JP2021158273A - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、薄くしてもピンホールが発生しにくい電気化学素子用セパレータを提供することにある。【解決手段】フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維と非フィブリル化繊維とを含む電気化学素子用セパレータにおいて、繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含有することを特徴とする電気化学素子用セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータ(以下、「電気化学素子用セパレータ」を「セパレータ」と記す場合がある。)に関する。
リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学素子に使用される主要部材は、正極、負極、電気化学素子用セパレータ及び電解液である。セパレータは、電気化学素子内において、正極と負極とが直接接触する内部短絡が起こらないように、正極と負極とを分離している。電気化学素子における内部抵抗を下げるためには、電解液中のイオンが効率良く透過できる空孔がセパレータの内部に形成されていなければならない。したがって、セパレータは多孔質である必要がある。
セパレータとして、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維(フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維)とフィブリル化されていない合成繊維又はレーヨン繊維とを必須成分として含有し、湿式抄造法で製造された湿式不織布からなるセパレータが開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらセパレータでは、フィブリル化溶剤紡糸セルロースの叩解度や、フィブリル化されていない合成繊維又はレーヨン繊維の繊維径を一定の範囲とすることにより、適度な緻密性を有することで、内部抵抗が低く、放電容量維持率や内部短絡不良率に優れるセパレータとしている。
さらなる電気化学素子の高性能化や高エネルギー密度が求められている流れの中で、セパレータをさらに薄くすることが求められており、特許文献1〜3のセパレータでは、薄くした場合、緻密性が不十分となり、ピンホールが発生するおそれがあった。
特開2012−222266号公報 特開2018−139283号公報 特開2019−46776号公報
本発明の課題は、薄くしてもピンホールが発生しにくい電気化学素子用セパレータを提供することにある。
上記課題は、下記発明によって解決された。
フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維と非フィブリル化繊維とを含む電気化学素子用セパレータにおいて、繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含有することを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
本発明により、薄くしてもピンホールが発生しにくい電気化学素子用セパレータが得られる。
繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含む、非フィブリル化繊維スラリーの繊維長分布図である。 繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含む、非フィブリル化繊維のマイクロスコープ写真である。
本発明の電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子用セパレータを含む電気化学素子をより詳細に説明する。
<電気化学素子用セパレータ>
本発明の電気化学素子用セパレータは、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維と非フィブリル化繊維とを含み、繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含むことを技術的特徴とする。この技術的特徴によって、湿式抄造法の抄紙ワイヤー上にウェブを形成する工程において、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維のファイン成分の脱落を抑制し、薄くしてもピンホールが発生しにくいセパレータが得られる。
本明細書では、「繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維」を「非フィブリル化短繊維」と記載することがある。
本発明の電気化学素子用セパレータは、湿式抄造法によって製造された湿式不織布であることが好ましい。湿式抄造法でシートを作製する際の原料繊維は、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維と非フィブリル化繊維であり、非フィブリル化繊維として、非フィブリル化短繊維を含む。
図1は、非フィブリル化短繊維を含む、非フィブリル化繊維スラリーの繊維長を、「JIS P 8226−2:2011、パルプ−光学自動分析法による繊維長測定方法 第2部:非偏光法」に基づき、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA−360)で測定した繊維長分布図である。図1において、すべての非フィブリル化繊維の合計長さに対する、非フィブリル化短繊維の合計長さは0.5%であった。
図2は、非フィブリル化短繊維を含む、非フィブリル化繊維をマイクロスコープにて倍率200倍で撮影した写真である。円内の繊維が非フィブリル化短繊維である。
本発明における非フィブリル化繊維としては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、アクリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリビニルエーテル系、ポリビニルケトン系、ポリエーテル系、ポリビニルアルコール系、ポリエステルアミド系、ポリエーテルエーテルケトン系、エチレン−ビニルアルコール共重合体系、ポリウレタン系などの合成繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、リヨセル繊維、溶剤紡糸セルロース繊維などの再生セルロース繊維、木材由来のセルロース繊維、麻、綿、サトウキビなどの非木材由来のセルロース繊維が挙げられる。これら繊維の中で、セパレータを薄くするためには、直径の小さな繊維としやすい、ポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン系の合成繊維、又はレーヨン繊維を使用することが好ましい。
