JP2021177828A - ダイヤル式レーシングシステム用紐 - Google Patents

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Abstract

【課題】 引張強力、結節強力、結節強力保持率が高く、耐屈曲性及び耐摩耗性が優れており、以て短期的な使用だけでなく長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得るダイヤル式レーシングシステム用紐を提供する。【解決手段】 高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸からなる芯繊維が樹脂被覆されてなるダイヤル式レーシングシステム用紐であって、紐の直径に対する芯繊維の直径の比の値が0.4〜0.7であることを特徴とするダイヤル式レーシングシステム用紐。【選択図】なし

Description

本発明は、ダイヤル式レーシングシステムに使用する紐に関する。
近年、ゴルフシューズ及びスノーボードシューズ等のスポーツ用途の靴に、BOA(登録商標)クロージャーシステムを代表とするダイヤル式レーシングシステムが採用されている。
ダイヤル式レーシングシステムは、ダイヤルにより紐を緩締することで紐経路を均等に締め付け自然なフィット感を得ることができる。また、紐の緩締が容易であり、瞬時に締り具合を調整することができる等様々な利点かあり、スポーツシューズの他、プロテクショングローブ、帽子、医療用装具等様々な製品に利用されている。しかし、紐に高い張力をかけて保持する使用形態により、紐にかかる負荷が大きい。
紐が破断してしまった場合には交換が可能だが修理を依頼すると高価であり、自分で交換するとしても慣れていないとすぐには交換できないため、より長期に渡る繰り返しの使用に耐えることが求められている。
そこで、紐にかかる負荷を低減するために、ガイドの位置及び角度により、ガイド部における紐の鋭角な方向転換を低減し、ガイド間における紐の曲率半径を大きくした技術がある(特許文献1)。
また、紐としては、樹脂被覆なしの撚り鋼線、樹脂被覆(例えばポリアミド被覆)された撚り鋼線、モノフィラメント(例えばポリアミド)、高密度ポリエチレンであるSpectra(登録商標)の編組紐又は撚線が例示されている。
特開2015−198952号公報
紐には、締付による引張荷重、紐経路を支持するためのガイド部及びダイヤル内部の屈曲部における曲げ荷重、ガイドとの摩擦及び紐同士の摩擦等様々な大きな負荷が繰り返し働くため、紐には高い引張強力及び優れた耐屈曲性及び耐摩耗性が求められる。さらに、紐同士の交絡及びダイヤル内部での結び目等の結節部を考慮する際、高い結節強力及び結節強力保持率も求められる。
撚り鋼線は引張荷重に対して高強度であるが、屈曲により、局部的に撚りが詰まる又は戻る現象であるキンクが発生し、強度が低下する。また、樹脂を被覆してもキンクを完全に抑制することはできない。モノフィラメントは高い引張荷重に耐え得る程の太さにすると剛直になり耐屈曲性が劣る。また、Spectra(登録商標)は引張荷重に対して高強度であり、キンクの発生はないが、編組紐の構造上、緩締時の移動方向に対して繊維の長さ方向が斜めであるため、ガイドとの摩擦及び紐同士の摩擦によりフィブリル化しやすく、強度が低下する。撚線も編組紐程ではないが、ガイドとの摩擦及び紐同士の摩擦によりフィブリル化しやすく、強度が低下する。樹脂を被覆してフィブリル化を防ぐことができるが、Spectra(登録商標)はポリアミドなどの被覆樹脂の溶融温度180〜260℃に対して耐熱温度が100℃と低いため、被覆樹脂の溶融温度により強度が低下してしまう。
ガイドの位置、角度又は素材により紐の屈曲及び摩擦を低減させることはできるが、ダイヤル式レーシングシステムは、ガイド間の方向転換を鈍角にしても、ダイヤル内部で紐が鋭角に屈曲し、曲率半径が小さい箇所が存在する。また、紐はガイド部の他、紐同士の接点及びダイヤル内のギアとの摩擦があるため、様々な負荷に耐え得る紐が求められる。
以上のことから、特許文献1に例示される紐はダイヤル式レーシングシステム用紐として長期に渡り繰り返し使用する場合、引張強力、結節強力、結節強力保持率、耐屈曲性及び耐摩耗性の全てを満足するものではなかった。
したがって、本発明の目的は、引張強力、結節強力、結節強力保持率が高く、耐屈曲性及び耐摩耗性が優れ、以て長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得るダイヤル式レーシングシステム用紐を提供することにある。
本発明者は、種々検討を重ねた結果、高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸からなる芯繊維に樹脂被覆し、芯繊維と被覆樹脂の比を特定の範囲とすることで、ダイヤル式レーシングシステム用紐としての要求特性である引張強力、結節強力、結節強力保持率が高く、耐屈曲性及び耐摩耗性が優れた紐が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の目的は、高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸からなる芯繊維が樹脂被覆されてなるダイヤル式レーシングシステム用紐であって、紐の直径に対する芯繊維の直径の比の値が0.4〜0.7であることを特徴とするダイヤル式レーシングシステム用紐によって達成される。
