JP2021176922A - 筆記具用水性インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】染料で着色した樹脂粒子を着色剤として含有する筆記具用水性インク組成物であっても、筆記した描線は滲みもなく優れた筆記性能を有する筆記具用水性インク組成物を提供する。【解決手段】 本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、30質量%以上であり、さらにテルペンフェノール樹脂を内包する着色樹脂粒子の水分散体が含有されていることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、染料で着色した樹脂粒子を着色剤として含有する筆記具用水性インク組成物に関する。
従来より、染料で着色した樹脂粒子を着色剤として含有する筆記具用水性インク組成物が知られている。例えば、1)少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂微粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分に対して、30質量%以上であると共に、前記塩基性染料又は油溶性染料の含有量が全ポリマー成分に対して、15質量%以上である着色樹脂微粒子が水に分散されていることを特徴とする水性インク用着色樹脂微粒子の分散液(例えば、特許文献1参照)、2)水、ポリマーで構成されているマトリックス、及び水不溶性染料を有する、有色マイクロスフェア、並びに、無色マイクロスフェアを含有している筆記具用水性インク組成物、前記有色マイクロスフェアがテルペンフェノール樹脂などのOH基を有する樹脂を更に内包していること(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の染料で着色した樹脂粒子を着色剤として含有する筆記具用水性インク組成物は、今までにない優れた筆記性能を有するものであるが、筆記した描線が、時間の経過とともに滲みを生じることが稀にあった。その理由は定かでないが、紙を構成する成分によって前記染料が引き寄せられる(移染している)と推測される。また、上記特許文献2の有色マイクロスフェアはテルペンフェノール樹脂など内包する点で、本願発明の近接技術を示すものであるが、粒子を構成するポリマー成分が相違し、また、その作用効果も相違するものである。
特開2019−112561号公報(特許請求の範囲、実施例等) 国際公開2018−42818号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、染料で着色した樹脂粒子を着色剤として含有する筆記具用水性インク組成物であっても、筆記した描線は滲みもなく優れた筆記性能を有する筆記具用水性インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が所定の範囲以上とし、さらに特定の樹脂を内包する着色樹脂粒子の水分散体を含有することにより、上記目的の筆記具用水性インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、30質量%以上であり、さらにテルペンフェノール樹脂を内包する着色樹脂粒子の水分散体が含有されていることを特徴とする。
前記着色樹脂粒子中におけるテルペンフェノール樹脂の含有量をA、着色樹脂粒子を構成する重合性ポリマー成分の含有量をBとした場合に、A/(A+B)が0.05〜0.5であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、30質量%〜95質量%であることが好ましい。
前記着色樹脂微粒子の平均粒子径が20〜300nmであることが好ましい。
本発明によれば、染料で着色した樹脂粒子を着色剤として含有する筆記具用水性インク組成物であっても、筆記した描線は経時後であっても滲みもなく優れた筆記性能を有する筆記具用水性インク組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、30質量%以上であり、さらにテルペンフェノール樹脂を内包する着色樹脂粒子の水分散体が含有されていることを特徴とするものである。
本発明に用いる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーは、内包可能な染料の量を多くしても、色の濃い発色性に優れる安定な着色樹脂微粒子が得られる点、並びに、得られる着色樹脂微粒子が筆記具用などの色材として十分な描線の濃度となる点などから用いるものである。
なお、上記「(メタ)アクリル酸」の表記は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を表す。また、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの製造法は、既知であり、従来の製法、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルは、(メタ)アクリル酸と、シク
ロヘキサノールとを無機酸、有機スルホン酸、強酸性イオン交換樹脂等の触媒を用いてエステル化するエステル化法や、チタンや錫等を含む有機金属化合物を触媒に用いるエステル交換法により、製造することができる。
本発明においては、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの他に、更に、発色性に優れる着色樹脂微粒子を得る点等から、好ましくは、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー以外の疎水性ビニルモノマー、水性モノマーを用いることができる。
疎水性ビニルモノマーとしては、例えば、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー以外のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル類、スチレン、メチルスチレンなどのスチレン類などの少なくとも1種のモノマーを用いることができる。
用いることができる疎水性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、スチレン、メチルスチレン等の少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物)が挙げられる。
用いることができる水性モノマーとしては、例えば、グリセリンモノメタクリレート、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-テトラメチレングリコール-モノメタクリレート、プロピレングリコール-ポリブチレングリコール-モノメタクリレート等の少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物)が挙げられる。
