JP2017117590A - 電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子、自動車、電子機器 - Google Patents

電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子、自動車、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】遮蔽性を高めてショート不良を防止するのみではなく、電気化学素子の高電圧化にも耐えうる、信頼性の高い電気化学素子用セパレータを提供する。【解決手段】一対の電極間に介在し、電解質を含有した有機系電解液を保持可能な電気化学素子用セパレータを、熱可塑性合成繊維と、平均繊維長0.2〜2.0mmの叩解された再生セルロース繊維とからなり、セパレータの断面を厚さ方向に二等分した二つの部分が、熱可塑性合成繊維の本数が少ない部分(A部)と、熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)であり、A部の熱可塑性合成繊維の本数をB部の熱可塑性合成繊維の本数で除した値が0.85以下である構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータ及び該セパレータを用いた電気化学素子に関するものである。そして、本発明は、例えばアルミ電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池等の電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子に適用して好適なものである。そして、これら電気化学素子は、自動車や各種の電子機器に適用して好適なものである。
電気化学素子としては、コンデンサやキャパシタ、電池などが挙げられる。これら電気化学素子は、近年、自動車関連機器や風力発電・太陽光発電などの再生可能エネルギー関連機器、スマートメータなどの通信機器といった、多くの分野に採用されており、今後も用途拡大は続くと予想されている。
例えば自動車の場合、エネルギー回生にリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタが用いられたり、燃料噴霧や変速機、電子スロットル、アンチロックブレーキシステム等の電子制御ユニット(ECU)に、アルミニウム電解コンデンサや電気二重層キャパシタが用いられたりしている。近年注目されている、電気自動車やハイブリッド自動車では、電源等としてリチウムイオン二次電池が、エネルギー回生等に電気二重層キャパシタが、モーター制御や電池制御、HEVシステム制御、外部交流電源からの直流変換などのECUにアルミニウム電解コンデンサが用いられている。
このように、各種電気化学素子は、内燃機関を有するかどうかに関わらず、走行・制動・旋回といった、自動車の最重要部分に搭載されている。
こういった電気化学素子では、ショート不良が直ちに人命に関わるため、高い信頼性が求められる。つまり、車体の振動に耐え、寒冷地域や高温地域での長時間の使用であってもショート不良が発生せず、また、性能の劣化も少ないことが求められる。
また、電子機器に用いられる回路基板では、実装される電気化学素子への薄型化や小型化といった要望が大きい。また、携帯機器の電源に用いられる電気化学素子では、一度の充電で長時間使用できることも求められる。
このため、チップやCPUへの電力供給や交流電流の平滑化を目的として、基板上に実装されるアルミニウム電解コンデンサなどの電気化学素子には、低背、小型であることが求められる。また、携帯機器の電源として用いられることの多いリチウムイオン二次電池には、小型かつ薄型でありながらも、長時間使用できるように高容量化も求められるし、繰り返しの充放電であっても性能の劣化の少ないことも求められる。
こういった用途の拡大や、使用される機器の高性能化に伴い、電気化学素子には、これまで以上に、過酷な使用環境であっても長期使用に耐えうる信頼性や、充放電特性や出力特性といった性能の向上が求められている。
電気化学素子における、セパレータの主な役割は、一対の電極の隔離と電解液の保持である。一対の電極を隔離するために、セパレータには低抵抗、且つ高い遮蔽性を有する事が求められる。電気化学素子の用途拡大に伴い、セパレータにも、これらの性能の向上が一層求められている。
また、セパレータの素材には、電気絶縁性が必要とされ、また様々な種類の電解液の保持のために、親液性(親電解液性)が求められている。
上述の性能を満たす素材として、セルロースがある。セルロース繊維にせん断力を加えて処理(叩解)することで、繊維は微細化され、この微細化された繊維から不織布を形成することで、非常に緻密なシートが得られる。
微細化されたセルロース繊維は、合成繊維などと比較して繊維長が短小であり、シートの間隙を埋めやすく、セパレータの遮蔽性を向上させる。このため、遮蔽性に優れるセルロース繊維からなるセパレータが広く採用され、電気化学素子のショート不良低減に寄与している。
近年では、上述の遮蔽性に加え、過酷な使用環境での信頼性への注目が高まっている。
電気化学素子は、使用時に分極する。そして、正極となる電極近傍に集まったアニオンと電解液中の水とが反応する、或いは電解液が分解することにより、正極近傍の電解液が強い酸性を示す。近年要望されるような過酷な使用環境下では、この酸によってセパレータの分解が生じ、電気化学素子のショートに至る場合があることがわかってきた。
このように、電気化学素子用セパレータには、遮蔽性を高めてショート不良を防止するのみでなく、高温、高電圧のような過酷な使用環境であっても長期に渡り安定な、信頼性の高いセパレータが求められている。
更に、電気化学素子用セパレータには、電気化学素子の小型化や高容量化、大電流化といった要望も根強く、これら性能の向上のため、セパレータへの薄型化、低抵抗化の要求も大きい。
電気化学素子用セパレータにおいて、遮蔽性等の特性の向上を図る目的で種々の構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
国際公開第2012/008559号 特開2000−3834号公報 国際公開第2008/007500号
特許文献1において、濾水度と繊維長をコントロールした溶剤紡糸セルロース繊維と、合成繊維とからなるセパレータが提案されている。
特許文献1のセパレータは、叩解された溶剤紡糸セルロース繊維と合成繊維とが均質に絡み合ったセパレータであり、セパレータ強度に優れる。
しかしながら、特許文献1のセパレータにおいて、強度を維持するためには、溶剤紡糸セルロース繊維が、合成繊維と絡み合うことができる程度の長さを有する必要があり、溶剤紡糸セルロース繊維の微細化(短繊維化)の程度が低い。そのため、セパレータの遮蔽性が高いとはいえず、セパレータとして使用した際に、ショート不良が発生する恐れがある。
仮に、この特許文献1のセパレータの遮蔽性を向上させるため、溶剤紡糸セルロース繊維の叩解をさらに行うと、溶剤紡糸セルロース繊維と合成繊維との絡みがなくなることに加え、合成繊維が溶剤紡糸セルロース繊維同士の水素結合を阻害することにより、セパレータ強度が著しく低下することとなる。
特許文献2において、セパレータの緻密性を向上させ、且つ抵抗を低減するために、叩解した溶剤紡糸再生セルロース繊維を使用する方法が提案されている。叩解可能な溶剤紡糸再生セルロース繊維は、叩解処理を施すことによって、1μm未満の微細なフィブリルが得られる。このため、叩解された溶剤紡糸再生セルロースで構成されたセパレータは、緻密性が高い微多孔質状のシートとなり、特許文献1のセパレータ等と比較すると、遮蔽性に優れた良好なセパレータとなる。
しかしながら、近年の電気化学素子の用途拡大、性能向上に伴い、セパレータにも更なる高性能化が求められる場合が出てきた。具体的には、電気化学素子使用時の正極近傍の酸性環境にも耐えることである。
電気化学素子の電解液には、フッ素を含有する電解質が広く使用されている。この電解質は、電気化学素子系内に水があると分解し、フッ酸を生じる。極材やセパレータは事前に乾燥(予備乾燥)した後に使用されているが、完全な排除は困難であるため、系内に水分が持ち込まれる場合がある。
近年の電気化学素子の高電圧化への取組みの結果、電気化学素子が高電圧で使用されると、通常の電圧と比べより強く分極し、正極近傍の酸性度も高まり、セルロースを分解する事が判明してきた。
このため、高電圧であっても長期に渡る使用に耐えうる物理的・化学的な安定性といったような、信頼性の向上が要求されてきている。
特許文献3において、セルロースを含有する層(セパレータ層)と、合成樹脂からなりセルロースの分解を抑止する層(抑止層)とからなるセパレータが提案されている。
特許文献3においては、正極側に抑止層を配置することにより、電気化学素子の長寿命化を図っている。
しかしながら、セパレータ層と抑止層との二層を重ね合わせたり、張り合わせたりすることにより、セパレータ全体としての厚さが厚くなってしまい、抵抗値が増大するし、層間剥離による不具合を生じるおそれもある。
また、セパレータ層を形成した後に抑止層を塗布形成する場合は、セパレータ層に抑止層が染み込んでしまい二層構造が保てず、酸による分解を充分に抑制できないといった不具合を生じるおそれがある。
そして、抑止層を形成した後にセルロース繊維の分散液を塗布乾燥してセパレータ層を形成することも、現実的には困難である。セルロースには水酸基が存在し、水素結合を生じる。一方、特許文献3に開示された抑止層を形成する樹脂は、セルロースと水素結合を形成して強固に結着するものではない。このため、抑止層表面にセルロース繊維の分散液を塗布乾燥しても、容易に剥離してしまう。
以上は不織布からなるセパレータについて記載したが、電気化学素子用セパレータとして、合成樹脂製微多孔膜が採用されているものもある。一般的には、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムで、微細な孔を有している。
このようなポリオレフィン系樹脂のフィルムは、不織布からなるセパレータと比べ、電解液の保持力が低いため、電気化学素子の長寿命化が困難である場合や、セパレータの抵抗値が大きいため、電気化学素子の抵抗値も増大する場合が殆どである。また、ポリオレフィン系樹脂がセルロースなどと比べ耐熱性が低いため、高温での予備乾燥が行えず、電気化学素子の生産性を向上させにくい。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、電気化学素子用セパレータの遮蔽性を高めてショート不良を防止するのみではなく、電気化学素子の高電圧化にも耐えうる、信頼性の高いセパレータ及びセパレータを備えた電気化学素子を提供することを目的としたものである。また、本発明は、信頼性の高い電気化学素子を備えた、自動車や電子機器を提供することを目的としたものである。
