JP2021150086A - 樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池用樹脂枠部材の製造方法 - Google Patents

樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池用樹脂枠部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂枠部材の製造効率を高めつつ発電効率を向上させることができる樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池用樹脂枠部材の製造方法を提供する。【解決手段】燃料電池用樹脂枠部材の製造方法によって製造される樹脂枠部材22の内周端部23には、樹脂枠部材22の一方の面22aから樹脂枠部材22の他方の面22bに向かって内方に傾斜した傾斜面66が全周に亘って形成されている。傾斜面66は、内周端部23の各辺部62の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池用樹脂枠部材の製造方法に関する。
発電セルは、例えば、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体(樹脂枠付きMEA)を一対のセパレータで挟持して形成される。樹脂枠付きMEAは、電解質膜の一方の面にアノード電極が設けられるとともに電解質膜の他方の面にカソード電極が設けられてなる電解質膜・電極構造体(MEA)と、電解質膜・電極構造体の外周部に設けられた四角環状の樹脂枠部材とを備える。
樹脂枠部材の内周端部は、アノード電極の外周部とカソード電極の外周部との間に配置された状態で電解質膜に接合される。このような樹脂枠部材において、内周端部の厚さ方向に沿った断面が四角形状であると、樹脂枠部材の内周端部の内方に隙間(電解質膜と電極とが互いに離間した部分)が形成される。樹脂枠付きMEAにおいて、樹脂枠部材の内周端部の内方に形成された隙間は、未発電部となる。そのため、発電セルの発電効率が低下する。
例えば、特許文献1には、樹脂枠部材の内周端部の内方の隙間を小さくした樹脂枠付きMEAが開示されている。この樹脂枠付きMEAの樹脂枠部材の内周端部には、電解質膜側の面から電解質膜とは反対側の面に向かって内方に傾斜した傾斜面が形成されている。
特開2018−97917号公報
本発明は、上記の従来技術に関連してなされたものであり、樹脂枠部材の製造効率を高めつつ発電効率を向上させることができる樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池用樹脂枠部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電解質膜の一方の面に第1電極が設けられるとともに前記電解質膜の他方の面に第2電極が設けられてなる電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体の外周部に設けられた樹脂枠部材と、を備えた樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、前記樹脂枠部材の内周端部は、前記電解質膜・電極構造体の前記外周部を周回するように四角環状に形成されるとともに前記第1電極の外周部と前記第2電極の外周部との間に配置され、前記内周端部には、前記樹脂枠部材の一方の面から前記樹脂枠部材の他方の面に向かって内方に傾斜した傾斜面が全周に亘って形成され、前記傾斜面は、前記内周端部の各辺部の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成されている、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体である。
本発明の他の態様は、樹脂フィルムの中央部に形成された四角形状の開口部を囲む内周端部に傾斜面を形成することにより、電解質膜・電極構造体の外周部に設けられる樹脂枠部材を製造する燃料電池用樹脂枠部材の製造方法であって、前記樹脂フィルムの前記開口部の中央部にレーザ射出口を配置する配置工程と、前記開口部の中央部に配置されたレーザ射出口から射出されたレーザ光を前記内周端部に照射することにより、前記内周端部に前記傾斜面を形成するレーザ加工工程と、を含み、前記レーザ加工工程では、前記レーザ光の光軸を前記樹脂フィルムの平面方向と前記樹脂フィルムの厚さ方向とに交差する傾斜方向に沿わせた状態で、前記レーザ光を前記内周端部の全周に亘って照射する、燃料電池用樹脂枠部材の製造方法である。
本発明によれば、樹脂枠部材の内周端部に傾斜面を形成している。つまり、樹脂枠部材の内周端部は、内方に向かって薄く形成されている。そのため、樹脂枠部材の内周端部よりも内方の隙間を小さくすることができる。よって、発電領域の面積が増えるため、発電効率を向上させることができる。
