JP2006170223A - 車輪軸受装置の遠隔監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 車輪軸受装置の回転検出用のセンサ出力を、軸受装置の異常診断に効果的に利用でき、信頼性の高い異常検出が行えるものとする。
【解決手段】 車両50の車輪軸受装置51に、回転検出センサ4を設ける。回転検出センサ4は、回転側に取付けられる多極磁石で構成される磁気エンコーダ18と、これに対向して固定側に取付けられる磁気センサとでなる。上記センサ4の検出信号を、軸受装置51から情報処理装置56へ送信するワイヤレス送信手段5を設ける。情報処理装置56は、移動体通信網60における移動端末となるものとする。車両に対する遠隔地の事業所71に、移動体通信網60を介して通信されたセンサの検出信号から、車輪軸受装置51に関する所定の事項を判断する判断手段75を設ける。異常の場合の判断結果とその対処の情報を、処置情報作成手段77により、車両50および販売店,整備工場などの事業所73,74に送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両50の車輪軸受装置51に、回転検出センサ4を設ける。回転検出センサ4は、回転側に取付けられる多極磁石で構成される磁気エンコーダ18と、これに対向して固定側に取付けられる磁気センサとでなる。上記センサ4の検出信号を、軸受装置51から情報処理装置56へ送信するワイヤレス送信手段5を設ける。情報処理装置56は、移動体通信網60における移動端末となるものとする。車両に対する遠隔地の事業所71に、移動体通信網60を介して通信されたセンサの検出信号から、車輪軸受装置51に関する所定の事項を判断する判断手段75を設ける。異常の場合の判断結果とその対処の情報を、処置情報作成手段77により、車両50および販売店,整備工場などの事業所73,74に送信する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、乗用車や、トラック、バス、建設用車両等に適用される車輪軸受装置の遠隔監視システムに関し、特に、車輪軸受装置のセンサの信号をワイヤレスで車体等に送信し、さらに遠隔地へ送信して監視する遠隔監視システムに関する。
自動車のアンチロックブレーキ装置等においては、その制御のために車輪の回転速度を検出する必要がある。この車輪回転速度の検出センサは、車輪軸受装置に設けられる。センサ信号は、一般には電線で車体部へ通信しているが、この電線は、車輪軸受と車体との間では車外に露出することになり、石跳ねやタイヤハウス内の凍結等により断線の支障を起こし易い。このような問題を解消するものとして、本出願人は、車輪軸受装置のセンサの信号をワイヤレスで車体等に送信するものを提案した(特許文献1)。
このように得られる回転信号は、従来は、アンチロックブレーキ装置の制御のみに用いられている。
このように得られる回転信号は、従来は、アンチロックブレーキ装置の制御のみに用いられている。
一方、車輪軸受装置の保守については、定期的な車両の保守時に外見的に見るだけで、軸受の状況を判断し、保守を行っているのが現状である。
そのため、軸受寿命に達していないにも拘らず、早朝の交換が必要であり、またメーカー側で不具合の診断や対処に手間がかかっている。
そのため、軸受寿命に達していないにも拘らず、早朝の交換が必要であり、またメーカー側で不具合の診断や対処に手間がかかっている。
このような課題を解決する車輪軸受装置の遠隔監視システムとして、車輪軸受装置に設けられ上記車輪軸受装置の状況を検出する一または複数のセンサと、このセンサの検出信号を上記車輪軸受装置に設けられた送信部からワイヤレス信号として取り出し、移動体通信網に伝達する車両搭載通信手段と、上記車両に対する遠隔地の事業所に設けられ上記移動体通信網を介して通信された上記センサの検出信号から上記車輪軸受装置に関する所定の事項を判断する判断手段とを備えたものが提案されている(特許文献2)。
また、車輪軸受に用いられて車輪回転数を検出する磁気エンコーダとして、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石と、この多極磁石を支持する芯金とを有し、前記多極磁石を、磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体としたものが提案されている(例えば特許文献3)。この磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体により多極磁石を形成したものは、安定したセンシングが行える磁力が確保でき、また従来のゴム磁石からなる多極磁石に比べて、表面硬度が硬く、塵埃の噛み込み等による損傷を生じ難いという利点がある。また、この混合粉の焼結体からなる多極磁石は、磁性粉のみを焼結させた多極磁石と比べると、強度的に優れ、他の各種の多極磁石と異なり、芯金への取付けが加締等で簡単に行えるという利点がある。
特開2001−151090号公報
特開2003−148502号公報
特開2003−85536号公報
特許文献2に示された車輪軸受装置の遠隔監視システムは、回転検出センサにおける磁気エンコーダを構成する多極磁石の明記がないが、この種の多極磁石には一般的にはゴム磁石が用いられている。しかし、ゴム磁石からなる多極磁石は、表面硬度が硬く、路面の砂粒の噛み込み等による損傷を生じ易い。そのため、回転検出センサの信頼性が今一つ十分でない。これにより、車輪軸受装置の遠隔監視システムとしての信頼性を確保すること
が難しい。
が難しい。
この発明の目的は、車輪軸受装置の回転検出用のセンサ出力を、軸受装置の異常診断に効果的に利用でき、信頼性の高い異常検出が行えて、軸受装置の不具合を未然に防止すると共に、不具合発生時の対処を迅速に行えるようにした車輪軸受装置の遠隔監視システムを提供することである。
この発明を実施形態に対応する図1と共に説明する。この車輪軸受装置の遠隔監視システムは、車両(50)に設けられ内周に転走面を有する外方部材(1)および外周に転走面を有する内方部材(2)の間に転動体(3)が介在し車体(12)に対して車輪(13)を回転自在に支持する車輪軸受装置(51)と、
この車輪軸受装置(51)に設けられ上記車輪軸受装置(51)の状況を検出する一または複数のセンサ(4,52)と、
このセンサ(4,52)の検出信号を上記車輪軸受装置(51)に設けられた送信部(5a)からワイヤレス信号として取り出し、移動体通信網(60)に伝達する車両搭載通信手段(55)と、
上記車両(50)に対する遠隔地の事業所(71)に設けられ上記移動体通信網(60)を介して通信された上記センサ(4,52)の検出信号から上記車輪軸受装置(51)に関する所定の事項を判断する判断手段(75)とを備える。
この車輪軸受装置(51)に設けられ上記車輪軸受装置(51)の状況を検出する一または複数のセンサ(4,52)と、
このセンサ(4,52)の検出信号を上記車輪軸受装置(51)に設けられた送信部(5a)からワイヤレス信号として取り出し、移動体通信網(60)に伝達する車両搭載通信手段(55)と、
上記車両(50)に対する遠隔地の事業所(71)に設けられ上記移動体通信網(60)を介して通信された上記センサ(4,52)の検出信号から上記車輪軸受装置(51)に関する所定の事項を判断する判断手段(75)とを備える。
前記一または複数のセンサ(4,52)のうちの少なくと一つのセンサ(4)が、前記外方部材(1)および内方部材(2)のうちの回転側の部材(2)に取付けられた磁気エンコーダ(18)と、この磁気エンコーダ(18)に対向して固定側の部材(1)に取付けられた磁気センサ(17)とでなる回転検出センサであり、前記磁気エンコーダ(18)が、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石で構成され、この多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体とされる。磁気エンコーダ(18)は、上記多極磁石とこの多極磁石を支持する芯金とでなるものとしても良い。
この構成によると、車輪軸受装置(51)のセンサの検出信号が、車両搭載通信手段(55)によって移動体通信網(60)から遠隔地の事業所(71)における判断手段(75)に伝えられ、車輪軸受装置(51)に関する所定の事項が判断される。これにより、車輪軸受装置(51)の回転検出用等のセンサ出力を、軸受装置(51)の診断や保守に効果的に利用できて、軸受装置(51)の不具合を未然に防止することができ、また不具合発生時の対処を迅速に行える。判断手段(75)は、遠隔地の事業所(71)に設けられるため、車両(50)に搭載する場合と異なり、個々の車両(50)に設ける必要はなく、また高機能のものとできる。車両搭載通信手段(55)は、通信技術の発達により、小型軽量のものが実現可能であり、またセンサ信号の送信とは別の目的で使用される通信手段を兼用することもできる。センサの検出信号は、車輪軸受装置(51)に設けられた送信部(5a)からワイヤレス信号として取り出すため、車輪軸受装置(51)と車体(12)との間で断線が生じる恐れがない。
