以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
なお、以降の説明において便宜上、設備を給水装置と仮定するが、設備はこれに限定されない。例えば、設備は、揚水、排水などの任意の用途のポンプを備えた装置であってもよいし、かかる装置とも異なる種々の電気または機械設備、例えば、給湯機、コンピュータ、OA(Office Automation)機器、家電機器、ロボット、産業機械、などであってもよい。また、以降の説明において、「ポンプ」または「給水装置」の用語は、より広義の用語である「設備」として、または他の設備の名称として適宜読み替え可能である。例えば、「ポンプデータ」は、「設備データ」などとして読み替えることができる。
(実施形態)
実施形態に係る表示装置は、例えば給水装置などの設備に接続され得る。例えば図1に示されるように、実施形態に係る表示装置20は、給水装置10に含まれる制御盤40と通信可能である。
給水装置10は、例えば、水道本管に直結され、水道本管を流れる水を直接増圧し、建造物に設けられた蛇口やシャワーヘッドなどの供給先に給水する、いわゆる直結増圧型給水装置であり得る。或いは、給水装置10は、一次側の受水槽に貯留されている水を二次側の高置水槽へ揚水し、重力により給水する高置水槽式給水装置、または一次側の受水槽に貯留されている水を給水加圧ポンプにより供給先へ直接圧送する加圧式給水装置であり得る。
この給水装置10は、ポンプ装置30と、制御盤40と、圧力センサ50と、アキュムレータ60と、吸込配管70と、吐出配管80とを含む。給水装置10は、ポンプ装置30により、吸込配管70を介して一次側にある水を取り込み、吐出配管80を介して二次側へ給水する。吸込配管70は、例えば、水道本管から分岐された水道分管、または受水槽と、ポンプ装置30とを接続する。吐出配管80は、ポンプ装置30とその二次側の給水先または高置水槽とを接続する。
なお、給水装置10は、複数台のポンプ装置30を含んでいてもよい。この場合に、給水装置10は、複数台のポンプ装置30を交互に駆動する交互運転、複数台のポンプ装置30を同時に駆動する並列運転、などを行うことができる。
表示装置20は、制御盤40と通信可能であって、ユーザ、例えば、給水装置10の管理者、利用者、または点検もしくは交換などの作業従事者、とのインタフェースのための画面を表示する。表示装置20は、制御盤40から後述されるポンプデータを受信し、表示画面をこのポンプデータに基づいて制御し得る。
ポンプ装置30は、図2に例示されるように、ポンプ31と、回転軸32と、モータ33と、流量センサ34と、逆止弁35とを含む。
ポンプ31は、ポンプケーシング内に、回転軸32と接続される単数または複数の羽根車を備えている。ポンプ31の吸込口は、配管が接続され、一次側開閉弁を介して吸込配管70、または吸込配管70を複数のポンプ装置30の一次側と接続する分岐部に接続され得る。他方、ポンプ31の吐出口は、配管が接続され、流量センサ34、逆止弁35および二次側開閉弁を介して、吐出配管80、または複数のポンプ装置30の二次側を吐出配管80と接続する合流部に接続され得る。
モータ33は、ポンプ31に回転軸32を介して接続される。モータ33は、例えば、永久磁石内蔵の同期モータである。モータ33は、信号線を介して制御盤40に電気的に接続される。
流量センサ34は、ポンプ31の二次側の配管に取り付けられ当該配管に流れる水の流量を検出する。流量センサ34は、信号線を介して制御盤40に接続され、センシング信号を制御盤40へ送信する。
逆止弁35は、流量センサ34の二次側の配管に設けられ、当該逆止弁35の二次側から一次側への水の流れ(逆流)を規制(防止)する。
制御盤40は、ポンプ装置30と電気的に接続され、当該ポンプ装置30を制御する。具体的には、制御盤40は、各種センサからのセンシング信号に基づいて、後述されるインバータ102を介してポンプ装置30のモータ33の駆動を制御する。
例えば、制御盤40は、給水装置10の圧力センサ50および/または図示しない他の圧力センサからのセンシング信号に基づいて、ポンプ31の運転中に例えば推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御を行い得る。また、制御盤40は、ポンプ31の運転中にモータ33を所望の回転数で駆動するように制御することができ、必要に応じてモータ33の回転数を増減させる。
