JP2021147564A - 導電性ポリマー水性分散液、導電性ポリマー塗膜及びその製造方法 - Google Patents

導電性ポリマー水性分散液、導電性ポリマー塗膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿性が改良されたポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリフェニレン類などの導電性ポリマー塗膜を提供する。【解決手段】ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)及びスチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)からなり、分散剤兼ドーパントとしてのブロック共重合体と、導電性ポリマーと、を含む、導電性ポリマー水性分散液、導電性ポリマー塗膜および導電性ポリマー水性分散液の製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、余剰のスルホン酸が低減された導電性ポリマー水性分散液、導電性ポリマー塗膜及びその製造方法に関する。
ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリフェニレン類などの有機導電性ポリマー(以下、導電性ポリマーと言う)は、導電性、柔軟性、軽量性、経済性の観点から、帯電防止コーティング、固体電解コンデンサ電極、電磁波シールド、アクチュエーター、センサー、エネルギーハーベスティング(発電)材料のほか、リチウム二次電池、ナトリウム二次電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネルなどの部材、ITO(インジウムスズオキサイド)透明電極の代替として利用、又は期待されている。
しかし、上記の導電性ポリマーは不溶不融であり、コーティングなどの加工が困難なため、導電性ポリマーをナノ粒子状に有機溶媒や水性溶媒中に分散させたタイプ(いわゆるコロイド)が開発され、既に市販されている。中でもVOC(揮発性有機化合物)を極力低減した水性コロイドタイプが主流となっている。導電性ポリマーの水性コロイドを製造するためには、水に不溶な導電性ポリマーを水中にコロイド化するための分散剤が必要であるが、分散剤の主流はポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと言う)に代表される強酸性のポリスルホン酸化合物であり、ポリスルホン酸化合物はドーパンドとしても機能する(例えば、特許文献1、2参照)。例えば、導電性ポリマーを製造するための代表的な原料モノマーである3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTと言う)を水中で酸化重合する際に、PSSはテンプレート(鋳型)の如く作用する。即ち、PSS鎖に沿ってEDOTが酸化重合し、余剰のPSSあるいはドープに関与していないPSS中のスルホン酸が分散剤として機能し、コロイド安定性が発現する。また、余剰のPSSは、導電性ポリマー水性分散液から塗膜を形成する際のバインダーとしても機能する。一般に、余剰のPSS鎖が長いほどPSS鎖の絡み合い等によって造膜性は向上する。即ち、ドープに関与していないPSSが少なすぎると、導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性や造膜性が低下する(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
導電性ポリマー水性分散液から造膜した後、即ち、水などの分散媒を完全に蒸発させた後は、コロイド安定性を維持するために必要だった余剰のPSSあるいはPSS中のドープに関与していないスルホン酸は不要となるが、PSSは導電性ポリマーと強固に相互作用しているため、洗浄などによる除去は困難である。塗膜に残った余剰のPSSあるいはスルホン酸は酸性及び吸湿性が強いため、塗膜の耐湿性、基材に対する密着性及び腐食性がしばしば問題となることがあり、これらの改良が強く望まれている。
そこで余剰のPSSを低減する試みがなされている。例えば、PSS(ポリスチレンスルホン酸)の代わりにPSS−ポリジアルキルアクリルアミドブロック共重合体の使用が提案されている(例えば、非特許文献3)。EDOTの重合とドープに必要な最小限のPSSブロックとコロイド安定性や造膜性に必要なアクリルアミドブロックからなる共重合体であるが、強酸性の分散液では、アクリルアミド部位が加水分解し、目的とした機能が経時で消失する課題がある。また、PSSの使用量を抑制する代わりに、分散剤及びバインダーとしての機能を有するビニルアルコール系ポリマーをPSSと併用添加する試みがある(例えば、特許文献3、特許文献4)。しかし、基本的にビニルアルコール系ポリマーは導電性ポリマー又はPSSと化学結合していないため、分散液のコロイド安定性や造膜性の向上は不十分であり、余剰のPSSの低減には限界がある。
また、導電性ポリマー水性分散液から製膜後、オルソエステルなどのエステル化剤で膜を処理することにより、フリーなスルホン酸をスルホン酸エステルへ変換する方法が提案されている(例えば、特許文献5)。しかし、エステル化率は低く、処理工程で膜が基材から剥離するなどの課題がある。