非フィブリル化繊維の直径は、0.1〜15μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜8μmであることがさらに好ましい。フィブリル化繊維の直径が0.1μm未満の場合、セパレータの強度が不十分となることがある。直径が15μmより大きいと、セパレータを薄くすることが困難になる。
非フィブリル化繊維の繊維長は、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、8mm以下であることがさらに好ましい。また、非フィブリル化繊維として、繊維長1mm以上の非フィブリル化繊維を含有することが好ましく、繊維長3mm以上の非フィブリル化繊維を含有することがより好ましい。
非フィブリル化繊維の断面形状は、円形、楕円形のみならず、三角や四角等の多角形、偏平形、Y型、T型、U型、星型など、いわゆる異形断面形状をとるものであってもよい。湿式抄造法における水への分散前の繊維における断面アスペクト比(繊維断面長径/繊維断面短径)は、1.0〜1.2未満であることが好ましい。繊維断面アスペクト比が1.2以上になると、繊維分散性が低下する場合や、繊維の絡まりやもつれの発生によって、セパレータの均一性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明において、非フィブリル化繊維の含有比率は、セパレータに含まれる全繊維成分に対して5〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましい。非フィブリル化繊維の含有比率が5質量%未満の場合、湿式抄造法の抄紙ワイヤーからウェブがピックアップしにくくなる場合があり、40質量%を超えると、セパレータの緻密性が低下し、内部短絡不良率の高いセパレータとなる場合がある。なお、本発明において、非フィブリル化短繊維は、非フィブリル化繊維に含まれる。
非フィブリル化短繊維の繊維長は、0.2mm以下であり、好ましくは0.05〜0.2mmであり、より好ましくは0.1〜0.2mmである。非フィブリル化短繊維の断面形状は、円形、楕円形のみならず三角や四角等の多角形、偏平形、Y型、T型、U型、星型など、いわゆる異形断面形状をとるものであってもよい。
非フィブリル化短繊維を得る方法としては、カッターを用いて非フィブリル化繊維を裁断して得ることが挙げられる。また、湿式抄造法の工程において、パルパー等の水に分散する装置で回転する撹拌羽と容器のクリアランスで非フィブリル化繊維が切れることによって、非フィブリル化短繊維を得ることができる。また、非フィブリル化繊維の製造工程中に繊維が短く切れることによっても、非フィブリル化短繊維を得ることができる。
本発明のセパレータにおいて、非フィブリル化短繊維の含有比率は、すべての非フィブリル化繊維の合計長さに対する、非フィブリル化短繊維の合計長さの比で表される。非フィブリル化短繊維の含有比率は0.1%以上2.0%未満であることが好ましく、より好ましくは0.2%以上1.5%未満であり、さらに好ましくは0.2%以上1.0%未満である。非フィブリル化短繊維の含有比率が0.1%未満の場合、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維のファイン成分の脱落防止効果が不十分となり、ピンホールが発生する場合がある。一方、2.0%を超えた場合、ウェブが抄紙ワイヤーからピックアップしにくくなる場合がある。本発明における、すべての非フィブリル化繊維の合計長さに対する、非フィブリル化短繊維の合計長さの比は、パルパー分散した非フィブリル化繊維スラリーの繊維長を、「JIS P 8226−2:2011、パルプ−光学自動分析法による繊維長測定方法 第2部:非偏光法」に基づき、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA−360)を用いて測定した長さ加重平均繊維長データを基にして算出した値である。
本発明において、溶剤紡糸セルロース繊維とは、従来のビスコースレーヨンや銅アンモニアレーヨンのように、セルロースを一旦セルロース誘導体に化学的に変換させたのち再度セルロースに戻す、いわゆる再生セルロース繊維とは異なり、セルロースを化学的に変化させることなく、アミンオキサイドやイオン液体に溶解させて紡糸原液を水中に乾湿式紡糸してセルロースを析出させた繊維を指し、「リヨセル繊維」とも呼ばれる。溶剤紡糸セルロース繊維は、天然セルロース繊維やバクテリアセルロース繊維、レーヨン繊維に比べ、繊維長軸方向に分子が高度に配列しているため、湿潤状態で摩擦等の機械的な力が加えられると、微細化しやすく、細く長い微細繊維が生成することから、セパレータの主骨格を形成する非フィブリル化繊維と強固に絡み合うため、強度に優れるセパレータとすることが可能となる。
本発明では、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維が用いられ、そのフィブリル化状態を示す変法濾水度は50〜250mlであることが好ましく、75〜220mlであることがより好ましく、90〜200mlであることがさらに好ましい。変法濾水度が250mlを超える場合、セパレータの緻密性が低下し、内部短絡不良率の高いセパレータとなるおそれがある。一方、変法濾水度が50ml未満の場合、セパレータが過剰に緻密となり、抵抗の高いセパレータとなるおそれがある。
本発明における変法濾水度とは、ふるい板として線形0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金属を用い、試料濃度を0.1質量%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値のことである。
