JP2021179636A - 光学デバイス、および光学デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
領域と、第2低屈折率領域と、第1高屈折率部と同一の材料からなり、第2サブ波長格子を構成し、第1方向に延びる複数の第2高屈折率部と、第2高屈折率部よりも低い屈折率を有し、第1方向に延びる複数の第2低屈折率部とが、第2方向に交互に配置された第2格子領域と、第3低屈折率領域とがこの順で設けられた構成であり、第1低屈折率領域、第2低屈折率領域および第3低屈折率領域の屈折率は、第1格子領域の平均屈折率および第2格子領域の平均屈折率よりも低く、第1サブ波長格子の格子周期と第2サブ波長格子の格子周期とは、相互に等しく、第1格子領域における複数の第1高屈折率部の体積比率と、第2格子領域における複数の第2高屈折率部の体積比率とは同一であり、共鳴構造部の一方面側から見て、第1高屈折率部と第2低屈折率部とが重なり、かつ、第2高屈折率部と第1低屈折率部とが重なる。
図1〜図3を参照して、第1実施形態における光学デバイスの構成について説明する。光学デバイスは、光学デバイスに入射した光のなかから特定の波長域の光を反射、もしくは、透過することにより取り出す機能を有する。光学デバイスの選択対象の波長域は特に限定されないが、例えば、光学デバイスは、人間の肉眼で視認可能な光、すなわち、可視領域の光のなかから特定の波長域の光を取り出す。以下において、可視領域の光の波長は、400nm以上800nm以下としている。
図1を参照して、第1実施形態の光学デバイスの構成について説明する。図1は、第1実施形態における光学デバイスの断面構造と格子領域の平面構造とを示す図である。図1に示すように、光学デバイス10は、基材11と、第1低屈折率領域12と、第1格子領域13と、第2低屈折率領域14と、第2格子領域15と、第3低屈折率領域16と、反射防止部112とを備えている。第1低屈折率領域12、第1格子領域13、第2低屈折率領域14、第2格子領域15、および、第3低屈折率領域16の各々は、層状に広がっており、基材11に近い位置からこの順に並んでいる。基材11に対する第3低屈折率領域16の側が光学デバイス10の表面側であり、第3低屈折率領域16に対する基材11の側が、光学デバイス10の裏面側である。また、第3低屈折率領域16の第2格子領域15と反対側の表面(最表面)には、複数の突起状構造体111が配列されており、突起状構造体111からなる反射防止部112が形成されている。図1においては、光学デバイス10の断面構造を示すとともに、第1格子領域13の平面構造と第2格子領域15の平面構造とを、これらの領域を一部破断させて示している。以下では、第1低屈折率領域12、第1格子領域13、第2低屈折率領域14、第2格子領域15、および、第3低屈折率領域16からなる構造体のことを共鳴構造部18と表現する。
基材11は板状を有し、基材11の有する面のうち、光学デバイス10の表面側に位置する面が基材11の表面である。光学デバイス10の選択対象が可視領域の光である場合には、基材11としては、例えば、合成石英基板や、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂からなるフィルムが用いられる。
共鳴構造部18は、第1低屈折率領域12と、第1格子領域13と、第2低屈折率領域14と、第2格子領域15と、第3低屈折率領域16とを有する。
期P1と第2周期P2とは一致している。
共鳴構造部18の少なくとも一方の表面には反射防止部112が形成されている。反射防止部112の構成の一例として、複数の突起状構造体111からなる構成が挙げられる。図2は、突起状構造体の断面形状の例を表す図である。図2(a)〜(c)に示すように、突起状構造体111は第3方向に対する屈折率を段階的に変化させる構造であれば何れでもよく、突起状構造体111の縦断面形状は、釣鐘状、円錐状、逆漏斗状でもよいし、その他の形状であってもよい。このような形状とすることで、空気層と共鳴構造部18との界面での反射を効果的に抑制できる。また、図2(d)のように、突起状構造体111の大きさや高さに変化をつけたり、非周期的に配列したりするといったように、不規則に設計することが好ましい。これにより、様々な波長域を含む入射光の反射を効果的に抑制することができる。
