JP2022081887A - 樹脂組成物 - Google Patents

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孝之 堀部
Takayuki Horibe
泰寛 西明
Yasuhiro Nishiaki
洋平 内田
Yohei Uchida
雄悟 西山
Yugo Nishiyama
和昭 真田
Kazuaki Sanada
員也 永田
Kazuya Nagata
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Abstract

【課題】切断時引張強さ及び切断時伸びが良好な樹脂組成物を提供する。【解決手段】エチレン-(メタ)アクリレート共重合体と、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子とを含み、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子の平均粒子径をXμm、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子の含有量をY体積%とするとき、真球状無機粒子を含む場合は下記条件(1)~(4)のすべてを満足し、非真球状無機粒子を含む場合は、下記条件(5)を満足する樹脂組成物である。(1)Y>0、(2)Y≦40、(3)X≧3、(4)Y≦-(10/51)X+44.8(5)3≦X≦12、20≦Y≦30【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
樹脂は電気絶縁性に優れているものの、樹脂自体に熱伝導性はほとんどない。そこで、樹脂からなる部材を含む電気機器及び電子機器のような機器での発熱を抑制するため、樹脂に熱伝導性の無機フィラーを添加した樹脂組成物をこれらの機器に使用することが提案されている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂10~50体積%、球状フィラーが40~60体積%、及び球状以外のフィラーが10~50体積%を含む有機無機複合組成物が記載されている。球状フィラー及び/又は球状以外のフィラーの表面の少なくとも一部が、フェノール樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂及び/又はシランカップリング剤によって被覆されている。当該有機無機複合組成物は、優れた熱伝導性と機械的強度を有し、さらに易成形性にも優れる。
特開2015-117260号公報
樹脂組成物にフィラーを大量添加すると、高い機能性を付与することは容易に実現できるが、フィラー樹脂界面に応力集中が発生しやすくなり、引張特性等の機械的特性を低下させるという問題がある。
特許文献1に記載の樹脂組成物は、フィラー添加量が50体積%以上であり、機械的特性として曲げ弾性率の向上を図っている。しかし、引張伸びについては不十分と考えられ、例えば、400%以上の切断時伸びを実現することはできない。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、引張特性が良好な樹脂組成物を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体と、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子とを含み、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子の平均粒子径をXμm、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子の含有量をY体積%とするとき、真球状無機粒子を含む場合は下記条件(1)~(4)のすべてを満足し、非真球状無機粒子を含む場合は下記条件(5)を満足する。
(1)Y>0
(2)Y≦40
(3)X≧3
(4)Y≦-(10/51)X+44.8
(5)3≦X≦12、20≦Y≦30
本発明によれば、引張特性が良好な樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態に係る絶縁電線の一例を示す模式的な断面図である。 実施例・比較例で調製した樹脂組成物の熱伝導率及び切断時伸びの測定結果を示すグラフである。 実施例・比較例で調製した樹脂組成物の熱伝導率及び切断時伸びの測定結果を示すグラフである。 実施例・比較例で調製した樹脂組成物の熱伝導率及び切断時伸びの測定結果を示すグラフである。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物について詳細に説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体と、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子とを含み、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子の平均粒子径をXμm、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子の含有量をY体積%とするとき、真球状無機粒子を含む場合は下記条件(1)~(4)のすべてを満足し、非真球状無機粒子を含む場合は下記条件(5)を満足する。
(1)Y>0
(2)Y≦40
(3)X≧3
(4)Y≦-(10/51)X+44.8
(5)3≦X≦12、20≦Y≦30