本発明において、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維の長さ加重平均繊維長は0.2〜2.5mmが好ましく、0.3〜2.0mmがより好ましく、0.3〜1.8mmがさらに好ましい。長さ加重平均繊維長が0.2mmより短い場合、擦れによってセパレータ表面が毛羽立ちやすくなる場合がある。一方、長さ加重平均繊維長が2.5mmより長い場合、繊維が縺れやすくなり、厚さムラが生じる場合がある。なお、上記の長さ加重平均繊維長は、「JIS P 8226−2:2011、パルプ−光学自動分析法による繊維長測定方法 第2部:非偏光法」に基づき、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA−360)を使用して測定した値である。
本発明において、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維を作製する方法としては、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いる方法が挙げられる。この中でも特にリファイナーを用いる方法が好ましい。これら叩解・分散設備の種類、処理条件(繊維濃度、温度、圧力、回転数、リファイナーの刃の形状、リファイナーのディスク間のギャップ、処理回数等)の調整により、目的の変法濾水度及び長さ加重平均繊維長を達成することが可能となる。
本発明において、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維の含有比率は、セパレータに含まれる全繊維成分に対して60〜95質量%であることが好ましく、65〜90質量%であることがより好ましく、70〜85質量%であることがさらに好ましい。フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維の含有比率が60質量%未満である場合、セパレータの緻密性が低下し、内部短絡不良率の高いセパレータとなる場合がある。また、95質量%を超える場合、ウェブが抄紙ワイヤーからピックアップしにくくなる場合がある。
本発明のセパレータは、フィブリル化天然セルロース繊維をさらに含んでも良い。その含有比率は、セパレータに含まれる全繊維成分に対して10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。フィブリル化天然セルロース繊維は、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維に比べ、繊維1本の太さの均一性が劣る傾向にあるが、繊維間の物理的な絡みと水素結合力が強いという特徴を有することから、フィブリル化天然セルロース繊維を含むことにより、セパレータ表面の毛羽立ちを抑制する効果が得られる。ただし、フィブリル化天然セルロースの含有比率が、セパレータに含まれる全繊維成分に対して10質量%を超えると、セパレータ表面にフィルムを形成し、イオン伝導性が阻害されることで、セパレータの内部抵抗が高くなる場合がある。
本発明において、フィブリル化天然セルロース繊維としては、リファイナー、ビーター、ミル、グラインダー式摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等で処理されたものを使用することができる。この中でも、特に高圧ホモジナイザーで処理されたフィブリル化天然セルロース繊維は、生産性の高さとそのフィブリル化状態の均一性の観点から好ましい。
本発明において、フィブリル化天然セルロース繊維の原料としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプと、コットンリンターパルプ、コットンパルプ、麻、バガス、ケナフ、竹、藁由来の非木材パルプを使用することができる。
本発明のセパレータは、非フィブリル化繊維、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維、フィブリル化天然セルロース繊維以外の繊維として、合成繊維のパルプ化物やフィブリル化物等を含んでも良い。
本発明の電気化学素子用セパレータは、湿式抄造法によって得られる湿式不織布であることが好ましい。湿式不織布は繊維の均一分散性に優れており、内部短絡が発生しにくく、信頼性の高い電気化学素子用セパレータの製造方法として好ましい。
湿式抄造法では、まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等の除去)等の工程を経て、最終繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調成された抄紙用スラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。工程中で、分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙方式としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー式等の抄紙方式を用いることができる。これらの抄紙方式の群から選ばれる少なくとも一つの抄紙方式を有する抄紙機、これらの抄紙方式の群から選ばれる同種又は異種の2機以上の抄紙方式がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を使用することができる。また、2層以上の多層構造の不織布を製造する場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方のシートを形成した後に、該シートの上に繊維を分散したスラリーを流延する方法等を用いることができる。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することによって、シートを得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、80〜180℃が好ましく、90〜160℃がより好ましく、100〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは5〜100kN/m、より好ましくは10〜80kN/mである。また、本発明のセパレータは必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理などが施される。
