JP2021170940A - 乳成分含有飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度の乳成分を含有し、可溶性コーヒー固形分濃度及び可溶性茶固形分濃度が低いにもかかわらず、不快なもたつき感が低減された飲料を提供する。【解決手段】可溶性コーヒー固形分濃度が0.3g/100mL未満であり、可溶性茶固形分濃度が0.1g/100mL未満であり、乳固形分が1〜16g/100mLである容器詰めの乳成分含有飲料において、飲料100mLあたりのカフェインの量を5〜100mgとする。【選択図】なし

Description

本発明は、高濃度の乳成分を含有する乳成分含有飲料に関する。より詳細には、高濃度の乳成分特有の不快なもたつき感が改善された、高濃度の乳成分を含有する乳成分含有飲料に関する。
近年、消費者の健康意識の高まりによって、タンパク質を効率良く摂取したいという要望が増加している。疲労回復には、炭水化物とタンパク質の速やかな摂取が必要であり、牛乳など哺乳類由来の乳又はこれらを利用した乳製品は、その両方の栄養素を豊富に含むため、疲労回復に最適な食品の一つであるといえる。特に、飲料形態の乳製品や乳成分含有飲料は、手軽に効率良く栄養素を摂取できるため、健康志向の消費者から強く支持されている。
常温で長期保存可能な容器詰めの乳成分含有飲料の製造工程において、容器に充填される前、または充填された後のいずれかに高温殺菌が施される。この加熱処理によって、飲料中の乳成分が熱変性し、乳独特の劣化臭(すえ臭(unpleasant smell)やムレ臭(stuffy smell))を発生させることが知られている。そこで、乳成分含有飲料において、乳加熱臭を抑制する方法が種々開発されている。例えば、牛乳中の溶存酸素を不活性の窒素ガスと置換することにより、加熱により生成するジメチルスルフィド及びジメチルジスルフィドに起因する乳加熱臭の生成を抑制する方法(特許文献1)、α−グリコシルトレハロースを含有させることにより、フルーツミルクやコーヒーミルクといった乳飲料における乳加熱臭の生成を抑制する方法(特許文献2)などがある。
特許3091752号公報 特開2006−94856号公報
栄養目的として飲料に多くの乳成分を配合する場合、配合量に伴って乳の濃度感やコクを増加させることができるが、加熱処理によって発生する乳独特の劣化臭がより強くなって不快なもたつき感として感じられ、飲料としての品質を損なうという問題があった。
本発明は、高温殺菌が施される容器詰めの乳成分含有飲料において、乳成分を多く含有するにも関わらず不快なもたつき感が低減された飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、高温殺菌によって発生する不快なもたつき感を、特殊な装置を用いることなく簡便かつ効率的に低減する方法を鋭意検討した。その結果、驚くべきことに、特定量のカフェインが乳劣化臭に起因する不快なもたつき感を顕著に低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
[1]以下i)及びii):
i)飲料中の可溶性コーヒー固形分濃度が0.3g/100mL未満である、及び
ii)飲料中の可溶性茶固形分濃度が0.1g/100mL未満である、
を満たし、飲料100mLあたり1〜16gの乳固形分を含有する容器詰めの乳成分含有飲料であって、飲料100mLあたり5〜100mgのカフェインを含有する上記飲料。
[2]加熱殺菌済容器詰飲料である、[1]に記載の飲料。
本発明によれば、乳劣化臭に起因する不快なもたつき感が低減された、乳成分を高濃度に含有する高品質な容器詰め飲料を製造することが可能となる。
(乳成分含有飲料)
本発明は、一つの態様において、i)可溶性コーヒー固形分濃度が0.3g/100mL未満であり、ii)可溶性茶固形分濃度が0.1g/100mL未満であり、乳固形分の濃度が1〜16g/100mLである乳成分含有飲料において、カフェインの濃度を5〜100mg/100mLとした飲料である。ここで、本発明でいう「乳固形分」とは、無脂乳固形分と乳脂肪分の総量をいい、「乳成分含有飲料」とは、乳固形分を含有する飲料をいう。本発明の乳固形分としては、飲料にミルク風味やミルク感を付与するために添加する乳成分であれば特に制限されない。例えば、乳、全脂乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、脱脂練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、バター、バターオイル、バターミルク、バターミルクパウダー、カゼイン、ホエー、チーズなどが挙げられる。本発明に係る飲料の原料となる乳成分としては、1種類の乳成分であってもよく、2種類以上の乳成分の混合物であってもよい。
