JP2021163741A - 絶縁電線 - Google Patents

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泰寛 西明
Yasuhiro Nishiaki
洋平 内田
Yohei Uchida
孝之 堀部
Takayuki Horibe
雄悟 西山
Yugo Nishiyama
直樹 横内
Naoki Yokouchi
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Abstract

【課題】熱伝導性及び伸びが良好な樹脂組成物を含む被覆層を備える絶縁電線を提供する。【解決手段】絶縁電線10は、導体11と、導体11を被覆し、樹脂組成物を含む被覆層12と、を備える。樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、3μm以上24μm以下の平均粒子径を有する無機粒子と、を含有する。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子の合計に対する無機粒子の含有量は27体積%以上38体積%以下である。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体はエチレン−メチルアクリレート共重合体であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線に関する。
樹脂は電気絶縁性に優れているものの、樹脂自体の熱伝導性はほとんどない。そこで、電気機器及び電子機器のような機器での発熱を抑制するため、樹脂に熱伝導性の無機フィラーを添加した樹脂組成物をこれらの機器に使用することが提案されている。
特許文献1には、平均一次粒子径が0.1〜30μmの熱伝導性粒子と、熱可塑性樹脂とを含む熱伝導性樹脂組成物が記載されている。熱伝導性粒子は、炭酸マグネシウム粒子と、被覆層とを有している。被覆層は、アルコキシシリル基およびアルキル基を有する表面処理剤で炭酸マグネシウム粒子表面上に形成されている。
特許文献2には、(A)および(B)の合計量を100重量%として、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂20〜50重量%、(B)マグネシア50〜80重量%を配合してなる耐水性熱伝導性樹脂組成物が記載されている。(B)マグネシアの平均粒子径(D50)をBET比表面積で除した値は100〜800の範囲である。
特許文献3には、エチレン共重合樹脂(A)100重量部に対し、元素周期表の2〜5周期に属し、かつ、2A族、4A族、7A族、8族、2B族、3B族のいずれかに属している元素から選ばれる少なくとも1種類を有する化合物からなる熱伝導性充填材(B)150〜1,500重量部を含有する放熱性樹脂組成物が記載されている。
特開2014−159554号公報 特開2014−62235号公報 特開2009−67877号公報
特許文献1の熱伝導性樹脂組成物によれば、機械物性を損なわない成形体を得ることができるとされている。ここでいう機械物性とは、引張破壊点伸び率を示している。しかしながら、当該樹脂組成物の引張破壊点伸び率は50%を下回っており、十分な伸びを有するとはいえない。
特許文献2によれば、耐水性熱伝導性樹脂組成物は、高温高湿度処理後の重量増加率、寸法変化率、強度保持率に優れ、熱伝導性および、湿熱と乾燥を繰り返した際の成形品の耐久性に優れているとされている。しかしながら、当該樹脂組成物にはポリアリーレンスルフィド樹脂が配合されている。また、当該樹脂組成物には大量のマグネシアが配合されている。したがって、当該樹脂組成物をひずませた場合には、ポリアリーレンスルフィド樹脂とマグネシアとの界面に応力が集中して破断しやすいため、十分な伸びを有する樹脂組成物が得られないおそれがある。
特許文献3によれば、放熱性樹脂組成物は放熱性に優れ、しかも柔軟性と金属接着性を兼ね備えているとされている。しかしながら、当該樹脂組成物は、大量の熱伝導性充填材が添加されている。したがって、当該樹脂組成物をひずませた場合には、エチレン共重合樹脂と熱伝導性充填材との界面に応力が集中して破断しやすいため、十分な伸びを有する樹脂組成物が得られないおそれがある。
一方、十分な伸びを有する樹脂組成物を得るために無機粒子の配合量を少なくすると、十分な熱伝導性を有する樹脂組成物が得られないおそれがある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、熱伝導性及び伸びが良好な樹脂組成物を含む被覆層を備える絶縁電線を提供することにある。
本発明の態様に係る絶縁電線は、導体と、導体を被覆し、樹脂組成物を含む被覆層と、を備える。樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、3μm以上24μm以下の平均粒子径を有する無機粒子と、を含有する。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子の合計に対する無機粒子の含有量は27体積%以上38体積%以下である。