さらに、制御盤40は、流量センサ34からのセンシング信号に基づいて、流量が小水量であることを検知するとポンプ31を停止させ得る。そして、制御盤40は、圧力センサ50からのセンシング信号に基づいてポンプの二次側の圧力が予め定められた始動圧力以下に低下したことを検知すると、ポンプ31を再駆動する。
圧力センサ50は、吐出配管80に取り付けられポンプ31の吐出圧力を検出する。圧力センサ50は、信号線を介して制御盤40に接続され、センシング信号を制御盤40へ送信する。さらに、給水装置10は、吸込配管70に取り付けられポンプ31の吸込圧力を検出可能な圧力センサを含んでいてもよい。この圧力センサは、信号線を介して制御盤40に接続され、センシング信号を制御盤40へ送信する。
アキュムレータ60は、圧力タンクとも呼ばれる。アキュムレータ60は、吐出配管80に取り付けられ、ポンプの二次側の圧力の急激な変動を抑制する。
図3に例示されるように、制御盤40は、I/O部101と、インバータ102と、通信I/F 103と、プロセッサ110と、メモリ120とを含む。
I/O部101は、例えばポートなどの入出力インタフェースである。I/O部101は、ポンプ装置30、圧力センサ50、およびインバータ102に接続される。I/O部101は、ポンプ装置30、圧力センサ50、および/またはインバータ102から、例えば、ポンプデータ(センシング信号を含み得る)、などの種々のデータを受け取り、プロセッサ110へ送る。他方、I/O部101は、プロセッサ110から、例えばインバータ制御信号を受け取ってインバータ102へ送る。
インバータ102は、I/O部101を介してプロセッサ110からインバータ制御信号を受け取る。インバータ102は、このインバータ制御信号に応じて動作し、ポンプ装置30のモータ33を駆動制御する。例えば、インバータ102は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御信号に応じて運転を停止または開始し得る。また、インバータ102は、回転数制御信号に相当するインバータ制御信号に応じて、その担当するモータ33の回転数を制御し得る。
通信I/F 103は、例えば、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、有線LAN(Local Area Network)などの通信技術を利用して、表示装置20と通信をする。通信I/F 103は、種々のデータをプロセッサ110から受け取って表示装置20へ送信する。
プロセッサ110は、典型的にはマイコンであるが、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ110は、例えば、入出力制御、通信制御、ポンプ制御、などを行う。
メモリ120は、プロセッサ110が各処理を実現するために当該プロセッサ110によって実行されるプログラム、例えば、ファームウェア、OS(Operating System)、ポンプ制御プログラム、ポンプデータ管理プログラム、など、および当該プロセッサ110によって使用されるデータ、例えば、ポンプデータ、などを一時的に格納するメモリを含んでいる。メモリは、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)を含み得る。
プロセッサ110は、メモリ120に保存されたプログラムを実行することで、図3のポンプデータ取得部111、ポンプ制御部112、およびポンプデータ報告部113として機能し得る。また、メモリ120は、ポンプデータ記憶部121を含み得る。
ポンプデータ取得部111は、I/O部101からポンプデータを取得し、これをポンプデータ記憶部121に書き込む。
ポンプデータは、例えば、ポンプの識別情報、ポンプの出荷情報、ポンプの故障情報、ポンプの運転情報、ポンプのメンテナンス情報、ポンプに関する連絡先情報、ポンプのパラメータ、ポンプの設置情報、およびポンプに関するセンシング信号のうちの一部または全部を含み得る。
ポンプの識別情報は、例えば、給水装置10の製品名ないし機種名に相当する形式、形式を番号化した製品番号、給水装置10またはポンプ装置30の個体識別番号に相当する製造番号などを含み得る。さらに、ポンプの識別情報は、制御盤40(の制御基板)の個体識別番号に相当する製造番号を含み得るが、かかる製造番号は例えばポンプデータ記憶部121に予め保存され得る。
ポンプの出荷情報は、ポンプの生産時/検査時に設定され得る。ポンプの出荷情報は、例えば、ポンプの代表特性などを含み得る。ポンプの代表特性は、例えば1つまたは複数の性能項目についての同機種の複数台のポンプの性能の平均値または他の統計値である。例えば、給水装置10の性能を測定し、測定された性能を同項目の代表特性と比較することで、当該給水装置10の検査や経年劣化の診断することが可能となる。
