JP2021190591A - 被加工物の搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反った状態の被加工物を適切に搬送することが可能な被加工物の搬送方法を提供する。【解決手段】被加工物の搬送方法であって、被加工物をチャックテーブルの保持面で吸引保持し、被加工物に対して加工を施す加工ステップと、チャックテーブルによる被加工物の吸引を解除し、加工によって生じた反りを有する被加工物の表面又は裏面の高さを複数の位置で測定し、複数の方向における被加工物の反りの大きさを検出し、複数の方向のうち最も被加工物の反りが小さい低反り方向を特定する反り方向特定ステップと、一対の支持レールを備えるカセットに、低反り方向が支持レールの長さ方向に沿った状態で被加工物を収容する収容ステップと、バー状の吸引機構をカセットに侵入させ、低反り方向に吸引機構の長さ方向が沿った状態で被加工物を吸引機構で吸引保持し、被加工物をカセットから搬出する被加工物搬出ステップと、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、加工装置によって加工された被加工物の搬送方法に関する。
デバイスチップの製造工程では、格子状に配列された分割予定ライン(ストリート)によって区画された複数の領域にそれぞれIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハを分割予定ラインに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。ウェーハの分割には、環状の切削ブレードでウェーハを切削する切削装置が用いられることが多い。
一方、近年では、レーザー加工によってウェーハを分割する技術が着目されている。例えば、ウェーハに対して透過性を有するレーザービームをウェーハの内部に集光させ、ウェーハの内部に改質層を分割予定ラインに沿って形成する手法が提案されている。改質層が形成された領域は、ウェーハの他の領域よりも脆くなる。そのため、改質層が形成されたウェーハに外力を付与すると、改質層を起点としてウェーハが分割予定ラインに沿って分割される。例えば特許文献1には、改質層が形成されたウェーハに対して研削加工を施した後、ウェーハに貼付されたテープを拡張することにより、ウェーハを複数のデバイスチップに分割する分割方法が開示されている。
レーザービームの照射によって改質層が形成されたウェーハは、カセットに収容され、カセットは次の工程を実施する装置(研削装置等)に搬送される。そして、搬送先の装置は、カセットからウェーハを1枚ずつ取り出して所定の処理(研削加工等)を実施する。例えば、カセットからのウェーハの搬出には、ウェーハの上面の全体と接触してウェーハを吸引保持する吸引機構が用いられる。
しかしながら、前述のようにレーザービームの照射によってウェーハに改質層を形成すると、改質層が形成された領域が膨張し、ウェーハに反りが発生することがある。この場合、吸引機構の吸引面がウェーハの上面に適切に密着せず、被加工物に吸引力が作用しにくくなる。その結果、吸引機構によるウェーハの保持が不十分になり、ウェーハの適切な搬送が困難になる。
そこで、カセットからのウェーハの搬出にはバー状の吸引機構が用いられることがある(特許文献2、3参照)。バー状の吸引機構は、ウェーハの上面のうち一部の領域のみを吸引してウェーハを保持するように構成されており、ウェーハの搬送時にウェーハの上面の全体と密着する必要がない。そのため、バー状の吸引機構を用いると、カセットに収容されたウェーハが反った状態であっても、ウェーハが確実に保持されてカセットから適切に搬出されやすくなる。
特開2004−349623号公報 特開平8−203982号公報 特開2019−21715号公報
上記のように、バー状の吸引機構を用いることにより、反った状態の被加工物の搬送が容易になる。しかしながら、特に被加工物の反りが大きい場合には、バー状の吸引機構であっても被加工物と適切に密着できず、被加工物に十分な吸引力が作用しないことがある。この場合には、被加工物が吸引機構によって保持されなかったり、搬送中に被加工物が落下したりする等、被加工物の適切な搬送が困難になる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、反った状態の被加工物を適切に搬送することが可能な被加工物の搬送方法の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、被加工物の搬送方法であって、被加工物をチャックテーブルの保持面で吸引保持し、該被加工物に対して加工を施す加工ステップと、該加工ステップの実施後、該チャックテーブルによる該被加工物の吸引を解除し、該加工によって生じた反りを有する該被加工物の表面又は裏面の高さを複数の位置で測定し、複数の方向における該被加工物の反りの大きさを検出し、該複数の方向のうち最も該被加工物の反りが小さい低反り方向を特定する反り方向特定ステップと、該反り方向特定ステップの実施後、一対の支持レールを備えるカセットに、該低反り方向が該支持レールの長さ方向に沿った状態で該被加工物を収容する収容ステップと、該収容ステップの実施後、バー状の吸引機構を該カセットに侵入させ、該低反り方向に該吸引機構の長さ方向が沿った状態で該被加工物を該吸引機構で吸引保持し、該被加工物を該カセットから搬出する被加工物搬出ステップと、を備える被加工物の搬送方法が提供される。
なお、好ましくは、該チャックテーブルは、該被加工物の中央部を吸引する第1吸引領域と、該被加工物の外周部を吸引する第2吸引領域とを備え、該反り方向特定ステップでは、該第1吸引領域による該被加工物の吸引を維持ししつつ、該第2吸引領域による該被加工物の吸引を解除した状態で、該被加工物の表面又は裏面の高さを測定する。
また、好ましくは、該加工ステップでは、複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成された該被加工物を該チャックテーブルによって吸引保持し、該被加工物に対して透過性を有するレーザービームを該分割予定ラインに沿って照射することにより、該被加工物の内部に該分割予定ラインに沿って改質層を形成し、該被加工物の搬送方法は、該被加工物搬出ステップの実施後、該被加工物を研削装置が備えるチャックテーブルの保持面で吸引保持し、該被加工物を研削砥石で研削する研削ステップを更に備える。