上述した問題点を解決し、上述した目的を達成する手段として、本発明は、以下の構成を備える。
即ち、本発明の電気化学素子用セパレータは、一対の電極間に介在して電極間を隔離し、電解質を含有した電解液を保持可能な電気化学素子用セパレータであって、該セパレータが、熱可塑性合成繊維と、平均繊維長0.2〜2.0mmの叩解された再生セルロース繊維とからなり、該セパレータの断面を厚さ方向に二等分した二つの部分が、熱可塑性合成繊維の本数が少ない部分(A部)と、熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)であり、A部の熱可塑性合成繊維の本数をB部の熱可塑性合成繊維の本数で除した値が0.85以下であることを特徴とする。
更に、熱可塑性合成繊維がポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維から選択される一種以上の繊維であることが好ましく、叩解された再生セルロース繊維を50〜90質量%、熱可塑性合成繊維を10〜50質量%含有することがより好ましい。
本発明の電気化学素子は、上述した本発明の電気化学素子用セパレータが用いられている構成である。
本発明の電気化学素子としては、アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン一次電池、リチウムイオン二次電池が好ましい。そして、これら電気化学素子において、セパレータの熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)が、正極側に配置されていることがより好ましい。
本発明の自動車は、本発明の電気化学素子を搭載した構成である。
本発明の自動車としては、例えば、電池を搭載した電気自動車やハイブリッド自動車、エネルギー回生用に電気二重層キャパシタを搭載した各種自動車、電子スロットル、アンチロックブレーキシステム等の電子制御ユニット(ECU)にアルミニウム電解コンデンサや電気二重層キャパシタを搭載した各種自動車が挙げられる。
本発明の電子機器は、本発明の電気化学素子を搭載した構成である。
本発明の電子機器としては、電源として電池を搭載した各種電子機器や、コンデンサまたはキャパシタを搭載した各種電子機器が挙げられる。
本発明の電気化学素子用セパレータによれば、遮蔽性・機械強度・化学的な安定性の高い、ショート不良低減に効果的なセパレータを提供できる。
そして、本発明の電気化学素子は、本発明の電気化学素子用セパレータを用いることにより、ショート不良率が低減し、電気化学素子の高電圧化も図れる。
さらに、本発明の電気化学素子を用いた自動車の安全性の向上や、本発明の電気化学素子を用いた電子機器の小型化、長寿命化が図れる。
本発明の電気化学素子用セパレータの一実施の形態の概略断面図である。 図1の構成における、繊維の本数の数え方を説明する図である。 本発明の自動車の一実施の形態を示すブロック図である。 本発明の自動車の他の実施の形態を示すブロック図である。 本発明の自動車のさらに他の実施の形態を示すブロック図である。 本発明の電子機器の一実施の形態を示すブロック図である。 本発明の電子機器の他の実施の形態を示すブロック図である。
本発明の電気化学素子用セパレータは、一対の電極間に介在して電極間を隔離し、電解質を含有した電解液を保持可能な電気化学素子用セパレータであって、該セパレータが、熱可塑性合成繊維と、平均繊維長0.2〜2.0mmの叩解された再生セルロース繊維とからなり、該セパレータの断面を厚さ方向に二等分した二つの部分が、熱可塑性合成繊維の本数が少ない部分(A部)と、熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)であり、A部の熱可塑性合成繊維の本数をB部の熱可塑性合成繊維の本数で除した値が0.85以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明の電気化学素子用セパレータは、二層構造を有しており、熱可塑性合成繊維の本数が少ない部分(A部)と熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)とが存在する。このA部の熱可塑性合成繊維の本数を、B部の熱可塑性合成繊維の本数で除した値(A/B値)が0.85以下のとき、A部とB部とは、本発明の二層構造となっている。
また、本発明の電気化学素子は、セパレータとして上記構成を有する本発明の電気化学素子用セパレータを用い、一対の電極間にセパレータを介在させたものである。
すなわち、本発明の電気化学素子は、本発明の電気化学素子用セパレータに電解液を含浸保持させ、両極を該セパレータで隔離することによって構成する。
本発明の自動車は、上述した本発明の電気化学素子を搭載した構成である。そして、本発明の自動車は、エンジン自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車のいずれにも適用することができる。
本発明の自動車としては、例えば、電池を搭載した電気自動車やハイブリッド自動車、エネルギー回生用に電気二重層キャパシタを搭載した各種自動車、電子スロットル、アンチロックブレーキシステム等の電子制御ユニット(ECU)にアルミニウム電解コンデンサや電気二重層キャパシタを搭載した各種自動車が挙げられる。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気化学素子を搭載した構成である。
本発明の電子機器としては、電源として電池を搭載した各種電子機器や、コンデンサまたはキャパシタを搭載した各種電子機器が挙げられる。
本発明のセパレータに使用可能な熱可塑性合成繊維としては、様々な熱可塑性合成樹脂の中でも、耐酸性・耐熱性、抄紙適性の観点から、ポリエチレンテレフタレートといったポリエステル系繊維や、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルといったアクリル系繊維が好ましい。
そして、詳細を後述する、セルロースとの比重差を利用して層状に形成する製造方法が簡便であるため、熱可塑性合成樹脂としては、セルロースよりも比重の小さなものが好ましい。具体的には、比重1.45以下が好ましい。
本発明のセパレータに使用可能な再生セルロース繊維としては、例えばリヨセルを代表とする溶剤紡糸レーヨンやポリノジックレーヨンなどが挙げられる。しかし、これらの例に限定されるものではなく、叩解可能な再生セルロース繊維であれば、いずれであってもよい。
本発明の電気化学素子としては、例えば、アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池、リチウム一次電池を、挙げることができる。これらの電気化学素子に、本発明の電気化学素子用セパレータを用いて、本発明の電気化学素子を構成することができる。
本発明の電気化学素子に使用する電解液としては、後述する実施例に取り上げる溶媒と電解質との組み合わせに限定されるものではなく、通常使用される電解液であれば、いずれでも良い。
また、本発明の電気化学素子の電極の材料についても、後述する実施例に取り上げる組み合わせに限定されるものではなく、通常使用される電気化学素子用電極材であれば、いずれでも良い。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいて、A部は、叩解された再生セルロース繊維が多い非常に緻密な層を形成している。これにより、特許文献1に開示されたような、セルロース繊維と合成繊維とが均質な混在状態であるセパレータと比べ、遮蔽性を向上させることができる。
従って、本発明の電気化学素子用セパレータを使用した電気化学素子は、ショート不良率が低減する。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいて、B部は、A部と比較して熱可塑性合成繊維が多い。このため、層内で、熱可塑性合成繊維同士による交絡が多数存在し、セパレータの製造工程における加熱や圧縮により、交絡点が溶着・圧着する。従って、均質な混在状態である合成繊維とセルロース繊維との絡まりによって強度を向上させる、特許文献1に開示されたようなセパレータと比べ、セパレータの機械強度が大幅に向上する。
以上の効果が同時に得られるため、従来用いられるよりも少ない合成繊維含有率であっても、充分に強度が向上する。そして、合成繊維含有率を減じることは、再生セルロース繊維の含有率を高めることであり、これにより、更なる遮蔽性の向上も可能となる。
また、A部とB部は、比率の多寡はあるが、再生セルロース繊維と熱可塑性合成繊維とを両方含有している。そして、再生セルロース繊維と熱可塑性合成繊維が互いに絡み合い、熱可塑性合成繊維同士の溶着・圧着も発生しているため、各層間での剥離の恐れも無い。
A/B値が0.85以下のとき、本発明の二層構造のセパレータとなり、セパレータの遮蔽性と機械強度とを向上させられる。そして、A/B値が0.75以下のとき、より強く二層に分かれているといえ、より好ましい。A/B値が0.6以下のとき、更に強く二層に分かれており、更に好ましい。
A/B値が0.85を超過すると、本発明の効果が得られない。
再生セルロース繊維についても、A部の再生セルロース繊維の幹部分の本数が多く、B部の再生セルロース繊維の幹部分の本数が少ない、二層構造となっていることが好ましい。
そして、B部の再生セルロース繊維の幹部分の本数を、A部の再生セルロース繊維の幹部分の本数で除した値(B/A値)が0.85以下のとき、つまり、熱可塑性合成繊維の偏りと逆の偏りを有するとき、叩解された再生セルロース繊維の特徴である緻密性が最大限発揮される。
また、本発明の電気化学素子用セパレータにおいて、セパレータのB部を電気化学素子の正極側に配置することにより、電気化学素子の使用時にその正極近傍で発生する酸性条件にも耐えることが可能となる。このため、近年市場ニーズが高まっている、各種電気化学素子の高電圧化にも寄与する。
