ると共に、所望のマーキングをもたらす。異なる表面状態を実現する1つの別の可能性は、マーキング糸を撚り合わせることにある。例えば本出願人の独国実用新案第202016100057号明細書に詳細に記載されているように、マーキング糸は、1メートルにつき50回または100回以上ひねられて、撚り合わせられていてよい。このような撚り合わせ過程によっても、マーキング糸の表面状態を、その他の撚り合わせられていない経糸および/または緯糸に比べて異なるように構成することができる。
マーキング糸と、その他の経糸および/または緯糸とを区別する1つの別の択一的または補足的な可能性も考えられる。典型的には、本発明による織布担体は、平織りを有している。これに対して、特にこのようなマーキング糸が複数使用される場合には、マーキング糸は織布中に、織布とは異なる織り方で織り込まれてよい。ただしこのことは、技術的に実行困難であることが多い。それでも言及はしておく。平織りに比べて異なる結合には、綾織り、サテン織りまたはトリコ織りが用いられる。この場合、織り方の変化を視覚的に申し分なく裸眼で識別可能にするために、大抵は複数の、同形式の異なる織り方で製作することになる。いずれにせよ、マーキング糸のこのような変化も識別され得、本発明による接着テープは個別化することができるようになっている。このようにして、特に接着テープの個々のまたは複数の特性を、特に組立状態でも目に見えるように表すことができる。
しかし大抵、マーキング糸はその他の経糸および/または緯糸に比べて対照的な色を有している。なぜならば、この場合は織布の全ての糸に関して同一の一致した織り方で製作することができ、製造過程中に変更を行わずに済むからである。その他の経糸および/または緯糸は、黒またはオレンジに染色されているかもしくは一貫した色を有していることが多いため、マーキング糸は、これに対してそれぞれ対照的な色を有していてよい。
このことを細部にわたり達成するために、マーキング糸は、有利にはその製造時に染色される。これは例えば、紡績ノズルを介した染色により行うことができる。この場合、所望の染料が、マーキング糸を紡績するための押出機に供給される。これに対して択一的または追加的に、マーキング糸は、その製造後に染色されてもよい。このために本発明は、いわゆる浸染を用いることができる。この場合、糸は染浴もしくは染液中に浸漬され、このようにして色粒子がマーキング糸の内部に侵入することになる。
これに関連して全体的に、マーキング糸が複数の異なる色および/または変化する表面状態を有し得るという、別の可能性が生じる。このような、例えば複数の異なる色を有するマーキング糸の製造は手間がかかるため、大抵は一貫して同じ色のマーキング糸を用いて製作することになる。いずれにせよ全体的に、マーキング糸はコードを有している、という可能性が生じる。コードは、例えばマーキング糸に対応する色により設定され得る。この場合、マーキング糸が追加的にさらにテクスチャリングされているかまたは撚り合わせられている場合、特に単一のマーキング糸のみが用いられる場合には既に、本発明による接着テープに対して事実上任意の大きさの数のコードが実現され得る、ということが明確になる。既述のように、コードは接着テープの1つまたは複数の特性を反映する。
接着テープの特性として、マーキング糸は例えばその耐熱性を示すことができる。実際にはこのような接着テープは、LV312規格に詳細に説明されているように、例えば特定の温度において、典型的には最長3000時間の処理時間を考慮すると、織布担体の大幅な退色は行われないことを特徴とする。このため、実地では温度等級T1〜T5が互いに区別される。
