JP6644096B2 - 装飾用粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、装飾用粘着シート及びその製造方法に関する。
近年、塗料の代替として装飾用粘着シートが使用されることが多くなっている。例えば、高光沢ブラックアウトフィルムは、自動車のピラー等に用いられる装飾用粘着シートであり、従来、各種高光沢ブラックアウトフィルムが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2008−169399号公報 特開2007−269928号公報
高光沢ブラックアウトフィルムのような装飾用粘着シートに対しては、高光沢等の特性は維持しつつ、コストを削減することが強く求められている。そこで、装飾用粘着シートを構成するライナーに安価な紙を使用することが検討されているが、その場合、被着体に貼りつけた後にも、装飾用粘着シートの表面に紙のうねりに起因する「ゆず肌」と呼ばれるうねりが生じやすい。
一般に、装飾用粘着シートは、ライナー上に、粘着層、着色フィルム、クリアフィルム層を含む積層体を順次積層して形成するが、紙のライナーを用いる場合は、装飾用粘着シートを被着体に貼り付けた場合、紙のうねりに起因した装飾用粘着シート表面の「ゆず肌」が特に生じやすい。
そこで、本発明の目的は、紙ベースのライナーを使用してもゆず肌が生じにくい装飾用粘着シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、粘着層、着色フィルム層及びクリアフィルム層を含む積層体と、粘着層側に配置された紙ベースのライナーと、を備える装飾用粘着シートであって、積層体は、ライナーの表面のうねりに沿ってライナーを覆うように形成されており、平滑面に貼付することにより積層体が平坦化する、装飾用粘着シートを提供する。
また、本発明は、粘着層、着色フィルム層及びクリアフィルム層を含む積層体と、粘着層側に配置された紙ベースのライナーと、を備える装飾用粘着シートであって、着色フィルム層の一方面側にクリアフィルム層を形成した後に、着色フィルム層の他方面側に、粘着層を介してライナーを接合して得ることができ、平滑面に貼付することにより積層体が平坦化する装飾用粘着シートを提供する。
また、本発明は、紙ベースのライナー、粘着層、着色フィルム層及びクリアフィルム層を備える装飾用粘着シートの製造方法であって、着色フィルム層の一方面側にクリアフィルム層を形成した後に、着色フィルム層の他方面側に、粘着層を介してライナーを接合する、装飾用粘着シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、紙ベースのライナーを使用してもゆず肌が生じにくい装飾用粘着シート及びその製造方法を提供することができる。
(a)は装飾用粘着シートの一実施形態を示す模式断面図、(b)は(a)の装飾用粘着シートを被着体に貼付した状態を示す模式断面図である。 (a)は着色フィルム層を形成する工程、(b)は着色フィルム層上にクリアフィルム層、カバー層及びプライマー層を形成する工程、(c)はライナー上に粘着層を形成する工程、(d)は(b)の積層体と(c)の積層体とを貼り合せる工程、をそれぞれ示す模式断面図である。 (a)はライナーをエンボス加工するために用いたツールの平面図、(b)は断面図、(c)は凹部の拡大断面図、(d)は凸部の拡大断面図である。 (a)は着色フィルム層及びプライマー層を形成し、バッキングフィルムを剥がした工程、(b)はライナー上に粘着層を形成する工程、(c)は(b)の積層体と(a)の積層体を貼り合せる工程、(d)は(c)の積層体上にクリアフィルム層及びカバー層を形成する工程、(e)は、(d)の装飾用粘着シートを被着体に貼付した状態、をそれぞれ示す模式断面図である。
本発明の装飾用粘着シートは、粘着層、着色フィルム層及びクリアフィルム層を含む積層体と、粘着層側に配置された紙ベースのライナーと、を備え、積層体がライナーの表面のうねりに沿ってライナーを覆うように形成されており、平滑面に貼付することにより積層体が平坦化することを特徴とする。
ここで、「ライナーの表面のうねり」とは、数百μm〜数十mmの周期で現れる、表面形状の変化をいう。
