JP2021160181A - 加飾用積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易なプロセスで被着部材を加飾することができ、光沢感と、深い奥行感を付与することができる加飾用積層フィルムを提供する。
【解決手段】第一の粘着剤層、透明無機層、中間層及び光拡散層をこの順に備える加飾用積層フィルムであって、前記加飾用積層フィルムの前記粘着剤層側の面をガラス板に貼り合わせ、波長360〜780nmの可視光線を前記ガラス板越しに前記加飾用積層フィルムに照射して測定した反射率における、正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率が15%以上である加飾用積層フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は加飾用積層フィルムに関する。
近年、スマートフォン等モバイル機器,PC機器,家電製品等の加飾部材として、様々な白色の加飾部材が市場より求められている。白色の加飾部材を得る手法としては,酸化チタン・酸化亜鉛等の白色顔料を含んだインク塗料を部材に直接印刷するといった手法や、白色顔料を含む加飾用積層フィルムを粘着剤を介して、部材に貼り合わせるといった製法が採用されてきた。
また、従来のガラスを基盤としたバッチ式製法から、粘着剤付きフィルムをロールとして提供し、生産性を高める手法が検討されている。
そして、このような加飾用積層フィルムは、印刷等により更に加飾することができ、部材に貼り合わせることができる等、簡易なプロセスで加飾が可能なため生産性に優れることから、より幅広い分野での応用も期待される。
例えば、特許文献1においては、白色度の高い着色領域を有し、かつ、簡易な作業で短時間に製造可能な、ガラス板と、酸化チタンを含有する白色の樹脂フィルムとを粘着層を介して固着したカバーガラスが開示されている。
特開2015−145974号公報
このような樹脂フィルム等の加飾用積層フィルムは、ガラス等の被着部材の内側に用いると傷つきにくい。さらに、被着部材が外側に位置することとなるため、被着部材の質感を製品にそのまま活かすことができる。
しかしながら、一般的に、酸化チタンや酸化亜鉛等の白色顔料を加飾用積層フィルムに用いた場合、得られる製品は非常に強い散乱を持ち、全体に平坦な印象を受け、光沢感・奥行感に欠ける、また長時間視認することで目に強い疲労を覚えるといった課題があった。
本願発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡易なプロセスで被着部材を加飾することができ、さらに、光沢感と、深い奥行感を付与し得る加飾用積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、波長360〜780nmの可視光線をガラス板越しに加飾用積層フィルムに照射して測定した反射率における、正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率(正反射光のY値/拡散反射光のY値)を15%以上とすることにより、光沢感と、深い奥行感を付与し得る加飾用積層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
第一の粘着剤層、透明無機層、中間層及び光拡散層をこの順に備える加飾用積層フィルムであって、
前記加飾用積層フィルムの前記第一の粘着剤層側の面をガラス板に貼り合わせ、波長360〜780nmの可視光線を前記ガラス板越しに前記加飾用積層フィルムに照射して測定した反射率における、正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率が15%以上である加飾用積層フィルム。
〔2〕
透明無機層の表面の算術平均粗さが150nm以下である〔1〕に記載の加飾用積層フィルム。
〔3〕
前記中間層が、透明樹脂を含む層を備える〔1〕又は〔2〕に記載の加飾用積層フィルム。
〔4〕
前記中間層が、前記透明無機層側より基材フィルム、及び第二の粘着剤層をこの順に備える〔1〕又は〔2〕に記載の加飾用積層フィルム。
〔5〕
前記中間層が、前記透明無機層側より透明樹脂層、基材フィルム、及び第二の粘着剤層をこの順に備える〔1〕又は〔2〕に記載の加飾用積層フィルム。
〔6〕
前記透明無機層が、NbO、SiN、及びTiOより選択される少なくとも一種を含む〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の加飾用積層フィルム。
〔7〕
前記光拡散層が酸化亜鉛粒子、又は酸化チタン粒子を含む〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の加飾用積層フィルム。
本発明の加飾用積層フィルムは、簡易なプロセスで被着部材を加飾することができ、光沢感と、深い奥行感を付与することができる。
図1は、本発明の一実施形態による加飾用積層フィルムの概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態による加飾用積層フィルムの概略断面図である。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態について詳述する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
[加飾用積層フィルム]
