JP7288327B2 - 筆記具用水性インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、発色性に優れた着色樹脂粒子を用いたサインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物に関する。
従来より、特定のポリマー構成を有する樹脂エマルションを染料で染色して、疑似顔料とも呼ばれる色材として利用することが広く知られている。
例えば、樹脂エマルションを染色可能な染料により染色を行った着色樹脂エマルションを少なくとも含む筆記具用水性インク組成物であって、前記着色樹脂エマルションはポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを用いて染色を行ったことを特徴とする筆記具用水性インク組成物(例えば、本願出願による特許文献1参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1の記載には、着色樹脂粒子を作成する際に、酸性染料と塩基性染料の構造を有する造塩染料を用いた着色樹脂粒子の開示や認識はないものである。
着色樹脂粒子は、様々な染料により着色することが可能であるが、染料の種類によって粒子に取り込むことができる量に上限があったりする課題がある。全体的な傾向としては、酸性染料は上限の量が低いのが現状である。したがって、発色性能に優れた酸性染料であっても着色樹脂粒子の着色剤として用いた場合には、その特性が充分に発揮できない場合があり、更なる発色性に優れた着色樹脂粒子が切望されているのが現状である。
特開2017-2121号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、発色性に優れた着色樹脂粒子を用いたサインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物、これを搭載した筆記具を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、発色の良い酸性染料の特性を低減させることなく、酸性染料と塩基性染料の構造を有する造塩染料を用いることにより、上記目的の筆記具用水性インク組成物等が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具用水性インク組成物は、酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色された着色樹脂粒子を含むことを特徴とする。
本発明の筆記具は、上記筆記具用水性インク組成物を搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、発色性に優れたサインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物、並びに、これを搭載した筆記具が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色された着色樹脂粒子を含むことを特徴とするものである。
〈造塩染料〉
本発明に用いる酸性染料と塩基性染料の造塩体(造塩化合物)である造塩染料は、酸性染料と塩基性染料を反応させて得られる化合物であり、原料物質である発色の良い酸性染料の特性を低減させることなく、酸性染料及び塩基性染料の双方が優れた分光特性と色純度を有するものである。また、造塩体としての分光調整を、酸性染料と塩基性染料の組み合わせによって行うことができるという長所を有するものである。
さらに、本発明では、酸性染料と塩基性染料との造塩体は、酸性染料の誘導体であるスルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等のアミド化合物とは異なり、染料イオンがアニオン性である酸性染料と、染料イオンがカチオン性である塩基性染料との化学(造塩)反応により得られる化合物であるため、極めて剛直な構造を取り、化学的に安定性を有している。
そのため、酸性染料と塩基性染料との造塩体合物からなる造塩染料を着色樹脂粒子の色材として用いた場合、染料同士の混合物を用いる場合とは異なり、化学的に安定な化合物として機能するため、酸性染料と塩基性染料の各々が持つ優れた分光特性と色純度が損なわれることがなく、優れた発色性、明度を有する着色樹脂粒子が得られることとなる。
また、構造的に安定であるために、耐熱性・耐光性に優れた分光特性を示す。加えて、造塩反応の出発物質である発色の良い酸性染料の特性を低減させることなく、酸性染料と塩基性染料が、それぞれ優れた分光特性と色純度を有するため、造塩反応の出発物質の組み合わせを変えることで任意の分光調整が可能である。さらに、造塩化合物となることによって耐水性などが付与されるため、水を含む溶媒中への分散性に優れたものになる。
本発明に用いる酸性染料は、染料の分子中にスルホン酸基・カルボキシル基などの酸性の基、あるいはその塩の構造を有する水溶性染料である。
酸性染料の中には、直接染料と分類されるものがあり、直接染料は、酸性染料の中でも分子量が大きく平面構造を有し、直接染料と塩基性染料との造塩化合物は、特に耐熱性が優れたものであり、着色樹脂粒子に用いる樹脂粒子のモノマー種などを好適に選択することにより、発色性、耐熱性に優れたものとなる。
用いることができる直接染料としては、例えば、アゾ系染料、チアゾール系染料、アントラキノン系染料、オキサジン系染料、フタロシアニン系染料等を用いることができる。以下に、使用可能な染料をカラーインデックス(C.I.)番号で例示する。
アゾ系染料としては、例えば、C.I. Direct Yellow 2,33,34,35,39,50,69,70,71,86,93,94,95,98,102,109,129,136,141;
C.I. Direct Orange 41,46,56,61,64,70,96,97,106,107;
C.I. Direct Red 79,82,83,84,97,98,99,106,107,172,173,176,177,179,181,182,204,207,211,213,218,221,222,232,233,243,246,250;
C.I.Direct Violet 47,52,54,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