ポンプの故障情報は、例えば、ポンプの故障履歴であり得る。具体的には、ポンプの故障情報は、給水装置10の故障イベント毎に、故障発生日時、故障要因、および/または故障発生時の給水装置10のステータス、などを含み得る。ポンプの故障情報は、過去所定期間に亘る全ての故障イベントに関する情報要素を含んでいてもよいし、故障発生日時が新しい順に所定個数の故障イベントに関する情報要素を含んでいてもよい。また、給水装置10のステータスは、例えばインバータ102から取得した電圧/電流値、圧力センサ50(および/または他の圧力センサ)から取得したセンシング信号またはこれに基づき算出された圧力値、流量センサ34から取得したセンシング信号またはこれに基づき算出された流量値、モータ33の回転周波数値、積算運転時間、積算運転回数、などを含み得る。ここで、積算運転時間、および/または積算運転回数は、例えばポンプ制御部112によって給水装置10の運転実態に応じて算出され、ポンプデータ記憶部121に書き込まれ得る。
ポンプの運転情報は、例えば、ポンプの最新の1つまたはロギングされた複数の時点におけるステータスであり得る。具体的には、ポンプの運転情報は、例えばインバータ102から取得した各時点の電圧/電流値、圧力センサ50から取得した各時点のセンシング信号またはこれに基づき算出された圧力値、流量センサ34から取得した各時点のセンシング信号またはこれに基づき算出された流量値、モータ33の各時点の回転周波数値、各時点の積算運転時間、各時点の積算運転回数、ポンプ制御部112によって判定された給水装置10の運転状態(例えば、正常、故障、異常、など)、などを含み得る。
ポンプのメンテナンス情報は、例えば、ポンプの次の推奨点検タイミング、部品/全体の次の推奨交換タイミング、などであり得る。ここで、これらのタイミングは、例えばポンプ制御部112によって算出され、ポンプデータ記憶部121に書き込まれ得る。ポンプ制御部112は、ポンプの最新の点検タイミング/部品の最新の交換タイミングに所定期間、例えば10年、を加算することで、ポンプの次の推奨点検タイミングおよび/または部品/全体の次の推奨交換タイミングを算出してもよいし、或いはポンプの運転情報および/または故障情報に基づいてこれらのタイミングを予測してもよい。また、ポンプのメンテナンス情報は、部品/全体の交換実施タイミングなどのメンテナンス履歴情報を含み得る。
ポンプに関する連絡先情報は、例えば、給水装置10のポンプデータまたは給水装置10に関わるその他のデータを閲覧するためのWebページの所在を表すURL、給水装置10の修理、点検、交換などを作業員のための窓口の連絡先、例えば給水装置10が設置された現場の最寄りの営業所の電話番号、などを含み得る。ここで、連絡先は、例えば、電話番号、メールアドレス、FAX番号、などであり得る。また、給水装置10の故障時と非故障時とで異なる連絡先が用意されてもよいし、さらに故障要因別に異なる連絡先が用意されてもよい。
ポンプのパラメータは、例えば給水装置10の設定圧力、などを含み得る。ポンプのパラメータは、例えば(認証後の)ユーザ入力に応じて変更可能であってよい。ポンプの設置情報は、例えば給水装置10の納入日、設置日、設置場所、オーナー情報、などを含み得る。ポンプに関するセンシング信号は、例えば、圧力センサ50および/または他の圧力センサ、流量センサ34、などの出力の履歴であり得る。さらに、ポンプに関するセンシング信号は、吸込配管70に接続された受水槽に設置された水位センサのセンシング信号であり得る。
ポンプ制御部112は、ポンプデータ記憶部121からポンプデータ、例えば、圧力センサ50および/または他の圧力センサ、および/または流量センサ34から取得したセンシング信号(またはこれに基づく圧力値、および/または流量値)、および/または回転周波数値を継続的に読み出す。そして、ポンプ制御部112は、メモリ120に保存されたポンプ制御プログラムによって決まる制御ポリシーに従い、最新のセンシング信号などに応じてインバータ制御信号を生成し、これをI/O部101を介してインバータ102へ送る。
ポンプデータ報告部113は、ポンプデータ記憶部121に保存されたポンプデータのうちの少なくとも一部を読み出し、通信I/F 103を介して表示装置20に報告する。なお、報告対象となるポンプデータは、予め定められていてもよいし、表示装置20が例えばユーザ入力に従って選択可能であってもよい。