図1に、本発明の一実施形態による加飾用積層フィルムの概略断面図を示す。本実施形態の加飾用積層フィルム1は、第一の粘着剤層15、透明無機層14、中間層13及び光拡散層12をこの順に備える加飾用積層フィルムであって、前記加飾用積層フィルムの前記第一の粘着剤層側の面をガラス板に貼り合わせ、波長360〜780nmの可視光線を前記ガラス板越しに前記加飾用積層フィルムに照射して測定した反射率における、正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率が15%以上である。
正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率(Y値比率)を15%以上とすることにより、光沢感と、深い奥行感を付与し得る加飾用積層フィルムが得られる。
本発明の実施形態において、正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率(Y値比率)は、17%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることがさらに好ましい。また、正反射成分が大きすぎると拡散反射成分の光学効果が弱まるためY値比率は60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。
Y値比率が15%未満であると、光沢感や奥行感といった視覚効果を得ることが困難となる。
正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率は下記の式により算出したものである。
Y値比率(%)=(正反射光のY値/拡散反射光のY値)×100
本発明の実施形態にかかる加飾用積層フィルム1における、SCI(正反射光含む)、SCE(正反射光除去)、及び正反射光の、Y値及びCIE−L表色系におけるa値、b値及びL値は、上記のとおり波長360〜780nmの可視光線をガラス板越しに加飾用積層フィルムに照射し、測定することができる。
CIE−L表色系は、CIE(国際照明委員会)が1976年に推奨した表色系で、Lは明度を表わし、0から100までで数値が大きいほど明るくなる。色度はa、bで表わし、aは色調の赤から緑の度合いを示す指数であり、aの値がプラス方向に大きいと赤色の色調になる。さらに、bは色調の黄から青の度合いを示す指数である。a、bともに0の場合には無彩色となる。
色調にかかわるa、bに関しては用途に応じて任意に設計することが可能であるが、a、b値ともに0±10の範囲に収めた場合には、比較的ニュートラルな色調のデザインを得ることができる。
本発明の実施形態にかかる加飾用積層フィルム1において、Y値及びCIE−L表色系におけるa値、b値及びL値は、加飾用積層フィルムを構成する層の構成、組成、透明無機層の屈折率,膜厚等により調整することができる。
<第一の粘着剤層>
本発明の実施形態にかかる加飾用積層フィルム1は、第一の粘着剤層15を備えることにより、簡易なプロセスで被着部材を加飾することができる。例えば、加飾用積層フィルム1が、第一の粘着剤層15により透明な被着部材の内側(視認される側の反対側)に貼付されて用いられることで、被着部材を内側から装飾できる。
第一の粘着剤層15は、粘着剤から形成することができる。
第一の粘着剤層15を形成する粘着剤は透明粘着剤であることが好ましく、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、及びポリエーテル系粘着剤のいずれかを単独で、或いは、2種類以上を組み合わせて使用することができる。透明性、加工性及び耐久性などの観点から、アクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
第一の粘着剤層15は、被着部材に貼付される際まで剥離ライナーにより保護されていることが好ましい。
第一の粘着剤層15を形成する粘着剤は、ベースポリマーを含有する第一の粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」と称する場合がある)により形成されることが好ましい。ベースポリマーとしては、粘着剤に用いられる公知のポリマーを用いることが可能である。ここで、ベースポリマーとは、粘着剤組成物に含まれるポリマーの主成分をいう。また、この明細書において「主成分」とは、特記しない場合、50質量%を超えて含まれる成分を指す。
(第一の粘着剤組成物)
第一の粘着剤組成物は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが好ましい。なお、(メタ)アクリレートはアクリレート及び/又はメタクリレートをいう。
本発明の実施形態における(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキル及び水酸基含有モノマーをモノマー単位として含有する水酸基含有(メタ)アクリル系ポリマーであることが好ましい。水酸基を導入する手法は特に制限されないが、例えば、水酸基含有モノマーを共重合する手法が容易に行うことができる。