光学デバイス10の表面側から光学デバイス10に光が入射すると、第2格子領域15がサブ波長格子を有すること、および、第2格子領域15が、第2格子領域15の屈折率よりも低い屈折率を有する第2低屈折率領域14と第3低屈折率領域16とに挟まれていることから、第2格子領域15では、表面側への回折光の射出が抑えられ、導波モード共鳴現象が発生する。すなわち、特定の波長域の光が第2格子領域15において多重反射しつつ伝播して共鳴を起こし、この特定の波長域の光が、光学デバイス10の表面側に反射光として射出される。第2格子領域15で共鳴を起こす光の波長域は、第2格子領域15における幅Dh2、第2周期P2、および、厚さT2によって決まる。
15にて多重反射することは起こりにくく、上記特定の波長域の光の一部は、第2格子領域15内での反射ごとに、第2低屈折率領域14に漏れ出る。この漏れ出た光は、第2低屈折率領域14を透過して、第1格子領域13に入る。また、上記特定の波長域以外の波長域の光は、第2格子領域15で多重反射せずに、第2低屈折率領域14を透過して、第1格子領域13に入る。
図4〜図6を参照して、上述した光学デバイス10の製造方法について説明する。図4は、第1実施形態における凹凸構造体の形成工程を示す図である。図4に示すように、まず、基材11の表面に、低屈折率材料からなる層を形成し、この層の表面に凹凸構造を形成することによって、凹凸構造体20を形成する。凹凸構造体20は、基材11上に沿って広がる平坦部20aと、平坦部20aから突き出た複数の凸部20bと、凸部20b間に位置する部分である複数の凹部20cとを有する。複数の凸部20bは、第2方向にサブ波長周期で等間隔に配置され、第1方向に帯状に延びる。
、第1低屈折率領域12である。高屈折率層21の第1層状部21aと、凹凸構造体20の凸部20bのなかで第1層状部21aに第2方向において隣接する部分とから構成される領域が、第1格子領域13である。第1層状部21aが第1高屈折率部13aであり、凸部20bのなかで第1層状部21aに第2方向において隣接する部分が第1低屈折率部13bである。凹凸構造体20の凸部20bのなかで第1層状部21aよりも光学デバイス10の表面側に位置する部分と、埋め込み層22の凸部22bのなかで凹凸構造体20の凸部20bに第2方向において隣接する部分とから構成される領域が、第2低屈折率領域14である。
きくなるが、第1格子領域13および第2格子領域15の各々の屈折率よりは十分に小さい。したがって、本構成においても、第1格子領域13および第2格子領域15の各々が、これらの領域よりも屈折率の低い領域に挟まれた、導波モード共鳴現象に適した構造が実現される。
上述の製造方法において、紫外線硬化性樹脂に代えて熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いて、ナノインプリント法により凹凸構造体20を形成してもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合、紫外線の照射を加熱に変更すればよく、熱可塑性樹脂を用いる場合、紫外線の照射を加熱および冷却に変更すればよい。
上述した光学デバイス10の具体的な適用例について説明する。
光学デバイス10の第1の適用例は、光学デバイス10を波長選択フィルタに用いる形態である。図10は、第1実施形態の光学デバイスの第1の適用例である波長選択フィルタの作用を示す図である。図10に示すように、波長選択フィルタ50は、複数の波長の光を含む入射光I1を受けたとき、特定の波長域の光I2を反射し、この特定の波長域の光を除く波長域の光I3を透過する。波長選択フィルタ50には光学デバイス10の構成が適用されており、例えば光学デバイス10の表面側から光が入射するように配置されている。光I2および光I3の波長域は、上述のように、第1格子領域13および第2格子領域15が有するサブ波長格子の周期の設定によって調整可能である。
光学デバイス10の第2の適用例は、光学デバイス10を表示体に用いる形態である。表示体は、物品の偽造の困難性を高める目的で用いられてもよいし、物品の意匠性を高める目的で用いられてもよいし、これらの目的を兼ねて用いられてもよい。物品の偽造の困難性を高める目的としては、表示体は、例えば、パスポートや免許証等の認証書類、商品券や小切手等の有価証券類、クレジットカードやキャッシュカード等のカード類、紙幣等に貼り付けられる。また、物品の意匠性を高める目的としては、表示体は、例えば、身に着けられる装飾品や、使用者に携帯される物品、家具や家電等のように据え置かれる物品、壁や扉等の構造物等に取り付けられる。