また、前記高強力繊維が、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維及びポリフェニレンサルファイド繊維から選ばれる少なくとも一種の繊維からなることが好ましい。
また、前記高強力繊維が、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれる少なくとも一種の繊維からなることがより好ましい。
また、前記高強力繊維が、全芳香族ポリエステル繊維からなることが特に好ましい。
また、前記紐の引張強力が160N以上であることが好ましく、220N以上であることがより好ましい。
また、前記紐の結節強力保持率が30%以上であることが好ましい。
また、前記紐の下記耐屈曲性試験後の引張強力の保持率が30%以上であることが好ましい。
(耐屈曲性試験)
屈曲試験機(市川鉄工製)を用いて下記の条件にて耐屈曲性試験を行い、耐屈曲性試験後に紐の引張強力を測定する。下記式より耐屈曲性試験後の引張強力保持率(%)を算出する。
耐屈曲性試験後の引張強力保持率(%)=(耐屈曲性試験後の引張強力(N)/耐屈曲性試験前の引張強力(N))×100
屈曲速度:20往復/回
屈曲角度:左右90°
屈曲回数:5000回
また、前記紐の下記耐摩耗性試験の破断回数が300回以上であることが好ましい。
(耐摩耗性試験)
回転する摩耗子の表面で紐を前後に動作させ、同時に紐自体も長さ方向を軸に回転させて摩耗を与える摩耗試験機(市川鉄工製)を用いて下記条件にて試験を行い、紐が破断するまでの回数を破断回数とする。
摩耗子:ローレット菱目型溝が刻まれている金属円盤
摩耗子回転数:100rpm
紐のストローク数:50回/分
紐の回転数:16rpm
紐の回転方向:反時計方向
本発明により、引張荷重、結束部を考慮した引張荷重、曲げ荷重、摩擦等の様々な負荷がかかるダイヤル式レーシングシステム用紐として使用した際、短期的性能を満足するだけでなく、長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得る紐を得ることができる。
本発明の紐は、高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸からなる芯繊維が樹脂被覆されたダイヤル式レーシングシステム用紐である。芯繊維が樹脂被覆されることにより、耐摩耗性、耐屈曲性、結節強力保持率が向上する。
本発明の紐は、ダイヤル式レーシングシステムを採用された製品であれば靴だけでなく、プロテクショングローブ、帽子、医療用装具等様々な製品に採用されたダイヤル式レーシングシステム用紐として使用することができる。
本発明における芯繊維は高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸である。
本発明における高強力繊維は、引張強力が160N以上であることが好ましい。引張強力が160N以上であれば、ダイヤル式レーシングシステム用紐として使用した際、長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得る。
本発明における高強力繊維は、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維及びポリフェニレンサルファイド繊維から選ばれる少なくとも一種の繊維からなることが好ましく、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれる少なくとも一種の繊維からなることがより好ましい。
また、全芳香族ポリエステル繊維からなることが特に好ましい。
全芳香族ポリエステル繊維は引張強力が大きく、紐として使用した際の引張荷重に耐え得る。また、溶融温度が300〜360℃と高く、被覆樹脂を溶融被覆する際に熱分解による物性低下がない。また、水分量が少ないため、樹脂被覆の際の気泡の発生が少ない。気泡の発生が多いと外観が悪く、物性も低下し、被覆樹脂の平滑性が損なわれ局所的負荷がかかりやすい。
前記高強力繊維の内、例えば、全芳香族ポリエステル繊維は、全芳香族ポリエステル系ポリマーから形成される。