また、樹脂フィルムの開口部の中央部に配置されたレーザ射出口から射出されたレーザ光を樹脂フィルムの内周端部の全周に亘って照射することにより傾斜面が形成される。この際、傾斜面は、樹脂枠部材の内周端部の各辺部の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成される。この場合、レーザ射出口を開口部の中央部に配置しているため、レーザ射出口を樹脂フィルムの内周端部に沿って四角形状に移動させる必要がない。これにより、レーザ加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。よって、樹脂枠部材の製造効率を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る発電セルを備えた燃料電池スタックの一部省略分解斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図2の樹脂枠部材の平面図である。 図4Aは、図3のIVA−IVA線に沿った横断面図であり、図4Bは、図3のIVB−IVB線に沿った横断面図である。 図3に示す樹脂枠部材の製造方法を説明するためのフローチャートである。 配置工程及びレーザ加工工程の説明図である。 図6のVII−VII線に沿った一部断面説明図である。 図6のVIII−VIII線に沿った一部断面説明図である。
以下、本発明に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体及び燃料電池用樹脂枠部材の製造方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、発電セル10は、その厚さ方向(矢印A方向)に複数積層されて燃料電池スタック12を形成する。燃料電池スタック12は、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池電気自動車(図示せず)に搭載される。なお、複数の発電セル10の積層方向は、水平方向及び重力方向のいずれでもよい。
図1において、発電セル10は、横長の長方形状に形成されている。ただし、発電セル10は、縦長の長方形状に形成されてもよい。図1及び図2に示すように、発電セル10は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体(以下、「樹脂枠付きMEA14」という。)と、樹脂枠付きMEA14の両側に配設された第1セパレータ16及び第2セパレータ18とを備える。樹脂枠付きMEA14は、電解質膜・電極構造体(以下、「MEA20」という)と、MEA20の外周部に設けられた樹脂枠部材22(樹脂枠部)とを有する。
図2において、MEA20は、電解質膜24と、電解質膜24の一方の面24aに設けられたアノード電極26(第1電極)と、電解質膜24の他方の面24bに設けられたカソード電極28(第2電極)とを有する。電解質膜24は、例えば、固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)である。固体高分子電解質膜は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である。電解質膜24は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用することができる。電解質膜24は、アノード電極26及びカソード電極28に挟持される。
詳細は図示しないが、アノード電極26は、電解質膜24の一方の面24aに接合される第1電極触媒層と、当該第1電極触媒層に積層される第1ガス拡散層とを有する。第1電極触媒層は、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、第1ガス拡散層の全面に一様に塗布されて形成される。
カソード電極28は、電解質膜24の他方の面24bに接合される第2電極触媒層と、当該第2電極触媒層に積層される第2ガス拡散層とを有する。第2電極触媒層は、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、第2ガス拡散層の全面に一様に塗布されて形成される。第1ガス拡散層及び第2ガス拡散層のそれぞれは、カーボンペーパ、カーボンクロス等からなる。
アノード電極26の平面寸法(外形寸法)は、カソード電極28の平面寸法よりも大きい。電解質膜24の平面寸法は、アノード電極26の平面寸法と同じである。アノード電極26の外周端26oは、カソード電極28の外周端28oよりも外方に位置する。電解質膜24の面方向(図2の矢印C方向)において、電解質膜24の外周端24oは、アノード電極26の外周端26oと同じ位置にある。
アノード電極26の平面寸法は、カソード電極28の平面寸法よりも小さくてもよい。この場合、アノード電極26の外周端26oは、カソード電極28の外周端28oよりも内方に位置する。電解質膜24の平面寸法は、アノード電極26の平面寸法と同じであってもよいし、カソード電極28の平面寸法と同じであってもよい。アノード電極26の平面寸法は、カソード電極28の平面寸法と同じであってもよい。この場合、電解質膜24の面方向において、電解質膜24の外周端24o、アノード電極26の外周端26o及びカソード電極28の外周端28oは、互いに同じ位置にある。
図1及び図2において、樹脂枠部材22は、MEA20の外周部を周回する1枚の枠状シートである。樹脂枠部材22は、電気的絶縁性を有する。樹脂枠部材22の構成材料としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、m−PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィン等が挙げられる。樹脂枠部材22の詳細な説明については後述する。