また、好ましくは、該反り方向特定ステップにおいて該被加工物の反りの大きさを検出する該複数の方向は、該分割予定ラインに沿う方向である。
本発明の一態様に係る被加工物の搬送方法において、加工後の被加工物は、低反り方向が支持レールの長さ方向に沿うようにカセットに収容される。そして、被加工物のカセットからの搬出には、長さ方向が低反り方向に沿うように配置されたバー状の吸引機構が用いられる。これにより、被加工物の特に反りが小さい領域が吸引機構によって確実に吸引され、被加工物が適切に搬送される。
図1(A)は被加工物を示す斜視図であり、図1(B)は保護部材が貼付された被加工物を示す斜視図である。 レーザー加工装置を示す一部断面正面図である。 改質層が形成された被加工物を示す平面図である。 図4(A)はチャックテーブルのA−A´線における断面図であり、図4(B)はチャックテーブルのB−B´線における断面図である。 反った状態の被加工物を模式的に示す斜視図である。 被加工物の高さを測定するレーザー加工装置を示す一部断面正面図である。 搬送ユニットによって被加工物を搬送するレーザー加工装置を示す一部断面正面図である。 カセットを示す斜視図である。 図9(A)は搬送ユニットによってカセットに収容される被加工物を示す一部断面正面図であり、図9(B)はカセットに収容された被加工物を示す断面図である。 図10(A)は研削装置に載置されるカセットを示す正面図であり、図10(B)は搬送ユニットによってカセットから搬出される被加工物を示す断面図である。 仮置きテーブルによって被加工物を保持する研削装置を示す正面図である。 被加工物を研削する研削装置を示す正面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る被加工物の搬送方法によって搬送される被加工物の構成例について説明する。図1(A)は、被加工物11を示す斜視図である。
被加工物11は、例えばシリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面11a及び裏面11bを備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数の領域に区画されている。また、分割予定ライン13によって区画された領域の表面11a側にはそれぞれ、IC、LSI等のデバイス15が形成されている。
被加工物11の外周部の一部には、被加工物11の結晶方位を示す切り欠き(ノッチ)11cが形成されている。切り欠き11cは、被加工物11の結晶方位に対応して所定の位置に形成されている。そのため、作業者は切り欠き11cの位置を確認することによって被加工物11の結晶方位を把握することができる。
例えば分割予定ライン13は、被加工物11の中心と切り欠き11cとを結ぶ直線に沿う第1の方向と、第1の方向と垂直な第2の方向とに沿って設定される。そして、被加工物11を分割予定ライン13に沿って分割することにより、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。
なお、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、サファイア、ガラス、セラミックス等でなる基板であってもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイス15が形成されていなくてもよい。
本実施形態では、まず、被加工物11に対して加工を施す(加工ステップ)。例えば、被加工物11に分割起点を分割予定ライン13に沿って形成する。この分割起点は、後の工程で被加工物11を分割する際の分割の起点(分割のきっかけ)として機能する。
例えば分割起点は、被加工物11に対してレーザー加工を施し、被加工物11の内部を分割予定ライン13に沿って改質(変質)することによって形成される。被加工物11の内部の改質された領域(改質層)は、被加工物11の他の領域よりも脆くなる。そのため、分割予定ライン13に沿って改質層が形成された被加工物11に対して外力を付与すると、被加工物11が改質層を起点として分割予定ライン13に沿って分割される。
レーザー加工によって被加工物11に分割起点を形成する際は、まず、被加工物11の表面11a側に保護部材17が貼付される。保護部材17としては、被加工物11と概ね同径の柔軟なフィルム状のテープ(保護テープ)等が用いられる。このテープは、円形の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを含む。例えば基材層は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層として、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂を用いてもよい。
保護部材17は、被加工物11の表面11a側に全体を覆うように、被加工物11に貼付される。これにより、複数のデバイス15が保護部材17によって覆われて保護される。図1(B)は、保護部材17が貼付された被加工物11を示す斜視図である。
次に、レーザー加工装置を用いて被加工物11にレーザー加工を施す。図2は、レーザー加工装置2を示す一部断面正面図である。なお、図2において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向)とは互いに概ね垂直な方向であり、Z軸方向(鉛直方向、上下方向)はX軸方向及びY軸方向と概ね垂直な方向である。
レーザー加工装置2は、被加工物11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)4を備える。チャックテーブル4の上面は、X軸方向及びY軸方向と概ね平行な平坦面であり、被加工物11を保持する保持面4aを構成している。
チャックテーブル4は、金属、セラミックス、樹脂等でなる円柱状の枠体(本体部)6を備える。枠体6の上面6a側には、平面視で円形の凹部(溝)6bが形成されている。凹部6bの内部には、円盤状の第1保持部材8と、第1保持部材8を囲む環状の第2保持部材10とが設けられている。
