JP2021195755A - 膜天井用シート及び該膜天井用シートを用いた膜天井 - Google Patents
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Abstract
【課題】斜め方向の伸び率に優れた、膜天井用シート及び膜天井用シートを用いた膜天井を提供する。【解決手段】ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含む膜天井用シート1であって、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が1質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下である、膜天井用シート。【選択図】図3
Description
本発明は、膜天井用シート及び該膜天井用シートを用いた膜天井に関する。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、体育館等の大規模空間を有する建築物の天井が脱落する被害が生じ、人命が失われた施設もあった。そして、地震時における天井脱落による被害を防止すべく、平成25年7月に建築基準法施行令の一部改正ならびに同年8月「天井脱落対策に係る一連の技術基準告示(平成25年国土交通省告示第771号他)」が公布(平成26年4月1日から施行)されている。これにより「特定天井」に該当する場合には、これらの技術基準に従って脱落防止対策を行うことが義務づけられた。これらに伴い、近年、不燃性に優れ、比較的軽いガラス繊維織物を用いた膜天井が注目されている。
膜天井に好適な膜天井用シートとして、JIS A1405−2(2007年)の吸音率試験における、250Hz、500Hz、1000Hz及び2000Hzの4音域の垂直入射吸音率の算術平均が0.5以上、且つJIS L1096(2010年)A法(フラジール形法)の通気性が0.01cm3/cm2・s以上、25cm3/cm2・s以下のガラス繊維基材であって、前記ガラス繊維基材の質量が250g/m2以上、且つ前記ガラス繊維基材の表面に輻射電気ヒ−タ−を用い50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験(ASTM−E1354)において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下である不燃吸音シートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。該膜天井用シートによれば、建築物の天井用内装材であって、特に膜天井に用いた場合、地震等で落下しにくく、かつ万が一にも落下した場合であっても安全である軽量性を備え、かつ吸音性に優れ、さらには不燃性能に優れるガラス繊維基材不燃吸音シートを提供されるとともに、当該ガラス繊維基材不燃吸音シートを用いた膜天井及び膜壁などの内装材が提供されるとされている。
また、無機マルチフィラメントヤーンを経糸及び緯糸とする織物を基材布帛として、この基材布帛の片側に樹脂被覆難燃層を設け、この樹脂被覆難燃層を表面側とする光拡散透過性積層体であって、この光拡散透過性積層体裏面に露出する前記基材布帛の完全組織が、経糸による緯糸の浮き跨ぎ本数、3本、4本、及び5本、の何かとするルーズ構造を有している建築構造用不燃膜材が知られている(例えば、特許文献2参照。)。該不燃膜材によれば、ISO5660Part1に規定の燃焼特性に適合し、さらに可撓性及び適度な光の拡散性を有し、特に長尺の膜材料の縫製工程や施工の取り扱い時に、膜材料を折り曲げたり、不慮に折れ曲がったとしても、膜材料の外観及び光透過外観において白化痕筋の発現が効果的に抑止されるように極めて取り扱い性に優れたものであるので、長尺の建築構造用不燃膜材として、間仕切り、防煙垂壁、光壁膜、光天井膜などの建築材料用途に広く用いることができるとされている。
"膜天井事例集"、[online]、一般社団法人日本膜構造協会、[平成28年9月29日検索]、インターネット<URL:http://www.makukouzou.or.jp/blog/wp/wp−content/uploads/2015/12/maku_tenjyo_004.pdf>
ところで、膜天井の工法として、ポイント定着タイプと呼ばれる工法が知られている。ポイント定着タイプとは、膜材料とするシートの外周をポイントで固定し、生地にテンションをかける工法である。一方、2辺定着タイプと呼ばれる工法も知られている。2辺定着タイプとは、シートの両辺のみを定着し、膜を一方向に懸垂する工法である(例えば、非特許文献1参照。)。
そして、本発明者等は、膜天井とする際、シートを、2辺定着タイプのように一方向に湾曲させて設置するのではなく、複数方向に湾曲させて設置させることを企図した。しかしながら、本発明者等は、例えば、特許文献1及び2に開示されている膜天井用シートを複数方向に湾曲させて膜天井として設置した場合、シートに折目がつくシワが発生しやすくなるという問題があることを知得した。
ここで、上記特許文献1には、ガラス繊維織物の織組織が平織又は斜子織組織であって、該織組織における経糸と緯糸との交点が、樹脂で固定されており、当該固定する樹脂の割合について、樹脂加工されたガラス織物の全質量に対するガラス織物の質量比が40〜99質量%、特に55〜98質量%が好ましいことが開示されている。そして、本発明者等が、上記問題について検討したところ、特許文献1の膜天井用シートは、上記したように、平織又は斜子織組織で、かつ、交点を固定する樹脂の質量割合が40質量%以上とするものであることから、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができず、膜天井とする際に湾曲させて設置することで膜天井用シートに部分的にかかる張力を吸収できず、折目がつくシワが発生しやすくなることを知得した。
また、上記特許文献2に開示されている不燃膜材は、樹脂被覆難燃層の付着量(強熱減量に相当)が基材布帛の質量に対して25〜150質量%、特に50〜100質量%であることが開示されている。そして、本発明者等が検討したところ、上記付着量とすると、樹脂被覆難燃層がガラス織物の経糸と緯糸によって形成される空隙が当該樹脂被覆難燃層により埋まり、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができず、膜天井とする際に湾曲させて設置することで膜天井用シートに部分的にかかる張力を吸収できず、折目がつくシワが発生しやすくなることを知得した。
ここで、本発明者等は、上記張力を吸収させるには、膜天井用シートの、斜め方向の伸び率を高めることが必要であることを知得した。
そこで、本発明は、上記問題を解決し、斜め方向の伸び率に優れた、膜天井用シート及び当該膜天井用シートを用いた膜天井の提供を主な課題とする。
上記課題を解決すべく本発明者等が検討を重ねたところ、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含み、ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒とすることにより、上記問題を解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含む膜天井用シートであって、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下である、膜天井用シート。
項2. 前記ガラス繊維織物の経糸方向及び緯糸方向における膜天井用シートの剛軟度が80〜120mmである、項1に記載の膜天井用シート。
項3.項1又は2に記載の膜天井用シートを含む膜天井。
項1.ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含む膜天井用シートであって、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下である、膜天井用シート。