本開示によれば、熱伝導性及び伸びが良好な樹脂組成物を含む被覆層を備える絶縁電線を提供することができる。
本実施形態に係る絶縁電線の一例を示す模式的な断面図である。 所定の平均粒子径を有するアルミナ(酸化アルミニウム)を配合させた樹脂組成物において、アルミナの含有量と樹脂組成物の切断時伸びとの関係を示す図である。 水酸化マグネシウムを所定量配合させた樹脂組成物における引張試験データを示す図である。
以下、本実施形態に係る絶縁電線について詳細に説明する。
図1に示すように、絶縁電線10は、導体11と、導体11を被覆し、樹脂組成物を含む被覆層12とを備えている。導体11は、1本の素線のみで構成されていてもよく、複数本の素線を束ねて構成された集合撚り線であってもよい。また、導体11は、1本の撚り線のみで構成されていてもよく、複数本の集合撚り線を束ねて構成された複合撚り線であってもよい。導体11を構成する材料は、特に限定されないが、銅、アルミニウム及びこれらの合金などからなる群より選択される少なくとも1つの導電性金属であることが好ましい。
被覆層12の厚さは、特に限定されないが、0.16mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。被覆層12の厚さを上記のようにすることにより、導体11を効果的に保護することができる。また、被覆層12の厚さは、特に限定されないが、2.0mm以下であることが好ましく、1.85mm以下であることがより好ましい。被覆層12の厚さを上記のようにすることにより、狭くかつ短い経路内であっても絶縁電線10の配索を容易にすることができる。
樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体と無機粒子とを含有する。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子の合計に対する無機粒子の含有量は27体積%以上38体積%以下である。無機粒子の含有量を27体積%以上とすることにより、樹脂組成物の熱伝導性を向上させることができる。無機粒子の含有量は30体積%以上であってもよい。また、無機粒子の含有量を38体積%以下とすることにより、伸びを向上させることができる。無機粒子の含有量は35体積%以下であってもよい。
樹脂組成物の熱伝導率は0.55W/m・K以上であることが好ましい。熱伝導率を0.55W/m・K以上とすることにより、樹脂組成物の熱伝導性が向上し、放熱性の高い成形品を形成することができる。熱伝導率は0.6W/m・K以上であることがより好ましく、0.7W/m・K以上であることがさらに好ましい。熱伝導率の値が大きいほど成形品の放熱性が良好であるため、熱伝導率の上限は特に限定されないが、熱伝導率は10W/m・K以下であってもよく、5W/m・K以下であってもよく、1W/m・K以下であってもよい。熱伝導率は、JIS A1412−2:1999(熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法(HFM法))に準じ、HFM法によって測定することができる。
樹脂組成物の切断時伸びは400%以上であることが好ましい。切断時伸びを400%以上とすることにより、樹脂組成物は十分な伸びを有するため、伸びが必要となる用途に樹脂組成物を使用することができる。切断時伸びは450%以上であることがより好ましく、500%以上であることがさらに好ましい。切断時伸びの値は大きいほど伸びが良好であるため、切断時伸びの上限は特に限定されないが、切断時伸びは1000%以下であってもよく、800%以下であってもよく、600%以下であってもよい。切断時伸びは、JIS K6251:2017(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に準拠して測定することができる。
(エチレン−(メタ)アクリレート共重合体)
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、エチレンと(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を重合させてなる共重合体である。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、エチレンと(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を、公知の重合反応によって形成することができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの少なくともいずれか一方であることを意味する。
(メタ)アクリレートには、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどからなる群より選択される少なくとも1つの(メタ)アクリレートが含まれる。
