JP2016114769A - 表示体 - Google Patents

表示体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016114769A
JP2016114769A JP2014253158A JP2014253158A JP2016114769A JP 2016114769 A JP2016114769 A JP 2016114769A JP 2014253158 A JP2014253158 A JP 2014253158A JP 2014253158 A JP2014253158 A JP 2014253158A JP 2016114769 A JP2016114769 A JP 2016114769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light
region
waveguide
wavelength region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014253158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6596820B2 (ja
Inventor
雅史 川下
Masafumi Kawashita
雅史 川下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2014253158A priority Critical patent/JP6596820B2/ja
Priority to PCT/JP2015/006189 priority patent/WO2016098329A1/ja
Publication of JP2016114769A publication Critical patent/JP2016114769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6596820B2 publication Critical patent/JP6596820B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】黒色を含め、高い色コントラストを表現できる導波モード共鳴格子による表示体を提供する。【解決手段】表示体において、基材の表面側に、格子層と導波層と緩衝層とが順に積層されている。上記の基材の裏面側、もしくは上記の基材の表面と上記の緩衝層との間に、吸収層が形成されている。格子層は、回折格子構造により回折された光と、導波層を伝搬する光とが共鳴し、共鳴波長領域の光が反射される画素領域を有する。緩衝層は、少なくとも共鳴波長領域の光を透過する。吸収層は、少なくとも共鳴波長領域の光を吸収する。【選択図】図3