セパレータの坪量は、5〜25g/mであることが好ましく、6〜20g/mであることがより好ましく、7〜18g/mであることがさらに好ましい。坪量が25g/mを超えると、セパレータを薄くすることが困難になる場合がある。5g/m未満であると、十分な強度を得ることが難しい場合がある。なお、坪量はJIS P 8124:2011(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づき測定される。
セパレータの厚さは、8〜60μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましく、20〜45μmであることがさらに好ましい。厚さが8μm未満である場合、十分な機械的強度が得られない場合や、正極と負極との間の絶縁性が不十分で、内部短絡不良率、放電特性のバラツキが高くなる場合や、容量維持率やサイクル特性が悪くなる場合がある。60μmより厚いと、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。
<電気化学素子>
本発明における電気化学素子としては、キャパシタが好適である。キャパシタとしては、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタ等を挙げることができる。また、電気化学素子として、リチウム二次電池も好適である。
<電気二重層キャパシタ>
電気二重層キャパシタ(EDLC)とは、正極及び負極の表面に形成される電気二重層に電荷を蓄電するキャパシタである。正極及び負極の表面に、より多くのイオンが吸着できるようにすることで、より大きな容量のEDLCが得られる。
正極及び負極の表面に、より多くのイオンが吸着できるようにするためには、正極及び負極が、より大きな比表面積を有することが必要である。また、EDLCの正極及び負極は、電気化学的な反応を起こさないことが必要である。EDLCの正極及び負極には、これらの条件を満たす材料として、活性炭;黒鉛;カーボンナノファイバー、グラフェン等のナノ炭素等が主に用いられている。
電解液としては、硫酸水溶液、使用電位範囲内において電気化学的な反応を起こさない塩を極性有機溶媒に溶解した溶液、イオン液体等を用いることができる。使用電位範囲内において電気化学的な反応を起こさない塩としては、テトラエチルアンモニウムとテトラフルオロホウ酸の塩(TEA・BF)、トリエチルメチルアンモニウムとテトラフルオロホウ酸の塩(TEMA・BF)、5−アゾニアスピロ[4.4]ノナンとテトラフルオロホウ酸の塩(SBP・BF)等が例示される。これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。
また、極性有機溶媒としては、アセトニトリル:γ−ブチロラクトン(GBL);炭酸プロピレン(PC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)等の炭酸エステル等が例示される。これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。
<ハイブリッドキャパシタ>
ハイブリッドキャパシタとは、正極又は負極のいずれか一方において、電池反応、すなわち電気化学的酸化還元反応が生じ、他方の電極では、表面に形成される電気二重層に電荷を蓄積するキャパシタである。電気二重層キャパシタでは、正極の電気二重層と負極の電気二重層とが直列に接続されているため、正極及び負極それぞれにおける電気二重層の半分の静電容量しか得られない。これに対してハイブリッドキャパシタでは、片方の電極として電気二重層に電荷が蓄積される電極を使用しているが、電気二重層キャパシタと比較して約2倍の静電容量が得られる特徴がある。ハイブリッドキャパシタとしては、後記するリチウムイオンキャパシタが例示される。
<リチウムイオンキャパシタ>
リチウムイオンキャパシタ(LIC)はハイブリッドキャパシタの1種である。LICの正極では、EDLC同様に、電気二重層に電荷を蓄積し、LICの負極では、後述するリチウム二次電池(LIB)同様にリチウムイオンを吸放出する。LICでは、負極の単極電位がLIBと同様に低く、正極との電位差が大きい。言い換えれば、LICにおける正負極間の電圧は高い。そのため、EDLCと比較してLICでは高い電圧が得られる。
さらに、EDLCと同一の正極材料を用いているが、EDLCと比較して、ハイブリッドキャパシタの一種であるLICの静電容量は約2倍である。高い電圧及び約2倍の静電容量により、EDLCに貯蔵できるエネルギー容量と比較して、LICに貯蔵できるエネルギー容量は非常に大きい。
正極としては、活性炭;黒鉛;カーボンナノファイバー、グラフェン等のナノ炭素等が主に用いられている。負極としては、リチウム吸蔵性の物質が用いられる。リチウム吸蔵性の物質の例としては、炭素系材料、珪素系材料、遷移金属とリチウムの複合酸化物等が例示される。単極電位が低い点から、金属リチウムを予め吸蔵させた炭素系材料が好ましく用いられる。
電解液としては、正極の使用電位範囲内において電気化学的な反応を起こさないリチウム塩を極性溶媒に溶解した溶液を用いることができる。正極の使用電位において電気化学的な反応を起こさない塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)等が例示される。また、極性溶媒としては、炭酸プロピレン(PC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)等の炭酸エステル;各種のイオン液体等が例示される。上記塩や極性溶媒は、それぞれ1種を用いても2種以上を用いてもよい。
<レドックスキャパシタ>
レドックスキャパシタとは、電極−電解液界面の電極(固相)側が、酸化還元反応により荷電するキャパシタである。電極側の荷電が分極に依存するEDLCと比較して、電極表面の電荷密度が非常に高いため、高い容量を得られる特徴がある。電解液としては、使用電位範囲内において電気化学的な反応を起こさない塩を極性溶媒に溶解した溶液、イオン液体を用いることができる。
<リチウム二次電池>
リチウム二次電池とは、充放電において正負極間をリチウムイオンが移動する二次電池を言う。リチウム二次電池には、負極活物質としてリチウム吸蔵性の物質を用いたリチウムイオン二次電池、負極活物質として金属リチウムを用いた金属リチウム二次電池が含まれる。
<リチウムイオン二次電池の負極>