なお、本発明の実施形態における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー及び/又はメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートはアクリレート及び/又はメタクリレートをいい、また(メタ)アクリル酸アルキルはアクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルをいう。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどをなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記水酸基含有モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、2〜6質量部であることがより好ましい。水酸基含有モノマーを共重合することにより、架橋などによる反応点が付与された水酸基含有(メタ)アクリル系ポリマーとすることとなる。
本発明の実施形態に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が30万〜250万程度であることが望ましい。重量平均分子量が30万より小さい場合は、粘着剤組成物の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。重量平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以下(通常−100℃以上)、好ましくは−10℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくくなる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
また、前記モノマー以外のその他の重合性モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーにおいて用いられるその他の重合性モノマーとしては、例えば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの接着力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。これらのモノマー化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステルなどが挙げられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明の実施形態において、その他の重合性モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、0〜300質量部であることが好ましく、0〜150質量部であることがより好ましい。
なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、UV重合などの公知の重合法を採用できる。また、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など何れでもよい。
本発明の実施形態において、架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。イソシアネート系架橋剤は密着性及び凝集性を付与するため用いられる。
イソシアネート系架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物が用いられ、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する種々の化合物が含まれる。
イソシアネート化合物としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などが挙げられる。なかでも、イソシアヌレート環を有するものが特に好ましく、例えば、長鎖アルキレンジオール変性のイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノックDN−995)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などが挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施形態に用いられる架橋剤の含有量は、粘着物性に影響を及ぼさない程度で配合すればよいが、通常(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、0.2〜10質量部含有され、0.5〜8質量部含有されていることが好ましく、1〜6質量部含有されていることがより好ましい。
なお、アクリル系粘着剤には、前記例示した以外の架橋剤(ポリアミン化合物、メラミン樹脂、アジリジン誘導体、尿素樹脂)、粘着付与剤、可塑剤、シランカップリング剤、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機又は有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物など等を適宜に使用することもできる。これらの成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
(第一の粘着剤層の形成方法)
第一の粘着剤層は、例えば、前記第一の粘着剤組成物を透明無機層上に塗布し、溶剤等を乾燥除去することにより形成することもできる。第一の粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に一種以上の溶剤を加えてもよい。