真球状無機粒子の場合は上記(1)~(4)のすべてを満足し、非真球状無機粒子の場合は上記(5)を満足するように添加することにより、引張特性(切断時伸び、切断時引張強さ)を向上することができる。
樹脂組成物の切断時伸びは400%以上であることが好ましい。切断時伸びを400%以上とすることにより、樹脂組成物は十分な伸びを有するため、伸びが必要となる用途に使用することができる。切断時伸びは450%以上であることがより好ましく、580%以上であることがさらに好ましい。切断時伸びの値は大きいほど伸びが良好であるため、切断時伸びの上限は特に限定されないが、切断時伸びは1000%以下であってもよく、800%以下であってもよく、600%以下であってもよい。切断時伸びは、JIS K6251:2017(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方)に準拠して測定することができる。
樹脂組成物の切断時引張強さは5MPa以上であることが好ましい。切断時引張強さを5MPa以上とすることにより、樹脂組成物が十分な強度を有するため、剛性が必要となる用途に樹脂組成物を使用することができる。切断時引張強さは8MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることがさらに好ましい。切断時引張強さは、値が大きいほど剛性が良好であるため、上限は特に限定されないが、例えば、100MPa以下であってもよく、50MPa以下であってもよく、30MPa以下であってもよい。切断時引張強さは、JIS K6251:2017に準拠して測定することができる。
以下に、本実施形態の樹脂組成物の各成分について説明する。
(エチレン-(メタ)アクリレート共重合体)
エチレン-(メタ)アクリレート共重合体は、エチレンと(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を重合させてなる共重合体である。エチレン-(メタ)アクリレート共重合体は、エチレンと(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を、公知の重合反応によって形成することができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの少なくともいずれか一方であることを意味する。
(メタ)アクリレートには、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどからなる群より選択される少なくとも1つの(メタ)アクリレートが含まれる。
エチレン-(メタ)アクリレート共重合体の具体例としては、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)及びエチレン-ブチルアクリレート共重合体(EBA)などが挙げられ、中でも、エチレン-メチルアクリレート共重合体が好ましい。これらのエチレン-(メタ)アクリレート共重合体は単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。エチレン-(メタ)アクリレート共重合体は、マレイン酸及び無水マレイン酸などで変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。エチレン-(メタ)アクリレート共重合体は、エチレン-メチルアクリレート共重合体であってもよい。
エチレン-(メタ)アクリレート共重合体に含まれる(メタ)アクリレートの含有量は特に限定されないが、モノマー比で15%以上であってもよく、20%以上であってもよい。また、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体に含まれる(メタ)アクリレートの含有量は、モノマー比で40%以下であってもよく、30%以下であってもよい。
エチレン-(メタ)アクリレート共重合体に含まれるエチレンの含有量は特に限定されないが、モノマー比で60%以上であってもよく、70%以上であってもよい。また、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体に含まれるエチレンの含有量は、モノマー比で85%以下であってもよく、80%以下であってもよい。
エチレン-(メタ)アクリレート共重合体には、エチレン及び(メタ)アクリレート以外の少量のモノマー成分が含まれていてもよい。エチレン-(メタ)アクリレート共重合体に含まれるエチレン及び(メタ)アクリレートの合計の含有量は、モノマー比で80%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。
(真球状無機粒子、非真球状無機粒子)
真球状無機粒子及び非真球状無機粒子はいずれも、引張特性の向上に寄与する。ここで、真球状無機粒子は、真球度が1.8以下のものをいい、真球度1.5以下が好ましく、1~1.3が好ましい。
また、非真球状無機粒子の形状は、特に限定されず、楕円体形状、多角形状、鱗片状、不定形状などであってもよい。