項2. 前記ガラス繊維織物の経糸方向及び緯糸方向における膜天井用シートの剛軟度が80〜120mmである、項1に記載の膜天井用シート。
項3.項1又は2に記載の膜天井用シートを含む膜天井。
本発明の膜天井用シートによれば、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含み、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下であることから、斜め方向の伸び率に優れたものとすることができる。従って、本発明の膜天井用シートを膜天井とすれば、膜天井用シートを複数方向に湾曲させて設置する場合に、当該膜天井用シートの折目がつくシワの発生を低減することができる。
本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含み、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下である。以下、本発明の膜天井用シートについて説明する。
<ガラス繊維織物>
本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物を含み、ガラス繊維織物の織組織が綾織(斜文織)又は朱子織である。これにより、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができ、斜め方向の伸び率に優れたものとすることができる。
本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物を含み、ガラス繊維織物の織組織が綾織(斜文織)又は朱子織である。これにより、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができ、斜め方向の伸び率に優れたものとすることができる。
本発明において、綾織(斜文織)とは、少なくとも3本の緯糸から成る完全組織を持ち、斜文線を形成する織組織のことを指す。綾織組織としては、例えば、2/1綾織物、2/2綾織物、3/1綾織(3/1斜文(四枚綾))、3/1破れ斜文(四枚綾)、3/2斜文(五枚綾)、4/1斜文(五枚綾)、5/1斜文(六枚綾)、4/2斜文(六枚綾)、1・3/1・1斜文(六枚綾)、二重織り等が挙げられる。
本発明において、朱子織とは、少なくとも5本の経糸と緯糸を含む完全組織で、一完全中で経糸は1回だけ緯糸と交錯し、緯糸の飛び数が1以上である織組織を指す。例えば、一完全中、経糸本数が5〜12本、緯糸本数が5〜12本であり、飛び数が2〜11であるものが挙げられる。朱子織組織の具体例としては、2飛び4/1朱子(五枚朱子)、3飛び4/1朱子(五枚朱子)、2飛び3/2朱子(五枚朱子)、3飛び3/2朱子(五枚朱子)等が挙げられる。
中でも、膜天井用シートの斜め方向の伸び率をより一層優れたものとする観点から、3/1破れ斜文織、3/1綾織がより好ましい。
本発明の膜天井用シートに含まれるガラス繊維織物は、織密度について、斜め方向の伸び率に優れたものとすることと不燃性に優れることとをより両立させる観点から、20〜75本/25mmが好ましく、40〜60本/25mmがより好ましい。中でも、ガラス繊維織物の織組織が綾織の場合は、同様の観点から、経糸密度が40〜60本/25mm、緯糸密度が25〜60本/25mmであることが好ましい。また、ガラス繊維織物の織組織が朱子織の場合、同様の観点から、経糸密度が40〜60本/25mm、緯糸密度が40〜50本/25mmであることが好ましい。
ガラス繊維を構成するガラス材料としては、特に制限されず、公知のガラス材料を用いることができる。ガラス材料として、具体的には、無アルカリガラス(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス(Sガラス、Tガラス等)、耐アルカリ性ガラス(ARガラス)、等が挙げられる。
ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の形態としては特に限定されず、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント等の長繊維、または紡績糸等の短繊維が挙げられる。中でも、糸の断面形状をより丸くして経糸と緯糸とが交点において互いに一層動くことができるようにするという観点から、長繊維である単繊維が複数本撚り合わされたヤーンとすることが好ましい。さらに、上記ヤーンは、断面形状をより丸くして経糸と緯糸とが交点において互いにより一層動くことができるようにしつつ、膜天井用シートにより一層優れた柔軟性を与えてシワの発生をより抑制しやすくするという観点から、複数のヤーンが該ヤーンの撚り方向とは反対方向に撚り合わされてなる合撚糸とすることが好ましく、2〜4本のヤーン(単糸)が該ヤーンの撚り方向とは反対方向に撚り合わされてなる合撚糸とすることがより好ましい。上記合撚糸とする場合の撚り数(上撚り数)としては、2〜5回/25mmが好ましく、3.0〜4.5回/25mmがより好ましく挙げられる。また、ガラス繊維の形態として、ガラスヤーンがエアージェット等で嵩高に加工されてなるバルキー加工糸とすることもでき、具体的には、ガラス繊維S方向又はZ方向に撚られた単糸であるガラスヤーンが2〜4本該ガラスヤーンとは反対方向に撚り合わされた合撚糸がエアージェット等で嵩高に加工されてなるバルキー加工糸とすることが挙げられる。また、上記バルキー加工糸とガラスヤーンとを撚り合わせたガラス糸、好ましくはバルキー加工糸と上記合撚糸とを撚り合わせたガラス糸を含むことができる。
ヤーン(単糸)における単繊維の本数は、特に制限されないが、30〜800本が好ましい。中でも、150〜300本の単繊維からなるヤーン(単糸)が複数本撚り合わされた合撚糸とすることが好ましい。ヤーンにおける単繊維の直径は、例えば3.0〜12.0μmが挙げられ、5.0〜10.0μmが好ましく挙げられる。ヤーンの番手としては、例えば、10〜1000texが挙げられ、30〜50texが好ましく挙げられる。中でも、合撚糸とする場合の、該合撚糸の番手としては、例えば、30〜300texが挙げられ、30〜160texが好ましく挙げられ、50〜100texがより好ましく挙げられる。
<ガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉>
本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉を含む。
本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉を含む。
上記樹脂の種類としては、特に制限されない。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられ、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種類でもよく、複数組み合わせてもよい。本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部が樹脂によって被覆されることにより、樹脂を含まないものと比して、耐候性(例えば、室内照明下に長時間晒されることによる変色や防黴性等)を向上させることもできる。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニルの単独重合体であるポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルと他のモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマール酸、イタコン酸、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、高級ビニルエーテル等との共重合樹脂が挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン等のポリエチレン;ランダム重合ポリプロピレン、ブロック重合ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレン;エチレン−酢酸ビニル、エチレン−アクリル酸、エチレン−アクリル酸エステル、エチレン−メタクリル酸、エチレン−メタクリル酸エステル等のエチレン系共重合体等のオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、適宜公知の二官能性ポリオールと、適宜公知のジイソシアネートとを主成分として反応させて得られる分子構造中にウレタン基を有する樹脂が挙げられる