C.I. Direct Blue 51,57,71,81,84,85,90,93,94,95,98,100,101,113,149,150,153,160,162,163,164,166,167,170,172,188,192,193,194,196,198,200,207,209,210,212,213,214,222,228,229,237,238,242,243,244,245,247,248,250,251,252,256,257,259,260,268,274,275;
C.I. Direct Green 27,34,37,65,67,68,69,72,77,79,82などが挙げられる。チアゾール系染料としては、C.I. Direct Yellow 54が挙げられる。
オキサジン系染料としては、C.I. Direct Blue 97,99,106,107,108,109,190,293などが挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. Direct Blue 77が挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、C.I.Direct Blue 86,87, 189,199などが挙げられる。
その他の直接染料としては、C.I. Direct Yellow 38,43,47,58,68,108,138;C.I.Direct Orange 34,39,50,52,57,65,68;C.I. Direct Red 91,92,96,105,184,220,234,241;C.I.Direct Violet 59;C.I. Direct Blue 80,114,115,117,119,137,155,156,158,159,161,171,173;C.I. Direct Green 25,31,32,63,66などが挙げられる。
直接染料以外の酸性染料としては、アゾ系染料、キサンテン系染料、フタロシアニン系染料、アントラアキノン系染料、キノリン系染料、アジン系染料、インジゴイド系染料等を用いることができる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I. Acid Red 1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I. Acid Orange 7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. Acid Violet 11、56、58;
C.I. Acid Yellow 1、6、6C、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. Acid Brown 2、4、13、248;
C.I. Acid Blue 92、102、113、117などが挙げられる。
キサンテン系染料としては、C.I. Acid Red 50、51、52、87などが挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、C.I. Acid Blue 249が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. Acid Red 82、92;C.I. Acid Violet 41、42、43;C.I. Acid Blue 14、22、25、40、45、78、80、127:1、129、145、167、230;C.I. Acid Green 25、27等が挙げられる。
キノリン系染料としては、C.I. Acid Yellow 3が挙げられる。
アジン系染料としては、C.I. Acid Blue 59,102などが挙げられる。
インジゴイド系染料としては、C.I. Acid Blue 74が挙げられる。
その他の染料としては、C.I. Acid Violet 49;C.I. Acid Brown 19;C.I. Acid Blue 7、9、74、112、126、167;C.I. Acid Green 9等が挙げられる。
本発明に用いる塩基性染料は、分子中にアミノ基やイミノ基などのなどの塩基性の基、あるいはその塩の構造を有し、水溶液中でカチオンとなる染料である。
用いることができる塩基性染料としては、例えば、ジ及びトリアリールメタン系染料;アジン系(ニグロシンを含む)、オキサジン系、チアジン系等のキノンイミン系染料;キサンテン系染料;トリアゾールアゾ系染料;チアゾールアゾ系染料;ベンゾチアゾールアゾ系染料;アゾ系染料;ポリメチン系、アゾメチン系、アザメチン系等のメチン系染料;アントラキノン系染料;フタロシアニン系染料;アクリジン系染料、ローダミン系染料、トリアリールメタン系染料等の塩基性染料などの少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、水溶性の塩基性染料が望ましい。
用いることができる具体的な黄色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Yellow 1,2,9,11,12,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,33,34,35,36,40,41,51,63,73,80等のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。また、市販されている黄色塩基性染料としては、AIZEN CATHILON YELLOW GPLH、Spillon Yellow C-GNH-new(保土谷化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
橙色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Orange 1,2,7,14,15,21,22,23,24,25,30,32,33,34等のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。