リチウムイオン二次電池の負極活物質には、リチウム吸蔵性の物質が用いられる。リチウム吸蔵性の物質の例としては、炭素系材料、珪素系材料、遷移金属とリチウムの複合酸化物等が例示される。
炭素系材料は、質量当たりのリチウム吸蔵可能量とリチウムの吸収・放出に伴う劣化のし難さとのバランスが良好である点で、好ましく使用される。炭素系材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン等の非晶性炭素;カーボンナノチューブ、グラフェン等のナノ炭素材料が例示される。
珪素系材料は、質量当たりのリチウム吸蔵可能量が大きい点で、好ましく使用される。珪素系材料としては、珪素、一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)が例示される。
遷移金属とリチウムの複合酸化物の1種であるチタン酸リチウムは、単極電位が比較的高く、本発明のセパレータに用いられる繊維と直接接触しても、繊維の還元劣化を引き起こし難い点で、好ましく使用される。
リチウムイオン二次電池の負極としては、前記の負極活物質を含む負極材料を、金属箔上に塗工した電極が例示される。負極材料には、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン( PVDF)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)等のバインダー;カーボンブラッ ク、ナノ炭素材料等の導電剤;分散剤;増粘剤等を混合することができる。金属箔に使用される金属としては、銅、アルミニウム等が例示される。
<リチウム二次電池の正極>
リチウム二次電池の正極活物質としては、遷移金属とリチウムの複合酸化物、遷移金属とリチウムのオリビン構造を有する複合塩、硫黄等が例示される。
遷移金属とリチウムの複合酸化物としては、コバルト、ニッケル、マンガンから選択される1種以上の遷移金属とリチウムの複合酸化物が例示される。これらの複合酸化物には 、アルミニウム、マグネシウム等の典型金属;チタン、クロム等の遷移金属等をさらに複合することができる。
遷移金属とリチウムのオリビン構造を有する複合塩としては、鉄及びマンガンの少なくともいずれか一方の遷移金属とリチウムのオリビン構造を有する複合塩が例示される。
リチウム二次電池の正極としては、前記の正極活物質を含む正極材料を、金属箔上に塗工した電極が例示される。正極材料には、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン、アクリル酸エステル共重合体等のバインダー;カーボンブラック、ナノ炭素材料等の導電剤;分 散剤;増粘剤等を混合することができる。金属箔に使用される金属としては、アルミニウム等が例示される。
<リチウム二次電池の電解液>
リチウム二次電池の電解液としては、極性溶媒にリチウム塩を溶解した溶液、イオン液体にリチウム塩を溶解した溶液が例示される。
リチウム二次電池の電解液に用いられる極性溶媒としては、炭酸プロピレン(PC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)等の炭酸エステル;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチル等の脂肪酸エステルが例示され、1種を用いても2種以上を用いてもよい。
リチウム二次電池の電解液に用いられるリチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)が例示され、1種を用いても2種以上を用いてもよい。
<電気化学素子の構造>
電気化学素子は、一般に、素子の部材である正極、セパレータ及び負極をこの順で積層した構造を有する。正極、負極、セパレータには、それぞれ電解液が吸収(含浸)されている。積層構造の種類としては、各部材を積層した後にロール状に捲回する円筒型、円筒型を押し潰して、2面の平面と曲線状の両端部を形成させた捲回平型(扁平型)、九十九折(Zigzag)にしたセパレータの間に、枚葉に切り出した電極を挿入した九十九折型、枚葉に切り出したセパレータと、枚葉に切り出した電極を積層した枚葉積層型等が例示される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。表1には、各実施例及び比較例で使用したスラリー、非フィブリル化短繊維の含有率及びセパレータに含まれる各繊維の含有比率を示した。
(実施例1)
非フィブリル化繊維として、直径2.3μm、繊維長3mmの延伸ポリエステル系繊維:固形分500gを、2mのパルパー(分散容器)に1mの分散水と共に投入し、10分間分散して非フィブリル化繊維スラリー1を調成した。非フィブリル化繊維スラリー1において、非フィブリル化短繊維の含有比率は1.5%であった。
次いで、リファイナーを用いて直径10.1μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維をフィブリル化させた、変法濾水度90mlのフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維:固形分1400gと、高圧ホモジナイザーを用いてリンターをフィブリル化させたフィブリル化天然セルロース繊維:固形分100gとを、2mのパルパーに1mの分散水と共に投入し、3分間分散してフィブリル化繊維スラリー1を調成した。非フィブリル化繊維スラリー1とフィブリル化繊維スラリー1とを、チェストタンク内で混合して抄紙用スラリー1を得た。
抄紙用スラリー1を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー1を、18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m加えて繊維を解して非フィブリル化繊維スラリー2を調成した。非フィブリル化繊維スラリー2において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.6%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー2と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー2を得た。
抄紙用スラリー2を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(実施例3)
