JP2021155763A - 蒸着マスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス温度又は環境温度の影響を受けにくい蒸着マスクの製造方法を提供すること。【解決手段】蒸着マスクの製造方法は、ガラス基板の上に保護層を形成し、前記保護層の上にめっき成長層を形成し、前記めっき成長層の上に電気めっきによりマスク部を形成し、溶液を用いて前記ガラス基板を溶解して除去し、前記保護層及び前記めっき成長層を除去することを含む。前記保護層は、前記溶液に対して耐性を有する材料で構成されてもよい。前記保護層は、樹脂材料で構成されてもよい。【選択図】図13

Description

本発明の一実施形態は、蒸着マスクの製造方法に関する。
近年、発光素子として有機EL素子を用いる有機EL表示装置が知られている。有機EL素子は、アノード電極とカソード電極との間に有機EL材料を含む層(以下、「有機EL層」という)を有する。有機EL層は、発光層、電子注入層、正孔注入層といった機能層を含む。有機EL素子は、機能層を構成する有機材料の選択により、様々な波長の色で発光させることが可能である。
低分子化合物を材料とする有機EL素子の薄膜の形成には、真空蒸着法が用いられる。真空蒸着法においては、真空下において蒸着材料をヒータによって加熱することにより昇華させ、基板の表面に堆積(蒸着)させることにより薄膜を形成する。このとき、多数の微細な開口パターンを備えたマスク(蒸着マスク)を用いることにより、高精細な薄膜パターンを形成することができる。
蒸着マスクは、エッチングを用いて開口パターンを形成するファインメタルマスク(FMM)と、電鋳(電気鋳造)技術を用いて開口パターンを形成するエレクトロファインフォーミングマスク(EFM)とに分けられる。例えば、特許文献1には、高精細な開口パターンを有するマスク部を電鋳技術により形成し、形成されたマスク部を電鋳技術により枠体部に固定する方法が開示されている。
特開2017−210633号公報
特許文献1に記載された蒸着マスクの製造方法では、ステンレス又は真鍮で構成された支持基板の上に複数の電鋳工程を経てマスク部を形成する。複数の電鋳工程において、金属材料で構成された支持基板は、電流の供給経路として利用される。しかしながら、ステンレス及び真鍮は、線膨張係数が大きいため、プロセス温度又は環境温度の影響により、支持基板が伸縮してしまう場合がある。このような支持基板の伸縮は、蒸着マスクの開口の位置精度のばらつきを招くという問題がある。
また、ステンレス又は真鍮で構成された支持基板は、電鋳技術により形成されたマスク部よりも剛性が高いため、支持基板を剥離する際に、マスク部に対して強い応力が加わるという問題もある。マスク部に加わる応力は、マスク部の破損及びマスク部を支持する支持枠からの脱離などの不具合の原因となり得る。
本発明の一実施形態は、プロセス温度又は環境温度の影響を受けにくい蒸着マスクの製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施形態は、マスク部に応力を加えることなく支持基板を除去することができる蒸着マスクの製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施形態における蒸着マスクの製造方法は、ガラス基板の上に保護層を形成し、前記保護層の上にめっき成長層を形成し、前記めっき成長層の上に電気めっきによりマスク部を形成し、溶液を用いて前記ガラス基板を溶解して除去し、前記保護層及び前記めっき成長層を除去することを含む。
本発明の一実施形態における蒸着マスクの製造方法は、ガラス基板の上にめっき成長層を形成し、前記めっき成長層の上に電気めっきによりマスク部を形成し、第1溶液を用いて前記ガラス基板を溶解して除去し、前記めっき成長層を除去することを含む。
本発明の第1実施形態における蒸着マスクの構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における蒸着マスクの製造方法を示すフローチャート図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における蒸着マスクの製造方法を示すフローチャート図である。 本発明の第3実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。 本発明の第3実施形態における蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図面において、既出の図面に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書および特許請求の範囲において、ある一つの膜に対してエッチング等の加工処理を施すことにより形成された複数の要素(element)は、それぞれ異なる機能又は役割を有する要素として記載されることがある。これら複数の要素は、同一の層構造及び同一の材料で構成されたものであり、同一の層にある要素として記載される。