赤色塩基性染料の例としては、C.I.ベーシックレッド(Basic Red)-1、-2、-3、-4、-8、-9、-12、-13、-14、-15、-16、-17、-18、-22、-23、-24、-25、-26、-27、-29、-30、-32、-34、-35、-36、-37、-38、-39、-40、-41、-42、-43、-46、-49、-50、-51、-52、-53等のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。また、市販されている赤色塩基性染料としては、AIZEN CATHILON RED BLH、AIZEN CATHILON RED RHなど(以上、保土谷化学工業社製の商品名)、Diacryl Supra Brilliant Red 2Gなど(三菱化学社製の商品名)、Sumiacryl Red B(住友化学社製の商品名)等が挙げられる。
紫色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Violet 1,2,3,4,5,6,7,8,10,11,11:1,12,13,14,15,16,18,21,23,24,25,26,27,28,29,33,39等のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。
青色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Blue 1,2,3,5,6,7,8,9,15,18,19,20,21,22,24,25,26,28,29,33,35,37,40,41,42,44,45,46,47,49,50,53,54,58,59,60,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,75,77,78,79,82,83,87,88等のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。また、市販されている青色塩基性染料としては、AIZEN CATHILON TURQUOISE BLUE LH(保土谷化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
緑色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Green 1,4,6,10等のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。また、市販されている緑色塩基性染料としては、Diacryl Supra Brilliant Green 2GL(三菱化学社製の商品名)等が挙げられる。
茶色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Brown 1,2,4,5,7,11,12,13,15のCOLOR INDEXに記載されている染料が挙げられる。また、市販されている茶色塩基性染料としては、Janus Brown R(日本化学社製の商品名)、AIZEN CATHILON BROWN GH(保土谷化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
黒色塩基性染料の例としては、C.I.Basic Black 1,2,3,7,8等のCOLOR INDEXに記載されている染料或いはニグロシン系塩基性染料が挙げられる。
本発明において、酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料の製造方法としては、周知の方法を適用することが可能である。例えば、それぞれ酸性染料水溶液および塩基性染料水溶液を準備し、これらを混合撹拌後、造塩体の濾過を行って、回収した析出物を乾燥させて所定の造塩染料を得ることができる。
また、着色樹脂粒子を製造する際に、酸性染料および塩基性染料を混合することで造塩体の作製と着色樹脂粒子の合成を連続的に行うこともできる。
本発明において、直接染料と塩基性染料との造塩化合物からなる造塩染料は、単独で、また、2種類以上の造塩化合物からなる造塩染料を組合せて使用することもできる。
また、本発明では、酸性染料と塩基性染料の造塩体である市販品の造塩染料を用いることもでき、更に、市販品の酸性染料と塩基性染料とを用いて合成した造塩染料も用いることができる。
市販品では、オリヱント化学工業社製のVALIFAST RED 1308(C.I. Acid Yellow 23とC.I. Basic Red 1の造塩体)、VALIFAST RED 1320(C.I.Acid Yellow 42とC.I. Basic Red 1の造塩体)、VALIFAST RED 1355、同1388(共にC.I.Acid Yellow 23とC.I. Basic Red 1の造塩体)、VALIFAST GREEN 1501:(C.I.Acid Yellow 42とC.I. Basic Blue 1の造塩体)、VALIFAST VIOLET 1701(C.I. Acid Yellow 42とC.I. Basic Violet 1の造塩体)、VALIFAST VIOLET 1704(C.I.Acid Yellow 36とC.I.Basic Violet 1の造塩体)、市販品を合成した造塩染料〔Water Yellow 6C(オリヱント化学工業社製:C.I. Acid Yellow 6C)とSpillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製、塩基性染料)との造塩染料〕、C.I. Acid Blue 9とSpillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製)との造塩染料、C.I. Acid Blue 9とC.I. Basic Violet 1との造塩染料などが挙げられる。
〈着色樹脂粒子〉