また、前記第一の粘着剤層は、例えば、透明無機層と、前記第一の粘着剤組成物により保護フィルム上に形成した粘着剤層と保護フィルムとの積層体の粘着剤層側の面とを貼り合せることにより形成することもできる。
第一の粘着剤層の厚みは、1〜300μmであることが好ましく、2〜250μmであることがより好ましく、3〜250μmであることがさらに好ましく、5〜200μmであることがよりさらに好ましい。
第一の粘着剤層の厚さは、ダイヤルゲージにより測定することができる。
第一の粘着剤組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
前記加熱乾燥温度は、30℃〜200℃程度が好ましく、40℃〜180℃がより好ましく、80℃〜160℃がさらに好ましい。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する第一の粘着剤層を得ることができる。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、5秒〜20分程度が好ましく、30秒〜10分がより好ましく、1分〜8分がさらに好ましい。
前記粘着剤組成物が、活性エネルギー線硬化型粘着剤の場合には、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより第一の粘着剤層を形成することができる。紫外線照射には、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルライトランプ等を用いることができる。
<透明無機層>
本発明の実施形態に係る加飾用積層フィルム1は、中間層13と第一の粘着剤層15との間に透明無機層14を備える。
本発明の実施形態に係る加飾用積層フィルム1は、透明無機層14を備えることにより第一の粘着剤層15との界面にて高い正反射光を生じることとなり、Y値比率を制御しやすくなる。
透明無機層14は、金属酸化物及び/又は金属窒化物からなる層であることが好ましい。なお、ここでいう金属酸化物、金属窒化物に含有される金属元素には、Si等の半金属元素が包含される。また、金属酸化物及び/又は金属窒化物には、金属酸窒化物が包含される。また、金属酸化物は、単独の金属元素の酸化物(単独酸化物)であってもよく、複数の金属元素の酸化物(複合酸化物)であってもよい。同様に、金属窒化物は、単独の金属元素の窒化物(単独窒化物)であってもよく、複数の金属元素の窒化物(複合窒化物)であってもよい。
金属元素としては、例えば、Ce、Nb、Si、Sb、Ti、Ta、Zr、Znなどが挙げられる。
透明無機層14の材料として、より具体的には、例えば、CeO(2.30)、NbO(2.33)、Nd(2.15)、Nb(2.20)、SiN(2.03)、Sb(2.10)、TiO(2.35)、Ta(2.10)、ZrO(2.05)、ZnO(2.10)、ZnS(2.30)などが挙げられる(上記各材料の括弧内の数値は屈折率である)。
特に、透明無機層14は、Nb、Si、Tiより選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、例えばNbO、SiN、TiOより選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
透明無機層14の厚みは、10nm〜1000nmであることが好ましい。コストの観点から、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが更に好ましい。また、色味の観点から、15nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましい。
透明無機層14の厚みは、例えば、表面に垂直方向(厚み方向)の断面を露出させたうえ、透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
透明無機層14の屈折率は1.9以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。また、厚み制御性の観点から、透明無機層14の屈折率は3.5以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。
また、透明無機層14は屈折率の異なる層の積層体であってもよい。
透明無機層14の屈折率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
透明無機層14において、厚みと550nmにおける屈折率との積からなる光路長は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましく、120nm以上であることがさらに好ましい。また、高正反射Y値の観点から225nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、180nm以下であることがさらに好ましい。
光路長を50nm以上225nm以下とすることで,反射スペクトルのピーク位置が可視光領域内に含まれることとなり,高い正反射Y値を得ることができる。
透明無機層14の表面の算術平均粗さは、150nm以下であることが好ましく、90nm以下であることがより好ましい。また、透明無機層14の表面の算術平均粗さは、5nm以上であることが好ましく、8nm以上であることがより好ましい。