Description

本発明は、構造発色を利用した表示体に関する。
モルフォ蝶の鱗粉や玉虫の表皮に代表される構造発色は、色素や顔料等の分子の電子状態のエネルギー遷移に伴う発色ではなく、光の回折や干渉、散乱といった光学現象の作用による発色現象である。
例えば、自然界に存在する構造発色のうち、最も大きい分布を占める多層膜干渉は、積層体の各界面で発生する反射光が干渉することにより発生する構造発色であり、特定の波長域を選択的に透過、もしく反射する波長選択可能な光学素子に応用することができる。
但し、上記の多層膜干渉を利用した光学素子では、反射される光の波長は積層体各層の膜厚により限定されてしまうため、一枚の基材上に複数の色成分で構成される表示体を製造するためには、マスキングと多層膜成膜を色成分の数だけ繰り返さなくてはならず、製造工程としては非常に複雑になってしまう。
そこで、導波モード共鳴を利用した波長選択素子が特許文献1に開示されている。当該素子は、基材上に上記の基材よりも高い屈折率の材料で構成される導波層、格子層が順次形成された構成となっており、格子層に形成されたサブ波長格子構造の格子高さや構造周期、フィルファクタ(一周期における格子の体積占有率)、導波層の厚さを最適設計することにより、狭帯域に理論上100%の反射率を示すことが可能となる。
上記の特許文献1によれば、格子層の厚さが同一であっても格子構造によって異なる分光特性が得られるため、導波層の厚さを500nm以下とし、可視光波長領域の光に対して伝搬モードがシングルモードとなるように設計すると、例えばカラーフィルタのような三原色の波長選択素子を金型やマスクによる一括加工で形成できるとされている。
特開2009−25558号公報
しかしながら、例えば特許文献1記載の波長選択素子により光の三原色(RGB)のいずれかの光を反射する副画素を形成し、この副画素の組み合わせによりカラー画像を表現しようとする場合、各副画素ではRGBのいずれかの光が反射されてしまうため、黒色の表現が不可能となる。
更に、副画素が形成されていない領域では、表面は平坦であり、基材とは屈折率の異な薄膜が形成されていることになるため、層を構成する材料の屈折率と膜厚に応じた干渉による色が視認されてしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて、これを解決するために以下の表示体を提供するものである。
本発明の一態様に係る表示体は、基材の表面側に、格子層と導波層と緩衝層とが順に積層されている。上記の基材の裏面側、もしくは上記の基材の表面と上記の緩衝層との間に、吸収層が形成されている。上記の格子層は、回折格子構造により回折された光と、上記の導波層を伝搬する光とが共鳴し、共鳴波長領域の光が反射される画素領域を有する。上記の緩衝層は、少なくとも上記の共鳴波長領域の光を透過する。上記の吸収層は、少なくとも上記の共鳴波長領域の光を吸収する。
本発明の一態様によれば、表示体に、基材の裏面、もしくは基材の表面と導波モード共鳴格子の間に、共鳴波長領域の光を含む光を吸収する吸収層を設けることに加え、導波モード共鳴格子層に緩衝層を形成することで、主に導波モード共鳴格子層の薄膜干渉により観察される反射スペクトルにおける反射強度の波長依存性を抑制することができる。これにより、導波モード共鳴を利用して図柄表現する際に、黒色を含む高コントラストの図柄表現が可能になるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る表示体の切断部端面図である。 本発明の第2実施形態に係る表示体の切断部端面図である。 本発明の実施例に係る表示体の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いながら説明する。本発明は、対象とする波長領域を限定するものではないが、以下に示す実施の形態では、一例として、特に人間の肉眼で視認可能な可視光波長領域の光を対象とする。尚、本発明において、画素(ピクセル)は、印刷物等における最小の描画表現を行う単位(ドット)の意味を含むものとする。また、副画素(サブピクセル)は、例えばカラーフィルタ等におけるRGBの各領域のような、複数でひとつの画素を形成するもの(画素より細かい単色のドット等)を指すものとする。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る導波モード共鳴を利用した画素、又は副画素の断面概略図を示したものである。
図1(a)に示した表示体は、基材11の表面に導波層21が形成され、導波層21の表面に格子層31が形成され、格子層31の画素領域51に回折格子構造が形成され、更に基材11の裏面に可視光波長領域の光を吸収する材料で構成された吸収層41が形成されている。尚、第1実施形態においては、基材11と吸収層41は完全に接している必要は無く、基板裏面側に吸収層41が存在すれば良い。
可視光波長領域に対して、導波層21、及び格子層31が透過性を有し、導波層21が基材11よりも高い屈折率の材料で構成され、格子層31が導波層2と等しい、もしくは小さい屈折率の材料で構成されている場合、格子層31の画素領域51に形成された回折格子構造により回折された光と、導波層21をシングルモードで伝搬する光が共鳴し、表示体表面から反射光として取り出される。
