JP2021522355A - ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの末端基異性化 - Google Patents

ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの末端基異性化 Download PDF

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Abstract

第二級ヒドロキシル末端基に対して増加させた比で第一級ヒドロキシル末端基を含む、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー調製する方法、およびその組成物が、本明細書に記載される。一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化触媒と接触させて、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月18日に出願された米国特許仮出願第62/659,684号、および2018年7月27日に出願された米国特許仮出願第62/711,318号の優先権を主張し、そのそれぞれの全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー、特にCOの直接組み込みによって生成したものは、幅広い範囲の用途における持続可能な材料として、関心が高まっている。ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオール、特にポリ(プロピレンカーボネート)ポリオールは、ポリウレタン化学の分野における使用のための高性能材料として、ますます高まりつつある実用性を見出している。ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオールは、ポリウレタンのための前駆体として使用され、その組成は、最終的に提供されるポリウレタン組成物の性質を特徴付けるものである。ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオールは、その−OH末端基がポリイソシアネート(2つまたはそれよりも多くの−NCO部分を有する化合物)と反応してウレタン結合を形成することによって、ポリウレタン生成物に組み込まれる。
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオールのヒドロキシル末端基の位置化学は、イソシアネートとの反応速度に重要な役割を果たす。特に、第一級ヒドロキシル末端基とイソシアネートとの間の反応が、第二級ヒドロキシル末端基とイソシアネートとの間よりも速い速度で起こることは公知である。Ionescu, M. Chemistry and Technology of Polyols for Polyurethanes, 2005, Rapra Technology Ltd.を参照されたい。そのため、多くのポリウレタンの用途について、第一級ヒドロキシル末端基を有するポリマーを使用することは有益である。
置換エポキシドから誘導されるポリオール上のヒドロキシル末端基の位置化学(第一級対第二級)は、重合触媒の選択に依存することが多い。触媒は様々な位置選択性を有し、そのため、多くのポリマー組成物は、第一級および第二級のヒドロキシル末端基を有するポリマー分子の混合物を含む。例えば、米国特許出願公開第2013/0296450号に述べられているように、複合金属シアン化物触媒を使用してエポキシドから調製した長鎖ポリエーテルポリオールは主に、第二級ヒドロキシル基を含有するポリエーテルを生じ、このような複合金属シアン化物触媒の使用によって、「したがって、主に第一級(ヒドロキシル)末端基を有する長鎖ポリエーテルポリオールに到達することはできない」(米国特許出願公開第2013/0296450号、段落[0002])。ポリマーをさらに反応させて末端キャップを導入し、それによって第一級ヒドロキシル基を発生させることにより、主に第一級ヒドロキシル基を有するポリマーを調製するという課題を解決することを試みた者もいる。例えば、米国特許出願公開第2013/0296450号を参照されたい。このような方法は、例えば、(1)当初のポリオール生成物を、環式カルボン酸無水物と反応させること;および(2)無水物で処理した材料を触媒の存在下、酸化エチレンとさらに反応させることによる重合後のさらなる反応ステップに依存するため、最適ではない。しかしながら、第一級ヒドロキシル末端基含有率が増加したポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを確実に調製するための効率的で単純な方法が、依然として必要とされている。
米国特許出願公開第2013/0296450号明細書
Ionescu, M. Chemistry and Technology of Polyols for Polyurethanes, 2005, Rapra Technology Ltd.
一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー)組成物の第一級ヒドロキシル(OH)末端基の、第二級ヒドロキシル(OH)末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化(例えば、加熱によって推進される異性化)して、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(modified poly(alkylene carbonate)polymer)組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級−OH末端基の第二級−OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化触媒と接触させて、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。
さらに、一部の実施形態では、本開示は、複数のポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))ポリマー組成物であって、ポリ(アルキレンカーボネート)鎖が、カーボネート結合によって隔てられた置換エチレン部分(例えば、エポキシドモノマーから誘導された)を含有し、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖内の分子内アルキレン部分についての位置規則性の程度が、少なくとも1つの鎖終端についての位置規則性よりも高いことを特徴とする、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供する。
図1は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを加熱するための装置の説明図である。
図2は、120℃に加熱した場合の、2つのバッチのポリ(プロピレンカーボネート)における、第一級(1°OH)末端基および環式プロピレンカーボネート(cPC)の量の変化を示す散布図である。
図3は、90℃に加熱した場合の、ポリ(プロピレンカーボネート)の組成物中の第一級(1°OH)末端基およびcPCの量の変化を示す散布図である。
図4A〜Cは、60℃(図4A);70℃(図4B);および80℃(図4C)に加熱した場合の、ポリ(プロピレンカーボネート)の組成物中の第一級(1°OH)末端基およびcPCの量の変化を示す散布図である。 図4A〜Cは、60℃(図4A);70℃(図4B);および80℃(図4C)に加熱した場合の、ポリ(プロピレンカーボネート)の組成物中の第一級(1°OH)末端基およびcPCの量の変化を示す散布図である。 図4A〜Cは、60℃(図4A);70℃(図4B);および80℃(図4C)に加熱した場合の、ポリ(プロピレンカーボネート)の組成物中の第一級(1°OH)末端基およびcPCの量の変化を示す散布図である。
図5は、65℃に加熱した場合の、ポリ(プロピレンカーボネート)の組成物中の第一級(1°OH)末端基およびcPCの量の変化を示す散布図である。
図6は、3つの異なる試料(未クエンチのもの、クエンチされたもの、ならびにクエンチおよび濾過されたもの)中に存在する、cPCまたは第一級ヒドロキシル末端基を含む組成物の標準化分子量(Mn)およびパーセントを示す棒グラフである。
図7は、60℃に加熱した場合の、初期、5時間、および24時間における、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマーのバッチ中に存在するcPCまたは第一級ヒドロキシル末端基を含む組成物の標準化分子量(Mn)、およびパーセントを示す棒グラフである。
図8は、CDCN中のPPC試料1のH COSY NMRスペクトルである。
図9は、CDCN中のPPC試料1のHSQC NMRスペクトルである。
図10は、CDCN中のPPC試料1の13C NMRスペクトルである。
図11は、CDCN中のPPC試料2のH NMRスペクトルであり、第一級(1°OH)および第二級(2°OH)末端PPCを図示している。
図12は、異性化触媒スクリーニングの結果を表したグラフであり、x軸は試験した触媒および温度を表し、y軸は改質PPCポリマー組成物のcPCおよび第一級OH末端基のmol%を表している。
図13は、ホウ酸と反応させた後の改質PPCポリマー組成物のH NMRスペクトルである。
図14Aおよび14Bは、改質PPCポリマー組成物および出発PPCポリマー組成物のH NMRスペクトルであり、改質PPCポリマー組成物は72時間、ホウ酸と反応させてある。 図14Aおよび14Bは、改質PPCポリマー組成物および出発PPCポリマー組成物のH NMRスペクトルであり、改質PPCポリマー組成物は72時間、ホウ酸と反応させてある。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を、以下により詳細に記載する。この開示の目的について、化学元素は、CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edの内表紙の元素の周期表に従って識別され、特定の官能基は一般に、その中で記載されているように定義される。加えて、有機化学の一般原理ならびに特定の官能性部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March March 's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されており、そのそれぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、ありとあらゆる幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、「異性体」としては、本発明の範囲内にあるcis−およびtrans−異性体、E−およびZ−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、ならびにそれらの他の混合物が挙げられる。例えば、一部の実施形態では、化合物は、1種または複数の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、「立体化学的に濃縮された」ということもある。
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用される場合、直鎖(すなわち非分枝鎖)、分枝鎖、または環式(縮合、架橋、およびスピロ縮合多環式を含む)であってもよく、完全に飽和していてもよく、または1つもしくは複数の不飽和の単位を含有してもよいが、芳香族ではない、炭化水素部分を表す。本明細書で使用される場合、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、脂肪族基の水素原子のうちの少なくとも1個がフッ素原子によって置き換えられた、これらの部分の部分フッ素化アナログおよびペルフルオロアナログも包含する。別段の指定がない限り、脂肪族基は、1〜32個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜28個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜24個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜20個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜16個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、脂肪族基は1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜2個の炭素原子を含有する。好適な脂肪族基としては、限定するものではないが、直鎖または分枝鎖アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、ならびに(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニルのような、それらのハイブリッドが挙げられる。
「複素脂肪族」という用語は、本明細書で使用される場合、1個または複数の炭素原子が独立して、酸素、硫黄、窒素、またはリンのうちの1つまたは複数によって置き換えられている脂肪族基を意味する。ある特定の実施形態では、1個または2個の炭素原子が独立して、酸素、硫黄、窒素、またはリンのうちの1つまたは複数によって置き換えられている。複素脂肪族基は、置換または非置換、分枝鎖または非分枝鎖、環式または非環式であってもよく、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素脂環式」、または「複素環式」の基を含む。
「エポキシド」または「酸化アルキレン」という用語は、本明細書で使用される場合、置換または非置換のオキシランを指す。置換オキシランとしては、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、および四置換オキシランが挙げられる。このようなエポキシドは、必要に応じて、本明細書で定義されるようにさらに置換されていてもよい。
「不飽和」という用語は、本明細書で使用される場合、部分が、1つまたは複数の二重または三重結合を有することを意味する。
単独で、またはより長い部分の一部として使用される「脂環式」という用語は、本明細書に記載される場合、飽和または部分不飽和の、3〜14員を有する環式脂肪族単環式、二環式、または多環式環系を指し、脂肪族環系は、上に定義され、本明細書に記載されるように、必要に応じて置換される。脂環式基としては、限定なしに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、およびシクロオクタジエニルが挙げられる。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。「脂環式」という用語は、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルのような、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある、1つまたは複数の芳香族または非芳香族環に縮合した脂肪族環も含んでもよい。一部の実施形態では、炭素環式基は二環式である。一部の実施形態では、炭素環式基は三環式である。一部の実施形態では、炭素環式基は多環式である。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、1〜12個の間の炭素原子を含有する脂肪族部分からの、単一の水素原子の除去によって誘導される、飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。別段の指定がない限り、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキル基は1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキル基は1〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキル基は1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分枝鎖脂肪族部分から誘導される一価基を表す。別段の指定がない限り、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルケニル基は2〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルケニル基は2個の炭素原子を含有する。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル等が挙げられる。
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分枝鎖脂肪族部分から誘導される一価基を表す。別段の指定がない限り、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキニル基は2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基としては、限定するものではないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル等が挙げられる。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、環が炭素原子のみを含有する、単環式または多環式の部分を指す。別段の指定がない限り、炭素環は、飽和、部分不飽和または芳香族であってもよく、3〜20個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、炭素環は脂肪族である。代表的な炭素環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、およびスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」でのようなより長い部分の一部として使用される「アリール」という用語は、系内の少なくとも1つの環が芳香族であり、系内の各環が3〜12個の環員を含有する、合計5〜20個の環員を有する単環式または多環式環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用され得る。本発明のある特定の実施形態では、「アリール」は、1つまたは複数の置換基を有し得る芳香族環系を指し、限定するものではないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル(anthracyl)等が挙げられる。ベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル(naphthimidyl)、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)、またはテトラヒドロナフチル等のような、芳香環が1つまたは複数の追加の環に縮合した基も、本明細書で使用される場合、「アリール」という用語の範囲内に含まれる。
単独で、またはより長い部分、例えば「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される「ヘテロアリール」および「ヘテロアル(heteroar-)」という用語は、5〜14個の環原子、好ましくは5、6、または9個の環原子を有し、環状配列中に共有される6、10、または14個のパイ電子を有し、炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、任意の酸化形態の窒素または硫黄、および任意の四級化形態の塩基性窒素を含む。ヘテロアリール基としては、限定なしに、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、およびプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」および「ヘテロアル(heteroar-)」という用語は、本明細書で使用される場合、複素芳香環が1つまたは複数のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合しており、ラジカルまたは結合点が複素芳香環上にある基も含む。非限定例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式であっても、二環式であってもよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「複素芳香族」という用語と互換的に使用され得るが、これらの用語はいずれも、必要に応じて置換されている環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールによって置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は独立して、必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環式環」という用語は互換的に使用され、飽和または部分不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、1個または複数、好ましくは1〜4個の上に定義したヘテロ原子を有する、安定な5〜7員単環式または7〜14員二環式の複素環式部分を指す。複素環の環原子に関して使用される場合、「窒素」という用語は、置換されている窒素を含む。一例として、酸素、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和または部分不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリル中のように)、NH(ピロリジニル中のように)、またはNR(N−置換ピロリジニル中のように)であり得る。
複素環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合することができ、環原子のいずれかを、必要に応じて置換することができる。このような飽和または部分的不飽和の複素環式ラジカルの例としては、限定なしに、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、および「複素環式ラジカル」は、本明細書で互換的に使用され、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルのような、ラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある、ヘテロシクリル環が1つまたは複数のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合した基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式であっても、二環式であってもよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部分は独立して、必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「部分不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環部分を指す。「部分不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することが意図されるが、本明細書で定義されるアリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図されない。