前記センサ(4,52)のうちの回転検出センサ(4)の磁気エンコーダ(18)は、その多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、表面硬度が硬く、砂粒の噛み込み等による損傷が生じ難い。また、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなる多極磁石は、磁気センサ(17)による安定したセンシングが行える強い磁化が行い易い。例えば、ゴム磁石等に比べて磁性粉の混合割合を高め、強い磁力が得られるようにすることも可能である。これらのため、信頼性の高い検出が行える。したがって、車輪軸受装置(51)の遠隔監視システムとして、この軸受装置の異常診断等を行うにつき、信頼性の高い診断が行える。
上記車両搭載通信手段(55)は、上記車輪軸受装置(51)に設けられた送信部(5a)、および車体(12)に設けられて上記送信部(5a)からワイヤレス信号として送信された信号を受信する受信部(5b)からなるワイヤレス通信手段(5)と、上記車体(12)に設けられ上記受信部(5b)の受信信号を処理して上記移動体通信網(60)に無線で送信する移動端末となる情報処理装置(56)とを備えるものであっても良い。ここで言う情報処理装置(56)は、例えば車載のコンピュータのことである。
このように、車輪軸受装置(51)から車体(12)への送信を行うワイヤレス通信手段(5)と、車体(12)から移動体通信網(60)に通信する移動端末とに分けることで、車輪軸受装置(51)に設ける送信部(5a)が簡単な構成で、電波強度も弱いもので済み、かつ上記の断線の問題も防止できる。移動体通信網(60)に通信する移動端末は、単に回線接続等の通信機能のみを有するもの、またはこれにその通信のための信号増幅等の信号処理を行う機能のみを有するものであっても良いが、車両(50)における多目的の処理を行う情報処理装置(56)の一部として設けることにより、専用の移動体端末を設けることが省略できる。
このように、車輪軸受装置(51)から車体(12)への送信を行うワイヤレス通信手段(5)と、車体(12)から移動体通信網(60)に通信する移動端末とに分けることで、車輪軸受装置(51)に設ける送信部(5a)が簡単な構成で、電波強度も弱いもので済み、かつ上記の断線の問題も防止できる。移動体通信網(60)に通信する移動端末は、単に回線接続等の通信機能のみを有するもの、またはこれにその通信のための信号増幅等の信号処理を行う機能のみを有するものであっても良いが、車両(50)における多目的の処理を行う情報処理装置(56)の一部として設けることにより、専用の移動体端末を設けることが省略できる。
上記車両搭載通信手段(55)は、上記移動体通信網(60)に対して無線で送信する移動端末となる手段が、上記車輪軸受装置(51)に設けられた上記送信部(5a)であっても良い。
この構成の場合は、車輪軸受装置(51)が、単独で、センサ信号を移動体通信網(60)に送るまでの全ての機能を備えるものとなり、管理や取扱が便利である。
この構成の場合は、車輪軸受装置(51)が、単独で、センサ信号を移動体通信網(60)に送るまでの全ての機能を備えるものとなり、管理や取扱が便利である。
上記車両搭載通信手段(55)は、双方向通信が可能なものであっても良い。例えば、上記移動端末となる情報処理装置(56)を双方向通信が可能なものとする。
このように、双方向通信が可能なものとすることにより、上記判断手段(75)を持つ事業所(71)等からの指示を受けることができる。
なお、上記車両搭載通信手段(55)は、一方向の通信のみを行うようにし、上記判断手段(75)を持つ事業所(71)等からの指示は、別の通信手段で受けるようにしても良い。
このように、双方向通信が可能なものとすることにより、上記判断手段(75)を持つ事業所(71)等からの指示を受けることができる。
なお、上記車両搭載通信手段(55)は、一方向の通信のみを行うようにし、上記判断手段(75)を持つ事業所(71)等からの指示は、別の通信手段で受けるようにしても良い。
上記車輪軸受装置(51)に設けられるセンサとして、上記車輪軸受装置(51)の回転速度を検出する回転検出センサ(4)と、回転とは別の状況を検出する別状況検出センサ(52)とを設けても良い。上記車輪軸受装置(51)に設けられた上記送信部(5a)は、これらの各センサ(4,52)の検出信号を送信するものとする。この場合に、回転検出信号に別状況の検出信号を重畳させて送信するものとしても良い。
回転検出信号は、一般的にはパルス信号として得られる。そのため、別状況の検出信号の重畳が容易に行える。このように信号を重畳させて送信することにより、一つの送信信号によって、複数種類の情報を得ることができる。
回転検出信号は、一般的にはパルス信号として得られる。そのため、別状況の検出信号の重畳が容易に行える。このように信号を重畳させて送信することにより、一つの送信信号によって、複数種類の情報を得ることができる。
上記別状況検出センサ(52)としては、例えば、車輪軸受装置(52)の温度を検出する温度センサおよび振動を検出する振動センサの両方またはいずれか片方を設ける。車輪軸受装置(51)の寿命や不具合の診断は、温度や振動で行える。
上記回転検出センサ(4)は、上記外方部材(1)と内方部材(2)との相対回転によって発電する発電機であっても良い。
このようにセンサ(4)を発電機とすることで、送信部(5a)やセンサ(4,52)の駆動のために給電する手段が不要となる。センサ(4)が発電機である場合、磁気エンコーダ(18)が多極磁石で構成されていると、磁界を強くすることができ、発電電力を増大することができる。
このようにセンサ(4)を発電機とすることで、送信部(5a)やセンサ(4,52)の駆動のために給電する手段が不要となる。センサ(4)が発電機である場合、磁気エンコーダ(18)が多極磁石で構成されていると、磁界を強くすることができ、発電電力を増大することができる。
上記車両(50)は、上記センサ(4)の回転状況の検出信号を制御に用いるアンチロックブレーキ装置を有するものであっても良い。この構成の場合、アンチロックブレーキ装置(100)の制御のために検出される回転速度の検出信号を、車輪軸受装置(5)の診断のために利用することができる。
この発明の車輪軸受装置の遠隔監視システムは、車両に設けられ車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪軸受装置と、この車輪軸受装置に設けられ少なくとも回転の状況を含む上記車輪軸受装置の状況を検出する一または複数のセンサと、このセンサの検出信号を上記車輪軸受装置に設けられた送信部からワイヤレス信号として取り出し、移動体通信網に伝達する車両搭載通信手段と、上記車両に対する遠隔地の事業所に設けられ上記移動体通信網を介して通信された上記センサの検出信号から上記車輪軸受装置に関する所定の事項を判断する判断手段とを備えたものであるため、車輪軸受装置の回転検出用のセンサ出力を、軸受装置の異常診断に効果的に利用でき、軸受装置の不具合を未然に防止すると共に、不具合発生時の対処を迅速に行うことができる。
センサのうちの回転検出センサの磁気エンコーダは、その多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、表面硬度が硬く、砂粒の噛み込み等による損傷が生じ難い。また、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなる多極磁石は、磁気センサによる安定したセンシングが行える強い磁化が行い易い。これらのため、信頼性の高い検出が行える。したがって、車輪軸受装置の遠隔監視システムとして、軸受装置の異常診断等を行うにつき、信頼性の高い診断が行える。
センサのうちの回転検出センサの磁気エンコーダは、その多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、表面硬度が硬く、砂粒の噛み込み等による損傷が生じ難い。また、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなる多極磁石は、磁気センサによる安定したセンシングが行える強い磁化が行い易い。これらのため、信頼性の高い検出が行える。したがって、車輪軸受装置の遠隔監視システムとして、軸受装置の異常診断等を行うにつき、信頼性の高い診断が行える。