第1保持部材8及び第2保持部材10は、ポーラスセラミックス等の多孔質材料でなる多孔質部材である。第1保持部材8は、その内部に第1保持部材8の上面から下面に連通する空孔(吸引路)を含む。同様に、第2保持部材10は、その内部に第2保持部材10の上面から下面に連通する空孔(吸引路)を含む。
第1保持部材8の上面は、被加工物11の中央部を吸引保持する円形の第1吸引領域(第1吸引面)8aを構成する。また、第2保持部材10の上面は、第1吸引領域8aを囲み被加工物11の外周部を吸引保持する環状の第2吸引領域(第2吸引面)10aを構成する。枠体6の上面6a、第1吸引領域8a、第2吸引領域10aは、概ね同一平面上に配置され、チャックテーブル4の保持面4aを構成している。
また、凹部6bの内部には、凹部6bの底面から上方に突出する環状の凸部(仕切り部材)12が設けられている。そして、第1保持部材8は凹部6bの半径方向内側に設けられ、第2保持部材10は凹部6bの半径方向外側に設けられている。すなわち、凸部12は第1保持部材8と第2保持部材10との間に設けられ、第1保持部材8と第2保持部材10とを仕切っている。なお、凸部12は、枠体6の一部であってもよいし、枠体6と別途形成された後に凹部6bの底面に固定されてもよい。
第1保持部材8は、吸引路14a及びバルブ16aを介して吸引源18に接続されている。また、第2保持部材10は、吸引路14b及びバルブ16bを介して吸引源18に接続されている。吸引源18は、エジェクタ等によって構成され、第1吸引領域8a及び第2吸引面8bに負圧(吸引力)を作用させる。なお、第1保持部材8と第2保持部材10との間での流体の流動は、凸部12によって遮断される。そのため、第1吸引領域8aでの被加工物11の吸引と第2吸引領域10aでの被加工物11を吸引とは、それぞれ独立に制御される。
また、吸引路14aには、圧力測定器(圧力センサ)20が接続されている。後述の通り、圧力測定器20によって吸引路14aの圧力を測定することにより、被加工物11がチャックテーブル4によって保持されているか否かを確認することが可能となる。
チャックテーブル4にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、この回転駆動源はチャックテーブル4をZ軸方向に概ね平行な回転軸の周りで回転させる。また、チャックテーブル4にはボールねじ式の移動機構(不図示)が連結されており、この移動機構はチャックテーブル4をX軸方向及びY軸方向に沿って移動させる。
チャックテーブル4の上方には、レーザー照射ユニット22が設けられている。レーザー照射ユニット22は、チャックテーブル4によって保持された被加工物11に向かってレーザービーム24を照射する。具体的には、レーザー照射ユニット22は、レーザービームをパルス発振するレーザー発振器と、レーザー発振器から発振されたレーザービームを所定の位置で集光させる集光器とを備える。
また、レーザー加工装置2は、レーザー加工装置2の各構成要素(チャックテーブル4、バルブ16a,16b、吸引源18、圧力測定器20、レーザー照射ユニット22等)に接続された制御部(制御ユニット)26を備える。制御部26は、レーザー加工装置2の各構成要素の動作を制御してレーザー加工装置2を稼働させる。
例えば、制御部26はコンピュータによって構成され、レーザー加工装置2の稼働に必要な演算等の処理を行う処理部と、処理部による処理に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを含む。処理部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、主記憶装置、補助記憶装置等を構成する各種のメモリを含んで構成される。制御部26は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、レーザー加工装置2の構成要素を制御するための信号(制御信号)を生成する。
レーザー加工装置2で被加工物11を加工する際は、まず、チャックテーブル4で被加工物11を保持する。例えば被加工物11は、表面11a側(保護部材17側)が保持面4aと対向し、裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル4上に配置される。このとき被加工物11は、第1吸引領域8a及び第2吸引領域10aの全体を覆うように配置される。
この状態でバルブ16a,16bを開くと、吸引源18の負圧が第1保持部材8及び第2保持部材10に作用する。その結果、被加工物11の中央部が保護部材17を介して第1吸引領域8aによって吸引される。また、被加工物11の外周部が保護部材17を介して第2吸引領域10aによって吸引される。このようにして、被加工物11がチャックテーブル4の保持面4aで吸引保持される。
次に、チャックテーブル4を回転させ、一の分割予定ライン13(図1(A)参照)の長さ方向をX軸方向に合わせる。また、チャックテーブル4のY軸方向における位置を調整し、一の分割予定ライン13の延長線上にレーザービーム24の集光点を位置付ける。さらに、レーザービーム24の集光点の高さを、被加工物11の内部(表面11aと裏面11bとの間)の高さに合わせる。
そして、レーザー照射ユニット22から被加工物11の裏面11b側にレーザービーム24を照射しながら、チャックテーブル4をX軸方向に沿って移動させる(加工送り)。これにより、チャックテーブル4とレーザー照射ユニット22とがX軸方向に沿って相対的に移動して、レーザービーム24が一の分割予定ライン13に沿って走査される。
なお、レーザービーム24の波長は、レーザービーム24が被加工物11に対して透過性を示すように設定される。そのため、レーザー照射ユニット22から被加工物11には、被加工物11に対して透過性を有するレーザービーム24が照射される。また、レーザービーム24の他の照射条件は、被加工物11のレーザービーム24が照射された領域が多光子吸収によって改質(変質)されるように調整される。例えば、レーザービーム24の照射条件は以下のように設定される。
光源 :YAGパルスレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :60kHz