透明無機層14の表面の算術平均粗さを150nm以下とすることで、透明無機層14表面での散乱の抑制が可能となり、正反射成分を効率よく取り出し,視覚的な奥行感の効果が得られる。また、透明無機層14の表面の算術平均粗さを90nm以下とすることでより顕著に視覚的奥行感のある効果を得られる。
透明無機層14の表面の算術平均粗さは、光学干渉原理を利用した三次元形状測定器等の測定機器により測定することができ、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、加飾用積層フィルム1は透明無機層14を複数層備えてもよい。例えば、中間層13と光拡散層12との間にも透明無機層14を備えてもよい。
酸化物によっては,酸化ニオブのように,粘着剤と積層された状態で紫外光を受けると還元される物質もあり,還元作用を防ぐために,保護層として酸化珪素の層を積層していても良い。
<中間層>
本発明の実施形態に係る加飾用積層フィルム1は、透明無機層14と光拡散層12との間に中間層13を備える。
本発明の実施形態に係る加飾用積層フィルム1は、中間層13を備えることにより効率的に正反射成分を得ることが可能となる。
中間層は、透明樹脂を含む層を備えることが好ましい。透明樹脂を含む層としては、例えば、基材フィルム、及び第二の粘着剤層が挙げられる。
中間層は、図2に示すように前記透明無機層14側より基材フィルム13b、及び第二の粘着剤層13aをこの順に備えていてもよい。
本発明の実施形態に係る中間層13は、第二の粘着剤層を備えることにより基材フィルムと光拡散層の間に空気界面がなくなり、光学的な損失や意図しない反射効果を抑制することが可能となる。
(基材フィルム)
基材フィルム13bには、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、ポリウレタン、アクリル(PMMA)、ABSなどの単独重合体や共重合体からなるフィルムを用いることができる。これらの部材によれば、透明で光学吸収は少なく、視覚効果に影響を与えることもない。但し、後に基材フィルム13b上に種々の層を形成するため、蒸着やスパッタ等の高温に耐え得るものであることが好ましく、従って、上記材料の中でも、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ABS、ポリプロピレン、ポリウレタンが好ましい。なかでも、耐熱性とコストとのバランスがよいことからポリエチレンテレフタレートやシクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリルが好ましい。基材フィルム13bは、単層フィルムでもよいし積層フィルムでもよい。加工のし易さ等から、厚さは、例えば、6μm〜250μm程度が好ましい。また、基材フィルム13b上に形成される層との付着力を強くするために、プラズマ処理や易接着処理などが施されてもよい。
基材フィルム13bには、必要に応じて平滑性、或いは防眩性ハードコート層等のハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層が設けられることにより、擦傷性を向上させる事ができる。
ハードコート層は、ハードコート組成物から形成することができる。より具体的には、硬化性樹脂を含有する溶液をハードコート組成物として基材フィルム13bに塗布する事により形成できる。
硬化性樹脂としては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂の種類としてはポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、アミド系、シリコーン系、シリケート系、エポキシ系、メラミン系、オキセタン系、アクリルウレタン系等の各種の樹脂が挙げられる。これら硬化性樹脂は、一種又は二種以上を、適宜選択して使用できる。これらの中でも、硬度が高く、紫外線硬化が可能で生産性に優れることから、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、及びエポキシ系樹脂が好ましい。
ハードコート層の厚みは、例えば、0.5μm以上、好ましくは、1.0μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、7.0μm以下、より好ましくは、5.0μm以下である。ハードコート層の厚みは、例えば、膜厚計(デジタルダイアルゲージ)を用いて測定することができる。
(第二の粘着剤層)
第二の粘着剤層はベースポリマーを含有する第二の粘着剤組成物により形成されることが好ましい。
中間層13が第二の粘着剤層13aを含む場合、第二の粘着剤層13aは、第一の粘着剤層と同様の方法により形成することができる。
また、前記第二の粘着剤層13aは、例えば、第二の粘着剤組成物を中間層13又は光拡散層12上に塗布し、溶剤等を乾燥除去することにより形成することもできる。第二の粘着剤組成物としては、上述の第一の粘着剤組成物の説明をそのまま援用し得る。
<光拡散層>
光拡散層12は、入射された光を均一に拡散することができる層である。
