JP2021176123A - リチウム二次電池の正極材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム二次電池に優れたサイクル性能を付与することができる、正極材料を提供する。【解決手段】ここに開示されるリチウム二次電池の正極材料は、正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子の表面にチタン酸化物の被覆と、を備える。前記チタン酸化物のチタンの価数は、3.75以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池の正極材料に関する。
近年、リチウム二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウム二次電池は、その普及に伴いさらなる高性能化が望まれている。一般的に、リチウム二次電池の正極には、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質が用いられている。リチウム二次電池の性能を向上させるために、正極活物質粒子の表面をチタン酸化物で被覆した正極材料を用いる技術が知られている。具体的には、特許文献1では、出力特性等を改善するために、正極活物質粒子の表面をTiOで被覆した正極材料を用いることが提案されている。
特開2015−099646号公報
本発明者等が鋭意検討した結果、従来技術の正極材料を用いたリチウム二次電池においては、充放電を繰り返した際の容量劣化耐性(言い換えると、サイクル性能)に改善の余地があることを見出した。
そこで本発明は、リチウム二次電池に優れたサイクル性能を付与することができる正極材料を提供することを目的とする。
ここに開示されるリチウム二次電池の正極材料は、正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子の表面にチタン酸化物の被覆と、を備える。前記チタン酸化物のチタンの価数は、3.75以下である。
このような構成によれば、リチウム二次電池に優れたサイクル性能を付与することができる正極材料が提供される。
本発明の一実施形態に係る正極材料を用いて構築されるリチウム二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る正極材料を用いて構築されるリチウム二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本実施形態に係るリチウム二次電池の正極材料は、正極活物質粒子と、当該正極活物質粒子の表面にチタン酸化物の被覆と、を備える。ここで、当該チタン酸化物のチタンの価数は、3.75以下である。
本実施形態に係る正極材料に含まれる正極活物質としては、リチウム二次電池に用いられる公知の正極活物質を用いてよい。具体的に例えば、リチウム複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。正極活物質の結晶構造は、特に限定されず、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってよい。
リチウム複合酸化物としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等が挙げられる。
初期抵抗が小さいことから、リチウム複合酸化物は、層状構造を有することが好ましく、層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物であることがより好ましい。
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Si、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物としては、下式(I)で表される組成を有するものが好ましい。
Li1+xNiCoMn(1−y−z)α2−ββ (I)
式(I)中、x、y、z、α、およびβは、0≦x≦0.7、0.1<y<0.9、0.1<z<0.4、0≦α≦0.1、0≦β≦0.5を満たす。Mは、Zr、Mo、W、Mg、Ca、Na、Fe、Cr、Zn、Si、Sn、およびAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。Qは、F、ClおよびBrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。エネルギー密度および熱安定性の観点から、yおよびzはそれぞれ、0.3≦y≦0.5、0.20≦z<0.4を満たすことが好ましい。
リチウム遷移金属リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸マンガン鉄リチウム等が挙げられる。
正極活物質粒子の形状は、特に限定されず、球状、板状、針状、不定形状等であってよい。また、正極活物質粒子は、一次粒子が凝集した二次粒子の形態であってもよく、中空粒子の形態であってもよい。
