JP2021160828A - 組立て及び折り畳みが可能な断熱容器 - Google Patents

組立て及び折り畳みが可能な断熱容器 Download PDF

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Abstract

【課題】折り畳み状態では把手を持って持ち運びがしやすく、組立て状態では把手を持って持ち運ぶことが難しい、断熱容器を提供する。【解決手段】断熱容器10は、天面パネル11と、第1側面パネル14と、第2側面パネルと、第3側面パネル13と、第4側面パネル12と、底面パネルと、少なくとも第1側面パネル14及び第2側面パネルを覆う外袋30と、を備えている。組立て状態において、第1側面パネル14と第2側面パネルとが互いに対向し、第3側面パネル13と第4側面パネル12とが互いに対向する。外袋30のうち、第1側面パネル14及び第2側面パネルを覆う部分に、それぞれ把手38が設けられ、折り畳み状態において、把手38は、それぞれ外袋30から側方に突出し、組立て状態において、把手38は、それぞれ第1側面パネル14及び第2側面パネルの中心線に対して第3側面パネル13側にずれて配置されている。【選択図】図1

Description

本実施の形態は、組立て及び折り畳みが可能な断熱容器に関する。
断熱材を用いた断熱容器は、主に、保冷車等のような保冷機能をもたない輸送手段により、物品を保冷しながら輸送する用途に使用される。また、太陽光等による輻射熱が断熱容器の内部に到達することを抑制するため、可視光線や赤外線を反射する性質を有する遮熱シートで断熱容器を覆うことにより、断熱容器の保冷効果を高めることができる。また従来、断熱パネルを含む折り畳み式の断熱容器が知られている(特許文献1参照)。
特開平10−287372号公報
例えば特許文献1に示すように、折り畳み式の断熱容器においては、持ち運びがしやすいように側面に把手が取り付けられているものが存在する。すなわち、断熱容器を折り畳んだ状態で、把手を持って断熱容器を持ち運ぶことができれば便利である。しかしながら、組立てられた断熱容器内に重量物を収容した場合には、仮に把手を持って断熱容器を持ち上げてしまうと、内部の重量物によって底面パネルがずれたり抜け落ちたりするおそれがある。
本開示は、折り畳み状態では把手を持って持ち運びがしやすく、組立て状態では把手を持って持ち運ぶことが難しい、断熱容器を提供する。
本実施の形態による断熱容器は、組立て及び折り畳みが可能な断熱容器であって、天面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルと、第3側面パネルと、第4側面パネルと、底面パネルと、少なくとも前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルを覆う外袋と、を備え、前記断熱容器を組立てた組立て状態において、前記第1側面パネルと前記第2側面パネルとが互いに対向し、前記第3側面パネルと前記第4側面パネルとが互いに対向し、前記外袋のうち、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルを覆う部分に、それぞれ把手が設けられ、前記断熱容器を折り畳んだ折り畳み状態において、前記把手は、それぞれ前記外袋から側方に突出し、前記組立て状態において、前記把手は、それぞれ前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線に対して前記第3側面パネル側にずれて配置されている。
本実施の形態による断熱容器において、各把手は、それぞれ第1取付部及び第2取付部において前記外袋に取り付けられ、前記第1取付部及び前記第2取付部の両方が、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線に対して前記第3側面パネル側にずれて配置されていてもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記組立て状態において、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線と前記把手の中間点との距離は、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの幅の10%以上40%以下であってもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記折り畳み状態において、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線と前記把手の中間点との距離は、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの幅の0%以上35%以下であってもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルはそれぞれ、前記第3側面パネルに対して固定される固定パネルと、前記固定パネルに対して可動な可動パネルと、を含み、前記折り畳み状態において、前記底面パネルは、前記第1側面パネルの前記固定パネルと前記第2側面パネルの前記固定パネルとの間に収容されてもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記第4側面パネルは、観音開き状に開閉可能であってもよい。
本実施の形態による断熱容器において、全高が、600mm以上1300mm以下であってもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記天面パネル、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル、前記第4側面パネル及び前記底面パネルは、それぞれ剛性をもつ板状の部材であってもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記底面パネルは、前記第3側面パネルに対して折り畳み可能であってもよい。
本実施の形態による断熱容器において、前記第4側面パネルの内面に、前記底面パネルの気密を確保可能な上限位置を示す目印線が設けられていてもよい。
本実施の形態によれば、折り畳み状態では把手を持って持ち運びがしやすく、組立て状態では把手を持って持ち運ぶことが難しい、断熱容器を提供することができる。
一実施の形態による断熱容器(組立て状態)を示す斜視図である。 一実施の形態による断熱容器の各パネルを取り外した状態を示す分解斜視図である。 一実施の形態による断熱容器(組立て状態)を示す水平断面図(図1のIII−III線断面図)である。 一実施の形態による断熱容器(組立て状態)を示す垂直断面図(図1のIV−IV線断面図)である。 一実施の形態による断熱容器(組立て状態)を示す垂直断面図(図1のV−V線断面図)である。 一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)を示す斜視図である。 一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)を示す水平断面図である。 一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)を示す垂直断面図(図7のVIII−VIII線断面図)である。 一実施の形態による断熱容器(折り畳み状態)を示す垂直断面図(図7のIX−IX線断面図)である。 組立て状態における断熱容器の外袋を正面側から見た斜視図である。 組立て状態における断熱容器の外袋を背面側から見た斜視図である。 組立て状態における断熱容器の外袋を示す右側面図である。 ユーザーが断熱容器を持ち上げようとする場合を示す右側面図である。 変形例による断熱容器を示す部分拡大断面図である。 変形例による断熱容器の外袋を示す底面図である。
以下、図面を参照しながら一実施の形態について説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
また、以下の実施の形態において、「X方向」とは、正面から見て断熱容器の左右に平行かつ断熱容器が配置される床面に平行な方向であり、「Y方向」とは、X方向に垂直かつ断熱容器が配置される床面に平行な方向である。「Z方向」とは、鉛直方向に平行な方向である。また、「正面」とは、床面に垂直な面であって、主として断熱容器に内容物を出し入れする際にユーザーの方向を向く面をいい、「背面」とは、床面に垂直な面であって、正面に対向する面をいう。「天面」とは、床面に平行な面であって、断熱容器の上方側の面をいい、「底面」とは、床面に平行な面であって、断熱容器の下方側の面をいう。また「右面」とは、床面に垂直な面であって、正面から見て断熱容器の右側に位置する面をいい、「左面」とは、床面に垂直な面であって、正面から見て断熱容器の左側に位置する面をいう。「側面」とは、天面及び底面に対して垂直な面をいう。