真球状無機粒子及び非真球状無機粒子(以下、総称して「無機粒子」とも称する。)のいずれも、無機粒子を形成する材料は特に限定されない。真球状無機粒子は、酸化物、水酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩、ケイ酸塩及び炭素化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含んでいてもよい。また、無機粒子は、炭素系材料及びクレーの少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。酸化物は、例えば、アンチモン、スズ、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム及びベリリウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の酸化物を含む。ケイ素の酸化物を含む無機粒子としては、例えば、結晶シリカ及び溶融シリカが挙げられる。水酸化物は、例えば、アルミニウム、スズ、亜鉛及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の水酸化物を含む。窒化物は、例えば、ホウ素、ケイ素、アルミニウム及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の窒化物を含む。ホウ素の窒化物を含む無機粒子としては、例えば、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及びBNNT(窒化ホウ素ナノチューブ)などが挙げられる。炭化物は、例えば、ケイ素、アルミニウム及びホウ素からなる群より選択される少なくとも一種の金属又は半金属の炭化物を含む。炭酸塩は、例えば、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の金属と炭酸との塩を含む。炭素系材料は、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、CNT(カーボンナノチューブ)、及びダイアモンドからなる群より選択される少なくとも一種の材料を含む。クレーは、例えば、ハイドロタルサイト、ドーソナイト、ゾノトライト、及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種の材料を含む。
中でも、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ケイ素が好ましい。
本実施形態においては、真球状無機粒子を含む場合、その含有量に応じて平均粒子径の異なるものを用いる。すなわち、真球状無機粒子の平均粒子径をXμm、真球状無機粒子の含有量をY体積%とするとき、下記条件(1)~(4)のすべてを満足する。
(1)Y>0
(2)Y≦40
(3)X≧3
(4)Y≦-(10/51)X+44.8
すなわち、本実施形態において、真球状無機粒子の平均粒子径及びその含有量は、真球状無機粒子の平均粒子径をx軸、真球状無機粒子の含有量をy軸とするxy座標において、上記(1)~(4)で示される直線で囲まれた領域内となる。換言すると、当該xy座標における点を(真球状無機粒子の平均粒子径(μm),真球状無機粒子の含有量(体積%))で表すとき、点(3,0)、点(100,0)、点(100,25)、点(24,40)、点(3,40)を結ぶ線で囲まれた領域である。
なお、本明細書において、無機粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)などの顕微鏡を用いて測定した少なくとも10以上の無機粒子の長径の平均値であってもよい。
以下、上記領域内のうち、(a)Y=20、(b)Y=30、(c)Y=40のそれぞれの場合について説明する。
(a)真球状無機粒子の含有量が20体積%の場合、平均粒子径が3~75μmの真球状無機粒子を用いる。この場合において、真球状無機粒子の平均粒子径が3μm未満であると、切断時伸びが低下する。また、真球状無機粒子の平均粒子径が75μmを超えると、引張特性の向上を図ることができない。当該平均粒子径は、3~75μmが好ましく、11~37μmがより好ましい。
(b)真球状無機粒子の含有量が30体積%の場合、平均粒子径が3~75μmの真球状無機粒子を用いる。この場合において、真球状無機粒子の平均粒子径が3μm未満であると、切断時伸びが低下する。また、真球状無機粒子の平均粒子径が75μmを超えると、引張特性の向上を図ることができない。当該平均粒子径は、3~75μmが好ましく、11~24μmがより好ましい。
(c)真球状無機粒子の含有量が40体積%の場合、平均粒子径が3~24μmの真球状無機粒子を用いる。この場合において、真球状無機粒子の平均粒子径が3μm未満であると、切断時伸びが低下する。また、真球状無機粒子の平均粒子径が37μmを超えると、引張特性の向上を図ることができない。当該平均粒子径は、3~24μmが好ましく、11~24μmがより好ましい。
一方、本実施形態において、非真球状無機粒子を含む場合、その含有量に応じて平均粒子径の異なるものを用いる。すなわち、非真球状無機粒子の平均粒子径をXμm、非真球状無機粒子の含有量をY体積%とするとき、下記条件(5)を満足する。
(5)3≦X≦12、20≦Y≦30
すなわち、本実施形態において、非真球状無機粒子の平均粒子径及びその含有量は、非真球状無機粒子の平均粒子径をx軸、非真球状無機粒子の含有量をy軸とするxy座標において、上記(5)で示される直線で囲まれた長方形の領域内となる。換言すると、当該xy座標における点を(非真球状無機粒子の平均粒子径(μm),非真球状無機粒子の含有量(体積%))で表すとき、点(3,20)、点(3,30)、点(12,30)、点(12,20)を結ぶ線で囲まれた領域である。
以下、上記領域内のうち、(d)Y=20、(e)Y=30のそれぞれの場合について説明する。