本発明の乳成分含有飲料は、飲料100mLあたり1〜16gという高濃度の乳固形分を含有する。乳固形分の濃度は、好ましくは2〜15g/100mLであり、より好ましくは3〜15g/100mLであり、さらに好ましくは3〜12g/100mLである。乳固形分は、乳成分を一般的な乾燥法(凍結乾燥、蒸発乾固等)を用いて乾燥させて水分を除いた後の乾固物の重量を測定することで求めることができる。例えば、容器詰め飲料の容器上に表示された乳原料(乳成分)についてそれぞれ乳固形分を測定し、それを合計したものを飲料中の乳固形分とすることができる。また、例えば、乳成分以外にタンパク質や脂質を含む原料が配合されていない場合には、飲料のタンパク質と脂質量との合計をおおよその乳固形分と解することができる。
本発明の乳成分含有飲料は、高濃度の乳成分を含有するにもかかわらず、飲料のもたつき感が低減された飲料である。ここで、本明細書でいう「もたつき感」とは、飲料を飲み込んだ後に感じる乳劣化臭(すえ臭(unpleasant smell)やムレ臭(stuffy smell))の不快な後引きをいう。このもたつき感は、カフェオレなどのコーヒー風味の飲料やミルクティなどの紅茶風味の飲料では知覚されにくいことがわかった。一方、上記の乳固形分含量に加えて、以下i)及びii):
i)飲料中の可溶性コーヒー固形分濃度が0.3g/100mL未満である、
ii)飲料中の可溶性茶固形分濃度が0.1g/100mL未満である、
を満たす飲料は、本発明の課題(もたつき感)を生じやすいことがわかった。したがって、本発明の乳成分含有飲料は、上記の乳固形分含量に加えて、上記のi)及びii)を満たす通常はもたつき感を生じ得る飲料であって、本発明は、もたつき感を生じ得る乳成分含有飲料におけるもたつき感を低減させたものである。
ここで、「可溶性コーヒー固形分濃度」とは、焙煎コーヒー豆の抽出液(濃縮物や乾燥物を含む)などのコーヒー豆由来の成分を含有する液を一般的な乾燥法(凍結乾燥、蒸発乾固など)を用いて乾燥させて水分を除いた後の、乾固物の重量をいう。飲料サンプルを電気恒温乾燥機で105℃、8時間乾燥させた後の重量を測定することによって飲料の乾燥重量を測定し、得られた測定値からコーヒー由来の固形分以外の成分の乾燥重量を差し引くことにより測定することができる。本発明の飲料中の可溶性コーヒー固形分濃度は、0.3g/100mL未満であり、0.2g/100mL未満であることが好ましく、0.1g/100mL未満であることがより好ましく、0.05g/100mL未満であることがさらに好ましく、0.01g/100mL未満であることが特に好ましい。また、本発明の飲料が実質的に原材料としてコーヒーを含まないことは好ましい。容器詰め飲料において、容器上に記載される原材料の表示にコーヒー又はコーヒー豆の記載がない場合、その飲料は実質的に原材料としてコーヒーを含有していないと解することができる。なお、ここでいう原材料としてのコーヒーには、原材料として「カフェイン(抽出物)」と表記されるコーヒーを由来とするカフェイン精製品(例えば、カフェイン含量95%以上)は含まないものとする。乳成分含有飲料中の可溶性コーヒー固形分濃度が少ないほど、本発明の課題(もたつき感)が生じやすいが、本発明は、そのような「もたつき感」が生じやすい飲料においても「もたつき感」を低減できるという効果を奏する。
また、「可溶性茶固形分濃度」とは、紅茶、烏龍茶などの茶葉抽出液(濃縮物や乾燥物を含む)を一般的な乾燥法(凍結乾燥、蒸発乾固など)を用いて乾燥させて水分を除いた後の、乾固物の重量をいう。飲料サンプルを電気恒温乾燥機で105℃、8時間乾燥させた後の重量を測定することによって飲料の乾燥重量を測定し、得られた測定値から茶葉由来の固形分以外の成分の乾燥重量を差し引くことにより測定することができる。本発明の飲料中の可溶性茶固形分濃度は、0.1g/100mL未満であり、0.05g/100mL未満であることが好ましく、0.01g/100mL未満であることがより好ましく、0.005g/100mL未満であることがさらに好ましい。また、本発明の飲料が実質的に原材料として茶を含まないことは好ましい。容器詰め飲料において容器上に記載される原材料の表示に各種茶又は茶葉の記載がない場合、その飲料は実質的に原材料として茶を含有していないと解することができる。なお、ここでいう原材料としての茶には、原材料として「カフェイン(抽出物)」と表記される茶を由来とするカフェイン精製品(例えば、カフェイン含量95%以上)は含まないものとする。乳成分含有飲料中の可溶性茶固形分濃度が少ないほど、本発明の課題(もたつき感)が生じやすいが、本発明は、そのような「もたつき感」が生じやすい飲料においても「もたつき感」を低減できるという効果を奏する。
