JP2021167620A - 軸受装置、車両および車両システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の車輪を支持する軸受の過剰な発熱を未然に防ぐことが可能な軸受装置、当該軸受装置を備える車両、および当該軸受装置を備える車両システムを提供する。【解決手段】軸受装置は、軸受ユニット部材と、少なくとも1つのセンサユニット2とを備える。軸受ユニット部材は、複数のころ7および固定された複数の内輪6が並ぶように配置される。軸受ユニット部材は、少なくとも1つの回転可能な外輪5と、複数の内輪6と、複数のころ7とを含む。複数のころ7のそれぞれは端面14を有する。複数の内輪6のそれぞれは端面14に接触可能な鍔部6bを有する。少なくとも1つのセンサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6に設置される。軸受ユニット部材は、自動車の車両に設置されるように用いられる。【選択図】図3

Description

本開示は、軸受装置、車両および車両システムに関するものである。
車両、特にトラックなどの大型車両の車輪を回転支持する軸受(車軸軸受)は、温度などの異常が発生した場合に、問題なく車両を停止させ軸受を早期に交換する要求がある。
そこで車輪を回転支持する用途の車軸軸受には、その温度を測定するための温度センサが設置される。このような温度センサは、たとえば特開2003−90335号公報(特許文献1)に鉄道車両用が開示され、特開2009−216230号公報(特許文献2)に自動車用が開示されている。なお大型トラックの軸受としては、単列の円錐ころ軸受が2個並んだ構造を有する軸受ユニット部材、または円錐ころ軸受の2列分の外輪が単一の外方部材として一体化された構造を有する軸受ユニット部材が用いられる。
鉄道車両は、決められた走行距離ごとに定期点検がなされ、車軸軸受の状況がチェックされる。また鉄道車両は、決められた走行距離ごとに車軸軸受が交換される。このように軸受の寿命が来る前に予め余裕を見て軸受が交換される。この交換の頻度を下げることを目的に、特開2003−90335号公報においては軸受の余寿命測定の手段として軸受の温度を測定する温度センサが設けられているものと推察できる。
一方、トラックなどの自動車用は、車検などの定期点検時およびドライバーが走行状態に違和感を持った時に販売店に持ち込まれ、車軸軸受の状況がチェックされる。これにより不具合が判明し軸受が交換される。ドライバーにより走行状態に違和感が持たれる前に故障がわかるようにすることを目的に、特開2009−216230号公報においては軸受の余寿命測定の手段として軸受の温度を測定する温度センサが設けられているものと推察できる。
特開2003−90335号公報 特開2009−216230号公報
自動車、たとえばトラックなど大型自動車の軸受においては、円錐ころ軸受を構成する円錐ころの大端面と、内輪のたとえば大鍔部とが接触する部分にて、発熱が最も起こりやすい。このため当該接触する部分の温度を温度センサで精確に測定することが求められる。しかしながら、特開2003−90335号公報に開示の軸受装置は、温度センサが内輪から大きく離れ、外輪からも離れた領域に設置されている。温度センサが内輪から離れているため、内輪のたとえば大鍔部、またはこれに隣接する領域の温度を精密に測定することは困難である。なお特開2003−90335号公報に開示の軸受装置は、大型車両の車輪用である旨の明記がないが、自動車用である旨は明記されており、大型車両の車輪用としても適用可能である。
また特開2009−216230号公報の軸受装置は、自動車等の車輪用であるが、温度センサとして機能する部材はシート状に形成された示温材である。示温材の色の変化により軸受の昇温の程度が確認できる。しかし示温材の色の変化を目視で確認する必要がある。このため車両の走行中に軸受の温度が上昇したとしても、それと同時に示温材の色の変化を検出することは困難である。したがって軸受の過剰な発熱を未然に防ぐことは困難である。
本開示は上記の課題に鑑みなされたものである。その目的は、車両の車輪を支持する軸受の過剰な発熱を未然に防ぐことが可能な軸受装置、当該軸受装置を備える車両、および当該軸受装置を備える車両システムを提供することである。
本開示に係る軸受装置は、軸受ユニット部材と、少なくとも1つのセンサユニットとを備える。軸受ユニット部材は、複数のころおよび固定された複数の内輪が並ぶように配置される。軸受ユニット部材は、少なくとも1つの回転可能な外輪と、複数の内輪と、複数のころとを含む。外輪は内周に外側軌道面が形成される。複数の内輪は外側軌道面に対向する内側軌道面が外周に形成される。複数のころは外側軌道面と内側軌道面との間に転動自在に収容される。複数のころのそれぞれは端面を有する。複数の内輪のそれぞれは端面に接触可能な鍔部を有する。少なくとも1つのセンサユニットは、複数の内輪のうち少なくとも1つの内輪に設置される。軸受ユニット部材は、自動車の車両に設置されるように用いられる。
本開示によれば、センサユニットが内輪の温度を精密に測定可能である。このため、車両の車輪を支持する軸受の過剰な発熱を未然に防ぐことができる。
本実施の形態の軸受装置が使用される用途を示す概略図である。 実施の形態1の軸受装置の構成を示す概略断面図である。 図2中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態1の円錐ころ軸受のうち、図3が示す領域を含むように図3よりも広い領域について示す概略拡大断面図である。 実施の形態1の軸受装置105の駆動時における図3に示す内輪の温度分布を示す概略断面図である。 実施の形態2の軸受装置の構成を示す概略断面図である。 実施の形態3の第1例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態3の第2例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態3の第3例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態4の第1例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態4の第2例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態5の第1例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態5の第2例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態6の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。 実施の形態7の軸受装置の構成を示す概略断面図である。 実施の形態8の軸受装置の構成を示す概略断面図である。 実施の形態8の第1例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。 実施の形態8の第2例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。 実施の形態8の第3例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。 実施の形態8の第4例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。 実施の形態1〜8における軸受装置に備えられる異常診断処理部、および異常診断処理部に対する信号の入出力を含む制御系としての車両システムを示すブロック図である。 軌道面に剥離が生じてそこを発熱源とする異常発熱が生じた場合の、時間の経過と発熱源の温度との関係を示すグラフである。
以下、本実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず図1を用いて、本実施の形態の軸受装置が使用される用途について説明する。図1は、本実施の形態の軸受装置が使用される用途を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態1の軸受装置105は、自動車、特に大型トラックなどの大型自動車の車両100に備えられる、いわゆる車輪用の支持構造である。車両100は図中矢印Mが示す方向に走行し、図の上側が車体の前側である。車両100はフレーム101を備え、その内部にエンジンなどを搭載する。車両100は車体102を備えている。車体102の下側には複数の車輪として、前輪103および後輪104が備えられる。
トラックなどの大型自動車の車両100においては、以下の2種類の駆動方式が存在する。2種類の駆動方式のうちの1つ目である第1の駆動方式は、前輪103はいわゆる従動輪であり、後輪104のうち前側の第1後輪104Aおよび後ろ側の第2後輪104Bはいわゆる駆動輪である。つまり従動輪である前輪103は自発的に回転することはなく、たとえば車両100に設置された他の車輪の回転に併せて回転する。駆動輪である後輪104の第1後輪104Aおよび第2後輪104Bは、自ら回転可能である。この場合、従動輪である左側の前輪103と右側の前輪103とは、固定軸31により固定されている。固定軸31は回転しない。これに対し、駆動輪である左側の第1後輪104Aと右側の第1後輪104Aとは、アクスルシャフト11により固定されている。アクスルシャフト11は回転可能であるためこれに固定された第1後輪104Aは自ら回転できる。同様に、左側の第2後輪104Bと右側の第2後輪104Bとは、アクスルシャフト11により固定されている。
2種類の駆動方式のうちの2つ目である第2の駆動方式は、前輪103および第2後輪104Bは従動輪であり、第1後輪104Aが駆動輪である。この場合、上記第1の駆動方式と比較して、左側の第2後輪104Bと右側の第2後輪104Bとが固定軸31により固定されている点が異なっている。
アクスルシャフト11および固定軸31の延びる図1の左右方向に交差する断面での径方向外側に、軸受装置105を構成する後述の各部材が設置される。以下、車両100に設置される軸受装置105の構成について説明する。
図2は、実施の形態1の軸受装置の構成を示す概略断面図である。なお図2以降の各図においての上下左右方向は図1の上下左右方向と同一であり、図2は図1中の点線で囲まれた領域BSに対応する。図2を参照して、本実施の形態の軸受装置105は、たとえば駆動輪としての第2後輪104Bに設置されている。本実施の形態の軸受装置105は、2つの円錐ころ軸受1Aと、1つのセンサユニット2とを備えている。2つの転がり軸受としての円錐ころ軸受1Aは、図2の左右方向に2つ並ぶように配置されることにより、単一の軸受ユニット部材1Cとして構成される。つまり軸受ユニット部材1Cにおいて、2つの円錐ころ軸受1Aのそれぞれは、1つの外輪5と、1つの内輪6と、複数のころとしての円錐ころ7とを含んでいる。このため単一の軸受ユニット部材1Cにおいては、2つの外輪5と、2つの内輪6と、2つの複数の円錐ころ7が保持器8により周方向に間隔をあけて配置される構成とからなる2つの円錐ころ軸受1Aが、いわゆる複列として左右方向に並ぶように含まれる。なお単一の軸受ユニット部材1Cは、円錐ころ軸受1Aが3つ以上、複列として図2の左右方向に並ぶように配置された構成であってもよい。