また、積層体が、「ライナーの表面のうねりに沿って」とは、積層体がライナーの表面上に略均一な厚みで形成され、積層体自体の表面が、ライナーの表面のうねりと略同様のうねりを持つ状態をいう。
この粘着シートでは、積層体がライナーの表面のうねりに沿って形成されているため、ライナーを剥離して積層体を被着体に貼付すると、ライナーの表面のうねりに沿った形状であった積層体が、このうねりよりも平坦な状態に形状変化する。特に、被着体が平滑面であるときは、うねりが解消して平滑化された積層体が得られる。
また、本発明の装飾用粘着シートは、粘着層、着色フィルム層及びクリアフィルム層を含む積層体と、粘着層側に配置された紙ベースのライナーと、を備え、着色フィルム層の一方面側にクリアフィルム層を形成した後に、着色フィルム層の他方面側に、粘着層を介してライナーを接合して得ることができ、平滑面に貼付することにより積層体が平坦化することを特徴とする。
この粘着シートでは、着色フィルム層とクリアフィルム層とをライナーとは別個に積層するため、着色フィルム層とクリアフィルム層との積層体は、ライナーのうねりの影響をうけず、略均一な厚みの平坦な状態となる。したがって、着色フィルム層とクリアフィルム層とをライナーに接合すると、着色フィルム層とクリアフィルム層とがライナー表面のうねりに沿って形成されるが、ライナーを剥離して積層体を被着体に貼付すると、うねりが解消して平坦化した積層体が得られる。
紙ベースのライナーは、紙シートの一方面に第1の樹脂層を、他方面に第2の樹脂層を備えてもよい。この場合、ライナーの表面のうねりをより緩和できる。また、紙シートの両面に樹脂層を形成することで、ライナーのカールや反りの発生を抑制できる。
第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、ポリエチレンフィルムであってもよい。この場合、第1の樹脂層へのエンボス工程が容易にできる。その結果、粘着剤層に凹凸加工を施すことが可能になる。
紙ベースのライナーは、粘着層側の表面に微細な凹凸構造を有してもよい。この場合、粘着層にライナー表面の凹凸構造が転写されるため、粘着シートを被着体に貼付する際に、粘着層に溝を形成できる。粘着シートと被着体との間に入り込んだ気泡等をこの溝を介して外部へ流出させることが容易になり、粘着シートが装飾用として適した美観を有する。
また、本発明の装飾用粘着シートの製造方法は、着色フィルム層の一方面側にクリアフィルム層を形成した後に、着色フィルム層の他方面側に、粘着層を介してライナーを接合することを特徴とする。
この粘着シートの製造方法では、着色フィルム層とクリアフィルム層とをライナーとは別個に積層するため、ライナーのうねりの影響をうけず、略均一な厚みの平坦な積層体として得ることが可能となる。したがって、着色フィルム層とクリアフィルム層とをライナーに接合すると、着色フィルム層とクリアフィルム層とがライナー表面のうねりに沿って形成されるが、ライナーを剥離して積層体を被着体に貼付すると、うねりが解消して平坦化した積層体が得られる。
以下、図面を参照し、本発明に係る装飾用である粘着シートの実施形態について説明する。
図1(a)は、粘着シートの一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、粘着シート1は、紙ベースであるライナー2と、ライナー2上に形成された積層体3と、積層体3のライナー2と反対側の面上に形成されたカバー層4とを備える。ライナー2は、紙シート21と、紙シート21の積層体3側の面上に形成された第1の樹脂層22と、紙シート21の積層体3とは反対側の面上に形成された第2の樹脂層23とを有する。積層体3は、ライナー2側から順に、粘着層31と、プライマー層32と、着色フィルム層33と、クリアフィルム層34とを有する。積層体3及び積層体3を構成する各層は略均一な厚みを有し、ライナー2の表面のうねりに沿ってライナーを覆うように形成されている。
図1(b)は、粘着シート1を被着体に貼付したときの様子を示す模式断面図である。図1(b)に示すように、粘着シート1を被着体10に貼付する際には、ライナー2を剥離し、粘着層31と被着体10とを接合する。また、貼付完了後にカバー層4を剥離する。すなわち、粘着シート1を使用する際には、積層体3が被着体10に貼付された状態となる。平滑面を有する被着体10に貼付された積層体3は、平坦化され、表面にうねりは存在しない。