(断熱容器の構成)
本実施の形態による断熱容器の構成について、図1乃至図13を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による断熱容器10は、組立て及び折り畳みが可能なものであり、6つのパネル11〜16を含む。パネル11〜16は、組立て状態において略直方体形状となるものであり、天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、右面パネル14と、左面パネル15と、底面パネル16とを含んでいる。天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、右面パネル14と、左面パネル15と、底面パネル16とは、その主たる面(各パネルを構成する6つの面のうち、最も広い互いに対向する一対の面)がそれぞれ略長方形形状又は略正方形形状となっている。また、正面パネル12と背面パネル13とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有しており、右面パネル14と左面パネル15とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有している。各パネル11〜16は、それぞれ剛性をもつ板状の部材からなり、使用時に柔軟に変形しないようになっている。
パネル11〜16は、全体として組立て及び折り畳み自在に設けられており、箱状に組立てられた組立て状態(図1乃至図5)と、小さく折り畳んだ折り畳み状態(図6乃至図9)とをとることができる。
断熱容器10を組立て状態としたとき、天面パネル11と底面パネル16とが互いに対向し、右面パネル14と左面パネル15とが互いに対向し、背面パネル13と正面パネル12とが互いに対向する。また底面パネル16は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15によって取り囲まれる。底面パネル16は、背面パネル13に対して折り畳み可能である。また、右面パネル14及び左面パネル15はそれぞれ、背面パネル13に対して固定される固定パネル(第1右面部分パネル14a、第1左面部分パネル15a)と、固定パネルに対して可動な可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)と、を含む。さらに、断熱容器10を折り畳んだ折り畳み状態(図6乃至図9)において、底面パネル16は、右面パネル14の固定パネル(第1右面部分パネル14a)と左面パネル15の固定パネル(第1左面部分パネル15a)との間に収容される。
また図1に示すように、パネル11〜16は、外袋30に収容される。外袋30のうち、右面パネル14及び左面パネル15を覆う部分(右面カバー34及び左面カバー35)に、それぞれ把手38が設けられている。把手38は、折り畳み状態(図6乃至図9)において、それぞれ外袋30から側方に突出する。把手38は、組立て状態(図1乃至図5)において、それぞれ右面パネル14及び左面パネル15の第1中心線CL1(図12参照)に対して背面パネル13側にずれて配置されている。なお、外袋30の詳細な構成については後述する。
なお、本実施の形態において、右面パネル14が第1側面パネルに対応し、左面パネル15が第2側面パネルに対応し、背面パネル13が第3側面パネルに対応し、正面パネル12が第4側面パネルに対応する。あるいは、左面パネル15が第1側面パネルに対応し、右面パネル14が第2側面パネルに対応し、背面パネル13が第3側面パネルに対応し、正面パネル12が第4側面パネルに対応しても良い。以下において、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15をまとめて、側面パネル12〜15ともいう。
断熱容器10は、組立て状態において、6つのパネル11〜16に取り囲まれることにより、積載物を収容する略直方体形状の収容空間20を形成する。6つのパネル11〜16は、後述するように、それぞれ断熱パネルを含んでいる。このため、収容空間20は、周囲が断熱材で囲まれることによって外部との熱の流入や流出が制限され、断熱性を維持することができる。また、6つのパネル11〜16の少なくとも一部は、それぞれ隣接する他のパネル11〜16に対して移動可能に設けられている。これにより、断熱容器10は、収容空間20が形成されている組立て状態から、収容空間20が形成されない折り畳み状態に変更すること、及び折り畳み状態から組立て状態に変更することが可能である。このため、断熱容器10を使用しない場合には、パネル11〜16を折り畳むことにより、組立て状態よりも全体のサイズを小さくして保管することが可能である。また組立て状態において、6つのパネル11〜16は、それぞれその周縁が他のいずれかのパネル11〜16と密着するようになっており、これにより収容空間20の密閉性が確保されている。
次に、各パネル11〜16それぞれの構成について更に説明する。なお、以下において、「パネル11〜16(部分パネル)が所定の面に対して平行(垂直)である」とは、「パネル11〜16(部分パネル)の主たる面が所定の面に対して平行(垂直)である」ことを意味する。
(天面パネル)
天面パネル11は、組立て状態(図1乃至図5)において、天面側(Z方向プラス側)に位置するパネルである。また、組立て状態において、天面パネル11は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15よりも上方(Z方向プラス側)に配置される。
この天面パネル11は、開閉可能かつ折り畳み可能な構造であり、一枚の板状の部材から構成されている。また天面パネル11は、天面ヒンジ部材21a(図4参照)を介して背面パネル13に対して折り畳み自在に取り付けられている。
天面パネル11は、組立て状態(図1乃至図5)において、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。また、天面パネル11は、折り畳み状態(図6乃至図9)において、背面パネル13に対して回動し、背面パネル13の背面側(Y方向プラス側)に位置する。このとき天面パネル11は、背面パネル13から垂れ下がるように配置され、背面パネル13に対して平行に配置される。なお、天面パネル11は、後述する外袋30の天面カバー31に取り付けられている。
(正面パネル)
正面パネル12は、組立て状態(図1乃至図5)において、正面側(Y方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行に配置される。また、正面パネル12は、組立て状態及び折り畳み状態の両方において、背面パネル13、右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16よりも正面側(Y方向マイナス側)に配置される。
この正面パネル12は、観音開き状に開閉可能な構造となっており、右面パネル14側に位置する第1正面部分パネル12aと、左面パネル15側に位置する第2正面部分パネル12bとを有している。第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとは、互いに分離するとともに、互いに取り付け可能となっている。
第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとは、組立て状態(図1乃至図5)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行に配置される。また、第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとは、折り畳み状態(図6乃至図9)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行な状態を維持したまま、背面パネル13側に移動する。なお、第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12bは、それぞれ後述する外袋30の第1正面カバー32a及び第2正面カバー32bに取り付けられている。
なお、正面パネル12は、必ずしも複数の部分パネル(第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12b)から構成されてなくても良く、一枚の板状の部材から構成されていても良い。
(背面パネル)
背面パネル13は、組立て状態(図1乃至図5)において、背面側(Y方向プラス側)に位置するパネルである。また、組立て状態及び折り畳み状態の両方において、背面パネル13は、右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16よりも背面側(Y方向プラス側)に配置される。
