JP2021187307A - 鉄道台車用ゴムブッシュ - Google Patents

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Abstract

【課題】入力される振動や荷重に対して要求される基本的な特性を大きく損なうことなく、外部から及ぼされる火炎等に対する難燃性などの向上を図ることを可能にする、新規な構造の鉄道台車用ゴムブッシュを実現すること。【解決手段】軸状の内側部材12と該内側部材12の外周側に離隔して配された外側部材14とがゴム弾性体16で連結されており、鉄道用車両の台車に用いられるゴムブッシュ10であって、前記ゴム弾性体16の軸方向端部において、前記内側部材12と前記外側部材14の各軸方向端部間で該ゴム弾性体16が外部に露出される端部露出面44を外方から覆う覆い部48が、該ゴム弾性体16とは別部材によって設けられている鉄道台車用ゴムブッシュ10。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両の台車に用いられる鉄道台車用ゴムブッシュに関するものである。
従来から、鉄道車両の台車では、軸箱支持装置や車体支持装置において、構造部材の連結部分における緩衝手段の一つとしてゴムブッシュが採用されている。軸箱支持装置は、輪軸(車輪と車軸を結合した部材)と台車枠とを緩衝手段を介して結合するものであり、例えば台車枠と輪軸を1本のリンク(モノリンク)によって連結せしめたモノリンク式軸箱支持装置や、軸箱と一体になった軸箱から延びだした軸はりの先端を台車枠に連結せしめた軸はり式軸箱支持装置が知られている。車体支持装置は、台車枠を車体へ緩衝手段を介して連結するものであり、例えばボルスタレス台車において車体側の牽引枠と台車枠とを牽引リンクによって連結せしめた牽引装置が知られている。
ところで、鉄道車両用台車は、鉄道車体の荷重を支えて走行させる走行装置であって、鉄道車体の下方において露出された状態で用いられている。それ故、例えば外部火災などが発生すると、台車に対して、下方や側方から直接に火炎や熱が及ぼされることも考えられる。
もっとも、鉄道車両用台車では、台車枠だけでなく車輪や支軸、軸箱、ブレーキ装置など、特に台車下部を構成する殆どの部材が金属製とされている。それ故、外部からの火炎や高熱などに対して大きなリスクを負わないと考えられていた。
ところが、特許文献1(特開2015−168397号公報)などに示されているように、近年、上述の軸箱支持装置では、輪軸と台車枠の間の緩衝手段として、コイルスプリングの他にゴムブッシュを採用することが多い。牽引装置においても、特許文献2(特開2002−249042号公報)などに示されているように、牽引リンクの両端がゴムブッシュを介して牽引枠や台車枠へ連結される。
かかるゴムブッシュは、一般に鉄道車両用台車の比較的に下方(台車枠の下方)に位置して装着されることから、鉄道車両用台車の外部から火炎や高熱が及ぼされた際に燃焼や発煙したり、有毒ガスが発生するなどといった問題が懸念される。
なお、このような問題に鑑み、ゴムブッシュのゴム材質として難燃性の高い特殊なものを採用することも検討したが、ゴムブッシュに要求される防振及び制振の性能や、耐荷重性能、耐久性能などの基本的な特性との両立が難しかった。
また、ゴムブッシュのゴム表面層として、難燃性のコーティング層を一体的に設けることも検討した。しかし、ゴム表面に固着乃至は一体形成されるコーティング層も、ゴム表面の自由な変形を阻害するおそれがある。しかも、装着状態下での入力によってゴム表面が弾性変形を繰り返すことから、コーティング層に亀裂などが発生しやすく、目的とするコーティング効果を長期間に亘って安定して維持することが難しいという問題もあった。
特開2015−168397号公報 特開2002−249042号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、要求される基本的な特性を大きく損なうことなく、外部から及ぼされる火炎等に対する難燃性などの向上を図ることを可能にする、新規な構造の鉄道台車用ゴムブッシュを提供することにある。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第一の態様は、軸状の内側部材と該内側部材の外周側に離隔して配された外側部材とがゴム弾性体で連結されており、鉄道用車両の台車に用いられるゴムブッシュであって、前記ゴム弾性体の軸方向端部において、前記内側部材と前記外側部材の各軸方向端部間で該ゴム弾性体が外部に露出される端部露出面を外方から覆う覆い部が、該ゴム弾性体とは別部材によって設けられている鉄道台車用ゴムブッシュである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュ(以下、単にゴムブッシュともいう)では、ゴム弾性体とは別部材からなる覆い部によって、ゴム弾性体の端部露出面が覆われる。それ故、ゴムブッシュの装着された鉄道用車両台車(以下、単に台車ともいう)に対して外部から火炎などが及ぼされた場合でも、ゴム弾性体の露出面が火炎などに直接に晒されることが軽減乃至は回避され得る。しかも、覆い部が別部材として設けられることから、ゴム弾性体の材質の選択自由度が制限されることもないし、ゴム弾性体自体の特性が覆い部によって大幅に阻害されることも回避され得る。