本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA、B及びCのいずれかを含む」、「αはA、B及びCからなる群から選択される一つを含む」といった表現は、特に明示が無い限り、αはA〜Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
〈第1実施形態〉
[蒸着マスクの構成]
図1は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の構成を示す平面図である。図2は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の構成を示す断面図である。具体的には、図2に示す断面図は、図1のA−A’線に沿った断面を示している。図1及び図2に示すように、蒸着マスク100は、電鋳(電気鋳造)により形成された薄膜状のマスク部110、マスク部110を支持する支持部120、及びマスク部110と支持部120とを接続する接続部130を有する。
マスク部110は、複数のパネル領域115を有する。有機EL材料を蒸着する際には、各パネル領域115に対して有機EL表示装置の表示領域が重なるように被蒸着基板(図示せず)が配置される。各パネル領域115には、複数の開口部111が、有機EL表示装置の画素ピッチに合わせて設けられている。マスク部110の開口部111以外の領域を非開口部112という。非開口部112は、各開口部111を囲む領域である。非開口部112は、各パネル領域115において、蒸着材料を遮蔽する部分に相当する。
蒸着時には、被蒸着基板における蒸着領域(薄膜を形成すべき領域)と開口部111とが重なり、被蒸着基板における非蒸着領域と非開口部112とが重なるように蒸着マスク100と被蒸着基板の位置合わせが行われる。蒸着材料の蒸気が開口部111を通過して被蒸着基板に到達することにより、蒸着領域に蒸着材料が堆積して薄膜が形成される。
支持部120は、平面視において、マスク部110の複数のパネル領域115を囲むように、マスク部110の外周に設けられる。つまり、支持部120は、薄膜状のマスク部110を支持する枠体として機能する。なお、図1では、支持部120は、マスク部110の外周に設けられているが、この例に限らず、各パネル領域115を囲むように格子状に設けられてもよい。
接続部130は、マスク部110と支持部120とを接続する部材である。本実施形態の蒸着マスク100は、マスク部110と支持部120とが接続部130を介して接続される。つまり、図2に示すように、マスク部110と支持部120とは直接接続されていない。ただし、この例に限らず、マスク部110と支持部120とが直接接続されていてもよい。その場合、接続部130を補強部材として用いることが好ましい。
上記構成において、マスク部110は、薄膜状のめっき層で構成される。本実施形態のマスク部110は、電気めっきにより形成された薄膜である。マスク部110の厚さd1は、例えば3μm以上20μm以下(好ましくは、5μm以上10μm以下)である。本実施形態において、マスク部110の厚さは、5μmとする。支持部120は、例えばインバー(invar)などの合金で構成される。インバー合金は、常温における熱膨張係数が小さいため、マスク部110にストレスを与えにくいという利点を有する。支持部120の厚さd2は、例えば0.5mm以上1.5mm以下(好ましくは、0.8mm以上1.2mm以下)である。本実施形態において、支持部120の厚さは、1mmとする。
本実施形態では、マスク部110、支持部120及び接続部130を構成する金属材料として、いずれもインバー(invar)を用いる。インバーは、ニッケル等に比べて常温および有機EL素子形成工程中の温度における熱膨張係数が小さく、ガラスの熱膨張係数に近い。そのため、蒸着マスク100の構成材料をインバーとすることにより、後述する蒸着マスク100の製造プロセスにおいて、マスク部110とガラス基板との間の熱膨張による影響を抑えることができる。また、蒸着時においても、蒸着マスクと被蒸着基板(通常、ガラス基板を用いる)との間の熱膨張によるずれが小さくなり、蒸着の位置精度が向上するという利点がある。ただし、この例に限らず、ガラスの熱膨張係数に近い係数を有する材料であれば、インバー以外の他の材料を用いてもよい。また、支持部120は、マスク部110及び接続部130と異なる金属材料で構成してもよい。
以上説明した本実施形態の蒸着マスク100は、製造プロセスにおいて、ガラス基板上に形成される。以下、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法について詳細に説明する。
[蒸着マスク100の製造方法]
図3から図13を用いて、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法について説明する。図3から図12は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法を示す断面図である。図13は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法を示すフローチャート図である。