本発明に用いる塩基性染料としては、例えば、ジ及びトリアリールメタン系染料;アジン系(ニグロシンを含む)、オキサジン系、チアジン系等のキノンイミン系染料;キサンテン系染料;トリアゾールアゾ系染料;チアゾールアゾ系染料;ベンゾチアゾールアゾ系染料;アゾ系染料;ポリメチン系、アゾメチン系、アザメチン系等のメチン系染料;アントラキノン系染料;フタロシアニン系染料等の塩基性染料などの少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、水溶性の塩基性染料が望ましい。
用いることができる具体的な塩基性染料としては、C.I.ベーシックイエロー(−1,−2,−9,−80等)、C.I.ベーシックオレンジ(−1,−2,−7,−34等)、C.I.ベーシックレッド(−1,−2,−3,−53等)、C.I.ベーシックバイオレット(−1,−2,−3,−39等)、C.I.ベーシックブルー(−1,−2,−5,−88等)、C.I.ベーシックグリーン(−1,−4,−6,−10等)、C.I.ベーシックブラウン(−1,−2,−4,−15等)、C.I.ベーシックブラック(−1,−2,−7,−8等)などのCOLOR INDEXに記載されている各No.の各色の染料が挙げられる。
また、これらの市販品も使用することができ、黄色塩基性染料では、AIZEN CATHILON YELLOW GLH(保土谷化学工業社製の商品名)等、赤色塩基性染料では、AIZEN CATHILON RED BLH、AIZEN CATHILON RED RHなど(以上、保土谷化学工業社製の商品名)、Diacryl Supra Brilliant Red 2Gなど(三菱化学社製の商品名)、Sumiacryl Red B(住友化学社製の商品名)等、青色塩基性染料では、AIZEN CATHILON TURQUOISE BLUE LH(保土谷化学工業社製の商品名)等、緑色塩基性染料では、Diacryl Supra Brilliant Green 2GL(三菱化学社製の商品名)等、茶色塩基性染料では、Janus Brown R(日本化学社製の商品名)、AIZEN CATHILON BROWN GH(保土谷化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
また、本発明に用いる油溶性染料としては、一般に市販されているモノアゾ、ジスアゾ、金属錯塩型モノアゾ、アントラキノン、フタロシアニン、トリアリールメタン等が挙げられる。また、酸・塩基性染料等の官能基を疎水基で置換した造塩タイプ油溶性染料も使用することができる。
黄色系としては、C.I.ソルベントイエロー114、116;オレンジ系としては、C.I.ソルベントオレンジ67;赤色系としては、C.I.ソルベントレッド122、146;青色系としては、C.I.ソルベントブルー5、36、44、63、70、83、105、111;黒色系としては、C.I.ソルベントブラック3、7、27、29;等がそれぞれ挙げられる。
具体的な市販の油溶性染料としては、青染料SBNブルー701(保土谷化学工業社製)、青染料オイルブルー650(オリエント化学工業社製)、青染料サビニールブルーGLS(クラリアント社製)、赤染料SOC−1−0100(オリエント化学工業社製)、オイルブラック860、オイルピンク314、オイルイエロー3G、バリファストピンク2310N、同レッド3312、同イエローCGHNnew、同イエロー1108、同ブラック3830(オリエント化学工業社製)等を挙げることができる。なお、上記オイルピンク314のSolvent Red 49を用いて着色した従来の樹脂粒子は、特に、時間の経過と共に滲みが生じやすいものであった。
本発明に用いるテルペンフェノール樹脂は、環状テルペンモノマーとフェノール類とを、例えば、フリーデルクラフト触媒などの触媒の存在下で反応(共重合)させた樹脂であり、その反応形態は特に限定されず、得られる種々のテルペンフェノール樹脂を用いることができ、例えば、下記式(I)で示されるものが挙げられる。
Figure 2021176922
〔上記式(I)中のm、nは、正の数である。〕
用いるテルペンフェノール樹脂の原料のテルペンモノマーは、単環のテルペンモノマーであってもよいし、双環のテルペンモノマーであってもよい。原料である環状テルペンモノマーの具体例としては、リモネン、ジペンテン(リモネンの光学異性体)、テルピノーレン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、メンタジエンなどが挙げられる。
テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
用いるテルペンフェノール樹脂は、例えば、テルペンモノマー1モルとフェノール類0.1〜50モルをフリーデルクラフト触媒などの触媒の下で、−10〜120℃の温度で0.5〜20時間、カチオン重合反応させて製造することができる。
反応溶媒は使用しなくてもよいが、通常、芳香族系炭化水素類、アルコール類、エーテル類などの溶媒を使用してもよい。
このようにして製造されるテルペンフェノール樹脂は、用いる環状テルペンモノマー、フェノール類の種類、使用量により重量平均分子量(Mw)、軟化点等が相違する各テルペンフェノール樹脂が得られるものである。また、これらのテルペンフェノール樹脂に水素が添加された水添テルペンフェノール樹脂であってもよい。
好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、上記式(I)で示されるものが望ましい。
用いることができるテルペンフェノール樹脂としては、例えば、上記製造法により製造したものや、市販のヤスハラケミカル社製のYSポリスターT145、YSポリスターT130、YSポリスターK125、YSポリスターS145、YSポリスターN125、マイティーエースG150などが挙げられ、また、テルペンフェノール樹脂の水素添加物としては、市販のヤスハラケミカル社製のYSポリスターUH、などが挙げられ、これらは各単独で、または二種以上混合して用いることができる。
本発明の水性インク用着色樹脂微粒子の分散液は、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成されると共に、テルペンフェノール樹脂が内包される着色樹脂微粒子が水に分散されているものであり、その製造法としては、例えば、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーに、または、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーとこれ以外の疎水性ビニルモノマーなどを含む混合モノマーに、上記塩基性染料又は油溶性染料を溶解し、更に、テルペンフェノール樹脂を配合して、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素などを重合開始剤として、また還元剤を更に併用した重合開始剤とし、更にトリアリルイソシアヌレート、イソシアヌル酸トリアリル、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、ジトリメチロールプロパンアクリレート、ジペンタエリスリトールアクリレート、メトキシ化ビスフェノールAメタクリレート、ペンタエリスリトールメタクリレート、ジトリメチロールプロパンメタクリレート、ジペンタエリスリトールメタクリレート、エトキシ化ポリグリセリンメタクリレートなどの架橋剤や、必要に応じて、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)−アルキルエーテル硫酸アンモニウム、エーテルサルフェート、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル、ポリアクリル酸アンモニウム、スチレン-マレイン酸コポリマーアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの重合性界面活性剤(乳化剤)を用いて乳化重合することなどにより製造することができる。また、上記染色は重合と同時に行ったが、重合後に塩基性染料又は油溶性染料を溶解して染色を行っても良い。