第二の態様は、第一の態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュにおいて、前記ゴム弾性体の軸方向端部には大径とされた鍔状ゴム部が設けられており、該鍔状ゴム部が前記内側部材と前記外側部材の各軸方向端部間で軸方向で挟まれていると共に、該鍔状ゴム部の外周面が前記端部露出面とされて前記覆い部によって覆われているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュは、例えば軸はり式軸箱支持装置において軸はりの先端の台車枠側への取付部分に装着されるゴムブッシュなどとして、好適に採用され得る。特に本態様の如き鍔状ゴム部を備えたゴムブッシュでは、軸方向で大きなばね定数や大きな耐荷重性能を得ることが可能になる一方、ゴムブッシュの外周面に向けて鍔状ゴム部が露出されることから、台車下方からの火炎に対する難燃性等が問題になりやすい事情がある。かかる問題に対して、本態様では、鍔状ゴム部の外周面に向けられた露出面が覆われることで、基本的なばね特性などを確保しつつ、外部からの火炎などに対するリスクを軽減することが可能になる。
第三の態様は、第一の態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュにおいて、前記ゴム弾性体の軸方向端部が、前記内側部材と前記外側部材の各軸方向端部間で軸方向外方に向かって露出する軸方向露出面を有しており、該軸方向露出面が前記端部露出面とされて前記覆い部によって覆われているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュは、例えばモノリンク式軸箱支持装置においてモノリンクの台車枠側や輪軸側への取付部分に装着されるゴムブッシュなどとして、好適に採用され得る。特に本態様の如きゴムブッシュでは、軸直角方向と軸方向のばね比を大きく設定することが可能になる一方、ゴムブッシュの軸方向端部が比較的に大きな面積で軸方向外方へ露出されることから、台車側方からの火炎に対する難燃性等が問題になりやすい事情がある。かかる問題に対して、本態様では、ゴム弾性体の軸方向外方に向けられた露出面が覆われることで、基本的なばね特性などを確保しつつ、外部からの火炎などに対するリスクを軽減することが可能になる。
第四の態様は、第一〜三の何れかの態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュであって、前記ゴム弾性体の前記端部露出面と前記覆い部との間には隙間が設けられているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュでは、ゴム弾性体の端部露出面と覆い部との間に設けられた隙間によって、ゴム弾性体の自由表面に対する覆い部による変形拘束が軽減乃至は回避され得る。また、隙間の空気層によって覆い部からゴム弾性体への伝熱を抑えることも可能になる。また、弾性変形する端部露出面と覆い部との接触による磨耗や損傷などを軽減乃至は回避することも可能になる。なお、ゴム弾性体の端部露出面と覆い部との間の全体に亘って隙間が設けられる必要はない。
第五の態様は、第一〜四の何れかの態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュであって、前記ゴム弾性体の前記端部露出面に対して、前記覆い部が少なくとも一部において接触しているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュでは、ゴム弾性体の端部露出面と覆い部とが接触していることにより、端部露出面を覆い部で覆った状態に維持しやすい。また、覆い部をゴム弾性体に接触させることで、装着状態での覆い部の位置決めなども容易となる。また、端部露出面に覆い部を密着させることで、少なくとも接触部分では空気の供給が阻止されてゴム弾性体の燃焼が抑えられやすい。
第六の態様は、第一〜五の何れかの態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュにおいて、前記覆い部が、少なくとも一部をエラストマによって形成されているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュでは、エラストマの可変形特性に基づいて、例えば仮に覆い部が端部露出面と接触する場合でもゴム弾性体への変形拘束力が軽減されて、ゴム弾性体の特性が良好に確保され得る。また、例えば後述の第七の態様のように、エラストマの弾性的特性を利用して、覆い部を装着状態に保持したり位置決めすることなども容易に実現することが可能になる。また、エラストマの可変形特性により、例えば仮に覆い部が端部露出面等と接触した場合の部材の損傷を軽減乃至は回避することもできる。
第七の態様は、第六の態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュにおいて、前記覆い部が、前記エラストマの弾性を利用して、前記ゴム弾性体の前記端部露出面を外方から覆う位置へ位置決めされているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュでは、覆い部を構成するエラストマの特性を巧く利用して、覆い部の装着構造の簡略化や装着状態の安定製の向上などを図ることが可能になる。
第八の態様は、第一〜七の何れかの態様に係る鉄道台車用ゴムブッシュであって、前記鉄道用車両の台車への装着状態において、前記ゴム弾性体の前記端部露出面が何れの方向からも外部から直接に目視できない状態で前記覆い部によって覆われているものである。