図3は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、保護層210を形成する工程を示す断面図である。図3に示すように、ガラス基板200上の略全面に保護層210を形成する。ガラス基板200の厚さは、0.3mm以上1mm以下の範囲とすればよい。本実施形態では、ガラス基板200の厚さを0.5mmとする。ガラス基板200の材料に制限はなく、後述するように、溶液で溶解する材料であればよい。また厚さについても、歪みの無い平面が得られる限りにおいて、溶解を容易にするためには薄い方が好ましい。
本実施形態において、保護層210は、樹脂材料で構成される。具体的には、保護層210は、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、及びフッ素樹脂から選択された樹脂材料で構成される。後述するように、これらの樹脂材料は、フッ化水素を含む溶液(例えば、フッ化水素酸)に対して耐性を有する材料である。本実施形態では、保護層210として、ポリイミド樹脂で構成された樹脂層を用いる。
保護層210の厚さは、5μm以上20μ以下(好ましくは、10μm以上15μm以下)の範囲で選択することが好ましい。本実施形態では、保護層210の厚さを10μmとする。
図4は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、めっき成長層220を形成する工程を示す断面図である。めっき成長層220は、後述するめっき層240(図6参照)を形成するためのシード層として機能する。また、めっき成長層220は、保護層210との密着性を高めるための密着層としての役割も有する。
本実施形態において、めっき成長層220は、保護層210から近い順に、第1金属層220a及び第2金属層220bを含む。第1金属層220aは、保護層210との密着性のよい金属層であることが好ましい。本実施形態では、保護層210の材料としてポリイミド樹脂を用いるため、第1金属層220aとして、チタン(Ti)を含む金属層を用いる。ただし、この例に限らず、保護層210との密着性を確保できれば他の金属層(例えば、ITO、モリブデン、タンタル、ニッケル等)を用いてもよい。
第2金属層220bは、めっき層240のシード層として機能し得る金属層である。第2金属層220bは、第1金属層220aよりも低抵抗であることが好ましい。本実施形態では、めっき層240の材料としてニッケル合金であるインバーを用いるため、第2金属層220bとして、銅(Cu)を含む金属層を用いる。ただし、この例に限らず、シード層として機能し得る金属層であれば他の金属層を用いてもよい。
めっき成長層220の厚さは、めっき層240を成長させるために必要な導電性を確保できる厚さであればよい。例えば、めっき成長層220の厚さは、50nm以上500nm以下の範囲とすればよい。具体的には、第1金属層220aの厚さを10nm以上100nm以下とし、第2金属層220bの厚さを100nm以上500nm以下とすればよい。本実施形態では、第1金属層220aの厚さを50nmとし、第2金属層220bの厚さを200nmとする。すなわち、めっき成長層220の厚さは250nmである。めっき成長層220は、スパッタ法又はCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成すればよい。
図5は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、レジストマスク230を形成する工程を示す断面図である。レジストマスク230は、第2金属層220bの上に感光性樹脂材料を塗布した後、露光処理及び現像(エッチング)処理を行うことにより形成される。レジストマスク230が形成される領域は、図1及び図2に示したマスク部110の複数の開口部111が設けられる領域に対応する。本実施形態では、レジストマスク230の側壁がテーパー状になるように露光及びエッチングを行う。具体的には、図5に示すように、レジストマスク230は、第2金属層220bに近い部分ほど幅が狭くなっている。
図6は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、めっき層240を形成する工程を示す断面図である。図6に示すように、めっき層240は、レジストマスク230が配置されていない領域に形成される。すなわち、めっき層240が形成される領域は、図1及び図2に示したマスク部110の非開口部112が設けられる領域に対応する。本実施形態では、めっき層240の形成前に、第2金属層220bの表面に対し、離型剤による前処理を行う。離型剤としては、例えば、日本化学産業株式会社のニッカノンタック(登録商標)などを用いればよい。