温度等級T3を満たすということは、指定された時間内で125℃の温度までは退色が観察されない、ということに対応する。本出願人の独国実用新案第202018101649号明細書で、そこに記載された別の証拠と共に詳細に説明されているように、温度等級T4は150℃までの耐久性に対応し、温度等級T5はそれどころか175℃までの耐熱性に対応する。いずれにせよ、例示的に前記温度等級T1〜T5は、マーキング糸の合計5つの異なる色により表すことができる。これにより、接着テープの組立状態でも、もしくはケーブルセットをまとめる巻成体に基づき、用途に適した前記温度等級の接着テープが取り付けられているか否かが後からでも確認され得る。
マーキング糸により表すことができる、接着テープの別の特性は、その耐摩耗性である。実際には耐摩耗性は、上述した温度等級と比較可能に、複数のいわゆる摩耗等級に分類され得る。この場合、実地では例えば独国実用新案第202012103975号明細書の説明に従って、既に上述したLV312規格「自動車におけるケーブルセット用の接着テープ」(1/2005もしくは最新ステータス10/2009)に準拠して、アウディ、BMW、メルセデスおよびVW各社の共通の試験ガイドラインとして使用される摩耗等級A〜Gで製作される。この場合、耐摩耗性の試験では、5mmの直径を有するピンが使用され、ピンに、検査されるべき接着テープが装着される。接着テープは、スクレーパにより所定の力で、接着テープが削り落とされるまで測定されるストローク数でもって削られるように押圧される。ストローク数は、摩耗等級の基準を成すものである。
上述した摩耗等級A〜Gに基づき、この場合は対応する摩耗等級A〜Gをそれぞれ対応させるように示し、後から検査する場合でも全ての人に見えるようにするためには、例示的にマーキング糸の合計7つの異なる色が必要とされている。すなわちこの場合、マーキング糸の色は、相応に装備された接着テープが達成した摩耗等級を規定する。
最後に、マーキング糸による接着テープの遮音能力に関する別の特性にも注目することができる。この場合も、ノイズ減衰特性に応じてかつLV312規格に相応してそれぞれ異なるノイズ減衰等級で、つまり接着テープによりノイズ減衰が達成されない場合のA〜極めて高度なノイズ減衰に対応するノイズ減衰等級Eで製作され得る。対応するノイズ減衰等級への分類に関する詳細は、独国特許出願公開第102011005763号明細書に記載されている。
当該のノイズ減衰等級を表すことができるようにするためには、それぞれ異なる合計5つのノイズ減衰等級A〜Eに基づき、この例では5つの異なるマーキング糸の色で製作されることが必要とされている。いずれにせよ、マーキング糸は接着テープの様々な特性に関して、一般に目に見えて理解可能な情報を提供するもしくは提供することができるということおよびその方法が明らかになる。この場合、基本的には1本のマーキング糸だけを用いて製作され得る。ただし、例えば接着テープの複数の異なる特性を同時に理解可能に示そうとする場合には、通常、複数本のマーキング糸が用いられる。
マーキング糸は、一般にその他の経糸および/または緯糸の材料に適合させられている。既に上述したように、典型的にはマーキング糸は、その他の経糸および/または緯糸と同じく全体的にプラスチック糸である。例えば全ての糸は、ポリエステル糸またはポリアミド糸として形成されている。基本的にはもちろん組み合わせも考えられ、本発明に共に含まれる。
複数本のマーキング糸が用いられる場合には、個々のマーキング糸のそれぞれが各特性を表しかつ理解可能に示すことができる。例えば1本のマーキング糸は、接着テープが達成した温度等級に対応していてよい。この場合、別の1本のマーキング糸は、接着テープの耐摩耗性を表していてよい。別の第3のマーキング糸は、そのフォギング特性またはその遮音特性を見えるようにすることができる。このようにして、複数本のマーキング糸はまとまりとなって、説明したように接着テープの1つまたは複数の特性を表すコードを規定する。
マーキング糸は経糸および/または緯糸であるため、複数本のマーキング糸を用いて基本的には1つまたは複数の幾何学的なパターンを織布担体中に形成することもできる。この幾何学的なパターンにより、対応するコードを表すことができ、コード自体は、接着テープの説明した特性のうちの1つまたは複数に対応している。