なお、電気化学素子のうち、キャパシタやコンデンサは、動作原理において2つの電極の正極・負極の区別がないが、実際の製品では正極・負極の区別がなされている。本発明の電気化学素子用セパレータを、キャパシタやコンデンサに適用する場合には、セパレータのB部を、キャパシタやコンデンサの製品の正極側に配置することが好ましい。
ところで、一般的に、再生セルロース繊維からなるセパレータを電解液に浸漬すると、繊維間に電解液が浸透することにより、乾燥時と比較して強度が低下する。
これに対して、本発明のセパレータは、このような強度低下は起こらない。このため、本発明のセパレータを用いた電気化学素子の耐振動性の向上にも寄与する。
更に、本発明のセパレータは遮蔽性に優れるため、通常用いられるよりも厚さが薄い、或いは密度が低いセパレータであっても、充分な遮蔽性を有する。このため、本発明のセパレータを用いれば、電気化学素子のショート不良低減や長期信頼性を向上する。更に、低抵抗化や小型化も可能となる。
上述した本発明のセパレータを備えて構成されることから、本発明の電気化学素子は、自動車や各種電子機器で要求される、小型かつ高容量、高出力で、長期に渡り使用できるという要求を、同時に満たすことができる。
そして、本発明の電気化学素子を用いた自動車の安全性、信頼性の向上や、本発明の電気化学素子を用いた電子機器の、小型化、長寿命化、信頼性の向上に寄与する。
本発明の電気化学素子用セパレータの二層構造は、例えば、以下の方法により実現することができる。
高度に叩解された再生セルロース繊維と、熱可塑性合成繊維とを混合して、水中に分散し、抄紙法により網面から濾水することでシートを形成する。即ち、湿式不織布とする。
セルロース繊維の比重は、約1.5である。一方、樹脂種により様々であるが、合成繊維の比重は1.5よりも小さい。
このため、これらを混合して緩慢な濾水にて抄紙することにより、セルロース繊維がシート下部に、合成繊維がシート上部に堆積した、複層構造のシートが得られる。以下に示す本発明の実施の形態例は、この比重差を利用し、シートを層状に形成したものである。
ただし、本発明においては、再生セルロース繊維と合成樹脂繊維とからなる複層構造のセパレータであればいずれでもよく、本発明の実施の形態例に示す、特定の抄紙法によるセパレータに限定されるものではない。
具体的には、例えば以下の方法により、本発明のセパレータが得られる。
まず、再生セルロース繊維として、叩解された再生セルロース繊維を使用する。再生セルロース繊維を叩解することで、繊維から樹状に枝分かれした微細なフィブリルが得られる。更に叩解を行うと、この枝分かれが増えるだけでなく、同時にフィブリルの脱落も生じる。
抄紙工程では、叩解された再生セルロース繊維と熱可塑性合成繊維とを混合して、これらを多量の水に分散させて分散液を得た後に、この分散液をワイヤ(抄紙網)にて濾過することにより、シートを形成する。この分散液がワイヤ上に供給されると、まず、濾水抵抗が大きく比重の高い太い径の繊維(繊維の幹部分)がワイヤ上に堆積する。そして、繊維の幹部分の堆積層の上に、微細なフィブリルが徐々に堆積することになる。
抄紙機に一般的に用いられるワイヤと比べて、最初に堆積する叩解された再生セルロース繊維の幹部分により形成された層の方が、目が細かいため、幹部分の堆積層の上に堆積するフィブリルは、非常に微細であっても、ワイヤからの脱落(すり抜け)を防ぐことができる。
合成繊維を叩解された再生セルロース繊維と同時にワイヤに供給した場合でも、セルロースと合成繊維との比重差により、まず再生セルロース繊維の幹部分がワイヤ上に堆積することは同様である。
合成繊維は、水素結合を生じないため、叩解された再生セルロースからなる不織布の密度を低下させ、緻密性を損なう場合があるが、本発明のセパレータにおいては、幹部分から脱落したフィブリルがその間隙を安定するように埋めるため、緻密性が低下することも無い。
つまり、再生セルロース繊維の叩解の程度は、幹部分とフィブリルとが共存する程度のバランスが必要である。
二層構造としたシート(湿式不織布)を、加熱・圧縮することにより、A部の熱可塑性合成繊維同士が溶着・圧着し、セパレータの強度を大きく向上させられる。
一般的に、再生セルロースからなるセパレータは、電解液に浸漬されると、繊維間に電解液が浸透することにより乾燥時と比較して強度が低下するが、合成繊維同士を溶着・圧着させた本発明のセパレータは、電解液浸漬による強度低下も起こらない。このため、本発明のセパレータを電気化学素子に適用した際の耐振動性も向上する。
湿式不織布を形成する手法としては、従来から選択されているいずれの手段であっても、特に制限なく採用できる。
一般的には、長網抄紙機や円網抄紙機、短網抄紙機などが広く用いられている。
中でも、抄紙ワイヤへの原料スラリー供給からシート形成までの濾水時間が比較的長く取れ濾水方向が垂直方向である短網抄紙機や長網抄紙機は、本発明の構成を得る上で好適である。
本発明のセパレータの抄紙工程では、必要に応じて、通常抄紙工程で使用されている添加剤、例えば分散剤や消泡剤、紙力増強剤などを使用してもよい。また、必要に応じて、ポリアクリルアミドなどを用いた紙力増強剤の塗工を行ってもよい。
本発明では、叩解された再生セルロース繊維の平均繊維長は、JISP8226−2による繊維長を用いる。
叩解可能な繊維を叩解していくと、平均繊維長が徐々に短くなる。この平均繊維長が0.2〜2.0mmの範囲にあるとき、前述したA/B値やB/A値を好ましい値にできる。
平均繊維長が2.0mmを超過すると、フィブリルの発生が不十分であり、遮蔽性の向上に寄与できないし、微細化しきれていない長繊維が熱可塑性合成繊維を絡め取って同時にワイヤ上に堆積しやすく、A/B値、B/A値が小さくなりにくい。
平均繊維長が0.2mm未満では、繊維が微細になりすぎ、幹部分が少なくなりすぎるため、ワイヤからの脱落が増加し、A/B値、B/A値が小さくなりにくい。
平均繊維長が0.4〜1.0mmのとき、A/B値を0.75以下としやすいため、より好ましく、平均繊維長が0.5〜1.0mmのとき、A/B値を0.6以下としやすいため、更に好ましい。
そして、再生セルロース繊維の叩解度を管理することで、上述した範囲内の平均繊維長を達成できる。再生セルロース繊維の叩解の程度は、JISP8121−2による濾水度(CSF値)を用いる。叩解可能な繊維を叩解していくと、CSF値は徐々に低下し、下限に到達する。ここで、更に叩解を進めると、CSF値は上昇に転じる。
そして、本発明のA/B値、B/A値を達成するためには、このCSF値が重要である。本発明の再生セルロースの叩解の程度は、低下しているCSF値で100ml以下、上昇しているCSF値で700ml以下の範囲が好ましい。
低下しているCSF値が100mlより大きいと、平均繊維長を2mm以下にし難い。また、上昇しているCSF値がさらに増えて700mlを超えた場合は、平均繊維長を2mm以下にし難い。
本発明のセパレータに使用する、再生セルロース繊維の叩解に用いる設備は、通常の抄紙原料の調成に使用されるものであればいずれでもよい。一般的にはビーター、コニカルリファイナー、ディスクリファイナー、高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。
本発明のセパレータにおいて、熱可塑性合成繊維は、その繊維径が細いことが好ましい。
同じ比重で比べた場合、繊維径が細い合成繊維は、太い合成繊維と比べ、水中での沈降が遅い。このため、より層状にシート形成できる。また、繊維径が細い程、緻密なシートが形成できるため、セパレータの遮蔽性も向上する。
以上の理由から、合成繊維の繊維径は、0.5〜10μmが好ましい。
繊維径が0.5μm未満では、繊維を水中に均一に分散させることが難しく、好ましくない。
なお、本発明のセパレータにおける二層構造は、二層が各々の繊維のみと言えるほどに分離している必要はなく、一方の表面から他方の表面にかけて、徐々に各々の繊維の構成割合が変化しているものであってもよい。
本発明のセパレータ全体に占める再生セルロース繊維の含有割合は、50〜90質量%が好ましく、合成繊維の含有割合は、10〜50質量%が好ましい。
再生セルロース繊維の含有量が90質量%を超過する時、即ち、合成繊維の含有量が10質量%未満の時は、強度の向上があまり望めない。
また、合成繊維の含有量が50質量%を超過する時、即ち、再生セルロース繊維の含有量が50質量%未満の時は、遮蔽性の向上があまり望めない。
本発明のセパレータは、厚さが10〜70μmかつ密度が0.25〜0.90g/cmであることが好ましい。所望する厚さ及び密度に制御するため、必要に応じてキャレンダ処理を行ってもよい。
厚さが10μmより薄い、或いは密度が0.25g/cmより低いと、機械的強度が弱くなり、セパレータ製造工程や電気化学素子製造工程でセパレータが破断しやすくなるし、電気化学素子のショート不良の発生を抑制できなくなる。厚さが70μmより厚い、或いは密度が0.90g/cmより高いと、抵抗値が増大する。
以下、本発明にかかる具体的な実施の形態を説明する。
本発明の電気化学素子用セパレータの一実施の形態の概略断面図を、図1に示す。
図1に示す電気化学素子用セパレータ10は、シート状のセパレータの内部に、再生セルロース繊維と熱可塑性合成繊維を、含有している。そして、これらの繊維は、繊維径の大きい方から順に、再生セルロース繊維の幹部分11、熱可塑性合成繊維12、再生セルロース繊維のフィブリル13、の3つに大別できる。
そして、図1では、電気化学素子用セパレータ10の断面を厚さ方向に二等分して、下半分のA部10Aと、上半分のB部10Bに分けて、境界線を点線で示している。
下半分のA部10Aは、熱可塑性合成繊維12が少なく、再生セルロース繊維の幹部分11が多くなっている。
上半分のB部10Bは、熱可塑性合成繊維12が多く、再生セルロース繊維の幹部分11が少なくなっている。
そして、本実施の形態の電気化学セパレータ10は、A部10Aの熱可塑性合成繊維12の本数をB部10Bの熱可塑性合成繊維12の本数で除した値(A/B値)が0.85以下である構成とする。A/B値が0.75以下である構成がより好ましく、A/B値が0.6以下である構成が更に好ましい。
また、好ましくは、B部10Bの再生セルロース繊維の幹部分11の本数をA部10Aの再生セルロース繊維の幹部分11の本数で除した値(B/A値)が0.85以下である構成とする。
電気化学素子用セパレータ10の断面における、熱可塑性合成繊維12の本数と、再生セルロースの幹部分11の本数の算出方法について、図2を参照して説明する。