ポンプデータ記憶部121は、前述の種々のポンプデータを保存する。ポンプデータは、ポンプデータ記憶部121に予め保存されている情報要素のデータ、ポンプデータ取得部111によって取得された情報要素のデータ、および/またはポンプ制御部112によって生成された情報要素のデータを含み得る。ポンプデータ記憶部121に保存されたポンプデータは、ポンプ装置30の制御のためにポンプ制御部112によって読み出されたり、表示装置20への報告のためにポンプデータ報告部113によって読み出されたりする。
図4に例示されるように、表示装置20は、I/O部201と、通信I/F 202と、表示器203と、スピーカ204と、人感センサ205と、プロセッサ210と、メモリ220とを含む。後述するように、表示装置20は、複数の出力モードを有しており、出力モードに応じた画面を表示器203に表示できる。出力モードは、例えば、ユーザ入力に基づいて遷移可能であってよい。
I/O部201は、例えばポートなどの入出力インタフェースである。I/O部201は、表示器203、スピーカ204および人感センサ205に接続される。
I/O部201は、プロセッサ210から映像信号を受け取り、これを表示器203へ送る。また、I/O部201は、プロセッサ210から音声信号を受け取り、これをスピーカ204へ送る。さらに、I/O部201は、人感センサ205からセンシング信号を受け取り、これをプロセッサ210へ送る。
I/O部201は、さらに、図示されない外部記憶装置に接続可能である。この外部記憶装置は、例えば、リムーバブルなフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)であり得る。I/O部201は、プロセッサ210からポンプデータの書き込み要求を受け取り、これを外部記憶装置に送ってもよい。これにより、通信を必要とせずに、ポンプデータを外部記憶装置に書き出すことが可能となる。他方、I/O部201は、プロセッサ210から更新用ファームウェアの読み出し要求を受け取ってこれを外部記憶装置へ送り、外部記憶装置からの応答をプロセッサ210へ返してもよい。これにより、通信を必要とせずに、表示装置20のファームウェアを更新できる。
通信I/F 202は、例えば、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、有線LANなどの通信技術を利用して、表示装置20と通信をする。通信I/F 202は、制御盤40からポンプデータまたは他のデータを受信し、これをプロセッサ210へ送る。
表示器203は、液晶表示器であってもよいし、有機ELディスプレイなどの自発光型のデバイスであってもよい。以降の説明では、表示器203は、液晶パネルと、バックライトと、バックライト制御部とを含む液晶表示器であることとする。表示器203は、I/O部201から映像信号を受け取り、これを表示する。
表示器203は、タッチパネルであってもよく、表示装置20が特定の出力モードである場合に、例えばスクリーンキーボードなどのユーザ入力(文字、数値、記号などの入力)を受け付けるGUI(Graphical User Interface)部品を表示してもよい。表示器203は、かかるGUI部品によって受け付けられたユーザ入力を、I/O部201を介してプロセッサ210へ送ることができる。
スピーカ204は、給水装置10に関する音声案内を出力する。具体的には、スピーカ204は、I/O部201から音声信号を受け取り、これを出力する。なお、表示装置20が音声案内を行わない場合には、スピーカ204は不要となり得る。
人感センサ205は、例えば赤外線、超音波、可視光などを利用して、表示装置の近傍における人間の存在を検出する。人感センサ205は、センシング信号をI/O部201へ送る。なお、人感センサ205は、オプションであるので表示装置20から取り除かれてもよいが、表示器203に含まれ得るバックライトの消費電力の低減とその長寿命化に役立ち得る。
プロセッサ210は、典型的にはマイコンであるが、CPU、GPU、FPGA、DSP、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ210は、例えば、入出力制御、出力内容の制御、通信制御、などを行う。
メモリ220は、プロセッサ210が各処理を実現するために当該プロセッサ210によって実行されるプログラム、例えば、ファームウェア、OS、ポンプデータ管理プログラム、出力制御プログラム、など、および当該プロセッサ210によって使用されるデータ、例えば、ポンプデータ、出力素材データ、などを一時的に格納するメモリを含んでいる。メモリは、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。