平均出力 :1.8W
加工送り速度 :900mm/s
レーザービーム24が被加工物11に照射されると、被加工物11の内部には改質層(変質層)19が一の分割予定ライン13に沿って形成される。なお、被加工物11の厚さや材質に応じて、被加工物11の厚さ方向に2層以上の改質層19を形成してもよい。その後、同様の手順を繰り返し、他の分割予定ライン13に沿って改質層19を形成する。これにより、改質層19が格子状に形成された被加工物11が得られる。
図3は、分割予定ライン13に沿って改質層19が形成された被加工物11を示す平面図である。改質層19が形成された領域は、被加工物11の他の領域よりも脆くなる。そのため、改質層19が形成された被加工物11に外力を付与すると、改質層19から被加工物11の厚さ方向に亀裂が進展し、被加工物11が改質層19を起点として分割される。すなわち、改質層19は分割起点として機能する。
なお、被加工物11にレーザービーム24が照射されると、被加工物11の改質層19が形成された領域が膨張し、被加工物11の内部で被加工物11の反りの原因となる応力が発生する。しかしながら、レーザー加工中は被加工物11が第1吸引領域8a及び第2吸引領域10a(図2参照)で吸引されているため、被加工物11は保持面4aに沿って平坦に保持された状態(反っていない状態)に維持される。
次に、加工された被加工物11の表面11a又は裏面11bの高さを測定し、被加工物11の反りが小さい方向(低反り方向)を特定する(反り方向特定ステップ)。反り方向特定ステップでは、まず、チャックテーブル4による被加工物11の吸引を解除する。
図4(A)はチャックテーブル4のA−A´線(図3参照)における断面図であり、図4(B)はチャックテーブル4のB−B´線(図3参照)における断面図である。例えば反り方向特定ステップでは、バルブ16aを開いたままバルブ16bを閉じる。これにより、第1吸引領域8aによる被加工物11の吸引が維持されたまま、第2吸引領域10aによる被加工物11の吸引が解除される。
なお、第2吸引領域10aによる被加工物11の吸引を解除する際には、第2保持部材10から被加工物11側に向かって流体(エアー等)を噴射させないことが好ましい。これにより、第2保持部材10の内部や表面に存在する異物(加工屑等)が飛散して被加工物11やレーザー加工装置2の内部に付着することを防止できる。
チャックテーブル4による被加工物11の吸引が解除されると、加工ステップの実施によって被加工物11の内部に生じた応力により、被加工物11に反りが生じる。なお、被加工物11の反りの大きさや方向は、被加工物11の材質、形状、加工ステップにおける加工の内容等によって異なる。図4(A)及び図4(B)には、A−A´線方向(図3の矢印aで示す方向)における被加工物11の反りが、B−B´線方向(図3の矢印bで示す方向)における被加工物11の反りよりも小さい例を示している。
図5は、反った状態の被加工物11を模式的に示す斜視図である。特に、加工ステップにおいて、被加工物11に改質層19を分割予定ライン13に沿って格子状に形成した場合には(図3参照)、被加工物11の反りが最も小さい方向(矢印aで示す方向)と最も大きい方向(矢印bで示す方向)とがそれぞれ、互いに交差する分割予定ライン13(改質層19)の長さ方向に沿う傾向があることが確認されている。
次に、反りを有する被加工物11の表面11a又は裏面11bの高さを複数の位置で測定する。図6は、被加工物11の高さを測定するレーザー加工装置2を示す一部断面正面図である。レーザー加工装置2は、チャックテーブル4の上方に配置され被加工物11の高さを測定する高さ測定器28を備える。そして、被加工物11の裏面11b側が上方に露出している場合には、高さ測定器28によって被加工物11の裏面11bの高さが測定される。
例えば高さ測定器28は、レーザービーム30の照射によって被加工物11の表面11a又は裏面11bの高さを非接触で測定するレーザー変位センサであり、レーザー照射ユニット22(図2参照)に固定されている。ただし、被加工物11の表面11a又は裏面11bの高さを測定可能であれば、高さ測定器28の構成及び配置に制限はない。
反り方向特定ステップでは、被加工物11の裏面11bの高さを複数の位置で測定する。例えば、高さ測定器28からレーザービーム30を照射しつつ、チャックテーブル4をX軸方向に沿って移動させ、レーザービーム30を被加工物11の一端から中心を通って他端に至る方向(第1の方向)に沿って走査させる。これにより、第1の方向における複数の位置で、被加工物11の裏面11bの高さが測定される。
次に、チャックテーブル4を所定の角度回転させ、同様の手順でレーザービーム30を第1の方向とは異なる第2の方向に沿って走査させる。これにより、第2の方向における複数の位置で、被加工物11の裏面11bの高さが測定される。このような手順を繰り返すことにより、複数の方向における被加工物11の裏面11bの高さがそれぞれ複数箇所で測定される。
なお、前述のように、加工ステップにおいて改質層19を分割予定ライン13に沿って格子状に形成した場合には(図3参照)、被加工物11の反りが最も小さい方向と最も大きい方向とがそれぞれ分割予定ライン13(改質層19)に沿う傾向がある。そのため、被加工物11の裏面11bの高さを測定する第1の方向、第2の方向をそれぞれ、互いに交差する分割予定ライン13(改質層19)に沿う方向に設定することが好ましい。この場合には、一の分割予定ライン13の長さ方向における被加工物11の裏面11bの位置を測定した後、チャックテーブル4を90°回転させ、該一の分割予定ライン13と交差する他の分割予定ライン13の長さ方向における被加工物11の裏面11bの位置を測定する。
高さ測定器28によって測定された被加工物11の裏面11bの高さは、制御部26に入力される。そして、制御部26は被加工物11の裏面11bの高さに基づいて、複数の方向それぞれにおける被加工物11の反りの大きさを検出する。
例えば制御部26は、第1の方向に沿って検出された被加工物11の裏面11bの高さの最大値と最小値との差分を算出する。この差分が、第1の方向における被加工物11の反りの大きさに相当する。その後、他の方向(第2の方向以降)における被加工物11の反りの大きさを同様に算出する。