アクリル系樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等の化合物の単独重合体又は前記化合物の共重合体、更には、前記化合物と、前記化合物と共重合可能な他の単量との共重合体等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及び、これらに、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、(水素化)ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレングリコール(1,2−PG)からなる群より選ばれる1種以上の成分が共重合された共重合ポリエステル等が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、少なくとも1種の含フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体(単独重合体又は共重合体)であり、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体が挙げられる。
シリコン系樹脂としては、アルキル基、アルケニル基、アリル基、水素を1〜3個結合したクロロシランまたはアルコキシシランを単独ないし、複数種を無溶剤または有機系溶剤中で加水分解して重合した直鎖シリコーン樹脂、共重合シリコン樹脂、シリコンゴムなど、特に共重合シリコン樹脂としてSi−OH基、Si−OMe基を有する2官能以上の変性シリコン(例えば、シラノール基あるいはアルコキシ基を有するメチルメチルフェニルシリコン樹脂)とアルコール性水酸基含有樹脂とをアルキルチタネート触媒の存在下で反応させて得られるシリコン変性体類、例えばアクリル変性シリコン樹脂、アクリル−ウレタン変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン−フッ素共重合体樹脂、エポキシ変性シリコン樹脂、ポリエステル変性シリコン樹脂、アルキッド変性シリコン樹脂、フェノール変性シリコン樹脂が挙げられる。また、シロキサン架橋可能なシリコン変性共重合体、シロキサン架橋可能なシリコン変性オリゴマー、イソシアネート架橋可能なシリコン変性共重合体、イソシアネート架橋可能なシリコン変性オリゴマーなども挙げられる。
中でも、ガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことが一層できやすくなるという観点から、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂及びフッ素系樹脂が好ましい。さらに、上記樹脂として、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことが一層できやすくしつつ、膜天井用シート表面により傷がつきにくくするという観点からは、ウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂が好ましい。さらに、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことがより一層できやすくするという観点からは、フッ素系樹脂が好ましい。
本発明の膜天井用シートにおいて、ガラス繊維以外の不揮発成分100質量部中、上記樹脂の質量の割合としては、40〜100質量部が挙げられ、50〜80質量部が好ましく挙げられる。なお、本発明において、「不揮発成分」とは、常圧下、110℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
また、本発明の膜天井用シートにおいて、膜天井用シート全体の質量に対する、樹脂の質量の割合としては、0.5〜4.0質量%が挙げられ、0.5〜2.5質量%が好ましく挙げられる。
前述した澱粉としては特に制限されない。ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むことにより、ガラス繊維間の滑り性が向上する結果膜天井用シートの柔軟性がより向上して、膜天井用シートの斜め方向の伸び率がより優れたものとしやすくなる。本発明の膜天井用シートにおいて、ガラス繊維以外の不揮発成分100質量部中、澱粉の質量の割合としては、20〜100質量部が挙げられ、20〜60質量部が好ましく挙げられ、20〜40質量部がより好ましく挙げられる。また、膜天井用シート全体の質量に対する、澱粉の質量の割合としては、0.4〜1.5質量%が挙げられ、0.6〜1.0質量%が好ましく挙げられる。
とりわけ、本発明の膜天井用シートにおいて、耐候性と斜め方向の伸び率とをより両立させる観点から、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部が、樹脂及び澱粉によって被覆されていることが好ましい。本発明の膜天井用シートにおいて、膜天井用シートに含まれる樹脂と澱粉の質量比(樹脂/澱粉)としては、好ましくは1〜4、より好ましくは1.5〜3が挙げられる。
また、本発明の膜天井用シートは、前述した樹脂及び澱粉以外の他の成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、架橋剤、有機顔料、無機顔料等の着色顔料、染料、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤、防黴剤等を含有させることができる。
<膜天井用シートの物性>
本発明の膜天井用シートは、強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、2質量%以上3質量%以下が好ましい。強熱減量を当該範囲とすることにより、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができ、膜天井用シートを湾曲させて設置する際に膜天井用シートに部分的にかかる張力を吸収でき、斜め方向の伸び率が優れたものとすることができる。本発明において、強熱減量は、JIS R 3420:2013 7.3に準じ測定、算出する。本発明の膜天井用シートにおいて、上記強熱減量とするには、後述する樹脂溶液の固形分濃度を調整したり、絞り率を調整したりすることが挙げられる。
本発明の膜天井用シートは、強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、2質量%以上3質量%以下が好ましい。強熱減量を当該範囲とすることにより、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができ、膜天井用シートを湾曲させて設置する際に膜天井用シートに部分的にかかる張力を吸収でき、斜め方向の伸び率が優れたものとすることができる。本発明において、強熱減量は、JIS R 3420:2013 7.3に準じ測定、算出する。本発明の膜天井用シートにおいて、上記強熱減量とするには、後述する樹脂溶液の固形分濃度を調整したり、絞り率を調整したりすることが挙げられる。