プロセッサ210は、メモリ220に保存されたプログラムを実行することで、図4のポンプデータ取得部211、出力制御部212、および外部入出力部213として機能し得る。また、メモリ220は、ポンプデータ記憶部221および出力素材データ記憶部222を含み得る。
ポンプデータ取得部211は、通信I/F 202からポンプデータを取得し、これをポンプデータ記憶部221に書き込む。
出力制御部212は、表示装置20の出力モードに応じて少なくとも表示器203の出力内容を制御する。なお、音声案内が有効に設定されている場合には、出力制御部212は、さらに、表示装置20の出力モードに応じて、スピーカ204の出力内容を制御し得る。
具体的には、出力制御部212は、表示装置20の出力モードに応じて表示器203(およびスピーカ204)の出力内容を決定し、決定した出力内容に対応するポンプデータおよび出力素材データをポンプデータ記憶部221および出力素材データ記憶部222から読み出す。
例えば、表示装置20がメインメニューモードである場合に、出力制御部212は、表示器203に図5に例示されるメインメニュー画面を構成する映像信号をポンプデータおよび出力素材データに基づいて生成する。表示装置20がポンプモニタモードである場合に、出力制御部212は、表示器203に図6乃至図8に例示されるポンプモニタ画面を構成する映像信号をポンプデータおよび出力素材データに基づいて生成する。表示装置20が管理者メニューモードである場合に、出力制御部212は、表示器203に図9に例示される管理者メニュー画面を構成する映像信号をポンプデータおよび出力素材データに基づいて生成する。表示装置20が言語選択モードである場合に、出力制御部212は、表示器203に図10に例示される言語選択画面を構成する映像信号をポンプデータおよび出力素材データに基づいて生成する。表示装置20が受水槽モニタモードである場合に、出力制御部212は、表示器203に図11に例示される受水槽モニタ画面を構成する映像信号をポンプデータおよび出力素材データに基づいて生成する。
図5乃至図11のいずれの画面例も、上部バー301と、メインウィンドウ310と、下部バー320とを共通に含む。
図5乃至図11の例では、上部バー301には、いずれも現在日時が表示される。また、通信I/F 202が給水装置10(の制御盤40)と正常に通信している時に、上部バー301には、通信状態表示アイコン302が表示される(図5、図7乃至図11参照)。他方、通信I/F 202が給水装置10と正常に通信していない時に、上部バー301には、通信状態表示アイコン302が表示されない(図6参照)。また、通信I/F 202が給水装置10と正常に通信している時とそうでない時とで、出力制御部212は上部バー301の色を変更してもよい。例えば、出力制御部212は、通信I/F 202が給水装置10と正常に通信している時には上部バー301が水色で表示されるように映像信号を生成し、通信I/F 202が給水装置10と正常に通信していない時には上部バー301が灰色で表示されるように映像信号を生成し得る。
このように、ユーザは、上部バー301の色および/または通信状態表示アイコン302が表示されているか否かにより、通信I/F 202の通信状態を把握することができる。なお、出力制御部212は、上部バー301とは異なる領域の色を変更してもよい。また、出力制御部212は、通信状態表示アイコン302を上部バー301とは異なる領域に配置してもよい。
メインウィンドウ310には、表示装置20の出力モードに依存して様々な情報要素が表示される。図5乃至図11の例では、いずれも、メインウィンドウ310内に、揚程表示領域311と、正常/異常表示領域312とを含む。揚程表示領域311には、給水装置10の揚程を伝える、テキスト、静止画(写真および図を含む)および/または動画(アニメーションを含む)が表示される。以降の説明において、テキスト、静止画および/または動画をコンテンツと称する。正常/異常表示領域312には、給水装置10の異常の有無を伝える、コンテンツが表示される。すなわち、ユーザは、給水装置10の揚程と給水装置10の異常の有無とを、画面遷移を必要とせず常時確認することができる。