紙シート21としては、特に限定はないが、例えば上質紙やグラシン紙、あるいはクレーコート紙等の各種のコート紙を用いることができる。また、紙シート21の表面には、通常うねりが存在するが、平滑であることが好ましい。例えば、JIS P 8119:1998で規定される紙及び板紙−ベック平滑度試験方法による平滑度試験方法のベック平滑度の秒数が長い程、平滑性が高く、好ましい。
第1の樹脂層22及び第2の樹脂層23は、互いに同一でも異なっていてもよく、例えばポリエチレン樹脂で構成される。エンボス加工を行うためには、加工がし易い低密度ポリエチレンが好ましく、耐熱性を付与する観点からは、高密度ポリエチレンが好ましい。第1の樹脂層22の厚みは、エンボス加工を行う場合は、作製するエンボスの溝高さより厚くする必要があるため、例えば10〜100μm、又は20〜50μmとする。また、第2の樹脂層23は、紙シートのカールを抑える観点から第1の樹脂層22とほぼ同等の厚みを有することが好ましい。
また、第1の樹脂層22及び第2の樹脂層23がポリエチレンから構成される場合、その重量(厚み)は、10g/m2以上であってもよく、20g/m2以上であってもよく、30g/m2以上であってもよく、40g/m2以上であってもよい。上記重量(厚み)の上限は、特に制限されないが、例えば100g/m2以下又は55g/m2以下である。重量(厚み)が40g/m2以上であると、紙シート21のうねりを効果的に緩和できる。
また、第1の樹脂層22には、凹凸構造が形成されていてもよい。この凹凸構造は、後述するように、粘着層31に当該凹凸構造を転写するために形成される。凹凸構造の形成方法としては、例えば第1の樹脂層22の表面をエンボス加工する方法が挙げられる。
ライナー2は、表面に紙シート21のうねりに起因するうねりを有する。典型的には、うねりの周期は、例えば数百μm〜数十mmであり、うねりの高さは、数百μm〜1mm程度である。これらのうねりは、一般の表面粗さとは区別される大きな表面形状の変化であり、例えば、後述するwave−scan DOI(BYK Gardner社製)等で測定できる。
積層体3を構成する各層は、柔軟で可撓性を持つとともに、一度伸長させられるとフィルムが当初の長さに戻ることのないような十分な非弾性変形性を伸長後に有する材料からなることが好ましい。各層の具体的な構成は、以下のとおりである。
粘着層31には、例えばアクリル系粘着剤を用いる。粘着層31の厚みは、例えば10〜60μm又は20〜40μmである。
また、粘着層31には、凹凸構造が形成されていてもよい。この凹凸構造により、積層体3を被着体に貼付する際に、積層体3と被着体との界面に存在する気泡等を外部へ流出させることができるため、積層体3は装飾用として適した美観を有することができる。具体的には、この凹凸構造では、凹部が粘着層31の面内方向を横切るように溝部として形成されていることが好ましい。このような凹部としては、例えば、100〜300μm間隔で、平行に複数形成された溝部又は格子状に形成された溝部が挙げられる。このような凹凸構造については、例えば特開2008−169399号公報に開示されている。凹凸構造の形成方法としては、上述のとおり、例えば第1の樹脂層22の表面をエンボス加工して所望の凹凸構造を形成し、形成された凹凸構造を粘着層31に転写する方法が挙げられる。
プライマー層32は、粘着層31と着色フィルム層33との接着を強化するために設けられている。プライマー層32は、例えばポリ(メタ)アクリレートとポリエチレンイミンのグラフト化物から構成される。なお、粘着層31と着色フィルム層33とが十分に接着されていれば、プライマー層は必ずしも設けなくてよい。また、コロナ処理等の表面処理でプライマー層の代替とすることもできる。
着色フィルム層33は、例えばカーボンブラックを含む塩化ビニル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂などから構成される。着色フィルム層33の厚みは、例えば20〜200μm又は50〜100μmである。ここで、着色フィルム層とは、装飾に適したものであれば、色や柄の限定はない。必ずしも黒色である必要はなく、単色である必要もなく、色や柄の限定はない。金属色や透明色であってもよい。