本発明の膜天井用シートは、通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、1〜30cm3/cm2/秒が好ましい。通気度を当該範囲とすることにより、経糸と緯糸とが交点において互いに動くことができ、斜め方向の伸び率が優れたものとすることができる。本発明において、通気度は、JIS R 3420:2013 7.13に準じ、測定、算出する。本発明の膜天井用シートにおいて、上記通気度とするには、ガラス繊維織物の番手、織密度等を調整したり、上記した強熱減量の範囲とすることが挙げられる。
本発明の膜天井用シートは、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下である。上記を満足することにより、膜天井用シートの不燃性を優れたものとすることができる。
本発明の膜天井用シートは、剛軟度が、膜天井用シートに含まれるガラス繊維織物の経糸方向及び緯糸方向ともに120mm以下が好ましく、80〜120mmがより好ましく、80〜100mmがさらに好ましい。これにより、膜天井用シートを湾曲させて設置する際に膜天井用シートに部分的にかかる張力をより吸収できやすくなり、斜め方向の伸び率がより優れたものとしやすくなる。本発明において、剛軟度は、JIS L 1096:2010 8.21.1A法(カンチレバー法)により測定、算出する。上記剛軟度とするには、ガラス繊維織物を構成するガラスヤーンの撚り数を大きくしたり、合燃糸としたり、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとしたりすることが挙げられる。
本発明の膜天井用シートは、引張強さが、膜天井用シートに含まれるガラス繊維織物の経糸方向及び緯糸方向ともに、1000N/25mm以上が好ましく、1500N/25mm以上がより好ましい。当該引張強さの上限値としては特に制限されないが、例えば、5000N/25mm以下が挙げられ、4000N/25mmが挙げられる。膜天井用シートがこのような引張強度を有することにより、膜天井用シートの耐久性が向上する。本発明において、膜天井用シートの引張強さは、JIS R 3420:2013 7.4.2に準じ、定速伸長型引張試験機(インテスコ株式会社製)を用い、試験片長さを25cm、試験片の幅(両端部から糸をほぐす前の幅)を30mm、つかみ間隔を15cm、試験片の幅(両端部から糸をほぐした後の幅)を25mm、定速引張速度を200mm/minとし、ガラス繊維織物の経糸方向、及び緯糸方向について、それぞれ5回測定し、その平均値を経糸方向及び緯糸方向の引張強さ(N/25mm)とする。上記引張強さとするには、ガラス繊維織物のヒートクリーニング処理をおこなわない他、ガラス繊維織物を構成するガラスヤーンの番手、織密度を調整すること等が挙げられる。
また、本発明の膜天井用シートは、膜天井とする際に吸音性をより優れたものとする観点から、JIS A 1409:1998(残響室法吸音率の測定方法)に準じた方法で測定するNRC値が0.5以上であることが好ましく、0.6〜0.9であることがより好ましい。本発明において、JIS A 1409:1998(残響室法吸音率の測定方法)に準じた方法で測定したNRC値は、具体的には、膜天井用シートの寸法を3000mm×3640mm(試料面積10.92m2)、温度24.7℃、相対湿度59.6%とし、周波数として100Hz〜5000Hzの範囲で残響室法吸音率を測定し、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、の残響室法吸音率の平均値を上記NRC値とする。
本発明の膜天井用シートの厚さとしては、特に制限されないが、例えば、0.15〜0.6mmが挙げられ、0.15〜0.3mmが好ましく挙げられる。また、本発明の膜天井用シートの質量(g/m2)としては、特に制限されないが、例えば、150〜600g/m2が挙げられ、150〜300g/m2が好ましく挙げられる。
本発明の膜天井用シートは、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含む膜天井用シートであって、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下であることから、斜め方向の伸び率に優れる。本発明の膜天井用シートが備える好ましい斜め方向の伸び率としては、4%以上が好ましく、6%以上がより好ましい。上限値としては特に制限されないが、例えば、20%以下、10%以下等が挙げられる。
本発明において、膜天井用シートの斜め方向の伸び率は、次のように測定される。図5は、膜天井用シートの斜め方向の伸び率の測定方法を説明する模式図である。図5(a)に示すように、まず、膜天井用シートを、膜天井用シートを構成する経糸又は緯糸が辺と平行又は垂直となるように10cm×10cmの正方形にカットして測定サンプルとする。そして、図5(A)に示すように、正方形の一つの頂点からの対角線上に、当該頂点から2cmの箇所に点をマーキングする。当該対角線の反対側の頂点から2cmの箇所にも点をマーキングする。そして、当該点と点の距離Laを測定する。次に、ワニ玉クリップ(株式会社ライオン事務器社製No.52)を2つ準備し、図5(B)に示すように、ワニ玉クリップの接触部方向が前期対角線方向と垂直となるように、それぞれの頂点から対角線方向に1cmの箇所に接触部が接触するようにワニ玉クリップで挟み、一方のワニ玉クリップの2つの穴部にひもを通してサンプルを吊り下げ、他方のワニ玉クリップの2つの穴部にひもを通して100gの重りを吊り下げる。このときの、サンプルにマーキングした2点の距離(Lb)を測定する。そして、下記式により伸び率を求める。
伸び率(%)=(Lb−La)/La×100
伸び率(%)=(Lb−La)/La×100
<膜天井用シートの製造方法>
本発明の膜天井用シートの製造方法は、ガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する澱粉を含むガラスヤーンを準備する工程、該ガラスヤーンを用いてガラス繊維織物を準備する工程、当該ガラス繊維織物に、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂を含浸、乾燥する工程、を含むものとすることが好ましい。
本発明の膜天井用シートの製造方法は、ガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する澱粉を含むガラスヤーンを準備する工程、該ガラスヤーンを用いてガラス繊維織物を準備する工程、当該ガラス繊維織物に、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂を含浸、乾燥する工程、を含むものとすることが好ましい。
ガラスヤーンを準備する工程では、複数本のガラス単繊維(ガラスフィラメント)を紡糸する際、ガラスフィラメントを集束する集束剤として澱粉を含む集束剤を付与し撚糸をおこなうことができる。
ガラス繊維織物を準備する工程では、上記準備したガラスヤーンを用いて、整経して経糸とする整経工程、準備した経糸と、緯糸として上記準備したガラスヤーンとを用いて、織機で製織する製織工程、を含むことができる。
また、ガラス繊維織物を準備する工程において、ヒートクリーニング処理をおこなわないことが好ましい。
ガラス繊維織物に、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂を含浸、乾燥する工程では、当該樹脂溶液を準備し、当該樹脂溶液に準備したガラス繊維織物を含浸し、乾燥させることができる。この際、樹脂溶液中の樹脂の濃度としては、10質量%以下とすることが好ましく、5〜10質量%とすることがより好ましい。そして、樹脂溶液に含浸したガラス繊維織物を、ニップロール等で所定の強熱減量となるように絞り、乾燥することが好ましい。
<本発明の膜天井用シートの用途>
本発明の膜天井用シートは、膜天井として好適に用いられ、特に、膜天井用シートを複数方向に湾曲させてなる、膜天井とすることが好ましく挙げられる。当該膜天井の構造としては、膜天井用シートと、該膜天井用シートを固定する支持部材とを備え、前記膜天井用シートが、ガラス繊維織物を構成する経糸及び緯糸が弧を描くように湾曲した状態(図3及び図4参照。図3及び図4において、紙面下方向が居住空間側である。)となるように固定される、膜天井が挙げられる。