となるように、すなわち、表示体60の表面60Fと平行な方向にサブ波長格子が並ぶように配置されている。例えば、これらの画素62A、62Bおよび62Cは光学デバイス10の表面側が表示体60の表面60F側となる向きに配置されている。
裏面60R側から表示体60を見たときとで、第2表示領域61Bに視認される色の色相も異なり、第3表示領域61Cに視認される色の色相も異なる。
光学デバイス10の第3の適用例は、光学デバイス10をカラーフィルタに用いる形態である。図13は、第1実施形態の光学デバイスの第3の適用例であるカラーフィルタの平面構造を示す図である。図13に示すように、カラーフィルタ70は、マトリックス状に並ぶ複数の画素71を備え、各画素71は、赤色用副画素71Rと、緑色用副画素71Gと、青色用副画素71Bとの3つの副画素から構成されている。
ラーフィルタ70に照射される光の強度は、副画素ごとに、液晶装置等によって変更可能に構成されている。
光、導波モード共鳴現象により発生した特定波長域の光は、空気層と共鳴構造部の界面での反射が抑制される。そのため、導波モード共鳴現象により得られた特定波長の光のみを効率的に得ることが可能となる。
図15〜図18を参照して、第2実施形態における光学デバイスの構成について説明する。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図15および図16を参照して、第2実施形態の光学デバイスの構成について説明する。図15および図16は、第2実施形態における光学デバイスの断面構造の一例を示す断面図である。図15に示すように、第2実施形態の光学デバイス30は、第1実施形態にて説明した、第1低屈折率領域12、第1格子領域13、第2低屈折率領域14、第2格子領域15、および、第3低屈折率領域16からなる構造体である共鳴構造部18を、第3方向に2つ備えている。
2つの共鳴構造部18A、18Bが同一の構造周期Pkを有する構成では、光学デバイス30が有する4つの格子領域13、15のすべてにおいて、共鳴を起こす光の波長域は一致する。したがって、光学デバイス30の表面側から光学デバイス30に光が入射したとき、上層の格子領域にて多重反射する特定の波長域の光のうち、多重反射の過程でこの格子領域から漏れ出た光は、その下層の格子領域に入って多重反射し、こうした現象が、格子領域の数だけ繰り返される。その結果、4つの格子領域13、15の各々で強められた特定の波長域の反射光が光学デバイス30の表面側に射出される。そのため、第1実施形態の光学デバイス10と比較して、光学デバイス30から反射光として射出される上記特定の波長域の光の強度はより大きくなり、反射光の波長選択性をより高めることができる。
第2実施形態の光学デバイス30の構成は、第1実施形態で示した適用例と同様に、波長選択フィルタ50に適用されてもよいし、表示体60が備える表示要素に適用されてもよいし、カラーフィルタ70が備える副画素に適用されてもよい。
れた場合、波長選択フィルタ50においては、反射光の波長選択性をより高めることができる。また、表示体60においては、表面反射観察にて各表示領域61A、61B、61Cに視認される色の鮮明さや明るさを高めることができることにより、像の視認性を高めることができる。また、カラーフィルタ70においては、各副画素71R、71G、71Bにおける色の鮮明さや輝度を高めることができ、単色性の高い反射光を射出する各副画素71R、71B、71Gを備えた反射型のカラーフィルタ70を実現できる。
図17および図18を参照して、第2実施形態の光学デバイス30の製造方法について説明する。図17は、第2実施形態における凹凸構造体が向かい合った状態を示す図であり、図18は、第2実施形態における埋め込み層の形成工程を示す図である。なお、図17、図18では反射防止部112は省略して表記している。
ように、一方の基材11における他方の基材11側と反対側の面に突起状構造体111からなる反射防止部112を形成することができる。また、剥離処理を施した基材11の一方を剥離し、その上に突起状構造体111からなる反射防止部112を形成してもよい。
(9)光学デバイス30が、第3方向に並ぶ複数の共鳴構造部18を備える構成によれば、光学デバイス10が4つ以上の格子領域13、15を備えるため、光学デバイス30の波長選択性をさらに高めることや、反射光と透過光とに含まれる波長域の調整の自由度を高めることが可能である。