このような材料特性を満たす導波層と格子層を併せた構造を、第1実施形態においては導波モード共鳴格子層と呼ぶこととする。上記の導波モード共鳴格子層による共鳴波長領域は、表面に形成された回折格子構造の構造周期と導波層膜厚によって決定される。
上記の導波モード共鳴格子層により、白色光を入射した場合、画素領域51においては共鳴波長領域の光が反射し、共鳴波長領域以外の光は基材11を透過し、吸収層41で吸収される。よって、反射した共鳴波長領域の色のみが人の肉眼で高コントラストに視認される。
更に、上記の吸収層41による可視光の吸収率を調整することにより、画素領域51の反射コントラストを調整することが可能となる。一方で、画素領域51を除く領域では、回折格子構造が存在しないため導波モード共鳴現象は生じず、入射光は格子層31、導波層21、基材11を透過し、吸収層41で吸収される。
可視光波長領域の光をシングルモードで伝搬させるためには、格子層は500nm以下であることが望ましいため、可視光波長領域に対して異なる屈折率を示す材料で構成される基材11と導波層21では、界面で反射される光による干渉現象が発生する。
また、格子層31が導波層21とは異なる材料で構成される場合も、上記と同様に干渉現象が生じる。
更に、基材11の厚さが十分に薄い場合は、吸収層41と可視光波長領域に対する屈折率が異なれば薄膜干渉現象が生じる。但し、基材11が少なくともμmオーダーの厚さであれば、基材11による干渉現象は無視できる。
以上により、画素領域51を除く領域では、白色光は吸収層41で吸収されるが、吸収層41到達の前に各層の界面で反射した光が薄膜、もしくは多層膜干渉現象を生じ、画素領域51を除く領域の表面において観測される反射スペクトルにおいて反射強度の波長依存性が大きくなる。その結果、人の肉眼で色が視認されてしまうため、高コントラストの黒色の表現が困難となる。
上記の干渉現象による色の視認を防止するために、例えば図1(b)や図1(c)に示すように導波層21の下層に、可視光波長領域の光を透過する緩衝層61、もしくは多層膜緩衝層71を形成し、上記の緩衝層61、もしくは上記の多層膜緩衝層71による干渉現象を付与する。これにより、画素領域51を除く領域の表面において観測される反射スペクトルを変化させ、結果として反射強度の波長依存性を小さくすることが可能となり、高コントラストの色彩表現が可能な表示体を得ることができる。
図1(b)に示すような、基材11と導波層21の間に緩衝層61を形成する場合、画素領域51にて導波モード共鳴条件を満足させるためには、緩衝層61を構成する材料(緩衝層61が傾斜膜のように組成が膜厚に対して変化する場合は、緩衝層61最表面を構成する材料)の可視光波長領域に対する屈折率は、導波層21を形成する材料の可視光波長領域に対する屈折率よりも小さい必要がある。
また、緩衝層61を構成する材料の可視光波長領域に対する屈折率が、基材11を構成する材料の可視光波長領域に対する屈折率よりも高い場合、画素領域51を除く領域において、観測される反射スペクトルの反射強度の波長依存性を小さくすることができる。但し、この場合、導波層21を構成する材料との可視光波長領域に対する屈折率の差が、上記の緩衝層61を形成することにより小さくなるため、導波モード共鳴により反射する光の強度は相対的に弱くなる傾向にある。
そこで、より緩衝層による効果を大きくするためには、図1(c)に示すような多層膜緩衝層71とすることが好ましい。上記の多層膜緩衝層71は、少なくとも2層以上の積層体で構成され、各層は可視光波長領域の光を透過する材料で構成され、また隣接する層は可視光波長領域に対する屈折率が異なる材料で構成される。但し、上記の緩衝層の最表層は、導波層21を形成する材料の可視光波長領域に対する屈折率よりも小さい材料で構成される必要がある。
図1(c)に示す表示体の画素領域51を除く領域では、上記の格子層31、導波層21、膜厚によっては基材11、更に上記の多層膜緩衝層71からなる多層膜とすることができ、上記の多層膜緩衝層71の各層を構成する材料の屈折率と膜厚を適切な値に設計することにより、多層膜緩衝による反射強度の波長依存性が緩和され、画素領域51を除く領域且つ基材11の裏面側に吸収層41が存在する領域において、高コントラストの黒色表現が可能となる。
図1(b)、もしくは図1(c)に示した表示体を製造するためには、例えばスパッタリング等の既知の成膜方法を用いて基材の表面、もしくは裏面に各層を順次形成し、その後、例えば荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングのような既知の微細加工技術によって格子層を所望の形状に加工すれば良い。また、導波層に導電性のある材料を適用することにより、上記の格子層に必要とされる光学特性を満足すれば、荷電粒子線リソグラフィ用レジストを格子層として適用することも可能である。
導波層が絶縁材料で構成される場合、形成する凹凸構造が例えば紫外線リソグラフィにより解像可能であれば、上記の格子層に必要とされる光学特性を満足すれば、紫外線リソグラフィ用レジストを格子層として適用することも可能である。
一方、紫外線リソグラフィでは解像しない凹凸構造であっても、例えば熱、もしくは紫外線ナノインプリントリソグラフィを用いれば、上記の格子層に必要とされる光学特性を満足すれば、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂、もしくは紫外線硬化性樹脂を格子層に適用することも可能である。