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。この車輪軸受装置の遠隔監視システムは、車両50の各車輪13を支持する車輪軸受装置51に、回転の状況を含む上記車輪軸受装置51の各状況をそれぞれ検出する複数のセンサ4,52が設けられる。車輪軸受装置51は、車体47に対して車輪13を回転自在に支持するものであり、図中に拡大して示すように、内周に転走面を有する外方部材1、および外周に転走面を有する内方部材2の間に転動体3が介在したものである。車両50には、センサ4,52の検出信号を、車輪軸受装置51に設けられた送信部5aからワイヤレス信号として取り出し、移動体通信網60に伝達する車両搭載通信手段55が設けられる。車両搭載通信手段55は、車輪軸受装置51に設けられた送信部5a、および車体47に設けられて上記送信部5aからワイヤレス信号として送信された信号を受信する受信部5bからなるワイヤレス通信手段5と、車体47に設けられ上記受信部5bの受信信号を処理して移動体通信網60に無線で送信する移動端末となる情報処理装置56とを備える。ワイヤレス通信手段5の受信部5bと情報処理装置56との間は有線で接続される。車両50に対する遠隔地の事業所71には、移動体通信網60を介して通信された上記センサ4,52の検出信号から、車輪軸受装置51に関する所定の事項を判断する判断手段75が設けられる。
車両50は、各種の自動車等であり、例えば、乗用車、トラック、バス、建設用車両である。車輪軸受装置51およびセンサ4,52は、後に図6以降の各図と共に詳細を説明するが、センサ4は車輪軸受装置51の回転を検出する回転検出センサである。センサ52は、回転とは別の状況を検出する別状況検出センサである。回転検出センサ4は、アンチロックブレーキシステムに用いられるものである。別状況検出センサ52は、車輪軸受装置51の温度を検出する温度センサ、または軸受51の振動を検出する振動センサである。別状況検出センサ52として、温度センサと振動センサとの両方を設けても良い。ワイヤレス通信手段5において、別状況検出センサ52の検出信号は、例えば回転検出センサ4のパルス信号からなる検出信号に重畳して送信される。
移動体通信網60は、移動体に対して無線で通信できる手段であれば何でも良いが、携
帯電話、自動車電話の通信網、PHS(Personal Handy-phone System)の通信網、移動体衛星通信網等である。
図示の例は、携帯電話の通信網の例であり、基地局61と、基地局制御装置62と、移動交換機63とがあり、基地局61を介して情報処理装置56等の移動端末に対する通信が行われる。移動交換機63は、一般加入回線網やISDN網、その他の移動通信網等の他通信網64と接続され、他通信網64から上記事業所71と通信される。
帯電話、自動車電話の通信網、PHS(Personal Handy-phone System)の通信網、移動体衛星通信網等である。
図示の例は、携帯電話の通信網の例であり、基地局61と、基地局制御装置62と、移動交換機63とがあり、基地局61を介して情報処理装置56等の移動端末に対する通信が行われる。移動交換機63は、一般加入回線網やISDN網、その他の移動通信網等の他通信網64と接続され、他通信網64から上記事業所71と通信される。
車両搭載通信手段55の移動端末となる情報処理装置56は、例えば双方向通信が可能なものとされる。情報処理装置56と移動体通信網60との接続は、常時接続であっても、所定時に、例えば車両のエンジン始動用のキーを入れた状態のときなどに、接続状態となるようにする通信制御手段(図示せず)が設けられたものであっても良い。情報処理装置56により移動体通信網60を介して送信するセンサ検出信号の信号形式は、アナログ信号であっても、ディジタル信号であっても良い。
車両50には、カーナビゲーションシステム(位置情報検出システム)の車載の端末57が搭載され、情報処理装置56と接続されている。カーナビゲーション端末57と情報処理装置56の液晶ディスプレイ等の画面表示装置は、1つを共有させるようにしても、それぞれ別個に設けても良い。上記カーナビゲーションシステムは、例えば通信衛星を用いたGPS(Global Positioning System)である。
車両50には、カーナビゲーションシステム(位置情報検出システム)の車載の端末57が搭載され、情報処理装置56と接続されている。カーナビゲーション端末57と情報処理装置56の液晶ディスプレイ等の画面表示装置は、1つを共有させるようにしても、それぞれ別個に設けても良い。上記カーナビゲーションシステムは、例えば通信衛星を用いたGPS(Global Positioning System)である。
情報処理装置56は、車輪軸受装置51に対する受信部5bの受信信号の処理の他に、車両50の状況を検出する各種のセンサ類の情報を処理する手段を兼ねるものとされている。車両50は、各種の電子制御を行うものであり、運転の便利や安全等のために各種のセンサが設けられ、それらのセンサ類の情報が情報処理装置56によって処理される。情報処理装置56は、車両50の運転とは関係のない多目的の情報処理に用いられるものであっても良い。
また、情報処理装置56は、上記受信部5bの受信信号から所定の事項を判断して判断結果の案内を行う車両搭載判断部58を有するものとしても良い。この判断は、比較的簡単な判断に止めるようにする。例えば、車両搭載判断部58は、上記受信信号から得られる温度または振動の検出信号を閾値と比較し、閾値を超える場合に所定の報知を行うものとする。この報知は、例えば上記画面表示装置の画面の一部に絵文字やメッセージ等で示すものとする。
事業所71および判断手段75を説明する。判断手段75を設ける事業所71は、例えば、軸受製造業者、自動車メーカ、自動車の販売店、自動車の整備工場のうちのいずれかである。図1は、判断手段75を設けた事業所71が軸受製造業者である場合の例を示す。
判断手段75は、車両搭載通信手段55から移動体通信網60を介して送信されたセンサ検出信号が、移動体通信網60または他通信網64と接続するための通信機器76を介して入力され、その入力されたセンサ検出信号から車輪軸受装置51に関する所定の事項を判断する。センサ検出信号は、回転速度の信号と、温度,振動の信号である。判断手段75は、例えば、各信号毎に設定範囲と比較し、許容範囲であるか否かの判断や、段階的な判断を行う。設定範囲は、車輪軸受装置51の型番毎に定められていて、センサ検出信号と共に送信される車両50または車輪軸受装置51の識別情報、または車載の情報処理装置56である移動端末毎に割当てられた識別情報(例えば電話番号)から、車輪軸受装置51の型番が特定できる。これらの識別情報と車輪軸受装置51の型番、およびその型番毎の検出信号項目別の設定値がデータベース79に登録されており、判断手段75は、データベース79から設定範囲の情報を得て上記の判断を行う。
事業所79には、判断手段75の他に、処置情報作成手段77が設けられ、また受注処理手段78が必要に応じて設けられる。これら判断手段75、処置情報作成手段77、および受注処理手段78は、いずれもコンピュータ(図示せず)に設けられる。また、これら判断手段75および処置情報作成手段77は、時分割等によって、多数の車輪軸受装置51の情報を処理するものとされる。
処置情報作成手段77は、判断手段75の判断結果に応じて、車輪軸受装置51の異常に対する処置の情報を作成する手段である。処置情報作成手段77は、この作成した処置情報を、移動体通信網60を介して上記車両50に送信する手段を兼ねる。処置情報作成手段77は、作成する処置の情報の一部が、オペレータの入力によるものであっても良い。
処置情報作成手段77は、判断手段75の判断結果に応じて、車輪軸受装置51の異常に対する処置の情報を作成する手段である。処置情報作成手段77は、この作成した処置情報を、移動体通信網60を介して上記車両50に送信する手段を兼ねる。処置情報作成手段77は、作成する処置の情報の一部が、オペレータの入力によるものであっても良い。
処置情報作成手段77は、車両50の整備を行う事業所74または上記整備のための営業を行う事業所73を選定する処理を行い、その選定情報を、作成する処置の情報として含める。処置情報作成手段77は、処置の情報を、その選定した事業所73,74に送信すると共に、その選定した事業所73,74へ車両50を案内するメッセッジを、上記処置の情報または上記判断手段75の判断結果の情報と共に、車両50に送信する。
車両50の運転者は、その判断結果である軸受異常の情報を見て、不具合を未然に防止することができ、また処置を行う事業所73,74の案内情報を見て、適切な事業所73,74へ向かうことができる。処置等を行う事業所73,74では、処置の情報を見て、早めに部品の準備等を進めることができ、車両50が到着すると、迅速に軸受交換等の処置を行うことができる。
車両50の運転者は、その判断結果である軸受異常の情報を見て、不具合を未然に防止することができ、また処置を行う事業所73,74の案内情報を見て、適切な事業所73,74へ向かうことができる。処置等を行う事業所73,74では、処置の情報を見て、早めに部品の準備等を進めることができ、車両50が到着すると、迅速に軸受交換等の処置を行うことができる。
処置情報作成手段77において、事業所73,74の選定については、車両50の車両搭載通信手段55から送られて来る車両位置情報と、データベース79等に登録された事業所73,74の情報とから、最寄りの事業所73,74を一つまたは複数選定することができる。