本態様の鉄道台車用ゴムブッシュでは、特定の方向だけでなく各種方向から及ぼされる火炎や熱に対して有効な耐性を、ゴム弾性体に与えることが可能になる。それ故、予期しない状況での難燃性確保などの対応も可能になると共に、装着状態や向き、位置などの変更に際しても、難燃性などを維持しつつ、容易に対応することも可能になる。
本発明によれば、入力される振動や荷重に対して要求される基本的な特性を大きく損なうことなく、外部から及ぼされる火炎等に対する難燃性などの向上を図ることを可能にする、新規な構造の鉄道台車用ゴムブッシュが実現され得る。
本発明の第一の実施形態としての軸箱支持装置用ゴムブッシュを示す正面図。 図1における左側面図。 図2におけるIII−III断面図。 図3におけるIV−IV断面図。 図3におけるV−V断面図。 図1に示された軸箱支持装置用ゴムブッシュを構成する覆いリングを軸方向外面視で示す単品図であって、(b)は(a)のVI−VI断面図。 図1に示された軸箱支持装置用ゴムブッシュの鉄道車両用台車への装着状態を示す説明図。 本発明の第二の実施形態としての軸箱支持装置用ゴムブッシュを示す正面図。 図8における左側面図。 図9におけるX−X断面図。 図8に示された軸箱支持装置用ゴムブッシュを構成する覆いカバーを軸方向内面視で示す単品図であって、(b)は(a)のXI−XI断面図。 図8に示された軸箱支持装置用ゴムブッシュの鉄道車両用台車への装着状態を示す説明図。
以下、本発明を適用した実施レベルの態様を例示的に示す実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜6には、本発明に従う構造とされた鉄道台車用ゴムブッシュである軸箱支持装置用ゴムブッシュの第一の実施形態として、軸はりの鉄道車両用台車への取付部分に装着される軸はり用ゴムブッシュ10が示されている。
本実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10は、全体として略円筒形のブッシュ構造とされており、内側部材としてのインナ部材12と、その外周に離れて配された外側部材としてのアウタ部材14とを備えており、更に、これらインナ部材12とアウタ部材14とが、ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。なお、以下の説明において、軸方向とはゴムブッシュ10やインナ部材12の中心軸方向をいい、軸直角方向とはゴムブッシュ10やインナ部材12の中心軸に直交する方向をいう。
より詳細には、インナ部材12は、鉄やアルミニウム合金などの金属で形成された高剛性の部材であって、中空又は中実で直線的に延びるロッド形状を有している。なお、本実施形態では、軸方向に貫通する中心孔18が設けられた中空の略円筒形状とされている。
インナ部材12の軸方向の中央部分は、一定の円筒形状で延びる中央ロッド部20とされている。中央ロッド部20の軸方向両端部には、外周に向かってフランジ状に突出する一対のインナ鍔状部22,22が、一体形成されている。
なお、インナ鍔状部22は、軸方向外面が軸直角方向に広がる平坦面とされている一方、軸方向内面が中央ロッド部20の円筒外周面から軸方向外方に向かって次第に傾斜角度が大きくなるように滑らかに立ち上がる傾斜面とされている。これにより、インナ鍔状部22の内周部分では、軸方向厚さ寸法が外周に向かって次第に小さく変化している。
また、インナ部材12の軸方向の両端部分は、略多角形の外周面形状をもって軸方向外方に突出するインナ軸端部24,24とされている。インナ軸端部24,24には、取付用の貫通孔26,26が軸直角方向に貫通して形成されている。
一方、前述のアウタ部材14は、一対のアウタ分割体28,28によって構成されている。各アウタ分割体28は、半周に満たない長さ(本実施形態では略1/4周程度)で周方向に延びる円弧状の湾曲板形状の中央板状部30を有している。また、中央板状部30の軸方向両端部には、外周側へ折り曲げられたように軸方向外方に向かって拡径するアウタ鍔状部32が一体形成されている。なお、本実施形態のアウタ部材14を構成するアウタ分割体28は、例えば金属板のプレス加工などによって製造することができる。
そして、一対のアウタ分割体28,28は、インナ部材12の中央ロッド部20の外周側に離隔して、インナ部材12を軸直角方向一方向で挟んで、対向位置して配設されている。かかる配設状態下、インナ部材12の中央ロッド部20とアウタ分割体28,28の中央板状部30,30とが略一定の対向面間距離をもって軸直角方向で対向していると共に、インナ部材12のインナ鍔状部22とアウタ分割体28,28のアウタ鍔状部32,32とが略一定の対向面間距離をもって軸傾斜方向で対向している。尤も、インナ部材12やアウタ分割体28,28、ゴム弾性体16における形状や寸法などは要求特性に応じて適宜に設定されるものであって限定されない。例えばインナ鍔状部22とアウタ鍔状部32との対向面間ひいては後述する鍔状ゴム部36の厚さを先細形状としたり、当該鍔状ゴム部36の傾斜角度を変更設定したり、アウタ分割体28の周方向長さを変更設定したり、アウタ分割体28やゴム弾性体16の軸方向長さを変更設定したりすることで、要求特性などに適宜に対応し得る。