そして、制御部26は、被加工物11の裏面11bの高さが測定された全ての方向(測定方向)における被加工物11の反りの大きさを比較し、全ての測定方向のうち最も被加工物11の反りが小さい方向(低反り方向)を特定する。特定された低反り方向は、制御部26の記憶部に記憶される。
上記の制御部26による処理は、例えば制御部26に搭載されたソフトウェアによって実現できる。例えば、制御部26の記憶部には、被加工物11の反りの大きさを算出する処理と、反りの大きさを比較して低反り方向を特定する処理とを記述するプログラムが記憶される。そして、高さ測定器28による測定の結果が制御部26に入力されると、制御部26の処理部は記憶部から該プログラムを読み出して実行し、低反り方向を特定する。
なお、反り方向特定ステップにおける低反り方向の特定方法に制限はない。例えば、高さ測定器28から照射されたレーザービーム30を被加工物11の外周部に沿って円形に走査し、被加工物11の外周部における裏面11bの高さを連続的に測定してもよい。この場合には、チャックテーブル4の保持面4aから最も近い位置に配置されている被加工物11の両端が特定され、この両端を含む方向が低反り方向として特定される。
また、反り方向特定ステップでは、圧力測定器20で吸引路14aの圧力を測定することにより、被加工物11がチャックテーブル4によって適切に保持されているか否かを判定してもよい。被加工物11が適切に保持されている場合には、第1吸引領域8aの全体が被加工物11によって覆われ、吸引路14aが密閉される。一方、被加工物11が適切に保持されていない場合には、第1吸引領域8aの少なくとも一部が被加工物11によって覆われず、吸引源18の負圧がリークする。
そのため、被加工物11が適切に保持されている状態での吸引路14aの圧力Pは、被加工物11が適切に保持されていない状態での吸引路14aの圧力Pよりも小さい。よって、制御部26に予め圧力の閾値Pth(P<Pth<P)を記憶しておき、圧力測定器20によって測定された圧力と閾値Pthとを比較することにより、被加工物11が適切に保持されているか否かの判定が可能となり、被加工物11の保持状態を監視できる。
ただし、被加工物11の保持状態の判定は必ずしも実施しなくてもよい。そして、被加工物11の保持状態の判定が行われない場合には、第2保持部材10、凸部12、吸引路14b、バルブ16bを省略し、第1保持部材8を枠体6の凹部6bの内側の全域に形成してもよい。
この場合には、反り方向特定ステップにおいて、バルブ16aを閉じることにより第1吸引領域8aによる被加工物11の吸引を解除する。その結果、加工ステップの実施によって被加工物11の内部に生じた応力により、被加工物11に反りが生じ、被加工物11の外周部の少なくとも一部がチャックテーブル4の保持面4aから離れた状態となる。その後、反った状態の被加工物11の裏面11b側の高さが測定される。
次に、加工された被加工物11をカセットに収容する(収容ステップ)。収容ステップでは、レーザー加工装置2が備える搬送ユニットによって、被加工物11がチャックテーブル4上から搬送される。図7は、搬送ユニット(搬送機構)32によって被加工物11を搬送するレーザー加工装置2を示す一部断面正面図である。
レーザー加工装置2は、被加工物11をチャックテーブル4と後述のカセット38(図8参照)との間で搬送する搬送ユニット32を備える。搬送ユニット32は、被加工物11を吸引保持する吸引機構34と、吸引機構34をXY平面方向及びZ軸方向に沿って移動させる移動機構(不図示)とを備える。
吸引機構34の下面は、被加工物11を吸引保持する吸引面34aを構成する。吸引面34aは、被加工物11の裏面11b側の全体を覆うことが可能な形状及び大きさに形成される。例えば、吸引面34aは被加工物11よりも直径が大きい円形に形成される。また、吸引面34aは、吸引機構34の内部に形成された吸引路(不図示)を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
反り方向特定ステップの実施後、搬送ユニット32は、被加工物11の裏面11b側の全体が吸引面34aによって覆われるように、吸引機構34を移動させる。これにより、被加工物11はチャックテーブル4と吸引機構34とによって挟まれ、保持面4a及び吸引面34aに沿って配置される。すなわち、被加工物11の反りが解消するように、被加工物11の形状が矯正される。
この状態で、吸引面34aに吸引源の負圧を作用させると、被加工物11が吸引面34aで吸引保持される。そして、バルブ16aを閉じて第1吸引領域8aによる被加工物11の中央部の吸引を解除した後、吸引機構34を上昇させる。これにより、被加工物11がチャックテーブル4から離れる。そして、搬送ユニット32は被加工物11をカセット38に搬送する。
なお、第1吸引領域8aによる被加工物11の吸引を解除する際には、第1保持部材8から被加工物11側に向かって流体(エアー等)を噴射させないことが好ましい。これにより、第1保持部材8の内部や表面に存在する異物(加工屑等)が飛散して被加工物11やレーザー加工装置2の内部に付着することを防止できる。
図8は、複数の被加工物11を収容可能なカセット38を示す斜視図である。レーザー加工装置2は、昇降機構(不図示)によって昇降するカセット載置台36を備えている。そして、カセット載置台36上に、複数の被加工物11を収容するカセット38が載置される。
例えばカセット38は、直方体状の箱型に形成され、その内部に複数の被加工物11を収容可能な直方体状の収容部38aを備える。収容部38aは、カセット38の側面38bに形成された矩形状の開口を介して外部の空間と接続されている。この開口を介して、被加工物11の搬送(カセット38からの搬出及びカセット38への搬入)が行われる。
収容部38aの内部では、一対の内壁38cが互いに対面している。そして、一対の内壁38cには、被加工物11を支持する一対の柱状の支持レール(ガイドレール)38dが鉛直方向に沿って複数段設けられている。被加工物11がカセット38の収容部38aに挿入されると、被加工物11の下面側が一対の支持レール38dによって支持される。