特開平7−90060号公報 特開2004−59666号公報 特開2017−119778号公報 特開2018−110073号公報 特開2016−56334号公報
ステファン キルフマイヤー(Stephan Kirchmeyer)ら、「ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の科学的重要性、性質と成長している応用」(Scientific importance, properties and growing applications of poly(3,4-ethylenedioxythiophene)、ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリー、2005年、15巻、2077〜2088頁 エフ.ロウエ(F. Louwet)ら、「PEDOT/PSS:合成、特性、性質および応用」(PRDOT/PSS:synthesis, characterization, properties and applications)、シンセティック メタルズ、2003年、135-136号、115-117頁 山崎学ら、「PSS−ポリジアルキルアクリルアミドブロックコポリマーを用いた導電性PEDOT複合体の作製」、高分子論文集、2017年、74巻、6号、524-533頁
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、余剰のスルホン酸の低減によって吸湿性や腐食性が改良されたポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリフェニレン類などの導電性ポリマー水性分散液及び塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、導電性ポリマー水性分散液を製造する際に、従来のポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと言う)の代わりにPSS−ポリビニルアルコールブロック共重合体(以下、PVA−PSSブロック共重合体と言う)を分散剤兼ドーパントとして用いることにより、導電性ポリマー塗膜の吸湿性や腐食性の原因となるスルホン酸を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に示す通り、吸湿性や腐食性の原因となる余剰のスルホン酸が低減された導電性ポリマー水性分散液及び塗膜、並びにその製造方法に係る。
[1]ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)及びスチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)からなり、分散剤兼ドーパントとしてのブロック共重合体と、導電性ポリマーと、を含む、導電性ポリマー水性分散液に係る。
[2]上記ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)のケン化度が70%以上、ゲル浸透クロマトグラフィーで求められる数平均分子量が5千から10万であり、スチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)のゲル浸透クロマトグラフィーで求められる数平均分子量が5千から10万であり、ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)とスチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)の重量比(A)/(B)が、10/90〜90/10である、上記[1]に記載の導電性ポリマー水性分散液に係る。
[3]上記導電性ポリマーがポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)又はその誘導体である、上記[1]又は[2]に記載の導電性ポリマー水性分散液に係る。
[4]ブロック共重合体と導電性ポリマーの重量比が、50/100〜3,000/100である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性ポリマー水性分散液。
[5]基材上に、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性ポリマー水性分散液又は、当該導電性ポリマー水性分散液と添加剤との組成物が、塗布され、乾燥してなる、導電性ポリマー塗膜に係る。
[6]基材上に、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性ポリマー水性分散液又は、当該導電性ポリマー水性分散液と添加剤との組成物を、塗布し、乾燥する、導電性ポリマー塗膜の製造方法に係る。
[7]ブロック共重合体を含む水性溶媒中で導電性ポリマーのモノマーを酸化重合することを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性ポリマー水性分散液の製造方法に係る。