(d)非真球状無機粒子の含有量が20体積%であり、かつ、非真球状無機粒子の平均粒子径が3~12μmである。この場合において、非真球状無機粒子の平均粒子径が3μm未満であると、切断時伸びが低下する。また、真球状無機粒子の平均粒子径が12μmを超えると、引張特性の向上を図ることができない。当該平均粒子径は、3~12μmが好ましく、3~5μmがより好ましい。
(e)非真球状無機粒子の含有量が30体積%であり、かつ、非真球状無機粒子の平均粒子径が3~12μmである。非真球状無機粒子の平均粒子径が3μm未満であると、切断時伸びが低下する。また、非真球状無機粒子の平均粒子径が12μmを超えると、引張特性の向上を図ることができない。当該平均粒子径は、3~12μmが好ましく、3~5μmがより好ましい。
無機粒子の熱伝導率は、2W/m・K以上であることが好ましく、5W/m・K以上であることがより好ましい。無機粒子の熱伝導率の値が大きいほど樹脂組成物の熱伝導性が向上するため、熱伝導率の上限は特に限定されないが、熱伝導率は500W/m・K以下であってもよく、300W/m・K以下であってもよい。
無機粒子は、表面処理されていてもよく、表面処理されていなくてもよい。表面処理としては、例えば、無機粒子の表面を有機化合物又は無機化合物を含む被膜で被覆してもよく、無機粒子の表面を化学的に修飾してもよい。
本実施形態においては、真球状無機粒子を含む場合において、さらに下記条件(6)及び(7)のいずれも満足することが好ましい。すなわち、真球状無機粒子を含み、かつ、上記(2)及び(4)とともに下記条件(6)及び(7)のいずれも満足することにより、引張特性の向上と相まって、熱伝導性の向上を図ることができる。具体的には、樹脂組成物の熱伝導率を0.65W/m・K以上とすることができる。
(6)Y≧30
(7)Y≧-5X+55
熱伝導率を0.65W/m・K以上とすることにより、樹脂組成物の熱伝導性が向上し、放熱性の高い成形品を形成することができる。熱伝導率は0.70W/m・K以上であることがより好ましい。熱伝導率の値が大きいほど成形品の放熱性が良好であるため、熱伝導率の上限は特に限定されないが、熱伝導率は10W/m・K以下であってもよく、5W/m・K以下であってもよく、1W/m・K以下であってもよい。熱伝導率は、JIS A1412-2:1999(熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第2部:熱流計法(HFM法))に準じ、HFM法によって測定することができる。
真球状無機粒子の平均粒子径及びその含有量は、真球状無機粒子の平均粒子径をx軸、真球状無機粒子の含有量をy軸とするxy座標において、上記(2)、(4)、(6)及び(7)で示される直線で囲まれた領域内となる。換言すると、当該xy座標における点を(真球状無機粒子の平均粒子径(μm),真球状無機粒子の含有量(体積%))で表すとき、点(5,30)、点(75,30)、点(24,40)、点(3,40)を結ぶ線で囲まれた領域である。
以下、上記領域内のうち、(a)Y=30、(b)Y=40のそれぞれの場合について説明する。
(a)真球状無機粒子の含有量が30体積%の場合、平均粒子径が5~75μmの真球状無機粒子を用いることが好ましい。真球状無機粒子の平均粒子径が5~75μmであると、熱伝導性を向上させることができる。当該平均粒子径は、11~75μmがより好ましく、24~75μmがさらに好ましい。
(b)真球状無機粒子の含有量が40体積%の場合、平均粒子径が3~24μmの真球状無機粒子を用いることが好ましい。真球状無機粒子の平均粒子径が3~24μmであると、熱伝導性を向上させることができる。当該平均粒子径は、5~24μmがより好ましく、11~24μmがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体及び無機粒子以外の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋材、架橋助剤、難燃剤、難燃助剤、老化防止剤、滑剤、充填剤、補強剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤等が挙げられる。樹脂組成物におけるこれらの添加剤の含有量は、本実施形態の効果を妨げない範囲で定めることができる。樹脂組成物におけるエチレン-(メタ)アクリレート共重合体及び真球状無機粒子の合計含有量は90体積%以上であってもよい。
以上の通り、本実施形態に係る樹脂組成物は、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体と、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子とを含有する。そして、当該樹脂組成物は、引張特性が良好であるため、絶縁電線の被覆材、ホース、チューブ、発泡体、フィルム、又はコーティング剤などに用いることが好ましい。
樹脂組成物は、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体と無機粒子とを溶融混練することにより作製することができる。溶融混練の方法は公知の手段を用いることができる。例えば、あらかじめヘンシェルミキサー等の高速混合装置を用いてエチレン-(メタ)アクリレート共重合体と無機粒子とをプリブレンドした後、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル等の公知の混練機を用いて混練してもよい。
[絶縁電線]