この背面パネル13は、開閉不可能かつ折り畳み不可能な構造であり、一枚の板状の部材から構成されている。背面パネル13は、組立て状態(図1乃至図5)及び折り畳み状態(図6乃至図9)の両方において、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)な状態を維持する。なお、背面パネル13は、後述する外袋30の背面カバー33に取り付けられている。
なお、背面パネル13の内面側には、保冷剤を収容可能なポケット41が設けられていても良い。このポケット41は、布等の柔軟な材料からなり、組立て状態において、背面パネル13の内面側に突出して保冷剤を収容可能な空間を形成する。このように、背面パネル13のポケット41に保冷剤を収容することにより、保冷剤からの冷気が下降して積載物に送られ、収容空間20の保冷性が高められる。一方、折り畳み状態とする場合、ポケット41内の保冷剤は取り出され、その後、ポケット41が折り畳まれる。これにより、折り畳み状態において、ポケット41が底面パネル16を折り畳む際の妨げとなることを抑止することができる。なお、ポケット41は、パネル11〜16のいずれに設けても良い。
(右面パネル)
右面パネル14は、組立て状態(図1乃至図5)において、左面パネル15及び底面パネル16よりも右側(X方向プラス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。
この右面パネル14は、開閉可能かつ折り畳み可能な構造であり、背面パネル13側に位置する第1右面部分パネル14aと、中間に位置する第2右面部分パネル14bと、正面パネル12側に位置する第3右面部分パネル14cとを有している。このうち第1右面部分パネル14aは固定パネルであり、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、可動パネルである。第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(可動パネル)は、第1右面部分パネル14a(固定パネル)に対して可動かつ第1右面部分パネル14a(固定パネル)に対して折り畳み可能となっている。また、可動パネルは、互いに可動かつ折り畳み可能な複数(2つ)の部分パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)から構成される。なお、右面パネル14の可動パネルが3つ以上の右面部分パネルから構成されても良い。
第1右面部分パネル14aは、背面パネル13の側部(X方向プラス側)に固定されている。また第2右面部分パネル14bは、第1右面部分パネル14aの内面側(X方向マイナス側)に位置する第1右面ヒンジ部材24a(図3参照)を介して第1右面部分パネル14aに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。第3右面部分パネル14cは、第2右面部分パネル14bの外面側(X方向プラス側)に位置する第2右面ヒンジ部材24b(図3参照)を介して第2右面部分パネル14bに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。
組立て状態(図1乃至図5)において、第1右面部分パネル14aと第2右面部分パネル14bと第3右面部分パネル14cとは、いずれも水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図6乃至図9)において、第1右面部分パネル14aは、引き続き水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。これに対して、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、第1右面部分パネル14aに対して内側に向けて折り畳まれる。このとき、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。なお、第1右面部分パネル14a、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、それぞれ外袋30には直接取り付けられていない。
(左面パネル)
左面パネル15は、組立て状態(図1乃至図5)において、右面パネル14及び底面パネル16よりも左側(X方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。
この左面パネル15は、開閉可能かつ折り畳み可能な構造であり、背面パネル13側に位置する第1左面部分パネル15aと、中間に位置する第2左面部分パネル15bと、正面パネル12側に位置する第3左面部分パネル15cとを有している。このうち第1左面部分パネル15aは固定パネルであり、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、可動パネルである。第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c(可動パネル)は、第1左面部分パネル15a(固定パネル)に対して可動かつ第1左面部分パネル15a(固定パネル)に対して折り畳み可能となっている。また、可動パネルは、互いに可動かつ折り畳み可能な複数(2つ)の部分パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)から構成される。なお、左面パネル15の可動パネルが3つ以上の左面部分パネルから構成されても良い。
第1左面部分パネル15aは、背面パネル13の側部(X方向マイナス側)に固定されている。また第2左面部分パネル15bは、第1左面部分パネル15aの内面側(X方向プラス側)に位置する第1左面ヒンジ部材25a(図3参照)を介して第1左面部分パネル15aに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。第3左面部分パネル15cは、第2左面部分パネル15bの外面側(X方向マイナス側)に位置する第2左面ヒンジ部材25b(図3参照)を介して第2左面部分パネル15bに対して回動自在かつ折り畳み自在に取り付けられている。
組立て状態(図1乃至図5)において、第1左面部分パネル15aと第2左面部分パネル15bと第3左面部分パネル15cとは、いずれも水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図6乃至図9)において、第1左面部分パネル15aは、引き続き水平面(XY平面)及び背面パネル13に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。これに対して、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、第1左面部分パネル15aに対して内側に向けて折り畳まれる。このとき、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。なお、第1左面部分パネル15a、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、それぞれ外袋30には直接取り付けられていない。
(底面パネル)
底面パネル16は、組立て状態(図1乃至図5)において、底面側(Z方向マイナス側)に位置するパネルである。また、組立て状態において、底面パネル16は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15に取り囲まれるように配置される。すなわち、底面パネル16の4辺は、それぞれ正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15に接している。底面パネル16は、一枚の板状の部材から構成され、持ち上げることにより開閉可能かつ折り畳み可能な構造を有する。この底面パネル16は、底面ヒンジ部材26a(図4参照)を介して背面パネル13に対して折り畳み自在かつ回動自在に取り付けられている。
底面パネル16は、組立て状態(図1乃至図5)において、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。一方、折り畳み状態(図6乃至図9)において、底面パネル16は、背面パネル13の内側(Y方向マイナス側)に重なるように折り畳まれ、背面パネル13と第2右面部分パネル14b及び第2左面部分パネル15bとの間に位置する。すなわち折り畳み状態において、底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(XZ平面)に対して平行に配置される。なお、底面パネル16は、外袋30には直接取り付けられていない。