図9(A)は、搬送ユニット32によってカセット38に収容される被加工物11を示す一部断面正面図である。搬送ユニット32の吸引機構34は、被加工物11を保持した状態で、カセット38の収容部38aに侵入する。そして、被加工物11が一対の支持レール38d上に配置されると、吸引機構34による被加工物11の吸引が解除される。これにより、被加工物11が一対の支持レール38dによって支持された状態でカセット38に収容される。
なお、被加工物11は、反り方向特定ステップにおいて特定された低反り方向が支持レール38dの長さ方向に沿った状態でカセット38に収容される。具体的には、搬送ユニット32によって被加工物11を保持する際(図7参照)、チャックテーブル4を回転させ、被加工物11の低反り方向を、吸引機構34の前端と後端とを結ぶ直線の方向に合わせる。なお、吸引機構34の前端、後端はそれぞれ、吸引機構34がカセット38の収容部38aに侵入する際の吸引機構34の進行方向(図9(A)の紙面前後方向、支持レール38dの長さ方向)を基準として、吸引機構34の進行方向の前方側の端部と、進行方向の後方側の端部に相当する。
上記のように被加工物11及びチャックテーブル4の角度を調整した後、吸引機構34で被加工物11を保持して搬送し、カセット38に収容する。その後、吸引機構34による被加工物11の吸引が解除され、吸引機構34がカセット38から離れる。その結果、被加工物11が吸引機構34の吸引面34aで支持された状態が解除され、被加工物11に反りが生じる。
図9(B)は、カセット38に収容された被加工物11を示す断面図である。カセット38に収容された被加工物11は、一対の支持レール38dによって支持される。また、被加工物11は、低反り方向(矢印cで示す方向)が一対の支持レール38dの長さ方向に沿った状態で配置される。
次に、複数の被加工物11を収容したカセット38を、その後の工程で使用される装置に搬送する。そして、被加工物11をカセット38から搬出する(被加工物搬出ステップ)。例えば、被加工物11に対してレーザー加工に続いて研削加工を施す場合には、被加工物11を研削する研削装置50(図12参照)にカセット38が搬送される。
研削装置50は、レーザー加工装置2と同様にカセット載置台(不図示)を備えており、研削装置50のカセット載置台上にカセット38が載置される。図10(A)は、研削装置50に載置されるカセット38を示す正面図である。カセット38には、反った状態の被加工物11が複数枚収容されている。
被加工物11は、カセット38から1枚ずつ引き出され、研削装置50によって加工される。なお、研削装置50は、被加工物11の搬送(カセット38からの搬出及びカセット38への搬入)を行う搬送ユニット(搬送機構)52を備える。図10(B)は、搬送ユニット52によってカセット38から搬出される被加工物11を示す断面図である。
搬送ユニット52は、被加工物11を吸引保持する吸引機構54と、吸引機構54をXY平面方向及びZ軸方向に沿って移動させる移動機構(不図示)とを備える。吸引機構54は、バー状(柱状)に形成されており、その幅は被加工物11の直径よりも小さい。また、吸引機構54には、吸引機構54の下面で露出する複数の吸引孔(不図示)が設けられている。複数の吸引路は、吸引機構54の長さ方向に沿って配列されており、それぞれエジェクタ等の吸引源に接続されている。
被加工物11をカセット38から搬出する際は、吸引機構54の長さ方向が支持レール38dの長さ方向に沿うように、吸引機構54がカセット38の収容部38aに侵入する。ここで、被加工物11は低反り方向(矢印cで示す方向)が支持レール38dに沿うように収容されている。そのため、カセット38に挿入された吸引機構54は、その長さ方向が被加工物11の低反り方向に沿った状態となる。
そして、吸引機構54は、被加工物11の中央部の上面(裏面11b)側に接触し、吸引源から吸引孔を介して吸引機構54の下面に作用する吸引力によって被加工物11を吸引保持する。この状態で吸引機構54を後退させると、吸引機構54がカセット38から離れて被加工物11がカセット38から搬出される。
なお、バー状の吸引機構54は、被加工物11の全体を吸引保持する搬送ユニット(図7の搬送ユニット32参照)と比較して、被加工物11との接触面積が小さい。そのため、被加工物11のカセット38からの搬出にバー状の吸引機構54を用いると、被加工物11が反った状態であっても、吸引機構54と被加工物11との間に隙間が生じにくく、被加工物11が適切に吸引保持されやすい。
さらに、本実施形態においては、バー状の吸引機構54の長さ方向が被加工物11の低反り方向に沿った状態で、吸引機構54が被加工物11と接触する。そのため、吸引機構54は被加工物11の特に反りが小さい領域を吸引でき、被加工物11が確実に保持される。
カセット38から引き出された被加工物11は、被加工物11が一時的に配置される仮置き領域に搬送される。図11は、仮置きテーブル56によって被加工物11を保持する研削装置50を示す正面図である。仮置きテーブル56は、研削装置50内の所定の位置に設けられており、仮置きテーブル56の上面は被加工物11を保持する円形の保持面56aを構成する。
バー状の搬送ユニット52(図10(B)参照)は、被加工物11を仮置きテーブル56の保持面56a上に配置した後、吸引機構54による被加工物11の吸引を解除する。これにより、被加工物11が仮置きテーブル56の保持面56aで保持される。
なお、仮置きテーブル56には、被加工物11の位置合わせを行う位置合わせ機構(不図示)が設けられていてもよい。例えば、位置合わせ機構は、保持面56aの半径方向に沿って移動して被加工物11の外周面と接触する複数のピンを備える。複数のピンによって被加工物11の外周面を押すことにより、被加工物11の位置が調整される。
次に、被加工物11を仮置きテーブル56からチャックテーブル(保持テーブル)62(図12参照)に搬送する。具体的には、研削装置50は、被加工物11を仮置きテーブル56から搬送する搬送ユニット(搬送機構)58を備える。搬送ユニット58は、被加工物11を吸引保持する吸引機構60と、吸引機構60をXY平面方向及びZ軸方向に沿って移動させる移動機構(不図示)とを備える。