2つの外輪5のそれぞれは、内周に外側軌道面5aが形成されている。つまり軸受ユニット部材1Cの2つの外輪5のそれぞれには、内周に外側軌道面5aが複列として左右方向に並ぶように形成されている。外側軌道面5aはテーパ状に延びている。つまり外側軌道面5aは図2の左右方向に対して傾斜する方向に延びている。このテーパ状は、軸受ユニット部材1C内における左右方向の外側が内側よりもアクスルシャフト11からの距離が大きくなるように傾斜していることが好ましい。このようにすれば、外側軌道面5aでの力の作用点が広くなり、外側軌道面5aが受けることができる荷重が大きくなるため、軸受ユニット部材1Cの寿命が長くなる。
2つの内輪6のそれぞれは、外周に内側軌道面6aが形成されている。つまり軸受ユニット部材1Cの2つの内輪6のそれぞれには、外周に内側軌道面6aが複列として左右方向に並ぶように形成されている。これらの内側軌道面6aは外側軌道面5aに対向している。内側軌道面6aはテーパ状に延びている。つまり内側軌道面6aは図2の左右方向に対して傾斜する方向に延びている。このテーパ状は、軸受ユニット部材1C内における左右方向の外側が内側よりもアクスルシャフト11からの距離が大きくなるように傾斜していることが好ましい。なお内側軌道面6aの図2の左右方向に対する傾斜角は、外側軌道面5aの図2の左右方向に対する傾斜角より小さくてもよい。
内輪6は後述するアクスルエンド13の外周に嵌合するように固定されている。アクスルエンド13は回転しないため、内輪6も回転せず軸受装置105内にて動かず固定されている。
複数の円錐ころ7は、2つの外輪5のそれぞれの外側軌道面5aと、2つの内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に、転動自在に収容されている。各円錐ころ軸受1Aに含まれる複数の円錐ころ7は、保持器8により1つの円錐ころ軸受1Aを構成するひとまとまりとなるように保持されている。円錐ころ7は、保持器8により、転動自在に保持されている。
図3は、図2中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図3を参照して、複数の円錐ころ7のそれぞれは、端面としての大端面14を有している。大端面14とは、円錐ころ7のうち軸受ユニット部材1C内の、図2の左右方向の最も外側に配置される、最も径が大きい面である。逆に言えば、図2の2つ並ぶ円錐ころ軸受1Aのそれぞれの円錐ころ7の最も径が小さい面同士は互いに対向するように配置される。つまり図2の軸受ユニット部材1Cは、いわゆる背面合わせタイプの複列の円錐ころ軸受1Aからなる。複数の内輪6のそれぞれは、複数の円錐ころ7のそれぞれの大端面14に接触可能な鍔部としての大鍔部6bを有している。
センサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6に設置されている。特にセンサユニット2は、当該少なくとも1つの内輪6の大鍔部6bに接するように設置されている。なおここで大鍔部6bとは、たとえば図3の大端面14より右側の内輪6の領域のほぼ全体を意味するものとする。すなわち軸受ユニット部材1Cの全体内における各円錐ころ7の大端面14が接触可能な内輪6の面よりも外側(右側または左側)にある内輪6の領域のほぼ全体が大鍔部6bに相当する。その大鍔部6bのうち任意の一部の領域に少なくとも一部が接触するように、センサユニット2が設置されている。図3では一例として、センサユニット2は大鍔部6bのうちたとえば図3の最も右側の端面に接するように取り付けられている。なお本実施の形態のセンサユニット2は、その全体が本体すなわち温度を検出する部材である温度センサ(後述する実施の形態3の温度センサ21と同じ)として機能する部分である。
図4は、実施の形態1の円錐ころ軸受のうち、図3が示す領域を含むように図3よりも広い領域について示す概略拡大断面図である。図4を参照して、図4に示す領域が左右方向について非対称である場合には、本実施の形態のセンサユニット2は、2つの内輪6のうち、内径がより大きい内輪6の大鍔部6bに接するように設置されることが好ましい。つまり図4の2つの円錐ころ軸受1Aのそれぞれの内径が異なり、右側の円錐ころ軸受1Aの内径R1が左側の円錐ころ軸受1Aの内径R2より大きい場合を考える。ただし図4ではそのように図示されていない。この場合、図4の右側の円錐ころ軸受1Aの内輪6の大鍔部6bに接するように、センサユニット2が設置される。
さらに言い換えれば、図4に示す領域が左右方向について非対称である場合には、本実施の形態のセンサユニット2は、2つの内輪6のうち、内径角部に形成された円弧部の径がより大きい内輪6の大鍔部6bに接するように設置されることが好ましい。つまり図4の2つの円錐ころ軸受1Aのそれぞれの内輪6の内径角部の円弧部の径が異なり、右側の円錐ころ軸受1Aの円弧部の径R3が左側の円錐ころ軸受1Aの円弧部の径R4より大きい場合を考える。この場合、図4の右側の円錐ころ軸受1Aの内輪6の大鍔部6bに接するように、センサユニット2が設置される。
さらに、図4に示す領域が左右方向について対称であるか非対称であるかにかかわらず以下のようにいえる。上記のように図2は図1の点線で囲まれた領域BSである。このため図2での左側は車体102全体内の外側であり、図2での右側は車体102全体内の内側である。このように車体102内における外側である図2の左側を以降ではアウター側と呼ぶこととする。また車体102内における内側である図2の右側を以降ではインナー側(またはインボード側)と呼ぶこととする。このとき図2〜図4に示すように、軸受ユニット部材1Cが車両100に設置された際の、複数の内輪6のうち最もインナー側の内輪6の大鍔部6bに接するようにセンサユニット2が設置されることが好ましい。
本実施の形態でのセンサユニット2、すなわち温度センサは、サーミスタ、測温抵抗体、熱電対および温度センサICのいずれかであることが好ましい。つまり本実施の形態のセンサユニット2は、接触式の温度検出器であることが好ましい。
軸受装置105は、軸受ユニット部材1C、センサユニット2のほかに、異常診断処理部35をさらに備えてもよい。異常診断処理部35は、車体102、特に後述する車体102のたとえばECU(Electronic Control Unit)に直接設置されてもよい。その場合の異常診断処理部35を軸受装置105の構成要素と考えてもよいし考えなくてもよい。異常診断処理部35は、軸受装置105に含まれ、車体102(車体102のECU)とは無関係の箇所に配置されてもよい。異常診断処理部35は、センサユニット2が計測する温度が異常値であるか否かを測定する。
その他、本実施の形態の軸受装置105は、以下の各構成を有する。軸受装置105においては、軸受ユニット部材1Cの各円錐ころ軸受1Aの内部には、潤滑グリースが供給されている。また外輪5と内輪6との間に形成される環状の空間の開口部には、シール9,10が装着される。シール9,10は、各円錐ころ軸受1Aの内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩を抑制している。シール9,10は、外部から雨水またはダストなどの異物が軸受ユニット部材1Cの内部に侵入することを抑制している。またシール9,10は、差動装置用のオイルが意図せぬ領域に流入することを防止する。
軸受ユニット部材1Cには図2の左右方向に延在するアクスルエンド13およびアクスルシャフト11が挿入されている。アクスルシャフト11の径はその全体において同一とは限らず、領域において径が異なっていてもよい。アクスルシャフト11の径が領域ごとに異なることにより、アクスルシャフト11全体の形状が変化する。このため上記の図4において、右側の内輪6の内径R1が左側の内輪6の内径R2よりも大きくなることが想定できる。内輪6の内側には、アクスルエンド13を介して、図示されないナックルのアクスルシャフト11が挿入されている。アクスルエンド13はナット34で内輪6に締め付け固定されている。
再度図2を参照して、車両100には車輪取付ハブ4が配置されている。車輪取付ハブ4には車輪隣接部材40が取り付けられている。車輪取付ハブ4および車輪隣接部材40はいずれも環状であり、車輪取付ハブ4の環状の径方向の内側には外輪5が嵌合するように固定されている。車輪隣接部材40は車輪取付ハブ4の環状の径方向の外側に接合されている。車輪隣接部材40の環状の径方向の外側には、図1の第2後輪104Bなどの車輪が取り付けられている。これによりたとえば図1の左側の第2後輪104Bと右側の第2後輪104Bとがアクスルシャフト11により固定された図1の上記第1の駆動方式が得られる。
アクスルシャフト11の図2の左側の端部は、ボルト12を介して、車輪取付ハブ4および車輪隣接部材40に固定される。したがって外輪5、車輪取付ハブ4、車輪隣接部材40および車輪は、アクスルシャフト11の周りを、アクスルシャフト11と同じ角速度で回転する。これにより車両100が走行する。
なお図2には車輪は示されていない。図2に示されていない車輪はいわゆる駆動輪である。そのような駆動輪としての車輪が、外輪5に回転可能に支持されている。これにより駆動輪用として軸受装置105を適用することができる。
2つの内輪6の内周には、固定部材としてのアクスルエンド13が固定されている。アクスルエンド13は内輪6と同様に環状の部材であり、その内側にアクスルシャフト11が挿入されている。つまりアクスルエンド13は、内輪6とアクスルシャフト11との間に介在している。アクスルシャフト11の外周と、アクスルエンド13の内周との間には隙間が存在している。つまりアクスルシャフト11とアクスルエンド13とは互いに接触していない。このため、アクスルシャフト11が回転可能なのに対し、内輪6およびこれに固定されたアクスルエンド13は回転せず固定されている。
軸受装置105は、車両100に備えられる際には、車輪取付ハブ4の内周部に外輪5が圧入されるように取り付けられる。車輪取付ハブ4は、外輪5が圧入される領域における車両100のインナー側の端部に、外輪5のインナー側への移動を抑止するための係止部が設けられている。車輪取付ハブ4の内周面に形成された段差および係止部に外輪5が当接することで、外輪5が位置決めされている。係止部は、図3の上下方向について、これが接する外輪5の端面の図3上下方向の寸法の半分以上の寸法を有することが好ましい。これにより係止部の外輪5の強度向上の効果が高められる。外輪5のアウター側には止め輪33が装着されている。
次に、本実施の形態の背景技術について追加説明したうえで、本実施の形態の作用効果について説明する。
鉄道車両はレール上を走行する。つまり鉄道車両は、決められた路面状況およびコースを決められた速度で走行する。このため鉄道車両の車軸用の軸受に加わる荷重および負荷は、想定した範囲を超えることは少ない。
一方、自動車は、鉄道車両と異なり、たとえば走行する路面は舗装道路から未舗装道路まで様々である。たとえば未舗装道路では、石または凹凸路面などにより、自動車およびその軸受は、衝撃荷重を受ける。また自動車は様々なドライバーが運転する。このため自動車は、同じ路面状況および曲がり角であってもドライバーによって速度および加減速操作が異なる。つまり自動車は鉄道車両に比べて軸受に加わる負荷の想定が困難である。とはいえ自動車は車両重量および積載重量を考慮しても総重量が2500kg以下である。車輪用の軸受すなわち車軸軸受の故障モードは、潤滑不足等の軌道面の剥離すなわちいわゆるフレーキングが一般的に多い。