さらに、前述のゴム弾性体16は、全体として厚肉の略円筒形状を有している。軸方向の中央部分は、ストレートな円筒形状を有する中央筒状部34とされている。軸方向の両側部分は、中央筒状部34の軸方向両側から外周側に向かって広がる鍔状ゴム部36,36とされている。中央筒状部34と一対の鍔状ゴム部36,36は、略一定の厚さ寸法で連続している。なお、前述のように、鍔状ゴム部36の厚さ寸法や傾斜角度などは適宜に設計変更可能であり、また、中央筒状部34と鍔状ゴム部36とを、別部材とすることも可能であり、例えば中央筒状部34と鍔状ゴム部36とを異なる材質設定することもできる。なお、インナ部材12やアウタ部材14において、インナ鍔状部22やアウタ鍔状部32を別部材として組み付けることも可能である。
そして、インナ部材12の中央ロッド部20の外周面上に中央筒状部34が配されていると共に、インナ部材12のインナ鍔状部22,22の軸方向内面上に鍔状ゴム部36,36が配されている。即ち、インナ部材12の中央ロッド部20の外周面からインナ鍔状部22,22の軸方向内面に亘って連続して略全面を密着して覆うように、ゴム弾性体16がインナ部材12の外周面に固着されている。なお、ゴム弾性体16の内周面を覆うインナ部材12は、全面が連続している必要はなく、例えば前述のようにゴム弾性体16の中央筒状部34と鍔状ゴム部36とが別部材とされる場合には、インナ部材12への固着面が離れていても良いし、例えばゴム弾性体においてばね特性の調節等の目的で部分的に空洞部分(すぐり部など)を設ける場合には、インナ部材12によって覆われていない内周面がゴム弾性体16に存在していても良い。
また、ゴム弾性体16の外周面には、径方向一方向(図3,4中の上下方向)で対向位置する部分において、一対のアウタ分割体28,28が重ね合わされている。各アウタ分割体28は、中央筒状部34の外周面に中央板状部30が重ね合わされていると共に、鍔状ゴム部36,36の軸方向内面上にアウタ鍔状部32,32が重ね合わされている。即ち、ゴム弾性体16の外周面を、径方向一方向で対向位置する部分でそれぞれ密着して覆うように、一対のアウタ分割体28,28がゴム弾性体16の外周面に固着されている。
なお、一対のアウタ分割体28,28の対向配置方向に直交する径方向(図4中の左右方向及び図5中の上下方向)の両側部分では、ゴム弾性体16の外周面がアウタ部材14で覆われずに露出されている。そして、ゴム弾性体16の中央筒状部34における露出部分には、インナ部材12の周方向に湾曲した略矩形台地状をもって、所定高さで径方向外方に向かって突出する緩衝突部38が一体形成されている。また、一方のアウタ分割体28の略中央には、ゴム弾性体16にまで達する位置決め用の穴40が形成されている。
また、ゴム弾性体16の軸方向両端部に設けられた鍔状ゴム部36は、軸方向外方に向かって僅かに傾斜した拡径形状とされている。また、この鍔状ゴム部36の外周面は、インナ部材12やアウタ部材14で覆われることなく全周に亘って露出された外周露出面44とされている。即ち、ゴム弾性体16の軸方向両端部には、それぞれ径方向外方に向かって露出された端部露出面としての外周露出面44,44が形成されている。
なお、本実施形態では、鍔状ゴム部36の外周露出面44が、外周面に開口する湾曲した凹形(略円弧形)からなる略一定の断面形状をもって周方向の全周に亘って延びる溝状とされている。これにより、インナ鍔状部22やアウタ鍔状部32で表面の変形が拘束される鍔状ゴム部36において自由表面の面積確保が図られており、また、外力作用時の外周露出面44における引張応力の軽減と、それに基づく耐久性能や耐荷重性能の向上なども図られている。
上述のように、本実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10は、インナ部材12とアウタ部材14とが、ゴム弾性体16によって弾性的に連結されることによって構成されたブッシュ本体46を有している。かくの如きブッシュ本体46は、例えばゴム弾性体16の加硫成形に際してインナ部材12とアウタ部材14が加硫接着された一体加硫成形品として構成され得る。
さらに、かかるブッシュ本体46には、別部材として別途に準備された覆い部としての覆いリング48,48が装着されている。
かかる覆いリング48は、図6(a),(b)に示されているように、全体として円形のリング形状とされている。覆いリング48の外周側の形状は、特に限定されるものでないが、例えば図示のようにシンプルな円筒形状とされる。覆いリング48の内周側の形状は、ブッシュ本体46に形成された外周露出面44の形状に略対応して内周側に向かって凸となる略円弧形の断面形状とされている。
なお、本実施形態では、ブッシュ本体46の外周露出面44が全周に亘って略一定の断面形状とされていることに対応して、覆いリング48の断面形状も全周に亘って略一定とされている。
また、覆いリング48は、難燃性を有するゴム弾性体やシリコーンなどの弾性材(エラストマ)から形成されている。そして、単品状態において、覆いリング48の最小内径寸法は、ブッシュ本体46に形成された溝状の外周露出面44の軸方向両側壁部の外径寸法よりも小さくされている。
なお、覆いリング48において採用される弾性材は、要求される難燃性の程度や条件を考慮して、公知の難燃性弾性材が何れも採用可能である。好適には、例えばEN45545−2の欧州難燃規格などを満足する材料が採用される。また、覆いリング48は、ブッシュ本体46と別部材であり、その材質がゴム弾性体16の基本特性へ直接に影響するものでないし、ゴム弾性体16ほどに入力荷重による大きな変形が発生することも考え難い。それ故、例えば難燃処方を施したクロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)やエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などを採用することで覆いリング48の材質で要求される難燃性を達成する他、例えば覆いリング48の表面に難燃性のコーティング層を設けることで、要求される難燃性を達成することなども可能である。