但し、ナノインプリントリソグラフィを適用する場合、該工程特有の残膜が生じるため、これをプラズマ暴露により除去する必要がある。この場合、導波層を形成する材料は、残膜除去条件に対して耐性を有している必要がある。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る導波モード共鳴を利用した画素、又は副画素の断面概略図を示したものである。
図2(a)に示した表示体では、基材12の表面に吸収層42が形成される。吸収層42は、例えば炭素や酸化鉄等の可視光波長領域の光を吸収する材料を適用することが可能だが、これらの材料の可視光波長領域に対する屈折率は2以上と高い。そこで、導波モード共鳴現象を発生させるため、吸収層42の表面には低屈折率層81を形成する。
更に、低屈折率層81の表面に、画素領域52に回折格子構造が形成された導波モード共鳴格子層91を形成する。
導波モード共鳴格子層91は、光を回折する回折格子構造と、回折された光を伝搬する導波層が単一の材料で形成された構造となっている。
低屈折率層81、及び導波モード共鳴格子層91は、可視光波長領域の光を透過する材料で構成され、低屈折率層81よりも導波モード共鳴格子層91の方が可視光波長領域に光に対する屈折率が高い材料で構成される。
回折格子構造が形成された画素領域52では、共鳴波長領域の光が反射され、共鳴波長領域以外の光は低屈折率層81を透過し、吸収層42で吸収される。よって、反射した共鳴波長領域の色のみが人の肉眼で高コントラストに視認される。更に、上記の吸収層42による可視光の吸収率を調整することにより、画素領域51の反射コントラストを調整することが可能となる。
一方、画素領域52を除く領域では、入射光は、回折格子構造の形成されていない導波モード共鳴格子層91、低屈折率層81を透過し、吸収層42で吸収される。しかしながら、導波モード共鳴格子層91、低屈折率層81、吸収層42は異なる材料で構成されるため、各界面で反射が生じてしまう。その結果、薄膜、もしくは多層膜干渉現象を生じ、人の肉眼で干渉による色が視認されてしまう。
特に、上記の低屈折率層81の膜厚が可視光波長領域、又はそれ以下の場合、干渉による色が顕著に現れる。したがって、上記の低屈折率層81の膜厚を、例えば10μm程度とすることにより、該低屈折率層81の影響は小さくすることは可能である。但し、その場合でも上記の導波モード共鳴格子層91の膜厚による薄膜干渉現象により、画素領域51を除く領域の表面において観測される反射スペクトルでは反射強度の波長依存が大きく、人の肉眼で色が視認されてしまうため、黒色の表現が困難となる。
上記の干渉による色の視認を防止するために、例えば図2(b)や図2(c)に示すように導波層22の下層に、可視光波長領域の光を透過する緩衝層62、もしくは多層膜緩衝層72を形成し、上記の多層膜緩衝層72、もしくは上記の多層膜緩衝層72による干渉現象を付与することにより、画素領域52を除く領域の表面において観測される反射スペクトルを変化させ、結果として反射強度の波長依存性を小さくすることが可能となり、高コントラストの色彩表現が可能な表示体を得ることができる。
図2(b)に示すような、低屈折率層81と導波モード共鳴格子層91の間に緩衝層62を形成する場合、画素領域52にて導波モード共鳴条件を満足させるためには、緩衝層62を構成する材料(緩衝層62が傾斜膜のように組成が膜厚に対して変化する場合は、緩衝層62最表面を構成する材料)の可視光波長領域に対する屈折率は、導波モード共鳴格子層91を形成する材料の可視光波長領域に対する屈折率よりも小さい必要がある。
また、緩衝層62を構成する材料の可視光波長領域に対する屈折率が、低屈折率層81を構成する材料の可視光波長領域に対する屈折率よりも高い場合、画素領域52を除く領域において、観測される反射スペクトルの反射強度の波長依存性を小さくすることができる。
但し、この場合、導波モード共鳴格子層91を構成する材料との可視光波長領域に対する屈折率の差が、上記の緩衝層62を形成することにより小さくなるため、導波モード共鳴により反射する光の強度は相対的に弱くなる傾向にある。
そこで、より緩衝層による効果を大きくするためには、図2(c)に示すような多層膜緩衝層72とすることが好ましい。上記の多層膜緩衝層72は、少なくとも2層以上の積層体で構成され、各層は可視光波長領域の光を透過する材料で構成され、また隣接する層は可視光波長領域に対する屈折率が異なる材料で構成される。
但し、上記の緩衝層の最表層は、導波モード共鳴格子層91の可視光波長領域に対する屈折率よりも小さい材料で構成される必要がある。
図2(c)に示す表示体の画素領域52を除く領域では、導波モード共鳴格子層91、膜厚によっては低屈折率層81、更に上記の多層膜緩衝層72からなる多層膜とすることができる。
また、上記の多層膜緩衝層72の各層を構成する材料の屈折率と膜厚を適切な値に設計することにより、多層膜緩衝による反射強度の波長依存性が緩和され、画素領域52を除く領域且つ吸収層42が存在する領域において、高コントラストの黒色表現が可能となる。
図2(b)、もしくは図2(c)に示した表示体を製造するためには、例えばスパッタリング等の既知の成膜方法を用いて基材の表面、に各層を順次形成し、その後、例えば荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングのような既知の微細加工技術によって導波モード共鳴格子層表面を所望の形状に加工すれば良い。