本実施形態において、めっき層240は、ニッケル合金(具体的には、インバー)を材料とする金属層である。本実施形態では、めっき成長層220をシード層として、電気めっきを行い、めっき層240を形成する。めっき層240の厚さは、電気めっき処理の時間を制御することにより調整することができる。例えば、めっき層240の厚さは、3μm以上20μm以下の範囲で調整すればよい。本実施形態において、めっき層240の厚さは、5μmとする。めっき層240の厚さは、図1及び図2に示したマスク部110の厚さを決定する。本実施形態では、めっき層240をインバーで形成する例を示したが、この例に限らず、電気めっきに使用可能な材料であれば他の金属材料を用いてもよい。
図7は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、支持部120を形成する工程を示す断面図である。めっき層240を形成した後、レジストマスク230を除去する。レジストマスク230を除去することにより、めっき層240には、図1及び図2に示した開口部111が形成される。すなわち、図7に示す状態で残存しためっき層240は、図1及び図2における非開口部112に対応する。すなわち、図7に示す状態において、開口部111及び非開口部112を有するマスク部110が形成される。
レジストマスク230を除去した後、図7に示すように、めっき層240の一部(マスク部110として使用しない部分)の上に、支持部120を配置する。支持部120は、めっき層240の一部の上に設けた接着層(図示せず)を用いて接着される。ただし、接着層の接着力は、支持部120を仮止めできる程度の強さであることが好ましい。本実施形態では、支持部120として、厚さが1mmのインバー材料で構成される金属フレームを用いる。支持部120は、図1に示すように、マスク部110を囲むように配置される。
図8は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、レジストマスク250を形成する工程を示す断面図である。レジストマスク250は、マスク部110及び支持部120の上に形成される。レジストマスク250は、マスク部110及び支持部120の上に感光性樹脂材料を塗布した後、露光処理及び現像(エッチング)処理を行うことにより形成される。レジストマスク250が形成される領域は、図1及び図2に示した接続部130が設けられる領域以外の領域である。
図9は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、接続部130を形成する工程を示す断面図である。図9に示すように、接続部130は、レジストマスク250が配置されていない領域に形成される。接続部130は、電気めっきを用いて形成される。具体的には、接続部130は、支持部120、めっき層240及び第2金属層220bをシード層として、レジストマスク250の配置されていない領域に選択的に形成される。そのため、図9に示すように、支持部120の側壁にも形成される。接続部130の形成が完了した後、レジストマスク250を除去する。
本実施形態では、接続部130が支持部120の側壁からめっき層240の上に至るまで連続的に形成される。これにより、支持部120とマスク部110とを接続部130を介して接続することができる。めっき層240のうち、接続部130と重畳する部分に設けられた開口部240aは、マスク部110と支持部120とを物理的に分断する役割、及び、マスク部110と接続部130との密着性を向上させる役割を有する。
本実施形態において、接続部130は、ニッケル合金(具体的には、インバー)を材料とするめっき層(金属層)により形成される。本実施形態では、接続部130の厚さを50nm以上200nm以下の範囲で調整する。接続部130の厚さは、支持部120からの距離によって異なる。本実施形態では、接続部130をインバーで形成する例を示したが、この例に限らず、電気めっきに使用可能な材料であれば他の金属材料を用いてもよい。
図10は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、ガラス基板200を除去する工程を示す断面図である。本実施形態では、フッ化水素を含む溶液を用いてガラス基板200を除去する。具体的には、フッ化水素を含む溶液を用いてガラス基板200を溶解することにより、ガラス基板200を除去して保護層210を露出させる。前述したように、保護層210は、フッ化水素を含む溶液に対して耐性を有する。したがって、保護層210は、マスク部110、支持部120及び接続部130を溶液から保護する役割を有する。フッ化水素を含む溶液としては、例えば、フッ酸と、硫酸、硝酸、塩酸又は酢酸とを混合した酸を用いることができる。
本実施形態では、ガラス基板200の除去に際して、フッ化水素を含む溶液を用いたケミカルエッチングを行う。すなわち、フッ化水素を含む溶液中にガラス基板200を浸漬させて溶解する。また、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)による研磨を途中まで行い、ガラス基板200を薄くした後に、溶液による溶解に切り替えることも可能である。ガラス基板200を除去する際、図示は省略するが、マスク部110、支持部120及び接続部130を覆う保護部材(例えば、ドライフィルムレジスト:DFR)を設け、フッ化水素を含む溶液による影響を防いでもよい。