本発明において、着色樹脂粒子は、樹脂粒子が上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色されたものであり、例えば、アクリル系の樹脂粒子、酢酸ビニル系の樹脂粒子、ウレタン系の樹脂粒子、スチレン-ブタジエン系の樹脂粒子、スチレンアクリロニトリル系の樹脂粒子が上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色されたものが挙げられ、これらは、各アクリル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、スチレン-ブタジエン系、スチレンアクリロニトリル系の原料モノマーの少なくとも1種と上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料とで構成される各種着色樹脂粒子が挙げられ、好ましくは、染色課程を更に安定化させ、濃度が高く経時安定性、上記造塩染料による発色性に優れる点から、アクリル系の着色樹脂粒子が望ましい。
この造塩染料により着色されたアクリル系の着色樹脂粒子としては、例えば、少なくとも、酸性官能基として水への溶解度が10質量%以下のカルボキシル基含有ビニルモノマーと、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーと、上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料とで構成される着色樹脂粒子が挙げられる。
用いることができる酸性官能基として水への溶解度が10質量%以下のカルボキシル基含有ビニルモノマーは、発色モノマーとなるものであり、水への溶解度が10質量%以下であり、カルボキシル基の酸性官能基を有するビニルモノマーであれば特に制限はなく、例えば、コハク酸-2-メタクリロイルオキシエチル〔三菱レイヨン(株)製、アクリルエステルSA、水への溶解度:1.86質量%〕、マレイン酸-2-メタクリロイルオキシエチル〔三菱レイヨン(株)製、アクリルエステルML、水への溶解度:9.17質量%〕、フタル酸-2-メタクリロイルオキシエチル〔三菱レイヨン(株)製、アクリルエステルPA、水への溶解度:0.08質量%〕、ヘキサヒドロフタル酸-2-メタクリロイルオキシエチル〔三菱レイヨン(株)製、アクリルエステルHH、水への溶解度:3.40質量%〕などの少なくとも1種が挙げられる。特に好ましくは、上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料との相性、更なる十分な発色性を付与する点から、フタル酸-2-メタクリロイルオキシエチルの使用が望ましい。
上記水への溶解度が10質量%以下となるカルボキシル基含有ビニルモノマーを用いると、上記エステルモノマーとの混合モノマー中の酸性モノマーの割合を高めることができ、従って、上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料のビニルモノマーへ混和できる量が非常に多くなり、その結果、更に造塩染料による色の濃い発色性に優れる着色樹脂粒子を得ることができる。
上記アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーは、骨格モノマーとなるものであり、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルであり、具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の少なくとも1種を好適に示すことができる。なお、上記「(メタ)アクリル酸」の表記は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を表す。
特に好ましくは、描線乾燥性を更に向上させる(メタ)アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシルの使用が望ましい。
上記造塩染料により着色されたアクリル系の着色樹脂粒子の製造は、少なくとも、上記酸性官能基として水への溶解度が10質量%以下のカルボキシル基含有ビニルモノマーと、上記アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーと、酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料とで構成される着色樹脂粒子が水に分散されている水分散体を得、この水分散体を乾燥などすることにより製造することができる。また、上記着色樹脂粒子の水分散体を用いて本発明の筆記具用水性インク組成物としてもよいものである。
具体的な上記の製造法としては、例えば、上記酸性官能基として水への溶解度が10質量%以下のカルボキシル基含有ビニルモノマーと、上記アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーとを含む混合モノマーに上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料を溶解し、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素などを重合開始剤として、また還元剤を更に併用した重合開始剤とし、更に必要に応じて重合性界面活性剤を用いて乳化重合することなどにより製造することができる。また、上記染色は重合と同時に行ったが、重合後に上記造塩染料を溶解して染色を行っても良い。
上記乳化重合の際には、上記カルボキシル基含有ビニルモノマー成分、上記アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルに、更にジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーを混合して乳化重合を行ってもよい。上記ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーを更に、混合して乳化重合したポリマーは、分散液中の水分が揮発したとしても安定性が損なわれにくく、更に安定性に優れた着色樹脂粒子の分散液、筆記具用水性インク組成物が得られるものとなるからである。
なお、ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーには、ジシクロペンタニルアクリレートモノマー、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートモノマー、ジシクロペンテニルメタクリレートを含むものである。