なお、上述した天面ヒンジ部材21a、第1右面ヒンジ部材24a、第2右面ヒンジ部材24b、第1左面ヒンジ部材25a、第2左面ヒンジ部材25b及び底面ヒンジ部材26aは、それぞれ例えば折曲自在な接続布等の接続部材から構成されても良い。このように、各ヒンジ部材21a、24a、24b、25a、25b、26aを接続布から構成することにより、各パネル(部分パネル)を容易に組立てたり折り畳んだりすることができる。
図6乃至図9は、上述したように、パネル11〜16が折り畳み状態にある場合を示している。図6乃至図9に示すように、折り畳み状態において、各パネル11〜16がそれぞれ折り畳まれて、組立て状態(図1乃至図5)よりも前後方向(Y方向)に全体の厚みが薄くなるように構成されている。なお、図6乃至図9において、背面パネル13が水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される場合を例として示している。しかしながらこれに限らず、背面パネル13が例えば水平面(XY平面)上に位置していても良い。
図6乃至図9に示すように、折り畳み状態において、背面側(Y方向プラス側)から順に、天面パネル11と、背面パネル13と、底面パネル16、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15aと、第2右面部分パネル14b及び第2左面部分パネル15bと、第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12bとが重なっている。この場合、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15aは、背面パネル13に固定されている。底面パネル16は、第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容されている。
各パネル11〜16の厚みは、20mm以下60mm以下とすることが好ましく、30mm以下50mm以下とすることがより好ましい。各パネル11〜16の厚みを上記範囲内とすることで、各パネル11〜16にある程度の剛性を付与することができ、断熱容器10の組立て時の作業性を良好にすることができる。本実施の形態において、各パネル11〜16の厚みが互いに同一であるが、各パネル11〜16の厚みが互いに異なっていても良い。
ところで図3に示すように、断熱容器10の幅(X方向長さ)L1は、550mm以上1100mm以下とすることが好ましく、700mm以上850mm以下とすることがより好ましい。背面パネル13及び底面パネル16の幅(X方向長さ)L2は、500mm以上1000mm以下とすることが好ましく、600mm以上750mm以下とすることがより好ましい。また、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)の幅(Y方向長さ)L3は、25mm以上70mm以下とすることが好ましく、30mm以上60mm以下とすることがより好ましい。第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)の幅(Y方向長さ)L4は、120mm以上350mm以下とすることが好ましく、180mm以上300mm以下とすることがより好ましい。第3右面部分パネル14c(第3左面部分パネル15c)の幅(Y方向長さ)L5は、120mm以上350mm以下とすることが好ましく、180mm以上300mm以下とすることがより好ましい。なお、第3右面部分パネル14c(第3左面部分パネル15c)の幅L5は、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)の幅L4と同一とすることが好ましい(L4=L5)。
また、第1右面部分パネル14a(第1左面部分パネル15a)の幅(Y方向長さ)L3から背面パネル13の厚みを引いた長さL8は、底面パネル16の厚み(Z方向長さ)T1(図4参照)以上とすることが好ましい(L8≧T1)。これにより、折り畳み状態において、底面パネル16を第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容しやすくすることができる。
さらに、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7(=L4+L5)は、底面パネル16の幅(X方向長さ)L2の半分以下であることが好ましい(L4+L5=L7≦L2/2)。これにより、右面パネル14及び左面パネル15を折り畳む際に、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とが互いに干渉することが抑えられる。この結果、断熱容器10をより小さく折り畳むことができるとともに、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cと、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cとに傷等が発生することを抑えることができる。
さらにまた、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7(=L4+L5)は、底面パネル16の幅(X方向長さ)L2の1/3超であることが好ましい(L4+L5=L7>L2/3)。これにより、右面パネル14及び左面パネル15を折り畳む際に、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とのうち、一方の可動パネルのみが折り畳まれ、他方の可動パネルが折り畳まれない状態となることを抑制することができる。これにより、断熱容器10を折り畳んだ後、右面パネル14側と左面パネル15側とで厚みの違いが生じることを抑えることができる。
なお、上記を合わせて、可動パネルの幅、すなわち第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)の合計幅L7は、底面パネル16の幅L2の1/3超かつ1/2以下となることがより好ましい(L2/3<L4+L5=L7≦L2/2)。
また図4に示すように、組立て状態において、右面パネル14(左面パネル15)の高さ(Z方向長さ)H1は、500mm以上1200mm以下とすることが好ましく、700mm以上1000mm以下とすることがより好ましい。さらに、断熱容器10の全高(Z方向長さ)H2は、600mm以上1300mm以下とすることが好ましく、800mm以上1100mm以下とすることがさらに好ましい。本実施の形態によれば、右面パネル14の可動パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c)と、左面パネル15の可動パネル(第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)とが折り畳み可能となっている。このため、断熱容器10を組立てる際、右面パネル14の可動パネルと左面パネル15の可動パネルとを外側から引っ張ることにより、右面パネル14及び左面パネル15をそれぞれ拡げることができる。これにより、断熱容器10の全高H2が人の手の長さを超える高さ(例えば600mm以上)であっても、断熱容器10の上方から手を入れる必要がない。また、断熱容器10を組立てる際、右面パネル14及び左面パネル15のとりわけ底面側を、底面パネル16に対して垂直にしやすい。
また、底面パネル16の奥行き(Y方向長さ)L6(図3参照)は、右面パネル14及び左面パネル15の高さ(Z方向長さ)H1(図4参照)以下であることが好ましい(L6≦H1)。これにより、折り畳み状態において、底面パネル16が右面パネル14(左面パネル15)の上端から飛び出すことがなく、各パネル11〜16を収容しやすくすることができる。
なお、各パネル11〜16の「高さ」とは、各パネル11〜16の、底面パネル16から天面パネル11に向かう方向の長さをいう。各パネル11〜16の「幅」とは、各パネル11〜16の主たる面に平行かつ各パネル11〜16の高さ方向に垂直な方向の長さをいう。各パネル11〜16の「厚さ」とは、各パネル11〜16の主たる面に垂直な方向の長さをいう。
(パネルの内部構造)
次に、各パネル11〜16の構造についてさらに説明する。
各パネル11〜16は、上述したように断熱性をもつ断熱パネルから構成されている。このような断熱パネルに用いられる断熱材は、所望の断熱性を発揮するものであればよく、例えば、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボード等の繊維系断熱材、羊毛、炭化コルク等の天然素材系断熱材、押出法発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン等のポリエチレン発泡体、硬質ウレタンフォーム等のポリウレタン発泡体、高発泡ポリエチレン等のポリエチレン発泡体、フェノールフォーム等の発泡断熱材、真空断熱材等を挙げることができる。