本明細書に記載される場合、本発明の化合物は、「必要に応じて置換されている」部分を含有し得る。一般に、「置換されている」という用語は、「必要に応じて」という用語が先行するか否かにかかわらず、指定された部分の1つまたは複数の水素が、好適な置換基で置き換えられていることを意味する。別段の指示がない限り、「必要に応じて置換されている」基は、基の各置換可能な位置に好適な置換基を有し得るが、任意の所与の構造において1つよりも多くの位置が、特定の基から選択される1つよりも多くの置換基で置換され得る場合、置換基は、あらゆる位置において同じであっても異なっていてもよい。この発明が想定する置換基の組合せは、好ましくは、安定な、または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。「安定な」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に開示される目的のうちの1つまたは複数のために、生成、検出、ならびにある特定の実施形態では、回収、精製および使用を可能にする条件に供した場合に、実質的に変化しない化合物を指す。
本明細書における一部の化学構造では、置換基が、描かれた分子の環の結合と交差する結合に付着して示される。これは、置換基のうちの1つまたは複数が、任意の利用可能な位置(通常、親構造の水素原子の場所)において環に結合し得ることを意味する。そのように置換されている環の原子が2つの置換可能な位置を有する場合、2つの基が同じ環原子上に存在してもよい。1つよりも多くの置換基が存在する場合、それぞれは他方に独立して定義され、それぞれは異なる構造を有し得る。環の結合と交差して示される置換基が−Rである場合、これは、環が、前の段落に記載したように、あたかも「必要に応じて置換されている」と書かれているのと同じ意味を有する。
「必要に応じて置換されている」基の置換可能な炭素原子上で好適な一価の置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0〜4R°;−(CH0〜4OR°;−(CH0〜4OSi(R°);−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°);−(CH0〜4SR°;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4Ph;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°で置換されていてもよい−CH=CHPh;−NO;−CN;−NCO;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR°;−SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1〜4直鎖または分枝鎖アルキレン)O−N(R°);または−(C1〜4直鎖または分枝鎖アルキレン)C(O)O−N(R°)であり、各R°は、下に定義されるように置換されていてもよく、独立して、水素、C1〜6脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環であり、あるいは上に定義にかかわらず、R°の2つの独立した出現は、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、3〜12員の飽和、部分不飽和またはアリール単環式または二環式環を形成し、これは下に定義されるように置換されていてもよい。
R°(またはR°の2つの独立した出現がそれらの間にある原子と一緒になることによって形成される環)上の好適な一価の置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH0〜2OR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4直鎖または分枝鎖アルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1つもしくは複数のハロゲンのみで置換されており、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環から独立して選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価の置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
「必要に応じて置換されている」基の飽和炭素原子上の好適な二価の置換基としては、以下:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、または−S(C(R ))2〜3S−が挙げられ、Rの各独立した出現は、水素、下に定義されるように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換で5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環から選択される。「必要に応じて置換されている」基の近接する置換可能な炭素に結合した好適な二価の置換基としては、−O(CR 2〜3O−が挙げられ、Rの各独立した出現は、水素、下に定義されるように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基としては、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOが挙げられ、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1つもしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
「必要に応じて置換されている」基の置換可能な窒素上の好適な置換基としては、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)が挙げられ、各Rは独立して、水素、下に定義されるように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環であり、あるいは上に定義にかかわらず、Rの2つの独立した出現は、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換3〜12員の飽和、部分不飽和またはアリール単環式または二環式環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1つもしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、(1)最初に生成されたときは会合していた成分のうちの少なくとも一部から分離された、ならびに/または(2)人間の手によって設計、生成、調製、および/もしくは製造された、物質および/または実体を指す。単離された物質および/または実体は、当初会合していた他の成分のうちの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%よりも多くから分離され得る。一部の実施形態では、単離された薬剤は、純度が約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%よりも高い。本明細書で使用される場合、物質が他の成分を実質的に含まない場合、物質は「純粋」であるか、「精製」されている。一部の実施形態では、当業者は理解するであろうが、例えば、1種または複数の担体(例えば、溶媒、水等)のようなある特定の他の成分と組み合わせた後も、物質は依然として「単離された」またはさらには「純粋」と考えてよく、このような実施形態では、物質のパーセント単離または純度は、このような担体を含むことなく計算される。
「実質的に含まない」という用語は、別段の指示がない限り、組成物の約5重量パーセント未満を意味する。一部の実施形態では、ある物質を実質的に含まない組成物は、組成物中に、約2重量パーセント未満の物質を含有する。一部の実施形態では、ある物質を実質的に含まない組成物は、組成物中に、約1重量パーセント未満の物質を含有する。一部の実施形態では、ある物質を実質的に含まない組成物は、組成物中に、約0.1重量パーセント未満の物質を含有する。一部の実施形態では、ある物質を実質的に含まない組成物は、組成物中に、約0.01重量パーセント未満の物質を含有する。一部の実施形態では、ある物質を実質的に含まない組成物は、組成物中に、約0.001重量パーセント未満の物質を含有する。一部の実施形態では、ある物質を実質的に含まない組成物は、組成物中に、標準的な技法によって測定することができる量未満の物質を含有する。
本明細書で使用される場合、「頭−尾という用語」は、ポリマー鎖中の隣接繰り返し単位の位置化学を指す。例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)の文脈では、頭−尾という用語は、下のスキーム2に描かれる位置化学的な可能性に基づく。
「位置選択的」という用語は、別段の指示がない限り、所与の触媒系において、一方の方向の化学結合を作製または破壊することの、他方の方向に対する優先度を指す。例えば、置換エポキシド(例えば、酸化プロピレン)とCOとの共重合の間、成長ポリマー鎖は、2つの位置のうちの1つ:「頭」炭素原子または「尾」炭素原子において、エポキシドを攻撃することができる。
Figure 2021522355
一方の炭素原子における、他方に対する反応についての優先度は、位置選択的結合形成の例である。
「位置異性体」という用語は、別段の指示がない限り、同じ分子式を有するが、異なる接続性を有する分子を指す。例えば、式CBrは、2つの位置異性体:1−ブロモプロパンおよび2−ブロモプロパンを有する。
Figure 2021522355
「位置規則的」という用語は、別段の指示がない限り、モノマーの鎖形成の位置化学が、ポリマー鎖を通じて一貫しているポリマー分子を指す。例えば、置換酸化アルキレン(例えば、酸化プロピレン)とCOとの共重合の間、成長ポリマー鎖が主に尾炭素原子を攻撃する(すなわち、別の言い方では「頭−尾」という、カーボネート結合によって隔てられた1,2−プロパンジオールの連続単位を位置選択的に形成する)場合、ポリマーは位置規則的である。酸化プロピレンおよびCOから誘導されるモノマーを含むポリマーの位置規則的頭−尾セグメントの例は、
Figure 2021522355
によって表される。本明細書で使用される場合、位置規則的ポリマーは、頭−尾鎖形成に配列された少なくとも2つの連続カーボネート単位を含むものである。もっぱら頭−尾鎖形成を含むポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、100%位置規則性を有するといわれる。
詳細な説明
本開示はとりわけ、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの第一級ヒドロキシル(OH)末端基の、第二級ヒドロキシル(OH)末端基に対する比を上昇させるための有用な方法を提供する。例えば、本開示は、必要に応じて共重合触媒の存在下、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを加熱することは、おそらくはポリマー鎖終端における異性化機構によって、ポリマーの第一級OH末端基のモル比を上昇させるという認識を包含する。一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー)組成物の第一級ヒドロキシル(OH)末端基の、第二級ヒドロキシル(OH)末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化(例えば、加熱によって推進される異性化)して、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級−OH末端基の第二級−OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。
本開示はまた、ある特定の触媒、「異性化触媒」は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーと接触した場合、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対するモル比を上昇させることができるという認識を包含する。一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化触媒と接触させて、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、複数のポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))組成物であって、ポリ(アルキレンカーボネート)鎖が、各カーボネート結合を隔てる置換エチレン(例えば、イソプロピレン)部分を含有し、一定のパーセンテージのポリマー内隣接置換エチレン部分が、頭−尾鎖形成で配列され、第二級OH末端基のパーセンテージが、頭−尾鎖形成で配列されたポリマー内カーボネート単位のパーセンテージ未満であることを特徴とする、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、複数のポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))組成物であって、ポリ(アルキレンカーボネート)鎖が、各カーボネート結合を隔てる置換エチレン(例えば、イソプロピレン)部分を含有し、一定のパーセンテージのポリマー内隣接置換エチレン部分が、尾−尾鎖形成で配列され、第二級OH末端基のパーセンテージが、尾−尾鎖形成で配列されたポリマー内カーボネート単位のパーセンテージ未満であることを特徴とする、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、複数のポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)組成物であって、ポリ(アルキレンカーボネート)鎖が、各カーボネート結合を隔てる置換エチレン部分を含有し、ポリマー鎖内の置換エチレン(例えば、プロピレン)部分についての位置規則性の程度が、少なくとも1つの鎖終端についての位置規則性よりも高いことを特徴とする(すなわち、鎖終端は、カーボネート結合によって隔てられた、末端から2番目の置換エチレンモノマー単位と、末端置換エチレンモノマー単位とである)、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供する。別の言い方をすれば、このようなポリマーは、下に示すように、ポリマー内の位置規則性が、鎖終端の位置規則性よりも高いことを特徴とする。
Figure 2021522355
本明細書に報告するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、ポリウレタンの調製において有用である。このようなポリウレタンは、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの末端ヒドロキシル基の、イソシアネートとの反応によって調製される。しかしながら、ポリウレタン反応は、第一級ヒドロキシル末端基では、第二級または第3級ヒドロキシル末端基でよりも効率的かつ迅速に進行するという点において、ヒドロキシル末端基の位置化学による影響を受ける。ポリウレタン合成には、異なる程度の第一級ヒドロキシル末端基対第二級ヒドロキシル末端基を含むポリオールをブレンドすることが関与することが多く、このようなポリオールは、ポリウレタンを調製するために使用するイソシアネート試薬と異なる速度で反応するため、問題となり得る。これによって、ポリオール成分の反応速度を均衡させるため、より複雑なプロセス、例えば、プレポリマーまたは「ツーショット」プロセスを用いることが要求される。しかしながら、すべてのポリオールをイソシアネートと一緒に反応させる「ワンショットプロセス」はより簡便であるが、各ポリオール成分が同様の反応性を有する場合にのみ、実用的である。最適には、このような組成物は、第一級OH末端基の位置化学を含む(例えば、すべてのポリオールが、主に第一級OH末端基を含む)。
しかしながら、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー前駆体を調製するために使用される多くの公知の重合方法は、ポリマー分子のかなりの部分またはさらには過半数が、第二級ヒドロキシル末端基を含むポリマー組成物を生成し、ポリウレタン合成のためには非効率となり、かつ/または「ツーショットプロセス」が要求される。そのため、ポリウレタンに前駆体として使用するためには、第一級ヒドロキシル末端基を有するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを調製することが望ましい。とりわけ、本開示は、このようなポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを得るための方法を提供する。
OH末端基異性化のための方法および系
本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモル比を上昇させるための方法を提供することによって、以前の系の限界を克服する。ある特定の実施形態では、このような方法は、ポリマー組成物を異性化ステップに供して、ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモル比を上昇させることを含む。ある特定の実施形態では、このような異性化ステップは、必要に応じて共重合触媒の存在下、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを加熱して、ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモル比を上昇させることを含む。いずれの特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、第二級OH末端基の第一級OH基への異性化を推進するために、温度、時間、および触媒残留物が、重要なパラメーターであることは明らかである。
一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー)組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化(例えば、加熱によって推進される異性化)して、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級−OH末端基の第二級−OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。特に、本開示は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの第二級ヒドロキシル基を、第一級ヒドロキシル基に再配列して、それによって、「改質」ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供する方法を提供する。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、第二級ヒドロキシル基が第一級ヒドロキシル基に再配列された少なくとも1種のポリマー分子を含む。一部の実施形態では、このような改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、組成物を構成するポリマー鎖のポリマー内位置規則性が変化しないままであることを特徴とする。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、共重合触媒を実質的に含まない。すなわち、一部の実施形態では、共重合触媒(すなわち、酸化アルキレンと二酸化炭素とを共重合させるために使用する触媒)は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物から除去されている。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、共重合触媒を実質的に含まず、異性化するステップは、約100℃〜約180℃の温度において、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を処理すること(例えば、加熱すること)を含む。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、遷移金属を実質的に含まない。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、有機カチオンを実質的に含まない。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、共重合触媒またはその配位子に共有結合で結合していない有機カチオンを実質的に含まない。
共重合触媒の存在
さらに、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの第二級ヒドロキシル基を異性化するために要求される温度が、活性または不活性形態の共重合触媒の存在によって影響され得るという認識を包含する。したがって、一部の実施形態では、本明細書に報告する方法は、共重合触媒の存在下、酸化アルキレンとCOとを共重合させて、未クエンチ共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物とを含む反応混合物を形成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、次いで、反応混合物を、より高温に加熱する、または共重合反応と同じ温度に維持する。一部の実施形態では、未クエンチ共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物とを含む反応混合物を、約50℃〜約100℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、未クエンチ共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物とを、約50℃〜約90℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、未クエンチ共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物とを、約50℃〜約85℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、未クエンチ重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物とを、約50℃〜約70℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、未クエンチ共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物とを、約65℃の温度に加熱する。
ポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレン)カーボネート)の調製のための好適な共重合触媒は、当技術分野において公知であり、提供される方法において使用され得る。非限定例として、一部の実施形態では、共重合触媒は、
i)(salcy)MX(salcy=N,N’−ビス(3,5−ジ−tertブチルサリチリデン)−1,2−ジアミノシクロヘキサン;M=Al、Co、Cr、Mn;X=ハロゲン化物、カルボキシレート、またはカーボネート)、
ii)グルタル酸亜鉛、
iii)TPPM−X(TPP=テトラフェニルポルフィリン;M=Al、Co、Cr;X=ハロゲン化物またはアルコキシド)、(ベータジイミネート);および
iv)酢酸亜鉛
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、共重合触媒は、メタロサレネート触媒である。一部の実施形態では、共重合触媒は、コバルトサレン触媒である。一部の実施形態では、共重合触媒は、そのそれぞれの内容の全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる、WO2010/022388、WO2010/013948、WO2010/147421、WO2012/037282、WO2013/022932、WO2013/012895、WO2013/096602、WO2014/031811、WO2016/012785、WO2016/012786、およびWO2008/136591に記載されている金属錯体である。
一部の実施形態では、異性化する(例えば、加熱する)ステップの後、クエンチ剤を改質(ポリアルキレンカーボネート)ポリマー組成物に加える。一部の実施形態では、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比が、本明細書で以下にさらに定義される所望のレベルに、かつ/または所望の量だけ上昇した後、クエンチ剤を反応混合物に加える。一部の実施形態では、クエンチ剤は、共重合反応を終了させるのに好適である。一部の実施形態では、クエンチ剤は、未クエンチ共重合触媒を中和するのに好適である。一部の実施形態では、クエンチ剤は、その内容の全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる、WO2010/033705に記載されているもののうちの1つである。
一部の実施形態では、共重合反応を終了させるのに好適なクエンチ剤を、異性化する(例えば、加熱する)ステップの前に、反応混合物に加える。一部の実施形態では、共重合反応を終了させるのに好適なクエンチ剤を、未クエンチ反応物と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを含む反応混合物に加え、それによって、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを含む反応混合物を提供する。
一部の実施形態では、異性化を推進するため、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを含む反応混合物を、触媒残留物が存在しない場合に使用する温度よりも低いが、未クエンチ共重合触媒が存在する場合に使用する温度よりも高い温度で加熱して異性化を推進する。一部の実施形態では、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを含む反応混合物を、約50℃〜約120℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを、約50℃〜約100℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを、約60℃〜約90℃の範囲の温度に加熱する。一部の実施形態では、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを、約90℃の温度に加熱する。一部の実施形態では、クエンチされた共重合触媒と出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとを、約65℃の温度に加熱する。
共重合触媒を失活させるために反応混合物をクエンチした後、反応混合物を濾過(例えば、セライト、シリカゲル等を通して)して、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーから共重合触媒を分離し、それによって、共重合触媒を実質的に含まないポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを提供してもよい。共重合触媒を失活させるために反応混合物をクエンチした後、反応混合物を樹脂で処理して、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーから共重合触媒を分離し、それによって、共重合触媒を実質的に含まないポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを提供してもよい。好適な樹脂および濾過助剤は、そのそれぞれの内容の全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる、WO2010/033703およびWO2008/136591に記載されている。
当業者は、酸化アルキレン/CO共重合の文脈内で、いずれの薬剤が「クエンチ」剤として適格であるか、容易に理解するであろう。一部の実施形態では、クエンチ剤を使用して、共重合触媒を中和することができる。一部の実施形態では、クエンチ剤は、共重合反応を終了させるのに好適である。例えば、一部の実施形態では、クエンチ剤は酸である。一部の実施形態では、クエンチ剤は、塩酸、フッ化水素酸、フルオロホウ酸、および硫酸、酢酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、ホスフィン酸、およびホウ酸から選択される。好適なクエンチ剤の例は、参照により本明細書に組み込まれる、PCT出願公開WO2010/033705号に見出される。
方法のパラメーターおよび条件
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、ある特定の長さの時間、加熱して、第一級ヒドロキシル基を最大化し、かつ/またはcPC形成を最小化する。例えば、一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約1時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも2時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも4時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも10時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも15時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも20時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも25時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、少なくとも30時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約1時間〜15時間の間、加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約5時間〜10時間の間、加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、または10時間加熱する。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約60℃〜約70℃の間の温度に、約5時間〜約30時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約65℃の温度に、約5時間〜約10時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約65℃の温度に、約5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、または10時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約65℃の温度で、約20時間〜約30時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約65℃の温度に、約22時間〜約27時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約65℃の温度に、約22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、または27時間加熱する。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約80℃〜約100℃の間の温度に、約1時間〜約15時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約90℃の温度に、約1時間〜約7時間加熱する。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約90℃の温度に、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、または7時間加熱する。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、100℃〜140℃の間の温度に、約1時間〜約30時間加熱する。一部の実施形態では、出発(ポリアルキレンカーボネート)ポリマーを、約120℃の温度に、約1時間〜約5時間加熱する。一部の実施形態では、出発(ポリアルキレンカーボネート)ポリマーを、約120℃の温度に、約1時間加熱する。一部の実施形態では、出発(ポリアルキレンカーボネート)ポリマーを、約120℃の温度に、約1時間、2時間、3時間、4時間、または5時間加熱する。一部の実施形態では、出発(ポリアルキレンカーボネート)ポリマーを、約120℃の温度に、約20時間〜約30時間加熱する。一部の実施形態では、出発(ポリアルキレンカーボネート)ポリマーを、約120℃の温度に、約20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、または30時間加熱する。
提供される方法の一部の実施形態では、異性化する(例えば、加熱する)前に、反応混合物からCOを抜く。一部の実施形態では、異性化した(例えば、加熱した)後に、反応混合物からCOを抜く。
一部の実施形態では、異性化する(例えば、加熱する)ステップを、連続流フォーマットにおいて実行することができる。例えば、図1に示すように、供給リザーバー101、加熱エレメント102、生成物リザーバー103、および供給リザーバーと生成物リザーバーとを接続するコネクター(例えば、流路)104を含み、コネクター(例えば、流路)104を加熱するように構成された装置100を使用することができる。出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを供給リザーバー101に入れ、所与の速度および温度で加熱エレメント102によって加熱されている(すなわち、加熱ゾーンを通って移動している)管104を通してポンプ輸送した後、改質ポリ(アルキレンカーボネート)として生成物リザーバー103に到着させることができる。一部の実施形態では、本開示の方法および系は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)組成物を供給リザーバーから出すこと、出発ポリ(アルキレンカーボネート)を、加熱ゾーンを通して流すこと、および改質ポリ(アルキレンカーボネート)組成物を生成物リザーバーに蓄積することをさらに提供する。
本明細書に報告する方法および組成物は、バッチサイズに限定されない。例えば、一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、少なくとも100mg、少なくとも1g、または少なくとも1kgのポリ(アルキレンカーボネート)を含む。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、4kgよりも多い、20kgよりも多い、200kgよりも多い、1メートルトンよりも多い、20メートルトンよりも多い、または130メートルトンよりも多い出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを含む。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、バルク試料である。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、分析試料ではない。
ある特定の実施形態では、提供される方法において使用される出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、埋め込まれた連鎖移動剤を含む。連鎖移動剤の例示的であるが非限定の例は、そのそれぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT出願公開WO2010/028362号およびWO2010/062703に報告されている。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、多価連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、二価(すなわち、ポリマー鎖の成長を開始させることができる2つの官能基を含有する)連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、三価連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、四価連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、多価アルコールである。一部の実施形態では、多価アルコールは、ジオール、トリオール、テトラオール、およびより高級なポリオール、またはこれらのいずれかのアルコキシル化アナログから選択される。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、またはポリエチレングリコールからなる群から選択される。
異性化触媒
加えて、または代わりに、一部の実施形態では、本開示は、ポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を異性化触媒と接触させて、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物が、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法を提供する。
本明細書で言及される場合、「異性化触媒」は、第二級ヒドロキシル基の第一級ヒドロキシル基への異性化を推進する触媒を指す。異性化触媒は、本明細書で使用される場合、追加の部分をポリ(アルキレンカーボネート)ポリオールの終末端に取り付けて、それによって、第一級ヒドロキシル基を得る触媒とは区別される。例えば、追加の部分をポリ(アルキレンカーボネート)ポリオールの終末端に取り付ける触媒は、米国特許出願公開第2013/0296450号に報告されている。一部の実施形態では、異性化触媒は、複合金属シアン化物触媒以外である。
一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイスもしくはブレンステッド酸、またはルイスもしくはブレンステッド塩基である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイスまたはブレンステッド酸である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイス酸である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ブレンステッド酸である。一部の実施形態では、異性化触媒は、遷移金属ルイス酸、主要族ルイス酸、アルカリルイス酸(alkali Lewis acid)、またはアルカリ性ルイス酸(alkaline Lewis acid)である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ハロゲン化水素、ハイドロジェンホスフェート、酸化アルミニウム、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルボラン、アリールボラン、酸性アンモニウム(ammonium acid)、スルホン酸、またはゼオライトである。
一部の実施形態では、異性化触媒は、エステル化触媒である。一部の実施形態では、異性化触媒は、
・Grasa, G. A.: et al. Synthesis 2004, 7, 971.およびOtera, J. Chem. Rev.1993, 93, 1449に報告されているもののような、エステル化およびアシル化触媒;
・芳香族およびアルキルアミン、例えば:ピリジン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、TBD、MTBD、DABCO、グアニジン;
・ホスフィンおよびホスファゼン、例えば:トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、およびビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド(PPNCl);
・金属塩。例えば、トリメチルシリル、リチウム、マグネシウム、インジウム、スズ、ビスマス、チタン、銅、スカンジウム、ニッケル、コバルト、ルテニウム、銀、ランタン(lanthium)、および亜鉛から誘導されるハロゲン化物塩、トリフレート塩、または過塩素酸塩;
・他の窒素含有複素環。例えば、1−メチルイミダゾール、1−フェネチルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、イミダゾール等のようなイミダゾール;
・ブレンステッド酸、例えば:HCl、HSO、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、およびHPO
・ルイス酸、例えば:2−エチルヘキサン酸ビスマス、(2−エチルヘキサン酸)スズ、ステアリン酸スズ(II)、酢酸スズ(II)、ジラウリン酸ジブチルスズ、二塩化二酸化モリブデン、三塩化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、塩化シリカ;
・エポキシドと二酸化炭素とからポリカーボネートを形成することが公知の有機金属触媒、例えば:(salcy)MX(salcy=N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジアミノシクロヘキサン;M=Al、Co、Cr、Mn;X=ハロゲン化物またはカルボキシレート)、グルタル酸亜鉛、TPPM−X(TPP=テトラフェニルポルフィリン;M=Al、Co、Cr;X=ハロゲン化物またはアルコキシド)、(ベータ−ジイミネート)酢酸亜鉛;
・固体酸または塩基、およびイオン交換樹脂、例えば:アンバーリスト−15、ポリ(4−ビニルピリジン)、モンモリロナイト(montmorillite)K−10、モンモリロナイトKSF、ゼオライト、アルミナ、シリカ、固体担持スルホン酸、ナフィオン−H、SiO上のHBF、SiO上のHClO
からなる群から選択されるエステル化触媒である。
一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイス酸触媒である。一部の実施形態では、ルイス酸触媒は、一般式M(R(R(R(R0〜1[式中、Mは、ホウ素、アルミニウム、インジウム、ビスマス、またはエルビウムであり、RおよびRはそれぞれ独立して、フルオロ置換フェニルまたはメチル基を含み、Rは、フルオロ置換フェニルもしくはメチル基、または官能基もしくは官能性ポリマー基を含み、必要に応じたRは、官能基または官能性ポリマー基である]を有する金属系ルイス酸触媒である。フルオロ置換フェニル基は、フッ素原子で置き換えられた少なくとも1個の水素原子を含むフェニル基を意味する。フルオロ置換メチル基は、フッ素原子で置き換えられた少なくとも1個の水素原子を含むメチル基を意味する。R、R、およびRは、フルオロ置換フェニル基を含んでもよく、フルオロ置換フェニル基から本質的になってもよい。R、R、およびRは、フルオロ置換メチル基を、例えば、酸化硫黄(例えば、三酸化硫黄)と結合したフルオロ置換メチル基の形態で含んでもよい。一般式中のMは、金属塩イオンとして、または一体的に結合した式の一部分として存在し得る。
官能基または官能性ポリマー基は、ルイス酸触媒(例えば、ホウ素系ルイス酸触媒または金属トリフレート触媒)と複合体を形成するルイス塩基であり得る。官能基または官能性ポリマー基は、以下のうちの少なくとも1つ:アルコール、アルキルアリール、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル、シクロアルキル、プロピル、酸化プロピル、メルカプタン、有機シラン、有機シロキサン、オキシム、別のホウ素原子への共有結合架橋として機能することができるアルキレン基、別のホウ素原子への共有結合架橋として機能することができる二価有機シロキサン基、およびこれらの置換アナログを含有する分子を意味する。しかしながら、ホウ素系ルイス酸触媒または金属トリフレートのようなルイス酸触媒と組み合わせることができる、他の公知の官能性ポリマー基を使用してもよい。
一部の実施形態では、異性化触媒は、一般式B(R(R(R(R0〜1[式中、RおよびRはそれぞれ独立して、フルオロ置換フェニル基であり、Rは、フルオロ置換フェニル基、または官能基もしくは官能性ポリマー基であり、必要に応じて、Rは官能基または官能性ポリマー基である]を有するホウ素系ルイス酸触媒である、ルイス酸触媒である。一部の実施形態では、異性化触媒はホウ素系ルイス酸である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ホウ酸、ボロン酸エステル、アルキルボラン、およびアリールボランからなる群から選択される。一部の実施形態では、異性化触媒はホウ酸である。
一部の実施形態では、ホウ素系ルイス酸触媒は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン
Figure 2021522355
である。
一部の実施形態では、ホウ素系ルイス酸触媒は、
Figure 2021522355