光拡散層12を構成する材料は特に限定されず、例えば、バインダー樹脂及び当該バインダー樹脂中に分散した無機微粒子が挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、光反射成分を分散できるマトリクスを構成できる透明樹脂が挙げられる。そのような樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくは、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂、より好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、耐久性の観点から、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、透明性・加工性の観点から、より好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、特に制限されず、各種の多塩基酸成分とポリオール成分を、公知の手段で脱水縮合させて得られるポリエステル樹脂をベースポリマーとするものを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。
バインダー樹脂の屈折率は、粘着剤等隣接する他の材料との屈折率差の観点から1.3以上であることが好ましく、1.35以上であることがより好ましく、1.4以上であることがさらに好ましい。また、散乱性を考慮した際の無機微粒子との屈折率差の観点から1.8以下であることが好ましく、1.75以下であることがより好ましく、1.7以下であることがさらに好ましい。
バインダー樹脂の配合量は、形成される光拡散層100質量部に対して、好ましくは10質量部〜90質量部であり、より好ましくは20質量部〜80質量部である。
無機微粒子としては、例えば、金属酸化物が挙げられる。金属酸化物としては例えば、酸化亜鉛(屈折率:1.9〜2.0)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)(屈折率:2.19)、酸化アルミニウム(屈折率:1.56〜2.62)、酸化チタン(屈折率:2.49〜2.74)、酸化ケイ素(屈折率:1.25〜1.46)が挙げられる。
本発明の実施形態に係る光拡散層は、酸化亜鉛粒子、又は酸化チタン粒子を含むことが好ましい。所望の屈折率及び分散構造を有する光拡散層を形成することができるからである。
無機微粒子の屈折率は、効率的な光拡散性の観点から1.8以上であることが好ましく、1.9以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。また、拡散性制御の観点から3.0以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましく、2.7以下であることがさらに好ましい。
無機微粒子の平均粒径は、光散乱性の観点から50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。また、光散乱性の観点から1200nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましく、800nm以下であることがさらに好ましい。
光拡散層12の厚みは、1μm〜100μmであることが好ましい。コストの観点から、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。また、光拡散性の観点から、1.5μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。
光拡散層12の屈折率は1.8以上が好ましく、1.9以上がより好ましい。また、光拡散層12の屈折率は3.5以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。
また、光拡散層12は屈折率の異なる層の積層体であってもよい。
<その他の層>
本実施形態の加飾用積層フィルム1は、本発明の効果を奏する限りにおいて上述の第一の粘着剤層15、透明無機層14、中間層13及び光拡散層12の他に、用途に応じてその他の層を備えてもよい。
例えば、本実施形態の加飾用積層フィルム1は、光拡散層12の中間層13とは反対側に、光学遮蔽層を備えてもよい。光学遮蔽層を備えることで、例えば、本実施形態の加飾用積層フィルム1を電子機器の筐体の装飾に用いた場合に、筐体内部の露見を防ぐことができる。
[加飾用積層フィルムの製造]
光拡散層12上に中間層13を形成する場合の形成方法は特に限定されないが、例えば、光拡散層12上に中間層13を構成する組成物を塗布等により直接形成してもよく、中間層13を貼り合せることにより形成してもよい。
例えば、中間層13が基材フィルム13b及び第二の粘着剤層13aを含む場合、基材フィルム13b上に、第二の粘着剤組成物により形成した第二の粘着剤層と光拡散層12とを貼り合せることにより光拡散層12上に中間層13を形成することができる。また、光拡散層12上に、第二の粘着剤組成物により形成した第二の粘着剤層と、基材フィルム13bとを貼り合せることにより光拡散層12上に中間層13を形成することもできる。
中間層13上に透明無機層14を形成する場合の形成方法は特に限定されないが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。大面積でも厚さを厳密に制御できる点から、スパッタリング法が好ましい。
透明無機層14上に第一の粘着剤層15を形成する場合の形成方法は特に限定されないが、第一の粘着剤層15は、例えば、前記第一の粘着剤組成物を透明無機層14上に塗布し、溶剤等を乾燥除去することにより形成することもできる。また、第一の粘着剤層と保護フィルムとの積層体の第一の粘着剤層側の面と、透明無機層14とを貼り合せることにより形成することもできる。
[加飾用積層フィルムの用途]