また、導波モード共鳴格子層の材料を、上記の導波モード共鳴格子層に必要とされる光学特性を満足する、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂、もしくは紫外線硬化性樹脂とし、導波モード共鳴格子層をナノインプリントリソグラフィにより形成する場合、該工程特有の残膜を導波層として利用できるため、表示体製造工程が簡便化できる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
以下、本発明を用いて副画素を作製した実施例について図面を用いて説明する。図3は本発明の実施例にて作製した表示体の模式図である。(a)は表示体を真上から見た平面図であり、(b)は断面を模式的に示した図である。
本実施例では、紫外線を光源とした紫外線ナノインプリント法を採用したが、材料の屈折率が条件を満たせば、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂を用いた熱ナノインプリント法を適用しても良い。
まず、紫外線ナノインプリントに使用する合成石英モールド(紫外線ナノインプリント用合成石英モールド)を用意した。該合成石英モールドに形成したのは、図3に示した表示体の凹凸が反転した構造である。
上記の合成石英モールドを用いて転写した際に、回折格子構造形成領域53に相当する領域には構造周期360nm、構造高さ250nm、凹凸寸法比1:1、形状は矩形である1次元回折格子パターンを形成した。該合成石英モールドへのパターン形成は、荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングにより行った。
上記の合成石英モールド表面に、離型剤としてオプツール(ダイキン工業製)を塗布した。
次に、合成石英基板13を準備し、半分の面積をマスキングした状態で裏面に炭素を蒸着し、該裏面半分(裏面黒色領域101)に炭素膜43を形成した。膜厚は1μmとした。
続いて、該裏面半分に炭素膜43が形成された合成石英基板13表面に、膜厚15nmの酸化アルミ膜、膜厚25nmの二酸化珪素膜、膜厚15nmの酸化アルミ膜、膜厚10nmの二酸化珪素膜、を順次反応性スパッタリングにより成膜し、多層膜緩衝層73を形成した。尚、反応性スパッタリングにより成膜した酸化アルミ膜の可視光波長領域における屈折率は1.7程度、酸化アルミ膜の可視光波長領域における屈折率は1.4程度であった。
該多層膜緩衝層73表面に、膜厚225nmの光硬化性樹脂MUR(丸善石油化学製)を塗布し、離型剤が塗布された合成石英モールド表面を接触させ、2MPaの圧力をかけ、合成石英モールドの裏面より波長365nmの紫外光(紫外線:UV)を照射し、光硬化性樹脂MUR層92を硬化させた。該処理は室温で行い、紫外光の露光量は100mJ/cmとした。
上記の合成石英モールドから、合成石英基板13を剥がし、図3(a)に示した表示体を得た。当該表示体の下に白色紙を敷き、自然光の基で正面から観察した。
その結果、裏面黒色領域101上の回折格子構造形成領域53を除く領域では、光硬化性樹脂MUR層92の薄膜干渉による色はほとんど視認されず、多層膜緩衝層73を除く同構成の表示体と比較して黒色のコントラストが大きく改善された。
また、裏面黒色領域101を形成していない領域の更に回折格子構造形成領域53を除く領域では、同様に光硬化性樹脂MUR層92の薄膜干渉による色は視認されず、コントラストの高い白色が観察された。
更に、回折格子構造形成領域53において、裏面黒色領域101内と、裏面に炭素膜43が形成されていない領域の色を比較すると、裏面黒色領域101内の緑色のコントラストが非常に高いことが確認された。
そこで、別の合成石英基板を用意し、炭素膜の膜厚のみ50nmに変更し、合成石英基板13と同じ工程で表示体を作製した。
その結果、炭素膜の膜厚が50nmの表示体においても、回折格子構造形成領域53においては、裏面に炭素膜が存在することにより緑色のコントラストが高くなることは確認されたが、炭素膜1μm表示体と比較すると、炭素膜の薄膜化による可視光波長領域の光の吸収率の差によるコントラストの低下が確認された。
よって、可視光波長領域光吸収層の吸収率を変化させることにより、同じ構造周期の回折構造体を形成したとしても、反射する色のコントラストを変化させることが可能であることが確認された。
以上のように、本発明に係る表示体は、基材の裏面、もしくは基材の表面と導波モード共鳴格子の間に、共鳴波長領域の光を含む光を吸収する吸収層を設けることに加え、導波モード共鳴格子層に緩衝層を形成することで、主に導波モード共鳴格子層の薄膜干渉により観察される反射スペクトルにおける反射強度の波長依存性を抑制することができる。これにより、黒色を含め、高い色コントラストを表現できる導波モード共鳴格子による表示体を提供することができる。
したがって、本発明に係る表示体は、意匠性の高い表示物に利用できる。また、高精度に形成された微細パターンを有する表示体であるため、偽造防止技術等への利用も期待される。
11、12 基材
13 合成石英基板
21 導波層
31 格子層
41、42 吸収層
43 炭素膜
51、52 画素領域
53 回折格子構造形成領域
61、62 緩衝層
71、72、73 多層膜緩衝層
81 低屈折率層
91 導波モード共鳴格子層
92 光硬化性樹脂MUR層
101 裏面黒色領域