である。
一部の実施形態では、異性化触媒は、金属トリフレートであるルイス酸触媒である。例えば、金属トリフレートは、一般式M(R(R(R(R0〜1[式中、Mは、アルミニウム、インジウム、ビスマス、またはエルビウムであり、R、R、およびRは、それぞれCFSOである]を有する。
一部の実施形態では、異性化触媒は、1種または複数のルイス酸触媒を含むルイス酸触媒組成物である(例えば、それぞれ、一般式B(R(R(R(R0〜1[式中、RおよびRはそれぞれ独立して、フルオロ置換フェニルまたはメチル基であり、Rは、フルオロ置換フェニルもしくはメチル基、または官能基もしくは官能性ポリマー基であり、必要に応じたRは、官能基または官能性ポリマー基である]を有する)。一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイス酸と別の触媒との組合せであるルイス酸触媒であり、ルイス酸触媒は、組合せ触媒の総重量の少なくとも75重量%を構成する。加えたブレンド触媒は、任意のDMC系触媒を除外し得る。例示的な金属系ルイス酸は、アルミニウム、ホウ素、銅、鉄、ケイ素、スズ、チタン、亜鉛、およびジルコニウムのうちの1つをベースとする。
一部の実施形態では、異性化触媒は、塩化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、亜鉛トリフレート、酸化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、フッ化アルミニウム、アルミニウムトリフレート、塩化スズ、酸化スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、二塩化二酸化モリブデン、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化シリカ、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化コバルト(II)、塩化チタン、臭化銅、銅トリフレート、塩化リチウム、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素、ホウ酸、トリフェニルボラン、トリフルオロボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、フルオロアンチモン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフリン酸無水物、五フッ化アンチモン、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、セシウムトリフレート、酢酸クロム、酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、4−ニトロフェニルスルホン酸、スルホ酢酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸(vylene sulfonic acid)、3−アミノ−1−1−プロパンスルホン酸、2−(メチルアミノ)エタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−スルファニルエタンスルホン酸、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、3−ピリジンスルホン酸、2−ピリジンスルホン酸、4−ピペリジンスルホン酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、1−メチルピリジニウム3−スルホネート、1−メチル−2−ピリジニウムスルホネート、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、4−メチルメタニル酸、4−アミノ−3−メチルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、スルファミン酸、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸;リン酸、ピロリン酸、トリリン酸のアルキル誘導体;リン酸、ピロリン酸のアリール誘導体;グルタル酸亜鉛、(ベータ−ジイミネート)酢酸亜鉛、ペルフルオロスルホン酸ポリマー、またはこれらの任意の組合せから選択される。
一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイスまたはブレンステッド塩基である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ルイス塩基である。一部の実施形態では、異性化触媒は、ブレンステッド塩基である。一部の実施形態では、異性化触媒は、アルカリカルボキシレート、アルカリ性カルボキシレート、アルキルアミン、芳香族アミン、ホスフィン、ホスファゼン、アルキルチオレート、アリールチオレート、アルカリホスフェート、アルカリ性ホスフェート、遷移金属水酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ性カーボネート、アルカリ性バイカーボネート、アルカリカーボネート、アルカリバイカーボネート、または酸化ホスフィンである。
一部の実施形態では、異性化触媒は、酢酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、アンモニア、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ(triazabicylo)[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリメチルアミン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−フェネチルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、ピリジン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド、カリウムチオフェノレート、ナトリウムチオフェノレート、リン酸三ナトリウム、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化スズ、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、ジメチル銅、リン酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、MoOCl、またはこれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、異性化触媒はステアリン酸カルシウムである。
一部の実施形態では、異性化触媒は、固体担体を含むか、または固体担体に結合している。一部の実施形態では、固体担体は、無機固体担体またはポリマー性固体担体である。一部の実施形態では、無機固体担体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、金属酸化物、およびクレイから選択される。一部の実施形態では、ポリマー性固体担体は、スチレン、クロロメチル化されたスチレンおよびジビニルベンゼン、ポリスチレン、ポリスルホン、ナイロン、ポリ(クロロメチルスチレン)、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、架橋エトキシレートアクリレート樹脂ポリマー、またはこれらのいずれかの組合せである。したがって、一部の実施形態では、異性化触媒は、アンバーリスト−15、ポリ(4−ビニルピリジン)、モンモリロナイトK−10、モンモリロナイトKSF、ゼオライト、アルミナ、シリカ、固体担持スルホン酸、ナフィオン−H、SiO上のHBF、またはSiO上のHClOである。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を、2種またはそれよりも多くの異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発PPCポリマー組成物を、2種の異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物を、ホウ酸およびステアリン酸カルシウムと接触させる。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約1分〜約120時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約1分〜約10分の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約5分〜約15分の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約15分〜約30分の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約15分〜約60分の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約1時間〜約12時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約1時間〜約4時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約4時間〜約16時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約12時間〜約24時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約24時間〜約48時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約48時間〜約72時間の間、異性化触媒と接触させる。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを、約72時間〜約120時間の間、異性化触媒と接触させる。
一部の実施形態では、本明細書に報告する方法は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)(例えば、ポリ(プロピレンカーボネート))ポリマーと異性化触媒とを加熱することをさらに含む。一部の実施形態では、加熱するステップは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物と異性化触媒とを、約50℃〜約140℃の範囲の温度で加熱することを含む。一部の実施形態では、加熱するステップは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物と異性化触媒とを、約80℃〜約130℃の範囲の温度で加熱することを含む。一部の実施形態では、加熱するステップは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃〜約120℃の範囲の温度で加熱することを含む。一部の実施形態では、加熱するステップは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃〜約100℃の範囲の温度で加熱することを含む。一部の実施形態では、加熱するステップは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃の温度で加熱することを含む。一部の実施形態では、加熱するステップは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物と異性化触媒とを、約120℃の温度で加熱することを含む。
一部の実施形態では、異性化触媒はステアリン酸カルシウムであり、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとステアリン酸カルシウムとを、約90℃の温度に加熱する。
一部の実施形態では、異性化触媒はホウ酸であり、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとホウ酸とを、約120℃の温度に加熱する。
一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、共重合触媒を実質的に含まない。
一部の実施形態では、異性化触媒の出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物に対する質量比は、1:10未満、1:20未満、1:50未満、1:100未満、1:200未満、1:500未満、1:1000未満、または1:5000未満である。
提供される方法によって得た改質組成物の特性
述べられているように、本明細書で提供される方法は、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級ヒドロキシル末端基の、第二級ヒドロキシル末端基に対する比を、所望の閾値に上昇させるための手段を提供する。例えば、一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基の(全ポリ(アルキレンカーボネート)−OH末端基に対する)モルパーセントは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも15%大きく上昇する。例えば、25%の末端基を有する改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーとなるように改質された、10%の第一級OH末端基を有する出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも15%(すなわち、25%−10%=15%)大きく、上昇していることが理解される。したがって、一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも51%大きい。ある特定の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントは、15〜25%、20〜30%、25〜35%、30〜40%、35〜45%、40〜50%、45〜55%、50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、70〜80%、75〜85%、80〜90%、85〜95%、90〜99%、または99%よりも大きく上昇する。
一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約5%よりも大きい、約7%よりも大きい、約10%よりも大きい、または約15%よりも大きい。一部の実施形態では、第一級OH末端基のモルパーセントは、約10%よりも大きい、約15%よりも大きい、約20%よりも大きい、約25%よりも大きい、約30%よりも大きい、約35%よりも大きい、約40%よりも大きい、約45%よりも大きい、または約50%よりも大きい。一部の実施形態では、第一級OH末端基のモルパーセントは約35%である。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントは、45〜55%である。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約50%よりも大きい、約55%よりも大きい、約60%よりも大きい、約65%よりも大きい、約70%よりも大きい、約75%よりも大きい、約80%よりも大きい、約85%よりも大きい、約90%よりも大きい、または約95%よりも大きい。ある特定の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントは、15〜25%、20〜30%、25〜35%、30〜40%、35〜45%、40〜50%、45〜55%、50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、70〜80%、75〜85%、80〜90%、85〜95%、90〜99%、または99%よりも大きい。
一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、約35%大きい。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも45%大きい。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントは、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%大きい。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントは、15%未満、10%未満、8%未満、5%未満、または3%未満、または2%未満である。
一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物における比よりも少なくとも50%大きい。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物における比よりも少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%大きい。一部の実施形態では、改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物における比よりも75〜200%、150〜250%、200〜300%、250〜350%、300〜400%、350〜450%、400〜500%、または500〜1000%大きい。
ポリ(アルキレンカーボネート)分子を異性化(例えば、加熱することによって推進される異性化)する間に、副生成物として環式アルキレンカーボネート(例えば、cPC)を形成し得ることが可能である。ある特定の実施形態では、本発明は、第一級OH末端基のパーセンテージが上昇する一方、環式アルキレンカーボネートの形成が最小化されるように、適当な条件を選択してもよいという認識を包含する。
一部の実施形態では、提供される方法の異性化(例えば、加熱することによって推進される異性化)するステップの間に形成される環式アルキレンカーボネート(例えば、cPC)の量は、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーに対して、約10重量パーセント未満、約9重量パーセント未満、約8重量パーセント未満、約7重量パーセント未満、約6重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約4重量パーセント未満、約3重量パーセント未満、約2重量パーセント未満、または約1重量パーセント未満である。一部の実施形態では、本明細書に報告する方法は、約1〜約6モルパーセント以下の環式アルキレンカーボネートを発生させる。
改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー
本明細書で提供される改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、従来の方法によって調製されるポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーと比較して、第一級ヒドロキシル末端基の第二級ヒドロキシル末端基に対する比の上昇を呈する。このセクション全体を通じて、別段の指定がない場合、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー、またはその亜属および亜種への言及は、本開示の方法に対して上に記載したように、「改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー」への言及である。
一部の実施形態では、本明細書に報告するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、酸化アルキレンと二酸化炭素とから誘導された複数のカーボネート単位を含むポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖を含む。このようなポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、下に描いた2つの区分のカーボネート単位:ポリマー鎖内に出現するもの(例えば、ポリマー内のカーボネート単位)と、ポリマー鎖末端に位置するもの(例えば、鎖終端)とを含む。
Figure 2021522355
鎖終端は、鎖末端でのその位置によって、および鎖終端が遊離ヒドロキシル末端基を有するという事実によって、区別される。ある特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、ポリマー内のカーボネート単位の位置規則性と鎖終端の位置化学との間に隔たりがあることを特徴とする。ある特定の実施形態では、ポリマーは、鎖終端における第二級ヒドロキシル末端基の第一級ヒドロキシル末端基に対するパーセンテージが、ポリマー内のカーボネート単位の位置規則性から予想され得るものとは異なることを特徴とする。一部の実施形態では、鎖終端における第二級ヒドロキシル末端基の第一級ヒドロキシル基に対するパーセンテージは、ポリマー内のカーボネート単位の位置規則性に基づいて予想されるよりも低い。
一部の実施形態では、本明細書に報告するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、酸化アルキレン(例えば、酸化プロピレン)と二酸化炭素とから誘導された複数のカーボネート単位を含み、ポリマー内単位が、位置規則性度X(鎖における全ポリマー内のカーボネート結合に対する、ポリマー内の頭−尾鎖形成のパーセンテージを表す)で配列されるが、第二級ヒドロキシル末端基のパーセンテージが、ポリマー内の位置規則性から予想されるパーセンテージよりも小さいことを特徴とする。典型的には、このようなポリマーの鎖終端が、ポリマー内のカーボネート結合と同じプロセスによって形成される場合、第二級−OH末端基のパーセンテージは、100−[100−X]/2であると予想する。例えば、ポリマー内のカーボネートモノマーの鎖形成について、80%の位置規則性を有するポリアルキレンカーボネート組成物は、90%の第二級−OH末端基を有すると予想される。ある特定の実施形態では、第一級ヒドロキシル末端基は、ポリ(アルキレンカーボネート)共重合に使用した酸化アルキレンモノマーのうちの1種から誘導され、第一級ヒドロキシル末端基を調製するために、追加の部分(すなわち、「キャップ」)をポリマー鎖末端に加えることを必要としない。
したがって、一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーはXの位置規則性を有し、Xは、頭−尾配向で鎖形成されたポリマー内のモノマー単位のパーセンテージを表し、50%〜100%の間の値を有する。一部の実施形態では、Xは、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%である。一部の実施形態では、Xは、約95%〜約100%の間である。一部の実施形態では、Xは、約97%〜約100%の間である。一部の実施形態では、Xは、約98%〜約100%の間である。一部の実施形態では、Xは、約99%〜約100%の間である。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、ポリマー鎖中に、約70〜90%または約75〜85%のカーボネートモノマーの頭−尾鎖形成を含む。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、ポリマー鎖中に、約90〜99.9%または約93〜98%のカーボネートモノマーの頭−尾鎖形成を含む。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーにおいて、頭−尾鎖形成で配列されたポリマー内のカーボネートモノマーは、