図1において、第1セパレータ16及び第2セパレータ18のそれぞれは、長方形状(四角形状)に形成されている。第1セパレータ16及び第2セパレータ18のそれぞれは、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、或いはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属薄板の断面を波形にプレス成形して構成される。ただし、第1セパレータ16及び第2セパレータ18のそれぞれは、カーボン等により構成されてもよい。第1セパレータ16と第2セパレータ18とは、互いに重ねた状態で外周を溶接、ろう付け、かしめ等により一体に接合される。
発電セル10の長辺方向である矢印B方向の一端縁部(矢印B1方向の端縁部)には、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bが、発電セル10の短辺方向(矢印C方向)に配列して設けられる。酸化剤ガス入口連通孔30aは、矢印A方向に酸化剤ガス(例えば、酸素含有ガス)を供給する。冷却媒体入口連通孔32aは、矢印A方向に冷却媒体(例えば、純水、エチレングリコール、オイル等)を供給する。燃料ガス出口連通孔34bは、矢印A方向に燃料ガス(例えば、水素含有ガス)を排出する。
発電セル10の矢印B方向の他端縁部(矢印B2方向の端縁部)には、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。燃料ガス入口連通孔34aは、矢印A方向に燃料ガスを供給する。冷却媒体出口連通孔32bは、矢印A方向に冷却媒体を排出する。酸化剤ガス出口連通孔30bは、矢印A方向に酸化剤ガスを排出する。
酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bと燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bと冷却媒体入口連通孔32a及び冷却媒体出口連通孔32bのそれぞれの大きさ、位置、形状及び数は、本実施形態に限定されるものではなく、要求される仕様に応じて、適宜設定すればよい。
図1及び図2に示すように、第1セパレータ16のMEA20に向かう面16aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通する燃料ガス流路36が設けられる。燃料ガス流路36は、矢印B方向に延在する複数の燃料ガス流路溝38を有する。各燃料ガス流路溝38は、矢印B方向に波状に延在してもよい。
図1において、第1セパレータ16には、樹脂枠付きMEA14と第1セパレータ16との間から外部への流体(燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体)の漏出を防止する第1シール部40が設けられている。第1シール部40は、第1セパレータ16の外周部を周回し、各連通孔(酸化剤ガス入口連通孔30a等)を周回する。第1シール部40は、セパレータ厚さ方向(矢印A方向)から見て直線状に延在している。ただし、第1シール部40は、セパレータ厚さ方向から見て波状に延在してもよい。
図2において、第1シール部40は、第1セパレータ16に一体成形された第1金属ビード部42と、第1金属ビード部42に設けられた第1樹脂材44とを有する。第1金属ビード部42は、第1セパレータ16から樹脂枠部材22に向かって突出している。第1金属ビード部42の横断面形状は、第1金属ビード部42の突出方向に向かって先細り形状となる台形形状である。第1樹脂材44は、第1金属ビード部42の突出端面に印刷又は塗布等により固着された弾性部材である。第1樹脂材44は、例えば、ポリエステル繊維で構成される。
図1及び図2に示すように、第2セパレータ18のMEA20に向かう面18aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路46が設けられる。酸化剤ガス流路46は、矢印B方向に直線状に延在する複数の酸化剤ガス流路溝48を有する。各酸化剤ガス流路溝48は、矢印B方向に波状に延在してもよい。
図1において、第2セパレータ18には、樹脂枠付きMEA14と第2セパレータ18との間から外部への流体(酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体)の漏出を防止する第2シール部50が設けられている。第2シール部50は、第2セパレータ18の外周部を周回し、各連通孔(酸化剤ガス入口連通孔30a等)を周回する。第2シール部50は、セパレータ厚さ方向(矢印A方向)から見て直線状に延在している。ただし、第2シール部50は、セパレータ厚さ方向から見て波状に延在してもよい。
図2において、第2シール部50は、第2セパレータ18に一体成形された第2金属ビード部52と、第2金属ビード部52に設けられた第2樹脂材54とを有する。第2金属ビード部52は、第2セパレータ18から樹脂枠部材22に向かって突出している。第2金属ビード部52の横断面形状は、第2金属ビード部52の突出方向に向かって先細り形状となる台形形状である。第2樹脂材54は、第2金属ビード部52の突出端面に印刷又は塗布等により固着された弾性部材である。第2樹脂材54は、例えば、ポリエステル繊維で構成される。