車両位置情報は、例えば、カーナビゲーション端末57から得ることができる。この車両位置情報は、車両搭載通信手段55からセンサ検出信号と共に常に送信するようにしても良く、また判断手段75による判断の結果、処置が必要である場合に、処置情報作成手段77から車両搭載通信手段55の情報処理装置56に車両位置の問い合わせ情報を送信し、その応答として情報処理装置56から送られる車両位置情報を用いるようにしても良い。
車両位置情報は、例えば、カーナビゲーション端末57から得ることができる。この車両位置情報は、車両搭載通信手段55からセンサ検出信号と共に常に送信するようにしても良く、また判断手段75による判断の結果、処置が必要である場合に、処置情報作成手段77から車両搭載通信手段55の情報処理装置56に車両位置の問い合わせ情報を送信し、その応答として情報処理装置56から送られる車両位置情報を用いるようにしても良い。
軸受製造業者の事業所71は、受注処理手段78を設け、受注の問い合わせや受注処理を行うようにしても良い。例えば、受注処理手段78により、処置情報作成手段77の情報を利用して、他の事業所72〜74、例えば自動車メーカ、販売店、整備工場等に対する受注の問い合わせ情報を作成し、他通信網64等で送信すると共に、これらの事業所72〜74からの発注意思確認情報を他通信網64から得て、受注を行い、その受注に対して手配を行う受注処理を行うようにしても良い。
データベース79は、一つで代表して示したが、記憶する項目やグループ毎に個別のデータベースを設けても良い。また、データベース77に、判断手段75に入力される前のセンサ検出信号や、その判断手段75による判断結果を記録しておくことで、多数の事例を記録することができ、後の軸受の開発や改良の情報として用いることができる。データベース77に、処置情報作成手段77の処置情報や、受注処理手段78の受注情報を記録しておくと、この車輪軸受装置の遠隔監視システムの稼働状況が解析でき、その改良に役立てることができる。
図2ないし図5は、それぞれこの発明における他の実施形態を示す。これら各図の実施形態は、特に説明した事項を除き、図1に示す第1の実施形態と同じである。
図2の実施形態は、判断手段75を、販売店(ディーラー等)となる事業所73に設けた例を示す。この場合、図示は省略したが、販売店となる事業所73に、図1の実施形態における処置情報作成手段77を設けても良い。この場合、処置情報作成手段77で作成した処置情報は、販売店となる事業所73から車両50や他の事業所71〜74に送信する。処置情報作成手段77で選定する事業所は、判断手段75を有する事業所73とは別の販売店となる事業所73であっても良い。
図2の実施形態は、判断手段75を、販売店(ディーラー等)となる事業所73に設けた例を示す。この場合、図示は省略したが、販売店となる事業所73に、図1の実施形態における処置情報作成手段77を設けても良い。この場合、処置情報作成手段77で作成した処置情報は、販売店となる事業所73から車両50や他の事業所71〜74に送信する。処置情報作成手段77で選定する事業所は、判断手段75を有する事業所73とは別の販売店となる事業所73であっても良い。
図3の実施形態は、判断手段75を自動車メーカとなる事業所72に設けた例を示す。この場合も、自動車メーカとなる事業所72に、図1の実施形態における処置情報作成手段77やデータベース77を設けても良い。自動車メーカとなる事業所72に判断手段75を設ける場合、車両50の移動端末となる情報処理手段56から、車輪軸受装置51にかかるセンサ検出信号の他に種々の検出信号を移動体通信網60により事業所72に送り、それらの検出信号の処理の一つとして、判断手段75による判断を行うようにしても良い。また、処置情報作成手段77で作成した処置情報は、自動車メーカとなる事業所72から車両50や他の必要な事業所71,73,74に送信するようにする。車両50への処置情報の送信は、通信衛星64を介して行うようにしても良い。処置情報作成手段77により、または処置情報作成手段77とは別に設けた発注手段により、処置情報作成手段77の処置情報を用いた発注情報を作成し、軸受製造業者の事業所71または軸受販売業者の事業所(図示せず)に発注を行うようにしても良い。
図4の実施形態は、車両50の移動端末となる情報処理手段56から移動体通信網60を介して送信される各種のセンサ検出信号を、自動車メーカの事業所72で一旦受信し、その中から車輪軸受装置51のセンサ検出信号を情報選別手段80で選別し、軸受製造業者の事業所71へ他通信網64で送信するようにしたものである。軸受製造業者の事業所71は、図1の実施形態と同様に、判断手段75,処置情報作成手段77を有しており、またさらに受注処理手段78を有するものとしても良い。
判断手段75を軸受製造業者の事業所71に設けた場合は、軸受に対する高度な技術を有していることや、取扱量の面で判断手段75に高度な判断を行わせる装置としても採算が合うことから、車輪軸受装置51について精度の良い高度な判断を行うことができる。
判断手段75を軸受製造業者の事業所71に設けた場合は、軸受に対する高度な技術を有していることや、取扱量の面で判断手段75に高度な判断を行わせる装置としても採算が合うことから、車輪軸受装置51について精度の良い高度な判断を行うことができる。
なお、上記各実施形態は、いずれも判断手段75と処置情報作成手段77とを同じ事業所に設けたが、これら判断手段75と処置情報作成手段77とは、別の事業所に設けても良い。例えば、判断手段75を軸受製造業者の事業所71に設け、処置情報作成手段77を、自動車メーカの事業所72、販売店となる事業所73、および整備工場となる事業所74のいずれかに設けても良い。その場合に、車両50から移動体通信網60を介して送信されるセンサ検出信号は、最初にいすれかの事業所71〜74で受信され、その事業所71〜74から、判断手段75のある事業所71〜74に転送されるようにしても良い。
図5に示す実施形態は、上記各実施形態と異なり、移動体通信網60に対して無線で送信する移動端末となる手段が、車輪軸受装置51に設けられた上記送信部5aからなるものである。すなわち、車両搭載通信手段55が上記送信部5aからなる。
移動体通信網60からセンサ検出信号を受信する事業所71は、図1の実施形態と同じく、軸受製造業者の事業所71とされ、この事業所71に、図1の実施形態と同じく処置情報作成手段77を設け、また必要に応じてさらに受注処理手段78が設けられる。判断手段75および処置情報作成手段77は、上記各実施形態と同じく、他のいずれの事業所72〜74に設けても良い。
この構成の場合は、車輪軸受装置51が、センサ信号を移動体通信網60に送るまでの全ての機能を備えるものとなり、管理や取扱を軸受単独で行うことができる。
移動体通信網60からセンサ検出信号を受信する事業所71は、図1の実施形態と同じく、軸受製造業者の事業所71とされ、この事業所71に、図1の実施形態と同じく処置情報作成手段77を設け、また必要に応じてさらに受注処理手段78が設けられる。判断手段75および処置情報作成手段77は、上記各実施形態と同じく、他のいずれの事業所72〜74に設けても良い。
この構成の場合は、車輪軸受装置51が、センサ信号を移動体通信網60に送るまでの全ての機能を備えるものとなり、管理や取扱を軸受単独で行うことができる。
つぎに図6と共に、車輪軸受装置51およびセンサ4,52の具体例を説明する。この
車輪軸受装置51は、上記各実施形態に適用でき、またそのセンサ4,52も上記各実施形態に適用できる。この車輪軸受装置51は、第3世代型の内輪回転タイプであり、駆動輪支持用の軸受装置となるものである。なお、この明細書において、車両に取付けられた状態で車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車幅方向の中央側となる側をインボード側と呼ぶ。
車輪軸受装置51は、上記各実施形態に適用でき、またそのセンサ4,52も上記各実施形態に適用できる。この車輪軸受装置51は、第3世代型の内輪回転タイプであり、駆動輪支持用の軸受装置となるものである。なお、この明細書において、車両に取付けられた状態で車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車幅方向の中央側となる側をインボード側と呼ぶ。
この車輪軸受装置51は、内周に複列の転走面6,7を形成した外方部材1と、これら各転走面6,7に対向する転走面8,9を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面6〜9間に介在した複列の転動体3とで構成される。この車輪軸受装置51は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体3はボールからなり、各列毎に保持器で保持されている。上記各転走面6〜9は断面円弧状であり、各転走面6〜9は、接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、シール11,11Aによりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側の部材となるものであって、車体取付フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部材とされている。車体取付フランジ1aは、車体の懸架装置(図示せず)に設けられたナックル等の車輪軸受支持部品47aにボルト43で取付けられている。