断熱材としては、プラダン(中空構造)、ポリプロピレン製プラパール(川上産業株式会社による登録商標)、ポリエチレン製ツインコーン(宇部エクシモ株式会社による登録商標)を用いてもよい。この場合、ポリプロピレンやポリエチレンからなる中空構造のプラダンを用いることができる。
真空断熱材としては、芯材と外装材とを有するものを用いても良い。芯材としては、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体を使用してもよい。外装材は、芯材の外周を覆う部材であり、芯材から熱溶着層、ガスバリア層が順に積層された可撓性を有するシートを使用してもよい。ガスバリア層は、金属箔、樹脂シートの片面に蒸着層が形成された蒸着シート等を使用してもよい。金属箔は、例えばアルミニウムを使用することができる。蒸着層は、例えば、アルミニウム、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物を使用することができる。また、発泡断熱材を真空断熱材の少なくとも収容空間20側に隣接して配置することができる。さらに、真空断熱材を取り囲むように断熱外囲部を形成しても良い。
また、パネル11〜16は、電波透過性の非金属部材で構成されても良い。この場合、断熱容器10の内部にICタグを配置したとき、断熱容器10の外部から読取装置によって非接触通信を介してICタグの情報を読み取ることが可能となる。
(外袋の構成)
図1に示すように、各パネル11〜16は、断熱性を有する外袋30によって外面全体が覆われている。
この外袋30は、天面カバー31と、第1正面カバー32aと、第2正面カバー32bと、背面カバー33と、右面カバー34と、左面カバー35と、底面カバー36とを有している。このうち天面カバー31は、天面パネル11に取り付けられている。また、第1正面カバー32a及び第2正面カバー32bは、それぞれ第1正面部分パネル12a及び第2正面部分パネル12bに取り付けられている。なお、第1正面カバー32aと第2正面カバー32bとは面ファスナー等を有する着脱具42、43によって互いに着脱可能となっていても良い。さらに、背面カバー33は、背面パネル13に取り付けられている。なお、右面カバー34、左面カバー35及び底面カバー36は、それぞれ右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16に直接取り付けられていない。
図1乃至図5に示す組立て状態において、天面カバー31は天面パネル11を覆い、第1正面カバー32aは第1正面部分パネル12aを覆い、第2正面カバー32bは第2正面部分パネル12bを覆う。また、背面カバー33は背面パネル13を覆い、右面カバー34は右面パネル14を覆う。さらに、左面カバー35は左面パネル15を覆い、底面カバー36は底面パネル16を覆う。このように、組立て状態において、断熱容器10は、その全体が断熱性を有する外袋30によって覆われているので、収容空間20への伝熱をさらに抑制することができる。
図10及び図11は、組立て状態における外袋30の外観を示す斜視図である。図10及び図11に示すように、天面カバー31は、面ファスナー等を有する天面フラップ44を有している。天面フラップ44は、第1正面カバー32a及び第2正面カバー32bに設けられた面ファスナー等の正面側着脱部45に着脱自在に取り付けられる。これにより、天面カバー31が第1正面カバー32a及び第2正面カバー32bに着脱自在に取り付けられている。また、右面カバー34及び左面カバー35は、それぞれ面ファスナー等を有する右面フラップ46及び左面フラップ47を有している。右面フラップ46及び左面フラップ47は、それぞれ天面カバー31に設けられた面ファスナー等の第1天面着脱部48及び第2天面着脱部49に着脱自在に取り付けられる。これにより、右面カバー34及び左面カバー35が、それぞれ天面カバー31に着脱自在に取り付けられている。
右面カバー34及び左面カバー35には、それぞれ把手38が設けられている。把手38は、それぞれ布等の柔軟な材料によって作製された帯状の細長い部材からなる。また把手38は、右面カバー34及び左面カバー35にそれぞれしっかりと固定されている。
次に、図12を参照して、把手38の取り付け位置について説明する。図12は、組立て状態における外袋30を示す右側面図である。
図12に示すように、組立て状態において、一対の把手38は、それぞれ右面パネル14の第1中心線CL1に対して背面側(Y方向プラス側)にずれた位置に取り付けられている。把手38は、第1取付部38aと、第2取付部38bと、第1取付部38aと第2取付部38bとの間に位置する把持部38cとを有している。把手38は、第1取付部38a及び第2取付部38bによって右面カバー34に取り付けられている。この場合、第1取付部38aは正面側(Y方向マイナス側)に位置し、第2取付部38bは背面側(Y方向プラス側)に位置する。把手38の取り付け方法としては、右面カバー34に縫い付けても良く、あるいは右面カバー34に接着剤等で固定しても良い。把持部38cは、ユーザーが断熱容器10を持ち運ぶ際に把持する部分であり、右面カバー34から離間している。
本実施の形態において、上述したように、把手38は、組立て状態において右面パネル14の第1中心線CL1に対して背面側(Y方向プラス側)にずれた位置に取り付けられている。ここで、右面パネル14の第1中心線CL1とは、組立て状態において、鉛直方向(底面カバー36の法線方向、Z方向)に延びるとともに、右面パネル14の幅方向(Y方向)の中心にある直線をいう。この場合、把手38は、右面パネル14の第1中心線CL1よりも背面側(Y方向プラス側)に位置する。具体的には、把手38の中間点CP(把手38の長手方向中間に位置する点)が第1中心線CL1よりも背面側(Y方向プラス側)に位置している。また、第1取付部38a及び第2取付部38bの両方が、第1中心線CL1よりも背面側(Y方向プラス側)に位置することが好ましい。
組立て状態での右面パネル14の幅(Y方向の長さ)をL9としたとき、右面パネル14の第1中心線CL1と把手38の中間点CPとの距離L10は、例えば、右面パネル14の幅L9の8%以上45%以下とすることができるが、10%以上40%以下とすることが好ましく、30%以上40%以下とすることがさらに好ましい。また、断熱容器10の最下部からの、把手38の中間点CPの高さH3は、断熱容器10の全高(Z方向長さ)H2の50%以上97%以下とすることが好ましく、60%以上97%以下とすることがさらに好ましい。把手38の中間点CPの位置を上記範囲とすることにより、組立て状態において、把手38を把持した際、断熱容器10のバランスを崩れやすくすることができ、断熱容器10を持ち運びにくくすることができる。このため、組立て状態において、断熱容器10が持ち上げられることを難しくし、内容物の重量によって底面パネル16が脱落することを抑えることができる。
把手38の長手方向の長さ(Y方向の長さ)L11は、50mm以上300mm以下とすることが好ましく、100mm以上200mm以下とすることがさらに好ましい。把手38の短手方向の長さ(Z方向の長さ)L12は、10mm以上100mm以下とすることが好ましく、25mm以上50mm以下とすることがさらに好ましい。把手38の大きさを上記範囲とすることにより、折り畳み状態において、把手38を把持して断熱容器10を持ち運びやすくすることができる。
なお、本実施の形態において、右面カバー34の把手38と左面カバー35の把手38とは、線対称な位置に設けられていることが好ましい。すなわち、右面カバー34の把手38と左面カバー35の把手38とは、右面側(X方向プラス側)から見て互いに重なる位置に設けられている。しかしながら、これに限らず、右面カバー34の把手38と左面カバー35の把手38とが非対称な位置に設けられていても良い。
図6乃至図9に示す折り畳み状態において、天面カバー31は天面パネル11を覆い、第1正面カバー32aは第1正面部分パネル12aを覆い、第2正面カバー32bは第2正面部分パネル12bを覆い、背面カバー33は背面パネル13を覆う。一方、上述したように、右面カバー34、左面カバー35及び底面カバー36は、それぞれ右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16に直接取り付けられていない。したがって、右面カバー34、左面カバー35及び底面カバー36は、それぞれ右面パネル14、左面パネル15及び底面パネル16の周囲で折り畳まれる。
また、右面カバー34及び左面カバー35には、それぞれ面ファスナー等の着脱具37が取り付けられている。この着脱具37によって右面カバー34及び左面カバー35がそれぞれ折り畳まれた状態で着脱可能に固定され、断熱容器10が折り畳み状態に保持される(図6及び図7参照)。さらに、天面カバー31には、面ファスナー等の第3天面着脱部51(図10及び図11参照)が設けられている。第3天面着脱部51は、背面カバー33に設けられた背面着脱部52(図11参照)に着脱自在に取り付けられる。これにより、折り畳み状態において、天面カバー31が背面カバー33に着脱自在に取り付けられる。