常温で長期間保存可能な乳成分含有飲料は、過酷な殺菌処理によって不快なもたつき感を発生するが、本発明の飲料は、このもたつき感を効果的に低減したものである。したがって、通常もたつき感を生じやすい常温で長期間保存可能な加熱殺菌済みの容器詰め飲料(本明細書中、「加熱殺菌済容器詰飲料」とも表記する)に対し、本発明を適用してもたつき感を低減させることは好ましい。ここで、加熱殺菌済飲料とは、80℃以上(好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上)160℃以下(好ましくは150℃以下)で、0.01分以上(好ましくは0.03分以上)60分以下(好ましくは30分以下)の加熱殺菌処理が行われた飲料をいう。加熱殺菌処理の方法は、容器によって適宜選択することができ、容器として耐熱性容器(金属缶、ガラス等)を使用する場合には、レトルト殺菌を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器(PETボトル、紙容器等)を用いる場合は、例えば、調合液を予めプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌し、一定の温度まで冷却した後、容器に充填することができる。効果の顕著さから、特にレトルト殺菌の缶容器入り飲料は好適な態様である。
(カフェイン)
本発明に係る乳成分含有飲料は、カフェインを含有させることにより、高濃度の乳成分を含有する飲料のもたつき感を低減することができる。本発明で用いるカフェインは特に限定されないが、好ましくは食品添加物として市販されているカフェインの精製品(カフェイン含量95%以上、より好ましくは98%以上)である。カフェインは、水和物でも無水物でもよい。本発明の乳成分含有飲料に含有させるカフェイン源として、カフェインの精製品ではなく、コーヒー豆の抽出物自体(カフェイン含量95%未満)や、茶葉の抽出物自体(カフェイン含量95%未満)を用いることは、可溶性コーヒー固形分濃度や可溶性茶固形分濃度を低く抑えることが難しくなる点から、好ましい態様ではない。
本発明のもたつき感の低減作用は、カフェイン含有量に応じて大きくなる。本発明の飲料におけるカフェインの含有量は、飲料100mLあたり5mg以上、好ましくは10mg/100mL以上、より好ましくは15mg/100mL以上である。一方、カフェイン含有量が高すぎると、カフェインが苦味として知覚され、飲料の香味に影響を及ぼすことがあることから、カフェイン含有量は100mg/100mL以下が好ましく、80mg/100mL以下がより好ましく、50mg/100mL以下がさらに好ましい。飲料中のカフェインの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
本発明者らは、カフェインと無脂乳固形分とが共存する際、カフェインの苦味に起因する後味の悪さが生じることがあることを見出した。カフェインの苦味に起因する後味の悪さを低減するためには、無脂乳固形分の重量(単位g)に対するカフェインの重量(単位mg)の比率(カフェイン含有量[mg]/無脂乳固形分量[g])が、25以下となるようにカフェイン含有量を調整することが好ましい。より好ましくは、無脂乳固形分に対するカフェインの比率が13以下であり、さらに好ましくは10以下である。無脂乳固形分は、乳固形分から乳脂肪分を引くことにより求められる。
(その他成分)
本発明の飲料は、高濃度の乳固形分を含有する飲料のもたつき感が低減された飲料である。飲料のもたつき感は、特に脂質を含む飲料で顕著に知覚されることから、一定量の脂質を含む飲料に本発明を適用することにより、通常であればもたつき感が顕著に知覚され得る飲料におけるもたつき感を低減させることは好ましい。ここで、脂質の原料となる成分としては、上記の乳脂肪分の他、食用油脂等が挙げられる。本発明に係る飲料は、飲料100mLあたり0.2〜5.0gの脂質を含むことが好ましく、0.3〜4.0gの脂質を含むことがより好ましく、0.5〜3.5の脂質を含むことが特に好ましい。これらの範囲の脂質を含む乳成分含有飲料は、通常はもたつき感が増強されて知覚されやすい状態となっているが、本発明を適用することによりもたつき感を低減させることができる。