弾性を有する覆いリング48は、覆いリング48を弾性により拡径変形させた状態でブッシュ本体46の外周露出面44へ組み付けることで、外周露出面44の溝状内へ、覆いリング48の内周部分が入り込み、軸方向への抜け出しが防止された状態で組み付けられ得るようになっている。
特に本実施形態では、溝状の外周露出面44の軸方向両側壁部を構成するインナ鍔状部22とアウタ鍔状部32の各外径よりも、覆いリング48の径方向の中心点50が内周側に位置しており、覆いリング48が外周露出面44の溝状部内に深く入り込んでいる。また、本実施形態では、図3に示される溝状の外周露出面44の断面において、インナ鍔状部22とアウタ鍔状部32の軸方向間での開口部から径方向内方に向かって溝深さ方向の半分以上にまで入り込んだ状態で、覆いリング48が組み付けられている。
なお、覆いリング48の内周面は、ゴム弾性体16における溝状の外周露出面44に対して全面に亘って接していても良いが、本実施形態では、図3に示されているように、溝状の外周露出面44の底部において、覆いリング48との間に隙間54が設定されている。図3の断面では、インナ鍔状部22とアウタ鍔状部32の軸方向間に位置する外周露出面44の開口部において、覆いリング48の軸方向両端部がインナ鍔状部22とアウタ鍔状部32へ当接されて、隙間54が消失されている。一方、図5の断面では、外周露出面44の軸方向内側において、アウタ部材14(アウタ分割体28,28)が固着されずに自由表面とされたゴム弾性体16の外周面(鍔状ゴム部36の軸方向内面)に対して、隙間54が開放されている。
溝状の外周露出面44の底部が、覆いリング48と非接触とされていることで、例えばゴム弾性体16の自由表面における変形自由度の向上や、変形時における摺接等に起因する磨耗や損傷の軽減、製造誤差による覆いリング48の装着状態のばらつきの軽減などが図られ得る。特に本実施形態では、外周露出面44の底部と覆いリング48との間の隙間54が、周方向の全周に亘って連続して設定されている。尤も、かかる隙間54は周方向で部分的に設定しても良いし、外周露出面44の全面に亘って覆いリング48との間に隙間54を設定しても良い。
また、覆いリング48の内周部分における軸方向厚さ寸法は、溝状の外周露出面44へ外周側から入り込むように小さくされているが、覆いリング48の外周部分における軸方向厚さ寸法は、外周露出面44における溝状開口部よりも大きくされている。これにより、覆いリング48がブッシュ本体46へ装着された際、外周露出面44の溝状開口部を全体に亘って覆いリング48が覆って、径方向外方からの目視によっても外周露出面44が殆ど見えないように覆蓋されている。
特に本実施形態では、覆いリング48の断面形状において、軸方向一方の面が傾斜したテーパ面52とされている。そして、装着状態下における覆いリング48の縮径方向への弾性に基づいて、かかるテーパ面52がインナ鍔状部22へ当接することで、軸方向他方の面がアウタ鍔状部32へ押し付けられている。これにより、覆いリング48の装着状態下、ブッシュ本体46の外周露出面44上に安定して軸方向で位置決めされるようになっている。
加えて、本実施形態では、覆いリング48の外周端において、軸方向外方に突出する係合部56が形成されている。そして、ブッシュ本体46への装着状態下、当該係合部56が、剛性材からなるインナ鍔状部22の外周面に対して、全周に亘って引っ掛かるように係合されている。これにより、覆いリング48の装着状態の安定性の更なる向上が図られると共に、軸方向外方からの目視によって、覆いリング48の装着の有無を容易に確認できるようになっている。なお、覆いリング48の装着の有無や装着状態について、目視確認を容易にするために、覆いリング48の彩度や色相を調節して見やすくすることも可能である。
上述の如き構造とされた本実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10は、鉄道車両用台車において台車枠に対して輪軸を結合する軸はり式軸箱支持装置に用いられることとなる。
具体的には、図7に軸はり式軸箱支持装置57がモデル的に例示されているように、台車枠58に対してコイルスプリング60により車両上下方向で可動に緩衝支持されて、輪軸62の車軸を回転可能に支持せしめる軸箱64には、車両前後方向に延びる軸はり66が一体的に設けられており、この軸はり66の先端の台車枠58への取付部分に対して、本実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10が装着されて、軸箱64を台車枠58に対して車両前後方向及び左右方向で緩衝支持せしめるようにされる。なお、軸はり66の先端には半割構造の筒状装着部が設けられており、軸はり用ゴムブッシュ10のアウタ部材14に対して、当該筒状装着部が外嵌されて締付固定されることによって、軸はり用ゴムブッシュ10の中心軸が車両の左右方向に延びる状態で装着される。一方、軸はり用ゴムブッシュ10のインナ部材12は、軸方向両端のインナ軸端部24,24が、台車枠58に設けられた支持孔へ挿通されて固定的に装着されることとなる。