クリアフィルム層34は、例えばポリウレタン、アクリル樹脂から構成される。クリアフィルム層34の厚みは、例えば5〜50μm又は10〜30μmである。
カバー層4は、積層体3を被着体に貼付するまでの間、クリアフィルム層34表面を保護するために設けられている。カバー層4は、例えばPET、PP、PEなどから構成される。カバー層4の厚みは、例えば10〜200μm又は50〜100μmである。
図1(a)に示すように、粘着シート1において、積層体3は、ライナー2上に形成されており、ライナー2表面のうねりに沿って同様のうねりを有している。しかし、図1(b)に示すように、ライナー2を剥離して積層体3を平坦な被着体に貼付すると(カバー層4もその後剥離する)、積層体3の表面は、ライナー2上に形成されていたときより、すなわちライナー2表面よりも平坦になり、ゆず肌が生じない。これは、積層体3が柔軟で可撓性を有しており、かつ、積層体3それ自体が場所によらず略均一な膜厚で形成されていることに起因する。ここで、略均一な膜厚とは、被着体に貼付した後の積層体3の表面がライナー2表面よりも平坦になる程度の膜厚の均一性をいう。結果として、被着体に対し、ゆず肌のない、極めて滑らかで高い光沢性のある装飾表面を持つ積層体3を形成することができる。
なお、本実施形態では積層体3は図1(b)に示す構造であるが、粘着層31とクリアフィルム層34層との間には、着色フィルム層以外にも、印刷層、金属層、透明樹脂層、他の粘着層、他の着色フィルム層等、種々の層を含めることができる。
なお、紙ベースのライナーとして、クレーコート紙等の平滑性の高い紙を用いる、あるいは、紙ベースのライナーに第1の樹脂層及び第2の樹脂層の厚みを40g/m2以上又は50g/m2以上に調整することなどで、うねりを極めて低減できた紙ベースライナーを使用できる。この場合は、粘着シートの作製方法によらず、表面のうねりが極めて少ない粘着シートを作製できるとともに、それを被着体に貼り付けた場合は、表面にゆず肌がほとんどない積層体を得ることができる。
次に、本発明に係る装飾用である粘着シートの製造方法の好適な実施形態について説明する。
図2は、粘着シートの製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態の粘着シートの製造方法は、プライマー層32と、着色フィルム層33と、クリアフィルム層34と、カバー層4とを積層した後に、この積層体とライナー2とを粘着層31を介して接合することを特徴とする。
まず、図2(a)に示すように、バッキングフィルム35上に着色フィルム層33を塗布する。なお、バッキングフィルムとは、塗布された溶液が乾燥後剥離できるよう、表面に剥離処理を施したフィルムである。着色フィルム層33は、例えばカーボンブラック及び塩化ビニルを含む溶液をバッキングフィルム35上に塗布することによって形成される。なお、所望の膜厚の着色フィルム層33を得るために、上記塩化ビニル溶液の塗布を複数回繰り返し行ってもよい。
バッキングフィルム35としては、例えば紙シート、PETを用いるが、クリーン環境の中で粘着シートを製造できる点では、PETを用いることが好ましい。また、バッキングフィルム35としては、上記塩化ビニル溶液を塗布後、剥離しやすいように表面処理されているものであることが好ましく、例えばラテックスが表面に塗布されたバッキングフィルムを用いる。
次に、図2(b)に示すように、着色フィルム層33の上にクリアフィルム層34及びカバー層4を形成した後、着色フィルムからバッキングフィルム35を剥離し、着色フィルム層33の一方面側にプライマー層32を形成する。プライマー層32は、例えばポリ(メタ)アクリレートとポリエチレンイミンとのグラフト化物を含む溶液を着色フィルム層33の一方面上に塗布することによって形成される。クリアフィルム層34は、例えばポリエステルポリオール及びポリイソシアネートを含む溶液を着色フィルム層33の他方面上に塗布しウレタン化させることによって形成される。カバー層4は、例えばPETフィルムをクリアフィルム層34の着色フィルム層33とは反対側の表面に貼り合せることで形成される。