Figure 2021522355
[式中、各RおよびRは、どの場合も、H、またはC〜C32アルキル、C〜C18アリール、C〜C18シクロアルキル、3〜18個の原子のヘテロシクロアルキル、および5〜18個の原子のヘテロアリールからなる群から選択される、必要に応じて置換されている基から独立して選択され、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表し、重合は左から右の方向に進行する]
によって表される。一部の実施形態では、Rは、C〜C28アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C20アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C16アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C12アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、各Rは、メチルである。一部の実施形態では、各Rは、Hである。一部の実施形態では、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマーにおいて、頭−尾位置化学で鎖形成されたポリマー内のカーボネート単位は、
Figure 2021522355
[式中、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
によって表される。
一部の実施形態では、二酸化炭素と酸化アルキレンとから誘導されたヒドロキシル末端基を含む鎖終端は、
Figure 2021522355
[式中、RおよびRは、どの場合も、それぞれ、H、またはC〜C32アルキル、C1〜32アルキル、C1〜32アルケニル、C1〜32アルキル−R、C1〜32アルケニル−R、C〜C18アリール、5〜18個の原子のヘテロアリール、C〜C18シクロアルキル、もしくは3〜18個の原子のヘテロシクロアルキルから独立して選択され、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1〜32アルキル、−OC(O)C1〜32アルキル、−C(O)OC1〜32アルキル、−OC1〜32アルケニル、−OC(O)C1〜32アルケニル、または−C(O)OC1〜32アルケニルであり、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
によって表される。一部の実施形態では、Rは、C〜C28アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C20アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C16アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C12アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、Hである。本明細書で提供されるPPCポリマーの一部の実施形態では、第一級OH末端基を有する鎖終端は、
Figure 2021522355
[式中、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
によって表される。本明細書で提供されるPPCポリマーの一部の実施形態では、第二級OH末端基を有する鎖終端は、
Figure 2021522355
[式中、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
によって表される。
位置規則性は、同じ位置化学を呈するモノマーのパーセンテージとして表すことができる。例えば、すべてのモノマーが頭−尾配向に配向されたポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーにおいて、このようなポリマーは、100%の位置規則性であり得る。加えて、例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマーが10個のカーボネート単位を含み、1つの酸化プロピレンの非位置選択的挿入を含有する場合、得られるポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖は、2つの非頭−尾結合を有し得、80%の位置規則性を呈し得る(すなわち、ポリマー結合のうちの80%が、カーボネートモノマーの頭−尾配向を有する)。例えば、エポキシド挿入が一般に頭−尾(H/T)鎖形成で出現するポリ(プロピレンカーボネート)ポリマーにおいて、誤挿入(例えば、頭−頭として配向された挿入)は、下に図示するように、頭−頭(H/H)結合および尾−尾(T/T)結合をもたらし得る。
Figure 2021522355
上の例において、10個のエポキシド単位のうちの9つは、「尾」の炭素原子における開環によって鎖形成した位置選択性であったため、触媒の位置選択性は90%であり、このようにして表される位置規則性は、触媒の位置選択性よりも小さい。しかしながら、この1つの誤挿入は、2つの非頭−尾(H/T)結合:誤挿入されたエポキシドを「頭」炭素上で開環することから生じる頭−頭(H/H)結合、および次の酸化プロピレン分子の位置選択的鎖形成から生じるその後の尾−尾(T/T)結合をもたらす。鎖末端の位置化学(すなわち、第二級OH末端基の第一級OH末端基に対する比)の場合、PPC鎖への結合は1つだけであり、終端エポキシドの各誤挿入は単一の第一級−OH末端基をもたらすため、触媒の位置選択性と比は同じであることになる。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、ポリオールである。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、ヒドロキシル末端基を有する少なくとも2つの鎖終端を含む。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、ジオール、トリオール、およびテトラオールから選択される。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、ジオールである。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、トリオールである。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、テトラオールである。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー鎖は、第一級OH基を有する少なくとも2つの鎖終端を含む。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の、第一級OH基を有する鎖終端の全鎖終端に対するモルパーセントは、約5%よりも大きい、約7%よりも大きい、約10%よりも大きい、または約15%よりも大きい。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH基を有する鎖終端のモルパーセントは、約10%よりも大きい、約15%よりも大きい、約20%よりも大きい、約25%よりも大きい、約30%よりも大きい、約35%よりも大きい、約40%よりも大きい、約45%よりも大きい、または約50%よりも大きい。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の、第一級OH基を有する鎖終端の全鎖終端に対するモルパーセントは、約35%である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約45%〜約55%である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第一級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約70%よりも大きい、約75%よりも大きい、約80%よりも大きい、約85%よりも大きい、約90%よりも大きい、または約95%よりも大きい。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の第一級OH末端基の過半数は、酸化アルキレンとCOとの共重合中に、酸化アルキレン(例えば、酸化プロピレン)から誘導されたアルキレン単位(例えば、プロピレン単位)上に位置する。
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の、第二級OH基を有する鎖終端の全鎖終端に対するモルパーセントは、0%〜95%の間である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第二級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約0%〜約70%の間である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第二級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約0%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または約80%である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第二級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約0%〜約55%の間である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第二級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約45%〜約55%の間である。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物中の第二級OH末端基を有する鎖終端のモルパーセントは、約0%〜約10%、約5%〜約15%、約10%〜約20%、約15%〜約25%、約20%〜約30%、約25%〜約35%、約30%〜約40%、約35%〜約45%、約40%〜約50%、または約45%〜約55%の間である。
一部の実施形態では、本開示は、PPC鎖の集団を含む位置規則性ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物であって、各PPC鎖が、複数の内部繰り返し単位と1つまたは複数の遊離鎖末端を含み、各内部繰り返し単位が、カーボネート結合を通じて2つの隣接繰り返し単位に結合している1,2−プロパンジオール部分を含み、各遊離鎖末端が、1つの遊離ヒドロキシル基とPPC鎖への1つのカーボネート結合とを有する1,2−プロパンジオール部分を含み、組成物中で平均的に、遊離鎖末端における全ヒドロキシル基のうちの第二級ヒドロキシル基のパーセンテージが、ポリマー鎖内に位置選択的に鎖形成された内部繰り返し基のパーセンテージよりも小さいことを特徴とする、位置規則性ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「1,2−プロパンジオール部分を含む遊離鎖末端」という用語は、PPCを形成した重合反応の間に鎖形成された1,2−プロパンジオール部分を指す。
例証として、カーボネート結合を通じて2つの隣接繰り返し単位に結合している1,2−プロパンジオール部分は、以下の式:
Figure 2021522355
[式中、各RおよびRは、どの場合も、Hまたはメチルから独立して選択され、RおよびRは同じではなく、記号
Figure 2021522355
が交差して描かれた結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
のポリ(プロピレンカーボネート)部分を指す。
一部の実施形態では、1つの遊離ヒドロキシル基とPPC鎖への1つのカーボネート結合とを有する1,2−プロパンジオール部分を含む遊離鎖末端は、以下の式:
Figure 2021522355
[式中、RおよびRは、どの場合も、それぞれ、Hまたはメチルから独立して選択され、ここで、RおよびRは同じではない]
のアルキレンカーボネート部分を指す。
一部の実施形態では、ポリ(プロピレンカーボネート)鎖中に位置選択的に鎖形成された内部繰り返し基のパーセンテージは、約70〜90%または約75〜85%である。一部の実施形態では、ポリ(プロピレンカーボネート)鎖中に位置選択的に鎖形成された内部繰り返し基のパーセンテージは、約90〜99.9%または約93〜98%である。
一部の実施形態では、遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約5%よりも大きい、約7%よりも大きい、約10%よりも大きい、または約15%よりも大きい。一部の実施形態では、遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約10%よりも大きい、約15%よりも大きい、約20%よりも大きい、約25%よりも大きい、約30%よりも大きい、約35%よりも大きい、約40%よりも大きい、約45%よりも大きい、または約50%よりも大きい。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、45〜55%である。一部の実施形態では、遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約55%よりも大きい、約60%よりも大きい、約65%よりも大きい、約70%よりも大きい、約75%よりも大きい、約80%よりも大きい、約85%よりも大きい、約90%よりも大きい、または約95%よりも大きい。ある特定の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、15〜25%、20〜30%、25〜35%、30〜40%、35〜45%、40〜50%、45〜55%、50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、70〜80%、75〜85%、80〜90%、85〜95%、90〜99%、または99%よりも大きい。
一部の実施形態では、遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約35%である。一部の実施形態では、遊離鎖末端中の第一級OH末端基のモルパーセントは、約45%〜約55%である。
環式アルキレンカーボネート
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)組成物は、環式アルキレンカーボネート(例えば、環式プロピレンカーボネート(「cPC」))副生成物を含む。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、約10重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、または約2重量パーセント未満の環式アルキレンカーボネートを含有する。一部の実施形態では、提供されるポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物は、約10モルパーセント未満、約5モルパーセント未満、または約2モルパーセント未満の環式アルキレンカーボネート(例えば、cPC)を含有する。
一部の実施形態では、提供される本開示の方法は、環式アルキレンカーボネート(例えば、環式プロピレンカーボネート)分子を除去するステップを含む。一部の実施形態では、異性化の間(例えば、加熱するステップの間)、環式アルキレンカーボネートを連続的に除去する。一部の実施形態では、異性化(例えば、加熱するステップ)の間の環式アルキレンカーボネートの除去を、減圧によって促進する。一部の実施形態では、環式アルキレンカーボネート(例えば、環式プロピレンカーボネート)の除去を、ガス流によって促進する。ガス流は、好ましくは高温で、反応混合物上に、および/または反応混合物を通るガスのストリームを流して、揮発物を除去するプロセスを指す。
連鎖移動剤
本開示のポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、ポリマー分子の一部として埋め込まれた多官能性開始剤(すなわち、連鎖移動剤)を含むことができる。連鎖移動剤は、2つまたはそれよりも多くの重合を開始させることができる部位を有する分子であり、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー生成物に組み込まれる。
したがって、一部の実施形態では、連鎖移動剤は、多価連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、二価(すなわち、ポリマー鎖の成長を開始させることができる2つの官能基を含有する)連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、三価連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、四価連鎖移動剤である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、多価アルコールである。一部の実施形態では、多価アルコールは、ジオール、トリオール、テトラオール、およびより高級なポリオールから選択される。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、ポリマー、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、またはポリオレフィンである。
酸化アルキレン
一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、二酸化炭素と、1つのCH部分を有する(すなわち、少なくとも1個の炭素原子は非置換である)少なくとも1種の酸化アルキレンとの共重合から調製されるポリマーである。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸化アルキレンは、式:
Figure 2021522355
[式中、Rは、必要に応じて置換されている、C〜C32アルキル、C1〜32アルケニル、C1〜32アルキル−R、C1〜32アルケニル−R、C〜C18アリール、5〜18個の原子のヘテロアリール、C〜C18シクロアルキル、または3〜18個の原子のヘテロシクロアルキルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1〜32アルキル、−OC(O)C1〜32アルキル、−C(O)OC1〜32アルキル、−OC1〜32アルケニル、−OC(O)C1〜32アルケニル、または−C(O)OC1〜32アルケニルである]
の一置換化合物である。一部の実施形態では、Rは、C〜C28アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C20アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C16アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C12アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜C10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、Cアルキルである。一部の実施形態では、酸化アルキレンは、酸化プロピレン、1,2−ブテンオキシド(1,2−エポキシブタン)、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、1,2−ペンテンオキシド(1,2−エポキシペンタン)、ジイソブチレンオキシド、1,2−ヘキセンオキシド、1,2−ヘプテンオキシド、酸化スチレン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリル2,3−エポキシプロピルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジル、1,2−エポキシデカン、エポキシ化オレイン酸、およびエポキシ化オレイン酸メチルから選択される。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(ペンチレンカーボネート)、およびポリ(1−ヘキセンカーボネート)から選択される。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、二酸化炭素と、2種またはそれよりも多くの酸化アルキレンとの共重合から調製されるポリマーであり、少なくとも1種の酸化アルキレンは、CH部分を有する。一部の実施形態では、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーは、2種またはそれよりも多くの酸化アルキレン(例えば、酸化プロピレンおよび酸化シクロヘキセン)から調製されるコポリマーである。
一部の実施形態では、本発明は、イソシアネートのような求電子試薬に対する反応性が上昇したポリ(プロピレンカーボネート)ポリオール組成物を包含する。ある特定の実施形態では、このような高反応性ポリ(プロピレンカーボネート)(HRPPC)ポリオール組成物は、鎖末端が異性化して、第一級−OH末端基含有率が上昇していることを特徴とする。ある特定の実施形態では、このようなHRPPCポリオール組成物は、20モルパーセントよりも大きい第一級−OH末端基を有することを特徴とする。ある特定の実施形態では、このようなHRPPCポリオール組成物は、25モルパーセントよりも大きい、30モルパーセントよりも大きい、35モルパーセントよりも大きい、または40モルパーセントよりも大きい第一級−OH末端基を有することを特徴とする。ある特定の実施形態では、このようなHRPPCポリオール組成物は、酸化プロピレンとCOとの共重合から誘導された、共重合の完了時点で15%未満の−OH末端基を有するポリ(プロピレンカーボネート)ポリオール組成物の異性化の生成物である。
他のポリマー特性