なお、図2において、電気化学素子用セパレータ10の断面における、再生セルロース繊維の幹部分11、熱可塑性合成繊維12、再生セルロース繊維のフィブリル13の配置は、図1と同一である。
図2において、中心の線に掛かっておらず、A部10Aのみ、或いは、B部10Bのみに存在する繊維は、それぞれ1本と数える。
一方、中心の線をまたいでいる繊維は、図2に示すように、本数を数える。
A部10Aに多く偏っている繊維は、A部0.75本、B部0.25本、と数える。
A部10A及びB部10Bに均一に含まれている繊維は、A部0.5本、B部0.5本、と数える。
B部10Bに多く偏っている繊維は、A部0.25本、B部0.75本、と数える。
このように数えて、電気化学素子用セパレータ10の断面のA部10AとB部10Bの各々の繊維の本数を算出する。
図2の場合、熱可塑性合繊繊維12の本数は、A部10Aが7.75本でB部が16.25本であり、再生セルロース繊維の幹部分11の本数は、A部が7.5本でB部が3.5本である。従って、熱可塑性合成繊維12のA/B値は7.75/16.25=0.48であり、再生セルロース繊維の幹部分11のB/A値は3.5/7.5=0.47である。この場合、熱可塑性合成繊維12のA/B値及び再生セルロース繊維の幹部分11のB/A値が共に0.85以下であるので、本発明の電気化学素子用セパレータの効果が十分に得られる。
次に、本発明の自動車、すなわち、本発明の電気化学素子(本発明のセパレータを用いた電気化学素子)を、自動車に適用した場合の実施の形態を、いくつか説明する。
本発明の自動車の一実施の形態を示すブロック図を、図3に示す。
図3は、本発明を電気自動車に適用した場合である。
図3に示す自動車20は、電気自動車の動力源としてリチウムイオン二次電池21を備え、リチウムイオン二次電池21でモーター22を動かして走行する。また、車輪Wにブレーキ23が接続されている。さらに、リチウムイオン二次電池21を充電するための、充電器24と外部電源25を備えている。
リチウムイオン二次電池21には、電池制御ECU26が接続されており、電池制御ECU26によってリチウムイオン二次電池21を制御する。
モーター22には、モーター制御ECU27とEPS制御ECU28が接続されており、モーター制御ECU27によってモーター22を制御する。EPS制御ECU28は、EPS(電動パワーステアリング)の制御を行う。
リチウムイオン二次電池21及びモーター22とブレーキ23の間には、回生ブレーキ制御ECU29が設けられ、この回生ブレーキ制御ECU29によって、ブレーキ23の回生ブレーキ操作の制御を行う。
そして、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池21に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、リチウムイオン二次電池を使用することができる。
また、本実施の形態では、電池制御ECU26、モーター制御ECU27、EPS制御ECU28、回生ブレーキ制御ECU29に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、コンデンサや電気二重層キャパシタを使用することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、リチウムイオン二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタを使用することにより、セパレータが十分な遮蔽性、機械強度、化学的安定性を有するので、リチウムイオン二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタにおいて、ショート不良を低減し、耐振動性や温度への耐性の向上、長期間使用後の特性の安定化を図ることができる。
これにより、高い安全性及び高い信頼性を有する自動車20を実現することができる。
本発明の自動車の他の実施の形態を示すブロック図を、図4に示す。
図4は、本発明を、回生システムを有するエンジン自動車に適用した場合である。
図4に示す自動車30は、動力源としてエンジン31を備え、エンジン31を含む動力系にアクセル32と変速機33を備えている。また、車輪Wにブレーキ35が接続され、ブレーキ35に回生ユニット34とABSユニット36が接続されている。ABSユニット36により、ABS(アンチロックブレーキシステム)機能を働かせることができる。さらに、車内の空調を行うためのエアコン37を備えている。
エンジン31には燃料噴霧ECU38が接続されており、燃料噴霧ECU38によって、エンジン31の燃料噴霧を制御する。エンジン31とアクセル32の間には電子スロットルECU39が設けられ、エンジン31と変速機33の間には変速機ECU40が設けられている。回生ユニット34には回生ブレーキ制御ECU41が接続されており、回生ブレーキ制御ECU41によって、回旋ユニット34の回生ブレーキ動作が制御される。ABSユニット36にはABS ECU42が接続されており、ABS ECU42によって、ABSユニット35の動作が制御される。
そして、本実施の形態では、燃料噴霧ECU38、電子スロットルECU39、変速機ECU40、回生ブレーキ制御ECU41、ABS ECU42に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、コンデンサや電気二重層キャパシタを使用することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、コンデンサや電気二重層キャパシタを使用することにより、セパレータが十分な遮蔽性、機械強度、化学的安定性を有するので、コンデンサ、電気二重層キャパシタにおいて、ショート不良を低減し、耐振動性や温度への耐性の向上、長期間使用後の特性の安定化を図ることができる。
これにより、高い安全性及び高い信頼性を有する自動車30を実現することができる。
本発明の自動車の他の実施の形態を示すブロック図を、図5に示す。
図5は、本発明を、ハイブリッド自動車に適用した場合である。
図5に示す自動車50は、ハイブリッド自動車であるので、電気自動車である図3に示した自動車20と共通する構成と、エンジン自動車である図4に示した自動車30と共通する構成を、含んでいる。
図5に示す自動車50は、動力源として、エンジン51及びリチウムイオン二次電池52を有している。また、車輪Wに、ブレーキ53やモーター57が接続されている。さらに、リチウムイオン二次電池52を充電するための、充電器54と外部電源55を備えている。また、車輪Wの駆動用のモーター57とは別に、EPS(電動パワーステアリング)用のモーター56が設けられている。
エンジン51には、燃料噴霧ECU58及び電子スロットルECU59が接続されている。
リチウムイオン二次電池52には、電池制御ECU60が接続されており、電池制御ECU60によってリチウムイオン二次電池52を制御する。
図5の中央部には、HEVシステム制御ECU61が設けられており、このHEVシステム制御ECU61は、エンジン51とリチウムイオン二次電池52の切り替えなどを制御する。
ブレーキ53には、回生ブレーキ制御ECU62が接続されており、回生ブレーキ制御ECU62によって、ブレーキ53の回生ブレーキ動作が制御される。車輪Wに接続されたモーター57には、モーター制御ECU63が接続されており、モーター制御ECU63によってモーター57を制御する。EPS用のモーター56には、EPS制御ECU64が接続されており、EPS制御ECU64によってEPS(電動パワーステアリング)の制御を行う。
そして、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池52に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、リチウムイオン二次電池を使用することができる。
また、本実施の形態では、燃料噴霧ECU58、電子スロットルECU59、電池制御ECU60、HEVシステム制御ECU61、回生ブレーキ制御ECU62、モーター制御ECU63、EPS制御ECU64に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、コンデンサや電気二重層キャパシタを使用することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータを備えたリチウムイオン二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタを使用することにより、セパレータが十分な遮蔽性、機械強度、化学的安定性を有するので、リチウムイオン二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタにおいて、ショート不良を低減し、耐振動性や温度への耐性の向上、長期間使用後の特性の安定化を図ることができる。
これにより、高い安全性及び高い信頼性を有する自動車50を実現することができる。
なお、ハイブリッド自動車には、電池及びエンジンの担う役割や各部の接続関係が、図5に示した構成とは異なる、他の型も含まれる。このような他の型のハイブリッド自動車にも、本発明を適用して、本発明の電気化学素子を搭載することが可能である。
次に、本発明の電子機器、すなわち、本発明の電気化学素子(本発明のセパレータを用いた電気化学素子)を、電子機器に適用した場合の実施の形態を、いくつか説明する。
本発明の電子機器の一実施の形態を示すブロック図を、図6に示す。
図6は、本発明を、電気二重層キャパシタによる電源アシストを行う電子機器に適用した場合である。
図6に示す電子機器70は、電源71と、負荷(LED等)72と、電気二重層キャパシタ73を、備えている。
電気二重層キャパシタ73は、電源71からの電気を蓄積させることができ、そして、蓄積された電気を放電することにより電源71をアシストすることができる。
そして、本実施の形態では、電気二重層キャパシタ73に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、電気二重層キャパシタを使用することができる。
本発明の本発明の電気化学素子用セパレータを備えた電気二重層キャパシタを使用することにより、セパレータが十分な遮蔽性、機械強度、化学的安定性を有するので、電気二重層キャパシタにおいて、ショート不良を低減し、耐振動性、耐電圧性、温度への耐性の向上、薄型化による低抵抗化や小型化、長期間使用後の特性の安定化を図ることができる。