第1シール部40及び第2シール部50は、セパレータ厚さ方向から見て互いに重なるように配置されている。そのため、燃料電池スタック12に締付荷重(圧縮荷重)が付与された状態で、第1金属ビード部42及び第2金属ビード部52のそれぞれが弾性変形(圧縮変形)する。また、この状態で、第1シール部40の突出端面(第1樹脂材44)が樹脂枠部材22の一方の面22aに気密及び液密に接触するとともに第2シール部50の突出端面(第2樹脂材54)が樹脂枠部材22の他方の面22bに気密及び液密に接触する。
第1樹脂材44は、第1金属ビード部42ではなく、樹脂枠部材22の一方の面22aに設けられてもよい。第2樹脂材54は、第2金属ビード部52ではなく、樹脂枠部材22の他方の面22bに設けられてもよい。また、第1樹脂材44及び第2樹脂材54の少なくともいずれかは、省略されてもよい。第1シール部40及び第2シール部50は、上述したようなメタルビードシールではなく、弾性を有するゴムシール部材で形成されてもよい。
図1及び図2において、第1セパレータ16の面16bと第2セパレータ18の面18bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路56が設けられる。冷却媒体流路56は、酸化剤ガス流路46の裏面形状と燃料ガス流路36の裏面形状とによって形成される。
図1及び図3に示すように、樹脂枠部材22は、四角環状に形成されている。つまり、図3において、樹脂枠部材22の中央部には、四角形状の開口部60が形成されている。そのため、図1〜図3に示すように、樹脂枠部材22の内周端部23は、MEA20の外周部を周回するように四角環状に形成されている。なお、樹脂枠部材22の内周端部23は、樹脂枠部材22の内端22i及びその近傍領域を構成する部分である(図2参照)。
図2に示すように、樹脂枠部材22の内周端部23は、アノード電極26の外周部27とカソード電極28の外周部29との間に配置されている。具体的に、樹脂枠部材22の内周端部23は、電解質膜24の外周部25とカソード電極28の外周部29とによって挟持されている。なお、樹脂枠部材22の内周端部23は、電解質膜24の外周部25とアノード電極26の外周部27とによって挟持されてもよい。
図3において、樹脂枠部材22の内周端部23は、4つの直線状の辺部62と、4つの角部64とを含む。図2、図4A及び図4Bに示すように、樹脂枠部材22の内周端部23は、樹脂枠部材22の内方に向かって先細り形状に形成されている。換言すれば、内周端部23は、樹脂枠部材22の内方に向かって厚さ(矢印A方向の寸法)が減少する。内周端部23には、樹脂枠部材22の一方の面22aから他方の面22bに向かって内方に傾斜した傾斜面66が形成されている。傾斜面66は、開口部60を周回するように内周端部23の全周に亘って延在している。つまり、傾斜面66は、各辺部62と各角部64とに亘って四角環状に延在している。傾斜面66は、平坦に形成されている。
図3において、傾斜面66は、各辺部62の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成されている。すなわち、傾斜面66の幅Wは、各辺部62の延在方向の中央から両端に向かって連続して減少している。傾斜面66の幅Wは、各辺部62の中央の位置で最も広く、各角部64の位置で最も狭い。傾斜面66の外周端66oは、各辺部62の延在方向の中央から両端に向かって内方に傾斜した直線部70aと、各角部64に位置して隣り合う直線部70aに連結したR形状の連結部70bとを含む。
直線部70aは、各辺部62に2つずつ設けられている。互いに隣り合う2つの直線部70aは、各辺部62の延在方向の中央で連結している。つまり、傾斜面66は、各辺部62において、2つの直線部70aの連結部を頂点とする山形状(三角形状)に形成される。連結部70bは、樹脂枠部材22の厚さ方向から見て、円弧状に形成されている。
図4Aに示すように、傾斜面66の内端66iは、樹脂枠部材22の内端22iに位置する。各辺部62の延在方向の中央において、傾斜面66の内端66iは、樹脂枠部材22の他方の面22bに位置する。図4Bに示すように、傾斜面66の内端66iは、各辺部62の延在方向の中央から両端に向かって樹脂枠部材22の一方の面22a側に傾斜している。換言すれば、樹脂枠部材22の内端22iは、各辺部62の延在方向の中央から両端に向かって厚さ(矢印A方向の寸法)が増加する。
図2、図4A及び図4Bに示すように、樹脂枠部材22の内周端部23は、樹脂枠部材22の内方に向かって先細り形状に形成されている。換言すれば、内周端部23は、樹脂枠部材22の内方に向かって厚さ(矢印A方向の寸法)が減少する。
図2に示すように、傾斜面66の傾斜角度θ(樹脂枠部材22の他方の面22bと傾斜面66とのなす角度)は、例えば、45°以下が好ましく、15°以上30°以下がより好ましく、略20°がより一層好ましい。傾斜角度θは、適宜設定可能である。傾斜角度θは、内周端部23の全周に亘って略一定である。ただし、傾斜角度θは、内周端部23の周方向の適宜の位置で変化してもよい。
傾斜面66は、電解質膜24の他方の面24bに対向している。換言すれば、傾斜面66は、電解質膜24の他方の面24bに近接又は接触している。内周端部23は、内方に向かって薄く形成されている。そのため、内周端部23の内方に形成される隙間Sは、内周端部23に傾斜面66を形成しない場合(内周端部23の横断面が四角形状である場合)と比較して小さくなる。