実施例2と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー2を、再度、18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m加えて繊維を解して非フィブリル化繊維スラリー3を調成した。非フィブリル化繊維スラリー3において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.2%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー3と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー3を得た。
抄紙用スラリー3を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(実施例4)
非フィブリル化繊維として、直径2.3μm、繊維長3mmの延伸ポリエステル系繊維:固形分497gと、直径2.3μm、繊維長0.2mmの延伸ポリエステル系繊維:3gとを、2mのパルパーに1mの分散水と共に投入し、5分間分散して非フィブリル化繊維スラリー4を調成した。非フィブリル化繊維スラリー4において、非フィブリル化短繊維の含有比率は1.9%であった。
次いで、非フィブリル化繊維スラリー4と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー4を得た。
抄紙用スラリー4を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(比較例1)
実施例3と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー3に対して、18メッシュの網で漉して繊維を残して分散水を除去し、新たな水を加える操作をさらに2回行って、非フィブリル化繊維スラリー5を調成した。非フィブリル化繊維スラリー5において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.0%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー5と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー5を得た。
抄紙用スラリー5を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(実施例5)
非フィブリル化繊維として、直径8.2μm、繊維長4mmのレーヨン繊維:固形分300gを、2mのパルパーに1mの分散水と共に投入し、10分間分散して非フィブリル化繊維スラリー6を調成した。非フィブリル化繊維スラリー6において、非フィブリル化短繊維の含有比率は1.2%であった。
次いで、リファイナーを用いて直径10.1μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維をフィブリル化させた、変法濾水度90mlのフィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維:固形分1700gを、2mのパルパーに1mの分散水と共に投入し、3分間分散してフィブリル化繊維スラリー2を調成した。非フィブリル化繊維スラリー6とフィブリル化繊維スラリー2とを、チェストタンク内で混合して抄紙用スラリー6を得た。
抄紙用スラリー6を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、セパレータを得た。
(実施例6)
実施例5と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー6を、18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m加えて繊維を解して非フィブリル化繊維スラリー7を調成した。非フィブリル化繊維スラリー7において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.4%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー7と、実施例5と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー2とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー7を得た。
抄紙用スラリー7を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、セパレータを得た。
(実施例7)
実施例6と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー7を、18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m加えて繊維を解して非フィブリル化繊維スラリー8を調成した。非フィブリル化繊維スラリー8において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.1%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー8と、実施例5と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー2とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー8を得た。
抄紙用スラリー8を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、セパレータを得た。
(比較例2)
実施例7と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー8に対して、18メッシュの網で漉して繊維を残して分散水を除去し、新たな水を加える操作をさらに2回行って、非フィブリル化繊維スラリー9を調成した。非フィブリル化繊維スラリー9において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.0%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー9と、実施例5と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー2とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー9を得た。