本発明の導電性ポリマー水性分散液は、従来のポリスチレンスルホン酸に代表されるポリスルホン酸ではなく、スチレンスルホン酸系ポリマーセグメントとビニルアルコール系ポリマーセグメントからなるブロック共重合体で分散安定化されており、従来の課題だった吸湿性や腐食性の原因となる余剰のスルホン酸が低減されている。
これにより、透明電極、固体電解コンデンサ、電池電極、電磁波シールド材などの電材用途において極めて有用である。
以下、本発明をさらに詳しく述べる。
本発明は、導電性ポリマー水性分散液を製造する際に、分散剤兼ドーパントとして従来のポリスチレンスルホン酸の代わりにスチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)(以下、PSSと言う)に共有結合を介してビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)が連結した、所謂、ブロック共重合体(以下、PSS−PVAブロック共重合体と言う)を使用することにより、吸湿性や腐食性の原因となる余剰のスルホン酸が低減された導電性ポリマー水性分散液及びその塗膜に関する。
本発明の導電性ポリマー水性分散液の製造に用いられるPSS−PVAブロック共重合体は、スチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)とビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)が共有結合を介してブロック的に連結したものである。PSSセグメントは従来のPSSと同様、導電性ポリマーの重合、分散液のコロイド安定性、ドープ及び造膜性に関与し、非イオン性のPVAセグメントは導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性と造膜性に関与すると考えられる。ここでスチレンスルホン酸系ポリマーセグメントとしては、スチレンスルホン酸単独重合体に限定されるものではなく、スチレンスルホン酸又はスチレンスルホン酸塩と共重合可能モノマーとの共重合体を含む。
共重合体としては、例えば、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸−ヒドロキシスチレン共重合体、スチレンスルホン酸−ビニル安息香酸共重合体、スチレンスルホン酸−(メタ)アクリルアミド共重合体、スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレンスルホン酸−N置換マレイミド共重合体、スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体、スチレンスルホン酸−ビニルピリジン共重合体、スチレンスルホン酸−ジアリルジメチルアンモニウム共重合体、スチレンスルホン酸−ビニルスルホン酸共重合体などが挙げられる。
上記したスチレンスルホン酸共重合体において、スチレンスルホン酸単位の含量は60モル%以上である。スチレンスルホン酸単位の含量が60モル%未満では、導電性ポリマーの重合度やドープ率が不十分となることがある。より好ましくは80モル%以上である。
ビニルアルコール系ポリマーセグメントとしては、ポリ酢酸ビニルの完全ケン化体に限定されるものではなく、部分ケン化体や酢酸ビニル共重合体のケン化体を含む。
酢酸ビニル共重合体としては、酢酸ビニルと共重合可能なモノマーの共重合体であれば特に制限はないが、例えば、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−アルキルビニルエーテル共重合体、酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体、酢酸ビニル−ビニルアセトアミド共重合体、酢酸ビニル−ビニルホルムアミド共重合体、酢酸ビニル−フッ化ビニリデン共重合体、酢酸ビニル−四フッ化エチレン共重合体、酢酸ビニル−イソブチレン共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ポリ酢酸ビニルのケン化度としては、導電性ポリマーのコロイド安定性や造膜性を考慮すると70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。一方、ケン化度が99.99モル%を超えると、PVA−SHの製造が困難になることがあるため、99.99モル%以下が好ましい。
上記した酢酸ビニル共重合体において、酢酸ビニル単位の含量は60モル%以上である。酢酸ビニル単位の含量が60モル%未満では、導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性や造膜性が不十分となることがある。より好ましくは80モル%以上である。
上記のように酢酸ビニル単位のケン化によってビニルアルコール単位へ変換するが、現状、ビニルアルコールの重合によってポリビニルアルコールを直接製造することが出来ないためである。