内方部材2は回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付用のフランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインホード側端の外周に設けられた内輪2Cとでなる。前記複列の転走面9におけるアウトボード側列の転走面9がハブ輪2Aに、インボード側列の転走面9が内輪2Cにそれぞれ形成されている。ハブ輪2Aは、中央孔を有し、この中央孔に、等速ジョイント15の外輪15aにおけるステム部15aaが挿通されてスプライン嵌合する。ステム部15aaの先端に螺合したナット44の締め付けにより、内方部材2と等速ジョイント外輪15aとが結合される。
回転検出センサ4は、インボード側のシール11の構成部品となる磁気エンコーダ18と、この磁気エンコーダ18に対向する磁気センサ17とで構成される。
磁気エンコーダ18は、円周方向に交互に磁極を形成したディスク状の多極磁石18aと、この多極磁石18aを支持する芯金18bとで構成される。芯金18bは、シール11におけるスリンガとしての機能を兼用する部材である。芯金18bは、内輪2の外径面に嵌合する円筒部18baと、この円筒部18baのインボード側端から外径側へ延びる立板部18bbとを有し、多極磁石18aは、立板部18bbの外向きの面に配置される。立板部18bbの外径縁からは、円筒部18baと軸方向の反対側へ延びる鍔部18bcを有し、この鍔部18bcを内径側へ加締めることで、多極磁石18aが芯金18bに取付けられている。鍔部11cは、その円周方向の全体が加締部となり、または円周方向の複数箇所が部分的に加締部となる。
多極磁石18aは、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を成形して焼結させた焼結体であって、円周方向に磁極N,Sが交互に着磁されている。前記着磁は、例えば焼結後に行われる。
多極磁石18aに混入する磁性粉としては、バリウム系およびストロンチウム系などの等方性または異方性フェライト粉であっても良い。また、磁性粉は希土類系磁性材料であっても良い。例えば希土類系磁性材料であるサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉やネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉のそれぞれ単独磁性粉であっても良い。また、磁性粉はマンガンアルミ(MnAl)ガスアトマイズ粉であっても良い。上記磁性粉は、これらサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉、ネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉、およびマンガンアルミ(MnAl)ガスアトマイズ粉のいずれか2種以上を混合させたものであって
も良い。
も良い。
多極磁石18aを形成する非磁性金属粉には、スズ、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、タングステン、マンガンなどの粉体、または非磁性のステンレス系金属粉のいずれか単独(1種)の粉体、もしくは2種以上からなる混合した粉体、もしくは2種以上からなる合金粉末を使用することができる。
インボード側のシール9は、上記磁気エンコーダ18と、外方部材2の内径面に嵌合するシール部材12とでなる組合せシールとされ、かつ磁気エンコーダ付きシール手段とされており、磁気エンコーダ18の芯金18bがスリンガとしての機能を兼用する。
シール部材12は、磁気エンコーダ18の芯金18bと対向する断面逆L字状の芯金12bと、この芯金12bに加硫接着等で一体に固着されたゴム状の弾性体12aとでなる。芯金12bは、その円筒部で外方部材1の内径面に嵌合する。弾性体12aは、磁気エンコーダ18の芯金18bにおける立板部18bbに先端が接するサイド側のシールリップ12aaと、芯金18bの円筒部18baの外径面に先端が接する2枚のラジアル側のシールリップ12ab,12acとでなる。
磁気センサ17は、外方部材1に取付部材45を介して取付けられている。磁気センサ17は、外方部材1を取付ける車輪軸受支持部品47aに取付けても良い。磁気センサ17は、磁性体のリング部材19とこのリング部材19内に収容されたコイル20とでなり、リング部材19は磁気エンコーダ18の多極磁石18aの全周に対面している。この磁性体のリング部材19およびコイル20からなる磁気センサ17を用いた場合、回転検出センサ4は、発電型のものとなる。リング部材19の形状は、後の実施形態で示すようなクローポール型のものであっても良い。
磁気センサ17は、上記コイルタイプのものに限らず、磁気エンコーダ18の円周方向の一部に対向して配置されたホール素子や磁気抵抗素子等であっても良い。
磁気センサ17は、上記コイルタイプのものに限らず、磁気エンコーダ18の円周方向の一部に対向して配置されたホール素子や磁気抵抗素子等であっても良い。
ワイヤレス送信手段5の送信部5aは、この実施形態では、取付部材45の外周に設置されたリング状のものとされている。ワイヤレス送信部5aは、円周方向の一部に設けられた箱型等のものであっても良い。
また、この車輪軸受装置51において、別状況検出センサ52は、外方部材1に取付けられている。別状況検出センサ52は、温度センサまたは振動センサである。送信部5aは、回転検出センサ17によりパルス信号として検出される回転数信号に、別状況検出センサ52の検出信号を重畳させて送信するものとされている。
また、この車輪軸受装置51において、別状況検出センサ52は、外方部材1に取付けられている。別状況検出センサ52は、温度センサまたは振動センサである。送信部5aは、回転検出センサ17によりパルス信号として検出される回転数信号に、別状況検出センサ52の検出信号を重畳させて送信するものとされている。
この構成の車輪軸受装置51によると、外方部材1と内方部材2との相対回転によって発電する回転検出センサ4を設けたため、回転検出センサ4の出力を車輪13の回転数の信号として利用し、車輪回転数を検知することができる。回転検出センサ4は、シール11の構成部品としたため、回転数検出機能を備えながら、軸受装置が小型化される。
回転検出センサ4から出力される車輪回転数の検出信号、および別状況検出センサ52の検出信号を、ワイヤレスで送信する送信部5aを設けたため、これらの検出信号を車体側へ引き出す電線が不要となる。発電機からなる回転検出センサ4を用いるため、センサ4への給電用の電線も不要となる。また、回転検出センサ4で得られる電力は、ワイヤレス送信手段5の送信部5aおよび別状況検出センサ52の電源として利用され、車体47から送信部5aへの給電用の電線は不要である。これらのため、電線類が車外に露出せず、断線の支障を起こすことがないうえ、煩雑な配線固定作業も不要となり、自動車の軽量化、コスト低下にもつながる。
回転検出センサ4から出力される車輪回転数の検出信号、および別状況検出センサ52の検出信号を、ワイヤレスで送信する送信部5aを設けたため、これらの検出信号を車体側へ引き出す電線が不要となる。発電機からなる回転検出センサ4を用いるため、センサ4への給電用の電線も不要となる。また、回転検出センサ4で得られる電力は、ワイヤレス送信手段5の送信部5aおよび別状況検出センサ52の電源として利用され、車体47から送信部5aへの給電用の電線は不要である。これらのため、電線類が車外に露出せず、断線の支障を起こすことがないうえ、煩雑な配線固定作業も不要となり、自動車の軽量化、コスト低下にもつながる。
回転検出センサ4において、その磁気エンコーダ18は、その多極磁石18aが、磁性
粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、表面硬度が硬く、砂粒の噛み込み等による損傷が生じ難い。また、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなる多極磁石は、磁気センサ17による安定したセンシングが行える強い磁化が行い易い。例えば、ゴム磁石等に比べて磁性粉の混合割合を高め、強い磁力が得られるようにすることも可能である。これらのため、信頼性の高い検出が行える。したがって、車輪軸受装置の遠隔監視システムとして、軸受装置の異常診断等を行うにつき、信頼性の高い診断が行える。
粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、表面硬度が硬く、砂粒の噛み込み等による損傷が生じ難い。また、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなる多極磁石は、磁気センサ17による安定したセンシングが行える強い磁化が行い易い。例えば、ゴム磁石等に比べて磁性粉の混合割合を高め、強い磁力が得られるようにすることも可能である。これらのため、信頼性の高い検出が行える。したがって、車輪軸受装置の遠隔監視システムとして、軸受装置の異常診断等を行うにつき、信頼性の高い診断が行える。
図7〜図11は、車輪軸受装置51、およびセンサ4,52の他の具体例を示す。この例の車輪軸受装置51は、上記各実施形態に適用でき、またそのセンサ4,52も上記各実施形態に適用できる。この例の車輪軸受装置51は、第4世代の内輪回転タイプであって、駆動輪支持用の軸受装置となるものである。
この車輪軸受装置51は、外方部材1と内方部材2の間に複列の転動体3を介在させ、これら内外の部材2,1間の環状空間内に、発電機となる回転検出センサ4を内蔵し、このセンサ4から出力される回転数信号をワイヤレスで送信する送信部5aを設けたものである。回転検出センサ4は両列の転動体3,3間に配置されている。別状況検出センサ52は、両列の転動体3,3間において、送信部5aを設けた部材である外方部材1に配置されている。別状況検出センサ52は、温度センサまたは振動センサである。送信部5aは、パルス信号として検出される回転数信号に、別状況検出センサ52の検出信号を重畳させて送信するものとされている。この送信部5aは、上記ワイヤレス送信手段5を構成するものである。
外方部材1は、内周に複列の転走面6,7を有し、これら転走面6,7にそれぞれ対向する転走面8,9が内方部材2の外周に設けられている。複列の転動体3は、転走面6,8間、および転走面7,9間に収容される。この車輪軸受装置は、複列のアンギュラ玉軸受とされ、背面合わせとなるように各転走面6〜9の接触角が形成されている。転動体3は各列毎に保持器10で保持されている。内外の部材2,1間の両端は、シール11,11Aで密封されている。
外方部材1は、一端に車体取付フランジ1aを有し、この車体取付フランジ1aを介して車体47のナックル等の車輪軸受支持部品47aに取付けられる。外方部材1は、車体取付フランジ1aを含めて、全体が一体の部材である。内方部材2は、車輪取付フランジ2aを有し、この車輪取付フランジ2aに車輪13がボルト14で取付けられる。
この車輪軸受装置51は、外方部材1と内方部材2の間に複列の転動体3を介在させ、これら内外の部材2,1間の環状空間内に、発電機となる回転検出センサ4を内蔵し、このセンサ4から出力される回転数信号をワイヤレスで送信する送信部5aを設けたものである。回転検出センサ4は両列の転動体3,3間に配置されている。別状況検出センサ52は、両列の転動体3,3間において、送信部5aを設けた部材である外方部材1に配置されている。別状況検出センサ52は、温度センサまたは振動センサである。送信部5aは、パルス信号として検出される回転数信号に、別状況検出センサ52の検出信号を重畳させて送信するものとされている。この送信部5aは、上記ワイヤレス送信手段5を構成するものである。
外方部材1は、内周に複列の転走面6,7を有し、これら転走面6,7にそれぞれ対向する転走面8,9が内方部材2の外周に設けられている。複列の転動体3は、転走面6,8間、および転走面7,9間に収容される。この車輪軸受装置は、複列のアンギュラ玉軸受とされ、背面合わせとなるように各転走面6〜9の接触角が形成されている。転動体3は各列毎に保持器10で保持されている。内外の部材2,1間の両端は、シール11,11Aで密封されている。
外方部材1は、一端に車体取付フランジ1aを有し、この車体取付フランジ1aを介して車体47のナックル等の車輪軸受支持部品47aに取付けられる。外方部材1は、車体取付フランジ1aを含めて、全体が一体の部材である。内方部材2は、車輪取付フランジ2aを有し、この車輪取付フランジ2aに車輪13がボルト14で取付けられる。
内方部材2は、車輪取付フランジ2aを一体に有するハブ輪2Aと、他の内輪構成部材2Bとを組合わせたものとされ、これらハブ輪2Aおよび内輪構成部材2Bのそれぞれに、上記複列の転走面8,9のうちの各列の転走面8,9が形成されている。内輪構成部材2Bは、等速ジョイント15の外輪15aが一体に形成された部材であり、等速ジョイント15の内輪(図示せず)には駆動軸(図示せず)が接続される。内輪構成部材2Bは、等速ジョイント外輪15aから一体に延びる軸部16が、基端側の大径部16aと、この大径部16aに段差を介して続く小径部16bとで形成され、小径部16bの外周にハブ輪2Aが嵌合する。上記転走面9は大径部16aに形成されている。ハブ輪2Aと内輪構成部材2Bとは加締等の塑性結合により一体固着されている。
回転検出センサ4は、リング状のコイル・磁性体組からなる磁気センサ17の内周側に対峙させて磁気エンコーダ18を設けたものである。磁気センサ17は、固定側の部材である外方部材1の内径面に取付けられ、発電機である回転検出センサ4のステータとなる。磁気エンコーダ18は回転側の部材である内方部材2の外径面、詳しくはハブ輪2Aの外径面に取付けられ、回転検出センサ4のロータとなる。
ワイヤレス送信手段5の送信部5aは、外方部材1の外径面における周方向の一部に設置されており、電子部品を外装用のケースに収容した送信機からなる。上記ケースは箱型
のものであり、内部に送信アンテナ(図示せず)が設けられている。送信部5aは、例えば微弱電波で信号伝送する送信機とされる。信号は、電波をオンオフするものとしてある。なお、搬送波を周波数変調等で変調するものであっても良い。ワイヤレス送信手段5は、電波により伝送するものの他に、磁気結合による伝送、赤外線等の光による伝送、または超音波による伝送を行うものとしても良く、空間を伝送する信号を用いるものであれば良い。ワイヤレス送信手段5の送信部5aの電源には、発電機からなる回転検出センサ4が用いられる。送信部5aに対する受信部5b(図1,図13)は、例えば車体47のタイヤハウス(図示せず)等に設置され、受信部5bからアンチロックブレーキシステム100の制御部に信号伝達される。受信部5bは、図13では図示の都合上で送信部5aに対して方向の異なる位置に図示したが、実際には、送信部5aから発信される電波等の信号を効率良く受信するために、金属等の障害物がないように、送信部5aが見通せる位置に固定される。送信部5aと回転検出センサ4の磁気センサ17のコイルとの間には、回転検出センサ4の発電電力および回転検出信号の取出し用の電線(図示せず)が接続される。また、送信部5aと別状況センサ52との間にも電線(図示せず)が接続される。これらの電線は、外方部材1の周壁を径方向に貫通して設けられた配線孔(図示せず)に挿通され、上記配線孔は弾性体や湿式シール等のシール部材で密封される。上記電線に代えてコネクタ(図示せず)を設けても良い。
のものであり、内部に送信アンテナ(図示せず)が設けられている。送信部5aは、例えば微弱電波で信号伝送する送信機とされる。信号は、電波をオンオフするものとしてある。なお、搬送波を周波数変調等で変調するものであっても良い。ワイヤレス送信手段5は、電波により伝送するものの他に、磁気結合による伝送、赤外線等の光による伝送、または超音波による伝送を行うものとしても良く、空間を伝送する信号を用いるものであれば良い。ワイヤレス送信手段5の送信部5aの電源には、発電機からなる回転検出センサ4が用いられる。送信部5aに対する受信部5b(図1,図13)は、例えば車体47のタイヤハウス(図示せず)等に設置され、受信部5bからアンチロックブレーキシステム100の制御部に信号伝達される。受信部5bは、図13では図示の都合上で送信部5aに対して方向の異なる位置に図示したが、実際には、送信部5aから発信される電波等の信号を効率良く受信するために、金属等の障害物がないように、送信部5aが見通せる位置に固定される。送信部5aと回転検出センサ4の磁気センサ17のコイルとの間には、回転検出センサ4の発電電力および回転検出信号の取出し用の電線(図示せず)が接続される。また、送信部5aと別状況センサ52との間にも電線(図示せず)が接続される。これらの電線は、外方部材1の周壁を径方向に貫通して設けられた配線孔(図示せず)に挿通され、上記配線孔は弾性体や湿式シール等のシール部材で密封される。上記電線に代えてコネクタ(図示せず)を設けても良い。
回転検出センサ4は、例えば図9〜図11に示すものが使用される。図9に示すように磁気エンコーダ18は、リング状の部材であって、円周方向に並べて磁極N,Sが設けられた多極磁石18aにより構成される。 磁気エンコーダ18は、その全体が多極磁石18aで構成されるたものであっても、また芯金を有するものであっても良い。多極磁石18aは、図6の例につき説明したと同様に、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体とされている。