本発明の飲料は、さらに甘味成分を含むことが好ましい。甘味成分は、カフェインと相加的に作用してもたつき感を低減させる効果を奏する。ここで甘味成分とは、甘味を有する成分であり、糖類、糖アルコール、甘味料をいう。具体的には、砂糖、果糖、ブドウ糖、マルトース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、トレハロース、ラクトースなどの甘味を有する糖類、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール等の糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア抽出物などの各種甘味料が挙げられる。中でも砂糖を含むことが好ましい。
本発明の飲料は、乳化剤を含む態様としてもよい。乳化剤を添加した飲料は、高濃度の乳固形分と相俟ってもたつき感がより顕著に知覚されることがある。乳化剤を含有する飲料に本発明を適用することにより、乳化剤に起因するもたつき感も低減することができる。乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等、公知の乳化剤を使用することが可能である。中でもショ糖脂肪酸エステルを好ましく選択することができる。
本発明の飲料は、高濃度の乳固形分を含む。pHが酸性領域になると、乳中の主要たんぱく質であるカゼインが凝集、沈殿する。したがって、凝集及び沈殿の抑制のためには、本発明に係る飲料のpH(20℃)は好ましくは5.0〜8.0であり、より好ましくは5.5〜8.0であり、より好ましくは5.8〜7.5である。pHをこの範囲にするために、酸味料は配合しないことが好ましい。
これら成分の他、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、香料、pH調整剤、酸化防止剤等を添加することができる。香料の種類は特に制限されないが、ミルク香料、バター香料等の乳成分の香気を増強する香料を好ましく選択することができる。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:カフェインによるもたつき感の低下作用
牛乳45重量%に、脱脂粉乳2.5重量%、砂糖5.0重量%、ショ糖脂肪酸エステル(リョートー(登録商標)シュガーエステルP−1670、三菱化学フーズ社製)0.2重量%、ミルク香料0.2重量%、表1の量のカフェイン(純度99%)及び水を適量加えて混合溶解させ、さらに水を加え全量を100重量%とした。この液を65℃に昇温し、高圧ホモジナイザーにて20MPaの圧力で均質化後、缶容器に充填し、121℃で30分間のレトルト殺菌を行い、缶入りのミルク飲料を調製した。殺菌後の飲料のpH(20℃)は6.4〜6.5であった。また、このミルク飲料100mLあたりの乳脂肪分は1.6g、無脂乳固形分は5.9gであり、乳固形分は7.5gであった。飲料中の可溶性コーヒー固形分濃度及び可溶性茶固形分濃度は0g/100mLであった。
得られた缶入りミルク飲料を5℃に冷却した後に開缶し、専門パネル4名が30mLずつを飲用することにより官能評価した。先ず、事前にパネルがコントロール(試料1−1)を飲用し、パネル間でコントロールの香味についてディスカッションをし、コントロールにおける「もたつき感」(飲料を飲み込んだ後に感じる乳劣化臭(すえ臭やムレ臭)の後引き)の共通認識を持つようにした。その後、各試料の「もたつき感」について、コントロールを4点として、以下の評価基準に基づいて各パネルが評価し、その平均点を採用した。
<評価基準(もたつき感)>
7:コントロールよりも非常に強く感じる
6:コントロールよりもかなり強く感じる
5:コントロールよりもやや強く感じる
4:コントロールと同等である
3:コントロールよりもやや弱く感じる
2:コントロールよりもかなり弱く感じる
1:コントロールよりも非常に弱く感じる。
評価結果を表1に示す。カフェインの含有量の増加に応じて、もたつき感が低減された。カフェイン100mg/100mL以上ではカフェインの苦味が後味に残り、後味のキレが悪くなる傾向にあると評価したパネルが存在したことから、カフェインの上限値は、100mg/100mL程度が好ましいことが示唆された。
Figure 2021170940
実験2:乳脂肪分の影響