一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の数平均分子量(Mn)は、約500〜約30,000g/molの間である。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物のMnは、約1,000〜約20,000g/molの間である。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物のMnは、約500〜約5,000g/molの間である。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物のMnは、約1,000〜約3,000g/molの間である。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物のMnは、約1,000〜約2,000g/molの間である。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物のMnは、約10,000〜約20,000g/molの間である。出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーのMn(標準化分子量)および/またはMw(加重分子量)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を含めた、当業者に公知の方法に従って測定される。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の分子量(例えば、MnまたはMw)は、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、およびポリスチレンから選択される標準を使用したGPCによって測定される。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の分子量(例えば、MnまたはMw)は、ポリスチレン標準を使用したGPCによって測定される。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の分子量(例えば、MnまたはMw)は、ポリ(エチレングリコール)標準を使用したGPCによって測定される。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の分子量(例えば、MnまたはMw)は、ポリアクリル酸標準を使用したGPCによって測定される。一部の実施形態では、出発および/または改質ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の分子量(例えば、MnまたはMw)は、ポリメチルメタクリレート標準を使用したGPCによって測定される。
当業者は、本明細書で報告するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物のいずれかをどのように特徴付けるか、理解するであろう。特徴付けの例示的な方法としては、ASTM D4273-99. Standard Test Methods for Polyurethane Raw Materials: Determination of Primary Hydroxyl Content of Polyether Polyolsに報告されているように、H NMR、13C NMR、GPC、および19F NMRが挙げられる。一部の実施形態では、第一級および第二級のOH末端基のモルパーセントは、H NMRによって決定される。
一部の実施形態では、鎖形成したカーボネートモノマー基の頭−尾比は、NMRによって決定される。一部の実施形態では、鎖形成したカーボネートモノマー基の頭−尾比は、13C NMR分光法によって決定される。ポリ(アルキレンカーボネート)の頭−尾比を決定するため、および特定のエポキシドCO共重合触媒の位置選択性を確かめるための好適な方法は、当技術分野において公知である。例えば、J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 11030-11039;Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 3574-3577;Macromolecules 2002, 35, 6494-6504;Macromolecules 2013, 46, 3693-3697;およびJ. Appl. Polym. Sci. 2014, 41141に記載されている方法が好適である。関連して公開されている補足情報(あるとすれば)とともに、これらの参考文献は、それらの全体がこれにより本明細書に組み込まれる。
当技術分野において周知の方法を使用して、本明細書に報告するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー組成物の数平均分子量(Mn)を決定することが可能である。Mnを決定する例示的な方法としては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、およびH NMRスペクトルの積分(例えば、鎖内のモノマー単位、および存在する場合、任意の埋め込みCTAに関連付けた共鳴に対する、鎖末端のモノマー単位に関連付けたH NMR共鳴の大きさの定量的比較によって)が挙げられる。
さらに、H NMR、赤外分光法、またはガスクロマトグラフィーのような方法を使用して、異性化反応の間に発生した環式アルキレンカーボネートの量を決定することが可能である。そのため、一部の実施形態では、環式アルキレンカーボネートのモルおよび/または重量パーセントは、H NMRによって決定される。そのため、一部の実施形態では、環式アルキレンカーボネートのモルおよび/または重量パーセントは、赤外分光法によって決定される。そのため、一部の実施形態では、環式アルキレンカーボネートのモルおよび/または重量パーセントは、ガスクロマトグラフィーによって決定される。
高級ポリマー
一部の実施形態では、本発明は、上に記載した改質ポリオール組成物の多官能性反応物との反応から誘導された、高級ポリマーを包含する。ある特定の実施形態では、このような多官能性反応物は、ポリイソシアネート、メラミン、およびフェノール−ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、このような高級ポリマーは、多官能性反応物の、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリエーテルカーボネートポリオールからなる群から選択される1種または複数の追加のポリオールと組み合わせた、上に記載した改質ポリオール組成物を含むポリオールの混合物との反応から誘導される。
ある特定の実施形態では、本発明は、上に記載した改質ポリオール組成物のポリイソシアネートとの反応から誘導された、ポリウレタン組成物を包含する。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタン組成物は、ポリイソシアネートの、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリエーテルカーボネートポリオールからなる群から選択される1種または複数の追加のポリオールと組み合わせた、上に記載した改質ポリオール組成物を含むポリオールの混合物との反応から誘導される。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、軟質フォーム組成物を含む。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、硬質フォーム組成物を含む。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、接着剤組成物を含む。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、コーティング組成物を含む。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、軟質エラストマー組成物を含む。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、軟質シーラント組成物を含む。ある特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、熱可塑性ポリウレタン組成物を含む。ある特定の実施形態では、本発明は、上のポリウレタン組成物のうちの1つまたは複数を含む製造物を含む。
機構の洞察
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの調製の位置選択性
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの末端基の位置化学(例えば、第一級ヒドロキシル基対第二級ヒドロキシル基)は一般に、重合の方法(例えば、重合触媒の種類)によって決定される。置換エポキシド(例えば、酸化プロピレン)とCOとの共重合の間、エポキシドは、2つの異なる位置で開環することができ、ポリマー鎖に組み込まれた際に、様々な開環エポキシドの位置異性体をもたらす。例えば、酸化プロピレンは、成長ポリカーボネート鎖によって攻撃され得る2個の炭素原子:「頭」炭素原子と「尾」炭素原子とを有する。
Figure 2021522355
共重合反応の間、成長ポリカーボネート鎖の末端COは、尾炭素または頭炭素のいずれかにおいて、エポキシド環を開環することができる(スキーム1)。
Figure 2021522355
これからわかるように、共重合反応のクエンチの際、「尾」で開環した酸化プロピレン単位で終わる任意のポリマー鎖末端は、末端酸素をプロトン化した際、第二級ヒドロキシル末端基を生じる。
ポリカーボネートが成長を続ける場合、ポリ(プロピレンカーボネート)単位の任意の所与の二つ組の間で、4つの位置選択性の組合せ:頭−頭(二つ組中、一方のエポキシドの頭が他方の頭に面する)、頭−尾(二つ組中、一方のエポキシドの頭が他方の尾に面する)、尾−頭(二つ組中、一方のエポキシドの尾が他方の頭に面する)、および尾−尾(二つ組中、一方のエポキシドの尾が他方の尾に面する)が可能である(スキーム2)。
Figure 2021522355
所与のポリカーボネートポリマー鎖中で最後のエポキシドが鎖形成するとき、COが尾炭素(立体的に妨害が小さい部位である)においてエポキシドを開環する場合、頭炭素が終端にあり、ポリカーボネートの末端基として第二級ヒドロキシル基をもたらす。COが頭部位(立体的に妨害が大きい部位である)において開環する場合、尾基が末端となり、第一級ヒドロキシル基をもたらす。理論によって束縛されることを望むものではないが、ある特定のエポキシド−CO共重合系では、立体的な妨害が小さく、立体的に好ましい尾部位においてエポキシドが開環することによって、重合反応は高度な頭−尾位置選択性となる傾向があると推定される。このような位置選択性は、主に第二級ヒドロキシル末端基を有するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーをもたらし得る。
重合が頭−尾様式で進行する可能性が高いほど、末端基が第二級ヒドロキシル末端基となる可能性が高くなる。一般に、これらのポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを調製するために用いる触媒によって、ポリマー分子内に相当量の頭−尾鎖形成を有するポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーが生成する。このような配向(例えば、頭−尾)の規則性は、「位置規則性」と呼ばれる(段落[0052]も参照)。
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの再配列
理論に束縛されることを望むものではないが、ポリマー組成物の温度を上昇させることによって、ヘミオルトカーボネート中間体を経由して、第二級ヒドロキシル末端基の第一級ヒドロキシル末端基への再配列が促進されることが提案されている。例えば、スキーム3に図示する通り。
Figure 2021522355
示されているように、スキーム3の下行の左から出発し、第二級ヒドロキシル基は、カーボネートのカルボニル基をバックバイトして、ブラケット内の四面体中間体をもたらす場合がある(経路a)。一部の例では、不安定なヘミオルトカーボネートが切断されて、その結果、環式プロピレンカーボネートがポリマーから分離する(経路b)。一部の例では、四面体中間体が経路c’を経由して開環し、第一級ヒドロキシル終端ポリマーをもたらす。しかしながら、このプロセス全体は逆に起こり得、第一級ヒドロキシル基がカーボネートのカルボニル基をバックバイトし、四面体中間体を形成し(経路c)、次いで経路a’を経由して再開環して、第二級ヒドロキシル末端ポリマーを生じ得る。これらのポリマーにおける第一級および第二級のヒドロキシル末端基の散発的な再配列は、ポリカーボネートポリマー組成物中の第一級ヒドロキシル末端基と第二級ヒドロキシル末端基との相対量を理解および/または管理することが重要であり得るポリウレタンの分野において、これらについての問題を提示する。そのため、上に記載した異性化による、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級および第二級の末端ヒドロキシル基の相互変換の第1の開示された認識として、本発明は、ポリカーボネートおよびポリウレタンの分野において以前は未知であった問題の根源の認識を包含する。
本開示の方法および組成物は、予測された頭−尾鎖形成のパーセンテージを有するが、予測された末端基の位置化学を有さない、すなわち、ポリ(アルキレンカーボネート)末端基が高いパーセンテージの第二級ヒドロキシル基を有すると予想される場合、本明細書に記載する組成物は、予想外に高い割合の第一級ヒドロキシル基を有する、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの調製を可能にする。提供される方法によって実現する末端基が、共重合反応の一部として使用した酸化アルキレンから誘導され、重合後に結合した追加の基(酸化アルキレンから誘導されたものを含む)ではないことに留意することは適切である。このような区別は、ポリマー骨格を含むモノマーの共重合の後に、追加の部分を鎖末端に加えることによって、第一級ヒドロキシル基を提供するためのものを含めた末端基の改質が実行される、以前の開示と比較した場合に適切である。
さらに、一部の実施形態では、このような第一級OH末端基を推進および/または安定化する薬剤の追加によって、第一級OH末端基の形成を推進および/または安定化することが可能であり得ることが企図される。一部の実施形態では、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーを含む反応混合物に、安定剤を加えることができる。一部の実施形態では、安定剤は、本明細書に開示するOH末端基の再配列を推進する条件下で、第二級ヒドロキシル末端基よりも第一級ヒドロキシル末端基の形成に有利に働き、またはこれを安定化する。一部の実施形態では、第一級OH末端基の形成を推進する薬剤を、本明細書に記載する方法のさらなる成分として、出発ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーに加えることができる。一部の実施形態では、第一級OH末端基の形成を推進する薬剤は、触媒的な様式で作用する。
例示的実施形態
実施形態1 ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発PPCポリマー組成物を加熱して、改質PPCポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質PPCポリマー組成物が、前記出発PPCポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法。
実施形態2 前記出発PPCポリマー組成物が、共重合触媒を実質的に含まず、前記加熱するステップが、約100℃〜約180℃の範囲の温度で、前記出発PPCポリマー組成物を処理することを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3 共重合触媒の存在下、酸化プロピレンとCOとを共重合させて、未クエンチ共重合触媒と前記出発PPCポリマー組成物とを含む反応混合物を形成するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態4 前記反応混合物に、前記共重合反応を終了させ、クエンチされた共重合触媒と前記出発PPCポリマー組成物とを含む反応混合物を提供するのに好適なクエンチ剤を加えるステップをさらに含む、実施形態3に記載の方法。
実施形態5 前記反応混合物から前記COを抜くことを含む、実施形態3または4に記載の方法。
実施形態6 クエンチされた共重合触媒と出発PPCポリマー組成物とを含む前記反応混合物を、約50℃〜約120℃の範囲の温度で処理することを含む、実施形態4または5に記載の方法。
実施形態7 未クエンチ共重合触媒と出発PPCポリマー組成物とを含む前記反応混合物が加熱される、実施形態3に記載の方法。
実施形態8 前記反応混合物から前記COを抜くことを含む、実施形態7に記載の方法。
実施形態9 未クエンチ共重合触媒と出発PPCポリマー組成物とを含む前記反応混合物を、約50℃〜約85℃の範囲の温度に加熱することを含む、実施形態7または8に記載の方法。
実施形態10 前記加熱するステップの後、前記共重合反応を終了させるのに好適なクエンチ剤が、前記反応混合物に加えられる、実施形態7から9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11 第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比が、所望のレベルに、かつ/または所望の量だけ上昇した後、前記クエンチ剤が前記反応混合物に加えられる、実施形態10に記載の方法。
実施形態12 前記加熱するステップの間に形成される環式プロピレンカーボネートの量が、前記出発PPCポリマーに対して、約10重量パーセント未満、約9重量パーセント未満、約8重量パーセント未満、約7重量パーセント未満、約6重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約4重量パーセント未満、約3重量パーセント未満、約2重量パーセント未満、または約1重量パーセント未満である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13 前記加熱するステップが、連続流フォーマットにおいて実行される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14 前記出発PPC組成物を供給リザーバーから出すこと、前記PPCを、加熱ゾーンを通して流すこと、および前記改質PPC組成物を生成物リザーバーに蓄積することをさらに含む、実施形態13に記載の方法。
実施形態15 環式プロピレンカーボネート(「cPC」)を除去するステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16 前記加熱するステップの間、前記cPCが連続的に除去される、実施形態15に記載の方法。
実施形態17 前記加熱するステップの間の前記cPCの前記除去が、減圧によって促進される、実施形態16に記載の方法。
実施形態18 前記加熱するステップの間の前記cPCの前記除去が、ガス流によって促進される、実施形態16に記載の方法。
実施形態19 前記出発PPCポリマー組成物が、約500〜約30,000g/molのMnを有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも51%大きい、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比が、前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比よりも、少なくとも50%大きい、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比が、前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比よりも、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%大きい、実施形態21に記載の方法。
実施形態23 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、約35%大きい、実施形態20に記載の方法。
実施形態24 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも45%大きい、実施形態20に記載の方法。
実施形態25 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%大きい、実施形態20に記載の方法。
実施形態26 前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、15%未満、10%未満、8%未満、5%未満、または3%未満、または2%未満である、実施形態20に記載の方法。
実施形態27 第一級および第二級のOH末端基のモルパーセントが、H NMRによって決定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28 前記cPCのモルパーセントが、H NMRによって決定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態29 複数のポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物であって、前記ポリ(プロピレンカーボネート)鎖が、カーボネート結合によって隔てられたイソプロピレン部分を含み、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖内の分子内イソプロピレン部分についての位置規則性の程度が、少なくとも1つの鎖終端についての位置規則性よりも高いことを特徴とする、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物。
実施形態30 複数のポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物であって、前記ポリ(プロピレンカーボネート)鎖が、各カーボネート結合を隔てるイソプロピレン部分を含有し、あるパーセンテージのポリマー内隣接イソプロピレン部分が、頭−尾鎖形成で配列され、第二級OH末端基のパーセンテージが、頭−尾鎖形成で配列されたポリマー内カーボネート単位のパーセンテージ未満であることを特徴とする、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物。
実施形態31 カーボネート結合によって隔てられた前記プロピレン部分が、頭−尾鎖形成で配列され、
Figure 2021522355
[式中、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
によって表される、実施形態29または30に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態32 第一級OH末端基を有する鎖終端が、
Figure 2021522355
[式中、
Figure 2021522355
記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