一方、本実施の形態の軸受装置は、トラックなどの大型の自動車用である。車載重量が10000kgを超える大型トラックの車軸軸受の多くは、単列のテーパーローラ軸受(円錐ころ軸受)を2個使ったタイプである。路面状況および運転状況は、大型トラックであっても小型の自動車と同様である。しかし大型トラックの積載重量は小型の自動車より桁違いに大きい。さらに後進国などでは上限値を超える重量の貨物等が積載される場合がある。
また大型トラックは出発前に運送会社にて車軸軸受の事前点検がなされるが、大型トラックは1日の走行距離が車両によって大きく異なり、1000km程度走行する場合もある。大陸国においては1日の走行距離が上記の数倍にも達する場合がある。出発前のチェックにおいて車軸軸受の不良が判明した場合、または決められた走行距離に達した場合には軸受が交換される。このような大型トラックは、軸受の過剰な発熱が生じやすい。そこで大型トラックの軸受に特有の過剰な発熱による故障モードについても点検される。
最近の車軸軸受は、2列の軸受の外輪が一体とされつつある。このようになれば、単列の場合は容易に行なえる車軸軸受の分解調査が困難となる。これにより軸受の損傷状態が把握できないことから、安全を見て、より早期に軸受交換がなされる傾向となる。これにより無駄に頻繁に軸受が交換され、コストが高騰する可能性がある。
最近ではいわゆるCASE(Connected, Autonomous, Share & Service, Electric)の進展により、トラックの隊列走行の開発が進められている。隊列走行では、先頭の1台のトラック以外は無人運転となる。このため隊列走行では、車輪用の軸受の損傷状況を運転手が発見することがさらに困難になる。
そこで軸受の過剰発熱モードの発生メカニズムが鋭意研究された。その結果、上記のように、発熱が生じる可能性が最も高いのは、たとえば円錐ころ軸受の円錐ころの大端面と内輪の大鍔部との接触する部分であることが判明した。
このことを踏まえ、本実施の形態の軸受装置105は、以下の構成を有する。当該軸受装置105は、車輪支持構造として設けられる。軸受装置105は、軸受ユニット部材1Cと、少なくとも1つであり本実施の形態では1つのセンサユニット2とを備える。軸受ユニット部材1Cは、複数のころ7および、固定された複数、本実施の形態ではたとえば2つの内輪6が並ぶように配置されている。軸受ユニット部材1Cは、少なくとも1つであり本実施の形態ではたとえば2つの回転可能な外輪5と、複数の内輪6と、複数のころ7とを含む。外輪5は内周に外側軌道面5aが形成されている。複数の内輪6は外側軌道面5aに対向する内側軌道面6aが外周に形成されている。複数のころ7は外輪5の外側軌道面5aと複数の内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に転動自在に収容されている。複数のころ7のそれぞれは端面14を有する。複数の内輪6のそれぞれは端面14に接触可能な鍔部6bを有する。少なくとも1つのセンサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6に設置される。軸受ユニット部材1Cは、自動車の車両100に設置されるように用いられる。
複数の内輪6およびころ7が並ぶように配置される軸受ユニット部材1Cはいわゆる複列であり、自動車の車両100の車輪用である。ころ7の端面14と内輪6との接触部において、発熱の可能性が最も高い。ころ7のスキューによるかじり、内輪6のたとえば端面14の過大な面圧および軸受ユニット部材1C内の潤滑グリースなどが原因となって上記部分に発熱が生じる。その発熱により潤滑グリースの酸化劣化が進行し潤滑性能が低下することで、より発熱しやすくなる。するとさらに潤滑グリースに含まれる油の成分が引火点以上になる場合もある。以上のように最も発熱しやすいと考えられる内輪6にセンサユニット2が設けられることで、車両100の過剰発熱モードを早期に発見できる。発熱しやすい領域により近い領域の温度が測定できるためである。
上記少なくとも1つのセンサユニット2は、少なくとも1つの内輪6の鍔部6bに接するように設置されることが好ましい。ころ7の端面14と内輪6の鍔部6bとの接触部において、発熱の可能性が最も高い。最も発熱しやすいと考えられる端面14に近い鍔部6bに接するようにセンサユニット2が設けられることで、車両100の故障モードを早期に発見できる。発熱しやすい領域により近い領域の温度が測定できるためである。
軸受装置105において、車両100すなわち上記の自動車は大型自動車であることが好ましい。軸受ユニット部材1Cは、大型自動車の車両100に設置されるように用いられる。これにより、車両100の軸受の過剰な発熱を未然に防ぐ効果が高められる。さらに、軸受の過剰な発熱を未然に防ぎつつ、まだ交換の必要がない時点で不要に軸受を交換することによる無駄なコストの発生を抑制できる。測定すべき鍔部6bの温度を検知することにより、軸受ユニット部材1Cの円錐ころ軸受1Aなどを交換すべきタイミングを正確に検知できるためである。
なお図1においては大型の車両100の前輪103の固定軸31および後輪104のアクスルシャフト11(または固定軸31)の双方に軸受装置105が設けられている。しかし軸受装置105は、特に後輪104のアクスルシャフト11(または固定軸31)に設けられることが好ましい。言い換えれば、車輪支持構造は、車両100の後輪104(第1後輪104A、第2後輪104B)を回転支持することが好ましい。つまり後輪104のみに軸受装置105が設けられてもよい。鋭意研究の結果、過剰な発熱は、特に大型車両の旋回時に後方の車軸軸受において発生しやすいことが判明した。後輪104に軸受装置105を設置することで、特に過剰発熱が起こりやすい後輪104の温度を検出し、過剰な発熱を未然に防ぐ効果が高められる。この観点から、上記においては特に第2後輪104Bに軸受装置105を設けることを前提に説明している。
上記軸受装置105において、軸受ユニット部材1Cは外輪5を複数含む複数の転がり軸受1Aとして構成されてもよい。言い換えれば、本実施の形態の軸受装置105は、以下の構成を有する。軸受装置105は、トラックなどの大型の車両100の車輪支持構造である。軸受装置105は、複数並んだテーパころ軸受(軸受)としてのたとえば円錐ころ軸受1Aと、センサユニット2とを備えている。複数であるたとえば2つの円錐ころ軸受1Aは、アクスルシャフト11または固定軸31としての車軸と、ハウジングとしての車輪取付ハブ4との間に配置される。複数並んだテーパころ軸受は、内周に外側テーパ転走面としての外側軌道面5aが形成された、複数の回転可能な外輪5と、外側軌道面5aに対向する内側テーパ転走面としての内側軌道面6aが外周に形成された複数の固定された内輪6と、複数の外輪5のそれぞれの外側軌道面5aと複数の内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に転動自在に収容された複数のテーパ状のころ7とを含む。複数の内輪6のそれぞれは、内側軌道面6aの大径側に鍔部としてのたとえば大鍔部6bを有する。センサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6の、ころ7と接触する大鍔部6bの温度を測定する。
本実施の形態の軸受ユニット部材1C(たとえば複数の円錐ころ軸受1A)は外輪5を2つ含み、単列の転がり軸受1Aが2つ並んだ構成である。このような軸受ユニット部材1Cは定期点検の時の分解調査を省くことができる。
上記軸受装置105において、複数のころは複数の円錐ころ7であり、複数の内輪6のそれぞれは、複数の円錐ころ7のそれぞれの端面としての大端面14に接触可能な鍔部としての大鍔部6bを有してもよい。大型トラックなどの車両100用の軸受装置105における軸受には、特に複数の円錐ころ7を含むいわゆる円錐ころ軸受1Aが用いられる。円錐ころ軸受1Aは過積載および加速度に耐えやすいためである。また円錐ころ7の大端面14は円錐ころ7のなかでも最も径が大きい面であり、大端面14が大鍔部6bに接する面の面積がたとえば円筒ころの端面よりも大きくなる。このため円錐ころ軸受は円筒ころ軸受よりも大きなアキシャル荷重を受け、大鍔部6bでの発熱量が大きい。したがって円錐ころ7の大端面14が内輪6の大鍔部6bに接しながら外輪5が回転することによる発熱が特に顕著となる。このため円錐ころ軸受1Aを有する軸受装置105とし、最も発熱しやすいと考えられる大端面14に近い大鍔部6bに接するようにセンサユニット2が設けられる。これにより、大型の車両100の過剰発熱モードをいっそう早期に発見できる。発熱しやすい領域により近い領域の温度が測定できるためである。
図5は、実施の形態1の軸受装置105の駆動時における図3に示す内輪の温度分布を示す概略断面図である。図5の内輪6は、高温の領域ほどハッチングが密に施されている。図5を参照して、内輪6のうち特に大鍔部6bの温度が高くなっていることがわかる。
過大な負荷および円錐ころ軸受1Aの予圧により、円錐ころ7と内輪6との間、その中でも特に大端面14と大鍔部6bとの間における接触面圧が上昇する。さらに潤滑グリースの潤滑不良等による摩擦力の上昇も起こる。これらにより大端面14と大鍔部6bとの接触部で温度が上昇する。さらに回転中の円錐ころ7の大端面14と、固定された内輪6の大鍔部6bとは、すべりを伴って接触する。このため回転中の大端面14と大鍔部6bとの接触部は、転がり摩擦だけではなく滑り摩擦も生じる。したがって大端面14と大鍔部6bとの接触部はいっそう発熱源となりやすい。図5に示すように、発熱源からの距離および周辺部材との温度差によって温度の上昇傾向は異なる。また仮に発熱源から遠い位置にセンサユニット2を配置すれば、発熱源からセンサユニット2に熱が伝わるのに要する時間が長くなり遅れが生じる。そのうえ図5のようにそもそも計測される温度が発熱源より低くなる。円錐ころ7の回転および円錐ころ軸受1Aの周方向への走行による強制対流により円錐ころ軸受1Aおよびその周辺部材が冷却されるためである。つまり発熱源から遠い位置に配置されたセンサユニット2は、発熱源付近での発熱を正確かつ迅速に検出することが困難となる。
このため正確に素早く発熱源の温度を計測する観点からは、できるだけ発熱源から近い距離で計測されることが好ましい。すなわち大鍔部6bにセンサユニット2が接するように設置され、温度測定されることが好ましい。これにより図5のように大鍔部6bで発生した高い熱が速やかにセンサユニット2に伝導され、円錐ころ軸受1Aの温度上昇を正確に素早く検出できる。
上記軸受装置105において、複数の内輪6のうち、内径が最も大きいR1である内輪6の鍔部6bに接するように少なくとも1つのセンサユニット2が設置されてもよい。上記軸受装置105において、複数の内輪6のうち、内径角部に形成された円弧部の径が最も大きいR3である内輪6の鍔部6bに接するように少なくとも1つのセンサユニット2が設置されてもよい。上記軸受装置105において、軸受ユニット部材1Cが車両100に設置された際に、複数の内輪6のうち車両100の最も内側であるインナー側(インボード側)に配置される内輪6の鍔部6bに接するように、少なくとも1つのセンサユニット2が設置されてもよい。