図10に示すように、磁気センサ17は、爪21a,21bからなる多数の磁極を並べた形式のものとされる。爪21a,21bは、例えばポール状とされ、この磁気センサ17はクローポール型等と呼ばれる。図11(A),(B)は、それぞれ図10(A),(B)の一部を拡大した図である。
コイル・磁性体組からなる磁気センサ17は、詳しくは、磁性体のリング部材19とこのリング部材19内に収容されたコイル20とを備える。リング部材19は、コイル20を収容する収容部分の断面形状が、内周側に向く溝形とされ、すなわち内周側に向くコ字状の断面形状とされ、かつ溝側面をなす両フランジ19a,19bの開口縁から対向する側面側へ折れ曲がった櫛歯状の複数の爪21a,21bを有する。これら両フランジ19a,19bの櫛歯状の各爪21a,21bは、周方向に互いに所定の隙間をもって交互に配列されている。各爪21a,21bの並びにより、それぞれ環状の磁極部が構成される。各爪21a,21bは、突出方向に長い長方形状とされ、同じ方向の各爪21a,21b間の隙間dの幅は、例えば爪21a,21bの幅の3倍程度とする。
リング部材19の両フランジ19a,19bの内周縁には、各爪21a,21bの形成部分の間に切欠部22a,22bが設けられ、これら22a,22bに、対向側のフランジ19b,19aの各爪21b,21aの先端が臨んでいる。切欠部22a,22bは、半円状ないしU字状に形成されている。
リング部材19は、板金のプレス加工品とされ、板金材料には例えばステンレス板等の磁性部材が用いられる。
なお、リング部材19は、幅方向の中央、つまりウェブの中央で2分割されているが、一体の部材であっても良い。
コイル・磁性体組からなる磁気センサ17は、詳しくは、磁性体のリング部材19とこのリング部材19内に収容されたコイル20とを備える。リング部材19は、コイル20を収容する収容部分の断面形状が、内周側に向く溝形とされ、すなわち内周側に向くコ字状の断面形状とされ、かつ溝側面をなす両フランジ19a,19bの開口縁から対向する側面側へ折れ曲がった櫛歯状の複数の爪21a,21bを有する。これら両フランジ19a,19bの櫛歯状の各爪21a,21bは、周方向に互いに所定の隙間をもって交互に配列されている。各爪21a,21bの並びにより、それぞれ環状の磁極部が構成される。各爪21a,21bは、突出方向に長い長方形状とされ、同じ方向の各爪21a,21b間の隙間dの幅は、例えば爪21a,21bの幅の3倍程度とする。
リング部材19の両フランジ19a,19bの内周縁には、各爪21a,21bの形成部分の間に切欠部22a,22bが設けられ、これら22a,22bに、対向側のフランジ19b,19aの各爪21b,21aの先端が臨んでいる。切欠部22a,22bは、半円状ないしU字状に形成されている。
リング部材19は、板金のプレス加工品とされ、板金材料には例えばステンレス板等の磁性部材が用いられる。
なお、リング部材19は、幅方向の中央、つまりウェブの中央で2分割されているが、一体の部材であっても良い。
この構成の車輪軸受装置51によると、外方部材1と内方部材2との相対回転によって発電する回転検出センサ4を設けたため、回転検出センサ4の出力を車輪13の回転数の信号として利用し、車輪回転数を検知することができる。回転検出センサ4は、外方部材
1と内方部材2の間の環状空間内に内蔵したため、回転数検出機能を備えながら、軸受装置が小型化される。また、回転検出センサ4から出力される車輪回転数の検出信号、および別状況検出センサ52の検出信号を、ワイヤレスで送信する送信部5aを設けたため、これらの検出信号を車体側へ引き出す電線が不要となる。発電機からなる回転検出センサ4を用いるため、センサ4への給電用の電線も不要となる。また、回転検出センサ4で得られる電力は、ワイヤレス送信手段5の送信部5aおよび別状況検出センサ52の電源として利用され、車体47から送信部5aへの給電用の電線は不要である。これらのため、電線類が車外に露出せず、断線の支障を起こすことがないうえ、煩雑な配線固定作業も不要となり、自動車の軽量化、コスト低下にもつながる。
1と内方部材2の間の環状空間内に内蔵したため、回転数検出機能を備えながら、軸受装置が小型化される。また、回転検出センサ4から出力される車輪回転数の検出信号、および別状況検出センサ52の検出信号を、ワイヤレスで送信する送信部5aを設けたため、これらの検出信号を車体側へ引き出す電線が不要となる。発電機からなる回転検出センサ4を用いるため、センサ4への給電用の電線も不要となる。また、回転検出センサ4で得られる電力は、ワイヤレス送信手段5の送信部5aおよび別状況検出センサ52の電源として利用され、車体47から送信部5aへの給電用の電線は不要である。これらのため、電線類が車外に露出せず、断線の支障を起こすことがないうえ、煩雑な配線固定作業も不要となり、自動車の軽量化、コスト低下にもつながる。
回転検出センサ4は、櫛歯状の爪21a,21bを有するリング部材19と、コイル20とでなるコイル・磁性体組の磁気センサ17を用い、リング状の多極磁石18と組み合わせているため、多極化、小型化が容易で、磁束の利用効率に優れた効率の良い発電が行える。特に、コイル・磁性体組の磁気センサ17は、対向して延びる爪21a,21b間の隙間を大きく取り、隣接磁極からの磁束漏れを少なくする構造であるため、磁束の利用効率が高く得られる。
回転検出センサ4は、上記構成のものに代えて、磁気センサ17を図12に示す構成のものとしても良い。図12に示す磁気センサ17は、リング部材19の爪21a,21bの形状を、爪幅が先端に向けて漸減する形状としたものである。
リング部材19は一対のリング部材構成材19A,19Bに分割されている。各リング部材構成材19A,19Bは、それぞれフランジ19a,19bと、これらフランジ19a,19bの外径縁から径方向に延びるウェブ構成片19ca,19cbと有し、これらウェブ構成片19ca,19cbが、互いに幅方向の一部で重なるように、両リング部材構成材19A,19Bが組み合わせられる。各リング部材構成材19A,19Bは、それぞれ前記の櫛歯状の爪21a,21bがフランジ19a,19bの内径縁から折り曲げて形成され、これらの対向する爪21a,21bは、周方向に互いに所定の隙間をもって交互に配列されている。
同図の磁気センサ17におけるその他の構成は、図10,図11の例の磁気センサ17と同じである。図10,図11の例と、図12の例とにおいて、対応部分には同一符号を付してある。
リング部材19は一対のリング部材構成材19A,19Bに分割されている。各リング部材構成材19A,19Bは、それぞれフランジ19a,19bと、これらフランジ19a,19bの外径縁から径方向に延びるウェブ構成片19ca,19cbと有し、これらウェブ構成片19ca,19cbが、互いに幅方向の一部で重なるように、両リング部材構成材19A,19Bが組み合わせられる。各リング部材構成材19A,19Bは、それぞれ前記の櫛歯状の爪21a,21bがフランジ19a,19bの内径縁から折り曲げて形成され、これらの対向する爪21a,21bは、周方向に互いに所定の隙間をもって交互に配列されている。
同図の磁気センサ17におけるその他の構成は、図10,図11の例の磁気センサ17と同じである。図10,図11の例と、図12の例とにおいて、対応部分には同一符号を付してある。
図13は、図6の車輪軸受装置51を用いたアンチロックブレーキシステム100のブロック図である。ブレーキ89は、車輪13に設けられたブレーキドラムまたはブレーキディスク等の摩擦部材(図示せず)に接して車輪13を制動するものであり、油圧シリンダ等を備えている。ブレーキペダル等のブレーキ操作部材90の操作は、変換手段91を介して油圧力等に変換され、増力してブレーキ89に伝えられる。
制動力制御手段92は、ブレーキ89の制動力を調整する手段であり、制御回路93の指令に応じて制動力を調整する。制動力調整手段92は、ブレーキ89と変換手段91との間の油圧回路に設けられている。
制御回路13は、回転検出センサ4で検出された車輪回転数に応じて制動力調整手段12に制動力の調整指令を与える手段であり、マイクロコンピュータ等の電子回路で構成されている。制御回路13は、図1の例と共に説明した移動端末となる情報処理手段56と別に設けられたものであっても、また情報処理手段56の一部を構成するものであっても良い。
制動力制御手段92は、ブレーキ89の制動力を調整する手段であり、制御回路93の指令に応じて制動力を調整する。制動力調整手段92は、ブレーキ89と変換手段91との間の油圧回路に設けられている。
制御回路13は、回転検出センサ4で検出された車輪回転数に応じて制動力調整手段12に制動力の調整指令を与える手段であり、マイクロコンピュータ等の電子回路で構成されている。制御回路13は、図1の例と共に説明した移動端末となる情報処理手段56と別に設けられたものであっても、また情報処理手段56の一部を構成するものであっても良い。