また折り畳み状態において、天面カバー31は、天面パネル11と一体となって背面パネル13及び背面カバー33よりも背面側(Y方向プラス側)に着脱自在に取り付けられる(図8参照)。右面カバー34及び左面カバー35は、それぞれその一部が内側に折り畳まれて、正面パネル12と、第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cとの間に挟み込まれる(図6及び図7参照)。また底面カバー36は、その一部が内側に折り畳まれて、正面パネル12と、第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cとの間に挟み込まれる(図8参照)。
図6に示すように、折り畳み状態において、一対の把手38は、それぞれ外袋30の右面カバー34及び左面カバー35から側方に突出する。この折り畳み状態において、把手38は、右面パネル14及び左面パネル15の第2中心線CL2の近傍に位置していることが好ましい。ここで、右面パネル14の第2中心線CL2とは、折り畳み状態において、鉛直方向(Z方向)に延びるとともに、右面パネル14の幅方向(Y方向)の中心にある直線をいう。この場合、把手38の中間点CP(第1取付部38aと第2取付部38bとの中間点)は、第2中心線CL2よりも正面側(Y方向マイナス側)に位置しても良く、背面側(Y方向プラス側)に位置しても良い。また、第1取付部38aが第2中心線CL2よりも正面側(Y方向マイナス側)に位置し、第2取付部38bが第2中心線CL2よりも背面側(Y方向プラス側)に位置することが好ましい。
図6に示すように、折り畳み状態での右面パネル14の幅(Y方向の長さ)をL13としたとき、右面パネル14の第2中心線CL2と把手38の中間点CPとの距離L14は、例えば、右面パネル14の幅L13の0%以上48%以下とすることができるが、0%以上35%以下とすることが好ましく、0%以上25%以下とすることがさらに好ましい。把手38の中間点CPの位置を上記範囲とすることにより、折り畳み状態において、把手38を把持して断熱容器10を持ち運びやすくすることができる。
このように、天面パネル11、第1正面部分パネル12a、第2正面部分パネル12b及び背面パネル13は、それぞれ外袋30に取り付けられている。また、第1右面部分パネル14aは背面パネル13に固定され、第2右面部分パネル14bは第1右面ヒンジ部材24aを介して第1右面部分パネル14aに取り付けられ、第3右面部分パネル14cは第2右面ヒンジ部材24bを介して第2右面部分パネル14bに取り付けられている。また、第1左面部分パネル15aは背面パネル13に固定され、第2左面部分パネル15bは第1左面ヒンジ部材25aを介して第1左面部分パネル15aに取り付けられ、第3左面部分パネル15cは第2左面ヒンジ部材25bを介して第2左面部分パネル15bに取り付けられている。さらに、底面パネル16は、底面ヒンジ部材26aを介して背面パネル13に取り付けられている。このように、パネル11〜16がいずれも直接又は間接的に外袋30に取り付けられているので、パネル11〜16を折り畳んだ際に、各パネル11〜16が他のパネル11〜16から脱落しないようになっている。なお、本実施の形態において、外袋30は右面パネル14及び左面パネル15を覆っていれば良く、必ずしもパネル11〜16の全てを覆っていなくても良い。
この外袋30は、例えば遮熱シートから構成されていても良い。遮熱シートは、電波透過性の非金属部材であり、かつ、可視光線の透過性が十分に低く、赤外線の反射性が十分に高いものであっても良い。外袋30を構成する遮熱シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸又は未延伸フィルム、シート等、又は天然生地、合成樹脂繊維による織物から構成されたシートや不織布等を使用できる。また、これらのうち、2種以上の材料のアロイ、又は、積層をしたものを使用してもよい。これらの各種樹脂フィルム、シートに、必要に応じて、遮光性及び可視光線、赤外線の反射性を付与するため、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム等の非金属製の白色系顔料を用いたインキの印刷、塗付等で着色してもよい。また、遮熱シートのシート面方向に垂直な厚さには特に制約はないが、遮熱シートの柔軟性や耐久性、可視光線、赤外線透過性、反射性等を考慮して、例えば、0.2mm以上、15.0mm以下とすることができる。このように、遮熱シートが電波透過性の非金属部材で構成された場合、断熱容器10の内部にICタグを配置した場合に、断熱容器10の外部から読取装置によって非接触通信を介してICタグの情報を読み取ることが可能となる。
(断熱容器の分解及び組立て)
次に、断熱容器10を分解及び組立てる際の作用について説明する。
(断熱容器の分解)
まず、組立て状態の断熱容器10(図1乃至図5参照)を分解して分解状態の断熱容器10(図6乃至図9参照)とする場合の作用について説明する。
まず、図1乃至図5に示すように6つのパネル11〜16が箱状に組立てられ、断熱容器10が組立て状態となっている場合を想定する。このとき、各パネル11〜16の間には、略直方体形状の収容空間20が形成されている。なお、図示しないが、収容空間20内には、食品等の積載物が収納されていても良い。
次に、天面カバー31の天面フラップ44を正面側着脱部45から剥離し、右面フラップ46及び左面フラップ47をそれぞれ第1天面着脱部48及び第2天面着脱部49から剥離する。
次いで、天面パネル11を背面パネル13に対して回動し、背面パネル13の背面側(Y方向プラス側)に移動する。また、天面カバー31の第3天面着脱部51を背面カバー33の背面着脱部52(図11参照)に取り付ける。このとき天面パネル11は、背面パネル13から垂れ下がるように配置され、背面パネル13に対して平行に配置される。
続いて、底面パネル16を、底面ヒンジ部材26aを介して背面パネル13に対して折り畳む。このとき底面パネル16は、背面パネル13の内側(Y方向マイナス側)に重なるように折り畳まれる。また、この際、底面パネル16は、第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容される。
次いで、右面パネル14の第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cを、それぞれ第1右面ヒンジ部材24a及び第2右面ヒンジ部材24bを介して折り畳む。この際、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、第1右面部分パネル14aに対して内側に向けて折り畳まれる。また、第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。
同様に、左面パネル15の第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cを、それぞれ第1左面ヒンジ部材25a及び第2左面ヒンジ部材25bを介して折り畳む。この際、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、第1左面部分パネル15aに対して内側に向けて折り畳まれる。また、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15cは、折り畳まれた底面パネル16と正面パネル12との間に配置され、それぞれ水平面(XY平面)に対して垂直かつ背面パネル13(ZX平面)に対して平行となる。
上述したように、底面パネル16は、予め第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容されている。したがって、右面パネル14の第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(左面パネル15の第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)を折り畳む際に、折り畳まれた底面パネル16が第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)に干渉するおそれがなく、第2右面部分パネル14b(第2左面部分パネル15b)をスムーズに折り畳むことができる。