揚程表示領域311に表示される揚程は、ポンプデータに含まれていてもよいし、出力制御部212がポンプデータ、例えば圧力センサ50のセンシング信号、に基づいて算出してもよい。なお、出力制御部212は、給水装置10が正常に運転している時には給水装置10の設定圧力に対応する揚程の値を伝えるコンテンツが揚程表示領域311に表示されるように映像信号を生成してもよい。他方、給水装置が正常に運転していない時には給水装置の吐出圧力の実測値に対応する揚程の値、または揚程の推測値を伝えるコンテンツが揚程表示領域311に表示されるように映像信号を生成してもよい。これにより、給水装置10が正常に運転している間は揚程のわずかな変動にユーザが注意を削がれるのを防ぎつつ、給水装置10に異常が生じている時には揚程の実態をユーザに正しく伝えることができる。
出力制御部212は、ポンプデータのうちのポンプ故障情報および/またはポンプ運転情報に基づいて給水装置10の運転状態を判定し、その結果に応じて正常/異常表示領域312に表示する内容を決定する。例えば、出力制御部212は、給水装置10に異常がない(と判定した)時には「正常」のテキストが正常/異常表示領域312に表示されるように映像信号を生成し、給水装置10に異常がある(と判定した)時には「異常」のテキストが正常/異常表示領域312に表示されるように映像信号を生成し得る。また、給水装置10に異常がある時とそうでない時とで、出力制御部212は正常/異常表示領域312の色を変更してもよい。例えば、出力制御部212は、給水装置10に異常がない時には正常/異常表示領域312が黄緑色で表示されるように映像信号を生成し、給水装置10に異常がある時には正常/異常表示領域312が赤色で表示されるように映像信号を生成し得る。
下部バー320にも、表示装置20の出力モードに依存して様々な情報要素が表示される。ただし、出力制御部212は、表示装置20の出力モードに関わらず、給水装置10の運転状態に応じて、下部バー320の色を変更してもよい。これにより、ユーザは、例えば給水装置10に異常が発生したことを速やかに察知できる。すなわち、出力制御部212は、ポンプデータのうちのポンプ故障情報および/またはポンプ運転情報に基づいて給水装置10の運転状態を判定し、その結果に応じて下部バー320の色を決定し得る。例えば、出力制御部212は、給水装置10に異常がない(と判定した)時には下部バー320が黒色で表示されるように映像信号を生成し、給水装置10に異常がある(と判定した)時には下部バー320が赤色で表示されるように映像信号を生成し得る。なお、出力制御部212は、下部バー320とは異なる領域の色を変更してもよい。
図5の例では、メインウィンドウ310は、揚程表示領域311および正常/異常表示領域312に加えて、ユーザが表示装置20の出力モードを選択するためのボタン、およびスクリーンキーボード(テンキー)を含む。また、図5の例では、下部バー320は、表示装置20の出力モードがメインメニューモードであることを伝えるテキストと、音声案内ON/OFFボタン321とを含む。出力制御部212は、音声案内ON/OFFボタン321を選択するユーザ入力を受け付けると、音声案内の有効/無効を切り替える。
図6乃至図8の例では、メインウィンドウ310は、揚程表示領域311および正常/異常表示領域312に加えて、運転/停止表示領域313と、ポンプ/インバータ状態表示領域314とを含む。
運転/停止表示領域313には、給水装置10が運転中であるか停止しているかを伝えるコンテンツが表示される。すなわち、出力制御部212は、ポンプデータのうちのポンプ故障情報および/またはポンプ運転情報に基づいて給水装置10の運転状態を判定し、その運転/停止表示領域313の表示内容を決定し得る。例えば、出力制御部212は、給水装置10が運転中である(と判定した)時には運転/停止表示領域313に「運転中」のテキストが表示されるように(図6および図7)映像信号を生成し、給水装置10が停止している(と判定した)時には運転/停止表示領域313に「停止」のテキストが表示されるように(図8)映像信号を生成し得る。また、給水装置10が運転中である時と停止している時とで、出力制御部212は運転/停止表示領域313の色を変更してもよい。例えば、出力制御部212は、給水装置10が運転中である時には運転/停止表示領域313が水色で表示されるように映像信号を生成し、給水装置10が停止している時には運転/停止表示領域313が灰色で表示されるように映像信号を生成し得る。
ポンプ/インバータ状態表示領域314には、給水装置10に含まれるそれぞれのポンプ装置30およびインバータ102の状態に関するデータが表示される。ポンプ装置30の状態に関するデータおよびインバータ102の状態に関するデータは、同時に表示されてもよいし、どちらのデータを表示するかを例えばタブにより選択可能としてもよい。同様に、複数対のポンプ装置30およびインバータ102が存在する場合には、例えば図6乃至図8の例のように、どのポンプ装置30またはインバータ102に関するデータを表示するかを例えばタブにより選択可能としてもよい。