図11は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、保護層210及びめっき成長層220を除去する工程を示す断面図である。本実施形態では、マスク部110から、保護層210及びめっき成長層220を物理的に剥離する。例えば、支持部120を固定した上で、保護層210に接着又は吸着させた把持部材(図示せず)を用いて、保護層210及びめっき成長層220を剥離すればよい。前述のとおり、第2金属層220bの表面には離型剤(図示せず)による前処理が施されているため、第2金属層220bとめっき層240との間の界面では、両者の密着性が弱い。したがって、保護層210及びめっき成長層220は、マスク部110から剥離しやすい状態となっている。
また、上述の剥離工程の際、支持部120が固定されるため、剥離される側は、保護層210及びめっき成長層220である。したがって、保護層210及びめっき成長層220を剥離する際、集中的に応力が加わるのは保護層210及びめっき成長層220の側である。このように、本実施形態によれば、マスク部110に強い応力を加えることなく、保護層210及びめっき成長層220を剥離することができる。
ところで、本実施形態では、保護層210及びめっき成長層220を剥離する際、支持部120と重畳するめっき層240(図11に示すように、支持部120の下方に位置するめっき層240)も一緒に剥離される。前述のとおり、支持部120は、めっき層240に対して接着層(図示せず)によって仮止めされている。そのため、第2金属層220bとめっき層240との間の密着性よりも、めっき層240と支持部120との間の密着性の方が低ければ、支持部120と一緒にめっき層240も剥離される。ただし、この例に限らず、支持部120の下方にめっき層240が剥離されずに残るようにしてもよい。
図12は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、マスク部110から保護層210及びめっき成長層220を剥離した後の状態を示す断面図である。保護層210及びめっき成長層220を剥離した後、マスク部110は、接続部130を介して支持部120に支持される。図12では、マスク部110を構成するめっき層240が個々に分離しているようにみえるが、実際には、図1に示したように、マスク部110は、複数の開口部111を有する金属層である。以上の製造プロセスを経て、蒸着マスク100が完成する。
図13は、本発明の第1実施形態における蒸着マスク100の製造方法を示すフローチャート図である。図13に示すように、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法が開始されると、ステップ301において、保護層210が形成される。ステップ301は、図3に示したプロセスに対応する。次に、ステップ302において、めっき成長層220が形成される。ステップ302は、図4に示したプロセスに対応する。
めっき成長層220が形成されたら、ステップ303において、めっき層240が形成される。ステップ303は、図6に示したプロセスに対応する。次に、ステップ304において、支持部120が形成される。ステップ304は、図7に示したプロセスに対応する。支持部120を形成した後、ステップ305において、接続部130が形成される。ステップ305は、図9に示したプロセスに対応する。
接続部130を形成した時点で、蒸着マスク100の原型が完成する。その後、ステップ306において、フッ化水素を含む溶液を用いたガラス基板200の除去が行われる。ステップ306は、図10に示したプロセスに対応する。最後に、ステップ307において、保護層210及びめっき成長層220が除去される。ステップ307は、図11に示したプロセスに対応する。
以上のように、本実施形態では、蒸着マスク100を製造するに当たり、支持基板としてガラス基板200を用いる。ガラス基板200の線膨張係数は、マスク部110を構成するめっき層240(本実施形態では、インバーで構成される金属層)の線膨張係数に近いため、製造プロセスの過程において、プロセス温度又は環境温度の影響を受けにくい。したがって、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法は、支持基板の伸縮に起因する開口部111の位置精度のばらつき抑制することができる。
さらに、本実施形態では、ガラス基板200を除去する際に、溶液を用いてガラス基板200を溶解する。そのため、マスク部110に応力を加えることなく、ガラス基板200を除去することができる。保護層210及びめっき成長層220は、いずれも薄膜であるため、これらの層を剥離する際もマスク部110に応力を加えることがない。したがって、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法は、応力を加えることなくマスク部110を形成することができる。