本発明の膜天井用シートは、膜天井として好適に用いられ、特に、膜天井用シートを複数方向に湾曲させてなる、膜天井とすることが好ましく挙げられる。当該膜天井の構造としては、膜天井用シートと、該膜天井用シートを固定する支持部材とを備え、前記膜天井用シートが、ガラス繊維織物を構成する経糸及び緯糸が弧を描くように湾曲した状態(図3及び図4参照。図3及び図4において、紙面下方向が居住空間側である。)となるように固定される、膜天井が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<測定方法等>
1.ガラス糸の番手(tex)
JIS R 3420:2013 7.1に準じ、測定、算出した。
1.ガラス糸の番手(tex)
JIS R 3420:2013 7.1に準じ、測定、算出した。
2.単繊維直径(μm)
経糸、緯糸それぞれについて無作為に20本選び、該20本の糸の全単繊維の直径(最も大きい部分)を測定して平均値を算出し、単繊維直径とした。
経糸、緯糸それぞれについて無作為に20本選び、該20本の糸の全単繊維の直径(最も大きい部分)を測定して平均値を算出し、単繊維直径とした。
3.経糸密度及び緯糸密度(本/25mm)
JIS R 3420:2013 7.9に準じ、測定、算出した。
JIS R 3420:2013 7.9に準じ、測定、算出した。
4.ガラス繊維織物及び膜天井用シートの質量(g/m2)
JIS R 3420 7.2に準じ、測定、算出した。
JIS R 3420 7.2に準じ、測定、算出した。
5.ガラス繊維織物及び膜天井用シートの厚さ(mm)
JIS R 3420 2013 7.10.1A法に準じ、測定、算出した。
JIS R 3420 2013 7.10.1A法に準じ、測定、算出した。
6.強熱減量(質量%)
JIS R 3420:2013 7.3に準じ測定、算出した。
JIS R 3420:2013 7.3に準じ測定、算出した。
7.通気度(cm3/cm2/秒)
JIS R 3420:2013 7.13に準じ、測定、算出した。
JIS R 3420:2013 7.13に準じ、測定、算出した。
8.剛軟度(mm)
JIS L 1096:2010 8.21.1A法(カンチレバー法)により測定、算出した。
JIS L 1096:2010 8.21.1A法(カンチレバー法)により測定、算出した。
9.引張強さ(N/25mm)
JIS R 3420:2013 7.4.2に準じ、定速伸長型引張試験機(インテスコ株式会社製)を用い、試験片長さを25cm、試験片の幅(両端部から糸をほぐす前の幅)を30mm、つかみ間隔を15cm、試験片の幅(両端部から糸をほぐした後の幅)を25mm、定速引張速度を200mm/minとし、ガラス繊維織物の経糸方向、及び緯糸方向について、それぞれ5回測定し、その平均値を経糸方向及び緯糸方向の引張強さ(N/25mm)とした。
JIS R 3420:2013 7.4.2に準じ、定速伸長型引張試験機(インテスコ株式会社製)を用い、試験片長さを25cm、試験片の幅(両端部から糸をほぐす前の幅)を30mm、つかみ間隔を15cm、試験片の幅(両端部から糸をほぐした後の幅)を25mm、定速引張速度を200mm/minとし、ガラス繊維織物の経糸方向、及び緯糸方向について、それぞれ5回測定し、その平均値を経糸方向及び緯糸方向の引張強さ(N/25mm)とした。
10.吸音性能
JIS A 1409:1998(残響室法吸音率の測定方法)に準じ、具体的には、膜天井用シートの寸法を3000mm×3640mm(試料面積10.92m2)、温度24.7℃、相対湿度59.6%とし、周波数として100Hz〜5000Hzの範囲で残響室法吸音率を測定し、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、の残響室法吸音率の平均値を吸音性能(NRC値)とした。
JIS A 1409:1998(残響室法吸音率の測定方法)に準じ、具体的には、膜天井用シートの寸法を3000mm×3640mm(試料面積10.92m2)、温度24.7℃、相対湿度59.6%とし、周波数として100Hz〜5000Hzの範囲で残響室法吸音率を測定し、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、の残響室法吸音率の平均値を吸音性能(NRC値)とした。
11.不燃性
一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、(1)加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、(2)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、(3)加熱開始後20分間、0.5mm四方以上の貫通孔がないものを○、上記(1)〜(3)の3つの要件のうち、一つでも満足しないものがある場合は×として評価した。
一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、(1)加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、(2)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、(3)加熱開始後20分間、0.5mm四方以上の貫通孔がないものを○、上記(1)〜(3)の3つの要件のうち、一つでも満足しないものがある場合は×として評価した。
12.膜天井用シートの斜め方向の伸び率
前述のように測定、算出した。4%以上を合格とした。
前述のように測定、算出した。4%以上を合格とした。
13.膜天井用シート表面の傷の付きにくさ
JIS K 5600−5−4:1999に準じ、鉛筆引っかき試験機を用いて、鉛筆として三菱鉛筆株式会社製商品名Uni、通常芯を始めに削り出さない側(木で被覆されている側)膜天井用シート上で45°の角度で750gfの荷重を掛けた状態で50mm程度線を引く作業を5回実施した。下記の2条件により、目視で線の有無を観察した。
(条件1)
光源としてパナソニック株式会社製蛍光灯(ナチュラル色、FHF32EX−32)を用い、光源―膜天井用シート―観察者の目、の順に直線状に並ぶような配置とし、膜天井用シートを平面が光源及び観察者の目と正対するようにして、線を引いた面が観察者側とし、光源と膜天井用シートとの距離を150cm、膜天井用シートと観察者の目との距離が60cmとして、観察をおこなった。
(条件2)
光源としてパナソニック株式会社製蛍光灯(ナチュラル色、FHF32EX−32)を用い、当該光源を実験室の天井に設置した。次に、天板の表面の位置の高さが上記蛍光灯から150cmとなる高さの机(天板の表面の色は白)を準備し、当該天板の上に上記膜天井用シートを線を引いた面が上側となるように置き、当該シートから60cmの高さが観察者の目となるようにして観察をおこなった。
以下の基準により評価し、3点以上を合格とした。
5点・・・条件1及び条件2において線が観察されなかった。
4点・・・条件1及び条件2において線がわずかに観察されたものの、ほとんど目立たないレベルであった。
3点・・・条件1において線が観察されやや線が目立ち、条件2において線がわずかに観察されたものの、ほとんど目立たないレベルであった。
2点・・・条件1において線が観察され線がかなり目立ち、条件2において線がわずかに観察されたものの、ほとんど目立たないレベルであった。
1点・・・条件1及び条件2において線が観察され線がかなり目立った。
JIS K 5600−5−4:1999に準じ、鉛筆引っかき試験機を用いて、鉛筆として三菱鉛筆株式会社製商品名Uni、通常芯を始めに削り出さない側(木で被覆されている側)膜天井用シート上で45°の角度で750gfの荷重を掛けた状態で50mm程度線を引く作業を5回実施した。下記の2条件により、目視で線の有無を観察した。
