JP2021502190A - 時計やジュエリのための外付け部品 - Google Patents

Abstract

時計やジュエリのための外付け部品であって、この外付け部品は、ピエゾクロミック分子が分散されたポリマー・マトリックスによって生み出され、ピエゾクロミック分子は、第１の安定状態から第２の安定状態に変化し、一方、印加される圧力の影響下で色を変化させる。

Description

本発明は、時計やジュエリのための外付け部品に関する。本発明は、特に、それに限定されないが、ユーザの手足に留められるように意図されたブレスレットに関する。このブレスレットは、それ自体でユーザの手足に取り付けることができ、或いは、時計ケースなどの携帯型対象物をユーザの手足に取り付けるために使用することができる。

非常に多くのブレスレットが商業的に入手可能である。これは、装飾品としてそれら自体で使用されるブレスレット、即ち、時計ケースなどの携帯型対象物に留められるブレスレットを含むことがあり、そういった携帯型対象物が、例えば、ユーザの手首に取り付けられるのを可能にする。

これらのブレスレットは、堅いか又は伸展可能である。非限定的に、これらのブレスレットは、革、エラストマー、布地で、或いは、鋼やセラミックからでも、作られる場合がある。これらのブレスレットは、互いにヒンジ結合された複数のリンクによって形成される場合があり、或いは、メッシュ、又は、例えば、布地で作られたストラップを用いて作られる場合がある。これらのブレスレットを閉じるために使用されるシステムは、やはり非常に多様である。例証の目的だけのために、タング及びバックル留め具、或いは、展開式バックル型留め具について言及する場合がある。

それらの機械的構造とそれらを形成する材料は、多種多様であり、ブレスレットは、やはりそれらを装飾する色及び装飾パターンにおいて互いに異なる。それにもかかわらず、これらのブレスレットの外観は、工場を出た後では変更することができず、従って、例えば、所与の時計モデルを身につけている全ての購入者は、同じブレスレットを所有する。

この欠点を克服するために、特に、時計学の分野では、ひとまとめの交換可能なブレスレットを伴う特定の時計モデルのマーケティングが、既に提案されている。こうして、気分に応じて、ユーザは、ブレスレットを別のものと交換することができる。この解決策は、ユーザが自分の腕時計をある程度カスタマイズするのを可能にする利点を有する。それにもかかわらず、例えば、自分の時計のブレスレットをカスタマイズするときにユーザが利用できる自由度は、それに供給される交換用ブレスレットに限定されたままである。

本発明の目的は、時計やジュエリのための外付け部品を提案することによって、前述の問題やその他を克服することであり、外付け部品は、特に、ブレスレットに限定されないが、それ自体が装飾品として、或いは、時計ケースなどの携帯型対象物をユーザの手足に取り付けるために使用することができ、優れた品質であり、しかも、そのユーザがブレスレットを随意にカスタマイズするのを可能にする。特に、本発明は、購入者に、任意の想像できるやり方でユーザがカスタマイズできる外付け部品を提供することを目的とする。

この目的のために、本発明は、時計やジュエリのための外付け部品に関し、この外付け部品は、ピエゾクロミック分子が分散されたポリマー・マトリックスを用いて作られ、ピエゾクロミック分子は、第１の安定状態から第２の安定状態に変化し、一方、印加される圧力の影響下で色を変化させる。

これらの特徴のおかげで、本発明は、時計やジュエリのための外付け部品、特に、排他的ではないが、装飾品として又は、携帯型対象物、例えば、腕時計をユーザの手首に取り付けるために使用されるブレスレットを提供し、この外付け部品は、機械的圧力がそれに印加されるときに、色を変化させることができる。ブレスレットの外観は、こうして、製造中やユーザによって変更及びカスタマイズされる場合がある。

本発明の１つの実施形態によれば、ピエゾクロミック分子は、５０Ｎ．ｍ^-2（即ち、約５ｋｇ．ｃｍ^-2）以上の印加される圧力の影響下で状態を変化させるように合成される。こうして、小さい衝撃は、この閾値より下の圧力に対応する日常生活の中で発生しており、ピエゾクロミック分子が色を変化させるのを引き起こさないであろう。しかしながら、この閾値は、ユーザにとって、複雑な工具を使用する必要性なしに、ピエゾクロミック分子がその第１の状態からその第２の状態に変化させるのを引き起こすのに十分に低い。