抄紙用スラリー9を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、セパレータを得た。
(実施例8)
非フィブリル化繊維として、直径2.9μm、繊維長3mmのアクリル繊維:固形分500gを、2mのパルパーに1mの分散水と共に投入し、10分間分散して非フィブリル化繊維スラリー10を調成した。非フィブリル化繊維スラリー10において、非フィブリル化短繊維の含有比率は1.6%であった。
次いで、非フィブリル化繊維スラリー10と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー10を得た。
抄紙用スラリー10を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(実施例9)
実施例8と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー10を、18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m加えて繊維を解して非フィブリル化繊維スラリー11を調成した。非フィブリル化繊維スラリー11において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.5%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー11と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー11を得た。
抄紙用スラリー11を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(実施例10)
実施例9と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー11を、再度、18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m加えて繊維を解して非フィブリル化繊維スラリー12を調成した。非フィブリル化繊維スラリー12において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.2%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー12と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー12を得た。
抄紙用スラリー12を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
(比較例3)
実施例10と同様の方法で調成した非フィブリル化繊維スラリー12に対して、18メッシュの網で漉して繊維を残して分散水を除去し、新たな水を加える操作をさらに2回行って、非フィブリル化繊維スラリー13を調成した。非フィブリル化繊維スラリー13において、非フィブリル化短繊維の含有比率は0.0%であった。次いで、非フィブリル化繊維スラリー13と、実施例1と同様の方法で調成したフィブリル化繊維スラリー1とをチェストタンク内で混合して抄紙用スラリー13を得た。
抄紙用スラリー13を用い、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥した後、金属ロールと弾性ロールによるカレンダー処理を施して、セパレータを得た。
Figure 2021158273
実施例及び比較例で得られたセパレータに対して、坪量及び厚さの測定並びにピンホール評価を行い、結果を表2に示した。
<坪量>
JIS P8124:2011に準拠して、基材の坪量を測定した。
<厚さ>
JIS B7502:2016に規定された外側マイクロメーターを用いて、5N荷重時の厚さを測定した。
<ピンホール評価>
セパレータの100mm×100mmの領域を、解像度2400dpi、256階調の反射式フラットベッドスキャナでスキャンし、スキャン像を撮影した。次いで、スキャン像のヒストグラムにおけるピーク輝度P、輝度分布の標準偏差を求めた。次いで、輝度P−6σを境界値としてスキャン像を2値化し、画素数100以上の黒点の個数をカウントし、以下の基準にて評価した。なお、スキャン像のヒストグラムの取得以降の操作は、米国国立衛生研究所が配布するパブリックドメインソフトウェアであるImageJによって行った。
A:画素数100以上の黒点の個数が0個。非常に良好なレベル。
B:画素数100以上の黒点の個数が1個以上5個以下。良好なレベル。
C:画素数100以上の黒点の個数が5個超10個以下。使用可能レベル。
D:画素数100以上の黒点の個数が10個超。使用不可レベル。
Figure 2021158273
表2に示したとおり、実施例1〜10の電気化学素子用セパレータは、フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維と非フィブリル化繊維とを含み、繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含有することから、ピンホール評価において良好な結果を示した。
一方、繊維長0.2m以下の非フィブリル化短繊維を含有しない比較例1〜3のセパレータは、ピンホール評価において、使用不可レベルの結果となった。
本発明の電気化学素子用セパレータは、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウム二次電池などの電気化学素子に利用可能である。

Claims (1)

  1. フィブリル化溶剤紡糸セルロース繊維と非フィブリル化繊維とを含む電気化学素子用セパレータにおいて、繊維長0.2mm以下の非フィブリル化繊維を含有することを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
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