1の波長域の光と、第2共鳴構造部18Bの格子領域13、15にて強められた第2の波長域の光とを含む反射光が射出される。また、光学デバイス30への入射光に含まれる波長域のなかで、上記反射光として射出された第1の波長域および第2の波長域を除く波長域の光が透過光として光学デバイスから射出される。したがって、光学デバイス30にて、反射光の強度を高めつつ反射光に含まれる波長域を拡げること、および、透過光に含まれる波長域を狭めることが可能である。それゆえ、各共鳴構造部18A、18Bが有するサブ波長格子の格子周期の設定を通じて、反射光や透過光として観察される色相の調整の自由度を高めることができる。
図19および図20を参照して、第3実施形態の光学デバイスの構成について説明する。第3実施形態は、第2実施形態と比較して、2つの共鳴構造部におけるサブ波長格子の配列方向が異なる。以下では、第3実施形態と第2実施形態との相違点を中心に説明し、第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。なお、図19および図20は、第3実施形態に係る光学デバイス40の一部分を示す図であり、光学デバイス40の構造を理解しやすくするために、高屈折率材料から構成されている部分と、低屈折率材料から構成されている部分とに、互いに異なる濃度のドットを付して示している。また、図19では、突起状構造体111を表裏面両方に形成した場合を示しているが、当然、表面のみ、あるいは裏面のみの構成でもかまわない。図20では突起状構造体111は省略して示している。
図19は、第3実施形態における光学デバイスの斜視構造を示す斜視図である。図19に示すように、第3実施形態の光学デバイス40は、第2実施形態と同様に、第3方向に隣り合う2つの共鳴構造部18A、18Bを備えている。ただし、第3実施形態においては、第1共鳴構造部18Aの格子領域13、15が有する各要素部、すなわち、高屈折率部13a、15aおよび低屈折率部13b、15bの各々の延びる方向と、第2共鳴構造部18Bの格子領域13、15が有する各要素部の延びる方向とは互いに異なる。つまり、共鳴構造部18ごとに、各格子領域13、15での各要素部の並ぶ方向が異なっている。換言すれば、第1共鳴構造部18Aが有するサブ波長格子の配列方向と、第2共鳴構造部18Bが有するサブ波長格子の配列方向とが互いに異なっている。
第2共鳴構造部18Bの高屈折率部13a、15aおよび低屈折率部13b、15bは、第2方向に延び、かつ、第1方向に高屈折率部13aと低屈折率部13bとが交互に並び、高屈折率部15aと低屈折率部15bとが交互に並ぶ。すなわち、基材11の表面側から見て、第1共鳴構造部18Aが有する各要素部の延びる方向と、第2共鳴構造部18Bが有する各要素部の延びる方向とは直交している。換言すれば、基材11の表面側から見て、第1共鳴構造部18Aが有するサブ波長格子の配列方向と、第2共鳴構造部18Bが有するサブ波長格子の配列方向とのなす角は90°である。
サブ波長格子が、1つの方向に帯状に延びる高屈折率部13a、15aから構成されている場合、各格子領域13、15では、特定の方向へ偏光した光が多重反射して共鳴を起こし、反射光として射出される。上記特定の方向は、サブ波長格子の配列方向に依存する。第1共鳴構造部18Aと第2共鳴構造部18Bとでサブ波長格子の配列方向が異なっていることにより、第1共鳴構造部18Aの格子領域13、15と第2共鳴構造部18Bの格子領域13、15とでは、多重反射する光の偏光方向は互いに異なっている。したがって、第3実施形態の光学デバイス40によれば、様々な方向への偏光成分を含む入射光に対して、効率的に反射光が出射されるため、反射光の強度をより高めることができる。
第3実施形態の光学デバイス40は、第2実施形態と同様に、基材11と凹凸構造体20と高屈折率層21とからなる積層体である2つの積層体31を、高屈折率層21同士が向かい合うように対向させ、2つの積層体31の間の領域を低屈折率材料で埋めることによって形成される。ここで、第3実施形態では、一方の積層体31における高屈折率層21の延びる方向と、他方の積層体31における高屈折率層21の延びる方向とが直交するように、これらの積層体31を向かい合わせて低屈折率材料により接合する。
子のパターンが互いに異なる共鳴構造部18が含まれていてもよい。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
造部18においても、様々な方向への偏光成分を含む入射光に対して、効率的に反射光が出射されるため、反射光の強度をより高くすることができる。