このように形成されるプライマー層32、着色フィルム層33、クリアフィルム層34及びカバー層4からなる積層体の膜厚は均一であることが好ましい。ここでの膜厚が均一であれば、この後形成される粘着シート1が、ライナー2のうねりに起因するうねりを有することとなっても、最終的に粘着シート1からライナー2を剥離して被着体に貼付すると、ゆず肌を生じない平坦な積層体3が得られることとなる。
一方、図2(c)に示すように、図2(b)の積層体とは別に、紙シート21の一方面に第1の樹脂層22を、他方面に第2の樹脂層23を備えるライナー2の第1の樹脂層22上に、粘着層31を形成する。粘着層31は、例えばアクリル系粘着剤を第1の樹脂層22上に塗布することによって形成される。
次に、図2(d)に示すように、上記で得られた、プライマー層32、着色フィルム層33、クリアフィルム層34及びカバー層4からなる積層体と、ライナー2とを、粘着層31を介して貼り合せる。そうすると、ライナー2は表面にうねりを有しているため、貼り合された後の積層体3は、ライナー2表面のうねりに沿って形成される。
以上のように、本実施形態に係る製造方法では、ライナー2と積層体3とを別個に形成し、それぞれを貼り合せることによって粘着シート1を作製する。したがって、粘着シート1はライナー2表面のうねりに起因するうねりを有しているが、積層体3が均一な膜厚で形成されていることによって、ライナー2を剥離して積層体3を平滑な被着体に貼付すると、積層体3の表面は、ライナー2上に形成されていたときより、すなわちライナー2表面よりも平滑になりゆず肌を生じない。結果として、被着体に対し、ゆず肌のない、極めて滑らかで高い光沢性のある装飾表面を持つ積層体3を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(粘着シートの作製)
実施例及び比較例では、以下の条件で調製した塩化ビニル溶液、プライマー溶液、粘着剤溶液及びクリア溶液を使用した。
塩化ビニル溶液:カーボンブラック7重量部とポリエステル系可塑剤93重量部を混合して形成した着色混合溶液14重量部、塩化ビニルコンパウンド(ポリワン株式会社製、Geon 178)40重量部、光安定剤(株式会社 ADEKA製、アデカスタブ SC−1003)2重量部、耐候剤(BASF SE社製、Uvinul 3039)2重量部、炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製、ホワイトンSB赤)6重量部、及び溶剤(山一化学工業株式会社製、DIX−3MY ソルベント)35重量部を混合して、塩化ビニル溶液を調製した。
プライマー溶液:アミン官能性アクリルポリマー(株式会社日本触媒製、ポリメントNK−350)30重量部に、溶剤として、トルエン20重量部及びイソプロピルアルコール50重量部を加え、プライマー溶液を調製した。
粘着剤溶液:米国特許第4,737,577号明細書の感圧接着剤コポリマー製造方法に従って、90部のイソオクチルアクリレート、及び10部のアクリル酸を用いて溶液型のアクリル系感圧接着剤を調製した。このアクリル系感圧接着剤を米国特許第5,648,425号明細書に開示されているもののようなアジリジン架橋剤で固形分約25%に希釈して粘着剤溶液を調製した。
クリア溶液:アクリルポリオール(ヴィヴァーゾ有限会社製、デスモフェン A565X)を60重量部、イソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、#300 HARDNER)を20重量部、耐候剤(BASFジャパン株式会社製、Tinuvin B75)を1重量部、及び溶剤(日本乳化剤株式会社製、MFG−AC)12重量部を混合し、クリア溶液を調製した。
[実施例1]
以下のステップに従って、装飾用である粘着シートを作製した。
<ステップ1−1>
塩化ビニル溶液を、紙バッキングフィルム(PZ SCW200)上に塗布し、75℃から170℃に温度を徐々に上げながら約2分30秒間乾燥して、黒色塩化ビニルフィルムを得た。なお、紙バッキングフィルム(PZ SCW200)とは、塩化ビニル溶液を塗布するための、ラテックスを塗布した紙シートである。乾燥後の黒色塩化ビニルフィルムの厚みは、50.5μmであった。