図14は、図1,図6のワイヤレス送信手段5における送信部5aを構成するパルス発生器101の信号処理例を示す。この信号処理例は、アナログ方式による信号重畳方法の一例を示す。このパルス発生器101は、トリガ入力端子Iaとパルス幅調整入力端子Ibと、パルス出力端子Oaを有しており、トリガ入力端子Iaに入力されたパルス信号を
、パルス幅調整入力端子Ibに入力された信号により、パルス幅変調してパルス出力端子Oaから出力する。トリガ入力端子Iaには、回転検出センサ4から出力される回転速度に対応したパルスが入力され、パルス幅調整入力端子Ibには別状況検出センサ52(図6)のセンサ検出信号が入力される。したがって、パルス出力端子Oaから出力されるパルス信号は、入力されるパルス信号と同じ周期Tで出力され、その各パルスのパルス幅tが別状況検出センサ52のセンサ検出信号に応じた幅となる。このため、出力パルス信号は、周期Tがホイール回転数を、パルス幅tが温度または振動センサである別状況検出センサ52の電圧を表す。このようにパルス幅変調された回転パルス信号が、図1,図6の送信部5aからワイヤレス信号として送信される。
、パルス幅調整入力端子Ibに入力された信号により、パルス幅変調してパルス出力端子Oaから出力する。トリガ入力端子Iaには、回転検出センサ4から出力される回転速度に対応したパルスが入力され、パルス幅調整入力端子Ibには別状況検出センサ52(図6)のセンサ検出信号が入力される。したがって、パルス出力端子Oaから出力されるパルス信号は、入力されるパルス信号と同じ周期Tで出力され、その各パルスのパルス幅tが別状況検出センサ52のセンサ検出信号に応じた幅となる。このため、出力パルス信号は、周期Tがホイール回転数を、パルス幅tが温度または振動センサである別状況検出センサ52の電圧を表す。このようにパルス幅変調された回転パルス信号が、図1,図6の送信部5aからワイヤレス信号として送信される。
なお、図15に示すように、車輪軸受装置51は、内方部材2がハブ輪2Aに複列の内輪2C,2Dを配置した第2世代型のものであっても良い。
1…外方部材
2…内方部材
3…転動体
4…回転検出センサ
5…ワイヤレス送信手段
5a…送信部
5b…受信部
11…シール
12…車体
13…車輪
17…磁気センサ
18…磁気エンコーダ
50…車両
51…車輪軸受装置
52…別状況検出センサ
55…車両搭載通信手段
56…情報処理装置(移動端末)
57…カーナビゲーション端末
58…車載判断部
60…移動体通信網
71〜74…事業所
75…判断手段
76…処置情報作成手段
77…処置情報作成手段
100…アンチロックブレーキシステム
2…内方部材
3…転動体
4…回転検出センサ
5…ワイヤレス送信手段
5a…送信部
5b…受信部
11…シール
12…車体
13…車輪
17…磁気センサ
18…磁気エンコーダ
50…車両
51…車輪軸受装置
52…別状況検出センサ
55…車両搭載通信手段
56…情報処理装置(移動端末)
57…カーナビゲーション端末
58…車載判断部
60…移動体通信網
71〜74…事業所
75…判断手段
76…処置情報作成手段
77…処置情報作成手段
100…アンチロックブレーキシステム
Claims (7)
- 車両に設けられ内周に転走面を有する外方部材および外周に転走面を有する内方部材の間に転動体が介在し車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪軸受装置と、この車輪軸受装置に設けられ上記車輪軸受装置の状況を検出する一または複数のセンサと、このセンサの検出信号を上記車輪軸受装置に設けられた送信部からワイヤレス信号として取り出し、移動体通信網に伝達する車両搭載通信手段と、上記車両に対する遠隔地の事業所に設けられ上記移動体通信網を介して通信された上記センサの検出信号から上記車輪軸受装置に関する所定の事項を判断する判断手段とを備え、
前記一または複数のセンサのうちの少なくと一つのセンサが、前記外方部材および内方部材のうちの回転側の部材に取付けられた磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対向して固定側の部材に取付けられた磁気センサとでなる回転検出センサであり、前記磁気エンコーダが、円周方向に交互に磁極を形成した多極磁石で構成され、この多極磁石が磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であることを特徴とする車輪軸受装置の遠隔監視システム。 - 前記磁気エンコーダが、前記多極磁石と、この多極磁石を支持する芯金とでなる請求項1記載の車輪軸受装置の遠隔監視システム。
- 上記車両搭載通信手段は、上記車輪軸受装置に設けられた送信部、および車体に設けられて上記送信部からワイヤレス信号として送信された信号を受信する受信部からなるワイヤレス通信手段と、上記車体に設けられ上記受信部の受信信号を処理して上記移動体通信網に無線で送信する移動端末となる情報処理装置とを備えた請求項1または請求項2に記載の車輪軸受装置の遠隔監視システム。
- 上記車両搭載通信手段は、上記移動体通信網に対して無線で送信する移動端末となる手段が、上記車輪軸受装置に設けられた上記送信部である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車輪軸受装置の遠隔監視システム。
- 上記車両搭載通信手段は、双方向通信が可能なものである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車輪軸受装置の遠隔監視システム。
- 上記車輪軸受装置に設けられるセンサとして、上記車輪軸受装置の回転速度を検出する回転検出センサと、回転とは別の状況を検出する別状況検出センサとを設け、上記車輪軸受装置に設けられた上記送信部は、回転検出信号に別状況の検出信号を重畳させて送信するものとした請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車輪軸受装置の遠隔監視システム。
- 前記回転検出センサは、外方部材と内方部材の相対回転によって発電する発電機である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車輪軸受装置の遠隔監視システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004359200A JP2006170223A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 車輪軸受装置の遠隔監視システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004359200A JP2006170223A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 車輪軸受装置の遠隔監視システム |
Publications (1)
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JP2006170223A true JP2006170223A (ja) | 2006-06-29 |
Family
ID=36671204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004359200A Pending JP2006170223A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 車輪軸受装置の遠隔監視システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006170223A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102694501A (zh) * | 2011-03-23 | 2012-09-26 | 株式会社东芝 | 电机驱动电路和电机驱动系统 |
JP2013195228A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-30 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 磁場計測装置の異常検出装置 |
JP2021060309A (ja) * | 2019-10-08 | 2021-04-15 | ヒロセ電機株式会社 | 回転検出装置 |
WO2021206090A1 (ja) * | 2020-04-09 | 2021-10-14 | Ntn株式会社 | 軸受装置、車両および車両システム |
-
2004
- 2004-12-10 JP JP2004359200A patent/JP2006170223A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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