これにより、小型であり、高い信頼性を有する電子機器70を実現することができる。
本発明の電子機器の他の実施の形態を示すブロック図を、図7に示す。
図7は、本発明を、電気二重層キャパシタによる主電源のバックアップを行う電子機器に適用した場合である。
図7に示す電子機器80は、主電源としてのリチウムイオン二次電池等81と、負荷82と、バックアップ用電源としての電気二重層キャパシタ83を、備えている。
電気二重層キャパシタ83は、リチウムイオン二次電池等81の主電源と負荷82の間に接続されている。そして、図7に×で示すように、主電源が使用できなくなった場合には、電気二重層キャパシタ83によって、主電源のバックアップを行う。
そして、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池等81に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、リチウムイオン二次電池等を使用することができる。
また、本実施の形態では、電気二重層キャパシタ73に、本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、電気二重層キャパシタを使用することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータを備えた、リチウムイオン二次電池等や電気二重層キャパシタを使用することにより、セパレータが十分な遮蔽性、機械強度、化学的安定性を有するので、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタにおいて、ショート不良を低減し、耐振動性、耐電圧性、温度への耐性の向上、薄型化による低抵抗化や小型化、長期間使用後の特性の安定化を図ることができる。
これにより、小型であり、高い信頼性を有する電子機器80を実現することができる。
以下、本発明にかかる電気化学素子用セパレータ及び、電気化学素子用セパレータを備えた電気化学素子の具体的な各種実施例、比較例、従来例について、詳細に説明する。
以下に示す例では、電気化学素子として、リチウムイオン二次電池(円筒型とコイン型)、電気二重層キャパシタを作製した。
なお、以下に説明する本発明の各実施例のアルカリ電池用セパレータは、長網抄紙機あるいは長網円網抄紙機、短網抄紙機等を用い抄紙法にて不織布を得た。即ち、湿式不織布でセパレータを構成した。
〔セパレータ特性の測定方法〕
本実施の形態の電気化学素子用セパレータの特性の具体的な測定は、以下の条件及び方法で行った。
〔平均繊維長〕
「JIS P8226−2 パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法−第2部:非変更法(ISO16065−2)」に従って、Fiber Tester Code912(Lorentzen & Wettre社製)を用いて、長さ加重平均繊維長を測定し、平均繊維長とした。
〔CSF値〕
「JIS P8121−2 パルプ−ろ水度試験法−第2部:カナダ標準ろ水度法」に従って、CSF値を測定した。
〔厚さ〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 5.1 厚さ」に規定された、「5.1.1 測定器及び測定方法 a外側マイクロメータを用いる場合」のマイクロメータを用いて、「5.1.3 紙を折り重ねて厚さを測る場合」の10枚に折り重ねる方法でセパレータの厚さを測定した。
〔密度〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 7.0A 密度」のB法に規定された方法で、絶乾状態のセパレータの密度を測定した。
〔引張強さ〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 8.引張強さ及び伸び」に規定された方法で、セパレータの縦方向の引張強さを測定した。
〔断面構造〕
鋭利な刃物を用いて、セパレータを横方向(CD方向)に切断し、走査型電子顕微鏡(型番JSM−5600LV(JEOL社製))を用いて、拡大倍率1000倍(撮影面積100μm×130μm)にて断面を撮影した。
撮影したセパレータを、厚さ方向に二等分して得られる各部分における。合成繊維の本数を計数した。
なお、二等分した中心の線をまたぐ繊維については、図2で説明したと同様にして、数えた。すなわち、合成繊維の断面がA部に多く偏っている場合は、A部に0.75本、B部に0.25本とし、合成繊維の断面がB部に多く偏っている場合は、A部に0.25本、B部に0.75本とし、合成繊維の断面がA部とB部とで均一な場合は、A部に0.5本、B部に0.5本とした。
そして、A部の合成繊維の本数を、B部の合成繊維の本数で除して、合成繊維の比率(A/B値)とした。
再生セルロース繊維の幹部分についても、合成繊維の本数と同様にして計数、算出し、B部の再生セルロース繊維の幹部分の本数を、A部の再生セルロース繊維の幹部分の本数で除し、再生セルロース繊維の幹部分の比率(B/A値)とした。
なお、撮影及び計数は、各例につき任意の10箇所で行い、計数した平均値を用いて各比率を計算した。
〔セパレータを使用したリチウムイオン二次電池の製作〕
以下、本実施の形態例のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池の製作方法を説明する。具体的には、リチウムイオン二次電池として、円筒形リチウムイオン二次電池及びコイン型リチウム二次電池の2種類を作製した。
円筒型リチウムイオン二次電池は、以下のように作製した。
正極材として、リチウムイオン二次電池用のコバルト酸リチウム電極を用い、負極材としてグラファイト電極を用い、セパレータと共に捲回し、リチウムイオン二次電池素子を得た。その素子を有底円筒状のケース内に収納し、プロピレンカーボネート溶媒に、電解質としてリチウムテトラフルオロボレートを溶解した電解液を注入し、プレス機で封止して、リチウムイオン二次電池を作製した。
コイン型リチウムイオン二次電池は、以下のように作製した。
正極材として、リチウムイオン二次電池用のコバルト酸リチウム電極を用い、負極材としてグラファイト電極を用い、セパレータを介在させて積層した。次に、ジエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒に、電解質としてリチウムヘキサフルオロホスファートを溶解した電解液を含浸させ、かしめ封口して、リチウムイオン二次電池を作製した。
〔セパレータを使用した電気二重層キャパシタの製作〕
以下、本実施の形態例のセパレータを用いた電気二重層キャパシタの製作方法を説明する。
活性炭電極と本発明のセパレータとを交互に折り重ね、電気二重層キャパシタ素子を得た。その素子をアルミニウムケースに収納し、アセトニトリルにトリエチルメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートを溶解した電解液を注入し、真空含浸を行った後に密封して、電気二重層キャパシタを作製した。
なお、各電気化学素子は、各例につき1000個作製し、以下の特性評価に用いた。
〔電気化学素子の特性評価方法〕
本実施の形態の電気化学素子の特性評価は、以下の条件及び方法で行った。
〔ショート不良率〕
電気化学素子のショート不良率は、定格電圧まで充電電圧が上がらなかった場合をショート不良とみなし、これらのショート不良となった電気化学素子の個数を、静電容量測定に供した電気化学素子数で除して、百分率をもってショート不良率とした。
〔内部抵抗〕
リチウムイオン二次電池の内部抵抗は、「JIS C 8715−1 『産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム−第一部:性能要求事項』」に規定された、「8.6.3交流内部抵抗」に従い測定した。
電気二重層キャパシタの内部抵抗は、「JIS C 5160−1 『電子機器用固定電気二重層コンデンサ』」に規定された、「4.6内部抵抗」の交流(a.c.)抵抗法により測定した。
〔放電容量〕
リチウムイオン二次電池の放電容量は、「JIS C 8715−1 『産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム−第一部:性能要求事項』」に規定された、「8.4.1放電性能試験」に従い測定した。
〔静電容量〕
電気二重層キャパシタの静電容量は、「JIS C 5160−1 『電子機器用固定電気二重層コンデンサ』」に規定された、「4.5静電容量」の定電流放電法により求めた。
〔電気化学素子の長期信頼性試験〕
以上の測定を終え合格した各例の電気化学素子を用いて、長期信頼性試験を実施した。
具体的には、以下の通り、長期信頼性試験を実施した。
70℃において定格電圧を500時間印加した後、容量変化率と内部抵抗変化率を測定した。容量変化率は以下の式1を用いて求め、内部抵抗変化率は以下の式2を用いて求めた。
容量変化率(%)=(Ca−Cb)/Ca×100・・・式1
(Ca:電圧印加前の容量、Cb:電圧印加後の容量)
内部抵抗変化率(%)=(Rb−Ra)/Ra×100・・・式2
(Ra:電圧印加前の内部抵抗、Rb:電圧印加後の内部抵抗)
また、長期信頼性試験中にショート不良が発生した電気化学素子数を計数し、長期信頼性試験に供した電気化学素子数で除して、百分率をもって長期信頼性試験でのショート不良率とした。
以下、本発明に係る具体的な実施例と、比較例及び従来例について説明する。
なお、各例のCSF値は、特に記載が無い限り、低下している段階のCSF値を示す。
〔実施例1〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.68mm、上昇しているCSF値25mlの溶剤紡糸レーヨン繊維(以下リヨセル繊維と表記する)を70質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径2μmのポリエチレンテレフタレート繊維(以下、PET繊維と表記する)を30質量%混合して長網抄紙し、厚さ10.0μm、密度0.27g/cm、引張強さ15Nのセパレータを得た。このセパレータのリヨセル繊維の平均繊維長は0.68mmであった。また、このセパレータは、A/B値0.37、B/A値0.51であった。