その後、正面パネル12を背面パネル13に対してY方向プラス側に平行移動し、正面パネル12を第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cに接近させる。このとき、右面カバー34及び左面カバー35は、それぞれその一部が内側に折り畳まれて、正面パネル12と第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cとの間に挟み込まれる(図7参照)。また底面カバー36は、その一部が内側に折り畳まれて、正面パネル12と第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cとの間に挟み込まれる(図8参照)。
このようにして、断熱容器10の6つのパネル11〜16が、全体として図6乃至図9に示す折り畳み状態となる。最後に、着脱具37によって外袋30の右面カバー34及び左面カバー35をそれぞれ折り畳まれた状態で固定しても良い。以上のように、断熱容器10を使用しない場合には、パネル11〜16を折り畳み、できる限り全体の体積を小さくして保管、輸送することができる。
このように折り畳み状態としたとき、一対の把手38は、正面パネル12と第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cとの間に挟み込まれることなく、それぞれ外袋30の右面カバー34及び左面カバー35から側方に突出する。このため、ユーザーが一対の把手38をそれぞれ把持することにより、折り畳み状態の断熱容器10を持ち運びやすくすることができる。
(断熱容器の組立て)
断熱容器10の組立て方法は、上述した分解方法の逆の順に行うことによってできる。すなわち、まず着脱具37を取り外した後、正面パネル12を背面パネル13に対してY方向マイナス側に平行移動し、正面パネル12を第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cから離間させる。
次に、右面パネル14の第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(左面パネル15の第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)を展開して組立てることにより、それぞれYZ平面に平行に位置させる。このとき、右面カバー34及び左面カバー35は、それぞれ外側に向けて拡げられてYZ平面に略平行となる。また、底面カバー36は、外側に拡げられてXY平面に略平行となる。
続いて、底面パネル16を、水平面(XY平面)側に回動させる。このとき底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して平行となり、かつ正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15に取り囲まれるように配置される。
その後、天面カバー31の第3天面着脱部51を背面カバー33の背面着脱部52から剥離するとともに、天面パネル11を背面パネル13に対して回動し、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15の上方に載置する。このとき天面パネル11は、水平面(XY平面)に平行に配置される。また、天面カバー31の天面フラップ44を正面側着脱部45に取り付け、右面フラップ46及び左面フラップ47をそれぞれ第1天面着脱部48及び第2天面着脱部49に取り付ける。このようにして、断熱容器10の6つのパネル11〜16が、全体として図1乃至図5に示す組立て状態となる。
その後、着脱具42、43を取り外し、正面部分パネル12a、12bを観音開き状に開くことにより、収容空間20に内容物を収容し、正面部分パネル12a、12bを閉鎖する。
ところで、このようにして断熱容器10内に内容物を収容した後、ユーザーが一対の把手38を利用して断熱容器10を持ち運ぼうとすることが考えられる。しかしながら、そのまま断熱容器10を持ち上げてしまうと、内容物の重量によって底面パネル16がパネル11〜14からずれたり、底面パネル16が脱落したりするおそれがある。
これに対して本実施の形態によれば、一対の把手38は、それぞれ右面パネル14及び左面パネル15の第1中心線CL1に対して背面側(Y方向プラス側)にずれた位置に取り付けられている。すなわち、内容物を含む断熱容器10の重心の位置に対して、一対の把手38の位置が大きく離れている。このため、図13に示すように、ユーザーが一対の把手38を把持して断熱容器10を持ち運ぼうとしても、バランスが悪く、断熱容器10が真っ直ぐ持ち運ぶことは実質的に難しい。この結果、断熱容器10が持ち上げられることが抑えられ、底面パネル16がパネル11〜14からずれて収容空間20の断熱性が低下したり、底面パネル16が脱落してパネル11〜16が不用意に分離してしまったりすることを抑えることができる。
一方、断熱容器10が折り畳み状態にある場合、一対の把手38は、それぞれ外袋30の右面カバー34及び左面カバー35から側方に突出する。これにより、ユーザーは把手38を把持して、折り畳み状態の断熱容器10を安定して運搬することができる。
また本実施の形態によれば、複数のパネル11〜16は、箱状に組立てられた組立て状態と、小さく折り畳まれた折り畳み状態とをとることができる。これにより、パネル11〜16を組立て状態にすることにより、パネル11〜16の内部に積載物を収納可能かつ気密性の高い収容空間20を形成することができる。一方、断熱容器10を使用しない場合には、パネル11〜16を折り畳み状態にすることにより、断熱容器10をコンパクトに保管しておくことができる。
また本実施の形態によれば、組立て状態において、底面パネル16は、正面パネル12、背面パネル13、右面パネル14及び左面パネル15(側面パネル12〜15)に取り囲まれるように配置される。これにより、収容空間20の断熱性を高めることができる。また、組立て状態において、側面パネル12〜15が外袋30と底面パネル16の外周とによって挟まれるので、側面パネル12〜15を安定して保持することができる。
また本実施の形態によれば、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15aは、それぞれ背面パネル13に固定されており、折り畳み状態において、底面パネル16は、第1右面部分パネル14aと第1左面部分パネル15aとの間に収容される。これにより、断熱容器10を組立て状態から折り畳み状態に移行する間、側面パネル12〜15よりも先に折り畳まれた底面パネル16が障害となって第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c(可動パネル)や、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c(可動パネル)が折り畳みにくくなることが抑制される。この結果、断熱容器10をスムーズに折り畳むことができるとともに、折り畳み状態の断熱容器10をコンパクトにすることができる。
また本実施の形態によれば、右面パネル14及び左面パネル15の可動パネルは、それぞれ互いに可動かつ折り畳み可能な複数の部分パネル(第2右面部分パネル14b及び第3右面部分パネル14c、第2左面部分パネル15b及び第3左面部分パネル15c)から構成される。これにより、とりわけ断熱容器10の全高H2が高く、人の手の長さを超える高さであっても、断熱容器10を組立て状態にする際、断熱容器10の上方から手を入れる必要がない。この結果、右面パネル14及び左面パネル15のとりわけ底面側を、底面パネル16に対して垂直に配置しやすくすることができる。
また本実施の形態によれば、天面パネル11は、天面ヒンジ部材21aを介して背面パネル13に対して折り畳み自在に取り付けられている。これにより、断熱容器10を折り畳む際、天面パネル11を背面パネル13の外側に回り込ませることにより、天面パネル11が他のパネル12〜16を折り畳む際の妨げにならない。
また本実施の形態によれば、各パネル11〜16は、それぞれ剛性をもつ板状の部材である。これにより、各パネル11〜16が柔軟に変形することがないため、組立て状態で断熱容器10が直方体状となり、収容空間20を確実に形成することができる。
また本実施の形態によれば、各パネル11〜16は、外袋30によって覆われている。これにより、収容空間20の気密性をより高めることができ、断熱容器10の断熱性が低下することを抑えることができる。
また本実施の形態によれば、複数のパネル11〜16は、天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、右面パネル14と、左面パネル15と、底面パネル16とを有する。これにより、パネル11〜16によって収容空間20が全方向から覆われるので、収容空間20内の積載物を全方向から保護することができる。
また本実施の形態によれば、正面パネル12は、折り畳み自在な複数の正面部分パネル12a、12bを含み、観音開き状に開閉可能である。これにより、正面部分パネル12a、12bを折り畳むことにより、断熱容器10の正面側が開放され、積載物を収容空間20から取り出したり収容空間20に収容したりすることが容易となる。