また、上記乳化重合の際には、上記各成分以外に、他の疎水性ビニルモノマーを混合して乳化重合を行ってもよい。用いることができる疎水性ビニルモノマーとしては、特に制限することはなく、例えば、スチレン、メチルスチレンなどのスチレン類などが挙げられる。また、該乳化重合において、エポキシ基、ヒドロキシメチルアミド基、イソシアネート基などの反応性架橋基を有するモノマーや2つ以上のビニル基を有する多官能性モノマーを配合して架橋してもよい。
本発明において、前記着色樹脂粒子を構成するポリマー成分のうち、上記カルボキシル基含有ビニルモノマーと、上記エステルモノマーの合計含有量は、発色性、耐候性、安定性などの色材としての機能に加えて、描線乾燥性を向上させる点から、ポリマー構成中60質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは、70質量%以上~100質量%が望ましい。特に好ましくは、上記カルボキシル基含有ビニルモノマーの含有量は、40質量%以上であり、上記エステルモノマーの含有量が、20質量%以上であることが望ましい。
上記着色樹脂粒子を構成するポリマー成分のうち、更に、前記ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合は、安定性の点、インク性能の更なる向上の点から、その含有量は1~25質量%、更に好ましくは、5~15質量%であることが望ましい。
本発明において、上記造塩染料の含有量は、発色性、耐候性、安定性などの色材としての機能の点から、モノマー全量に対して、好ましくは、0.2~50質量%、更に好ましくは、0.5~10質量%とすることが望ましい。
上記必要に応じて用いることができる重合性界面活性剤としては、上記乳化重合に通常用いられる重合性界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、重合性界面活性剤としては、アニオン系またはノニオン系の重合性界面活性剤であり、アデカ(株)製のアデカリアソープNE-10、同NE-20、同NE-30、同NE-40、同SE-10N、花王(株)製のラテムルS-180、同S-180A、同S-120A、三洋化成工業(株)製のエレミノールJS-20などの少なくとも1種が挙げられる。これらの重合性界面活性剤の使用量は、上記モノマー全量に対して、0~50質量%、好ましくは、0.1~50質量%が望ましい。
上記好ましい態様、具体的には、少なくとも、上記カルボキシル基含有ビニルモノマー40質量%以上と、上記エステルモノマー20質量%以上と含む混合モノマーに、上述の如く造塩染料を溶解し、乳化重合することにより、または、少なくとも、上記重合後に造塩染料を溶解して染色することにより、樹脂固形分として20~50質量%の着色樹脂粒子が水に分散されている着色樹脂粒子の分散液が得られ、これを乾燥処理等することにより着色樹脂粒子が得られることとなる。なお、筆記具用水性インク組成物に用いる場合は、上記で得られる着色樹脂粒子の分散液をそのまま使用しても良いものである。
なお、上記ではアクリル系の着色樹脂粒子を詳述したが、酢酸ビニル系の着色樹脂粒子ウレタン系の着色樹脂粒子、スチレン-ブタジエン系の着色樹脂粒子、スチレンアクリロニトリル系の着色樹脂粒子にあっても、各モノマー原料と上記酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料とで構成される各着色樹脂粒子を製造することができる。
得られる上記着色樹脂粒子は、従来にない発色性に優れた性質を有するものとなり、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物の色材として有用となるものである。
また、本発明において、得られる着色樹脂粒子の平均粒子径は、各モノマー種、含有量、重合の際の重合条件等により変動するものであるが、1μm以下となるものであり、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具のペン芯において目詰まりすることないものとなる。なお、本発明において、「平均粒子径」とは、レーザー回折法で測定される体積基準により算出された粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)の値である。ここで、レーザー回折法による平均粒子径の測定は、例えば、日機装株式会社の粒子径分布解析装置HRA9320-X100を用いて行うことができる。
〈筆記具用水性インク組成物〉
本発明の筆記具用水性インク組成物は、上記構成の酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色された着色樹脂粒子を含有するものであり、更に、水溶性有機溶剤と、水を含有することが好ましい。
着色樹脂粒子の含有量は、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具種により変動するものであり、インク組成物全量に対して、樹脂固形分量で、好ましくは、0.1~30.0質量%、より好ましくは、0.5~20.0質量%とすることが望ましい。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジ オール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3-メチル1,3-ブタンジオール、2メチルペンタン -2,4-ジオール、3-メチルペンタン-1,3,5トリオール、1,2,3-ヘキサントリオールなどのアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールなどのグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルなどのグリコールの低級アルキルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどの少なくとも1種が挙げられる。
その他にも、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類、アセトンなどのケトン類などの水溶性溶剤を混合することもできる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具種により変動するものであり、インク組成物全量に対して、1~40質量%、描線乾燥性を更に向上させる点から、10質量%以下としたインク組成に対して特に有効であり、より好ましくは、3~8質量%とすることが望ましい。