このセパレータを用いて、実施例1のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例2〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.65mm、上昇しているCSF値25mlのポリノジックレーヨン繊維を70質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径2.5μmのPET繊維を30質量%混合して長網抄紙し、厚さ25.0μm、密度0.48g/cm、引張強さ25Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.45、B/A値0.50であった。
このセパレータを用いて、実施例2のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例3〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.68mm、上昇しているCSF値25mlのリヨセル繊維を70質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径3.5μmのPET繊維を30質量%混合して短網抄紙し、シートを得た。このシートにキャレンダ加工を施し、厚さ70.0μm、密度0.86g/cm、引張強さ55Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.51、B/A値0.56であった。
このセパレータを用いて、実施例3のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例1〕
実施例1と同じ原料を用いて長網抄紙し、厚さ8.0μm、密度0.23g/cm、引張強さ10Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.50、B/A値0.54であった。
このセパレータを用いて、比較例1のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例2〕
実施例3と同じ原料を用いて短網抄紙し、キャレンダ加工を施して、厚さ75.0μm、密度0.93g/cm、引張強さ60Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.52であった。
このセパレータを用いて、比較例2のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔従来例1〕
ポリエチレン製微多孔膜をセパレータとして用い、従来例1のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
このセパレータは、厚さ25.0μm、密度0.60g/cm、引張強さ40Nであった。
〔実施例4〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長1.91mm、CSF値100mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径2.5μmのPET繊維を20質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ20Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.84、B/A値0.81であった。
このセパレータを用いて、実施例4の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例5〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を75質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径3.0μmのPET繊維を25質量%混合して長網抄紙し、シートを得た。このシートにキャレンダ加工を施し、厚さ20.0μm、密度0.70g/cm、引張強さ45Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.73であった。
このセパレータを用いて、実施例5の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例6〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.89mm、CSF値0mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径5.0μmのポリエチレン繊維を20質量%混合して長網抄紙し、シートを得た。このシートにキャレンダ加工を施し、厚さ15.0μm、密度0.73g/cm、引張強さ30Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.78であった。
このセパレータを用いて、実施例6の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例7〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.55mm、上昇しているCSF値50mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径2.0μmのポリプロピレン繊維を20質量%混合して長網抄紙し、シートを得た。このシートにキャレンダ加工を施し、厚さ20.0μm、密度0.68g/cm、引張強さ45Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.74であった。
このセパレータを用いて、実施例7の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例8〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.49mm、上昇しているCSF値200mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長2.0mm、繊維径1.5μmのPET繊維を10質量%と、平均繊維長5.0mm、繊維径8μmのポリプロピレン繊維を10質量%とを混合して長網抄紙し、厚さ40.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ30Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.63、B/A値0.67であった。
このセパレータを用いて、実施例8の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例9〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.42mm、上昇しているCSF値300mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3.0mm、繊維径5μmのポリアクリロニトリル繊維20質量%と混合して長網抄紙し、厚さ50.0μm、密度0.32g/cm、引張強さ32Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.74、B/A値0.74であった。
このセパレータを用いて、実施例9の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例10〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.26mm、上昇しているCSF値700mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3.0mm、繊維径8μmのPET繊維20質量%と混合して長網抄紙し、厚さ60.0μm、密度0.50g/cm、引張強さ40Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.79、B/A値0.83であった。
このセパレータを用いて、実施例10の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例3〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長2.12mm、CSF値150mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径2.5μmのPET繊維を20質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ12Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.87、B/A値0.83であった。
このセパレータを用いて、比較例3の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例4〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.18mm、上昇しているCSF値750mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径8.0μmのPET繊維を20質量%混合して長網抄紙し、厚さ60.0μm、密度0.50g/cm、引張強さ30Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.87であった。
このセパレータを用いて、比較例4の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔従来例2〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を75質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径10.0μmのPET繊維を25質量%混合して短網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ12Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.88、B/A値0.88であった。
このセパレータを用いて、従来例2の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例11〕