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体の具体例としては、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)及びエチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)などが挙げられる。これらのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体は単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、マレイン酸及び無水マレイン酸などで変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、エチレン−メチルアクリレート共重合体であってもよい。
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれる(メタ)アクリレートの含有量は特に限定されないが、モノマー比で15%以上であってもよく、20%以上であってもよい。また、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれる(メタ)アクリレートの含有量は、モノマー比で40%以下であってもよく、30%以下であってもよい。
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれるエチレンの含有量は特に限定されないが、モノマー比で60%以上であってもよく、70%以上であってもよい。また、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれるエチレンの含有量は、モノマー比で85%以下であってもよく、80%以下であってもよい。
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体には、エチレン及び(メタ)アクリレート以外の少量のモノマー成分が含まれていてもよい。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体に含まれるエチレン及び(メタ)アクリレートの合計の含有量は、モノマー比で80%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。
(無機粒子)
無機粒子は樹脂組成物内の熱を伝導する役割を有する。無機粒子は、熱伝導性を有していれば、無機粒子を形成する材料は特に限定されない。無機粒子は、酸化物、水酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩、ケイ酸塩及び炭素化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含んでいてもよい。また、無機粒子は、炭素系材料及びクレーの少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。酸化物は、例えば、アンチモン、スズ、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム及びベリリウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の酸化物を含む。ケイ素の酸化物を含む無機粒子としては、例えば、結晶シリカ及び溶融シリカが挙げられる。水酸化物は、例えば、アルミニウム、スズ、亜鉛及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の水酸化物を含む。窒化物は、例えば、ホウ素、ケイ素、アルミニウム及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の窒化物を含む。ホウ素の窒化物を含む無機粒子としては、例えば、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及びBNNT(窒化ホウ素ナノチューブ)などが挙げられる。炭化物は、例えば、ケイ素、アルミニウム及びホウ素からなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の炭化物を含む。炭酸塩は、例えば、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の金属と炭酸との塩を含む。炭素系材料は、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、CNT(カーボンナノチューブ)、及びダイアモンドからなる群より選択される少なくとも一種の材料を含む。クレーは、例えば、ハイドロタルサイト、ドーソナイト、ゾノトライト、及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種の材料を含む。無機粒子は水酸化マグネシウムを含んでいてもよい。水酸化マグネシウムを無機粒子として使用することにより、樹脂組成物の熱を効果的に放散することができる。