正極活物質粒子の平均粒子径(D50)は、特に制限はないが、例えば、0.05μm以上20μm以下であり、好ましくは0.5μm以上15μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。
なお、正極活物質粒子の平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折散乱法等により求めることができる。
本実施形態に係る正極材料に含まれる正極活物質粒子は、チタン酸化物によって被覆される。当該チタン酸化物のチタン(Ti)の価数は、3.75以下である。
従来技術のように、一般的なチタン酸化物は、Tiの価数が4のTiOである。これに対し、本実施形態においては、酸素欠陥を有するチタン酸化物が正極活物質粒子の被覆として用いられる。そして、この酸素欠陥の程度の指標として、Tiの価数が3.75以下である。言い換えると、本実施形態においては、チタン酸化物は、TiO2−n(0.125≦n<2)で表される。
正極活物質粒子をこのような酸素欠陥を有するチタン酸化物で被覆することにより、サイクル性能(すなわち、充放電を繰り返した際の容量劣化耐性)を向上させることができる。この理由は、次のように考えられる。
正極活物質粒子をTiの価数が4のTiOで被覆した場合には、正極活物質粒子と被覆との接合性が悪く、この接合性が悪い部分では、正極活物質粒子と被覆との間に隙間が生じ得る。この隙間に非水電解液が侵入すると非水電解液の分解反応が起こり、充放電を繰り返すうちに非水電解液の分解が進んで容量劣化が進行する。
しかしながら、本実施形態のように被覆のチタン酸化物が酸素欠損を有する場合には、被覆と正極活物質粒子の表面とが接する部分において、チタン酸化物が酸素欠陥を埋めるべく正極活物質粒子の表面の酸素と反応して結合し(実際に、実施例において被覆原料に対して被覆のTiの価数が変化している)、その結果、正極活物質粒子と被覆との接合性が高くなる。そのため、接合性の悪さに起因する正極活物質粒子と被覆との間の隙間が生じにくい。その結果、正極活物質粒子と被覆との間への非水電解液の侵入が起こらず、それに起因する容量劣化を抑制することができる。
なお、Tiと1〜3価の金属とを含有する複合酸化物であって、Tiの価数が3.75以下の複合酸化物も存在する。しかしながらこのような複合酸化物は、酸素欠陥が1〜3価の金属によって安定化されているため、このような複合酸化物を被覆に用いても被覆と正極活物質粒子の表面の酸素との反応が起こらず、容量劣化抑制効果は適切には得られない。
被覆のチタン酸化物のTiの価数は、3.75以下である限り特に限定されない。チタン酸化物のTiの価数が小さいほど、サイクル性能向上効果が大きくなる。そのため、チタン酸化物のTiの価数は、好ましくは3.5以下であり、より好ましくは3.30以下であり、さらに好ましは、3.15以下である。一方で、チタン酸化物のTiの価数が小さくなると、そのようチタン酸化物の合成が困難となる。そのため、チタン酸化物のTiの価数は、好ましくは2.50以上であり、より好ましくは2.75以上であり、さらに好ましくは3.00以上である。チタン酸化物のTiの価数として最も好ましくは、3.00である。なお、チタン酸化物のTiの価数は、XAFS(X線吸収微細構造)法により求めることができる。
なお、本実施形態において、チタン酸化物には、不可避的不純物が含有されること等もあり得る。よって、本実施形態において、チタン酸化物は、本発明の効果を顕著に阻害しない範囲内で(例えば、XPS法に基づく元素分析において0.5原子%以下の範囲内で、好ましくは0.3原子%以下の範囲内で、より好ましくは0.1原子%以下の範囲内で)、TiおよびO以外の元素を含有していてもよい。TiおよびO以外の元素の例としては、Na等のアルカリ金属元素、Mg等のアルカリ土類金属元素などが挙げられる。チタン酸化物は、TiおよびOのみからなることが好ましい。
チタン酸化物の被覆が、正極活物質粒子の表面に存在する形態には特に制限はない。チタン酸化物の被覆は、正極活物質粒子の表面に島状に存在していてもよい(すなわち、点在していてもよい)。あるいは、チタン酸化物の被覆が一つの層を形成して、正極活物質粒子の表面を完全に被覆していてもよい。電池特性の観点から、チタン酸化物の被覆は、正極活物質粒子の表面に点在していることが好ましい。
本実施形態において、チタン酸化物の被覆量は特に限定されない。例えば、正極活物質に対するチタン酸化物の被覆量は、0.05モル%以上3モル%以下であってよく、0.5モル%以上2モル%以下であってよい。
本実施形態に係る正極材料は、例えば、被覆を構成するチタン酸化物を、正極活物質粒子と混合し、酸素分圧の低い(特に、酸素が存在しない)雰囲気下(例えば、アルゴンガス雰囲気下)で焼成することによって、作製することができる。
本実施形態に係る二次電池によれば、リチウム二次電池に優れたサイクル性能(具体的には、充放電を繰り返した際の優れた容量劣化耐性)を付与することができる。特に、高温(例えば60℃)で充放電を繰り返した際の優れた容量劣化耐性を付与することができる。加えて、本実施形態に係る二次電池によれば、リチウム二次電池に優れた低温(例えば−10℃)での抵抗特性を付与することができる。