全芳香族ポリエステル系ポリマーは、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸やこれらの誘導体からなるもので、場合により、これらと、脂環族ジカルボン酸、脂環族ジオール、脂肪族ジオールやこれらの誘導体との共重合体も含まれる。ここで芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、2,6−ジカルボキシナフタレン、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン等や、これらのアルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲン基の核置換体が挙げられる。芳香族ジオールとしては、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン等やこれらのアルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲン基の核置換体が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシナフタレン−6−カルボン酸、1−ヒドロキシナフタレン−5−カルボン酸等やこれらのアルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲン基の核置換体が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−ジカルボキシシクロヘキサン、シス−1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等やこれらのアルキル、アリール、ハロゲン基の核置換体が挙げられる。脂環族及び脂肪族ジオールとしては、トランス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、シス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、キシリレンジオール等が挙げられる。
これらの組み合わせの中で、本発明において好ましい全芳香族ポリエステル系ポリマーとしては、例えば、(a)p−ヒドロキシ安息香酸残基40〜70モル%と上記芳香族ジカルボン酸残基15〜30モル%と芳香族ジオール残基15〜30モル%からなるコポリエステル、(b)テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とクロルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、及び/又はハイドロキノンからなるコポリエステル、(c)p−ヒドロキシ安息香酸残基20〜80モル%と2−ヒドロキシナフタレン−6−カルボン酸残基20〜80モル%からなるコポリエステル等が挙げられる。
上記出発原料を用い、本発明にて用いる全芳香族ポリエステル系ポリマーを得るには、そのままで、あるいは脂肪族又は芳香族モノカルボン酸又はそれらの誘導体、脂肪族アルコール又はフェノール類又はそれらの誘導体等によるエステル化により、重縮合反応を行う。重縮合反応としては、既知の塊状重合、溶液重合、懸濁重合等を採用することができ、得られたポリマーはそのままで、あるいは粉体状で不活性気体中、又は減圧下に熱処理して紡糸用試料とする。あるいは、一度押出機により造粒して用いてもよい。
成分中には、その強力が実質的に低下しない範囲で、他のポリマーあるいは添加剤(顔料、カーボン、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、蛍光増白剤等)を含んでいてもよい。
本発明における全芳香族ポリエステル系ポリマーには、紡糸に適した分子量範囲が存在する。この溶融紡糸条件に適する分子量に対応する物性値として「流動開始温度」を用いる。「流動開始温度」は、フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、径1mm、長さ10mmのノズルで、圧力100kg/cm2の状態で、芳香族ポリエステル試料を4℃/分で昇温し、試料がノズルを通って流動し、かつ4,800パスカル秒の見かけ粘度を与える温度で定義される。
本発明において、溶融紡糸に適した芳香族ポリエステルの「流動開始温度」は、305〜325℃が好適である。
本発明における全芳香族ポリエステル繊維の製造は、公知の溶融押出方法により行えばよい。
本発明における高強力繊維のマルチフィラメントの総繊度は、ダイヤル式レーシングシステム用紐に対応した太さが必要であり、例えば500〜10000dtexである。
本発明における高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸の撚り係数は、5〜80であることが好ましい。なお、撚り係数は、下記式により求める。
K=T×√D÷100
(撚り係数:K、撚数:T(回/m)、繊度:D(dtex))
本発明における被覆樹脂はポリアミド、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等から選ばれる少なくとも1種のポリマーであることが好ましく、耐摩耗性が高く、適度にハリがあり、締めつけを解除した際に程よく弛むことからポリアミドであることがより好ましい。また、ポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66等から選ばれる少なくとも1種のポリマーであり、ポリアミド6が特に好ましい。
本発明の紐の直径に対する芯繊維の直径の比(以下、芯鞘比と称することがある)は0.4〜0.7である。直径の比がこの範囲であれば、引張強力を損なわずに結節強力、結節強力保持率、耐屈曲性、耐摩耗性を満足できる程に向上させることができる。