上記トリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤を用いると、着色樹脂微粒子の耐熱性、機械的特性、耐加水分解性、耐候性が向上できるので好ましい。
本発明において、上記乳化重合の際には、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーなどに、更に、ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーなどを適宜量混合して乳化重合を行ってもよい。このジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーを更に、混合して乳化重合したものでは、分散液中の水分が揮発したとしても安定性が損なわれにくく、更に安定性に優れた筆記具用着色樹脂微粒子の分散液などが得られるものとなる。
用いることができるジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーには、ジシクロペンタニルアクリレートモノマー、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートモノマー、ジシクロペンテニルメタクリレートを含むものである。
また、本発明において、上記乳化重合の際には、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー、これ以外の上記疎水性ビニルモノマーなど、上記ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーの他に、エポキシ基、ヒドロキシメチルアミド基、イソシアネート基などの反応性架橋基を有するモノマーや2つ以上のビニル基を有する多官能性モノマーを適宜量配合して架橋してもよい。
本発明において、前記筆記具用着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分のうち、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は、着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分に対して、30質量%以上であることが必要であり、好ましくは、30〜95質量%、更に好ましくは、30〜70質量%であることが望ましい。
なお、本発明において、「重合性ポリマー成分」とは、着色樹脂微粒子を構成する重合性成分をいい、具体的には、用いる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、用いる他のモノマー成分と、後述する架橋剤の合計量をいう。
上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量を重合性ポリマー成分に対して、30質量%以上とすることにより、本発明の効果を発揮せしめることができ、一方、この含有量が30質量%未満であると、経時安定性が劣ることとなり、好ましくない。
また、前記筆記具用着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分のうち、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー以外の他のモノマー成分の含有量は、用いる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、テルペンフェノール樹脂と、後述する架橋剤との合計量の残部となるものである。
好ましくは、他のモノマー成分の含有量は、本発明の効果を更に発揮せしめる点、分散性の点、反応性の点から、重合性ポリマー成分に対して、5〜85質量%とすることが望ましい。
本発明において、上記塩基性染料又は油溶性染料の含有量は、発色性、十分な描線濃度を得る点、安定性などの点から、重合性ポリマー成分に対して、好ましくは、15質量%以上とすることが必要であり、好ましくは、15〜50質量%、更に好ましくは、15〜40質量%とすることが望ましい。
この染料の含有量を15%以上とすることにより、十分な発色性、十分な描線濃度を発揮せしめることができ、一方、染料の含有量が15質量%未満であると、発色性が十分でなくなる。
更に好ましくは、前記着色樹脂粒子中におけるテルペンフェノール樹脂の含有量をA、着色樹脂粒子を構成する重合性ポリマー成分の含有量をBとした場合に、染料のブリードによる描線の滲みをより抑制する点、耐水性向上の点から、A/(A+B)が0.05〜0.5であることが望ましく、特に好ましくは、0.2〜0.4である。
上記必要に応じて用いることができる重合性界面活性剤としては、上記乳化重合に通常用いられる重合性界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、重合性界面活性剤としては、アニオン系またはノニオン系などの重合性界面活性剤であり、アデカ(株)製のアデカリアソープNE−10、同NE−20、同NE−30、同NE−40、同SE−10N、花王(株)製のラテムルS−180、同S−180A、同S−120A、三洋化成工業(株)製のエレミノールJS−20、第一工業製薬社製のアクアロンKH−05、同KH−10、同HS−10、同AR−10、同RN−10、などの少なくとも1種が挙げられる。これらの重合性界面活性剤の使用量は、上記重合性ポリマー成分に対して、0〜50質量%、好ましくは、0.1〜50質量%が望ましい。
また、上記トリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤の含有量は、上記重合性ポリマー成分に対して、0〜50質量%、好ましくは、0.1〜25質量%が望ましい。