吸引機構60の下面は、被加工物11を吸引保持する吸引面60aを構成する。吸引面60aは、被加工物11の裏面11b側の全体を覆うことが可能な形状及び大きさに形成される。例えば、吸引面60aは被加工物11よりも直径が大きい円形に形成される。また、吸引面60aは、吸引機構60の内部に形成された吸引路(不図示)を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
搬送ユニット58は、仮置きテーブル56上に配置された被加工物11の裏面11b側の全体が吸引面60aによって覆われるように、吸引機構60を移動させる。これにより、被加工物11は仮置きテーブル56と吸引機構60とによって挟まれ、保持面56a及び吸引面60aに沿って配置される。すなわち、被加工物11の反りが解消するように、被加工物11の形状が矯正される。
この状態で、吸引面60aに吸引源の負圧を作用させると、被加工物11が吸引面60aで吸引保持される。そして、吸引機構60は仮置きテーブル56から離れるように上昇し、被加工物11をチャックテーブル62に搬送する。
次に、被加工物11を研削砥石で研削する(研削ステップ)。図12は、被加工物11を研削する研削装置50を示す正面図である。研削装置50は、被加工物11を保持するチャックテーブル62と、チャックテーブル62によって保持された被加工物11を研削する研削ユニット64を備える。
チャックテーブル62の上面は、被加工物11を保持する保持面62aを構成する。保持面62aは、被加工物11の表面11a側(保護部材17側)の全体を保持可能な大きさ及び形状に形成される。例えば、保持面62aは被加工物11よりも直径が大きい円形に形成される。保持面62aは、チャックテーブル62の内部に形成された吸引路(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。なお、チャックテーブル62は、チャックテーブル4(図2参照)と同じ構成を有していてもよい。
チャックテーブル62には、移動機構(不図示)及び回転機構(不図示)が接続されている。移動機構は、チャックテーブル62を水平方向に沿って移動させる。また、回転機構は、チャックテーブル62を鉛直方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させる。
チャックテーブル62の上方には、研削ユニット64が配置されている。研削ユニット64は、鉛直方向に沿って配置された円筒状のスピンドル66を備える。スピンドル66の先端部(下端部)には、研削ホイール70が装着される円盤状のマウント68が固定されている。また、スピンドル66の基端部(上端部)には、スピンドル66を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が接続されている。
マウント68の下面側には、被加工物11を研削する研削ホイール70が装着される。研削ホイール70は、ステンレス、アルミニウム等の金属でなりマウント68と概ね同径に形成された環状の基台72を備える。基台72の下面側には、複数の直方体状の研削砥石74が、基台72の外周に沿って概ね等間隔に固定されている。
研削ホイール70は、回転駆動源からスピンドル66及びマウント68を介して伝達される動力により、鉛直方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。また、研削ユニット64には移動機構(不図示)が接続されており、この移動機構は研削ユニット64を鉛直方向に沿って昇降させる。さらに、研削ユニット64の近傍には、チャックテーブル62によって保持された被加工物11と複数の研削砥石74とに純水等の研削液78を供給するノズル76が設けられている。
研削ステップでは、まず、被加工物11をチャックテーブル62によって保持する。具体的には、被加工物11を保持した搬送ユニット58(図11参照)の吸引機構60が、チャックテーブル62の上方に配置される。その後、吸引機構60が下降し、被加工物11がチャックテーブル62の保持面62aに押し付けられる。
このとき被加工物11は、反りが解消するように変形し、保持面62aに沿って配置される。この状態で、保持面62aに吸引源の負圧を作用させると、被加工物11は裏面11b側が上方に露出した状態で、保護部材17を介してチャックテーブル62の保持面62aで吸引保持される。
次に、被加工物11を保持したチャックテーブル62を研削ユニット64の下方に移動させる。そして、チャックテーブル62と研削ホイール70とをそれぞれ所定の方向に所定の回転数で回転させながら、研削ホイール70をチャックテーブル62に向かって下降させる。このときの研削ホイール70の下降速度は、複数の研削砥石74が適切な力で被加工物11の裏面11b側に押し当てられるように調整される。
回転する複数の研削砥石74が被加工物11の裏面11b側に接触すると、被加工物11の裏面11b側が削り取られる。これにより、被加工物11が研削されて薄化される。また、被加工物11の研削中には、ノズル76から研削液78が供給される。研削液78によって、被加工物11及び複数の研削砥石74が冷却されるとともに、被加工物11の研削によって生じた屑(研削屑)が洗い流される。そして、被加工物11が所定の厚さ(仕上げ厚さ)になるまで薄化されると、被加工物11の研削が停止される。
なお、研削ステップでは、複数の研削砥石74が被加工物11に押し付けられることにより、被加工物11に外力が付与される。そして、被加工物11は改質層19(図3参照)を分割起点として、分割予定ライン13に沿って破断する。これにより、被加工物11はデバイス15を備える複数のデバイスチップに分割される。
被加工物11が分割されると、被加工物11の内部応力が低減される。そのため、研削加工後にチャックテーブル62による被加工物11の吸引を解除しても、被加工物11は保持面62aに沿って平坦に配置された状態(反りがない状態)に維持される。そして、被加工物11は、搬送ユニット58(図11参照)及び搬送ユニット52(図10(B)参照)によって搬送され、カセット38に収容される。
以上の通り、本実施形態に係る被加工物の搬送方法において、加工後の被加工物11は、低反り方向が支持レール38dの長さ方向に沿うようにカセット38に収容される。そして、被加工物11のカセット38からの搬出には、長さ方向が低反り方向に沿うように配置されたバー状の吸引機構54が用いられる。これにより、被加工物11の特に反りが小さい領域が吸引機構54によって確実に吸引され、被加工物11が適切に搬送される。