ポンプ装置30の状態に関するデータは、例えば、当該ポンプ装置30の積算運転時間および積算運転回数を含み得る(図8)。インバータ102の状態に関するデータは、例えば、当該インバータ102からモータ33に与えられるモータ制御信号の電流および周波数を含み得る(図6および図7)。
図6乃至図8の例では、下部バー320は、音声案内ON/OFFボタン321と、給水装置10の運転状態を伝えるテキストとが表示される。なお、下部バー320には、かかるテキストの代わりに、または加えて、給水装置10の運転状態を伝える静止画および/または動画が表示されてもよい。
また、表示装置20がポンプモニタモードであって、かつ、給水装置10が故障している時には、出力制御部212は、下部バー320に(1)給水装置10の故障が発生した時刻、(2)給水装置10の故障種別、および(3)故障への対策のうちの少なくとも1つを伝えるコンテンツがさらに表示されるように(図8)映像信号を生成してもよい。これにより、給水装置10にいつどのような故障が生じ、どうすればよいかをユーザに的確に伝えることができる。
他方、表示装置20がポンプモニタモードであって、かつ、給水装置10が正常に運転している時には、出力制御部212は、下部バー320に給水装置10の次回点検推奨日を伝えるコンテンツがさらに表示されるように(図6および図7)映像信号を生成してもよい。給水装置10に異常が生じていない場合には、このような不急であるが有用な情報をユーザに伝えるために下部バー320を活用できる。
図9の例では、メインウィンドウ310は、揚程表示領域311および正常/異常表示領域312に加えて、パスワード入力フォーム、およびスクリーンキーボード(テンキー)を含む。また、図9の例では、下部バー320は、表示装置20の出力モードが管理者メニューモードであることを伝えるテキストと、管理者認証のためのパスワード入力を促すテキストとを含む。なお、出力制御部212は、ユーザの入力したパスワードが管理者認証をパスした場合には、図示しない管理者用のメンテナンス画面を表示器203に表示させてもよい。
図10の例では、メインウィンドウ310は、揚程表示領域311および正常/異常表示領域312に加えて、使用可能言語リスト、およびスクリーンキーボード(テンキー)を含む。また、図10の例では、下部バー320は、表示装置20の出力モードが言語選択モードであることを伝えるテキストと、使用言語の選択を促すテキストとを含む。なお、出力制御部212は、ユーザの選択した言語に応じて、出力内容、例えば、テキスト、静止画、動画、および/または音声案内を切り替えてもよい。
図11の例では、メインウィンドウ310は、揚程表示領域311および正常/異常表示領域312に加えて、受水槽状態表示領域315−1,315−2を含む。受水槽状態表示領域315−1,315−2にはそれぞれ、吸込配管70に接続された第1の受水槽および第2の受水槽の状態、例えば水位、を伝えるコンテンツが表示される。一例として、受水槽の水位は、低い方から順に、渇水状態〜OFF状態〜減水状態〜ON状態〜満水状態で表現され得る。受水槽の水位は、当該受水槽に設置された水位センサのセンシング信号に基づいて出力制御部212によって判定され得る。例えば、かかる水位センサは、受水槽内の、検出対象となる水位に対応する高さに設置された電極であってよい。この電極は、受水槽の水位が当該電極の設置された高さに達していれば導通し、受水槽の水位が当該電極の設置された高さに達していなければ導通しない。
また、図11の例では、下部バー320は、音声案内ON/OFFボタン321と、表示装置20の出力モードが受水槽モニタモードであることを伝えるテキストとを含む。
出力制御部212は、人感センサ205のセンシング信号に基づいて、表示器203としての液晶表示器に含まれるバックライトを制御してもよい。具体的には、出力制御部212は、人感センサ205が人間の存在を検出しておらず、かつ、給水装置10が正常に運転している時には、バックライトを消灯する命令をバックライト制御部に与えてもよい。このように、ユーザに緊急で伝えるべき情報がなく、かつ周囲にユーザが居ない状況でバックライトを消灯することで、画面の視認性が低下することのデメリットは抑えながらバックライトの消費電力の低減および長寿命化を達成できる。