なお、本実施の形態において、底面パネル16は、背面パネル13に対して折り畳み可能であり、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15a(固定パネル)はそれぞれ、背面パネル13に対して固定される場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、底面パネル16は、正面パネル12に対して折り畳み可能であり、第1右面部分パネル14a及び第1左面部分パネル15a(固定パネル)は、それぞれ正面パネル12に対して固定されてもよい。この場合、右面パネル14が第1側面パネルに対応し、左面パネル15が第2側面パネルに対応し、正面パネル12が第3側面パネルに対応し、背面パネル13が第4側面パネルに対応しても良い。あるいは、左面パネル15が第1側面パネルに対応し、右面パネル14が第2側面パネルに対応し、正面パネル12が第3側面パネルに対応し、背面パネル13が第4側面パネルに対応しても良い。
また本実施の形態において、一対の把手38は、それぞれ右面パネル14及び左面パネル15の第1中心線CL1に対して背面側(Y方向プラス側)にずれている場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、各パネル11〜16の構成によっては、一対の把手38は、それぞれ右面パネル14及び左面パネル15の第1中心線CL1に対して前面側(Y方向マイナス側)にずれていても良い。
(変形例)
次に、図14及び図15を参照して、本実施の形態の各種変形例について説明する。図14及び図15は、それぞれ変形例による断熱容器を示す図である。図14及び図15において、図1乃至図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、正面パネル12の内面(収容空間20側)に、底面パネル16の気密を確保可能な上限位置を示す目印線55を設けても良い。目印線55は、正面パネル12の幅方向(X方向)に平行に延びている。この目印線55は、折り畳まれていた底面パネル16を下方(Z方向マイナス側)に向けて押し下げていく際、底面パネル16と正面パネル12とが接触し始める位置に設けられている。目印線55は、底面パネル16を完全に押し下げたとき(底面カバー36と接触する位置、図14の二点鎖線)の、底面パネル16の上面よりも上方に位置する。具体的には、目印線55は、完全に押し下げた底面パネル16の上面よりも距離H4だけ上方(Z方向プラス側)に位置しており、距離H4は、底面パネル16の厚みT1の1倍以上2倍以下とすることが好ましい。
断熱容器10を組立てる際、第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bとが閉じられた状態で、底面パネル16を下方(Z方向マイナス側)に押し下げていく場合がある。このとき、底面パネル16と底面カバー36と正面パネル12との間の空間Sに空気が滞留し、底面パネル16を底面カバー36に接触するまで完全に押し下げることが難しい場合がある。この場合においても、底面パネル16が目印線55より下方(Z方向マイナス側)に位置していれば、底面パネル16の気密を確保されていることを目視で確認することができる。これにより、収容空間20の断熱性が低下することを抑制することができる。
図15に示すように、底面カバー36には、縫い目(ステッチ)56、57が形成されていても良い。縫い目56、57は、幅方向(X方向)に平行に延びる第1縫い目部分56と、第1縫い目部分56から斜めに延びる第2縫い目部分57とを含む。このように底面カバー36に縫い目56、57を形成することにより、断熱容器10を折り畳む際、底面カバー36が縫い目56、57に沿って容易に折り畳まれ、正面パネル12と、第3右面部分パネル14c及び第3左面部分パネル15cとの間に挟まれやすくすることができる(図8参照)。なお、第1縫い目部分56と第2縫い目部分57とに取り囲まれる三角形の領域A1に板状の部材を収容し、底面カバー36が縫い目56、57に沿ってより容易に折り畳まれるようにしても良い。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 断熱容器
11 天面パネル
12 正面パネル
13 背面パネル
14 右面パネル
15 左面パネル
16 底面パネル
30 外袋
31 天面カバー
32a 第1正面カバー
32b 第2正面カバー
33 背面カバー
34 右面カバー
35 左面カバー
36 底面カバー
38 把手

Claims (10)

  1. 組立て及び折り畳みが可能な断熱容器であって、
    天面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルと、第3側面パネルと、第4側面パネルと、底面パネルと、少なくとも前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルを覆う外袋と、を備え、
    前記断熱容器を組立てた組立て状態において、前記第1側面パネルと前記第2側面パネルとが互いに対向し、前記第3側面パネルと前記第4側面パネルとが互いに対向し、
    前記外袋のうち、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルを覆う部分に、それぞれ把手が設けられ、
    前記断熱容器を折り畳んだ折り畳み状態において、前記把手は、それぞれ前記外袋から側方に突出し、
    前記組立て状態において、前記把手は、それぞれ前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線に対して前記第3側面パネル側にずれて配置されている、断熱容器。
  2. 各把手は、それぞれ第1取付部及び第2取付部において前記外袋に取り付けられ、前記第1取付部及び前記第2取付部の両方が、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線に対して前記第3側面パネル側にずれて配置されている、請求項1に記載の断熱容器。
  3. 前記組立て状態において、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線と前記把手の中間点との距離は、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの幅の10%以上40%以下である、請求項1又は2に記載の断熱容器。
  4. 前記折り畳み状態において、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの中心線と前記把手の中間点との距離は、前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルの幅の0%以上35%以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の断熱容器。
  5. 前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルはそれぞれ、前記第3側面パネルに対して固定される固定パネルと、前記固定パネルに対して可動な可動パネルと、を含み、
    前記折り畳み状態において、前記底面パネルは、前記第1側面パネルの前記固定パネルと前記第2側面パネルの前記固定パネルとの間に収容される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の断熱容器。
  6. 前記第4側面パネルは、観音開き状に開閉可能である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の断熱容器。
  7. 全高が、600mm以上1300mm以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の断熱容器。
  8. 前記天面パネル、前記第1側面パネル、前記第2側面パネル、前記第3側面パネル、前記第4側面パネル及び前記底面パネルは、それぞれ剛性をもつ板状の部材である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の断熱容器。
  9. 前記底面パネルは、前記第3側面パネルに対して折り畳み可能である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の断熱容器。
  10. 前記第4側面パネルの内面に、前記底面パネルの気密を確保可能な上限位置を示す目印線が設けられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の断熱容器。
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