本発明における被覆樹脂の厚さは、0.15mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。被覆樹脂の厚さが0.15mm以上であれば、芯繊維の表面露出による芯繊維の摩耗を防ぐ。また、芯繊維の凹凸が表面に現れないため、外観が平滑になり被覆樹脂にかかる局所的負荷を低減する。また、紐の外観が優れる。
本発明の紐は、既知の直径で使用すればよい。以下に述べる範囲に限らないが、例えば0.5〜5mmの紐である。
本発明の紐の引張強力は160N以上であることが好ましく、220N以上であることがより好ましい。紐の引張強力が160N以上であれば、ダイヤル式レーシングシステム用紐として使用した際の引張荷重に耐え得る。
本発明の紐の結節強力保持率は30%以上であることが好ましい。紐の結節強力保持率が30%以上であれば、ダイヤル式レーシングシステム用紐として使用した際、長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得る。
本発明の紐の後述する耐屈曲性は30%以上であることが好ましい。紐の耐屈曲性試験の結果が30%以上であれば、ダイヤル式レーシングシステム用紐として使用した際、長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得る。
本発明の紐の後述する耐摩耗性試験の結果は300回以上であることが好ましい。紐の耐摩耗性試験の結果が300回以上であれば、ダイヤル式レーシングシステム用紐として使用した際、長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得る。
本発明における樹脂被覆の方法は、特に限定されず、公知の方法を適用すればよいが、本発明によれば、特に押出成形により被覆樹脂を被覆する方法が好ましい。
また、被覆樹脂と芯繊維の接着性をよくする為、芯繊維に接着樹脂をコーティングしてから樹脂被覆をしてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、実施例中の各評価は以下のようにして行った。
(紐径の測定)
JIS C3005:2014の4.3.2に準じて紐の直径を測定した。
(芯繊維径の測定)
JIS C3005:2014の4.3.2に準じて芯繊維の直径を測定した。
(引張強力試験)
JIS L1013:2010の8.5に準じて紐の引張強力を測定した。
(結節強力試験)
JIS L1013:2010の8.6に準じて紐の結節強力を測定した。
(結節強力保持率)
下記式により結節強力保持率を算出した。
結節強力保持率(%)={結節強力(N)/引張強力(N)}×100
(耐屈曲性試験)
前述した耐屈曲性試験を行い、耐屈曲性を評価した。なお、試験の条件及び評価方法については前述した通りである。
(耐摩耗性試験)
前述した耐摩耗性試験を行い、耐摩耗性を評価した。なお、試験の条件及び評価方法については前述した通りである。
(凹凸評価)
1m間隔で100点紐の直径を測定したときに変動率が3%未満の場合を◎、3%以上5%未満の場合を○、5%以上の場合を×と評価した。
(実施例1)
総繊度が1670dtexの全芳香族ポリエステルマルチフィラメント(KBセーレン社製)1本を使用し、撚り係数30となるように撚り、芯繊維とした。芯繊維にポリアミド6を押出成形により溶融被覆し、直径が0.8mmの紐を作製した。
得られた紐を用いて各物性測定及び外観評価を行った。
(実施例2)
芯繊維として使用したマルチフィラメントの総繊度が1100dtexであること以外は実施例1と同様にして紐を作製し、得られた紐を用いて各種物性測定及び外観評価を行った。
(実施例3)
芯繊維として使用したマルチフィラメントの総繊度が840dtexであること以外は実施例1と同様にして紐を作製し、得られた紐を用いて各種物性測定及び外観評価を行った。
(比較例1)
総繊度が1100dtexの全芳香族ポリエステルマルチフィラメント(KBセーレン社製)3本を撚り係数30で撚り、芯繊維としたこと以外は実施例1と同様にして紐を作製し、得られた紐を用いて各種物性測定及び外観評価を行った。
(比較例2)
芯繊維として使用したマルチフィラメントの総繊度が110dtexであること以外は実施例1と同様にして紐を作製し、得られた紐を用いて各種物性測定及び外観評価を行った。
(比較例3)
単線が直径50μmのステンレス鋼材(SUS)7本からなるストランドを7本撚り合せてなる共心形ストランドケーブル)(日興製綱社製)を芯繊維として使用したこと以外は実施例1と同様にして紐を作製し、得られた紐を用いて各種物性測定及び外観評価を行った。
(比較例4)
単線が直径90μmのSUS7本からなるストランドを7本撚り合わせてなる共心形ストランドケーブル(日興製綱社製)の各種物性測定及び外観評価を行った。
(比較例5)
直径が0.81mmであるポリアミド6のモノフィラメント(ユニチカ社製)の各種物性測定及び外観評価を行った。
(比較例6)