本発明の別の実施形態によれば、ピエゾクロミック分子は、所望の色変化効果に応じて、２重量％から２０重量％の範囲に存在する割合でマトリックス内に分散される。

本発明の別の実施形態によれば、ピエゾクロミック分子は、スピン遷移効果ナノ材料又はナノメートル材料である。他のピエゾクロミック材料と比較して、ピエゾクロミックナノ材料は、（約数バールの）低圧下で体積収縮及び電子遷移現象を経験し、これは色の変化を容易にする。

１つの有利なケースでは、ピエゾクロミック分子は、不可逆的な色の変化が生み出される圧力誘導スピン遷移効果ナノ材料である。

別の有利なケースでは、ピエゾクロミック分子は、ヒステリシスによって逆にされ得る、色の変化が生み出される圧力誘導スピン遷移効果ナノ材料である。

可逆的な色の変化を受けるピエゾクロミック分子のケースでは、それらは、熱を印加することによって、それらの初期状態に戻る場合がある。

本発明の更に別の実施形態によれば、マトリックスは、有機又は無機ポリマー樹脂によって形成される。

１つの有利なケースでは、マトリックスは、エラストマー樹脂によって形成され、その硬度は、ショアＡ硬度５０からショアＤ硬度９０の範囲に存在する。

別の有利なケースでは、マトリックスは、熱可塑性エラストマー樹脂によって形成される。

別の有利なケースでは、熱可塑性エラストマー樹脂は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性コポリエステル、及び、熱可塑性コポリアミドから構成される群から選択される。

１つの有利なケースでは、マトリックスは、フッ素化エチレンプロピレン（ＦＥＰ）ゴム及びシリコーン、アクリルニトリルブタジエンポリマーゴム（ＮＢＲ）、水素化ニトリルゴム（ＨＮＢＲ）及びフルオロカーボン（ＦＫＭ）ゴムから構成される群から選択される加硫可能なエラストマーによって形成される。

本発明の１つの実施形態によれば、ポリマー・マトリックスは、少なくとも１つの着色添加剤と事前混合されて、マトリックスの初期色がピエゾクロミック効果によって生成された色と組み合わされるのを可能にする。

１つの有利なケースでは、着色添加剤は、半透明、蛍光及び／又はリン光染料並びにメタリック又はパール効果顔料から構成される群から選択される。

本発明の他の特徴及び利点は、本発明に係る外付け部品の一例の次の詳細な説明を解釈するとき、よりよく理解され、この例は、例証の目的だけのために提供され、添付の図面を参照して与えられる本発明の範囲を限定することを意図されていない。

機械的圧力の影響下で、第１の色を有する第１の安定状態から、第２の色を有する第２の安定状態に、不可逆的に変化するピエゾクロミック分子の挙動を示す図である。 機械的圧力の影響下で、第１の色を有する第１の安定状態から、第２の色を有する第２の安定状態に、可逆的に変化し、また、熱を印加することによってその初期の安定状態に戻ることのできる、ピエゾクロミック分子のヒステリシス挙動を示す図である。 スタイラスを用いて機械的圧力を印加することによる外付け部品のカスタマイズを示す図である。 形状化パンチを用いて機械的圧力を印加することによる本発明に係る外付け部品のカスタマイズを示す図である。