(変形例1)
本実施形態では、ガラス基板200の除去にフッ化水素を含む溶液を用いたが、この例に限られるものではない。ガラス基板200を溶解することができる溶液であれば、フッ化水素とは異なる物質を含む溶液を用いてもよい。その場合、保護層210として、ガラス基板200の除去に用いる溶液に対して耐性を有する材料を用いることが望ましい。
(変形例2)
本実施形態では、保護層210として、フッ化水素を含む溶液に対して耐性を有する材料(具体的には、ポリイミド樹脂)を用い、保護層210をエッチングストッパーとして用いたが、この例に限られるものではない。例えば、保護層210の厚さを十分に厚くして、ガラス基板200の除去タイミング(エッチングの終点検出)を時間で制御してもよい。保護層210の厚さが十分に厚い場合、ガラス基板200が除去された後にしばらく保護層210の溶解が進んだとしても、第1金属層220aが露出する前に溶液による処理を止めることができる。
〈第2実施形態〉
本実施形態では、第1実施形態とは異なる製造方法で蒸着マスク100を形成する例について説明する。具体的には、第1実施形態の保護層210を用いることなく、蒸着マスク100を形成する。本実施形態において保護層210を用いない点以外は、第1実施形態の蒸着マスク100の製造方法と同様であるため、第1実施形態と同じ要素については、同じ符号を用いて詳細な説明を省略する。
図14から図20を用いて、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法について説明する。図14から図19は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法を示す断面図である。図20は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法を示すフローチャート図である。
図14は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、めっき成長層220を形成する工程を示す断面図である。第1実施形態と同様に、めっき成長層220は、めっき層240を形成するためのシード層として機能する。また、めっき成長層220は、ガラス基板200との密着性を高めるための密着層としての役割も有する。
本実施形態において、めっき成長層220は、ガラス基板200から近い順に、第1金属層220a及び第2金属層220bを含む。第1金属層220aは、ガラス基板200との密着性のよい金属層であることが好ましい。本実施形態では、第1金属層220aとして、チタン(Ti)を含む金属層を用いる。ただし、この例に限らず、ガラス基板200との密着性を確保できれば他の金属層(例えば、ITO、モリブデン、タンタル、ニッケル等)を用いてもよい。また、本実施形態では、めっき層240の材料としてニッケル合金であるインバーを用いるため、第2金属層220bとして、銅(Cu)を含む金属層を用いる。ただし、この例に限らず、シード層として機能し得る金属層であれば他の金属層を用いてもよい。
図15は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、めっき層240を形成する工程を示す断面図である。第1実施形態と同様に、開口部111として機能する領域にレジストマスク230を設ける。その後、電気めっきを用いてめっき層240を形成する。本実施形態では、めっき層240の形成前に、第2金属層220bの表面に対し、離型剤による前処理を行う。
図16は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、支持部120を形成する工程を示す断面図である。めっき層240を形成した後、レジストマスク230を除去する。その後、めっき層240の一部の上に、支持部120を配置する。本実施形態では、支持部120は、めっき層240の一部の上に設けた接着層(図示せず)を用いて接着される。
図17は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、接続部130を形成する工程を示す断面図である。第1実施形態と同様に、レジストマスク(図示せず)をマスク部110の一部及び支持部120の上に形成した後、電気めっきを用いて接続部130を形成する。
図17に示すプロセスにより、支持部120とマスク部110とを接続部130を介して接続することができる。本実施形態において、接続部130は、ニッケル合金(具体的には、インバー)を材料とするめっき層(金属層)により形成される。ただし、この例に限らず、接続部130は、電気めっきに使用可能な他の金属材料で形成してもよい。