本実施形態の加飾用積層フィルムは、部材の加飾に用いることができる。例えば、透明な被着部材の内側(視認される側の反対側)の面に貼付して用いられる。透明な被着部材としては、例えば、ガラスやプラスチックからなる部材を使用することができるが、これに限定されるものではない。
本実施形態の加飾用積層フィルムにより装飾された部材の用途としては例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。より具体的には、車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、ピラー、座席シート、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品、エンジン周辺部品、駆動系・ギア周辺部品、吸気・排気系部品、冷却系部品等が挙げられる。電子機器及び家電機器としてより具体的には、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカー等の家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池等電子情報機器等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(ハードコート組成物の調製)
紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(アイカ工業製「アイカアイトロン Z844−22HL」)をメチルイソブチルケトンに溶解し、固形分比率25%のハードコート組成物を調製した。
(ハードコート層付きフィルム基材の作製)
厚み50μmのPET(三菱ケミカル株式会社製)の一方の面にハードコート組成物を塗布し、100℃で1分間乾燥した。その後,紫外線照射により硬化処理を行い、厚み1.5μmのハードコート層を形成した。
(透明無機層の形成)
交流スパッタリング装置(AC:40kHz)にNbターゲット(大同特殊鋼株式会社製)を取り付けて、ArガスとOガスを導入しながらスパッタリングすることで、ハードコート層上に透明無機層として膜厚27nmのNbO層を成膜した。
(第一粘着剤層の貼付)
次に、NbO層上に第一粘着剤層として粘着剤層(光学用透明粘着シート、厚さ25μm、日東電工株式会社製、商品名「CS9861UAS」)を貼付した。
(第二粘着剤層の貼付)
基材フィルムのHC層とは逆面側に,第二粘着剤層として粘着剤層(光学用透明粘着シート、厚さ25μm、日東電工株式会社製、商品名「CS9861UAS」)を貼付した。
(光拡散層の貼付)
光拡散層として,厚み38μmの酸化チタン粒子含有の白色PET(東レ株式会社製「ルミラー E20−38」)を用い、第二粘着剤層を介して、基材フィルムとの貼り合わせを実施し、実施例1の加飾用積層フィルムを得た。
〔実施例2、3、比較例1、2〕
NbO層の膜厚を表1又は2に示すように変更した点以外は実施例1と同様にして、実施例2、3、比較例1、2の加飾用積層フィルムを得た。
〔実施例4〕
実施例1におけるNbO層に替えて、交流スパッタリング装置にSiターゲット(AC:40kHz)を取り付けて、OガスとNガスを導入しながらスパッタリングすることで、ハードコート層上に86nmのSiN層を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、実施例4の加飾用積層フィルムを得た。
〔実施例5、比較例3〕
SiN層の膜厚を表1又は2に示すように変更した点以外は実施例1と同様にして、実施例5、比較例3の加飾用積層フィルムを得た。
〔実施例6〕
(ハードコート組成物の調製)
実施例1と同様の材料及び手法にて、ハードコート組成物を調製した。
(ハードコート層付き白色フィルム基材の作製)
厚み38μmの酸化チタン粒子含有の白色PET(東レ製「ルミラー E20−38」)の一方の面にハードコート組成物を塗布し、100℃で1分間乾燥した。その後、紫外線照射により硬化処理を行い、厚み5.0μmのハードコート層を形成した。
(透明無機層の形成)
交流スパッタリング装置(AC:40kHz)にNbターゲット(大同特殊鋼株式会社製)を取り付けて、ArガスとOガスを導入しながらスパッタリングすることで、ハードコート層上に透明無機層として膜厚63nmのNbO層を成膜した。
(粘着剤層の貼付)
NbO層上に第一粘着剤層として粘着剤層(光学用透明粘着シート、厚さ25μm、日東電工株式会社製、商品名「CS9861UAS」)を貼付し、実施例6の加飾用積層フィルムを得た。
〔比較例4〕
(光拡散層の準備)
厚み38μmの酸化チタン粒子含有の白色PET(東レ製「ルミラー E20−38」)を準備した。
(第一粘着剤層の貼付)
白色PETの片面に第一粘着剤層として粘着剤層(光学用透明粘着シート、厚さ25μm、日東電工株式会社製、商品名「CS9861UAS」)を貼付し、比較例4の加飾用積層フィルムを得た。
〔比較例5〕
(光拡散層の準備)
厚み38μmの酸化チタン粒子含有の白色PET(東レ製「ルミラー E20−38」)を準備した。
(透明無機層の形成)
交流スパッタリング装置(AC:40kHz)にNbターゲット(大同特殊鋼株式会社製)を取り付けて、ArガスとOガスを導入しながらスパッタリングすることで、白色PET上に透明無機層として膜厚63nmのNbO層を成膜した。
(第一粘着剤層の貼付)
白色PETの片面に第一粘着剤層として粘着剤層(光学用透明粘着シート、厚さ25μm、日東電工株式会社製、商品名「CS9861UAS」)を貼付し、比較例5の加飾用積層フィルムを得た。