また、水(水道水、精製水、イオン交換水、蒸留水、純水など)の含有量は、インク組成物全量に対して30~90質量%が好ましく、より好ましくは40~60質量%である。
本発明の筆記具用水性インク組成物では、筆記具種、並びに、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、防腐剤もしくは防黴剤、pH調整剤、消泡剤、分散剤などを適宜選択して使用することができる。
例えば、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などの少なくとも1種が挙げられる。
防腐剤もしくは防黴剤として、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2-ベンズイソチアゾリン3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物などの少なくとも1種が挙げられる。
潤滑剤としてリン酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ塩、ノニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのフッ素系界面活性剤、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変性シリコーンなどの少なくとも1種が挙げられる。
このように構成される本発明の筆記具用水性インク組成物では、発色性に優れる酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色された着色樹脂粒子又はその分散液を含有するので、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物が得られることとなる。
〈筆記具〉
本発明の筆記具は、上記構成の筆記具用水性インク組成物を搭載したことを特徴とするものである。
具体的には、上記構成の筆記具用水性インク組成物は、ボールペンチップ、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン先部を備えたボールペン、マーキングペン等に搭載される。
ボールペンとしては、上記組成の筆記具用水性インク組成物を直径が0.18~2.0mmのボールを備えたボールペン用インク収容体(リフィール)に収容すると共に、該インク収容体内に収容された水性インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等がインク追従体として収容されるものが挙げられる。
なお、ボールペン、マーキングペンの構造は、特に限定されず、例えば、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の筆記具用水性インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のボールペン、マーキングペンであってもよいものである。
このように構成される筆記具では、上述の発色性に優れた筆記具用水性インク組成物を搭載しているので、発色性に優れた所望の鮮やかな色(黄色、赤色、青色、黒色等)のサインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具が得られることとなる。
次に、造塩染料及び着色樹脂粒子の製造例、筆記具用水性インク組成物の実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
(製造例1)
下記着色樹脂粒子を製造する際に、酸性染料および塩基性染料を混合することで造塩体(造塩染料)の作製と着色樹脂粒子の合成を連続的に行うことにより着色樹脂粒子1を得た。
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、蒸留水500g、重合性界面活性剤〔アデカ社製、「アデカリアソープSE-10N」〕50gおよび過硫酸アンモニウム3gを仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温した。
一方、フタル酸-2-メタクリロイルオキシエチル〔三菱レイヨン(株)製、アクリルエステルPA、水への溶解度:0.08質量%〕300g、メタクリル酸n-ブチル200gからなる混合モノマー500gに、酸性染料として、Water Yellow 6C(オリヱント化学工業社製:アシッドイエロー6C)20g、塩基性染料としてSpillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製)25gを混合した液を調製した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、着色樹脂粒子の分散液を得た。
(製造例2)
上記製造例1において、酸性染料として、C.I.Acid Blue 9:20g、塩基性染料として、Spillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製)25gに代えて上記製造例1と同様にして着色樹脂粒子2を得た。
(製造例3)
上記製造例1において、酸性染料として、C.I.Acid Yellow 42:18g、塩基性染料として、C.I.Basic Violet 1:22gに代えて上記製造例1と同様にして、着色樹脂粒子3を得た。
(製造例4)
上記製造例1において、酸性染料(Water Yellow 6C(オリヱント化学工業社製:アシッドイエロー6C)20g、塩基性染料〔Spillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製)〕25gに代えて、造塩染料として、オリヱント化学工業社製のVALIFAST RED 1308(C.I.Acid Yellow 23とC.I.Basic Red 1の造塩体)45gを用いて、上記製造例1と同様にして、着色樹脂粒子4を得た。
(製造例5)