次に、本実施形態の樹脂組成物を適用するに好ましい絶縁電線について説明する。図1に示す絶縁電線10は、導体11と、導体11を被覆し、上記樹脂組成物を含む被覆層12とを備えている。導体11は、1本の素線のみで構成されていてもよく、複数本の素線を束ねて構成された集合撚り線であってもよい。また、導体11は、1本の撚り線のみで構成されていてもよく、複数本の集合撚り線を束ねて構成された複合撚り線であってもよい。導体11を構成する材料は、特に限定されないが、銅、アルミニウム及びこれらの合金などからなる群より選択される少なくとも1つの導電性金属であることが好ましい。
被覆層12の厚さは、特に限定されないが、0.16mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。被覆層12の厚さを上記のようにすることにより、導体11を効果的に保護することができる。また、被覆層12の厚さは、特に限定されないが、2.0mm以下であることが好ましく、1.85mm以下であることがより好ましい。被覆層12の厚さを上記のようにすることにより、狭くかつ短い経路内であっても絶縁電線10の配索を容易にすることができる。
被覆層12を構成する樹脂組成物を作製する場合には、樹脂が十分に溶融する温度に設定された押出機に、樹脂組成物を投入する。この際、必要に応じて、酸化防止剤などの他の成分も押出機に投入する。そして、樹脂組成物はスクリューにより溶融及び混練され、一定量がブレーカープレートを経由してクロスヘッドに供給される。溶融した樹脂組成物は、ディストリビューターによりニップルの円周上へ流れ込み、ダイスにより導体11の外周上に被覆された状態で押し出されることにより、導体11の外周を被覆する被覆層12を得ることができる。
樹脂組成物において、架橋構造が存在していてもよい。具体的には、エチレン-(メタ)アクリレート共重合体は架橋されていてもよい。架橋方法は特に限定されないが、例えば、樹脂組成物に電子線を照射することにより架橋してもよい。電子線の照射条件は特に限定されないが、例えば、加速電圧が500kV~1000kVであり、照射線量が100kGy~250kGyである。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1~9、比較例1~3]
まず、各実施例・比較例において、下記表1に示す、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)(ダウケミカル社製のエルバロイ(登録商標)AC1125 アクリレート含量25%(モノマー比))と、無機粒子1~12を準備した。無機粒子1~12はいずれもアルミナであり、具体的には以下の通りである。
無機粒子1:アドマテックス株式会社製、A0-502、平均粒子径:0.3μm
無機粒子2:新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、AZ2-75、平均粒子径:3μm
無機粒子3:新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、AZ4-75、平均粒子径:5μm
無機粒子4:新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、AZ10-75、平均粒子径:11μm
無機粒子5:昭和電工株式会社製、CB-A25BC、平均粒子径:24μm
無機粒子6:新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、AZ35-125、平均粒子径:37μm
無機粒子7:昭和電工株式会社製、CB-A50BC、平均粒子径:46μm
無機粒子8:新日鉄住金マテリアルズ株式会社製、AZ75-150、平均粒子径:75μm
無機粒子9:日本軽金属株式会社製、LS-710、平均粒子径:0.5μm
無機粒子10:日本軽金属株式会社製、LS-110F、平均粒子径:1μm
無機粒子11:日本軽金属株式会社製、LS-210B、平均粒子径:3μm
無機粒子12:日本軽金属株式会社製、V325F、平均粒子径:12μm
Figure 2022081887000001
次いで、各実施例・比較例において下記表1に示す材料を、同表に示す配合率で混練機(株式会社ムサシノキカイ製、200CC混練機)で混練した。混練条件を以下に示す。混練の工程は、初めにEMAを溶融させてから、無機粒子を投入して混合した。50rpmで4分間、アルミナとEMAを混ぜ合わせた段階で、スクリュー回転速度を70rpmに変更し、7分間混練を行った。この一連の11分間を1セットとし、2セット行なった。混練物はストランドで押出して回収し、15cm長にカットした。
(混練条件)
温度:120℃
回転数:材料投入50rpm×5分、混練工程70rpm×7分
時間:約20分
ストランド長さ:約15cm
得られたストランドを、端面を揃えて並べることでして、厚さ5mmのシート状試験片を得た。さらに、以下に示す熱プレス条件により、シート状試験片を、表面に剥離性付与剤をコーティングしたPETフィルム(東レフィルム加工株式会社製、セラピールMFA)に挟み込み、シート状試験片と同じ厚さのステンレススペーサー型枠に載置した。それを2枚のステンレス板で挟み、自動式4段蒸気プレスによって熱プレスを行なった。
(熱プレス条件)
装置:大竹機械工業株式会社製、自動4段蒸気ロールHP034サイドプレート式
温度:175℃
加熱時間:予熱3分(0.5MPa)、加熱2分(14MPa)
冷却条件:徐冷約10分(14MPa)
シート状試験片の厚さ:引張試験用:1mm、熱伝導率測定用:5mm
(引張試験)