本発明において、上記好ましい態様、具体的には、少なくとも、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーに、上述の塩基性染料又は油溶性染料を溶解し、テルペンフェノール樹脂を配合して乳化重合することにより、または、少なくとも、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと他のモノマー成分を含む混合モノマーに、テルペンフェノール樹脂を配合して重合後に、塩基性染料又は油溶性染料を溶解して染色することにより、筆記具用着色樹脂微粒子の分散液が得られることとなる。
この着色樹脂微粒子の分散液は、従来よりも十分な発色性、経時安定性などに優れた機能を有すると共に、テルペンフェノール樹脂の内包により、筆記した描線に滲みが生じない色材となるものであり、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物の色材として有用となるものである。
また、本発明において、得られる筆記具用着色樹脂微粒子の分散液における着色樹脂微粒子の平均粒子径は、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー、用いる他のモノマー種、含有量、重合の際の重合条件等により変動するものであるが、好ましくは、20〜300nm、更に好ましくは、40〜150nm、更に好ましくは、60〜110nmであることが望ましい。
上記好ましい平均粒子径の範囲とすることにより、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具のペン芯において目詰まりすることなく、更に、保存安定性などに優れたものとなる。
なお、本発明で規定する「平均粒子径」は、散乱光強度分布によるヒストグラム平均粒子径であり、本発明(後述する実施例を含む)では、粒度分布測定装置〔FPAR1000(大塚電子社製)〕にて、測定した値D50の値である。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも、上記構成の着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性有機溶剤と、水とを含有することを特徴とするものである。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ オール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル1,3−ブタンジオール、2メチルペンタン −2,4−ジオール、3−メチルペンタン−1,3,5トリオール、1,2,3−ヘキサントリオールなどのアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールなどのグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールの低級アルキルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダリジノンなどの少なくとも1種が挙げられる。
その他にも、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類、アセトンなどのケトン類などの水溶性溶剤を混合することもできる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具種により変動するものであり、インク組成物全量に対して、1〜40質量%である。
水(水道水、精製水、イオン交換水、蒸留水、純水など)の含有量は、インク組成物全量に対して30〜90質量%が好ましく、より好ましくは40〜60質量%である。
また、着色樹脂粒子の含有量は、筆記具種、流出機構(ペン芯、ボールペン)等により変動するものであるが、固形分量で、筆記具用水性インク組成物全量に対して、1〜30質量%が好ましい。
本発明の筆記具用水性インク組成物では、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて防腐剤もしくは防黴剤、pH調整剤、消泡剤などを適宜選択して使用することができる。
例えば、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリポリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などの少なくとも1種が挙げられる。
防腐剤もしくは防黴剤として、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルフォニル)ピリジン、安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物などの少なくとも1種が挙げられる。
潤滑剤としてリン酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ塩、ノニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのフッ素系界面活性剤、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変性シリコーンなどの少なくとも1種が挙げられる。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも、上記構成の水性インク用着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性溶剤、その他の各成分を筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用等)インクの用途に応じて適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザーもしくはディスパー等の撹拌機により撹拌混合することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって筆記具用水性インク組成物を調製することができる。
本発明の筆記具は、上記組成の筆記具用水性インク組成物を搭載したものであり、例えば、ボールペンチップ、繊維チップ、フェルトチップ、プラスクチップ、繊維芯、多孔質芯などのペン先部を備えたボールペン、マーキングペン等に搭載される。
ボールペンとしては、上記組成の筆記具用水性インク組成物をボールペン用インク収容体(リフィール)に収容すると共に、該インク収容体内に収容された上記組成の筆記具用水性インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等がインク追従体として収容されるものが挙げられる。
なお、ボールペン、マーキングペンの構造は、特に限定されず、例えば、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の筆記具用水性インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のボールペン、マーキングペンであってもよいものである。