実施例7と同じセパレータを用いて、実施例11の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔実施例12〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を90質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径8.0μmのPET繊維を10質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ16Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.64であった。
このセパレータを用いて、実施例12の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔実施例13〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を75質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長1mm、繊維径0.6μmのPET繊維を25質量%混合して長網抄紙し、厚さ35.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ30Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.73であった。
このセパレータを用いて、実施例13の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔実施例14〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を60質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径10.0μmのPET繊維を40質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ15Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.64であった。
このセパレータを用いて、実施例14の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔実施例15〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を50質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3mm、繊維径3.0μmのPET繊維を50質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ40Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.67であった。
このセパレータを用いて、実施例15の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔参考例1〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を80質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長0.5mm、繊維径0.1μmのPET繊維を20質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ45Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.59、B/A値0.61であった。
このセパレータを用いて、参考例1の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔比較例5〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.77mm、上昇しているCSF値3mlのリヨセル繊維を40質量%と、熱可塑性合成繊維として、平均繊維長3.0mm、繊維径2.5μmのPET繊維を60質量%混合して長網抄紙し、厚さ30.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ25Nのセパレータを得た。このセパレータは、A/B値0.58、B/A値0.64であった。
このセパレータを用いて、比較例5の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔従来例3〕
従来例2と同じセパレータを用いて、従来例3の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
〔従来例4〕
叩解された再生セルロース繊維として、平均繊維長0.72mm、上昇しているCSF値10mlのリヨセル繊維のみを用いて長網抄紙し、厚さ20.0μm、密度0.40g/cm、引張強さ10Nのセパレータを得た。このセパレータは、B/A値0.65であった。
このセパレータを用いて、従来例4の積層型電気二重層キャパシタを作製した。
以上記載の実施例1乃至実施例3、比較例1及び比較例2、従来例1の各セパレータ単体の評価結果、及びリチウムイオン二次電池の性能評価結果を、表1に示す。なお、これらは、定格電圧3.6V、定格容量30mAh、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型リチウムイオン二次電池の例である。
Figure 2017117590
また、実施例4乃至実施例10、比較例3及び比較例4、従来例2の各セパレータ単体の評価結果、及びリチウムイオン二次電池の性能評価結果を、表2に示す。なお、これらは、定格電圧3.7V、定格容量3000mAh、直径18mm、高さ65mmの円筒型リチウムイオン二次電池の例である。
Figure 2017117590
そして、実施例11乃至実施例15、参考例1、比較例5、従来例3及び従来例4の各セパレータ単体の評価結果、及び電気二重層キャパシタの性能評価結果を、表3に示す。なお、これらは、定格電圧2.5V、定格容量3000F、幅55mm、奥行き55mm、高さ155mmの積層型電気二重層キャパシタの例である。
Figure 2017117590
表1〜表3において、「CSF値」は、各例における、叩解された再生セルロース繊維のCSF値を示している。
以下、各実施例、比較例、従来例について、評価結果を詳細に説明する。
実施例1乃至実施例3のセパレータを用いて作製したリチウムイオン二次電池は、ショート不良が発生しておらず良好である。また、内部抵抗値及び長期信頼性試験後の内部抵抗変化率も従来例以下であり、充分に小さい。また、長期信頼性試験後の容量変化率も、初期から20%以内であり、問題ない。そして、長期信頼性試験後のショート不良率も発生しておらず良好である。
実施例1及び実施例3と、実施例2とは、使用した再生セルロース繊維が異なる。これらの例から、再生セルロース繊維の種類は、いずれであってもよいとわかる。
比較例1は、厚さと密度が異なる以外は、実施例1と同様にして作製したセパレータである。比較例1のリチウムイオン二次電池は、ショート不良率、長期信頼性試験後のショート不良率がともに1%以上であり、高い。このことから、セパレータの厚さは10μm以上、密度は0.25g/cm以上が好ましいとわかる。
比較例2は、厚さと密度が異なる以外は、実施例2と同様にして作製したセパレータである。比較例2のリチウムイオン二次電池は、内部抵抗、内部抵抗変化率がともに実施例1乃至実施例3よりも高くなっている。このことから、セパレータの厚さは70μm以下、密度は0.90g/cm以下が好ましいとわかる。
実施例4乃至実施例10のセパレータを用いて作製したリチウムイオン二次電池は、ショート不良率、長期信頼性試験後のショート不良率がともに0.5%以下であり、充分に低い。また、内部抵抗値も70mΩ以下であり、充分に小さい。長期信頼性試験後の内部抵抗変化率は、すべて100%以下の増加率であり、問題ない。また、長期信頼性試験後の容量変化率も、初期から20%以内であり、問題ない。
実施例5乃至実施例7は、シート形成後に熱キャレンダ加工を施したセパレータである。実施例6は厚さ15μmであるが、厚さ40μmの実施例8と同じ引張強さを有し、実施例5及び実施例7は、厚さ20μmであるが、厚さ60μmの実施例10のセパレータよりも引張強さがさらに強い。このことから、抄紙機の乾燥工程での加熱・圧縮よりも更に圧力のかかるキャレンダ加工の方が、熱可塑性合成繊維同士の溶着・圧着が強く、セパレータ強度をより向上させるとわかる。
また、実施例7のセパレータは、ポリエチレン樹脂のみからなるフィルムである従来例1のセパレータよりも、引張強さが強い。これは、詳細は不明であるが、以下の理由が考えられる。
従来例1のセパレータはフィルムであるため、引っ張られた際に、伸びる。このため、フィルム内、フィルム表面に形成された細孔も伸びて変形し、裂ける。或いは、伸びることにより局所的に薄い部分が発生し、当該局所的に薄い部分は機械強度が低下し、そこを基点として破断される。一方実施例7のセパレータは、合成樹脂繊維同士が溶着・圧着し、その周囲を再生セルロースが埋めている。このため、引っ張られた際の伸びが小さい。これにより、引張強さが向上していると考えられる。
比較例3は、CSF値が低下している側の150mlであり、繊維長が2mmを超過しているため、A/B値が0.85を超過している。比較例3のセパレータのA/B値は従来例2との差が小さく、本発明の二層構造となっておらず、引張強さが弱い。
また比較例3は、実施例4と同様にして作製したセパレータであるが、比較例3のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池はショート不良率、長期信頼性試験後のショート不良率がともに1%以上と高くなった。これは、A/B値が0.85を超過しており、熱可塑性合成繊維同士の溶着・圧着が少ないためである。
比較例4は、CSF値が上昇している側の750mlであり、繊維長が0.2mm未満である。A/B値は0.85以下であるが、B/A値が0.85を超過している。このため、実施例4乃至実施例10のリチウムイオン二次電池と比較してショート不良率、長期信頼性試験後のショート不良率がともに高くなった。