なお、無機粒子を形成する材料は、アルミナ(酸化アルミニウム)、タルク及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。これらの材料からなる無機粒子は、樹脂組成物中の含有量を増加させても、樹脂組成物の切断時伸びが良好であるという特性を有する。また、アルミナ及びタルクは、比較的安価な材料である。そのため、エチレン−(メタ)アクリレート共重合の含有量を低減し、これらの無機粒子の含有量を増加させることで、低コストで電線を作製することが可能となる。
無機粒子の熱伝導率は、例えば、5W/m・K以上であることが好ましく、7W/m・K以上であることがより好ましい。無機粒子の熱伝導率の値が大きいほど熱伝導性が向上するため、熱伝導率の上限は特に限定されないが、熱伝導率は500W/m・K以下であってもよく、300W/m・K以下であってもよい。
無機粒子は3μm以上24μm以下の平均粒子径を有する。平均粒子径を3μm以上24μm以下とすることにより、樹脂組成物の伸びを向上させることができる。平均粒子径は3μm以上10μm以下であることが好ましい。さらに、平均粒子径は6μm以上7μm以下であることがより好ましい。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)などの顕微鏡を用いて測定した少なくとも10以上の無機粒子の長径の平均値であってもよい。
無機粒子の形状は、特に限定されず、球状、楕円体形状、多角形状、鱗片状、不定形状などであってもよい。ただ、無機粒子の形状は、球状であることが好ましい。無機粒子が球状であることにより、樹脂組成物中の含有量を増加させた場合でも、樹脂組成物の切断時伸びをより良好とすることが可能となる。
無機粒子は、表面処理されていてもよく、表面処理されていなくてもよい。表面処理としては、例えば、無機粒子の表面を有機化合物又は無機化合物を含む被膜で被覆してもよく、無機粒子の表面を化学的に修飾してもよい。
樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子以外の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋材、架橋助剤、難燃剤、難燃助剤、老化防止剤、滑剤、充填剤、補強剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤等が挙げられる。樹脂組成物におけるこれらの添加剤の含有量は、本実施形態の効果を妨げない範囲で定めることができる。樹脂組成物におけるエチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子の合計含有量は90体積%以上であってもよい。
樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体と無機粒子とを溶融混練することにより作製することができる。溶融混練の方法は公知の手段を用いることができ、例えば、あらかじめヘンシェルミキサー等の高速混合装置を用いてエチレン−(メタ)アクリレート共重合体と無機粒子とをプリブレンドした後、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル等の公知の混練機を用いて混練してもよい。
被覆層12を作製する場合には、樹脂が十分に溶融する温度に設定された押出機に、樹脂組成物を投入する。この際、必要に応じて、酸化防止剤などの他の成分も押出機に投入する。そして、樹脂組成物はスクリューにより溶融及び混練され、一定量がブレーカープレートを経由してクロスヘッドに供給される。溶融した樹脂組成物は、ディストリビューターによりニップルの円周上へ流れ込み、ダイスにより導体11の外周上に被覆された状態で押し出される。これにより、導体11の外周を被覆する被覆層12を得ることができる。
樹脂組成物は架橋されていてもよい。具体的には、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は架橋されていてもよい。架橋方法は特に限定されないが、例えば、樹脂組成物に電子線を照射することにより架橋してもよい。電子線の照射条件は特に限定されないが、例えば、加速電圧が500kV〜1000kVであり、照射線量が100kGy〜250kGyである。
以上の通り、本実施形態に係る絶縁電線10は、導体11と、導体11を被覆し、樹脂組成物を含む被覆層12と、を備える。樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、3μm以上24μm以下の平均粒子径を有する無機粒子と、を含有する。エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子の合計に対する無機粒子の含有量は27体積%以上38体積%以下である。樹脂組成物は、熱伝導性及び伸びが良好であるため、絶縁電線の被覆層として使用することで、導体の発熱を放散することができ、屈曲性にも優れる。
以下、本開示を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の材料を使用して樹脂組成物を作製した。
(エチレン−(メタ)アクリレート共重合体)
エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA) ダウケミカル社製のエルバロイ(登録商標)AC1125 アクリレート含量25%(モノマー比)