によって表される、実施形態29または30に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態33 前記組成物中の平均において、各ポリマー鎖が少なくとも1つの第一級OH末端基を含む、実施形態32に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態34 前記PPCポリマーがポリオールである、実施形態29から33のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態35 前記PPCポリマーが、ジオール、トリオール、およびテトラオールから選択される、実施形態34に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態36 前記PPCポリマーが、埋め込まれた連鎖移動剤を含む、実施形態29から35のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態37 前記連鎖移動剤が多価連鎖移動剤である、実施形態36に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態38 前記連鎖移動剤が二価連鎖移動剤である、実施形態37に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態39 前記連鎖移動剤が三価連鎖移動剤である、実施形態37に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態40 前記連鎖移動剤が四価連鎖移動剤である、実施形態37に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態41 前記ポリマー鎖中のプロピレン基の前記頭−尾鎖形成が、約70〜90%、または約75〜85%である、実施形態29から40のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態42 前記ポリマー鎖中のプロピレン基の前記頭−尾鎖形成が、約90〜99.9%、または約93〜98%である、実施形態29から41のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態43 第一級OH末端基のモルパーセントが、約5%よりも大きい、約7%よりも大きい、約10%よりも大きい、または約15%よりも大きい、実施形態29から42のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態44 第一級OH末端基のモルパーセントが、約10%よりも大きい、約15%よりも大きい、約20%よりも大きい、約25%よりも大きい、約30%よりも大きい、約35%よりも大きい、約40%よりも大きい、約45%よりも大きい、または約50%よりも大きい、実施形態29から43のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態45 第一級OH末端基のモルパーセントが約35%である、実施形態44に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態46 第一級OH末端基のモルパーセントが45〜55%である、実施形態44に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態47 第一級OH末端基のモルパーセントが、約70%よりも大きい、約75%よりも大きい、約80%よりも大きい、約85%よりも大きい、約90%よりも大きい、または約95%よりも大きい、実施形態44に記載のPPCポリマー組成物。
実施形態48 第一級OH末端基の過半数が、酸化プロピレンとCOとの共重合の間に酸化プロピレンから誘導されたプロピレン単位上に位置する、実施形態29から47のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態49 前記ポリマー組成物が、約10モルパーセント未満、約5モルパーセント未満、または約2モルパーセント未満の環式プロピレンカーボネートを含有する、実施形態29から48のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態50 前記PPCポリマー組成物が単離される、実施形態29から49のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態51 前記PPCポリマー組成物が精製される、実施形態29から50のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態52 少なくとも100mg、少なくとも1g、または少なくとも1kgのPPCポリマーを含む、実施形態29から51のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態53 前記PPCポリマー組成物が、約500〜約30,000g/molのMnを有する、実施形態29から52のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態54 前記PPCポリマー組成物が第一級OH末端基のモルパーセントおよび環式プロピレンカーボネートのモルパーセントが、H NMRによって決定される、実施形態29から53のいずれか1つに記載のPPCポリマー組成物。
実施形態55 ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発PPCポリマー組成物を異性化触媒と接触させて、改質PPCポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質PPCポリマー組成物が、前記出発PPCポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法。
実施形態56 前記異性化触媒が、ルイスもしくはブレンステッド酸、またはルイスもしくはブレンステッド塩基である、実施形態55に記載の方法。
実施形態57 前記異性化触媒が、ルイスまたはブレンステッド酸である、実施形態56に記載の方法。
実施形態58 前記異性化触媒が、遷移金属ルイス酸、主要族ルイス酸、アルカリルイス酸、またはアルカリ性ルイス酸である、実施形態57に記載の方法。
実施形態59 前記異性化触媒が、ハロゲン化水素、ハイドロジェンホスフェート、酸化アルミニウム、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルボラン、アリールボラン、酸性アンモニウム(ammonium acid)、スルホン酸、またはゼオライトである、実施形態57に記載の方法。
実施形態60 前記異性化触媒が、塩化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、亜鉛トリフレート、酸化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、フッ化アルミニウム、アルミニウムトリフレート、塩化スズ、酸化スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、二塩化二酸化モリブデン、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化シリカ、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化コバルト(II)、塩化チタン、臭化銅、銅トリフレート、塩化リチウム、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素、ホウ酸、トリフェニルボラン、トリフルオロボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、フルオロアンチモン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフリン酸無水物、五フッ化アンチモン、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、セシウムトリフレート、酢酸クロム、酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、4−ニトロフェニルスルホン酸、スルホ酢酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸(vylene sulfonic acid)、3−アミノ−1−1−プロパンスルホン酸、2−(メチルアミノ)エタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−スルファニルエタンスルホン酸、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、3−ピリジンスルホン酸、2−ピリジンスルホン酸、4−ピペリジンスルホン酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、1−メチルピリジニウム3−スルホネート、1−メチル−2−ピリジニウムスルホネート、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、4−メチルメタニル酸、4−アミノ−3−メチルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、スルファミン酸、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸;リン酸、ピロリン酸、トリリン酸のアルキル誘導体;リン酸、ピロリン酸のアリール誘導体、グルタル酸亜鉛、(ベータ−ジイミネート)酢酸亜鉛、ペルフルオロスルホン酸ポリマー、またはこれらの任意の組合せから選択される、実施形態58または59に記載の方法。
実施形態61 前記異性化触媒がホウ素含有ルイス酸である、実施形態58に記載の方法。
実施形態62 前記異性化触媒が、ホウ酸、ボロン酸エステル、アルキルボラン、およびアリールボランからなる群から選択される、実施形態61に記載の方法。
実施形態63 前記異性化触媒がホウ酸である、実施形態62に記載の方法。
実施形態64 前記異性化触媒が、ルイスまたはブレンステッド塩基である、実施形態56に記載の方法。
実施形態65 前記異性化触媒が、アルカリカルボキシレート(alkali carboxylate)、アルカリ性カルボキシレート(alkaline carboxylate)、アルキルアミン、芳香族アミン、ホスフィン、ホスファゼン、アルキルチオレート、アリールチオレート、アルカリホスフェート(alkali phosphate)、アルカリ性ホスフェート(alkaline phosphate)、遷移金属水酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ性カーボネート(alkaline carbonate)、アルカリ性バイカーボネート(alkaline bicarbonate)、アルカリカーボネート(alkali carbonate)、アルカリバイカーボネート(alkali bicarbonate)、または酸化ホスフィンである、実施形態64に記載の方法。
実施形態66 前記異性化触媒が、酢酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、アンモニア、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリメチルアミン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−フェネチルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、ピリジン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド、カリウムチオフェノレート、ナトリウムチオフェノレート、リン酸三ナトリウム、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化スズ、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、ジメチル銅、リン酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、MoOCl、またはこれらの任意の組合せである、実施形態65に記載の方法。
実施形態67 前記異性化触媒がステアリン酸カルシウムである、実施形態66に記載の方法。
実施形態68 前記異性化触媒を、約1分〜約120時間の間、前記出発PPCポリマーと接触させる、実施形態55から67のいずれか1つに記載の方法。
実施形態69 前記異性化触媒が、固体担体を含むか、または固体担体に結合している、実施形態55から68のいずれか1つに記載の方法。
実施形態70 前記固体担体が、無機固体担体またはポリマー性固体担体である、実施形態69に記載の方法。
実施形態71 前記無機固体担体が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、金属酸化物、およびクレイから選択される、実施形態70に記載の方法。
実施形態72 前記ポリマー性固体担体が、スチレン、クロロメチル化されたスチレンおよびジビニルベンゼン、ポリスチレン、ポリスルホン、ナイロン、ポリ(クロロメチルスチレン)、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、架橋エトキシレートアクリレート樹脂ポリマー、またはこれらのいずれかの組合せである、実施形態71に記載の方法。
実施形態73 前記異性化触媒が、アンバーリスト−15、ポリ(4−ビニルピリジン)、モンモリロナイトK−10、モンモリロナイトKSF、ゼオライト、アルミナ、シリカ、固体担持スルホン酸、ナフィオン−H、SiO上のHBF、またはSiO上のHClOである、実施形態69に記載の方法。
実施形態74 前記出発PPCポリマー組成物を、2種の異なる異性化触媒と接触させる、実施形態55から73のいずれか1つに記載の方法。
実施形態75 前記異性化触媒が、ホウ酸およびステアリン酸カルシウムである、実施形態74に記載の方法。
実施形態76 前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを加熱するステップをさらに含む、実施形態55から75のいずれか1つに記載の方法。
実施形態77 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約50℃〜約140℃の範囲の温度で加熱することを含む、実施形態76に記載の方法。
実施形態78 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約80℃〜約130℃の範囲の温度で処理することを含む、実施形態77に記載の方法。
実施形態79 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃〜約120℃の範囲の温度で処理することを含む、実施形態78に記載の方法。
実施形態80 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃〜約100℃の範囲の温度で処理することを含む、実施形態79に記載の方法。
実施形態81 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃の温度で処理することを含む、実施形態80に記載の方法。
実施形態82 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約120℃の温度で処理することを含む、実施形態79に記載の方法。
実施形態83 前記異性化触媒がステアリン酸カルシウムであり、前記出発PPCポリマーとホウ酸とが約90℃の温度に加熱される、実施形態81に記載の方法。
実施形態84 前記異性化触媒がホウ酸であり、前記出発PPCポリマーとホウ酸とが約120℃の温度に加熱される、実施形態82に記載の方法。
実施形態85 前記出発PPCポリマー組成物が、共重合触媒を実質的に含まない、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態86 前記異性化触媒対出発PPCポリマー組成物の質量比が、1:10未満、1:20未満、1:50未満、1:100未満、1:200未満、1:500未満、1:1000未満、または1:5000未満である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態87 前記加熱するステップの間に形成される環式プロピレンカーボネートの量が、前記出発PPCポリマーに対して、約10重量パーセント未満、約9重量パーセント未満、約8重量パーセント未満、約7重量パーセント未満、約6重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約4重量パーセント未満、約3重量パーセント未満、約2重量パーセント未満、または約1重量パーセント未満である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態88 前記出発PPCポリマー組成物が、約500〜約30,000g/molのMnを有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態89 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも51%大きい、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態90 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比が、前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比よりも、少なくとも50%大きい、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態91 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比が、前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比よりも、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%大きい、実施形態90に記載の方法。
実施形態92 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、約35%大きい、実施形態89に記載の方法。
実施形態93 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも45%大きい、実施形態89に記載の方法。
実施形態94 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%大きい、実施形態89に記載の方法。
実施形態95 前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、15%未満、10%未満、8%未満、5%未満、または3%未満、または2%未満である、実施形態89に記載の方法。
実施形態96 前記改質PPCポリマーが、ポリエーテル末端キャップを含まない、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態97 第一級および第二級のOH末端基のモルパーセントが、H NMRによって決定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施形態98 前記cPCのモルパーセントが、H NMRによって決定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
試料の特徴付け
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの試料における第一級ヒドロキシル基対第二級ヒドロキシル基の変化についての背景を提供するため、第一級および第二級のヒドロキシル末端基の両方の混合物を含むポリ(アルキレンカーボネート)ポリマーの試料を、公知のNMR法を使用して特徴付けた。例えば、試料1(第一級および第二級のヒドロキシル末端基を有するポリマーの混合物を含むポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー)を、CDCN中のH COSY NMRスペクトル(図8参照)、CDCN中のHSQC NMRスペクトル(図9参照)、およびCDCN中の13C NMRスペクトル(図10参照)によって特徴付けた。関係する官能基を、点線または実線の囲みによって、スペクトルのそれぞれのピークにマッピングしてある。試料2(第一級および第二級のヒドロキシル末端基を有するポリマーの混合物を含むポリ(プロピレンカーボネート))を、CDCN中のH NMRによって特徴付けし、第一級および第二級末端PPCを図示した(図11参照)。
(実施例1)
クエンチおよび濾過されたポリ(プロピレンカーボネート)の末端基異性化における温度の効果
ポリ(アルキレンカーボネート)ポリマー中の第一級対第二級のヒドロキシル末端基の存在に、熱がどのような影響を与えるかを試験するため、ポリ(プロピレンカーボネート)の2つのバッチ(試料1および試料3)を、対流オーブン中で120℃に保持し、数日の期間にわたってサンプリングした。図2に示すように、第一級ヒドロキシル末端基のモル%は、経時的に上昇することが見出された。
加熱が、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマーを分解し、環式プロピレンカーボネート(cPC)を発生させ得ることが観察された。図2をさらによく見ると、cPCおよび第一級ヒドロキシル末端基の両方における、非直線的な上昇が明らかである。しかしながら、cPC濃度は経時的に上昇し続ける一方、第一級ヒドロキシル末端基の含有率は、120℃において約3日後、23〜29%で横ばいになった。
熱が末端基の異性化を推進することを決定した後、1°OH含有率を上昇させるための処理温度(例えば、80〜100℃)を調査した。この目的のため、重合触媒をクエンチし、濾過したポリ(プロピレンカーボネート)ポリマーの試料を、90℃に保持し、24時間の過程にわたってサンプリングした(図3)。この実験によって、ポリオールの分子量、プロピレンカーボネート含有率、および第一級ヒドロキシル末端基比が著しくは変化しない(例えば、出発値の+/−5%よりも大きく変化をしない)ことが明らかとなり、それによって、重合触媒をクエンチし、濾過したポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物は、典型的な処理条件下(約90℃において24時間未満)では、異性化する見込みがないことが確認された。
(実施例2)
未クエンチおよび未濾過のポリ(プロピレンカーボネート)の末端基異性化に対する温度の効果
この実施例では、共重合反応から未クエンチ触媒を加熱中に存在させることの、末端基異性化(すなわち、OH末端基再配列)に対する効果を研究した。
様々な温度および短期間の加熱
約1,000g/molの分子量を有するポリ(プロピレンカーボネート)への95%超の変換をもたらすメタロサレネート触媒を使用したCOと酸化プロピレンとの共重合によって、ポリ(プロピレンカーボネート)の3種の試料を調製した。各試料を、異なる温度(60℃、70℃、および80℃)において、5時間保持した。結果を図4a〜cに報告する。図4aからわかるように、60℃における加熱は、5時間にわたって、第一級ヒドロキシル基のモル量の穏やかな上昇をもたらした。第一級ヒドロキシル基のより大きな上昇は、70℃(約10%上昇、図4b参照)および80℃(約20%上昇、図4c参照)に保持した試料に見られる。cPC形成の存在は、各試料において確認された。