(条件1)
光源としてパナソニック株式会社製蛍光灯(ナチュラル色、FHF32EX−32)を用い、光源―膜天井用シート―観察者の目、の順に直線状に並ぶような配置とし、膜天井用シートを平面が光源及び観察者の目と正対するようにして、線を引いた面が観察者側とし、光源と膜天井用シートとの距離を150cm、膜天井用シートと観察者の目との距離が60cmとして、観察をおこなった。
(条件2)
光源としてパナソニック株式会社製蛍光灯(ナチュラル色、FHF32EX−32)を用い、当該光源を実験室の天井に設置した。次に、天板の表面の位置の高さが上記蛍光灯から150cmとなる高さの机(天板の表面の色は白)を準備し、当該天板の上に上記膜天井用シートを線を引いた面が上側となるように置き、当該シートから60cmの高さが観察者の目となるようにして観察をおこなった。
以下の基準により評価し、3点以上を合格とした。
5点・・・条件1及び条件2において線が観察されなかった。
4点・・・条件1及び条件2において線がわずかに観察されたものの、ほとんど目立たないレベルであった。
3点・・・条件1において線が観察されやや線が目立ち、条件2において線がわずかに観察されたものの、ほとんど目立たないレベルであった。
2点・・・条件1において線が観察され線がかなり目立ち、条件2において線がわずかに観察されたものの、ほとんど目立たないレベルであった。
1点・・・条件1及び条件2において線が観察され線がかなり目立った。
(実施例1)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が53本/25mm、緯糸密度が49本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は275g/m2、厚さは0.21mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、PTFE溶液(PTFEの濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は53本/25mm、緯糸密度は49本/25mm、強熱減量は2.6質量%、通気度は8.7cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が95mm、緯糸方向が80mm、膜天井用シートの質量は280g/m2、膜天井用シート厚さは0.24mm、経糸方向の引張強さは2344N/25mm、緯糸方向の引張強さは2263N/25mm、吸音性能は0.64であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例2)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が53本/25mm、緯糸密度が47本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は270g/m2、厚さは0.21mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、PTFE溶液(PTFEの濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は53本/25mm、緯糸密度は47本/25mm、強熱減量は2.6質量%、通気度は8.7cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が95mm、緯糸方向が80mm、膜天井用シートの質量は275g/m2、膜天井用シート厚さは0.23mm、経糸方向の引張強さは2343N/25mm、緯糸方向の引張強さは2183N/25mm、吸音性能は0.64であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例3)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が53本/25mm、緯糸密度が45本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は264g/m2、厚さは0.20mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、PTFE溶液(PTFEの濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は53本/25mm、緯糸密度は45本/25mm、強熱減量は2.3質量%、通気度は9.0cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が95mm、緯糸方向が80mm、膜天井用シートの質量は267g/m2、膜天井用シート厚さは0.21mm、経糸方向の引張強さは2302N/25mm、緯糸方向の引張強さは2027N/25mm、吸音性能は0.64であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例4)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が53本/25mm、緯糸密度が45本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は264g/m2、厚さは0.21mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、アクリル樹脂溶液(アクリル樹脂の濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は53本/25mm、緯糸密度は45本/25mm、強熱減量は2.6質量%、通気度は8.7cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が100mm、緯糸方向が90mm、膜天井用シートの質量は267g/m2、膜天井用シート厚さは0.24mm、経糸方向の引張強さは2078N/25mm、緯糸方向の引張強さは1904N/25mm、吸音性能は0.64であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例5)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が53本/25mm、緯糸密度が40本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は252g/m2、厚さは0.19mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、アクリル樹脂溶液(アクリル樹脂の濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は53本/25mm、緯糸密度は40本/25mm、強熱減量は2.6質量%、通気度は21.9cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が100mm、緯糸方向が90mm、膜天井用シートの質量は254g/m2、膜天井用シート厚さは0.20mm、経糸方向の引張強さは2341N/25mm、緯糸方向の引張強さは1812N/25mm、吸音性能は0.60であった。