<ステップ1−2>
黒色塩化ビニルフィルム上に塩化ビニル溶液を塗布し、60℃から190℃に温度を徐々に上げながら約2分30秒間乾燥して、着色フィルム層を得た。乾燥後の着色フィルム層の総膜厚(ステップ1−1で得られたフィルムも含む)は、101μmであった。
<ステップ1−3>
クリア溶液を、ステップ1−2で作製した着色フィルム層上に塗布し、90℃から100℃の温度で約3分間乾燥した。得られたクリアフィルム層の厚みは20μmであった。
<ステップ1−4>
ステップ1−3で作製したクリアフィルム層上に厚み50μmのPETフィルム(TAG−50、ユニチカ(株)製)を貼り合わせた。
<ステップ1−5>
上記紙バッキングフィルムを着色フィルム層から剥離した。
<ステップ1−6>
プライマー溶液を、紙バッキングフィルムを剥離した後の着色フィルム層上に塗布し、120℃から160℃の温度で約30秒間乾燥した。
<ステップ1−7>
粘着剤溶液を、凹凸構造が形成されているライナーの表面上に塗布し、60℃から90℃の温度で約3分間乾燥した。
ライナー表面の凹凸構造は、ポリコート剥離紙(Mondi Inncoat社製)のポリエチレン層表面をシリコン化処理し後、凹凸構造を有するツールを用いてエンボス加工することにより形成した。図3は、ライナーをエンボス加工するために用いたツールの形状を説明するための模式図である。図3(a)の平面図及び図3(b)の断面図に示すように、ツールは、格子状の凹部と、該凹部に囲まれるように配置された四角錐状の凸部とを有する。凹部及び凸部は、より詳細には、それぞれ図3(a)及び図3(b)に示したような形状である。なお、ライナーの一方面側には、ツールの形状を反転させた形状が付与された。
<ステップ1−8>
ステップ1−6で作製した積層体と、ステップ1−7で作製した粘着層付ライナーとを貼り合わせて、粘着シートを得た。
[比較例1]
以下のステップに従って、粘着シートを作製した。図4は、比較例1における粘着シートの製造方法を示す模式断面図である。以下では、図4を適宜参照しながら説明する。
<ステップ2−1、2−2>
それぞれステップ1−1、1−2と同様にして、着色フィルム層330を作製した。
<ステップ2−3>
プライマー溶液を、ステップ2−2で作製した着色フィルム層330上に塗布し、120℃から160℃の温度で約30秒間乾燥した。乾燥後のプライマー層320の厚みは、0.1μm以下であった。
<ステップ2−4>
上記紙バッキングフィルムを着色フィルム層330から剥離した(図4(a))。
<ステップ2−5>
粘着剤溶液を、実施例1で用いたものと同じライナー200上に塗布し、70℃から90℃の温度で約4分間乾燥した。(図4(b))。
<ステップ2−6>
ステップ2−4で作製したプライマー層320と、ステップ2−5で作製した粘着層310とを貼り合わせた(図4(c))。
<ステップ2−7>
クリア溶液を、ステップ2−6で作製した着色フィルム層330上に塗布し、オーブンで、85℃から95℃で約2分30秒間乾燥した。
<ステップ2−8>
厚み50μmのPETフィルム400をステップ2−7で作製したクリア層340上に貼り合わせて、粘着シート100を得た(図4(d))。クリアフィルム層340の表面は、ライナー200のうねりを埋める、略平滑な面となった。また、クリアフィルム層340は、全体的に不均一な膜厚となり、その平均的な厚みは、20μmであった。
[実施例2]
ステップ1−1、1−2と同様の手順を行った後、プライマー溶液を着色フィルム層上に塗布し、120℃から160℃の温度で約30秒間乾燥した。乾燥後のプライマー層の厚みは、0.1μm以下であった。
次に、クリア溶液を上記プライマー層上に塗布し、90℃から100℃の温度で約3分間乾燥した。クリアフィルム層の厚みは、20μmであった。続いて、ステップ1−4、1−5と同様の手順を行った。
一方、乾燥条件を65℃から85℃の温度で約6分間に変更した以外は、ステップ1−7と同様の手順でライナー上に粘着層を形成した。そして、ステップ1−8と同様の手順で、粘着シートを得た。
[比較例2]