図2において、電解質膜24の外周部25には、樹脂枠部材22の傾斜面66に対向する部分に第1傾斜領域80aが設けられる。電解質膜24において、第1傾斜領域80aよりも外方に位置するアノード電極26側の面80bは、第1傾斜領域80aよりも内方に位置するアノード電極26側の面80cよりも、カソード電極28からより離れている。
アノード電極26の外周部27には、電解質膜24の第1傾斜領域80aに対向する部分に第2傾斜領域82aが設けられる。第2傾斜領域82aは、第1傾斜領域80aに対して略平行に延在している。アノード電極26において、第2傾斜領域82aよりも外方に位置する第1セパレータ16側の面82bは、第2傾斜領域82aよりも内方に位置する第1セパレータ16側の面82cよりも、カソード電極28からより離れている。
カソード電極28の外周部29には、樹脂枠部材22の厚さ方向(矢印A方向)に樹脂枠部材22の傾斜面66と重なる箇所に第3傾斜領域84aが設けられている。第3傾斜領域84aは、カソード電極28の外周端28oに向かって樹脂枠部材22が位置する側とは反対側に傾斜している。カソード電極28において、第3傾斜領域84aよりも外方に位置する第2セパレータ18側の面84bは、第3傾斜領域84aよりも内方に位置する第2セパレータ18側の面84cよりも、アノード電極26からより離れている。
次に、本実施形態に係る発電セル10を含む燃料電池スタック12の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2セパレータ18の酸化剤ガス流路46に導入され、矢印B方向に移動してMEA20のカソード電極28に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aから第1セパレータ16の燃料ガス流路36に導入され、燃料ガスは、燃料ガス流路36に沿って矢印B方向に移動し、MEA20のアノード電極26に供給される。
従って、MEA20では、カソード電極28に供給される酸化剤ガスと、アノード電極26に供給される燃料ガスとが、電気化学反応により消費されて、発電が行われる。
次いで、図1において、カソード電極28に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極26に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ16と第2セパレータ18との間の冷却媒体流路56に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、MEA20を冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
次に、本実施形態に係る樹脂枠部材22の製造方法について、以下に説明する。
樹脂枠部材22の製造方法は、図5に示すように、準備工程、配置工程、レーザ加工工程を含む。
準備工程(ステップS1)では、図6Aに示すような樹脂フィルム100を作製する。樹脂フィルム100は、横長の長方形状に形成されている。樹脂フィルム100の中央部には、四角形状の開口部60が形成されている。つまり、樹脂フィルム100は、四角環状に形成されている。樹脂フィルム100の内周端部102は、4つの辺部104と、4つの角部106とを有する。
樹脂フィルム100の長辺方向の一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bが形成されている。樹脂フィルム100の長手方向の他端縁部には、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bが形成されている。なお、酸化剤ガス入口連通孔30a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体入口連通孔32a、冷却媒体出口連通孔32b、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bは、レーザ加工工程の終了後に樹脂フィルム100に対して形成してもよい。
配置工程(ステップS2)では、図6〜図8に示すように、樹脂フィルム100の開口部60の中央部にレーザ照射装置200のレーザ加工ヘッド202を配置する。図7及び図8において、レーザ加工ヘッド202には、レーザ光Lを射出するレーザ射出口204が設けられている。レーザ加工ヘッド202は、開口部60の中央(開口部60の長辺及び短辺の中心)を通るとともに樹脂フィルム100の厚さ方向(矢印A方向)に沿って開口部60の中央に位置する回転軸Axの周りに回転可能である。
レーザ射出口204は、回転軸Ax上に位置する。レーザ射出口204は、樹脂フィルム100の平面方向と樹脂フィルム100の厚さ方向とに交差する傾斜方向を向いている。すなわち、レーザ射出口204から射出されるレーザ光Lの光軸は、前記傾斜方向に沿うことになる。レーザ光Lの照射角度θ1(回転軸Axとレーザ光Lとのなす角度)は、樹脂フィルム100の開口部60の大きさ及び樹脂フィルム100の厚さ等に応じて適宜設定される。