当該膜天井用シートを用いて、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例6)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が46本/25mm、緯糸密度が45本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は245g/m2、厚さは0.19mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、アクリル樹脂溶液(アクリル樹脂の濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は46本/25mm、緯糸密度は45本/25mm、強熱減量は2.6質量%、通気度は9.0cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が100mm、緯糸方向が90mm、膜天井用シートの質量は247g/m2、膜天井用シート厚さは0.20mm、経糸方向の引張強さは1973N/25mm、緯糸方向の引張強さは2130N/25mm、吸音性能は0.60であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例7)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が46本/25mm、緯糸密度が43本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は240g/m2、厚さは0.19mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、アクリル樹脂溶液(アクリル樹脂の濃度8.6質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は46本/25mm、緯糸密度は43本/25mm、強熱減量は2.6質量%、通気度は22.0cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が100mm、緯糸方向が90mm、膜天井用シートの質量は242g/m2、膜天井用シート厚さは0.20mm、経方向の引張強さは2022N/25mm、緯糸方向の引張強さは2083N/25mm、吸音性能は0.60であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例8)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECDE75 1/2 3.8S、番手135tex、単繊維直径6μm、単繊維本数1600本)を準備した。また、緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸をエアージェットで嵩高に加工されてなるバルキー加工糸1本と、ガラスヤーン(ECDE75 1/0 0.7Z、番手75tex、単繊維直径6μm、単繊維本数800本)1本とを撚り合わせたガラス糸(TDF75 1/2)を準備した(経糸及び緯糸それぞれの質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECDE75 1/2 3.8S、番手135tex、単繊維直径6μm、単繊維本数1600本)を準備した。また、緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸をエアージェットで嵩高に加工されてなるバルキー加工糸1本と、ガラスヤーン(ECDE75 1/0 0.7Z、番手75tex、単繊維直径6μm、単繊維本数800本)1本とを撚り合わせたガラス糸(TDF75 1/2)を準備した(経糸及び緯糸それぞれの質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1綾織とし、織密度は経糸密度が41本/25mm、緯糸密度が29本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は485g/m2、厚さは0.39mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、ポリウレタン樹脂溶液(ポリウレタン樹脂の濃度10質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は41本/25mm、緯糸密度は29本/25mm、強熱減量は1.5質量%、通気度は25.0cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が110mm、緯糸方向が100mm、膜天井用シートの質量は490g/m2、膜天井用シート厚さは0.42mm、経糸方向の引張強さは2550N/25mm、緯糸方向の引張強さは1850N/25mm、吸音性能は0.69であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(実施例9)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECG150 1/2 3.8S、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が53本/25mm、緯糸密度が49本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は275g/m2、厚さは0.21mmであった。得られたガラス繊維織物を本発明の膜天井用シートとした。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は53本/25mm、緯糸密度は49本/25mm、強熱減量は0.8質量%、通気度は7.8cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が50mm、緯糸方向が50mm、膜天井用シートの質量は275g/m2、膜天井用シート厚さは0.21mm、経糸方向の引張強さは2138N/25mm、緯糸方向の引張強さは1802N/25mm、吸音性能は0.64であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(比較例1)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECDE75 1/2 3.8S、番手135tex、単繊維直径6μm、単繊維本数1600本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなる2本のヤーンが該ヤーンの撚り方向(Z方向)とは反対方向(S方向)に撚り合わされてなる合撚糸(ECDE75 1/2 3.8S、番手135tex、単繊維直径6μm、単繊維本数1600本)を準備した。該合燃糸を構成する2本のヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(合燃糸全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経した。
次いで、上記経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては平織とし、織密度は経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が30本/25mmとなるようにした。澱粉を含むガラス繊維織物の質量は347g/m2、厚さは0.30mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、ポリウレタン樹脂溶液(ポリウレタン樹脂の濃度20.8質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、比較例1の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は31本/25mm、緯糸密度は30本/25mm、強熱減量は8.4質量%、通気度は9.0cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が144mm、緯糸方向が145mm、膜天井用シートの質量は380g/m2、膜天井用シート厚さは0.35mm、経糸方向の引張強さは2917N/25mm、緯糸方向の引張強さは3083N/25mm、吸音性能は0.72であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(比較例2)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなるガラスヤーン(ECG75 1/0 0.7Z、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該ヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(ヤーン全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなるガラスヤーン(ECG75 1/0 0.7Z、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該ヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(ヤーン全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経し、糊付け工程において、当該経糸にポリビニルアルコールとパラフィンワックスを含む溶液を付与し、乾燥させた。