かくの如き装着状態下、軸はり用ゴムブッシュ10は、台車枠58の下方に位置することとなる。そして、ブッシュ本体46のゴム弾性体16は、内周面がインナ部材12で覆われていると共に、外周面が、アウタ部材14や、該アウタ部材14に外嵌固定された軸はり66先端部の半割構造の筒状装着部によって覆われている。尤も、ブッシュ本体46におけるゴム弾性体16の外周露出面44,44は、アウタ部材14や軸はり66の筒状装着部によって覆われることなく外周面に露出している。かかる外周露出面44,44は、鉄道車両の走行状態で、路面と直接に対向する状態とされる。
ここにおいて、本実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10では、ブッシュ本体46の軸方向両側部分に装着された覆いリング48,48によって当該外周露出面44,44を覆われている。それ故、例えば外部火災によって道床や軌間等の下方や側方からの火炎が軸はり用ゴムブッシュ10へおよぼされた場合でも、ゴム弾性体16が火炎に直接に晒されることが防止され得る。
特に、覆いリング48は、ゴム弾性体16とは別部材とされて、ゴム弾性体16の耐火性能などを向上し得ることから、軸はり用ゴムブッシュ10に要求される耐火性能などを覆いリング48で向上させつつ、ゴム弾性体16の材質やばね特性などに関する設計自由度を大きく確保することができる。
しかも、前述の如き鉄道用車両台車(台車枠)58の軸箱支持装置57への装着状態において、ゴム弾性体16の内周面や外周面がインナ部材12やアウタ部材14及び軸はり66先端部の筒状装着部によって固定的に覆われていると共に、ゴム弾性体16の外周露出面44,44が覆いリング48,48によって非固定的に覆われている。そして、ゴム弾性体16は、全体として、端部露出面が何れの方向からも外部から直接に目視できない状態となっている。それ故、何れの方向からの火炎に対しても防御性能に優れており、難燃規格などの条件への対応も容易となる。
また、本実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10では、覆い部が全体として環状の弾性体で拡径変形が可能な覆いリング48が採用されており、覆いリング48を拡径させた状態で溝状の外周露出面44へ嵌め入れるように装着するようになっている。それ故、覆いリング48をブッシュ本体46へ位置決め装着するに際して、特別な固定部材や固定手段を必要とすることなく、装着の作業および構造が簡単である。
次に、図8〜10には、本発明に従う構造とされた軸箱支持装置用ゴムブッシュの第二の実施形態として、輪軸を台車枠に連結するモノリンクに装着されて、該モノリンクの輪軸側や台車枠側への取付部分に装着されるモノリンク用ゴムブッシュ70が示されている。
本実施形態のモノリンク用ゴムブッシュ70は、全体として略円筒形のブッシュ構造とされており、内側部材としてのインナ部材72と、その外周に離れて配された外側部材としてのアウタ部材74とを備えており、更に、これらインナ部材72とアウタ部材74とが、ゴム弾性体76によって弾性的に連結されている。
インナ部材72は、直線的に延びるロッド形状を有しており、軸方向の中央部分に位置する中央ロッド部80と、該中央ロッド部80の軸方向両端部から軸方向両側に向かって延びる一対のインナ軸端部82,82とを、一体的に有している。
インナ部材72の中央ロッド部80とインナ軸端部82は、何れも、二面幅の断面形状とされている。即ち、円形外周面のロッドを、軸直角方向で対向する一対の平行な面(二面)をもって部分的にカットして面取りした如き外周形状の中実ロッド形状とされている。
なお、中央ロッド部80と軸方向両側のインナ軸端部82,82は、互いに、各二面幅方向が同じ軸直角方向に向けられている。また、各インナ軸端部82には、面取りされた平面の略中央に位置して軸直角方向に貫通する貫通孔84が形成されている。
また、中央ロッド部80に対して各インナ軸端部82は、二面幅寸法(二面幅が対向する径方向外寸)と面取りされていない円弧部直径との何れもが、略一定寸法だけ小さくされている。これにより、中央ロッド部80の軸方向両端には、インナ軸端部82との間に位置して、全周に亘って延びる異形環状の段差86が形成されている。
一方、アウタ部材74は、円筒形状の金属スリーブによって構成されている。アウタ部材74は、全体として略一定の厚さ寸法とされており、アウタ部材74の軸方向長さは、インナ部材72の中央ロッド部80よりも軸方向両側で短くされている。
そして、インナ部材72の中央ロッド部80とアウタ部材74との軸直角方向の対向面間に、ゴム弾性体76が配されている。かかるゴム弾性体76は、内周面において中央ロッド部80の外周面に密着状態で固着されていると共に、外周面においてアウタ部材74の内周面に密着状態で固着されている。
なお、ゴム弾性体76は、全体として略厚肉筒形状とされており、軸直角方向の厚さ寸法が周方向で異ならされている。即ち、インナ部材72の円弧状外周面88,88の面上では周方向で略一定の厚さ寸法とされているが、それに直交する二面幅外周面90,90の面上では厚さ寸法が大きく且つ周方向で変化せしめられている。
また、ゴム弾性体76の軸方向両端面は、端部露出面としての軸方向露出面92,92とされている。これら軸方向露出面92,92は、インナ部材72やアウタ部材74で変形拘束されない自由表面とされている。特に本実施形態では、軸方向露出面92が、軸方向内方に向かって湾曲した凹形円弧状の底面をもって周方向に延びる溝形状とされている。