牛乳14重量%、脱脂粉乳8.0重量%、カフェイン0〜100mg/100mL及び水を加え全量を100重量%とした。この液(100mLあたりの乳脂肪分は0.5g、無脂乳固形分は8.5gであり、乳固形分は9.0g)を用い、実験1と同様にして缶入りミルク飲料を調製した(試料2−1〜2−6)。また、牛乳及び脱脂粉乳の量を、牛乳42重量%及び脱脂粉乳5.5重量%に変える以外は、同様にして缶入りミルク飲料を調製した(試料2−7〜2−12)(100mLあたりの乳脂肪分は1.5g、無脂乳固形分は8.5gであり、乳固形分は10.0g)。さらに、牛乳96重量%及び脱脂粉乳0.9重量%に変える以外は、同様にして缶入りミルク飲料を調製した(試料2−13〜2−18)(100mLあたりの乳脂肪分は3.5g、無脂乳固形分は8.5gであり、乳固形分は12.0g)。殺菌後の飲料のpH(20℃)は6.3〜6.4であった。
得られた缶入りミルク飲料について、試料2−1〜2−6については試料2−1をコントロールとし、試料2−7〜2−12については試料2−7をコントロールとし、試料2−13〜2−18については試料2−13をコントロールとし、実験1と同様にしてもたつき感を評価した。さらに、後味のキレと香味の好ましさについても評価した。後味のキレは、乳のもたつき感とカフェインの苦味の両面から、これら不快な後味の残りにくさについて評価した。
<評価基準(後味のキレ)>
7:コントロールよりも非常に後味のキレが良い
6:コントロールよりもかなり後味のキレが良い
5:コントロールよりもやや後味のキレが良い
4:コントロールと同等である
3:コントロールよりもやや後味のキレが悪い
2:コントロールよりもかなり後味のキレが悪い
1:コントロールよりも非常に後味のキレが悪い。
<評価基準(香味の好ましさ)>
7:コントロールよりも非常に好ましい
6:コントロールよりもかなり好ましい
5:コントロールよりもやや好ましい
4:コントロールと同等の好ましさである
3:コントロールよりもやや好ましくない
2:コントロールよりもかなり好ましくない
1:コントロールよりも非常に好ましくない。
結果を表2及び表3に示す。乳脂肪分及び乳固形分の量に関係なく、カフェイン含有量の増加に応じて、もたつき感が低減された。カフェイン含有量が80mg/100mL程度でカフェインの苦味が後味に残るようになり、後味のキレと香味の好ましさの評価点がカフェイン含有量50mg/100mLの場合と比べて低下した。カフェイン含有量が100mg/100mLになると、コントロールよりも後味のキレ及び香味の好ましさが低くなった。
Figure 2021170940
Figure 2021170940
実験3:無脂乳固形分の影響
脱脂粉乳1〜16重量%、カフェイン0〜100mg/mL及び水を加え全量を100重量%とした。この液を用い、実験1と同様にして缶入りミルク飲料を調製した。殺菌後の飲料のpH(20℃)は6.3〜6.4であった。得られた缶入りミルク飲料について、試料3−1〜3−7(乳固形分1g/100mL)については試料3−1をコントロールとし、試料3−8〜3−14(乳固形分2g/100mL)については試料3−8をコントロールとし、試料3−15〜3−21(乳固形分4g/100mL)については試料3−15をコントロールとし、試料3−22〜3−28(乳固形分8g/100mL)については試料3−22をコントロールとし、試料3−29〜3−35(乳固形分16g/100mL)については試料3−29をコントロールとして、実験2と同様にしてもたつき感、後味のキレ、香味の好ましさを評価した。
結果を表4〜6に示す。無脂乳固形分及び乳固形分の量に関係なく、カフェイン含有量の増加に応じて、もたつき感が低減された。また、無脂乳固形分に対するカフェインの比率(カフェイン含有量[mg]/無脂乳固形分量[g])が、25以下となる飲料は、もたつき感が低減されているだけでなく、後味のキレも良く、好ましい香味であると評価された。
Figure 2021170940
Figure 2021170940
Figure 2021170940

Claims (2)

  1. 以下i)及びii):
    i)飲料中の可溶性コーヒー固形分濃度が0.3g/100mL未満である、及び
    ii)飲料中の可溶性茶固形分濃度が0.1g/100mL未満である、
    を満たし、飲料100mLあたり1〜16gの乳固形分を含有する容器詰めの乳成分含有飲料であって、飲料100mLあたり5〜100mgのカフェインを含有する上記飲料。
  2. 加熱殺菌済容器詰飲料である、請求項1に記載の飲料。
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