<透明無機層の屈折率の測定>
使用装置は、高速分光エリプソメーター M−2000(J.A.Woollam社製)回転補償子型、300mm R−thetaステージを用いて測定を行った。
NbO、SiNともにPET基材上に製膜をしたサンプルを測定対象サンプルとして用いた。
測定条件としては、入射角65度、70度、75度を採用し、解析ソフトとしては WVASE32を用いた。
各資料で測定されたΔ(位相差)とψ(振幅反射率)のスペクトルを計算モデルから算出された(Δ,ψ)と比較し、測定値(Δ,ψ)に近づくようにフィッティングを実施する。その結果として,屈折率の波長分散特性を得た。
<透明無機層の光路長>
透明無機層の膜厚は、実施例及び比較例で作製した加飾用積層フィルムの厚み方向の断面を露出させたうえ、透過型電子顕微鏡を用いて解析した。以下数式を用いて550nmにおける光路長を算出した。
550nmにおける光路長[nm]=550nmにおける屈折率×膜厚[nm]
<透明無機層の表面の算術平均粗さの測定>
実施例及び比較例の加飾用積層フィルムを作製する際に、ハードコート層上に透明無機層を形成した後、第一粘着剤層を貼付する前の積層体を測定対象サンプルとして用いた。比較例4については、光拡散層としての白色PETを測定対象サンプルとした。
コヒーレンス走査型干渉計(Zygo NewView 7300)により、下記の条件で測定し、得られた三次元表面形状から、長さ2.8mmの粗さ曲線を抽出し、JIS B0601に準じて、算術平均粗さRa(nm)を算出した。
ズームレンズ 2.5倍
測定視野: 2.8mm×2.1mm
Removed: None
Filter: High Pass
Filter Type: Gauss Spline)
Low wavelength: 300μm
Remove spikes: on
Spike Height (xRMS): 2.5
<正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率>
実施例1〜6、及び比較例1〜5で得られた加飾用積層フィルムを第一粘着剤層を介してガラス板(松波硝子株式会社製スライドガラス 品番:S200200)に貼り合わせて試験用サンプルを作製し、以下のようにして分光反射率を測定した。
分光反射率の測定においては、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製 CM−2600)を用いて、波長360〜780nmの可視光線をガラス板越しに加飾用積層フィルムに照射して、SCI、拡散反射光(SCE)、及び正反射光のY値及びCIE−L表色系におけるa値、b値及びL値を測定した。
正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率(Y値比率)を下記の式により算出し、表1及び2に示した。
Y値比率(%)=(正反射光のY値/拡散反射光のY値)×100
<奥行感の評価>
ガラスに積層した評価サンプルを目視にて観察した際、奥行感のないサンプルでは、映り込みが少なく、入射した光がすべて拡散しており、平坦な印象を受ける。
一方奥行感に優れたサンプルに関しては、映り込みが生じており、この映り込みを生み出す正反射界面と、拡散光を生み出す拡散界面との間に視覚的な距離感を生み出す。
目視で確認した視覚印象より優劣を定めた。
なし:映り込み物体が確認できず、光沢感が感じられない
良 :映り込み物体の形状・色彩を認識することが出来る
優 :映り込み物体の輪郭・色彩が明瞭に確認でき、光沢感・奥行感を感じることができる
Figure 2021160181
Figure 2021160181
1 加飾用積層フィルム
12 光拡散層
13 中間層
13a 第二の粘着剤層
13b 基材フィルム
14 透明無機層
15 第一の粘着剤層

Claims (7)

  1. 第一の粘着剤層、透明無機層、中間層及び光拡散層をこの順に備える加飾用積層フィルムであって、
    前記加飾用積層フィルムの前記第一の粘着剤層側の面をガラス板に貼り合わせ、波長360〜780nmの可視光線を前記ガラス板越しに前記加飾用積層フィルムに照射して測定した反射率における、正反射光のY値の拡散反射光のY値に対する比率が15%以上である加飾用積層フィルム。
  2. 透明無機層の表面の算術平均粗さが150nm以下である請求項1に記載の加飾用積層フィルム。
  3. 前記中間層が、透明樹脂を含む層を備える請求項1又は2に記載の加飾用積層フィルム。
  4. 前記中間層が、前記透明無機層側より基材フィルム、及び第二の粘着剤層をこの順に備える請求項1又は2に記載の加飾用積層フィルム。
  5. 前記中間層が、前記透明無機層側より透明樹脂層、基材フィルム、及び第二の粘着剤層をこの順に備える請求項1又は2に記載の加飾用積層フィルム。
  6. 前記透明無機層が、NbO、SiN、及びTiOより選択される少なくとも一種を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の加飾用積層フィルム。
  7. 前記光拡散層が酸化亜鉛粒子、又は酸化チタン粒子を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の加飾用積層フィルム。
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