本実施形態に係る正極材料は、リチウム二次電池用であり、公知方法に従って、本実施形態に係る正極材料を用いてリチウム二次電池を構築することができる。そこで、以下、本実施形態に係る正極材料を含む正極を備えるリチウム二次電池の具体的な構成例を、図面を参照しながら説明する。なお、当該リチウム二次電池は、以下説明する例に限定されない。
図1に示すリチウム二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。正負極端子42,44はそれぞれ正負極集電板42a,44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質には、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54は、正極活物質を含む材料である上述の本実施形態に係る正極材料を含む。また正極活物質層54は、導電材、バインダ等をさらに含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、従来からリチウム二次電池に用いられるものと同様の各種多孔質シートを用いることができ、その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解液は従来のリチウム二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。或いは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒および支持塩以外の成分、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
リチウム二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウム二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以上、例として扁平形状の捲回電極体を備える角型のリチウム二次電池について説明した。しかしながら、本実施形態に係る正極材料は、公知方法に従い、他の種類のリチウム二次電池にも使用可能である。例えば、本実施形態に係る正極材料を用いて、積層型電極体を備えるリチウム二次電池を構築することもできる。また、本実施形態に係る正極材料を用いて、円筒型リチウム二次電池、ラミネート型リチウム二次電池等を構築することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔実施例1〕
<正極材料の作製>
正極活物質粒子として層状構造を有するLiNi1/3Co1/3Mn1/3粒子を準備した。この正極活物質粒子をTi(Tiの価数=3.75)と、正極活物質粒子:Ti=99:1(モル比)となるように、乳鉢で30分間混合した。
得られた混合物を、500℃で12時間焼成することによって、正極活物質粒子の表面にチタン酸化物の被覆が形成された正極材料を得た。
<評価用リチウム二次電池の作製>
上記作製した正極材料と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、正極材料:AB:PVDF=80:8:2の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)中でプラネタリミキサを用いて混合し正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、膜厚調整機能付きフィルムアプリケーター(オールグット社製)を用いてアルミニウム箔の両面に塗布した。その後、乾燥機にて80℃で5分間乾燥して、正極シートを得た。
また、負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンラバー(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水中で混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、膜厚調整機能付きフィルムアプリケーター(オールグット社製)を用いて銅箔の両面に塗布した。その後、乾燥機にて80℃で5分間乾燥して、負極シートを得た。
また、2枚のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して円筒型の捲回電極体を作製した。作製した捲回電極体の正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を溶接により取り付け、これを、注液口を有する電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
以上のようにして、実施例1の評価用リチウム二次電池を得た。
〔比較例1〕
実施例1で作製した層状構造を有するLiNi1/3Co1/3Mn1/3粒子をそのまま正極材料として用いた以外は実施例1と同様にして、評価用リチウム二次電池を作製した。
〔比較例2、実施例2〜3〕
表1に記載のチタン含有酸化物を被覆原料として用いた以外は実施例1と同様にして、正極材料を作製した。次いで、この正極材料を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用リチウム二次電池を作製した。