(無機粒子)
(1)Mg(OH) 平均粒子径0.7μm 神島化学工業株式会社製X−6F(表面処理なし)
(2)Mg(OH) 平均粒子径1.0μm 神島化学工業株式会社製X−6(表面処理なし)
(3)Mg(OH) 平均粒子径3.0μm 神島化学工業株式会社製EP1(表面処理なし)
(4)Mg(OH) 平均粒子径4.6μm 神島化学工業株式会社製EP3−4.6μm(表面処理なし)
(5)Mg(OH) 平均粒子径6.7μm 神島化学工業株式会社製EP3−6.7μm(表面処理なし)
(6)アルミナ 平均粒子径3.0μm 新日鉄住金マテリアルズ株式会社製AZ2−75(表面処理なし)
(7)アルミナ 平均粒子径11.0μm 新日鉄住金マテリアルズ株式会社製AZ−10−75(表面処理なし)
(8)アルミナ 平均粒子径24.0μm 昭和電工株式会社製CB−A25BC(表面処理なし)
(9)アルミナ 平均粒子径37.0μm 新日鉄住金マテリアルズ株式会社製AZ35−125(表面処理なし)
(10)アルミナ 平均粒子径46.0μm 昭和電工株式会社製CB−A50BC(表面処理なし)
(11)アルミナ 平均粒子径75.0μm 新日鉄住金マテリアルズ株式会社製AZ75−150(表面処理なし)
[実施例1〜6、比較例1〜15]
まず、上述のEMAと水酸化マグネシウム(1)〜(5)とを、表1に示す配合比で混練機(株式会社小平製作所製の6インチ電熱ロール)を用いて混練した。混練機の温度は約103℃、前方ロールの回転数は12rpm、後方ロールの回転数は14rpmに設定した。混練工程では、ロール上でEMAを溶融して巻き付けた後、溶融状態のEMAに無機粒子を添加して約20分間予備混練した。次に、ロール上の混練物を、切り取って再びロールへ返す作業を10回繰り返した後、前後のロール間隔を狭くしてロール間に5回通過させる作業を2セット繰り返した。このようにして、実施例1〜6及び比較例1〜15におけるシート状の樹脂組成物を得た。
Figure 2021163741
[実施例7〜9、比較例16〜18]
上述のEMAとアルミナ(6)〜(11)を、表2に示す配合比で、実施例1と同様の方法で混錬した。このようにして、実施例7〜9及び比較例16〜18におけるシート状の樹脂組成物を得た。
Figure 2021163741
[実施例10〜11、比較例19〜22]
上述のEMAと水酸化マグネシウム(5)を、表3に示す配合比で、実施例1と同様の方法で混錬した。このようにして、実施例10〜11及び比較例19〜22におけるシート状の樹脂組成物を得た。
Figure 2021163741
[評価]
(熱伝導率)
実施例1〜6及び比較例1〜15の樹脂組成物の熱伝導率を測定した。まず、上記混練機の前後のロール間隔を4.8mm〜5.3mmに調節した。当該ロール間に上記のようにして得られたシート状の樹脂組成物を通過させ、その後150mm×150mmのサイズにカットした。カットした樹脂シートを、5mm厚のステンレススペーサー型枠内に配置した。樹脂シートは、剥離剤で表面をコーティングしたPETフィルム(東レフィルム加工株式会社製セラピール(登録商標)MFA)の間に挟み込み、これをステンレス板でさらに挟み込んだ。そして、プレス機(大竹機械工業株式会社製自動4段蒸気ロールHP034サイドプレート式)でステンレス板の外側から樹脂シートをプレスした。プレス工程では、樹脂シートを、温度175℃かつ圧力0.5MPaで3分間予備加熱し、温度175℃かつ圧力14MPaで2分間本加熱した後、圧力14MPaで約10分間徐冷した。このようにして厚さが5mmの樹脂板を得た。そして、この樹脂板の一方の面に加速電圧750kVかつ照射線量160kGyで電子線を照射した。
次に、5mm厚の樹脂板を、株式会社ダンベル製スーパー円形カッター直径50mmを使用して打ち抜き、熱伝導率測定用試験片を作製した。
熱伝導率測定用試験片の熱伝導率を熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製熱伝導率測定装置HC−110)を用いて測定した。熱伝導率は、JIS A1412−2に準じ、HFM法によって測定した。この測定結果を表1に示す。
(引張試験)
実施例1〜11及び比較例1〜22の樹脂組成物の切断時伸びを引張試験によって評価した。引張試験では、以下のように樹脂組成物の厚みを調整し、ダンベル型に打ち抜いたものを引張試験片として評価した。
まず、上記混練機の前後のロール間隔を1.3mm〜2.0mmに調節した。当該ロール間に上記のようにして得られたシート状の樹脂組成物を通過させ、その後150mm×150mmのサイズにカットした。カットした樹脂シートを、1mm厚のステンレススペーサー型枠内に配置した。上記以外は引張試験と同様の方法により樹脂シートをプレスして樹脂板を作製した。得られた樹脂板の厚さは1mmであった。そして、この樹脂板の一方の面に加速電圧750kVかつ照射線量160kGyで電子線を照射した。