これらは、車両100に設置された軸受装置105において、たとえば図1の左右方向の中央にいっそう近い内側であるインナー側にセンサユニット2が設置されることが好ましいことを示している。鋭意研究の結果、過剰な発熱は、特に大型車両のインナー側において発生しやすいことが判明した。このため軸受装置105の複数の内輪6のうち特に車両の(最も)インナー側に配置された内輪6の大鍔部6bに接するようにセンサユニット2が設置されることが好ましい。このようにすれば、軸受装置105の複数の内輪6のうち特に車両の(最も)インナー側に配置された内輪6の大鍔部6bの(大端面14と接触する部分の)温度が測定できる。
異常診断処理部35は車体102のインナー側すなわち図2でのセンサユニット2の右側に設置されることが多い。このためそのような場合には特に、軸受ユニット部材1Cから見て異常診断処理部35が配置される側であるインナー側にセンサユニット2が配置されることがより好ましい。このことは特にセンサユニット2と異常診断処理部35との間を繋ぐ配線またはコネクタにより両者間の信号の入出力がなされる場合に有効である。
ただし上記と逆に、アウター側の内輪6の大鍔部6bに接するようにセンサユニット2が設置されてもよい。センサユニット2と異常診断処理部35との間の信号の入出力がたとえば無線信号である場合には、軸受ユニット部材1Cから見て異常診断処理部35が配置される側と反対側であるアウター側にセンサユニット2が配置されても、動作上特に問題はない。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2の軸受装置の構成を示す概略断面図である。図6を参照して、実施の形態2の軸受装置105は、基本的に図2の実施の形態1の軸受装置105と同様の構成を有している。このため以下において図2と同様の構成要素には同一の符号を付し、特に変更点がなければその説明を繰り返さない。このことは以降の各実施の形態においても、特に断らない限り基本的に同様である。
図6の軸受装置105は、1つの円錐ころ軸受1Bと、1つのセンサユニット2とを備えている。円錐ころ軸受1Bは軸受装置105における1つの転がり軸受ユニットであり、外輪5を1つのみ含んでいる。1つの円錐ころ軸受1Bにより、単一の軸受ユニット部材1Cが構成される。1つの円錐ころ軸受1Bは、1つの外輪5と、2つの内輪6と、複数のころとしての円錐ころ7とを含んでいる。つまり単一の軸受ユニット部材1Cには、1つの外輪5と、2つの内輪6と、2つの複数の円錐ころ7が保持器8により周方向に間隔をあけて配置される構成とからなる1つの円錐ころ軸受1Bが含まれる。2つの内輪6および2つの複数の円錐ころ7は、いわゆる複列として左右方向に並ぶように含まれる。なお単一の軸受ユニット部材1Cは、内輪6および複数の円錐ころ7が3つ以上、複列として図6の左右方向に並ぶように配置された構成であってもよい。
軸受ユニット部材1Cとしての円錐ころ軸受1Bに含まれる単一の外輪5は、2つの外側軌道面5aを有する外方部材として配置される。一方、円錐ころ軸受1Bに含まれる2つの内輪6は、2つの内方部材として配置される。1つの外輪5は、図6にて2つ並ぶ内輪6の双方に対向するように、図6の2つ並ぶ内輪6の左右方向の寸法と同程度の左右方向の寸法を有している。
当該1つの外輪5には、その内周に2つの外側軌道面5aが形成されている。つまり軸受ユニット部材1Cの1つの外輪5には、内周に2つの外側軌道面5aが、複列として左右方向に並ぶように形成されている。また2つの内輪6のそれぞれには内側軌道面6aが、外周に形成されている。2つの内輪6のそれぞれの内側軌道面6aは、外輪5の2つの外側軌道面5aのそれぞれに対向するように形成されている。複数の円錐ころ7は、1つの外輪5の2つの外側軌道面5aと、2つの内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に、転動自在に収容されている。
以上より、本実施の形態の軸受ユニット部材1Cは、実施の形態1の軸受ユニット部材1Cを構成する2つの円錐ころ軸受1Aのそれぞれの外輪5が一体化し単一の外方部材としての外輪5となった点においてのみ異なっている。本実施の形態の軸受ユニット部材1Cは、上記以外の他の点はすべて実施の形態1の軸受ユニット部材1Cと同様である。したがって図6中の点線で囲まれた領域Aの構成は、図3と同様である。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態は、実施の形態1と同様の作用効果のほかに、以下の作用効果を奏する。
本実施の形態の軸受装置105は、軸受ユニット部材1Cと、少なくとも1つであり本実施の形態では1つのセンサユニット2とを備える。軸受ユニット部材1Cは、複数のころである円錐ころ7および、固定された複数、本実施の形態ではたとえば2つの内輪6が並ぶように配置されている。軸受ユニット部材1Cは、少なくとも1つであり本実施の形態では1つの回転可能な外輪5と、複数の内輪6と、複数のころ7とを含む。外輪5は内周に外側軌道面5aが形成されている。複数の内輪6は外側軌道面5aに対向する内側軌道面6aが外周に形成されている。複数のころ7は外輪5の外側軌道面5aと複数の内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に転動自在に収容されている。複数のころ7のそれぞれは端面14を有する。複数の内輪6のそれぞれは端面14に接触可能な鍔部6bを有する。少なくとも1つのセンサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6の鍔部6bに接するように設置される。上記軸受装置105において、軸受ユニット部材1Cは、外輪5を1つのみ含む転がり軸受ユニットとしてのたとえば円錐ころ軸受1Bとして構成される。単一の外輪5は複数たとえば2つの外側軌道面5aを有する外方部材である。複数たとえば2つの内輪6は複数たとえば2つの内方部材である。このような構成であってもよい。
言い換えれば、本実施の形態の軸受装置105は、以下の構成を有する。軸受装置105は、トラックなどの大型の車両100の車輪支持構造である。軸受装置105は、車輪用テーパ軸受ユニットとしての軸受ユニット部材1Cと、センサユニット2とを備えている。軸受ユニット部材1C(円錐ころ軸受1B)は、アクスルシャフト11または固定軸31としての車軸と、ハウジングとしての車輪取付ハブ4との間に配置される。軸受ユニット部材1Cはテーパころ軸受を含む。テーパころ軸受は、複数の外輪が一体とされた態様を有し、内周に外側テーパ転走面としての外側軌道面5aが複数列を含む外方部材としての外輪5と、外側軌道面5aに対向する内側テーパ転走面としての内側軌道面6aが外周に形成された複数の固定された内輪6(内方部材)と、外輪5の外側軌道面5aと複数の内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に転動自在に収容された複数のテーパ状のころ7とを含む。複数の内輪6のそれぞれは、内側軌道面6aの大径側に鍔部としてのたとえば大鍔部6bを有する。センサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6の、ころ7と接触する大鍔部6bの温度を測定する。
このような軸受装置105は、トラックメーカによる円錐ころ軸受1Bの予圧の管理ができる。また軸受装置105の組立性すなわち車軸であるアクスルシャフト11(アクスルエンド13)への装着性を向上できる。特に大型の車両100用の円錐ころ軸受1Bを備える軸受装置105において上記の有効な効果が得られる。
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3の第1例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。これ以降の各実施の形態はいずれも実施の形態1の円錐ころ軸受1Aを2つ有する構成、および実施の形態2の円錐ころ軸受1B(一体化された1つの外方部材としての外輪5、および内方部材としての2つの内輪6を有する)を有する構成の双方に適用可能である。
図7を参照して、本実施の形態の第1例の軸受装置105においては、1つのセンサユニット2が、温度センサ21と、環状部材22とを有している。温度センサ21は、それ自身がセンサユニット2の本体すなわち温度を検出する部材として機能する部分である。温度センサ21は実施の形態1,2においてはセンサユニット2の全体を占めるのに対し、本実施の形態においてはセンサユニット2の一部を占める。環状部材22は、温度センサ21の少なくとも一部を覆っている。環状部材22は、図7での温度センサ21の上側すなわち円錐ころ軸受1A,1Bの環状の外側の端部領域を露出するように、それ以外の領域を環状に覆っている。また環状部材22は、図7での温度センサ21の下側の端部領域も覆っている。センサユニット2は、アクスルエンド13が図の内輪6よりも右側にて上方に回り込んだ部分(係止部)と、内輪6の大鍔部6bとの間に挟まれるように配置されている。これによりセンサユニット2は、大鍔部6bのうちたとえば図3の最も右側(インナー側)の端面に接するように取り付けられている。
本実施の形態では、環状部材22もセンサユニット2の一部である。図7のセンサユニット2は、温度センサ21とその周囲の環状部材22とが一体化されている。このため本実施の形態のように、温度センサ21に限らず環状部材22が大鍔部6bに接するようにセンサユニット2が設置されてもよい。
環状部材22は、円錐ころ軸受1A,1Bの外輪5、内輪6などと同一の材料であるたとえば高炭素クロム軸受鋼からなってもよいが、上記材料以外の材料が用いられてもよい。ただし環状部材22は大きな荷重を受ける部分に配置されるため、剛性が比較的高い軸受鋼の部材が選択されることが好ましい。
次に図7の構成の作用効果について説明する。図7の軸受装置105においては、少なくとも1つのセンサユニット2は、温度センサ21と、温度センサ21を覆う環状部材22とを含む。環状部材22が鍔部6bに接するように少なくとも1つのセンサユニット2が設置される。
このようにセンサユニット2が温度センサ21と環状部材22とを含むことで、実施の形態1,2のようにセンサユニット2が本実施の形態の温度センサ21の部分のみからなる場合に比べて、センサユニット2の円錐ころ軸受1A,1Bへの取り付け作業が容易になる。環状部材22の存在によりセンサユニット2全体のサイズが大きくなり、取り扱いが容易になるためである。このため軸受装置105の組立工程の工数を削減できる。またサイズが大きくなる分だけ、センサユニット2を設置したい位置に確実に固定できる。さらに図7のセンサユニット2は、円錐ころ軸受1A,1Bの点検時にセンサユニット2に繋がれそこから延びる配線18を断線することなく、円錐ころ軸受1A,1Bの交換ができる。このため当該交換作業の作業性が向上される。