レーザ射出口204は、樹脂フィルム100に対して樹脂フィルム100の厚さ方向にずれて位置している。樹脂フィルム100の一方の面100aは、レーザ加工ヘッド202とは反対側を向いている。樹脂フィルム100の他方の面100bは、レーザ加工ヘッド202が位置する側を向いている。
レーザ加工工程(ステップS3)では、レーザ射出口204から樹脂フィルム100の内周端部102にレーザ光Lを照射することにより、内周端部102に傾斜面66を形成する。換言すれば、レーザ加工工程では、レーザ光Lの光軸を樹脂フィルム100の平面方向と樹脂フィルム100の厚さ方向とに交差する傾斜方向に沿わせた状態で、レーザ光Lを内周端部102の全周に亘って照射する。
具体的に、レーザ加工工程では、レーザ射出口204を前記傾斜方向に向けた状態で、レーザ加工ヘッド202(レーザ射出口204)を回転軸Axの周りに少なくとも1回転させる。この際、樹脂フィルム100の厚さ方向における樹脂フィルム100とレーザ射出口204との相対位置は、固定されている。換言すれば、レーザ射出口204は、樹脂フィルム100に対して樹脂フィルム100の厚さ方向に移動することなく、回転軸Axの周りに少なくとも1回転する。また、レーザ射出口204は、レーザ光Lの照射角度θ1を一定に維持した状態で、回転軸Axの周りに少なくとも1回転する。
図7に示すように、レーザ射出口204から射出されたレーザ光Lは、樹脂フィルム100の内周端部102の入射点Piから樹脂フィルム100内に入射し、出射点Poから樹脂フィルム100の外側に出射される。樹脂フィルム100のうちレーザ光Lが通過した部分が、切断面(樹脂枠部材22の傾斜面66)になる。レーザ光Lは、樹脂フィルム100内を略直線状に通過する。
図6において、レーザ射出口204と樹脂フィルム100の内周端部102との距離(レーザ照射距離)は、内周端部102の各辺部104の延在方向の中央から両端(各角部106)に向かうに従って徐々に長くなる。すなわち、内周端部102の長辺を形成する辺部104の中央におけるレーザ照射距離(第1レーザ照射距離D1)は、内周端部102の角部106でのレーザ照射距離(第2レーザ照射距離D2)よりも短い(図7及び図8参照)。
図7に示すように、内周端部102の長辺を形成する辺部104の中央において、レーザ光Lは、第1入射点P1から樹脂フィルム100内に入射し、第1出射点P2から樹脂フィルム100の外側に出射される。第1入射点P1は、例えば、樹脂フィルム100の内端面108のうち樹脂フィルム100の他方の面100b側の端に位置する。ただし、第1入射点P1は、樹脂フィルム100の他方の面100bにおける内端面108よりも外方に位置してもよいし、樹脂フィルム100の内端面108(開口部60を形成する面)に位置してもよい。第1出射点P2は、樹脂フィルム100の一方の面100aにおける内端面108よりも外方に位置する。第1出射点P2は、第1入射点P1よりも外方に位置する。
図8に示すように、内周端部102の各角部106において、レーザ光Lは、第2入射点P3から樹脂フィルム100内に入射し、第2出射点P4から樹脂フィルム100の外側に出射される。第2入射点P3は、樹脂フィルム100の内端面108に位置する。第2出射点P4は、樹脂フィルム100の一方の面100aにおける内端面108よりも外方に位置する。第2出射点P4は、第2入射点P3よりも外方に位置する。
図7及び図8において、第2入射点P3は、第1入射点P1よりも樹脂フィルム100の一方の面100a側に位置する。第1入射点P1と第1出射点P2とを結ぶ第1直線距離W1(傾斜面66の幅寸法)は、第2入射点P3と第2出射点P4とを結ぶ第2直線距離W2(傾斜面66の幅寸法)よりも長い。入射点Piと出射点Poとを結ぶ直線距離(傾斜面66の幅寸法)は、内周端部102の中央から両端(角部106)に向かって短くなる(図6参照)。第1直線距離W1と第2直線距離W2との差は、第1レーザ照射距離D1と第2レーザ照射距離D2との差が長くなるほど大きくなる。
本実施形態に係る樹脂枠付きMEA14及び樹脂枠部材22(燃料電池用樹脂枠部材)の製造方法は、以下の効果を奏する。
樹脂枠部材22の内周端部23は、MEA20の外周部を周回するように四角環状に形成されるとともにアノード電極26の外周部27とカソード電極28の外周部29との間に配置されている。樹脂枠部材22の内周端部23には、樹脂枠部材22の一方の面22aから樹脂枠部材22の他方の面22bに向かって内方に傾斜した傾斜面66が全周に亘って形成されている。傾斜面66は、内周端部23の各辺部62の中央から両端に向かって幅狭に形成されている。
樹脂枠部材22の製造方法では、樹脂フィルム100の開口部60の中央部にレーザ射出口204を配置する配置工程と、開口部60の中央部に配置されたレーザ射出口204から射出されたレーザ光Lを樹脂フィルム100の内周端部102に照射することにより、内周端部102に傾斜面66を形成するレーザ加工工程とを含む。レーザ加工工程では、レーザ光Lの光軸を樹脂フィルム100の平面方向と樹脂フィルム100の厚さ方向とに交差する傾斜方向に沿わせた状態で、レーザ光Lを内周端部102の全周に亘って照射する。この際、レーザ射出口204の樹脂フィルム100の他方の面100bからの高さは、一定であるのが好ましい。