次に、1mm厚の樹脂板を、株式会社ダンベル製スーパーダンベルカッターSDK−300を使用して打ち抜き、JIS K6251:2017に準拠したダンベル状3号形の引張試験片を作製した。熱プレスによる樹脂配向の乱れなどを考慮し、ダンベルのネック部分が樹脂板の端から20mm離れるように引張試験片を打ち抜いた。
引張試験ではINSTRON製引張圧縮試験機5900Rを使用した。引張試験は、JIS K6251:2017に準拠し、引張速度200mm/分、温度:室温(約23℃)、標線間距離20mm、つかみ具間距離50mm、試験回数n=5で実施した。この測定結果の平均値を表1に示す。
表1に示すように、無機粒子の含有量を多くするほど、熱伝導率が大きくなる傾向にあった。特に、無機粒子の含有量が30体積%以上の場合には、熱伝導率は0.55W/m・K以上であり、十分な熱伝導率を有する樹脂組成物も得られた。一方、無機粒子の含有量が20体積%以下の場合には、熱伝導率は0.55W/m・K未満であった。
無機粒子の平均粒子径が3μm以上24μm以下であり、かつ、無機粒子の含有量が35体積%以下である場合には、切断時伸びが400%以上であった。一方、無機粒子の平均粒子径が1μm以下、又は、無機粒子の含有量が40体積%以上の場合には、切断時伸びが400%未満であった。
また、実施例1〜6の結果から、無機粒子の平均粒子径が数マイクロメートルオーダーの場合には、平均粒子径の値が大きくなるほど切断時伸びが大きくなる傾向が見られた。これらの結果から、無機粒子径の平均粒子径が6μm以上7μm以下である場合に樹脂組成物の伸びが特に良好であることが分かる。
図2に示すように、無機粒子の平均粒子径が3μm以上24μm以下の場合には、無機粒子の含有量を40体積%まで増加させても、樹脂組成物の切断時伸びは400%以上であった。一方、無機粒子の平均粒子径が37μm以上の場合には、無機粒子の含有量を40体積%まで増加させると、樹脂組成物の切断時伸びは400%未満となった。
図3に示すように、無機粒子の含有量が35体積%以下の場合には、樹脂組成物の切断時伸びは400%以上であった。一方、無機粒子の含有量が40体積%以上の場合には、樹脂組成物の切断時伸びは400%未満であった。
これらの結果から、無機粒子の平均粒子径が3μm以上24μm以下であり、かつ、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子の合計に対する無機粒子の含有量が27体積%以上38体積%以下であれば、樹脂組成物が十分な切断時伸びを有すると考えられる。
実施例では、EMAをマトリックス樹脂として使用したが、EMAと類似する特性を有するEEA又はEBAのようなエチレン−(メタ)アクリレート共重合体であっても同様の効果を奏すると推定される。また、実施例では、無機粒子として水酸化マグネシウム及びアルミナを使用したが、これ以外の無機粒子でも同様の効果を奏すると推定される。
以上、本実施形態を説明したが、本開示はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 絶縁電線
11 導体
12 被覆層

Claims (8)

  1. 導体と、
    前記導体を被覆し、樹脂組成物を含む被覆層と、
    を備え、
    前記樹脂組成物は、
    エチレン−(メタ)アクリレート共重合体と、
    3μm以上24μm以下の平均粒子径を有する無機粒子と、
    を含有し、
    前記エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び前記無機粒子の合計に対する前記無機粒子の含有量は27体積%以上38体積%以下である、絶縁電線。
  2. 前記無機粒子の平均粒子径は3μm以上10μm以下である、請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記エチレン−(メタ)アクリレート共重合体はエチレン−メチルアクリレート共重合体である、請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記樹脂組成物において、前記エチレン−(メタ)アクリレート共重合体及び前記無機粒子の合計含有量は90体積%以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の絶縁電線。
  5. 前記無機粒子の平均粒子径は6μm以上7μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の絶縁電線。
  6. 前記樹脂組成物の熱伝導率は0.55W/m・K以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の絶縁電線。
  7. 前記樹脂組成物の切断時伸びは400%以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載の絶縁電線。
  8. 前記無機粒子は、水酸化マグネシウム及びアルミナの少なくとも一方を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の絶縁電線。
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