次に本実施の形態の変形例について説明する。図8は、実施の形態3の第2例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図8を参照して、本実施の形態の第2例においては、図7の第1例の構成に対して、内輪6の大鍔部6bのインナー側端面に、弾性部材15を介して図7と同様のセンサユニット2が設置されている点において異なっている。弾性部材15は、熱伝導性の高い樹脂材料およびゴム材料のいずれかからなる。このように、本実施の形態において「センサユニット2が内輪6の大鍔部6bに接する」とは、大鍔部6bに直接にセンサユニット2が接する場合に限らず、大鍔部6bの表面との間に弾性部材15のような極薄の材料を挟むようにセンサユニット2が隣接する場合を含めることとする。
このようにすれば、弾性部材15が接着剤のように作用することにより、確実にセンサユニット2を内輪6の大鍔部6bに接する態様とできる。アクスルエンド13と大鍔部6bとの間に圧入されることでセンサユニット2が設置される場合に、この手法は有効である。
図9は、実施の形態3の第3例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図9を参照して、本実施の形態の第3例においては、図8の第2例の構成に対して、センサユニット2とアクスルエンド13との間の領域の少なくとも一部に、センサユニット2の回転を防ぐためのキー16が設置されている点において異なっている。図9に示すように、たとえばセンサユニット2の環状部材22の図9下側(円錐ころ軸受の内側)の表面と、その図9真下のアクスルエンド13の部分との間に、当該環状部材22とアクスルエンド13との双方に接触するようにキー16が設置されることが好ましい。図9においてキー16は、環状部材22とアクスルエンド13とに挟まれるように設置されている。なお図7のように弾性部材15を有さない構成に対して図9のキー16が設置されてもよい。
内輪6はアクスルエンド13との接触面において滑りが生じ、回転することがある。その場合、センサユニット2も内輪6と同様に回転する可能性がある。センサユニット2が回転すれば、センサユニット2に接続される配線18が断線するおそれがある。そこで図9のようにキー16を設けることにより、内輪6の回転に起因するセンサユニット2の回転を抑制し、配線18の断線を抑制できる。
さらにその他、図示されないが、本実施の形態においては、大鍔部6bのインナー側端面とセンサユニット2との接する面、すなわち図8での弾性部材15が配置される位置に、たとえば図8の弾性部材15の代わりに熱伝導性の高い潤滑剤の薄い層が設けられてもよい。つまり内輪6の大鍔部6bのインナー側端面に、上記の熱伝導性の高い潤滑剤の薄い層を介して図7と同様のセンサユニット2が設置されてもよい。このことによっても、内輪6の大鍔部6bとアクスルエンド13との接触面において滑りが生じることによる内輪6の回転を抑制できる。その結果、センサユニット2の回転も抑制でき、センサユニット2に接続される配線18の断線が抑制できる。
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4の第1例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図10を参照して、本実施の形態の第1例の軸受装置105においては、1つのセンサユニット2が、温度センサ21と、環状部材22とを有している。環状部材22は、温度センサ21の図10の左側および右側すなわち環状の円錐ころ軸受1A,1Bの軸が延びる方向の両端部を環状部材22から露出するように、それ以外の領域を覆っている。軸受装置105においては、内輪6の大鍔部6bの一部に、大鍔部6bが切り取られている。この大鍔部6bが部分的に切り取られ除去された空間の領域はセンサ内蔵部6cとして、センサユニット2を収納可能な領域となっている。なおセンサユニット2は、たとえば温度センサ21が図10の断面図において上下方向すなわち円錐ころ軸受1A,1Bの径方向に延び、その上側および下側の両端部を環状部材22から露出するように、それ以外の領域を覆う環状部材22が配置されてもよい。センサ内蔵部6cは図10に示すように、大鍔部6bのうち図10の右側すなわちインナー側の端面を切除するように形成されてもよい。
アクスルエンド13は、図の内輪6よりも右側にて上方に回り込んだ部分である係止部のうち最も左側の、内輪6に隣接する領域において部分的に切除された切欠き部17を有している。センサ内蔵部6cに収納されたセンサユニット2の温度センサ21から延びる配線18は、切欠き部17を通って軸受ユニット部材1Cの外側の領域に取り出されている。
次に図10の構成の作用効果について説明する。図10の軸受装置105においては、上記のようにセンサ内蔵部6cを設け、そこにセンサユニット2が収納される。つまりセンサユニット2は、本来センサ内蔵部6cが設けられなければ大鍔部6bが配置されている位置に配置される。このためセンサユニット2を、最も高温である大鍔部6bと大端面14との接触部に近い位置に設置できる。このためいっそう正確にかつ速やかに、最も高温の部分の温度を計測できる。
次に本実施の形態の変形例について説明する。図11は、実施の形態4の第2例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図11を参照して、本実施の形態の第2例においては、図10の第1例の構成に対して、内輪6の大鍔部6bのうちセンサ内蔵部6cを形成する端面の一部に、弾性部材15が設けられている。これにより、大鍔部6bとセンサ内蔵部6c内のセンサユニット2とは、弾性部材15を介するように設置されている。以上の点において図11は図10と構成上異なっている。この構成による作用効果は、図8の弾性部材15を有する構成による作用効果と同様である。センサユニット2が圧入によりセンサ内蔵部6cに収納される場合に、この手法は有効である。
その他、図示されないが、たとえば図10の第1例の構成または図11の第2例の構成に対して、たとえば図9と同様に、センサユニット2とアクスルエンド13との間の領域の少なくとも一部に、センサユニット2の回転を防ぐためのキー16が設置されてもよい。すなわちこの場合、センサ内蔵部6c内にキー16が収納される。このためキー16を配置する領域の分だけ、円錐ころ軸受1A,1Bまたはアクスルエンド13の寸法を大きくする必要がなくなる。このため材料費が高騰することはなく、製造コストを削減できる。また本実施の形態においても、キー16は内輪6とアクスルエンド13との接触面における滑りによる回転を抑制する機能を有する。
さらにその他、図示されないが、本実施の形態においては、たとえば図11での弾性部材15が配置される位置に、たとえば図11の弾性部材15の代わりに熱伝導性の高い潤滑剤の薄い層が設けられてもよい。
(実施の形態5)
図12は、実施の形態5の第1例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図12を参照して、本実施の形態の第1例の軸受装置105においては、1つのセンサユニット2が、温度センサ21と、環状部材22とを有している。環状部材22は、温度センサ21の図10の左側および右側すなわち環状の円錐ころ軸受1A,1Bの軸が延びる方向の両端部を環状部材22から露出するように、それ以外の領域を筒状に覆っている。環状部材22は図12における温度センサ21の右側の端部より更に右側の領域まで延びている。このため環状部材22は部分的に、温度センサ21が配置されない空間部分を囲むように配置されている。この空間部分には、温度センサ21に接続されそこから延びる配線18が、環状部材22の外側すなわち右側にまで達するように延びている。
本実施の形態においては実施の形態3,4に比べて環状部材22は図12の上下方向の寸法としての厚みが薄く、上下方向については温度センサ21の割合が比較的高い(たとえば半分を超える割合である)。このような構成のセンサユニット2は、温度センサ21の図12の左側の端部である環状部材22からの露出部が、実施の形態1のセンサユニット2と同様に、大鍔部6bのインナー側端面に接触している。したがって図12では実施の形態4のような大鍔部6bのセンサ内蔵部6cは形成されておらず、温度センサ21と環状部材22とを有するセンサユニット2が、実施の形態1と同様に大鍔部6bの端面に接するように外付けされている。またセンサユニット2は、アクスルエンド13が図12の内輪6よりも右側にて上方に回り込む係止部の最上部すなわちアクスルエンド13の最も外側の面上に、環状部材22の表面が接触するように載置されている。
以上より、図12のセンサユニット2は、実施の形態3,4のように温度センサ21と環状部材22とを有しながら、実施の形態3,4のセンサユニット2のようにアクスルエンド13および内輪6の間に挟まれることなく、アクスルエンド13の露出した表面、および内輪6の露出した表面に接続されるように配置される。図12のように、内輪6の露出した表面に温度センサ21が接触することが好ましい。
次に図12の構成の作用効果について説明する。図12の軸受装置105においては、薄い環状部材22が温度センサ21を囲むように配置されている。薄い環状部材22が、アクスルエンド13の図12の内輪よりも右側にて上方に回り込む領域の最上部の面上、すなわちアクスルエンド13の外径を形成する表面上に、取り付けられる。また温度センサ21が内輪6の大鍔部6bの表面上に接触するように設置される。このように図12では露出した表面上にセンサユニット2が設置される。
たとえば実施の形態3,4においては、センサユニット2は少なくとも一部の領域にて、アクスルエンド13と内輪6とに挟まれるように配置される。このため内輪6またはアクスルエンド13の寸法が異なる軸受装置105にセンサユニット2を設置する場合には、その都度センサユニット2の寸法を変更するよう再設計が必要となる。寸法が定められた領域内にフィットするようにセンサユニット2が配置されるためである。これに対して本実施の形態では、センサユニット2はそのような挟まれた空間内に配置されるわけではない。このため内輪6またはアクスルエンド13の寸法が異なる軸受装置105にセンサユニット2を設置する場合においても、その都度センサユニット2の寸法を変更するよう再設計する必要はない。このためたとえば既存の車両100にセンサユニット2を取り付ける場合においても円錐ころ軸受1A,1Bの形状または寸法を変更する必要なく軸受装置105を設置することができる。このため再設計のコストまたは工数が生じないため、製造コストを削減できる。
次に本実施の形態の変形例について説明する。図13は、実施の形態5の第2例の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図13を参照して、本実施の形態の第2例においては、図12の第1例の構成に対して、環状部材22が温度センサ21の右側の端部より更に図13の右側に延びる領域にて環状部材22が囲む空間部分に、弾性部材15が挿入されている。したがって環状部材22は、温度センサ21と弾性部材15とを囲んでいる。弾性部材15は温度センサ21の大鍔部6bと反対側である図13の右側に配置される。弾性部材15はバネまたはゴムなどである。