本発明は、ピエゾクロミック分子が分散されたポリマー・マトリックスを用いて、時計やジュエリのための、特に、ブレスレットに限定されないが、外付け部品を生産することから構成される一般的な発明力のある着想から引き出され、ピエゾクロミック分子は、機械的圧力の印加下で色を変化させることが可能である。ブレスレットの外観は、こうして製造中に或いは指又はツール、例えば、スタイラス形式を用いて押圧することによって、ユーザにより変更することができる。より具体的には、ピエゾクロミック分子の圧力感度は、この感度が日常の使用から発生し得るわずかな衝撃で外付け部品の外観が変化するのを防止するのに十分高く、しかしながら、外観のそういった変化を誘導するために印加されなければならない力がユーザのそれらと適合するように十分に低くなるように、その合成中に調整することができる。使用されるピエゾクロミック分子のタイプに応じて、色の変化は、不可逆的である場合があり、或いは、ヒステリシスを示す場合があり、例えば、熱を印加することによって、その初期状態に戻すことを可能にする。ユーザは、こうして本発明に従って随意に外付け部品を変更及びカスタマイズし、こうして独特の外観を備えた外付け部品をもつことができる。このカスタマイズは、ユーザによって、又は製造業者によって提案されたパターンによって自由に適用され得る、指、スタイラス若しくは他の凸状対象物を用いて、又は、製造業者によって供給されたパンチまでも用いて、行われ得る。ユーザにとって、外付け部品のカスタマイズ時に利用できる自由度は、こうして完結する。ユーザは、装飾、ロゴ、商標を、又は、署名ですら、外付け部品に適用する場合があり、それらは、スタイラスを用いて、或いは、外付け部品の製造業者によってそこに供給され得る形状化パンチを用いて、転写される場合がある。本発明は、単一のタイプの外付け部品又は限定数の異なったタイプの外付け部品だけを生産する場合のある製造業者や、ユーザに最終的な装飾の完成を任せる場合のある製造業者にとって、やはり興味あるものである。

ピエゾクロミック分子又は化合物は、好ましくは、例えば、国際特許出願ＷＯ２００７／０６５９９６Ａ１に開示されたものなどのスピン遷移効果ナノ材料である。これらのピエゾクロミック化合物は、機械的圧力がそれに印加されたときに色を変える能力を有する。この色の変化は、一般に緩和状態から圧縮状態に変化するピエゾクロミック分子の空間配置の変化によって解説される。使用されるピエゾクロミック顔料は、緑（λ＝５２８ｎｍ）からオレンジ／赤（λ＝５９０ｎｍ）に色を変えることが知られている９，１０−ビス（（Ｅ）−２−（ピリド−２−イル（ビニル（アントラセン））（ＢＰ２ＶＡ）をベースに、又は、赤（λ＝６００ｎｍ）から黒（λ＝７５０ｎｍ）に色を変えることが知られている１１−（３’−オキソジヒドロベンゾチオフェン−２’−イリデン）シクロペンタ［１，２−ｂ：４、３−ｂ’］ジベンゾチオフェンをベースにすることもできる。

図１Ａ〜図１Ｃは、時計やジュエリのための外付け部品２、特に、排他的ではないがブレスレットを形成するポリマー・マトリックスに埋め込まれたピエゾクロミック分子１の機械的圧力の印加下での挙動を示す。図１Ａでは、ピエゾクロミック分子１は、その初期の弛緩した安定状態にある。図１Ｂでは、機械的圧力は、外付け部品２に及ぼされ、外付け部品２は圧縮され、ピエゾクロミック分子１の対応する圧縮を引き起こす。図１Ｃでは、外付け部品２への機械的圧力は、解放され、外付け部品２は、その初期の形状を回復する。しかしながら、ピエゾクロミック分子１は、緩和されて第１の色を有するその第１の安定状態から、圧縮されて第２の色を有する第２の安定状態に、不可逆的に変化した。

図２Ａ〜図２Ｃは、ピエゾクロミック分子４のヒステリシス挙動を示しており、それは機械的圧力の印加下で（図２Ｂ）、緩和されて第１の色を有する第１の安定状態（図２Ａ）から、圧縮されて第２の色を有する第２の安定状態（図２Ｃ）に、可逆的に変化する。図２Ｃの参照番号６は、熱の印加下で、ピエゾクロミック分子４がその初期の緩和状態に復帰することを示す。

図３は、スタイラス８などのツールを用いて機械的圧力を印加することによる外付け部品２のカスタマイズを示す。スタイラス８を用いて外付け部品２を局所的に押し下げることによって、マトリックスとこのマトリックスに埋め込まれたピエゾクロミック分子とは、圧縮される。この圧縮の影響下で、ピエゾクロミック分子は、可逆的又は不可逆的に、その初期の弛緩した安定状態から、その最終の圧縮状態に変化し、一方、色を変化させる。こうして、幾つかの場所で外付け部品の色を変化させることによって可能であるのは、この外付け部品に対して、任意の他のユーザのそれに対応しないであろう独特の装飾を作り出すことである。