なお、上記の実施形態では、加工ステップにおいて被加工物11にレーザー加工が施される例について説明した(図2参照)。ただし、加工ステップで実施される加工の種類に制限はない。例えば、前述の研削ステップを実施する代わりに、加工ステップにおいて研削装置を用いた研削加工(図12参照)を実施してもよい。被加工物11を研削して薄化した場合にも、被加工物11の剛性の低下によって被加工物11に反りが生じることがある。
また、上記の実施形態では、収容ステップの後、反った状態の被加工物11を収容したカセット38が研削装置50に搬送される例について説明した。ただし、カセット38の搬送先は研削装置50に限られない。
例えば、加工ステップにおいて被加工物11に改質層19(図3参照)を形成した場合には、加工後の被加工物11を収容したカセット38を、被加工物11にエキスパンドシートを貼付するテープ貼着装置に搬送してもよい。エキスパンドシートは、外力の付与によって拡張可能なシートである。テープ貼着装置によって被加工物11にエキスパンドシートが貼付された後、エキスパンドシートを引っ張って拡張すると、被加工物11に外力が付与され、被加工物11が改質層19に沿って分割される。これにより、仮に前述の研削ステップの実施後において被加工物11の破断が不十分であっても、エキスパンドシートの拡張によって被加工物11が分割予定ライン13に沿って確実に分割される。
また、加工ステップにおいて被加工物11に研削加工を施した場合には、研削後の被加工物11を収容したカセット38を、被加工物11にダイシングテープを貼付するテープ貼着装置に搬送してもよい。テープ貼着装置によって被加工物11にダイシングテープが貼付された後、被加工物11を環状の切削ブレードで切削することにより、被加工物11が分割される。
カセット38の搬送先の装置(テープ貼着装置等)には、バー状の吸引機構(図10(B)の吸引機構54参照)を備える搬送ユニットが設けられる。そして、カセット38に収容された被加工物11は、バー状の吸引機構によって1枚ずつ搬出される。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面
11b 裏面
11c 切り欠き(ノッチ)
13 分割予定ライン(ストリート)
15 デバイス
17 保護部材
19 改質層(変質層)
2 レーザー加工装置
4 チャックテーブル(保持テーブル)
4a 保持面
6 枠体(本体部)
6a 上面
6b 凹部(溝)
8 第1保持部材
8a 第1吸引領域(第1吸引面)
10 第2保持部材
10a 第2吸引領域(第2吸引面)
12 凸部(仕切り部材)
14a,14b 吸引路
16a,16b バルブ
18 吸引源
20 圧力測定器(圧力センサ)
22 レーザー照射ユニット
24 レーザービーム
26 制御部(制御ユニット)
28 高さ測定器
30 レーザービーム
32 搬送ユニット(搬送機構)
34 吸引機構
34a 吸引面
36 カセット載置台
38 カセット
38a 収容部
38b 側面
38c 内壁
38d 支持レール(ガイドレール)
50 研削装置
52 搬送ユニット(搬送機構)
54 吸引機構
56 仮置きテーブル
56a 保持面
58 搬送ユニット(搬送機構)
60 吸引機構
60a 吸引面
62 チャックテーブル(保持テーブル)
62a 保持面
64 研削ユニット
66 スピンドル
68 マウント
70 研削ホイール
72 基台
74 研削砥石
76 ノズル
78 研削液

Claims (4)

  1. 被加工物の搬送方法であって、
    被加工物をチャックテーブルの保持面で吸引保持し、該被加工物に対して加工を施す加工ステップと、
    該加工ステップの実施後、該チャックテーブルによる該被加工物の吸引を解除し、該加工によって生じた反りを有する該被加工物の表面又は裏面の高さを複数の位置で測定し、複数の方向における該被加工物の反りの大きさを検出し、該複数の方向のうち最も該被加工物の反りが小さい低反り方向を特定する反り方向特定ステップと、
    該反り方向特定ステップの実施後、一対の支持レールを備えるカセットに、該低反り方向が該支持レールの長さ方向に沿った状態で該被加工物を収容する収容ステップと、
    該収容ステップの実施後、バー状の吸引機構を該カセットに侵入させ、該低反り方向に該吸引機構の長さ方向が沿った状態で該被加工物を該吸引機構で吸引保持し、該被加工物を該カセットから搬出する被加工物搬出ステップと、を備えることを特徴とする被加工物の搬送方法。
  2. 該チャックテーブルは、該被加工物の中央部を吸引する第1吸引領域と、該被加工物の外周部を吸引する第2吸引領域とを備え、
    該反り方向特定ステップでは、該第1吸引領域による該被加工物の吸引を維持ししつつ、該第2吸引領域による該被加工物の吸引を解除した状態で、該被加工物の表面又は裏面の高さを測定することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の搬送方法。
  3. 該加工ステップでは、複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成された該被加工物を該チャックテーブルによって吸引保持し、該被加工物に対して透過性を有するレーザービームを該分割予定ラインに沿って照射することにより、該被加工物の内部に該分割予定ラインに沿って改質層を形成し、
    該被加工物搬出ステップの実施後、該被加工物を研削装置が備えるチャックテーブルの保持面で吸引保持し、該被加工物を研削砥石で研削する研削ステップを更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被加工物の搬送方法。
  4. 該反り方向特定ステップにおいて該被加工物の反りの大きさを検出する該複数の方向は、該分割予定ラインに沿う方向であることを特徴とする請求項3に記載の被加工物の搬送方法。
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