このように構成される本発明の筆記具用水性インク組成物では、少なくとも、上記構成の筆記具用着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性溶剤と、水とを含有することにより、十分な描線濃度と、経時安定性に優れたサインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物が得られることとなる。
次に、製造例、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔製造例1〜10:着色樹脂微粒子の分散液(粒子1〜10)の製造〕
下記製造例1〜10により、各着色樹脂微粒子の分散液を製造した。なお、以下の「部」は質量部を表す。
(製造例1)
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、蒸留水325.5部、グリセリンモノメタクリレート〔ブレンマーGLM、日油社製〕5部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム〔アクリルエステルSEM−Na、三菱ケミカル社製〕5部、重合性界面活性剤〔ADEKA社製、アデカリアソープSE−10N、エーテルサルフェート〕20部及び過硫酸アンモニウム0.5部を仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温した。
一方、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー55部と、他のモノマーとして、メタクリル酸n−ブチル35部とからなる混合モノマーに、染料として、油溶性染料〔バリファーストピンク2310N、オリエント化学工業社製〕20部、油溶性染料〔オイルピンンク 314、オリエント化学工業社製〕12部、油溶性染料〔バリファース レッド 3312、オリエント化学工業社製〕12部、架橋剤〔トリアリルイソシアヌレート、日本化成社製、「タイク(TAIC)」〕10部、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕28部を混合した液を調製した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、筆記具用着色樹脂微粒子の分散液(粒子1)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、55質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、44質量%、前記着色樹脂粒子中におけるテルペンフェノール樹脂の含有量をA、着色樹脂粒子を構成する重合性ポリマー成分の含有量をBとした場合に、A/(A+B)は0.22、また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、101nmであった。
(製造例2)
上記製造例1において、蒸溜水を304.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を30部とし、メタクリル酸n−ブチルの量を45部とし、また、染料として、油溶性染料〔サビニールブルーGLS、クラリアント社製〕40部、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕として、40部を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子2)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、35質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、47質量%、上述のA/(A+B)は0.32であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、123nmであった。
(製造例3)
上記製造例1において、蒸溜水を318.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を60部とし、メタクリル酸n−ブチルの量を30部とし、また、染料として、油溶性染料〔スピロンイエローCGNH New、保土谷化学工業社製〕25部、油溶性染料〔バリファーストイエロー1109、オリエント化学工業社製〕11部、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕として、15部を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子3)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、60質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、36質量%、上述のA/(A+B)は0.13であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、98nmであった。
(製造例4)
上記製造例1において、蒸溜水を281.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を60部とし、メタクリル酸n−ブチルの量を35部とし、また、染料として、
油溶性染料〔バリファーストレッド3312、オリエント化学工業社製〕10部、油溶性染料〔バリファーストブラック1821、オリエント化学工業社製〕25部、油溶性染料〔バリファーストイエロー129、オリエント化学工業社製〕10部、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターK125、ヤスハラケミカル社製〕28部を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子4)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、57質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、43質量%、上述のA/(A+B)は0.21であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、104nmであった。
(製造例5)
上記製造例4において、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターK125、ヤスハラケミカル社製〕を38部とした以外は、上記製造例4と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子5)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、57質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、43質量%、上述のA/(A+B)は0.27であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、126nmであった。
(製造例6)