外部入出力部213は、I/O部201が外部記憶装置と接続している間に、ポンプデータ記憶部221に保存されたポンプデータのうちの少なくとも一部を読み出し、I/O部201を介して外部記憶装置に書き出す。これにより、通信を必要とせずに、ポンプデータを外部記憶装置に書き出すことが可能となる。なお、外部記憶装置へのポンプデータの書き出しは、ユーザ入力を契機に行われてもよいし、自動的に行われてもよい。
他方、外部入出力部213は、I/O部201が外部記憶装置と接続している間に、外部記憶装置から更新用ファームウェアを読み出し、これをメモリ220に書き込んでもよい。これにより、通信を必要とせずに、表示装置20のファームウェアを更新できる。なお、外部記憶装置からの更新用ファームウェアの読み込みは、ユーザ入力を契機に行われてもよいし、自動的に行われてもよい。
ポンプデータ記憶部221は、前述の種々のポンプデータを保存する。ポンプデータは、ポンプデータ記憶部221に予め保存されている情報要素のデータ、ポンプデータ取得部211によって取得された情報要素のデータ、および/または出力制御部212によって生成された情報要素のデータを含み得る。ポンプデータ記憶部221に保存されたポンプデータは、出力内容を制御するために出力制御部212によって読み出されたり、外部記憶装置への書き出しのために外部入出力部213によって読み出されたりする。
出力素材データ記憶部222は、出力素材データを保存する。出力素材データ記憶部222に保存された出力素材データは、出力制御部212によって読み出される。ここで、出力素材データは、例えば表示器203に表示される画面の構成部品、例えば、上部バー301、通信状態表示アイコン302、メインウィンドウ310、揚程表示領域311、運転/停止表示領域313、ポンプ/インバータ状態表示領域314、受水槽状態表示領域315、スクリーンキーボード、パスワード入力フォーム、などの画像データを含む。また、出力素材データは、メインウィンドウ310、揚程表示領域311、運転/停止表示領域313、ポンプ/インバータ状態表示領域314、受水槽状態表示領域315、などに表示されるコンテンツのデータを含む。さらに、出力素材データは、スピーカ204によって出力される音声案内に対応する音声データを含み得る。
以上説明したように、実施形態に係る表示装置は、例えば給水装置などの設備の状態に関する画面を表示するが、この画面の一部の領域、例えば下部バー、の色を設備の運転状態(例えば、異常の有無)に応じて変更する。故に、この表示装置によれば、ユーザは、画面内の一部の領域の色を手がかりに、設備の状態を視覚的に判別することができる。
(変形例)
前述の実施形態に係る表示装置は、画面の一部の領域の色を設備の運転状態に応じて変更するが、例えば以下に説明する変形が可能である。
この変形例に係る表示装置は、表示器203のバックライトの点灯色を設備の運転状態または他の状態に応じて変更する点で、実施形態に係る表示装置とは異なる。なお、この変形例に係る表示装置に備えられる表示器203は、バックライトを有する表示器、例えば液晶パネルおよびバックライトを有する液晶表示器、に限られる。
この変形例に係る表示装置において、出力制御部212は、設備が第1の運転状態にある時にはバックライトを第1の色で点灯して映像信号を表示するように表示器203を制御し、設備が第1の運転状態とは異なる第2の運転状態にある時にはバックライトを第1の色とは異なる第2の色で点灯して映像信号を表示するように表示器203を制御し得る。具体的には、例えば、出力制御部212は、給水装置10に異常がない時にはバックライトを白色で点灯して映像信号を表示するように表示器203を制御し、給水装置10に異常がある時にはバックライトを赤色で点灯して映像信号を表示するように表示器203を制御してもよい。
なお、ここで説明した変形例は、先に説明した実施形態と組み合わせることも可能である。例えば、設備の運転状態に応じてバックライトの色を変更しつつ設備の通信状態に応じて画面の一部の領域の色を変更してもよいし、逆に設備の通信状態に応じてバックライトの色を変更しつつ設備の運転状態に応じて画面の一部の領域の色を変更してもよい。
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
上述の実施形態では、いくつかの機能部を説明したが、これらは各機能部の実装の一例に過ぎない。例えば、1つの装置に実装されると説明された複数の機能部が複数の別々の装置に亘って実装されることもあり得るし、逆に複数の別々の装置に亘って実装されると説明された機能部が1つの装置に実装されることもあり得る。
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。