以上から、セパレータのA/B値は0.85以下が好ましく、B/A値も0.85以下が更に好ましいとわかる。
そしてこれらを実現するためには、叩解された再生セルロース繊維の平均繊維長が0.2〜2.0mmが好ましく、CSF値は、低下しているCSF値100〜0ml、また、上昇しているCSF値700ml以下が好ましいとわかる。
また、実施例4及び実施例10は、A/B値が0.85以下かつ0.75を超過している。一方、実施例5乃至実施例9はA/B値が0.75以下である。このため、実施例5乃至実施例9のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池は、実施例4及び実施例10のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池よりもショート不良率が低い。このことから、A/B値は0.75以下がより好ましいとわかる。そして、A/B値0.75以下を実現するためには、叩解された再生セルロース繊維の平均繊維長が0.4〜1.0mmが好ましいとわかる。
そして、実施例8及び実施例9は、A/B値が0.75以下かつ0.6を超過している。一方、実施例5乃至実施例7はA/B値が0.59である。このため、実施例5乃至実施例7のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池は、実施例8及び実施例9のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池よりもショート不良率が低い。このことから、A/B値は0.6以下が更に好ましいとわかる。そしてA/B値0.6以下を実現するためには、叩解された再生セルロース繊維の平均繊維長が0.5〜1.0mmが好ましいとわかる。
従来例2は、特許文献1に基づいて作製したセパレータである。均質な断面構造を持つため、ショート不良率がやや高く、また、長期信頼性試験後のショート不良率が高い事が分かる。
実施例11乃至実施例15のセパレータを用いて作製した電気二重層キャパシタは、ショート不良率、長期信頼性試験後のショート不良率がともに0.5%以下であり、充分に低い。また、内部抵抗値も充分に低い。そして、長期信頼性試験後の内部抵抗変化率も従来例以下であり、充分に小さい。また、長期信頼性試験後の容量変化率も20%以内であり、問題ない。
実施例11は、実施例7と同じセパレータを使用しており、リチウムイオン二次電池で使用したセパレータを電気二重層キャパシタにも適用可能であることを示している。
実施例12は、再生セルロース繊維を90質量%含有したセパレータである。熱可塑性合成繊維の含有割合をこれより減じると、従来例と比べ、引張強さの改善ができないことが推察される。
実施例14は、熱可塑性合成繊維の繊維径が10μmである。熱可塑性合成繊維の繊維径をこれ以上大きくすると、熱可塑性合成繊維の含有割合を少なくし過ぎた場合と同様に、従来例と比べ、引張強さの改善ができないことが推察される。
実施例15は、再生セルロース繊維を50質量%含有したセパレータである。再生セルロース繊維の含有割合をこれより減じると、ショート不良率の低減ができないことが推察される。
参考例1は、合成繊維として繊維径0.1μmの合成繊維を使用している。セパレータ性能、電気二重層キャパシタ性能ともに問題ないが、セパレータ製造工程(ワイヤに供給する前のストック段階)で合成繊維が浮き上がりやすく、セパレータの生産性が低下した。
比較例5は、再生セルロース繊維を40質量%含有したセパレータである。セパレータの遮蔽性が低く、電気二重層キャパシタのショート不良がわずかに増加した。比較例5と実施例15との比較から、再生セルロース繊維の含有割合は、50質量%以上が好ましいとわかる。
従来例3は、従来例2と同じセパレータを使用している。そのため、従来例2のリチウムイオン二次電池と同様に、従来例3の電気二重層キャパシタにおいても、ショート不良率がやや高く、長期信頼性試験後のショート不良率が高くなっている。
従来例4は、特許文献2に基づいて作製したセパレータである。再生セルロース繊維のみからなる非常に遮蔽性が高いシートであるため、ショート不良は発生していない。しかし、引張強さが低いため、電気二重層キャパシタ製造工程でのとり回しが困難であり、電気二重層キャパシタの生産性が低下した。また、再生セルロース繊維のみからなるため、長期信頼性試験後の各種性能の劣化が大きかった。
本実施の形態例のセパレータは、いずれの実施例においても良好な長期信頼性試験結果を示すため、本実施の形態例で示した以上の苛酷な環境、例えば、高電圧な電気化学素子や、高温環境下で作動する電気化学素子への適用なども充分に可能であると考えられる。
以上、本実施の形態のセパレータをリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタについて用いた例を説明した。
なお、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタの他の構成、製造方法の詳細についての説明は省略した。
本発明の電気化学素子に係る、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタにおいて、電極材料及び電解液材料、その他の部材等については、特別に限定を必要とすることはなく、種々の材料を用いることができる。
また、本発明の電気化学素子用セパレータは、本実施の形態例で説明した以外の電気化学素子、例えばリチウムイオンキャパシタやアルミ電解コンデンサ、リチウムイオン一次電池といった電気化学素子に適用することも可能である。
10 電気化学素子用セパレータ、10A A部、10B B部、11 再生セルロース繊維の幹部分、12 熱可塑性合成繊維、13 再生セルロース繊維のフィブリル、20,30,50 自動車、21,52 リチウムイオン二次電池、22,56,57 モーター、23,35,53 ブレーキ、24,54 充電器、25,55 外部電源、26,60 電池制御ECU、27,63 モーター制御ECU、28,64 EPS制御ECU、29,41,62 回生ブレーキ制御ECU、31,51 エンジン、32 アクセル、33 変速機、34 回生ユニット、36 ABSユニット、37 エアコン、38,58 燃料噴霧ECU、39,59 電子スロットルECU、40 変速機ECU、42 ABS ECU、61 HEVシステム制御ECU、70,80 電子機器、71 電源、72 負荷(LED等)、73,83 電気二重層キャパシタ、81 リチウムイオン二次電池等、82 負荷
上述した問題点を解決し、上述した目的を達成する手段として、本発明は、以下の構成を備える。
即ち、本発明の電気化学素子用セパレータは、一対の電極間に介在して電極間を隔離し、電解質を含有した電解液を保持可能な電気化学素子用セパレータであって、該セパレータが、熱可塑性合成繊維と、平均繊維長0.2〜2.0mmの叩解された再生セルロース繊維とからなり、熱可塑性合成繊維がポリエステル系繊維であり、熱可塑性合成繊維を10〜50質量%含有し、叩解された再生セルロース繊維を50〜90質量%含有し、該セパレータの厚さが10〜70μmであり、該セパレータの密度が0.25〜0.90g/cm であり、該セパレータの断面を厚さ方向に二等分した二つの部分が、熱可塑性合成繊維の本数が少ない部分(A部)と、熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)であり、A部とB部は、1層で一体に形成されており、A部の熱可塑性合成繊維の本数をB部の熱可塑性合成繊維の本数で除した値が0.85以下であることを特徴とする。

Claims (10)

  1. 一対の電極間に介在し、電解質を含有した有機系電解液を保持可能な電気化学素子用セパレータであって、
    該セパレータが、熱可塑性合成繊維と、平均繊維長0.2〜2.0mmの叩解された再生セルロース繊維とからなり、
    該セパレータの断面を厚さ方向に二等分した二つの部分が、前記熱可塑性合成繊維の本数が少ない部分(A部)と、前記熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)であり、
    前記A部の前記熱可塑性合成繊維の本数を、前記B部の前記熱可塑性合成繊維の本数で除した値が0.85以下である
    ことを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 前記セパレータが、叩解された再生セルロース繊維を50〜90質量%、熱可塑性合成繊維を10〜50質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 前記熱可塑性合成繊維が、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維から選択される一種以上の繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータ。
  4. 前記セパレータが、厚さ10〜70μm、密度0.25〜0.90g/cmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。
  5. 前記B部の前記再生セルロース繊維の本数を、前記A部の前記再生セルロース繊維の本数で除した値が0.85以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータが用いられていることを特徴とする電気化学素子。
  7. アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池、リチウム一次電池のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の電気化学素子。
  8. 前記電気化学素子用セパレータの前記熱可塑性合成繊維の本数が多い部分(B部)が、電気化学素子の正極側に配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の電気化学素子。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電気化学素子を搭載した電子機器。
  10. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電気化学素子を搭載した自動車。
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