図18は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、ガラス基板200及び第1金属層220aを除去する工程を示す断面図である。本実施形態では、フッ化水素を含む溶液を用いてガラス基板200及び第1金属層220aを除去する。具体的には、フッ化水素を含む溶液を用いてガラス基板200及び第1金属層220aを溶解することにより第2金属層220bを露出させる。本実施形態では、第2金属層220bが銅を含む金属層であるため、フッ化水素を含む溶液に対して耐性を有する。したがって、第2金属層220bは、マスク部110、支持部120及び接続部130を溶液から保護する役割を有する。
本実施形態において、ガラス基板200の除去に際して、フッ化水素を含む溶液を用いたケミカルエッチングを行う。すなわち、フッ化水素を含む溶液中にガラス基板200を浸漬させて溶解する。また、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)による研磨によりガラス基板200を薄くした後に、溶液による溶解に切り替えることも可能である。
図19は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法において、第2金属層220bを除去する工程を示す断面図である。本実施形態では、過酸化水素を含む溶液を用いて第2金属層220bを除去する。具体的には、過酸化水素を含む溶液を用いて第2金属層220bを溶解することによりめっき層240及び接続部130の一部を露出させる。過酸化水素を含む溶液としては、例えば、過酸化水素とエチレンジアミン四酢酸(EDTA)との混合液を用いることができる。この混合液は、ニッケルに悪影響を及ぼすことなく銅をエッチングすることができるという利点を有する。ただし、この例に限らず、銅エッチング液(例えば、アルカリ溶液、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅液など)を用いて第2金属層220bを除去してもよい。
本実施形態では、めっき層240及び接続部130がインバーで構成される金属層であるため、過酸化水素を含む溶液に対して耐性を有する。また、支持部120もインバーで構成されるため、蒸着マスク100の全体が過酸化水素を含む溶液に対して耐性を有する。以上の製造プロセスを経て、蒸着マスク100が完成する。
図20は、本発明の第2実施形態における蒸着マスク100の製造方法を示すフローチャート図である。図20に示すように、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法が開始されると、ステップ351において、めっき成長層220が形成される。ステップ351は、図14に示したプロセスに対応する。次に、ステップ352において、めっき層240が形成される。ステップ352は、図15に示したプロセスに対応する。
めっき層240が形成されたら、ステップ353において、支持部120が形成される。ステップ353は、図16に示したプロセスに対応する。支持部120を形成した後、ステップ354において、接続部130が形成される。ステップ354は、図17に示したプロセスに対応する。
接続部130を形成した時点で、蒸着マスク100の原型が完成する。その後、ステップ355において、フッ化水素を含む溶液を用いたガラス基板200及び第1金属層220aの除去が行われる。ステップ355は、図18に示したプロセスに対応する。最後に、ステップ356において、過酸化水素を含む溶液を用いた第2金属層220bの除去が行われる。ステップ356は、図19に示したプロセスに対応する。
本実施形態の場合、支持部120の下方にめっき層240が残る場合がある。支持部120の下方にめっき層240を残す場合、めっき層240が支持部120の剛性を高める補強部材として機能する。また、蒸着時に、被蒸着基板(図示せず)に対して蒸着マスク100をセットした場合において、支持部120と被蒸着基板との間に空間が形成されない。そのため、蒸着時において、蒸着マスク100と被蒸着基板との間の密着性を高めることができる。
以上のように、本実施形態では、蒸着マスク100を製造するに当たり、支持基板としてガラス基板200を用いる。そのため、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法は、支持基板の伸縮に起因する開口部111の位置精度のばらつき抑制することができる。さらに、本実施形態では、ガラス基板200及びめっき成長層220を除去する際に、溶液を用いてガラス基板200及びめっき成長層220を溶解する。そのため、マスク部110に応力を加えることがない。したがって、本実施形態の蒸着マスク100の製造方法は、応力を加えることなくマスク部110を形成することができる。
(変形例1)
本実施形態では、フッ化水素を含む溶液を用いてガラス基板200及び第1金属層220aを溶解し、その後、過酸化水素を含む溶液を用いて第2金属層220bを溶解する例を示した。しかし、第1金属層220aの材料として、フッ化水素を含む溶液に対して耐性を有する金属材料(例えば、銅を含む合金)を用いることにより、フッ化水素を含む溶液を用いてガラス基板200を選択的に溶解させることも可能である。この場合、第1金属層220a及び第2金属層220bを他の溶液(例えば、過酸化水素を含む溶液)を用いて溶解すればよい。