上述した光学デバイスおよびその製造方法について、具体的な実施例を用いて説明する。
実施例1は、光学デバイスが適用された波長選択フィルタであって、緑帯域の波長の光を選択的に反射する波長選択フィルタである。
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、Crからなる膜をスパッタリング法により成膜し、電子線リソグラフィ法によってサブ波長格子パターンの電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。サブ波長格子パターンは、1つの方向に延びる帯状部分が等間隔で並ぶパターンである。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は150nmとした。電子線により描画したパターンは、一辺3cmの正方形領域内に、短辺の長さを180nm、長辺の長さを3cmとした長方形を、短辺方向に周期360nmで配置したパターンであり、電子線を描画した領域は上記長方形の内側領域である。次に、塩素と酸素との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジストおよびCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは200nmであった。残存したレジストおよびCr膜を除去し、離型剤としてオプツールHD−1100(ダイキン工業製)を塗布して、帯状部分が等間隔で並ぶサブ波長格子パターンが正方形領域内に形成されたモールドを得た。
量は50mJ/cm2とした。
実施例1の波長選択フィルタの反射分光測定を実施したところ、530nm程度に中心波長を有する反射スペクトルが観測された。
実施例2は、光学デバイスが画素に適用された表示体である。
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、Crからなる膜をスパッタリング法により成膜し、電子線リソグラフィ法によってサブ波長格子パターンを有する電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。サブ波長格子パターンは、1つの方向に延びる帯状部分が等間隔で並ぶパターンである。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は150nmとした。
かい合わせた。紫外線硬化性樹脂がサブ波長格子パターンの位置する領域内の全面に広がるようにローラーを用いて延ばし、365nmの紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化して埋め込み層を形成した。そして、剥離処理を施した基材を光硬化樹脂から剥離した後、光硬化性樹脂を滴下し、実施例1で作成したモールドを光硬化性樹脂に押し込み、固めることで反射防止部112を形成した。これにより、実施例2の表示体を得た。なお、365nmの紫外線の照射量は50mJ/cm2とした。
実施例2の表示体の反射分光測定を実施したところ周期360nmのサブ波長格子を有する画素は530nm程度に中心波長を有する反射スペクトルが観測され、周期396nmのサブ波長格子を有する画素は620nm程度に中心波長を有する反射スペクトルが観測された。
Claims (11)
- 入射光を透過する材料から構成される光学デバイスの製造方法であって、
第1低屈折率材料からなる層の表面に、第1方向に延び、前記第1方向と直交する第2方向にサブ波長周期で配置された複数の凸部と、前記第1方向に延び、前記第2方向に前記凸部と交互に配置され、かつ、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の幅が前記凸部の前記第1方向の長さおよび前記第2方向の幅と等しい複数の凹部とを有する凹凸構造体を形成する第1工程と、
前記第1低屈折率材料よりも高い屈折率を有する高屈折率材料を用いて、前記凹凸構造体の表面に、前記凸部の高さよりも小さい厚さを有する高屈折率層を形成する第2工程であって、前記高屈折率層として、前記凹部上に位置する第1サブ波長格子と、前記凸部上に位置して前記第1サブ波長格子と同一の格子周期を有する第2サブ波長格子とを含む層を形成する第2工程と、
前記凹凸構造体と前記高屈折率層とからなる積層体の表面に、前記高屈折率材料よりも低い屈折率を有する第2低屈折率材料からなる埋め込み層を形成することにより、前記積層体が有する凹凸を前記第2サブ波長格子上まで前記第2低屈折率材料で埋める第3工程と、