当該溶液中における、ポリビニルアルコールの不揮発成分とパラフィンワックスとの不揮発成分の質量比(ポリビニルアルコール/パラフィンワックス)は1.5とした。糊付けした経糸の強熱減量は2質量%であった。このうち、経糸全体の質量に対する、澱粉の質量の割合は0.8質量%、ポリビニルアルコールの質量の割合は0.72質量%、パラフィンワックスの質量の割合は0.48質量%であり、経糸の強熱減量は2質量%であった。
次いで、上記糊付けした経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては平織とし、織密度は経糸密度が44本/25mm、緯糸密度が32本/25mmとなるようにした。澱粉、ポリビニルアルコール及びパラフィンワックスを含むガラス繊維織物の質量は211g/m2、厚さは0.18mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、上記得られたガラス繊維織物を、比較例2の膜天井用シートとした。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は44本/25mm、緯糸密度は32本/25mm、強熱減量は1.4質量%、通気度は1.6cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が85mm、緯糸方向が105mm、膜天井用シートの質量は211g/m2、膜天井用シート厚さは0.18mm、経糸方向の引張強さは1550N/25mm、緯糸方向の引張強さは1250N/25mm、吸音性能は0.50であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
(比較例3)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなるガラスヤーン(ECG75 1/0 0.7Z、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該ヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(ヤーン全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸及び緯糸として、Eガラス材料からなるガラスヤーン(ECG75 1/0 0.7Z、番手67.5tex、単繊維直径9μm、単繊維本数400本)を準備した。該ヤーンは、ガラス単繊維の表面の少なくとも一部に澱粉を含むものとした(ヤーン全体の質量に対する澱粉の質量の割合は0.8質量%)。
次に、上記準備した経糸を用いて整経し、糊付け工程において、当該経糸にポリビニルアルコールとパラフィンワックスを含む溶液を付与し、乾燥させた。当該溶液中における、ポリビニルアルコールの不揮発成分とパラフィンワックスとの不揮発成分の質量比(ポリビニルアルコール/パラフィンワックス)は1.5とした。糊付けした経糸の強熱減量は2質量%であった。このうち、経糸全体の質量に対する、澱粉の質量の割合は0.8質量%、ポリビニルアルコールの質量の割合は0.72質量%、パラフィンワックスの質量の割合は0.48質量%であり、経糸の強熱減量は2質量%であった。
次いで、上記糊付けした経糸と、準備した緯糸を、織機を用いて製織した。製織において、織組織としては3/1破れ斜文織とし、織密度は経糸密度が52本/25mm、緯糸密度が40本/25mmとなるようにした。澱粉、ポリビニルアルコール及びパラフィンワックスを含むガラス繊維織物の質量は256g/m2、厚さは0.20mmであった。なお、ヒートクリーニング処理はおこなわなかった。
そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する樹脂として、PTFE溶液(PTFEの濃度45質量%)を準備し、上記製織したガラス繊維織物に含浸し、ニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、比較例3の膜天井用シートを得た。
得られた膜天井用シートにおいて、ガラス繊維織物の経糸密度は52本/25mm、緯糸密度は40本/25mm、強熱減量は5.9質量%、通気度は9.4cm3/cm2/秒、剛軟度は経糸方向が144mm、緯糸方向が131mm、膜天井用シートの質量は285g/m2、膜天井用シート厚さは0.24mm、経糸方向の引張強さは2083N/25mm、緯糸方向の引張強さは1800N/25mm、吸音性能は0.60であった。当該膜天井用シートを用いて、前述した、不燃性と、斜め方向の伸び率と、膜天井用シート表面の傷の付きにくさについて評価した。
実施例1〜9、比較例1〜3の膜天井用シートの物性等について、表1に示す。
実施例1〜9の膜天井用シートは、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含む膜天井用シートであって、前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下であることから、斜め方向の伸び率に優れたものであった。
一方、比較例1の膜天井用シートは、ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織ではなく平織であり、膜天井用シートの強熱減量が5質量%を超えるものであったことから、斜め方向の伸び率に劣るものであった。
また、比較例2の膜天井用シートは、ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織ではなく平織であったことから、斜め方向の伸び率に劣るものであった。
また、比較例3の膜天井用シートは、膜天井用シートの強熱減量が5質量%を超えるものであったことから、斜め方向の伸び率に劣るものであった。
1 膜天井用シート
Claims (3)
- ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆する、樹脂及び/又は澱粉と、を含む膜天井用シートであって、
前記ガラス繊維織物の織組織が綾織又は朱子織であり、
前記膜天井用シートの強熱減量が0.7質量%以上5質量%以下であり、
前記膜天井用シートの通気度が1〜50cm3/cm2/秒であり、
一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターから膜天井用シートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ、総発熱量が8MJ/m2以下である、膜天井用シート。 - 前記ガラス繊維織物の経糸方向及び緯糸方向における膜天井用シートの剛軟度が80〜120mmである、請求項1に記載の膜天井用シート。
- 請求項1又は2に記載の膜天井用シートを含む膜天井。
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