〔比較例3〕
NaOとTiOとを、NaO:TiO=1:99のモル比で乳鉢で30分間混合した。得られた混合物を、1000℃で2時間焼成することによって、NaTiOを作製した。このNaTiOを被覆原料として用いた以外は実施例1と同様にして、正極材料を作製した。次いで、この正極材料を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用リチウム二次電池を作製した。
〔比較例4〕
MgOとTiOとを、MgO:TiO=1:99のモル比で乳鉢で30分間混合した。得られた混合物を、1000℃で2時間焼成することによって、MgTiOを作製した。このMgTiOを被覆原料として用いた以外は実施例1と同様にして、正極材料を作製した。次いで、この正極材料を用いた以外は実施例1と同様にして、評価用リチウム二次電池を作製した。
<正極材料の被覆のTiの価数測定>
各実施例および各比較例の正極材料に対して、硬X線XAFS(蛍光法)により、測定元素Tiとして測定を行った。測定結果より、Tiの価数を下記式によって求めた。
Ti価数=4*ITiO2(ITiO2+ITi2O3)+3*ITi2O3(ITiO2+ITi2O3
TiO2:正極測定時のETiO2ピーク強度
Ti2O3:正極測定時のETi2O3ピーク強度
TiO2:TiO(粉末)測定時のK端立ち上がりエネルギー
Ti2O3:Ti(粉末)測定時のK端立ち上がりエネルギー
<他元素含有量評価>
グローブボックス中で、比較例2および比較例3で作製したNaTiOおよびMgTiOをアルミニウム製のサンプルパンに入れ、錠剤成形機によりプレスして測定試料を作製した。これを、XPS分析ホルダーに貼り付け、XPS分析装置「PHI 5000 VersaProbe II」(ULVAC−PHI社製)を用いて、下記に示す条件でXPS測定を行った。測定元素の組成分析を行い、NaまたはMg元素の割合を「原子(Atomic)%」で算出した。
X線源:AlKα単色光
照射範囲φ100μmHP(1400×200)
電流電圧:100W、20kV
中和銃:ON
パスエネルギー:187.85eV(ワイド)、46.95−117.40eV(ナロー)
ステップ:0.4eV(ワイド)、0.1eV(ナロー)
シフト補正:C−C,C−H (C1s、284.8eV)
ピーク情報:Handbook of XPS (ULVAC−PHI)
<活性化および初期容量測定>
上記作製した各評価リチウム二次電池を25℃の環境下に置いた。活性化(初回充電)は、定電流−定電圧方式とし、各評価用リチウム二次電池を1/3Cの電流値で4.1Vまで定電流充電を行った後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後、各評価用リチウム二次電池を1/3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。そして、このときの放電容量を測定して初期容量を求めた。
<低温抵抗測定>
活性化した各評価用リチウム二次電池を、60℃の温度環境下に9時間静置した。その後、3.70Vの電圧(開放電圧)に調製した後、−10℃の環境下に置いた。この各評価用リチウム二次電池に対し、1Cの電流値で10秒間の充電を行った。このときの電圧変化量ΔVを取得し、電流値とΔVを用いて電池抵抗を算出した。比較例1の正極材料を用いた評価用リチウム二次電池の抵抗を100とした場合の、他の比較例および実施例の正極材料を用いた評価用リチウム二次電池の抵抗の比を求めた。結果を表1に示す。
<サイクル性能評価>
活性化した各評価用リチウム二次電池を60℃の環境下に置き、2Cで4.1Vまで定電流充電および2Cで3.0Vまで定電流放電を1サイクルとする充放電を200サイクル繰り返した。200サイクル後の放電容量を、初期容量と同様の方法で求めた。高温サイクル性能の指標として、(充放電200サイクル後の放電容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2021176123
表1の結果より、正極活物質粒子がチタン酸化物の被覆を有し、チタン酸化物のTiの価数が3.75以下である場合に、60℃で充放電を繰り返した際の容量維持率が高く、また低温での抵抗が小さいことがわかる。よって、本実施形態に係るリチウム二次電池の正極材料によれば、リチウム二次電池に優れたサイクル性能を付与することができることがわかる。また、本実施形態に係るリチウム二次電池の正極材料によれば、リチウム二次電池に優れた低温抵抗特性を付与することができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウム二次電池

Claims (1)

  1. 正極活物質粒子と、
    前記正極活物質粒子の表面にチタン酸化物の被覆と、
    を備え、
    前記チタン酸化物のチタンの価数が、3.75以下である
    リチウム二次電池の正極材料。
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