このようにすれば、弾性部材15の有する弾性力がセンサユニット2(温度センサ21)を大鍔部6b側へ押しつけることができる。これにより、センサユニット2の温度センサ21と、内輪6の大鍔部6bの端面とを確実に接触させることができる。
(実施の形態6)
図14は、実施の形態6の円錐ころ軸受のうち、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aの概略拡大断面図である。図14を参照して、本実施の形態の軸受装置105は、実施の形態1と同様に、センサユニット2はそれ自身の全体が本体すなわち温度を検出する部材である上記の温度センサ21として機能する部分となっている。ただし本実施の形態においてもセンサユニット2がたとえば図12および図13と同様に温度センサ21とそれを囲む薄い環状部材22とからなってもよい。
図14においては、アクスルエンド13が図14の内輪6よりも右側の領域において上方に回り込む領域である係止部に、これを図14の左端から右端まで貫通するように貫通孔23が形成されている。この貫通孔23内にセンサユニット2が挿入されている。センサユニット2は貫通孔23の最も内輪6側すなわち図14の左側に、内輪6の大鍔部6bと接するように配置されている。これにより上記の各実施の形態と同様に、大鍔部6bと大端面14との接触部の、センサユニット2による正確かつ速やかな温度測定ができる。
なお図示されないが、貫通孔23内におけるセンサユニット2と貫通孔23との接触部には、熱伝導率が比較的低い材料の薄い層が配置されることが好ましい。このようにすれば、センサユニット2に伝わった大鍔部6bと大端面14との接触部の熱が、アクスルエンド13に伝わることが抑制される。これにより、大鍔部6bと大端面14との接触部の、センサユニット2によるいっそう正確かつ速やかな温度測定ができる。
さらに本実施の形態によれば、図14のように、センサユニット2に接続されそこから延びる配線18は、少なくとも一部が貫通孔23内に収納されている。このため実施の形態3,4,5に比べていっそう、配線18の断線を抑制する効果が高められる。
(実施の形態7)
上記の実施の形態1〜6はすべて、アクスルシャフト11および外輪5が回転し、アクスルエンド13およびその外周に嵌合された内輪6は回転せず固定されている。軸受装置105に取り付けられた車輪であるたとえば第2後輪104Bは、駆動により自ら回転可能な駆動輪である。これに対し、本実施の形態においては、車両100の車輪であるたとえば第2後輪104Bは従動輪であり、自ら回転せず、車両100に含まれる駆動輪の回転に伴い回転可能である。このような従動輪としての車輪が、外輪5に回転可能に支持されている。これにより従動輪用として軸受装置105を適用することができる。
図15は、実施の形態7の軸受装置の構成を示す概略断面図である。図15を参照して、本実施の形態の軸受装置105は、アクスルシャフト11の代わりに固定軸31が、たとえば図1の左側の第2後輪104Bと右側の第2後輪104Bとを固定している。固定軸31の延びる図15の左右方向に交差する断面での径方向外側に、軸受装置105を構成する各部材が設置される。固定軸31はその延びる図15の左右方向の軸周りに回転しないよう、軸受装置105内にて固定される。図15では円錐ころ軸受1Aが用いられているが、円錐ころ軸受1Bが用いられてもよい。
軸受ユニット部材1Cには図15の左右方向に延在する固定軸31が挿入されている。固定軸31は図2の左右方向に延在する。ただし固定軸31の径はその全体において同一とは限らず、領域において径が異なっていてもよい。固定軸31の径が領域ごとに異なることにより、固定軸31全体の形状が変化する。このため上記の図4において、右側の内輪6の内径R1が左側の内輪6の内径R2よりも大きくなることが想定できる。内輪6の内側には、図示されないナックルの固定軸31が挿入されている。固定軸31はナット32で軸受ユニット部材1Cに締め付け固定される。
車輪隣接部材40の環状の径方向の外側には、図1の第2後輪104Bなどの車輪が取り付けられている。これによりたとえば図1の左側の第2後輪104Bと右側の第2後輪104Bとが固定軸31により固定された図1の上記第2の駆動方式が得られる。
したがって外輪5、車輪取付ハブ4、車輪隣接部材40および車輪は、固定軸31周りに回転することで車両100を走行させる。なお図2には車輪は示されていない。図2に示されていない車輪はいわゆる従動輪である。そのような従動輪としての車輪が、外輪5に回転可能に支持されている。これにより内輪6を固定輪とする構成が、実施の形態1〜6のように車輪が駆動輪である場合に比べて簡素な構成により容易に得られる。
以上により、本実施の形態においても実施の形態1〜6と同様に、外輪5が回転可能であり、内輪6は回転せず固定されている。
(実施の形態8)
上記の実施の形態1〜7はすべて、軸受装置105には1つのセンサユニット2のみが備えられる。これに対し、本実施の形態においては、軸受装置105にはセンサユニット2として、2つのセンサユニット2A,2Bが設置されている。なお次の図16では駆動輪の例が示されるが、本実施の形態は従動輪に適用されてもよい。また図16では円錐ころ軸受1Bが用いられているが、円錐ころ軸受1Aが用いられてもよい。
図16は、実施の形態8の軸受装置の構成を示す概略断面図である。図16を参照して、本実施の形態の軸受装置105は、2つの内輪6のそれぞれの周方向に沿って、互いに間隔をあけて2つのセンサユニット2A,2Bが設けられる。これら2つのセンサユニット2A,2Bは、たとえば2つの内輪6の環状(円環状)の中心に対する周方向において、当該中心に対し互いに対向する2つの位置のそれぞれに設置されることが好ましい。これを言い換えれば、センサユニット2Aとセンサユニット2Bとが、内輪6の中心に関して互いに線対称または点対称の位置関係となるように配置されることが好ましい。さらにこれを言い換えれば、内輪6の中心とセンサユニット2Aとを結ぶ直線と、内輪6の中心とセンサユニット2Bとを結ぶ直線との角度が約180°の位置関係となるように、センサユニット2Aとセンサユニット2Bとが配置されることが好ましい。ただし上記角度は厳密に180°である必要はなく、たとえば100°以上の任意の角度であってもよい。あるいは当該角度は120°以上であっても、150°以上であってもよい。
なおセンサユニット2A,2Bは、実施の形態1などのセンサユニット2と同様に、少なくとも1つの内輪6、特にたとえば車両100への設置時の最もインナー側の内輪6の大鍔部6bに接するように設置される。
本実施の形態の軸受装置105は、車両100に設置される際には、たとえばセンサユニット2Aが高さ方向の位置が最も低い位置に配置され、センサユニット2Bが高さ方向の位置が最も高い位置に配置されることが好ましい。以降においては高さ方向の位置が最も低い位置を路面側と呼び、高さ方向の位置が最も高い位置を反路面側と呼ぶこととする。なお図16では必ずしもセンサユニット2Aおよびセンサユニット2Bの一方が路面側、他方が反路面側に配置された態様を示していない。これは図16は車両100の水平方向に拡がる断面の態様を示しており、図16には路面側と反路面側との双方が現れていないためである。このため図16においては軸受装置105に2つのセンサユニット2A,2Bが配置されることを模式的に示しているにすぎない。
なお本実施の形態の軸受装置105においては、センサユニットが3つ以上設置されてもよい。それら3つ以上のセンサユニットは、内輪6の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置されていればよい。したがってそれら3つ以上のセンサユニットは、必ずしも内輪6の周方向に沿って互いに等間隔となるように配置されなくてもよい。なお軸受装置105に3つ以上のセンサユニットが設けられる場合においても、センサユニットが2つのみ設置される場合と同様に、それらのうちの2つであるたとえば図16のセンサユニット2A,2Bは、一方が路面側に、他方が反路面側に配置されることが好ましい。一例としてセンサユニット2A,2Bと他のセンサユニットとの合計3つのセンサユニットを有する場合を考える。この場合、センサユニット2A,2Bが互いに路面側、反路面側の位置関係に設置され、他のセンサユニットが周方向についてセンサユニット2Aとセンサユニット2Bとの中間の位置に設置されてもよい。言い換えればこの場合、他のセンサユニットは内輪6の中心に対して、センサユニット2A,2Bのそれぞれと約45°の位置に設置される。複数のセンサユニットのそれぞれはこのような配置構成であってもよい。
図17は、実施の形態8の第1例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。なお図16中の点線で囲まれた領域Bは、図2または図6中の点線で囲まれた領域Aと同じである。図18は、実施の形態8の第2例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。図19は、実施の形態8の第3例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。図20は、実施の形態8の第4例の円錐ころ軸受のうち、図16中の点線で囲まれた領域Bの概略拡大断面図である。図17、図18、図19および図20を参照して、これらは図3、図7、図10、図12のそれぞれと同じ構成であり、センサユニット2が複数のセンサユニットの1つであるセンサユニット2Aに置き換わっている点においてのみ異なっている。このように、本実施の形態のセンサユニットを複数備える構成は、上記の実施の形態1〜7のそれぞれの各例に適用可能である。したがって本実施の形態のセンサユニット2A,2Bは、実施の形態1のセンサユニット2と同様にその全体が本体すなわち温度を検出する部材である上記の温度センサ21として機能する部分であってもよい。あるいは本実施の形態のセンサユニット2A,2Bは、実施の形態3のセンサユニット2と同様に温度センサ21と環状部材22とを有してもよい。
次に、本実施の形態の背景技術について追加説明したうえで、本実施の形態の作用効果について説明する。
たとえば、大型車両の車輪用の円錐ころ軸受の、外側軌道面または内側軌道面(軌道面)のどこかに剥離等の異常がある場合を考える。この場合、当該円錐ころ軸受を備える軸受装置において、円錐ころの転動面と、軌道面との間の摩擦が増大し発熱する。当該発熱が起こる発熱源からの距離に応じて、たとえば内輪の周方向に沿った温度分布が生じる。しかし、軸受装置が1つのセンサユニットのみを備える場合には、たとえ軸受に異常が生じていても、回転速度などの車両の走行条件によっては、それが異常に基づく発熱であるか否かについての判断が困難である。またたとえ軸受に異常が生じていても、低回転数または低荷重条件の時には発熱量が少なく、発熱源の温度上昇が小さくなる。このため早期に軸受が異常状態であると判断することが困難である。
そこで本実施の形態の軸受装置105は、少なくとも1つのセンサユニット2が、複数すなわちたとえば2つの内輪6の周方向に沿って互いに間隔をあけて、複数すなわち2つ以上設置される。センサユニットが2つ以上であることが好ましい理由は、軌道面の剥離等に基づく異常な発熱は、温度分布が内輪6の周方向に沿ったものとして生じるためである。このため複数のセンサユニット2を内輪6の周方向に互いに間隔をあけて設置することで、発熱源の異常発熱時の周方向に沿う温度分布の有無を検出できる。したがって円錐ころ軸受1A,1Bの異常状態を速やかに検出できる。また温度分布の有無の検出により、たとえ発熱源からの発熱量が小さくても、早期に円錐ころ軸受1A,1Bの異常状態を検出できる。