ステップ2−5における粘着剤溶液の乾燥条件を65℃から85℃の温度で約3分間に変更し、ステップ2−7におけるクリア溶液の乾燥条件を90℃から100℃の温度で約3分間に変更した以外は、比較例1と同様に粘着シートを作製した。
[実施例3]
以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。まず、ステップ1−1において、紙バッキングフィルムをPETバッキングフィルム(PZ ACW200)に変更し、塩化ビニル溶液の乾燥条件を60℃から170℃に徐々に上げながら約2分30秒間に変更した。また、ステップ1−2における塩化ビニル溶液の乾燥条件を65℃から192℃に徐々に上げながら約5分間に変更した。また、ステップ1−3におけるクリア溶液の乾燥条件を85℃から95℃で約2分30秒間に変更した。
(粘着シートの評価)
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた粘着シートについて、以下の手順で粘着シートの特性を評価した。結果を表1に示す。
まず、硬質ガラス(コーティングテスター社製)上に、粘着シートからライナーを剥離したものを、布付きスキージを用いて貼り付けた。続いて、カバー層であるPETフィルムを剥離し、積層体の表面のゆず肌を、wave−scan DOI(BYK Gardner社製)を用いて測定した。wave−scan DOIは、5つの異なる波長範囲du(0.1mm未満)、Wa(0.1mm〜0.3mm)、Wb(0.3mm〜1mm)、Wc(1〜3mm)及びWd(3mm〜10mm)に対して、ゆず肌指数を0〜100の範囲で示す。このゆず肌指数が小さいほどゆず肌の程度が小さく、積層体表面の平滑性が高いことを意味する。
また、積層体表面の60°光沢度を、グロスメーター GMX−203(株式会社 村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
Figure 0006644096
表1からわかるように、実施例1〜3は、比較例1〜2と比較して、光沢度を同等に維持しつつ、0.3mmより長い波長において小さいゆず肌指数を示した。
なお、比較例1〜2の粘着シートを被着体に貼付したときの状態を図4(e)に模式的に示した。比較例の粘着シートでは、積層体300の膜厚が均一でないため、積層体300を被着体10に貼付したとき、積層体300表面にはゆず肌が生じた。
1…粘着シート、2…ライナー、3…積層体、4…カバー層、10…被着体、21…紙シート、22…第1の樹脂層、23…第2の樹脂層、31…粘着層、32…プライマー層、33…着色フィルム層、34…クリアフィルム層。

Claims (2)

  1. 高光沢装飾用粘着シートであって、
    着色塩化ビニルフィルム層、前記着色塩化ビニルフィルム層の一方面側に形成されたクリアフィルム層、及び前記クリアフィルム層の前記着色塩化ビニルフィルム層とは反対側の表面に貼り合わされたカバー層を含む積層体と、
    前記積層体に含まれる前記着色塩化ビニルフィルム層の他方面側に粘着層を介して接合されることにより、前記着色塩化ビニルフィルム層の他方面側に配置された上質紙ベースのライナーと、を備える、高光沢装飾用粘着シート。
  2. 上質紙ベースのライナー、粘着層、着色塩化ビニルフィルム層クリアフィルム層及びカバー層を備える高光沢装飾用粘着シートの製造方法であって、
    前記着色塩化ビニルフィルム層を塗布により形成する工程と、
    前記着色塩化ビニルフィルム層の一方面側にクリアフィルム層を塗布により形成する工程と、
    前記クリアフィルム層の前記着色塩化ビニルフィルム層とは反対側の表面に前記カバー層を貼り合わせる工程と、
    紙シートの一方面に第1の樹脂層を、他方面に第2の樹脂層を備え、前記ライナーの前記第1の樹脂層上に、前記粘着層を塗布により形成する工程と、
    前記着色塩化ビニルフィルム層、前記クリアフィルム層及び前記カバー層を含む積層体の前記着色塩化ビニルフィルム層の他方面側に、前記粘着層を介して前記ライナーを接合する工程と、を備える、高光沢装飾用粘着シートの製造方法。
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