〈第3実施形態〉
本実施形態では、第1実施形態とは異なる構成の蒸着マスク100Aについて説明する。図19は、本発明の第3実施形態における蒸着マスク100Aの構成を示す平面図である。図20は、本発明の第3実施形態における蒸着マスク100Aの構成を示す断面図である。本実施形態の蒸着マスク100Aは、支持部120及び接続部130の配置が異なる以外は第1実施形態の蒸着マスク100と同様の構造を有している。したがって、第1実施形態と同じ要素については、同じ符号を用いて詳細な説明を省略する。
図19及び図20に示すように、蒸着マスク100Aは、支持部120が、マスク部110の上に格子状に設けられている。すなわち、格子状に設けられた支持部120によってマスク部110が支持される。第1実施形態と同様に、マスク部110は、接続部130を介して支持部120に接続される。
以上のように、本実施形態では、支持部120として、矩形状の金属部材を用いるのではなく、格子状の金属部材を用いる。そのため、ガラス基板200を除去する際のマスク部110への影響を第1実施形態よりも低減することができる。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態の蒸着マスクの製造方法を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
100、100A…蒸着マスク、110…マスク部、111…開口部、112…非開口部、115…パネル領域、120…支持部、130…接続部、200…ガラス基板、210…保護層、220…めっき成長層、220a…第1金属層、220b…第2金属層、230…レジストマスク、240…めっき層、240a…開口部、250…レジストマスク

Claims (14)

  1. ガラス基板の上に保護層を形成し、
    前記保護層の上にめっき成長層を形成し、
    前記めっき成長層の上に電気めっきによりマスク部を形成し、
    溶液を用いて前記ガラス基板を溶解して除去し、
    前記保護層及び前記めっき成長層を除去することを含む、蒸着マスクの製造方法。
  2. 前記保護層は、前記溶液に対して耐性を有する材料で構成される、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  3. 前記保護層は、樹脂材料で構成される、請求項2に記載の蒸着マスクの製造方法。
  4. 前記溶液は、フッ化水素を含む溶液である、請求項2に記載の蒸着マスクの製造方法。
  5. 前記保護層は、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、及びフッ素樹脂から選択された材料で構成される、請求項4に記載の蒸着マスクの製造方法。
  6. 前記めっき成長層は、前記保護層から近い順に、チタンを含む第1金属層及び銅を含む第2金属層を含む、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  7. 前記保護層及び前記めっき成長層を除去することは、マスク部から前記保護層及び前記めっき成長層を剥離することを含む、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  8. ガラス基板の上にめっき成長層を形成し、
    前記めっき成長層の上に電気めっきによりマスク部を形成し、
    第1溶液を用いて前記ガラス基板を溶解して除去し、
    前記めっき成長層を除去することを含む、蒸着マスクの製造方法。
  9. 前記めっき成長層を除去することは、前記第1溶液とは異なる第2溶液を用いて前記めっき成長層を除去することを含む、請求項8に記載の蒸着マスクの製造方法。
  10. 前記めっき成長層は、前記ガラス基板から近い順に、第1金属層及び第2金属層を含み、
    前記第1金属層は、前記ガラス基板と共に前記第1溶液を用いて溶解して除去され、
    前記第2金属層は、前記第2溶液を用いて溶解して除去される、請求項9に記載の蒸着マスクの製造方法。
  11. 前記第1金属層は、チタンを含む金属層であり、
    前記第2金属層は、銅を含む金属層である、請求項10に記載の蒸着マスクの製造方法。
  12. 前記第1溶液は、フッ化水素を含む溶液であり、
    前記第2溶液は、過酸化水素を含む溶液である、請求項11に記載の蒸着マスクの製造方法。
  13. 前記マスク部の上に支持部を配置し、
    前記支持部と前記マスク部とを接続する接続部を電鋳により形成することを含む、請求項1又は8に記載の蒸着マスクの製造方法。
  14. 前記マスク部及び前記接続部は、インバーを含む材料で形成される、請求項13に記載の蒸着マスクの製造方法。
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