上記製造例4において、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターK125、ヤスハラケミカル社製〕を17部とした以外は、上記製造例4と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子6)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、57質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、43質量%、上述のA/(A+B)は0.14であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、91nmであった。
(製造例7)
上記製造例1において、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕28部を、テルペン・フェノール樹脂〔マイティーエースG150、ヤスハラケミカル社製〕28部とした以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子7)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、55質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、44質量%、上述のA/(A+B)は0.22であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、109nmであった。
(製造例8)
上記製造例1において、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕28部を、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターT145、ヤスハラケミカル社製〕28部とした以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子8)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、55質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、44質量%、上述のA/(A+B)は0.22であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、113nmであった。
(製造例9)
上記製造例1において、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕28部を、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターUH、ヤスハラケミカル社製〕28部とした以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子9)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、55質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、44質量%、上述のA/(A+B)は0.22であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、99nmであった。
(製造例10)
上記製造例1において、テルペン・フェノール樹脂〔YSポリスターN125、ヤスハラケミカル社製〕を用いず(含有量、ゼロ)とした以外は、上記製造例1と同様にして、筆記具用着色微粒子水性分散液(粒子10)を得た。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、55質量%、前記油溶性染料の含有量は重合性ポリマー成分に対して、44質量%、上述のA/(A+B)は0であった。また、着色樹脂微粒子の平均粒子径は、104nmであった
上記製造例1〜10で得た各筆記具用着色樹脂微粒子の分散液は、樹脂固形分は20〜40質量%であった。
〔実施例1〜9及び比較例1:筆記具用水性インク組成物の調製〕
上記製造例1〜10により製造した各着色樹脂微粒子の分散液(粒子1〜10)を用いて、下記に示す配合組成(全量100質量%)により常法により各筆記具用水性インク組成物を調製した。
インク組成:(全量100質量%)
各水性インク用着色樹脂微粒子の分散液 50質量%
pH調整剤(トリエタノールアミン) 1質量%
水溶性有機溶剤(エチレングリコール) 5質量%
イオン交換水 44質量%
得られた各筆記具用水性インク組成物(全量100質量%)について、下記評価方法により、滲み性について評価した。
下記表1に実施例1〜9及び比較例1の各評価結果を示す。
(ブリード試験方法)
実施例1〜9及び比較例1で得た各インク組成物を充填したマーキングペン(PIN-05:三菱鉛筆社製)を用いて、PPC用紙に直径約5cmの円を筆記した。このPPC用紙を50℃で一か月間静置後、描線の状態について下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:滲みは認められない。
B:僅かな滲みが認められる。
C:滲みが明らかである。
Figure 2021176922
上記表1を考察すると、本発明範囲となる実施例1〜9は、本発明の範囲外となる比較例1に較べ、経時後であっても滲みがなく筆記性能に優れていることが確認された。
サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具などに好適な筆記具用水性インク組成物が得られる。

Claims (4)

  1. 少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、30質量%以上であり、さらにテルペンフェノール樹脂を内包する着色樹脂粒子の水分散体が含有されていることを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
  2. 前記着色樹脂粒子中におけるテルペンフェノール樹脂の含有量をA、着色樹脂粒子を構成する重合性ポリマー成分の含有量をBとした場合に、A/(A+B)が0.05〜0.5であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用水性インク組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する重合性ポリマー成分に対して、30質量%〜95質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用水性インク組成物。
  4. 前記着色樹脂微粒子の平均粒子径が20〜300nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物。
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