その結果、接着テープが装着されたケーブルセットの、仕立てられた状態での正しい装着の包括的な検査を初めて可能にする接着テープが提供される。それというのもこれにより、接着テープの複数の全く異なる特性が外部に対して見えるように、1本または複数本のマーキング糸がコード化され得るからである。これらの特性は、当該の接着テープが達成した温度等級、耐摩耗性、遮音特性等であってよく、特にケーブルセットに仕立てた状態でも、接着テープの包括的かつ一義的な特徴が提供されるようになっている。このことは、従来この形式では不可能であった。この点に主要な利点が見られる。
以下に、1つの実施例のみを示す図面に基づき、本発明をより詳しく説明する。
染色されたマーキング糸を備えた本発明による接着テープの第1の態様を示す図である。
表面構造が異なるマーキング糸を備えた、本発明による択一的な対象物を示す図である。
織り方が異なるマーキング糸を備えた、本発明の別の態様を示す図である。
幾何学的なパターンを実現するための複数のマーキング糸の使用を概略的に示す図である。
図示の接着テープは、自動車内のケーブル束に巻き付けるための巻付けテープである。国際公開第2016113132号に記載の、出発点である従来技術に詳細に説明されかつ図示されているように、巻付けテープを用いて、自動車内のケーブル束もしくはケーブルセットが仕立てられる。このためには、個々のケーブルの周りに接着テープがらせん状に案内される。
このために本発明による接着テープもしくは巻付けテープには、織布担体1,2が組付けされている。織布担体1,2自体は、経糸1および緯糸2から構成されている。図1に示す図面に基づき、緯糸2は経糸1よりも大幅に大きな番手を有していることが認められるが、これはもちろん例示的なものであるに過ぎず、限定的なものでは決してないということを考慮すべきである。この実施例では、織布担体1,2は、50g/m2〜500g/m2の範囲の担体重量を有している。さらに、図示の織布担体1,2は一重織り織布であるが、基本的には多重織り織布、すなわち織布担体1,2および不織布、発泡材またはプラスチックフィルムから成る積層体も可能である。
織布担体1,2には、少なくとも片面に接着コーティング3が施されている。このために接着コーティング3は、50g/m2〜250g/m2の範囲の単位面積当たりの質量を備えて織布担体1,2に被着されてよい。接着剤としては、非限定的に溶融付着接着剤(ホットメルト)が織布担体1,2に被着され得る。この実施例では、接着コーティング3は織布担体1,2の片面のみに被着されている。仕立てられた状態では、接着コーティング3が束ねられるべきケーブルの方を向いているのに対し、織布担体1,2は外側を向いていて、見えている。
この場合、本発明に基づき決定的に重要なのは、織布担体1,2中に織り込まれたマーキング糸4であり、マーキング糸4は、図1に示す実施例では製造過程時に緯糸4として織布担体1,2中に織り込まれている。図1に示す実施例では、図1が示唆するように、1本の(単一の)マーキング糸4が、紡績ノズルを介して染色されている。さらにマーキング糸4は、織布担体1,2のその他の緯糸2と同じ番手を有している。マーキング糸4の色は、その他の糸1,2の色に対して対照的である。
マーキング糸4の色に応じて、接着テープをその特性に関して判定することができる。例えばマーキング糸4の色に基づいて、本発明による接着テープにより達成された温度等級が表示され得る。このためにマーキング糸4は、接着テープの外面に織り込まれた状態で見えるように配置されている。すなわち、本発明による接着テープがケーブル束もしくはケーブルセットの周りにらせん状に巻き付けられると、それにもかかわらず、仕立てが完了したケーブルセットにおいてその他の糸1,2とは対照的な色を有するマーキング糸4が直ちに識別され得る。このためにマーキング糸は例えば赤または白または茶に染色されていてよく、このことは、織布担体1,2の典型的には黒に染色されたその他の糸1,2とは対照的である。つまりこのためには、予め指定された色に応じて相応する温度等級が対応しており、例えば茶は温度等級T5に、白は温度等級T4に、最後に赤は温度等級T3に対応している。