上記軸受装置105において、3つ以上のセンサユニットが内輪6の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置されることがより好ましい。このようにセンサユニットの数が増え、それらが適宜配置されることにより、それらのセンサユニットのそれぞれの出力を監視すれば、荷重の方向および円錐ころ軸受1A,1Bの損傷の位置によらず、異常に起因する発熱の周方向の温度分布をさらに精確に検出できる。
上記軸受装置105において、複数のセンサユニットのうち少なくとも2つは、複数の内輪6の中心に対する周方向において、中心に関し互いに対向する2つの位置のそれぞれに設置されることが好ましい。このように少なくとも2つのセンサユニットのそれぞれは、中心と当該センサユニットを結ぶ直線同士がたとえば180°の角度を有するように線対称または点対称の関係となることが好ましい。このようにすれば、当該2つのセンサユニット間の周方向の距離を最大とすることができる。このため異常発熱による周方向の温度分布がより検出しやすくなる。
なお軸受装置105が車両100に設置される際には、上記のように中心に関し互いに対向する2つの位置のそれぞれに設置される2つのセンサユニット2A,2Bは、その一方が路面側に、他方が反路面側に配置されるように設置されることが好ましい。
車両100が加減速走行をしている状態を除いては、円錐ころ軸受1A,1Bに加わる負荷は主に車両の自重および積み荷による重力である。円錐ころ軸受1A,1Bはこれらの負荷を鉛直方向で受ける。このため車両に取り付けられた円錐ころ軸受1A,1Bの最上部(反路面側)と最下部(路面側)との間で、円錐ころ7と内輪6との接触部における面圧の差が最も大きくなる。したがって車両に取り付けられた円錐ころ軸受1A,1Bの最上部(反路面側)と最下部(路面側)との間で、異常発熱による発熱量の差が最も大きくなると予想される。したがって上記のようにたとえばセンサユニット2Aを路面側に、センサユニット2Bをたとえば反路面側に設けることで、最上部と最下部との間の発熱量の差を顕著に検出できる。この発熱量の差を監視することにより、速やかに異常を検出できる。
(実施の形態9)
図21は、実施の形態1〜8における軸受装置に備えられる異常診断処理部、および異常診断処理部に対する信号の入出力を含む制御系としての車両システムを示すブロック図である。すなわち図21は、実施の形態1〜8における軸受装置を備える車両システムを示す。図21を参照して、車両システム200において、上記の実施の形態1〜8における異常診断処理部35は、閾値記憶部36を含んでいる。閾値記憶部36はマイコンの一種であり、閾値を記憶している。閾値は、円錐ころ軸受1A,1Bが不具合により過剰に発熱している異常な状態と、円錐ころ軸受1A,1Bに不具合が起こっておらず過剰な発熱が起こっていない正常な状態との境界としての値である。
実施の形態1〜8において、つまり軸受装置105内のセンサユニット2が1つであっても2つ以上であっても、異常診断処理部35は、少なくとも1つのセンサユニット2の出力値である温度情報と、異常診断処理部35にあらかじめ設定された閾値とを比較することにより、少なくとも1つのセンサユニット2が測定する温度が異常であるか否かを診断する。これにより、円錐ころ軸受1A,1Bの状態が正常であるか異常であるかを確認できる。
また、特に実施の形態8のセンサユニットを複数備える例においては、異常診断処理部35は、複数のセンサユニット2A,2Bのそれぞれの出力値である温度情報の最大値、平均値、標準偏差、最大値と最小値との差、平均値と最大値または最小値との差、および平均値と最大値または最小値との比の少なくともいずれかを演算する。これらのうちいずれを演算するかについては、軸受装置105の使用条件等に応じて適宜変更する。この演算値と、異常診断処理部35にあらかじめ設定された閾値とを比較することにより、複数のセンサユニット2A,2Bが測定する温度が異常であるか否かを診断する。これにより、円錐ころ軸受1A,1Bの状態が正常であるか異常であるかを確認できる。
閾値記憶部36が記憶する閾値は、たとえば軸受ユニット部材1Cに封入される潤滑剤(潤滑グリースを含む)の基油の引火点に応じて決定される。あるいは閾値としては、上記の潤滑剤の基油の引火点のほか、以下の走行条件としての各パラメータが用いられてもよい。つまり閾値としては、図21に示すように、軸受装置105が設置される車両100のステアリング角度、車両100の車輪の回転角度、車両100のアクセル開度、車体102の傾斜角、車体102の積載荷重、および車両100が走行する環境温度のいずれかが用いられてもよい。
なおセンサユニット2(温度センサ21)が出力する温度情報(出力値)は、センサユニット2の計測した温度Tc、またはその微分値dTc/dtである。
異常診断処理部35は、センサユニット2からの出力を処理し、出力である温度情報が異常であることを検出した場合に異常診断情報を軸受装置105の外部に発信する。具体的には、軸受装置105は、異常診断処理部35が検出した異常信号を車両に伝達可能な伝達手段38をさらに備えている。伝達手段38は信号伝達用のマイコンなどである。伝達手段38が検出した異常信号は、車両、特に車両に搭載されたマイコン(ECU)としてのコントローラ37に伝達される。ここで異常信号とは、センサユニット2から出力された温度情報が異常であることを示す信号である。伝達手段38からコントローラ37に異常が伝達されることで、コントローラ37はたとえば車両100を自動停止させるなど、車両100に問題が生じない状態を確保するための動作を早期に行なうことができる。
軸受装置105は、異常診断処理部35が異常を判断した際に車両100の運転者に当該異常を通知する通知手段39をさらに備える。軸受装置105に含まれる通知手段39は、たとえば一般公知のカーナビゲーションシステムの画面を表示するためのマイコンなどである。また車両システム200に含まれる通知手段39は、たとえばカーナビゲーションシステムの画面などである。これにより、たとえば車両100の運転者は早期に過剰な発熱が起こっていることを知ることができる。
なお図21においては、図1〜図20と同様に、異常診断処理部35は軸受装置105に備えられるものとして図示される。また異常診断処理部35は車体102のECUとは別の部材として図示されている。しかし実施の形態1でも述べたように、異常診断処理部35は車体102のECUに直接設置され、軸受装置105に含まれない構成であってもよい。また図21においては異常診断処理部35は軸受装置105に含まれるものの、センサユニット2とは別部材であるように示され、図1などの各図でもそのように示されている。しかしそもそも(閾値記憶部36を含む)異常診断処理部35は、センサユニット2に含まれていてもよい。さらに、たとえば車両のECUに、異常診断処理部35が含まれたセンサユニット2が直接的に含まれる構成であってもよい。
少なくとも図1〜図20のように異常診断処理部35がセンサユニット2とは別体であり、車両100のECUがセンサユニット2、異常診断処理部35などとは別体である限り、上記の本実施の形態の各特徴を有する。ただし図1〜図20、図21は模式図に過ぎず、必ずしも実際の製品における各部材の配置態様を示さない。このため、たとえば車両のECUに、異常診断処理部35が含まれたセンサユニット2が直接的に含まれる構成においても上記本実施の形態の各特徴を有する場合もある。
以下に本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態の軸受装置105においては、センサユニット2(2A,2B)の出力値または当該出力値からの標準偏差などの演算値と、あらかじめ設定された閾値との比較により、軸受ユニット部材1Cに含まれる円錐ころ軸受1A,1Bの状態が正常であるか異常であるかを確認できる。
上記軸受装置105において、閾値は、軸受ユニット部材1Cに封入される潤滑剤であるたとえば潤滑グリースの基油の引火点に応じて決定されてもよい。
たとえば、閾値を軸受ユニット部材1Cに封入された潤滑グリースに含まれる基油の引火点の温度よりも低く設定しておくことが好ましい。このようにすれば、センサユニット2の出力値などが当該閾値を超えたときに、実際の引火点に到達する温度との差がある状態で、余裕をもって異常を認識したり、異常な温度に上昇しつつあることの通報を受けることができる。このため過剰な発熱を未然に防ぐことができる。
また本実施の形態の車両システム200、すなわち車軸軸受測温システムは、以下の構成を有する。当該車軸軸受測温システムは、軸受装置105と、異常診断処理部35としての判断部と、通知手段39とを備える。軸受装置105は、トラックなどの大型の車両100の車輪支持構造である。軸受装置105は、複数並んだテーパころ軸受(軸受)としてのたとえば円錐ころ軸受1Aと、センサユニット2とを備えている。複数であるたとえば2つの円錐ころ軸受1Aは、アクスルシャフト11または固定軸31としての車軸と、ハウジングとしての車輪取付ハブ4との間に配置される。複数並んだテーパころ軸受は、内周に外側テーパ転走面としての外側軌道面5aが形成された、複数の回転可能な外輪5と、外側軌道面5aに対向する内側テーパ転走面としての内側軌道面6aが外周に形成された複数の固定された内輪6と、複数の外輪5のそれぞれの外側軌道面5aと複数の内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に転動自在に収容された複数のテーパ状のころ7とを含む。センサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6の温度を測定する。判断部は、センサユニットで測定した温度が、複数のテーパころ軸受内に封入される潤滑剤の基油の引火点に応じて決定された閾値を超えたときに異常と判断する。通知手段39は、判断部が異常を判断した際に車両の運転者に異常を通知する。
言い換えれば、本実施の形態の車両システム200、すなわち車軸軸受測温システムは、以下の構成を有する。当該車軸軸受測温システムは、軸受装置105と、異常診断処理部35としての判断部と、通知手段39とを備える。軸受装置105は、トラックなどの大型の車両100の車輪支持構造である。軸受装置105は、車輪用テーパ軸受ユニットとしての軸受ユニット部材1Cと、センサユニット2とを備えている。軸受ユニット部材1C(円錐ころ軸受1B)は、アクスルシャフト11または固定軸31としての車軸と、ハウジングとしての車輪取付ハブ4との間に配置される。軸受ユニット部材1Cはテーパころ軸受を含む。テーパころ軸受は、複数の外輪が一体とされた態様を有し、内周に外側テーパ転走面としての外側軌道面5aが複数列を含む外方部材としての外輪5と、外側軌道面5aに対向する内側テーパ転走面としての内側軌道面6aが外周に形成された複数の固定された内輪6と、外輪5の外側軌道面5aと複数の内輪6のそれぞれの内側軌道面6aとの間に転動自在に収容された複数のテーパ状のころ7とを含む。センサユニット2は、複数の内輪6のうち少なくとも1つの内輪6の温度を測定する。判断部は、センサユニット2で測定した温度が、軸受ユニット部材1C内に封入される潤滑剤の基油の引火点に応じて決定された閾値を超えたときに異常と判断する。通知手段39は、判断部が異常を判断した際に車両の運転者に異常を通知する。