PSS−PVAブロック共重合体とその製造法は公知である。例えば、国際公開第2015/030084号、特開2016−28125号公報、特開昭59−189111号公報、特開平3−174407号公報、寺田ら、「ポリビニルアルコールを一成分とするブロック共重合体の合成とその性質」、高分子論文集、1992年、49巻、11号、885-891頁が挙げられる。
本発明で用いるPSS−PVAブロック共重合体もこれらの方法により製造できる。例えば、国際公開第2015/030084号では、PSSセグメントとポリエン構造を有するPVAセグメントからなるブロック共重合体をイオン交換膜として利用するものである。脱水ポリエン構造の導入によって、従来のイオン交換膜の課題であった高含水率の低減を達成している。また、脱水ポリエン構造を有するPSS−PVAブロック共重合体の利用可能性として導電性高分子材料が挙げられているが、具体的な記載はない。
まず末端にメルカプト基を有するPVA(以下、PVA−SHと言う)を合成し、PVA−SH(連鎖移動剤として作用)及び酸化剤の存在下、スチレンスルホン酸(塩)単独、又は、スチレンスルホン酸(塩)とラジカル共重合可能なモノマー及びスチレンスルホン酸(塩)を、ラジカル重合する方法である。
まずPVA−SHの製造法について説明する。
チオール酢酸、チオールプロピオン酸、チオール酪酸などのチオール酸の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル類又は酢酸ビニルなどのビニルエステル類及び酢酸ビニルなどのビニルエステル類とラジカル共重合可能なモノマーをラジカル重合することにより、片末端にチオエステル基を有するポリビニルエステル系重合体(以下、チオエステル末端PVAcと言う)を製造し、この重合体をケン化してPVA−SHを製造することができる。
この際、チオール酸は連鎖移動反応性が高いため、PVAc末端へのチオエステル導入率を高めるために、重合初期に重合系内へチオール酸を一括添加するよりも逐次添加するのが好ましい。
重合様式としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合、分散重合など何れの方法でも行うことができるが、重合体の回収と純度を考慮すると溶液重合が好ましい。
重合溶媒としては、モノマー及び重合体を溶解するものであれば特に制限はないが、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフランなどの親水性溶媒が挙げられる。
重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物を用いることができる。
PVA−SHの数平均分子量は5,000〜100,000の範囲であれば良いが、導電性ポリマー水性分散液の十分なコロイド安定性と造膜性を得るためには10,000以上がより好ましく、PVA−PSS中のPSS含量と導電性ポリマー水性分散液の粘度を考慮すれば80,000以下がより好ましい。
例えば、チオエステル末端ポリ酢酸ビニルから、数平均分子量5,000から100,000のメルカプト末端完全ケン化ポリビニルアルコールを製造する場合、両者の繰り返し単位の分子量比から、好ましいケン化前の数平均分子量は9,800から195,000(重合度で表現すれば113から2,270)となる。
なお、チオエステル末端ポリ酢酸ビニルの繰り返し単位は86.09g/モル、メルカプト末端完全ケン化ポリビニルアルコールの繰り返し単位は、44.05g/モルである。
またポリマーの分子量を示す数平均分子量や重量平均分子量は、後記する実施例に記載のように、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記することがある)による測定することでよく、これと同等の方法によって測定してもよい。
チオエステル末端PVAのケン化は、メタノールなどのアルコール溶媒中、常温〜70℃で行われ、反応時間は通常5〜20時間である。
ケン化触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコキシドなどのアルカリ性触媒が使用される。
また、上記したPVA−SHは、可逆的付加開裂移動(RAFT)重合法によっても製造することができる。RAFT重合法とは、ジチオエステル、ザンテート、ジチオカーバメート、トリチオカーボネートなどのRAFT剤を連鎖移動剤として用いた重合法であり、リビングラジカル重合技術の一つとして広く知られている。例えば、稲継崇宏ら、「MADIX−ザンテートの交換反応を用いた高分子設計」、高分子論文集、2007年、64巻、12号、863-882頁、森秀晴ら、「RAFT重合による機能性高分子の精密合成」、高分子論文集、2007年、64巻、10号、655-664頁)が挙げられれる。
RAFT剤の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル類又は酢酸ビニルなどのビニルエステル類及び酢酸ビニルなどのビニルエステル類とラジカル共重合可能なモノマーをラジカル重合することにより、ポリマー末端にRAFT剤残基を有するポリビニルエステル系重合体(以下、RAFT末端PVAcと言う)を製造し、この重合体をケン化してPVA−SHを製造することができる。
ここで多官能性のRAFT剤を使用すれば、多官能のRAFT末端PVAcを得ることもできる。