図2には、マーキング糸4の1つの態様が示されており、マーキング糸4は、その他の経糸1および緯糸2とは異なる表面状態を有している。図2に示す単一のマーキング糸4のこの異なる表面状態は、図2に拡大図で示されているように、マーキング糸4がその長手方向軸線を中心として撚り合わせられていることにより生じる。マーキング糸4の撚り合わせられた構成は、表面を平滑に構成されたその他の糸1,2とは異なる表面状態をもたらす。この場合、それぞれ異なる撚り合わせ度、すなわちマーキング糸4の長手方向軸線を中心としたマーキング糸4の撚り数は、やはりそれぞれ異なる温度等級に対応する、ということが考えられ、このようにして、接着テープが織り込まれた状態でも、誰もが温度等級を点検しかつ把握することができるようになっている。
図3には、マーキング糸4の1つの別の態様が示されている。ここでは、マーキング糸4はその他の糸1,2とは異なる織り方を有している。実際には、その他の経糸と緯糸とが平織りで一体化されて織布担体1,2を形成している。これに対して、緯糸4は綾織りを有している。大抵ここでは複数本の緯糸4を用いて綾織りで製作することになり、これにより、異なる織り方の形式を視覚的に申し分なく把握することができる。すなわち、当該の緯糸もしくは複数本の当該の緯糸4は、対応する1本の経糸1の下を通り抜けた後に、少なくとも2本の対応する経糸もしくは3本の経糸1の上を越えて行く。これに対してその他の糸1,2の平織りは、各緯糸2が1本の経糸1の下を通り抜けた後に、ただ1本の経糸1の上を越えて行くという点において際立っている。
このようにして、マーキング糸4は新たに、取付け状態もしくは当該接着テープを用いて仕立てられたケーブルハーネスにおいて後からでも確認できるような視覚的に異なる構成を有している。この場合、緯糸2により架橋される経糸1の数は、マーキング糸4により示される特性の基準として働くことができる。例えばマーキング糸4の綾織りの枠内で架橋された2本の経糸1は、温度等級T3に対応し、架橋された3本の経糸1は温度等級T4に対応し得る。これに対して、架橋された4本の経糸1は温度等級T5に対応する。
最後に図4には、複数本のマーキング糸4,5を用いて製作される1つの態様が示されている。実際には、ここでは緯糸として織布1,2中に織り込まれる合計4本のマーキング糸4が、経糸として構成された2本の別のマーキング糸5と同様に実現されている。このようにして、マーキング糸4,5は全体として、図示の接着テープの特性のコードを画定することができる。例えば図4に示す図面の枠内でマーキング糸4,5は、包囲された各2つの正方形もしくは長方形6の形の幾何学的なパターンを表している。これらの長方形もしくは正方形6の数は、緯糸として使用されるマーキング糸4に応じて可変であり、このようにして、本発明による接着テープの特性のコードが新たに実現されて変更され得る。
例えば、1つの長方形もしくは正方形6は、温度等級T1に対応していてよい。2つの長方形6は、温度等級T2を表している等である。さらにこれに関連して、可能なコードの数をさらに大幅に増やすためには、異なる色のマーキング糸4,5を用いて製作してもよい。
全体として、特に複数本のマーキング糸4,5を使用した場合に、1つまたは複数の幾何学的なパターン、本発明では長方形または正方形6をコードとして表すことができる、ということが明確になる。これにより全体的かつ最終的に、1本のマーキング糸4もしくは複数本のマーキング糸4,5を用いて、本発明による接着テープを所望の検査若しくは確認すべき特性に関して包括的に特徴付ける可能性が生じることになる。これは全て、仕立て終わったケーブルハーネスおよび適宜に取り付けられた接着テープとの関連においても明らかに成功する。この点に複数の主要な利点が見られる。