上昇した温度および長期間の加熱
メタロサレネート触媒の存在下、COと酸化プロピレンとの共重合によって、ポリ(プロピレンカーボネート)を高変換(95%超)に調製した。次いで、CO圧力下、反応容器を65℃に加熱し、24時間にわたって定期的にサンプリングした。結果は図5に見出される。65℃における未クエンチアリコートの分析は、図2からの結果(クエンチされたもの、120℃)に類似していたが、未クエンチ触媒の存在によって、低温における異性化は大きく加速した。65℃において4時間後、異性化が開始し、最大約10時間、速度を速めながら継続した。その後、第一級OH濃度は、出発ポリ(プロピレンカーボネート)に見出される初期の8%と比較して、18〜20mol%前後で横ばいになり始めた。この範囲内(図5における影のついた帯域)では、cPCは1mol%から6mol%に穏やかに上昇したにすぎなかった。より長い時間(10時間よりも長く)またはより高い温度(90℃)で異性化を行った場合、環形成が支配的な反応経路であり、第一級OH含有率の増加は最小であった(図示せず)。
(実施例3)
クエンチされた、未濾過のまたは濾過されたポリ(プロピレンカーボネート)の末端基異性化に対する温度の効果
クエンチされた触媒残留物の効果を調査するため、高変換までPPC重合を行い、次いで、4当量のHPO(触媒に対して)でクエンチした。クエンチ前およびクエンチ後に試料を取り出し、減圧下で揮発物を取り除き、次いで、60℃または90℃に保持して、安定性および異性化の速度を評価した(図6)。90℃に保持したクエンチされた試料において、5時間以内に、第一級OH含有率は17%(8%から)に上昇し、cPCは5%(1%から)に上昇した。90℃で24時間までには、この試料は実質的に解重合した(30%を超えるcPCの存在によって立証される(データは示していない))。60℃に保持した試料は同様の挙動であったが、異性化および解重合は著しく遅く、24時間後、1°OHは12%、cPCは4%であった(図7参照)。
しかしながら、クエンチされた試料をセライト(Micro−cel(商標) C)で処理し、濾過した後、90℃で24時間加熱した場合、第一級ヒドロキシル基の第二級ヒドロキシル基に対する比に事実上の変化はなかった。
要約すれば、温度、時間、および触媒残留物は、PPCポリオールの末端基異性化を制御する基礎をなす3つの要素である。表1に、実施例1〜3に記載した実験をまとめる。
Figure 2021522355
(実施例4)
異性化触媒の識別
PPCポリマー組成物に対するある特定の触媒の効果を決定するため、ある特定の異性化触媒のスクリーニングを実行した。20mLのガラスバイアル中、1gの出発PPCポリマー組成物(2573g/molのMn(GPCにより測定);1.06のD(GPCにより測定);3.0ppmの残留Co;OH基の平均数=61、cPC(出発重量%)=2%、1°OH(mol%)=8%を有する)を50mgの触媒(5重量%)と合わせ、90℃に加熱した。10分後、バイアルを取り出し、触媒が十分に混合するまで、スパチュラで手動で撹拌した。次いで、反応混合物を指示された時間、目標温度90℃または120℃に加熱した。スクリーニングの結果を、図12に報告する。第一級OH基の量(mol%)は、90℃または120℃に加熱した場合、すべての触媒について上昇することが見出された。触媒を有さず、出発PPCポリマーを90℃に加熱する対照反応を行った。第一級OH末端基の量は、目に見えては変化しなかった。
出発PPCポリマー組成物のホウ酸との反応を、H NMRによって分析した(図13参照)。NMRスペクトルは、第一級OH末端基の8%から約49%への上昇を示している。
図14Aは、改質PPCポリマー組成物に出発PPCポリマー組成物を重ねたH NMRスペクトルである。スペクトルは、第二級OH基のピークサイズが同じとなるように規格化している。これは、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比が、改質PPCポリマーにおいて上昇していることを示す。
図14Bは、改質PPCポリマー組成物に出発PPCポリマー組成物を重ねたH NMRスペクトルである。スペクトルは、PPC部分のピークサイズについて規格化している。これは、第二級OH末端基の数が減少し、第一級OH末端基の数が上昇していることを示す。
他の実施形態
上記は、本発明のある特定の非限定実施形態の記載である。したがって、本明細書に記載する本発明の実施形態は、本発明の原理の応用の説明にすぎないことを理解されたい。本明細書において、説明した実施形態の詳細への言及は、本発明に本質的であると考えられる特色をそれ自体が列挙する、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。

Claims (50)

  1. ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発PPCポリマー組成物を加熱して、改質PPCポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質PPCポリマー組成物が、前記出発PPCポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法。
  2. 前記出発PPCポリマー組成物が、共重合触媒を実質的に含まず、前記加熱するステップが、約100℃〜約180℃の範囲の温度で、前記出発PPCポリマー組成物を処理することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 共重合触媒の存在下、酸化プロピレンとCOとを共重合させて、未クエンチ共重合触媒と前記出発PPCポリマー組成物とを含む反応混合物を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記反応混合物に、前記共重合反応を終了させ、クエンチされた共重合触媒と前記出発PPCポリマー組成物とを含む反応混合物を提供するのに好適なクエンチ剤を加えるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. クエンチされた共重合触媒と出発PPCポリマー組成物とを含む前記反応混合物を、約50℃〜約120℃の範囲の温度で処理することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 未クエンチ共重合触媒と出発PPCポリマー組成物とを含む前記反応混合物が加熱される、請求項3に記載の方法。
  7. 未クエンチ共重合触媒と出発PPCポリマー組成物とを含む前記反応混合物を、約50℃〜約85℃の範囲の温度に加熱することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記加熱するステップの後、前記共重合反応を終了させるのに好適なクエンチ剤が、前記反応混合物に加えられる、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記加熱するステップの間に形成される環式プロピレンカーボネートの量が、前記出発PPCポリマーに対して、約10重量パーセント未満、約9重量パーセント未満、約8重量パーセント未満、約7重量パーセント未満、約6重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約4重量パーセント未満、約3重量パーセント未満、約2重量パーセント未満、または約1重量パーセント未満である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記出発PPCポリマー組成物が、約500〜約30,000g/molのMnを有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基のモルパーセントが、前記出発PPCポリマー中の第一級OH末端基のモルパーセントよりも、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%大きい、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記改質PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比が、前記出発PPCポリマー組成物中の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比よりも、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%大きい、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 複数のポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物であって、前記ポリ(プロピレンカーボネート)鎖が、カーボネート結合によって隔てられたイソプロピレン部分を含み、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖内の分子内イソプロピレン部分についての位置規則性の程度が、少なくとも1つの鎖終端についての位置規則性よりも高いことを特徴とする、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物。
  14. 複数のポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー鎖を含むポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物であって、前記ポリ(プロピレンカーボネート)鎖が、各カーボネート結合を隔てるイソプロピレン部分を含有し、あるパーセンテージのポリマー内隣接イソプロピレン部分が、頭−尾鎖形成で配列され、第二級OH末端基のパーセンテージが、頭−尾鎖形成で配列されたポリマー内カーボネート単位のパーセンテージ未満であることを特徴とする、ポリ(プロピレンカーボネート)ポリマー組成物。
  15. カーボネート結合によって隔てられた前記プロピレン部分が、頭−尾鎖形成で配列され、
    Figure 2021522355
    [式中、
    Figure 2021522355
    記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
    によって表される、請求項13または14に記載のPPCポリマー組成物。
  16. 第一級OH末端基を有する鎖終端が、
    Figure 2021522355
    [式中、
    Figure 2021522355
    記号が交差している結合は、隣接カーボネート単位への結合点を表す]
    によって表される、請求項13または14に記載のPPCポリマー組成物。
  17. 前記PPCポリマーがポリオールである、請求項13から16のいずれか一項に記載のPPCポリマー組成物。
  18. 前記PPCポリマーが、ジオール、トリオール、およびテトラオールから選択される、請求項17に記載のPPCポリマー組成物。
  19. 前記PPCポリマーが、埋め込まれた連鎖移動剤を含む、請求項13から18に記載のPPCポリマー組成物。
  20. 前記ポリマー鎖中のプロピレン基の前記頭−尾鎖形成が、約70〜90%、約75〜85%、約90〜99.9%、または約93〜98%である、請求項13から19のいずれか一項に記載のPPCポリマー組成物。
  21. 第一級OH末端基の過半数が、酸化プロピレンとCOとの共重合の間に酸化プロピレンから誘導されたプロピレン単位上に位置する、請求項13から20のいずれか一項に記載のPPCポリマー組成物。
  22. 前記PPCポリマー組成物が、約10モルパーセント未満、約5モルパーセント未満、または約2モルパーセント未満の環式プロピレンカーボネートを含有する、請求項13から21のいずれか一項に記載のPPCポリマー組成物。
  23. ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)ポリマー組成物の第一級OH末端基の、第二級OH末端基に対する比を上昇させるための方法であって、前記方法が、出発PPCポリマー組成物を異性化触媒と接触させて、改質PPCポリマー組成物を提供するステップを含み、前記改質PPCポリマー組成物が、前記出発PPCポリマー組成物よりも高い、第一級OH末端基の第二級OH末端基に対する比を有する、方法。
  24. 前記異性化触媒が、ルイスもしくはブレンステッド酸、またはルイスもしくはブレンステッド塩基である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記異性化触媒が、ルイスまたはブレンステッド酸である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記異性化触媒が、遷移金属ルイス酸、主要族ルイス酸、アルカリルイス酸、またはアルカリ性ルイス酸である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記異性化触媒が、ハロゲン化水素、ハイドロジェンホスフェート、酸化アルミニウム、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルボラン、アリールボラン、酸性アンモニウム、スルホン酸、またはゼオライトである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記異性化触媒が、塩化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、亜鉛トリフレート、酸化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、フッ化アルミニウム、アルミニウムトリフレート、塩化スズ、酸化スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、二塩化二酸化モリブデン、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化シリカ、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化コバルト(II)、塩化チタン、臭化銅、銅トリフレート、塩化リチウム、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素、ホウ酸、トリフェニルボラン、トリフルオロボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、フルオロアンチモン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフリン酸無水物、五フッ化アンチモン、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、セシウムトリフレート、酢酸クロム、酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、4−ニトロフェニルスルホン酸、スルホ酢酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、3−アミノ−1−1−プロパンスルホン酸、2−(メチルアミノ)エタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−スルファニルエタンスルホン酸、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、3−ピリジンスルホン酸、2−ピリジンスルホン酸、4−ピペリジンスルホン酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、1−メチルピリジニウム3−スルホネート、1−メチル−2−ピリジニウムスルホネート、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、4−メチルメタニル酸、4−アミノ−3−メチルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、スルファミン酸、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸;リン酸、ピロリン酸、トリリン酸のアルキル誘導体;リン酸、ピロリン酸のアリール誘導体、グルタル酸亜鉛、(ベータ−ジイミネート)酢酸亜鉛、ペルフルオロスルホン酸ポリマー、またはこれらの任意の組合せから選択される、請求項26または27に記載の方法。
  29. 前記異性化触媒がホウ素含有ルイス酸である、請求項26に記載の方法。
  30. 前記異性化触媒が、ホウ酸、ボロン酸エステル、アルキルボラン、およびアリールボランからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記異性化触媒がホウ酸である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記異性化触媒が、ルイスまたはブレンステッド塩基である、請求項24に記載の方法。
  33. 前記異性化触媒が、アルカリカルボキシレート、アルカリ性カルボキシレート、アルキルアミン、芳香族アミン、ホスフィン、ホスファゼン、アルキルチオレート、アリールチオレート、アルカリホスフェート、アルカリ性ホスフェート、遷移金属水酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ性カーボネート、アルカリ性バイカーボネート、アルカリカーボネート、アルカリバイカーボネート、または酸化ホスフィンである、請求項32に記載の方法。
  34. 前記異性化触媒が、酢酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、アンモニア、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリメチルアミン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−フェネチルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、ピリジン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド、カリウムチオフェノレート、ナトリウムチオフェノレート、リン酸三ナトリウム、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化スズ、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、ジメチル銅、リン酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、MoOCl、またはこれらの任意の組合せである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記異性化触媒がステアリン酸カルシウムである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記異性化触媒を、約1分〜約120時間の間、前記出発PPCポリマーと接触させる、請求項23から35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記異性化触媒が、固体担体を含むか、または固体担体に結合している、請求項23から36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記固体担体が、無機固体担体またはポリマー性固体担体である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記無機固体担体が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、金属酸化物、およびクレイから選択される、請求項38に記載の方法。
  40. 前記ポリマー性固体担体が、スチレン、クロロメチル化されたスチレンおよびジビニルベンゼン、ポリスチレン、ポリスルホン、ナイロン、ポリ(クロロメチルスチレン)、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、架橋エトキシレートアクリレート樹脂ポリマー、またはこれらのいずれかの組合せである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記異性化触媒が、アンバーリスト−15、ポリ(4−ビニルピリジン)、モンモリロナイトK−10、モンモリロナイトKSF、ゼオライト、アルミナ、シリカ、固体担持スルホン酸、ナフィオン−H、SiO上のHBF、またはSiO上のHClOである、請求項37に記載の方法。
  42. 前記出発PPCポリマー組成物を、2種の異なる異性化触媒と接触させる、請求項23から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記異性化触媒が、ホウ酸およびステアリン酸カルシウムである、請求項42に記載の方法。
  44. 前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを加熱するステップをさらに含む、請求項23から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約50℃〜約140℃の範囲の温度で加熱することを含む、請求項23から44に記載の方法。
  46. 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約80℃〜約130℃の範囲の温度で処理することを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記加熱するステップが、前記出発PPCポリマー組成物と異性化触媒とを、約90℃〜約120℃の範囲の温度で処理することを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記異性化触媒がステアリン酸カルシウムであり、前記出発PPCポリマーとホウ酸とが約90℃の温度に加熱される、請求項47に記載の方法。
  49. 前記異性化触媒がホウ酸であり、前記出発PPCポリマーとホウ酸とが約120℃の温度に加熱される、請求項47に記載の方法。
  50. 前記加熱するステップの間に形成される環式プロピレンカーボネートの量が、前記出発PPCポリマーに対して、約10重量パーセント未満、約9重量パーセント未満、約8重量パーセント未満、約7重量パーセント未満、約6重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約4重量パーセント未満、約3重量パーセント未満、約2重量パーセント未満、または約1重量パーセント未満である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
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