代替的に、図４は、外付け部品２の製造業者によって供給され得る基本パターン１２を支持する形状化パンチ１０を用いた本発明に係る外付け部品２のカスタマイズを示す。形状化パンチ１０の基本パターン１２が外付け部品２で再現されるであろう回数と、これらの基本パターンが互いに対して配置されるであろうやり方と、に応じて、オリジナルの装飾は、任意の他のユーザのそれに対応しないものが作り出される場合がある。

言うまでもないが、本発明は、上で説明された実施形態に限定されず、しかも、様々の単純な代替及び変更は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって考慮される場合がある。特に、本発明が、ジュエリ装飾品として着用されるか又は携帯型対象物、特に、時計ケースをユーザの手首に留めるために使用されるブレスレットに関して説明されてきたが、本発明は、特に、ベゼル若しくは時計ケースの中間部分、リング、留め具又は他の要素などの時計やジュエリのための任意の他のタイプの外付け部品に関することが理解される。

１ ピエゾクロミック分子
２ 外付け部品
４ ピエゾクロミック分子
６ 熱の印加
８ スタイラス
１０ 形状化パンチ
１２ 基本パターン

Claims (14)

1. 時計やジュエリのための外付け部品（２）であって、ピエゾクロミック分子（１、４）が分散されたポリマー・マトリックスを含み、前記ピエゾクロミック分子は、第１の安定状態から第２の安定状態に変化し、一方、印加される圧力の影響下で色を変化させる、外付け部品。
2. 前記ピエゾクロミック分子は、前記外付け部品への５０Ｎ．ｃｍ^-2以上の印加される圧力の影響下で状態を変化させることを特徴とする、請求項１に記載の外付け部品。
3. 前記ピエゾクロミック分子は、所望の色変化効果に応じて、２重量％から２０重量％の範囲に存在する割合で前記マトリックス内に分散されることを特徴とする、請求項１又は２に記載の外付け部品。
4. 前記ピエゾクロミック分子は、スピン遷移効果ナノ材料であることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の外付け部品。
5. 前記ピエゾクロミック分子は、圧力の影響下で不可逆的に色を変化させるように配置されるスピン遷移効果ナノ材料であることを特徴とする、請求項４に記載の外付け部品。
6. 前記ピエゾクロミック分子は、ヒステリシスによって逆にされ得るように圧力の影響下で色を変化させるように配置されるスピン遷移ナノ材料であることを特徴とする、請求項４に記載の外付け部品。
7. 前記ピエゾクロミック分子は、熱を印加することによって、その前記第１の初期の安定状態に復帰することを特徴とする、請求項６に記載の外付け部品。
8. 前記マトリックスは、有機又は無機ポリマー樹脂によって形成されることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の外付け部品。
9. 前記マトリックスは、エラストマー樹脂によって形成され、その硬度は、ショアＡ硬度５０からショアＤ硬度９０の範囲に存在することを特徴とする、請求項８に記載の外付け部品。
10. 前記マトリックスは、熱可塑性エラストマー樹脂によって形成されることを特徴とする、請求項８又は９に記載の外付け部品。
11. 前記熱可塑性エラストマー樹脂は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性コポリエステル、及び、熱可塑性コポリアミドから構成される群から選択されることを特徴とする、請求項１０に記載の外付け部品。
12. 前記マトリックスは、フッ素化エチレンプロピレンゴム及びシリコーン、アクリルニトリルブタジエンポリマーゴム、水素化ニトリルゴム及びフルオロカーボンゴムから構成される群から選択される加硫可能なエラストマーによって形成されることを特徴とする、請求項８又は９に記載の外付け部品。
13. 前記ポリマー・マトリックスは、少なくとも１つの着色添加剤と事前混合されて、前記マトリックスの前記初期色が前記ピエゾクロミック効果によって生成された前記色と組み合わされるのを可能にすることを特徴とする、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の外付け部品。
14. 前記着色添加剤は、半透明、蛍光及び／又はリン光染料並びにメタリック又はパール効果顔料から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項１３に記載の外付け部品。

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