これにより、たとえば車両100の運転者は早期に過剰な発熱が起こっていることを知ることができる。
上記の車軸軸受測温システムにおいては、センサユニット2で測定された内輪6の温度Tcが閾値を超えた場合、その時間微分値dTc/dtがゼロ以下になるまで、車両100の駆動出力を低減する指令を、車両100のたとえばそこに搭載されたマイコン(ECU)としてのコントローラ37に伝達することが好ましい。伝達手段38からコントローラ37に異常が伝達されることで、コントローラ37はたとえば車両100を自動停止させるなど、車両100に問題が生じない状態を確保するための動作を早期に行なうことができる。
図22は、軌道面に剥離が生じてそこを発熱源とする異常発熱が生じた場合の、時間の経過と発熱源の温度との関係を示すグラフである。図22の横軸は経過時間tを示しており、図22の縦軸は発熱源の温度Tcを示している。図22を参照して、車両100が走行すれば、円錐ころ7の大端面14と内輪6の大鍔部6bとの間に摩擦熱が発生し、温度が上昇する。そのまま車両100が走行を続けた場合、この温度上昇は、当初は時間の経過に対して比較的緩やかに上昇する。しかし当該発熱源の温度の上昇速度、すなわち図22のグラフの傾きは、時間の経過とともにわずかに増加する。そして大鍔部6bの内側軌道面6aが剥離すれば、その剥離箇所が大端面14と擦れあうことにより、その剥離箇所を発熱源として温度が急激に上昇し、たちまち潤滑剤の基油の引火点に達する。このため潤滑グリースは急激に温度上昇し、過剰な発熱の原因となり得る。したがってこの引火点を基準に閾値を決めることにより、上記のように、過剰に発熱するよりも早いタイミングで適切な対応ができるよう、異常を認識できるシステムとすることは有効である。
なお、閾値としての潤滑剤の引火点以外のパラメータを適用する場合、以下の作用効果を奏する。たとえば閾値として車輪の回転速度を適用する場合、回転速度の上昇に伴って円錐ころ7には遠心力が発生する。円錐ころ7は外輪5および大鍔部6bとの間で接触面圧および滑り速度が上昇し発熱が生じる。このため正常運転時の円錐ころ7の温度は回転速度に応じて異なる。このため、回転速度に応じて閾値を設定することにより、早期に軸受ユニット部材1Cの円錐ころ軸受1A,1Bの異常発熱を検出できる。
また、たとえば閾値として車両100のステアリング角度および車両100の回転速度の条件を併せて考慮した場合には、以下のことがいえる。車両100の旋回時には、路面と車輪との間に、車両100の横滑りまたは横揺れなどによる応力が生じる。これにより軸受ユニット部材1Cはモーメント荷重を受ける。このとき、車両100の旋回方向によって、路面側ま他は反路面側の大鍔部6bの接触面圧が上昇し発熱する。車輪に加わる上記の応力は、車両100の遠心力によって決まる。車両100の遠心力は車両100の質量と旋回角速度と旋回半径とによって決まる。このため軸受装置105が設置されるべき車両100のステアリング角度、または車輪の回転速度の条件に応じて閾値を設定することは有効である。これにより、複雑な走行状態においても早期に車両用軸受の異常発熱を検出できる。
以上においては軸受ユニット部材1Cとして円錐ころ軸受を用いて説明した。しかしこれに限らず、軸受ユニット部材1Cの複数の転がり軸受としては複列の円筒ころ軸受が用いられてもよい。あるいは軸受ユニット部材1Cの転がり軸受ユニットとしては円筒ころ軸受が用いられてもよい。つまり円錐ころ7の代わりに円筒ころが用いられてもよい。この場合、外側軌道面5aおよび内側軌道面6aはテーパ状ではなく各図の左右方向に沿って延びる。
以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1A,1B 円錐ころ軸受、1C 軸受ユニット部材、2,2A,2B センサユニット、4 車輪取付ハブ、5 外輪、5a 外輪軌道面、6 内輪、6a 内側軌道面、6b 大鍔部、6c センサ内蔵部、7 円錐ころ、8 保持器、9,10 シール、11 アクスルシャフト、12 ボルト、13 アクスルエンド、14 大端面、15 弾性部材、16 キー、17 切欠き部、18 配線、21 温度センサ、22 環状部材、23 貫通孔、31 固定軸、32,34 ナット、33 止め輪、35 異常診断処理部、36 閾値記憶部、37 コントローラ、38 伝送手段、39 通知手段、40 車輪隣接部材、100 車両、101 フレーム、102 車体、103 前輪、104 後輪、104A 第1後輪、104B 第2後輪、105 軸受装置,200 車両システム。

Claims (22)

  1. 複数のころおよび固定された複数の内輪が並ぶように配置された軸受ユニット部材と、
    少なくとも1つのセンサユニットとを備え、
    前記軸受ユニット部材は、
    内周に外側軌道面が形成された、少なくとも1つの回転可能な外輪と、
    前記外側軌道面に対向する内側軌道面が外周に形成された前記複数の内輪と、
    前記外輪の前記外側軌道面と前記複数の内輪のそれぞれの前記内側軌道面との間に転動自在に収容された前記複数のころとを含み、
    前記複数のころのそれぞれは端面を有し、
    前記複数の内輪のそれぞれは前記端面に接触可能な鍔部を有し、
    前記少なくとも1つのセンサユニットは、前記複数の内輪のうち少なくとも1つの前記内輪に設置され、
    前記軸受ユニット部材は、自動車の車両に設置されるように用いられる、車輪支持構造としての軸受装置。
  2. 前記自動車は大型自動車である、請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記少なくとも1つのセンサユニットは、前記少なくとも1つの前記内輪の前記鍔部に接するように設置される、請求項1または2に記載の軸受装置。
  4. 前記軸受ユニット部材は前記外輪を複数含む複数の転がり軸受として構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受装置。
  5. 前記軸受ユニット部材は前記外輪を1つのみ含む転がり軸受ユニットとして構成され、
    単一の前記外輪は複数の前記外側軌道面を有する外方部材であり、
    前記複数の内輪は複数の内方部材である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受装置。
  6. 前記複数のころは複数の円錐ころであり、
    前記複数の内輪のそれぞれは、前記複数の円錐ころのそれぞれの前記端面としての大端面に接触可能な前記鍔部としての大鍔部を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の軸受装置。
  7. 前記複数の内輪のうち、内径が最も大きい前記内輪の前記鍔部に接するように前記少なくとも1つのセンサユニットが設置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の軸受装置。
  8. 前記複数の内輪のうち、内径角部に形成された円弧部の径が最も大きい前記内輪の前記鍔部に接するように前記少なくとも1つのセンサユニットが設置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の軸受装置。
  9. 前記少なくとも1つの外輪に従動輪が回転可能に支持される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の軸受装置。
  10. 前記少なくとも1つの外輪に駆動輪が回転可能に支持され、
    前記複数の内輪の内周に固定部材が固定されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の軸受装置。
  11. 前記少なくとも1つのセンサユニットは、温度センサと、前記温度センサを覆う環状部材とを含み、
    前記環状部材が前記鍔部に接するように前記少なくとも1つのセンサユニットが設置される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の軸受装置。
  12. 前記少なくとも1つのセンサユニットは、前記複数の内輪の周方向に沿って互いに間隔をあけて複数設置される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の軸受装置。
  13. 前記複数のセンサユニットのうち少なくとも2つは、前記複数の内輪の中心に対する周方向において、前記中心に関し互いに対向する2つの位置のそれぞれに設置される、請求項12に記載の軸受装置。
  14. 異常診断処理部をさらに備え、
    前記異常診断処理部は、前記複数のセンサユニットのそれぞれの出力の最大値、平均値、標準偏差、最大値と最小値との差、平均値と最大値または最小値との差、および平均値と最大値または最小値との比の少なくともいずれかと、前記異常診断処理部にあらかじめ設定された閾値とを比較することにより、前記複数のセンサユニットが測定する温度が異常であるか否かを診断する、請求項12または13に記載の軸受装置。
  15. 異常診断処理部をさらに備え、
    前記異常診断処理部は、前記少なくとも1つのセンサユニットの出力値と、前記異常診断処理部にあらかじめ設定された閾値とを比較することにより、前記少なくとも1つのセンサユニットが測定する温度が異常であるか否かを診断する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の軸受装置。
  16. 前記閾値は、前記軸受ユニット部材に封入される潤滑剤の基油の引火点に応じて決定される、請求項14または15に記載の軸受装置。
  17. 前記異常診断処理部が検出した異常信号を前記車両に伝達可能な伝達手段をさらに備える、請求項14〜16のいずれか1項に記載の軸受装置。
  18. 前記異常診断処理部が異常を判断した際に前記車両の運転者に前記異常を通知する通知手段をさらに備える、請求項14〜17のいずれか1項に記載の軸受装置。
  19. 前記車両の後輪に設けられた、請求項1〜18のいずれか1項に記載の軸受装置。
  20. 前記軸受ユニット部材が前記車両に設置された際に、前記複数の内輪のうち前記車両の最も内側に配置される前記内輪の前記鍔部に接するように、前記少なくとも1つのセンサユニットが設置される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の軸受装置。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の軸受装置を備える車両。
  22. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の軸受装置を備える車両システム。
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