前記積層体と前記埋め込み層とからなる共鳴構造部の少なくとも一方面側に反射防止部を形成する第4工程と、
を含むことを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 前記第1工程では、前記第1低屈折率材料である樹脂からなる塗工層に第1の凹版を押し付け、前記第1低屈折率材料である樹脂を硬化させた後に前記第1の凹版を離型して前記第1の凹版の有する凹凸を前記第1低屈折率材料である樹脂に転写することにより、前記凹凸構造体を形成し、
前記第2工程では、前記高屈折率材料として無機化合物を含む材料を用いて、前記高屈折率層を形成し、
前記第3工程では、前記積層体の表面に、前記第2低屈折率材料である樹脂を塗工し、塗工した前記第2低屈折率材料である樹脂を硬化させることにより、前記埋め込み層を形成し、
前記第4工程では、前記共鳴構造部の少なくとも一方面側に、第2の凹版を押し付けて前記第2の凹版の有する凹凸を転写することにより、突起状構造体からなる前記反射防止部を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学デバイスの製造方法。 - 前記第4工程は、前記第3工程で前記埋め込み層を形成すると同時に行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学デバイスの製造方法。 - 入射光を透過する材料から構成された光学デバイスであって、
前記光学デバイスは、共鳴構造部と、前記共鳴構造部の少なくとも一方面側に形成された反射防止部とを備え、
前記共鳴構造部は、
第1低屈折率領域と、
第1サブ波長格子を構成し、第1方向に延びる複数の第1高屈折率部と、前記第1高屈折率部よりも低い屈折率を有し、前記第1方向に延びる複数の第1低屈折率部とが、前記第1方向と直交する第2方向に交互に配置された第1格子領域と、
第2低屈折率領域と、
前記第1高屈折率部と同一の材料からなり、第2サブ波長格子を構成し、前記第1方向に延びる複数の第2高屈折率部と、前記第2高屈折率部よりも低い屈折率を有し、前記第1方向に延びる複数の第2低屈折率部とが、前記第2方向に交互に配置された第2格子
領域と、
第3低屈折率領域とがこの順で設けられた構成であり、
前記第1低屈折率領域、前記第2低屈折率領域および前記第3低屈折率領域の屈折率は、前記第1格子領域の平均屈折率および前記第2格子領域の平均屈折率よりも低く、
前記第1サブ波長格子の格子周期と前記第2サブ波長格子の格子周期とは、相互に等しく、
前記第1格子領域における前記複数の第1高屈折率部の体積比率と、前記第2格子領域における前記複数の第2高屈折率部の体積比率とは同一であり、
前記共鳴構造部の一方面側から見て、
前記第1高屈折率部と前記第2低屈折率部とが重なり、かつ、前記第2高屈折率部と前記第1低屈折率部とが重なる、
ことを特徴とする光学デバイス。 - 前記反射防止部は突起状構造体からなり、
前記突起状構造体の縦断面形状が釣鐘状、円錐状、逆漏斗状のいずれかであることを特徴とする
請求項4に記載の光学デバイス。 - 前記突起状構造体の配列に周期性がないことを特徴とする請求項5に記載の光学デバイス。
- 前記突起状構造体の大きさが不均一であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学デバイス。
- 前記突起状構造体の周期が100nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光学デバイス。
- 前記突起状構造体の高さが100nm以上2000nm以下であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の光学デバイス。
- 前記突起状構造体のアスペクト比が1.0以上4.0以下であることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか一項に記載の光学デバイス。
- 前記共鳴構造部における各領域の配設方向に複数の前記共鳴構造部をさらに備え、
前記反射防止部は、前記複数の共鳴構造部のうちの少なくとも一方の最外方側の前記共鳴構造部の前記最外方側の面側に形成されることを特徴とする
請求項4乃至10のいずれか一項に記載の光学デバイス。
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