このような構成及び方法によれば、樹脂枠部材22の内周端部23に傾斜面66を形成している。つまり、樹脂枠部材22の内周端部23は、内方に向かって薄く形成されている。そのため、樹脂枠部材22の内周端部23よりも内方の隙間Sを小さくすることができる。よって、発電領域の面積が増えるため、発電効率を向上させることができる。
また、樹脂フィルム100の開口部60の中央部に配置されたレーザ射出口204から射出されたレーザ光Lを樹脂フィルム100の内周端部102の全周に亘って照射することにより傾斜面66が形成される。この際、傾斜面66は、樹脂枠部材22の内周端部102の各辺部104の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成される。この場合、レーザ射出口204を開口部60の中央部に固定して回転させるだけでよく、レーザ射出口204を樹脂フィルム100の内周端部102に沿って四角形状に移動させる必要がない。これにより、レーザ加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。よって、樹脂枠部材22の製造効率を高めることができる。
傾斜面66は、電解質膜24に対向している。
このような構成によれば、樹脂枠部材22の内周端部23が電解質膜24に突き刺さることを抑えることができる。これにより、電解質膜24の損傷を抑制することができる。
傾斜面66は、内周端部23の各角部64に設けられている。傾斜面66の外周端66oのうち各角部64に位置する部分(連結部70b)は、R形状に形成されている。
このような構成によれば、樹脂枠部材22の内周端部23の各角部64に傾斜面66を形成しているため、発電領域の面積が一層増えるため、発電効率を一層向上させることができる。
レーザ加工工程では、レーザ射出口204を樹脂フィルム100の平面方向と樹脂フィルム100の厚さ方向とに交差する傾斜方向に向けた状態で、開口部60の中央部を通るとともに樹脂フィルム100の厚さ方向に沿った回転軸Axの周りにレーザ射出口204を少なくとも1回転させている。
このような方法によれば、レーザ加工工程のサイクルタイムの一層の短縮化を図ることができる。
レーザ加工工程では、樹脂フィルム100の厚さ方向における樹脂フィルム100とレーザ射出口204との相対位置を固定した状態で、レーザ射出口204を回転軸Axの周りに少なくとも1回転させている。
このような方法によれば、レーザ加工工程において、レーザ射出口204の位置制御を簡単に行うことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。レーザ加工工程では、樹脂フィルム100の厚さ方向における樹脂フィルム100とレーザ射出口204との相対位置を変化させながら、レーザ光Lを樹脂フィルム100の内周端部102の全周に亘って照射してもよい。これにより、樹脂枠部材22の内周端部23の適宜の位置で傾斜面66の幅寸法を変えることができる。また、レーザ加工工程では、レーザ光Lの照射角度θ1を変化させながら、レーザ光Lを樹脂フィルム100の内周端部102の全周に亘って照射してもよい。
レーザ加工工程では、例えば、レーザ射出口204を開口部60に向けた状態で、ミラー等の光学系を制御することにより、レーザ光Lを樹脂フィルム100の内周端部102の全周に照射してもよい。
以上の実施形態をまとめると、以下のようになる。
上記実施形態は、電解質膜(24)の一方の面(24a)に第1電極(26)が設けられるとともに前記電解質膜の他方の面(24b)に第2電極(28)が設けられてなる電解質膜・電極構造体(20)と、前記電解質膜・電極構造体の外周部に設けられた樹脂枠部材(22)と、を備えた樹脂枠付き電解質膜・電極構造体(14)であって、前記樹脂枠部材の内周端部(23)は、前記電解質膜・電極構造体の前記外周部を周回するように四角環状に形成されるとともに前記第1電極の外周部(27)と前記第2電極の外周部(29)との間に配置され、前記内周端部には、前記樹脂枠部材の一方の面から前記樹脂枠部材の他方の面に向かって内方に傾斜した傾斜面(66)が全周に亘って形成され、前記傾斜面は、前記内周端部の各辺部(62)の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成されている、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を開示している。
上記の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体において、前記傾斜面は、前記電解質膜に対向してもよい。
上記の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体において、前記傾斜面の外周端(66o)は、前記各辺部の延在方向の中央から両端に向かって内方に直線状に傾斜してもよい。
上記の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体において、前記傾斜面は、前記内周端部の各角部(64)に設けられ、前記傾斜面の外周端のうち前記各角部に位置する部分(70b)は、R形状に形成されてもよい。