総繊度が220dtexである高密度ポリエチレン(HDPE)マルチフィラメント(Honeywell社製)を使用し、4打の編組紐として各種物性測定及び外観評価を行った。
これらの結果を表1に併せて示す。
Figure 2021177828
実施例1の紐は引張強力、結節強力及び結節強力保持率が高く、耐屈曲性及び耐摩耗性が優れていた。また、凹凸評価は○であり、ダイヤル式レーシングシステム用紐として十分適していた。
実施例2及び3の紐は引張強力、結節強力、結節強力保持率が高く、耐屈曲性及び耐摩耗性が優れていた。また、凹凸評価は◎であり、ダイヤル式レーシングシステム用紐として好適であった。
比較例1の紐は引張強力及び結節強力が高く、耐磨耗性が優れていた。しかし、結節強力保持率が低かった。また、耐屈曲性が劣っていた。また、凹凸評価は×であった。ダイヤル式レーシングシステム用紐として適していなかった。
比較例2の紐はまた、結節強力保持率が高く、耐屈曲性が優れていた。また、凹凸評価が◎であった。しかし、引張強力及び結節強力が低かった。また、耐磨耗性が劣っていた。ダイヤル式レーシングシステム用紐として適していなかった。
比較例3及び比較例4のストランドケーブルは引張強力、結節強力及び結節強力保持率が高く、耐磨耗性が優れていた。しかし、耐屈曲性が劣っていた。また、凹凸評価は◎であったが、目視では凹凸が確認できた。ダイヤル式レーシングシステム用紐として適していなかった。
比較例5のモノフィラメントは凹凸評価が○であった。また、引張強力、結節強力及び結節強力保持率が大きかったが、耐屈曲性、耐摩耗性が小さかった。ダイヤル式レーシングシステム用紐として適していなかった。
比較例6の紐は紐に凹凸がなかった。また、結節強力、結節強力保持率及び耐屈曲性が大きかったが、引張張力及び耐磨耗性が小さかった。ダイヤル式レーシングシステム用紐として適していなかった。
本発明の紐は靴に採用されたダイヤル式レーシングシステム用紐としてだけでなく、プロテクショングローブ、帽子、医療用装具等様々な製品に採用されたダイヤル式レーシングシステム用紐として好適に使用でき、長期に渡る繰り返しの使用にも耐え得る。

Claims (8)

  1. 高強力繊維のマルチフィラメントの撚糸からなる芯繊維が樹脂被覆されてなる、ダイヤル式レーシングシステム用紐であって、紐の直径に対する芯繊維の直径の比が0.4〜0.7であることを特徴とするダイヤル式レーシングシステム用紐。
  2. 高強力繊維が、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維及びポリフェニレンサルファイド繊維から選ばれる少なくとも一種の繊維からなることを特徴とする請求項1記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
  3. 高強力繊維が、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれる少なくとも一種の繊維からなることを特徴とする請求項1又は2記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
  4. 高強力繊維が、全芳香族ポリエステル繊維からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
  5. 引張強力が160N以上である請求項1〜4いずれか1項に記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
  6. 結節強力保持率が30%以上である請求項1〜5いずれか1項に記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
  7. 下記耐屈曲性試験後の引張強力の保持率が30%以上である請求項1〜6いずれか1項に記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
    (耐屈曲性試験)
    屈曲試験機(市川鉄工製)を用いて下記の条件にて耐屈曲性試験を行い、耐屈曲性試験後に紐の引張強力を測定する。下記式より耐屈曲性試験後の引張強力保持率(%)を算出する。
    耐屈曲性試験後の引張強力保持率(%)=(耐屈曲性試験後の引張強力(N)/耐屈曲性試験前の引張強力(N))×100
    屈曲速度:20往復/回
    屈曲角度:左右90°
    屈曲回数:5000回
  8. 下記耐摩耗性試験の破断回数が300回以上である請求項1〜7いずれか1項に記載のダイヤル式レーシングシステム用紐。
    (耐摩耗性試験)
    回転する摩耗子の表面で紐を前後に動作させ、同時に紐自体も長さ方向を軸に回転させて摩耗を与える摩耗試験機(市川鉄工製)を用いて下記条件にて試験を行い、紐が破断するまでの回数を破断回数とする。
    摩耗子:ローレット菱目型溝が刻まれている金属円盤
    摩耗子回転数:100rpm
    紐のストローク数:50回/分
    紐の回転数:16rpm
    紐の回転方向:反時計方向
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