引張試験片は、株式会社ダンベル製、スーパーダンベルカッター型式SDK-300を使用し、シートから打抜いて、JIS K 7139に準拠した3号ダンベル試験片を作製した。その際に,熱プレスの樹脂配向の乱れなどを考慮し、5mm幅部分のエッジと、シートのエッジの距離が20mm離れるよう留意した。引張試験はINSTRON製、引張圧縮試験機、5900Rを使用した。JIS K 7161-2に準拠し、引張速度は200mm/分、標点間距離は20mm、チャック間距離は50mmとした。この引張試験を5回行い、切断時伸びを測定した。5回の引張試験の結果の中央値を用い,切断時伸び及び切断時引張強さのそれぞれと、無機粒子の平均粒子径との関係を図2に示す。図2において、切断時伸びを「〇」のプロットとし、切断時引張強さを「×」のプロットとした。
図2より、実施例1~9においては、切断時引張強さは5MPa以上であり、切断時伸びは400%以上であった。すなわち、実施例1~9においては、引張特性が良好な結果が得られた。これに対して、比較例1~3においては、切断時引張強さ及び切断時伸びのいずれか又は両方において良好な結果が得られなかった。
(熱伝導率測定)
株式会社ダンベル製、スーパー円形カッターφ50mmを使用し、3mmシートから打抜いたものを重ねてプレスして5mmの試験片を作製した。熱伝導率測定は英弘精機株式会社製、熱伝導率測定装置HC-110を用いた。この熱伝導率測定を3回行い、測定結果の平均値を求めた。熱伝導率を表1に示す。
表1より、真球状無機粒子であって、かつ、平均粒子径が特定の範囲内にある実施例1~7、及び非真球状無機粒子であって、かつ、平均粒子径が特定の範囲内にある実施例9においては、熱伝導率が0.65W/m・K以上であった。すなわち、実施例1~7及び実施例9においては、引張特性及び熱伝導率のいずれも良好な結果が得られた。
[実施例10~18、比較例4~6]
実施例10~18、比較例4~6のそれぞれにおいて、下記表2に示すように、無機粒子1~12の含有率を20体積%としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を図3及び表2に示す。図3に示すように、実施例10~18においては、切断時引張強さは5MPa以上であり、切断時伸びは400%以上であり、良好な引張特性が得られた。これに対して、比較例4~6においては、切断時引張強さ及び切断時伸びのいずれか又は両方において良好な結果が得られなかった。
なお、実施例10~18、比較例4~6においてはいずれも、無機粒子の含有率が20体積%であるため、熱伝導率は良好な結果が得られなかった。
Figure 2022081887000002
[実施例19~22、比較例7~14]
実施例19~22、比較例7~14のそれぞれにおいて、下記表3に示すように、無機粒子1~12の含有率を40体積%としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を図4及び表3に示す。図4に示すように、実施例19~22においては、切断時引張強さは5MPa以上であり、切断時伸びは400%以上であり、良好な引張特性が得られた。これに対して、比較例7~14においては、切断時引張強さ及び切断時伸びのいずれか又は両方において良好な結果が得られなかった。
また、表3より、真球状無機粒子であって、かつ、平均粒子径が特定の範囲内にある実施例19~22においては、熱伝導率が0.65W/m・K以上であった。すなわち、実施例19~22においては、引張特性及び熱伝導率のいずれも良好な結果が得られた。
Figure 2022081887000003
以上、本実施形態を説明したが、本開示はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

Claims (7)

  1. エチレン-(メタ)アクリレート共重合体と、真球状無機粒子又は非真球状無機粒子とを含み、前記真球状無機粒子又は前記非真球状無機粒子の平均粒子径をXμm、前記真球状無機粒子又は前記非真球状無機粒子の含有量をY体積%とするとき、前記真球状無機粒子を含む場合は下記条件(1)~(4)のすべてを満足し、前記非真球状無機粒子を含む場合は下記条件(5)を満足する、樹脂組成物。
    (1)Y>0
    (2)Y≦40
    (3)X≧3
    (4)Y≦-(10/51)X+44.8
    (5)3≦X≦12、20≦Y≦30
  2. 前記エチレン-(メタ)アクリレート共重合体がエチレン-メチルアクリレート共重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記真球状無機粒子又は前記非真球状無機粒子がアルミナである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 切断時引張強さが5MPa以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 切断時伸びが400%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記真球状無機粒子を含む場合において、さらに下記条件(6)及び(7)のいずれも満足する、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    (6)Y≧30
    (7)Y≧-5X+55
  7. 熱伝導率が0.65W/m・K以上である、請求項6に記載の樹脂組成物。
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