上記実施形態は、樹脂フィルム(100)の中央部に形成された四角形状の開口部(60)を囲む内周端部(102)に傾斜面を形成することにより、電解質膜・電極構造体の外周部に設けられる樹脂枠部材を製造する燃料電池用樹脂枠部材の製造方法であって、前記樹脂フィルムの前記開口部の中央部にレーザ射出口(204)を配置する配置工程と、前記開口部の中央部に配置された前記レーザ射出口から射出されたレーザ光(L)を前記内周端部に照射することにより、前記内周端部に前記傾斜面を形成するレーザ加工工程と、を含み、前記レーザ加工工程では、前記レーザ光の光軸を前記樹脂フィルムの平面方向と前記樹脂フィルムの厚さ方向とに交差する傾斜方向に沿わせた状態で、前記レーザ光を前記内周端部の全周に亘って照射する、燃料電池用樹脂枠部材の製造方法を開示している。
上記の燃料電池用樹脂枠部材の製造方法において、前記レーザ加工工程では、前記レーザ射出口を前記傾斜方向に向けた状態で、前記開口部の中央部を通るとともに前記樹脂フィルムの厚さ方向に沿った回転軸(Ax)の周りに前記レーザ射出口を少なくとも1回転させてもよい。
上記の燃料電池用樹脂枠部材の製造方法において、前記レーザ加工工程では、前記樹脂フィルムの厚さ方向における前記樹脂フィルムと前記レーザ射出口との相対位置を固定した状態で、前記レーザ射出口を前記回転軸の周りに少なくとも1回転させてもよい。
上記の燃料電池用樹脂枠部材の製造方法において、前記レーザ加工工程では、前記樹脂フィルムの厚さ方向における前記樹脂フィルムと前記レーザ射出口との相対位置を変化させながら、前記レーザ射出口を前記回転軸の周りに少なくとも1回転させてもよい。
14…樹脂枠付きMEA(樹脂枠付き電解質膜・電極構造体)
20…MEA(電解質膜・電極構造体)
22…樹脂枠部材 23、102…内周端部
24…電解質膜 26…アノード電極(第1電極)
28…カソード電極(第2電極) 66…傾斜面
100…樹脂フィルム 204…レーザ射出口
Ax…回転軸 L…レーザ光

Claims (8)

  1. 電解質膜の一方の面に第1電極が設けられるとともに前記電解質膜の他方の面に第2電極が設けられてなる電解質膜・電極構造体と、
    前記電解質膜・電極構造体の外周部に設けられた樹脂枠部材と、を備えた樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記樹脂枠部材の内周端部は、前記電解質膜・電極構造体の前記外周部を周回するように四角環状に形成されるとともに前記第1電極の外周部と前記第2電極の外周部との間に配置され、
    前記内周端部には、前記樹脂枠部材の一方の面から前記樹脂枠部材の他方の面に向かって内方に傾斜した傾斜面が全周に亘って形成され、
    前記傾斜面は、前記内周端部の各辺部の延在方向の中央から両端に向かって幅狭に形成されている、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  2. 請求項1記載の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記傾斜面は、前記電解質膜に対向している、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記傾斜面の外周端は、前記各辺部の延在方向の中央から両端に向かって内方に直線状に傾斜している、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記傾斜面は、前記内周端部の各角部に設けられ、
    前記傾斜面の外周端のうち前記各角部に位置する部分は、R形状に形成されている、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  5. 樹脂フィルムの中央部に形成された四角形状の開口部を囲む内周端部に傾斜面を形成することにより、電解質膜・電極構造体の外周部に設けられる樹脂枠部材を製造する燃料電池用樹脂枠部材の製造方法であって、
    前記樹脂フィルムの前記開口部の中央部にレーザ射出口を配置する配置工程と、
    前記開口部の中央部に配置された前記レーザ射出口から射出されたレーザ光を前記内周端部に照射することにより、前記内周端部に前記傾斜面を形成するレーザ加工工程と、を含み、
    前記レーザ加工工程では、前記レーザ光の光軸を前記樹脂フィルムの平面方向と前記樹脂フィルムの厚さ方向とに交差する傾斜方向に沿わせた状態で、前記レーザ光を前記内周端部の全周に亘って照射する、燃料電池用樹脂枠部材の製造方法。
  6. 請求項5記載の燃料電池用樹脂枠部材の製造方法であって、
    前記レーザ加工工程では、前記レーザ射出口を前記傾斜方向に向けた状態で、前記開口部の中央部を通るとともに前記樹脂フィルムの厚さ方向に沿った回転軸の周りに前記レーザ射出口を少なくとも1回転させる、燃料電池用樹脂枠部材の製造方法。
  7. 請求項6記載の燃料電池用樹脂枠部材の製造方法であって、
    前記レーザ加工工程では、前記樹脂フィルムの厚さ方向における前記樹脂フィルムと前記レーザ射出口との相対位置を固定した状態で、前記レーザ射出口を前記回転軸の周りに少なくとも1回転させる、燃料電池用樹脂枠部材の製造方法。
  8. 請求項6記載の燃料電池用樹脂枠部材の製造方法であって、
    前記レーザ加工工程では、前記樹脂フィルムの厚さ方向における前記樹脂フィルムと前記レーザ射出口との相対位置を変化させながら、前記レーザ射出口を前記回転軸の周りに少なくとも1回転させる、燃料電池用樹脂枠部材の製造方法。
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