Claims (4)

  1. 基材の表面側に、格子層と導波層と緩衝層とが順に積層され、
    前記基材の裏面側、もしくは前記基材の表面と前記緩衝層との間に、吸収層が形成され、
    前記格子層は、回折格子構造により回折された光と、前記導波層を伝搬する光とが共鳴し、共鳴波長領域の光が反射される画素領域を有し、
    前記緩衝層は、少なくとも前記共鳴波長領域の光を透過し、
    前記吸収層は、少なくとも前記共鳴波長領域の光を吸収することを特徴とする表示体。
  2. 前記導波層は、前記緩衝層よりも光の波長に対する屈折率が高い材料で構成され、
    前記格子層は、前記導波層と比べて光の波長に対する屈折率が同等以下である材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 前記緩衝層は、少なくとも2層以上の積層構造体であり、
    前記緩衝層の最表層は、前記導波層よりも光の波長に対する屈折率が低い材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示体。
  4. 前記導波層と前記格子層とは、同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示体。
JP2014253158A 2014-12-15 2014-12-15 表示体 Active JP6596820B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014253158A JP6596820B2 (ja) 2014-12-15 2014-12-15 表示体
PCT/JP2015/006189 WO2016098329A1 (ja) 2014-12-15 2015-12-11 表示体及び表示体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014253158A JP6596820B2 (ja) 2014-12-15 2014-12-15 表示体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016114769A true JP2016114769A (ja) 2016-06-23
JP6596820B2 JP6596820B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=56141618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014253158A Active JP6596820B2 (ja) 2014-12-15 2014-12-15 表示体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6596820B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108693582A (zh) * 2017-04-12 2018-10-23 中钞特种防伪科技有限公司 一种光学防伪元件和产品