上述のように、本実施形態のモノリンク用ゴムブッシュ70は、インナ部材72とアウタ部材74とが、ゴム弾性体16によって弾性的に連結されることによって構成されたブッシュ本体93を有している。かくの如きブッシュ本体93は、例えばゴム弾性体76の加硫成形に際してインナ部材72とアウタ部材74が加硫接着された一体加硫成形品として構成され得る。
さらに、かかるブッシュ本体46には、別部材として別途に準備された覆い部としての覆いカバー94,94が装着されている。
かかる覆いカバー94は、図11に示されているように、略L字状断面をもって周方向に延びる薄肉の環状とされている。そして、覆いカバー94は、第一の実施形態における覆いリング48と同様に、難燃性を有するゴム弾性体やシリコーンなどの弾性材(エラストマ)から形成されている。
かかる覆いカバー94において径方向に広がる環状板部96は、ゴム弾性体76の軸方向端面に略対応した平面形状を有している。また、覆いカバー94において、軸方向に広がる円筒状部98は、環状板部96の外周縁部から軸方向内方に向かって突出して一体形成されている。円筒状部98の軸方向長さは、インナ部材72の中央ロッド部80の軸方向端部からアウタ部材74の軸方向端部に至る軸方向長さ(即ち、中央ロッド部80とアウタ部材74との軸方向寸法差の1/2)に略等しくされている。
さらに、覆いカバー94には、インナ部材72の中央ロッド部80の外周面に略対応した形状とされた環状板部96の内周端において、環状の固定枠体100が固着されている。かかる固定枠体100は、金属などの硬質材で形成されており、固定枠体100の中心孔102の内周面は、インナ部材72のインナ軸端部82の外周面に略対応した形状とされている。
そして、固定枠体100が、インナ部材72の軸端部82に外嵌されて、段差86に当接した位置決め状態で圧入や接着などでインナ部材72へ固着されることにより、覆いカバー94が、ブッシュ本体93に対して固定的に組み付けられている。
なお、覆いカバー94は、ゴム弾性体76やアウタ部材74に対して非接触であっても良いが、荷重入力時に当接したり、当初からのブッシュ単品状態で接触していても良い。特に覆いカバー94は、弾性材で形成されており、本実施形態では薄肉とされて変形が容易に許容されることから、覆いカバー94がゴム弾性体76やアウタ部材74に接触することについて、モノリンク用ゴムブッシュ70の動的特性などに殆ど悪影響はない。
特に、本実施形態の覆いカバー94は、略L字状の断面形状とされており、軸方向外方に向かって開口する凹溝状の断面形状をもって形成されたゴム弾性体76の軸方向露出面92に対して、軸方向で充分な隙間103をもって対向する状態で組み付けられている。
上述の如き構造とされた本実施形態のモノリンク用ゴムブッシュ70は、鉄道車両用台車において台車枠に対して輪軸を連結するモノリンク式軸箱支持装置に用いられることとなる。
一般的にモノリンク式軸箱支持装置104は、図12にモデル的に例示されているように、台車枠106に対してコイルスプリングにより車両上下方向で可動に緩衝支持されて、輪軸の車軸を回転可能に支持せしめる軸箱108を備えており、当該軸箱108と台車枠106とが、車両前後方向に延びるモノリンク110によって連結されている。そして、モノリンク110の軸方向両端における軸箱108と台車枠106の各取付部分に、それぞれ、モノリンク用ゴムブッシュ70が装着されており、モノリンク110の軸方向両端が、軸箱108と台車枠106に対して緩衝的に連結されている。
より具体的には、モノリンク110の軸方向端部には、車両左右方向に貫通するアームアイ(装着孔)が形成されており、このアームアイに対してモノリンク用ゴムブッシュ70のアウタ部材74が圧入固定されて取り付けられる。一方、モノリンク用ゴムブッシュ70のインナ部材72は、インナ軸端部82,82に形成された貫通孔84,84に挿通されるボルト等の固定具112によって、軸箱108や台車枠106に固定されて取り付けられる。
かくの如き装着状態下、モノリンク用ゴムブッシュ70は、台車枠106の下方に位置せしめられ、ゴム弾性体76においてインナ部材72やアウタ部材74で覆われていない軸方向露出面92,92が、覆われることなく車両の左右方向に向けて外部に露出した状態とされる。
ここにおいて、本実施形態のモノリンク用ゴムブッシュ70では、ブッシュ本体93の軸方向両側部分に装着された覆いカバー94,94によって当該軸方向露出面92,92を覆われている。それ故、第一の実施形態の軸はり用ゴムブッシュと同様に、例えば外部火災などによる火炎がモノリンク用ゴムブッシュ70へおよぼされた場合でも、ゴム弾性体76が火炎に直接に晒されることが防止され得る。その他、第一の実施形態と同様な技術的効果が何れも有効に発揮され得る。
以上、本発明の実施形態について具体的に例示しつつ説明してきたが、本発明は上述の具体的な記載によって限定的に解釈されるものでない。例えば、覆い部のうち、特に高温に晒されるおそれがある部分をエラストマより耐熱性の高い金属によって形成することも可能である。具体的には、第二の実施形態のモノリンク用ゴムブッシュ70において、環状板部96と円筒状部98の一方を金属で形成したり、環状板部96や円筒状部98について部分的に金属で形成することも可能である。