上記製造例4において、造塩染料として、オリヱント化学工業社製のVALIFAST RED 1320(C.I.Acid Yellow 42とC.I.Basic Red 1の造塩体)45gに代えて、上記製造例4と同様にして、着色樹脂粒子5を得た。
(製造例6)
上記製造例4において、造塩染料として、オリヱント化学工業社製のVALIFAST GREEN 1501(C.I.Acid Yellow 42とC.I.Basic Blue 1の造塩体)45gに代えて、上記製造例4と同様にして、着色樹脂粒子6を得た。
(製造例7)
上記製造例4において、造塩染料として、オリヱント化学工業社製のVALIFAST VIOLET 1701(C.I.Acid Yellow 42とC.I.Basic Violet 1との造塩体)45gに代えて、上記製造例4と同様にして、着色樹脂粒子7を得た。
(製造例8)
上記製造例4において、造塩染料として、オリヱント化学工業社製のVALIFAST VIOLET 1704(C.I.Acid Yellow 36とC.I.Basic Violet 1との造塩体)45gに代えて、上記製造例と同様にして、着色樹脂粒子8を得た。
(比較製造例1)
上記製造例1において、塩基性染料〔Spillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製)〕25gを用いずに、酸性染料(Water Yellow 6C(オリヱント化学工業社製:アシッドイエロー6C)40gを用いて、上記製造例1と同様にして、着色樹脂粒子9を得た。
(比較製造例2)
上記製造例2において、塩基性染料〔Spillon Yellow C-GNH-new(保土ケ谷化学社製)〕25gを用いずに、酸性染料C.I.Acid Blue 9 45gを用いて、上記製造例2と同様にして、着色樹脂粒子10を得た。
(比較製造例3)
上記製造例3において、塩基性染料〔C.I.Basic Violet 1〕22gを用いずに、酸性染料C.I.Acid Yellow 42:45gを用いて、上記製造例3と同様にして、着色樹脂粒子11を得た。
(比較製造例4)
上記製造例4において、造塩染料(VALIFAST RED 1308)を酸性染料C.I.Acid Yellow 23:45gに代えて、上記製造例4と同様にして、着色樹脂粒子12を得た。
(比較製造例5)
上記製造例8において、造塩染料(VALIFAST VIOLET 1704)を酸性染料C.I.Acid Yellow 36:45gに代えて、上記製造例8と同様にして、着色樹脂粒子13を得た。
(実施例1~8及び比較例1~5:筆記具用水性インク組成物の調製)
上記製造例1~8及び比較製造例1~5で得られた各着色樹脂粒子の分散液を用いて下記に示す配合処方にしたがって、常法により各筆記具用水性インク組成物を調製した。
各水性インク用着色樹脂粒子の分散液は、平均粒子径30~500nmの範囲であり、樹脂固形分が30質量%であった。
(配合組成)
各水性インク用着色樹脂粒子の分散液 50質量%
pH調整剤(トリエタノールアミン) 1質量%
水溶性有機溶剤(エチレングリコール) 5質量%
イオン交換水 44質量%
得られた各筆記具用水性インク組成物(全量100質量%)について、下記方法により筆記具としてマーキングペンを作製し、下記評価方法により、発色性について評価した。
下記表1に実施例1~8及び比較例1~5の各評価結果を示す。
(筆記具:マーキングペンの作製)
マーキングペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:プロパス・ウインド PUS-102T、ペン先、太:PE樹脂、細:PET繊維〕に上記実施例1~8及び比較例1~5で製造した各インク組成物を装填してマーキングペンを作製した。
(発色性の評価方法)
上記で得た実施例1~8及び比較例1~5で調製した各インク組成物を装填したマーキングペンを用いてPPC用紙に筆記して、下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:濃度が高い発色
B:濃度がやや低い発色
C:濃度が薄い、或いは着色が不完全
Figure 0007288327000001
上記表1を考察すると、本発明範囲となる実施例1~8は、本発明の範囲外となる比較例1~5に較べ、発色性に優れる筆記具用水性インク組成物となることが判った。
サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具などに好適な筆記具用水性インク組成物が得られる。

Claims (5)

  1. 酸性染料と塩基性染料の造塩体である造塩染料で着色された着色樹脂粒子を含み、
    前記着色樹脂粒子が、少なくとも、水への溶解度が10質量%以下のカルボキシル基含有ビニルモノマーと、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖アルコール又は環状アルコールとのエステルモノマーとのポリマーと、前記造塩染料とで構成される
    ことを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
  2. 前記着色樹脂粒子を構成するポリマーとなるモノマー成分のうち、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーと前記エステルモノマーの合計含有量が60質量%以上である請求項1記載の筆記具用水性インク組成物。
  3. 前記着色樹脂粒子を構成するポリマーとなるモノマー成分のうち、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーの含有量が40質量%以上であり、前記エステルモノマーの含有量が20質量%以上である請求項1記載の筆記具用水性インク組成物。
  4. 更に、ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーを、前記着色樹脂粒子を構成するポリマーとなるモノマー成分のうち、1~25質量%含有する請求項1記載の筆記具用水性インク組成物。
  5. 請求項1-4のいずれか一項に記載の筆記具用水性インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
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