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000266904A (ja) * 1999-03-17 2000-09-29 Seiko Epson Corp 光学製品及びその製造方法
JP2007121786A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Nippon Sheet Glass Co Ltd コーティング液の製造方法、およびそのコーティング液を用いた反射防止膜の製造方法
JP2008070867A (ja) * 2006-07-28 2008-03-27 Csem Centre Suisse D'electronique & De Microtechnique Sa ゼロ次回折フィルタ
JP2009025558A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Tohoku Univ 波長選択素子及びその製造方法
JP2010113175A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Ube Nitto Kasei Co Ltd 積層体
JP2010197798A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Toppan Printing Co Ltd 偽造防止機能を有する光学素子及びそれを具備する偽造防止表示体
JP2011519071A (ja) * 2008-04-29 2011-06-30 コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス 回折格子カプラー、システムおよび方法
JP2013546007A (ja) * 2010-09-29 2013-12-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア セキュリティ要素
JP2014197798A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 株式会社ナカヨ 多重化要求機能または多重化機能を有するip電話端末

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000266904A (ja) * 1999-03-17 2000-09-29 Seiko Epson Corp 光学製品及びその製造方法
JP2007121786A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Nippon Sheet Glass Co Ltd コーティング液の製造方法、およびそのコーティング液を用いた反射防止膜の製造方法
JP2008070867A (ja) * 2006-07-28 2008-03-27 Csem Centre Suisse D'electronique & De Microtechnique Sa ゼロ次回折フィルタ
JP2009025558A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Tohoku Univ 波長選択素子及びその製造方法
JP2011519071A (ja) * 2008-04-29 2011-06-30 コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス 回折格子カプラー、システムおよび方法
JP2010113175A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Ube Nitto Kasei Co Ltd 積層体
JP2010197798A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Toppan Printing Co Ltd 偽造防止機能を有する光学素子及びそれを具備する偽造防止表示体
JP2013546007A (ja) * 2010-09-29 2013-12-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア セキュリティ要素
JP2014197798A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 株式会社ナカヨ 多重化要求機能または多重化機能を有するip電話端末

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108693582A (zh) * 2017-04-12 2018-10-23 中钞特种防伪科技有限公司 一种光学防伪元件和产品

Also Published As

Publication number Publication date
JP6596820B2 (ja) 2019-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6364754B2 (ja) 表示体、および表示体の製造方法
JP5023324B2 (ja) カラーフィルタ装置及びその製造方法
JP6413300B2 (ja) 表示体、および表示体の製造方法
CN107850709B (zh) 显色结构体及其制造方法
KR101527360B1 (ko) 광결정을 구비하는 식별필름 및 식별 패턴, 이를 포함하는 위조방지 물건
CN111033118B (zh) 衍射导光板和制造衍射导光板的方法
WO2018070431A1 (ja) 光学デバイス、表示体、カラーフィルタ、および、光学デバイスの製造方法
KR101897891B1 (ko) 광학 소자
JP6201289B2 (ja) 画像表示体及び情報媒体
JP6672585B2 (ja) 表示体
JP6766860B2 (ja) 表示体及び表示体の製造方法
JP6801181B2 (ja) 発色構造体およびその製造方法
JP2018063305A (ja) 表示体、および、表示体の製造方法
JP6596820B2 (ja) 表示体
JP2021179636A (ja) 光学デバイス、および光学デバイスの製造方法
JP6500943B2 (ja) 発色構造体、モールドおよびモールドを用いた発色構造体の製造方法
KR20100083384A (ko) 반사 구조체, 이를 포함하는 표시장치 및 이들의 제조방법
WO2016098329A1 (ja) 表示体及び表示体の製造方法
Dhuey et al. Three-dimensional woodpile photonic crystals for visible light applications
WO2015122530A1 (ja) 配向膜の製造方法、および、表示体の製造方法
JP2017021251A (ja) 発色構造体およびその製造方法
JP2014240892A (ja) 光学素子及び光学素子を形成するための転写箔の製造方法
JP6477795B2 (ja) 発色構造体およびその製造方法
JP6766579B2 (ja) 光学デバイスの製造方法、および、光学デバイス
Ham et al. Transmission structural-color characteristics of Al-ZrO2-SiO2 plasmonic linear gratings

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190814

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6596820

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250