また、第一の実施形態の軸はり用ゴムブッシュ10において、溝状の外周露出面44に入り込む覆いリング48の内周部分は、ブッシュ本体46に対する覆いリング48の位置決め作用が得られる程度に、周方向で部分的に形成することも可能である。
また、本発明において採用される覆い部は、鉄道用車両台車における軸箱支持装置用ゴムブッシュとして要求される耐熱性や耐火炎性などを達成するものであれば良く、要求の程度に応じて、形状や材質などを適宜変更することができる。
例えば、ブッシュ本体46,93において、鉄道車両用台車への装着状態で外部へ露出される端部露出面を、覆い部は必ずしも全面に亘って覆う必要はないし、想定される火炎の方向などを考慮して端部露出面のうちで覆い部により覆う面を特定して設定することも可能である。また、想定される振動入力条件下で他部材への干渉や当接が生じなかったり、問題にならない等の状況であれば、覆い部の全体を硬質材で形成することも可能である。また、前記第二の実施形態では、覆い部が内側部材によって支持されていたが、外側部材によって支持させたり、軸はりやモノリンクなどによって支持させることも可能であるし、装着状態へ保持可能であれば他の部材によって支持させる必要もない。
また、前記実施形態では、モノリンク式軸箱支持装置および軸はり式軸箱支持装置に用いられる鉄道台車用ゴムブッシュへ本発明を適用した一例を示したが、本発明の適用対象はこれらに限定されるものでない。例えば、ボルスタレス台車の牽引装置に用いられるゴムブッシュや、ボルスタ付台車におけるボルスタアンカのボルスタや台車枠への連結部分に装着されるゴムブッシュ、或いは各種方式の軸箱支持装置に用いられるゴムブッシュなどにも本発明は適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10 軸はり用ゴムブッシュ
12 インナ部材(内側部材)
14 アウタ部材(外側部材)
16 ゴム弾性体
18 中心孔
20 中央ロッド部
22 インナ鍔状部
24 インナ軸端部
26 貫通孔
28 アウタ分割体
30 中央板状部
32 アウタ鍔状部
34 中央筒状部
36 鍔状ゴム部
38 緩衝突部
40 穴
44 外周露出面(端部露出面)
46 ブッシュ本体
48 覆いリング(覆い部)
50 径方向の中心点
52 テーパ面
54 隙間
56 係合部
57 軸はり式軸箱支持装置
58 台車枠
60 コイルスプリング
62 輪軸
64 軸箱
66 軸はり
70 モノリンク用ゴムブッシュ
72 インナ部材(内側部材)
74 アウタ部材(外側部材)
76 ゴム弾性体
80 中央ロッド部
82 インナ軸端部
84 貫通孔
86 段差
88 円弧状外周面
90 二面幅外周面
92 軸方向露出面(端部露出面)
93 ブッシュ本体
94 覆いカバー(覆い部)
96 環状板部
98 円筒状部
100 固定枠体
102 中心孔
103 隙間
104 モノリンク式軸箱支持装置
106 台車枠
108 軸箱
110 モノリンク
112 固定具

Claims (8)

  1. 軸状の内側部材と該内側部材の外周側に離隔して配された外側部材とがゴム弾性体で連結されており、鉄道用車両の台車に用いられるゴムブッシュであって、
    前記ゴム弾性体の軸方向端部において、前記内側部材と前記外側部材の各軸方向端部間で該ゴム弾性体が外部に露出される端部露出面を外方から覆う覆い部が、該ゴム弾性体とは別部材によって設けられている鉄道台車用ゴムブッシュ。
  2. 前記ゴム弾性体の軸方向端部には大径とされた鍔状ゴム部が設けられており、該鍔状ゴム部が前記内側部材と前記外側部材の各軸方向端部間で軸方向で挟まれていると共に、該鍔状ゴム部の外周面が前記端部露出面とされて前記覆い部によって覆われている請求項1に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
  3. 前記ゴム弾性体の軸方向端部が、前記内側部材と前記外側部材の各軸方向端部間で軸方向外方に向かって露出する軸方向露出面を有しており、該軸方向露出面が前記端部露出面とされて前記覆い部によって覆われている請求項1に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
  4. 前記ゴム弾性体の前記端部露出面と前記覆い部との間には隙間が設けられている請求項1〜3の何れか一項に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
  5. 前記ゴム弾性体の前記端部露出面に対して、前記覆い部が少なくとも一部において接触している請求項1〜4の何れか一項に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
  6. 前記覆い部が、少なくとも一部をエラストマによって形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
  7. 前記覆い部が、前記エラストマの弾性を利用して、前記ゴム弾性体の前記端部露出面を外方から覆う位置へ位置決めされている請求項6に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
  8. 前記鉄道用車両の台車への装着状態において、前記ゴム弾性体の前記端部露出面が何れの方向からも外部から直接に目視できない状態で前記覆い部によって覆われている請求項1〜7の何れか一項に記載の鉄道台車用ゴムブッシュ。
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