RAFT重合法のメリットはPVA−SHの分子量分布を狭くできる点、及びブロック共重合体を製造できる点にある。RAFT重合法は基本的に上記したチオエステル末端PVAcの製造条件と同じである。即ち、上記した重合様式、重合溶媒及び重合開始剤を適用できる。また、RAFT末端PVAcのケン化条件は、上記したチオエステル末端PVAcのケン化条件と同様である。
次にPVA−PSSの製造方法について説明する。
上記で得たPVA−SHの溶液に、スチレンスルホン酸(塩)単独、又は、スチレンスルホン酸(塩)と共重合可能なモノマー及びスチレンスルホン酸(塩)を溶解し、凍結脱気や不活性ガスのバブリング等により十分脱酸素した後、酸化剤、過酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合開始剤を添加して重合すれば良い。
重合溶媒としては、PVA−SH及びスチレンスルホン酸(塩)などのモノマーを溶解するものであれば特に制限はないが、水、水−アルコール混合溶媒、水−アセトン混合溶媒、水−テトラヒドロフラン混合溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが例示される。
ラジカル重合開始剤としては、重合溶液に溶解するものであれば特に制限はない。例えば、臭素酸カリウムなどの酸化剤、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過酸化物、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルメタン)、4,4’−ジアゼンジイルビス(4−シアノペンタン酸)・α−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)などのアゾ開始剤が例示される。
重合温度は常温〜95℃で行われ、重合時間は通常2〜30時間である。
PSSセグメントのGPCで求められる数平均分子量は5,000〜100,000であるが、導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性、造膜性、及び塗膜の導電性を考慮すると、10,000以上が好ましく、分散液の粘度を考慮すると80,000以下が好ましい。
上記PVA−PSSブロック共重合体の組成、即ち、ビニルアルコール系ポリマーセグメントとスチレンスルホン酸系ポリマーセグメントの重量比は10/90から90/10の範囲とするとよい。PVAセグメントの含量が10wt%よりも少ない場合はPVAセグメントによる余剰スルホン酸の低減効果が十分発現されないことがある。さらにPVAセグメントの含量が90wt%よりも多い場合は導電性ポリマーの重合性(重合度やドープ率)が低下することがあるため、重量比は30/70から70/30の範囲が好ましい。
上記で得られたPVA−PSSは多くの不純物を含むため、イオン交換樹脂や限外濾過膜等を用いて、重合開始剤やモノマー残渣、及びスチレンスルホン酸(塩)に含まれる金属カチオンや不純物を除去するとよい。
また、PVA−PSSの前駆体であるPVAc−PSSブロック共重合体の製造法としては、上記以外に、酢酸ビニル系モノマーを重合後、スチレンスルホン酸系モノマーを重合する、所謂、リビング重合法もある。
本発明において使用されるPVA−PSSブロック共重合体のPVAセグメントは、導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性や造膜性を付与する役割を有するため、脱水ビニレン構造はないことが好ましい。
次に、本発明の導電性ポリマー水性分散液の製造方法について説明する。
先ず、導電性ポリマーとしてポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリフェニレン類などを用いた導電性ポリマー水性分散液の製造方法について説明する。
これらの製造方法については特に限定されるものではなく、公知の方法が適用できる。例えば、特開平7−90060号公報、特開2004−59666号公報、特開2010−40770号公報、特開2011−102376号公報などの特許文献や、ポリマー 2011年、52巻、1375-1384頁、ポリマーレヴューズ 2010年、50巻、340-384頁などが挙げられる。
本発明の導電性ポリマー水性分散液の製造方法としては、分散剤兼ドーパントとして本発明のPVA−PSSを含む水性溶媒中に導電性ポリマーのモノマーを乳化分散させ、酸化剤を添加して酸化重合することにより、導電性ポリマーのナノ粒子が水性媒体中に分散安定化した、導電性ポリマー水性分散液(水性コロイドとも言う)を製造する方法を挙げることができる。この際、モノマーの乳化を促進するためにPSSやドデシルベンゼンスルホン酸など従来のスルホン酸化合物を補助的に併用しても良い。
上記した導電性ポリマーのモノマーとしては、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン等のチオフェン類、ピロール、3−アルキルピロール、3,4−ジアルキルピロール、3−アルコキシピロール、3,4−ジアルコキシピロール等のピロール類、アニリン、2−アルキルアニリン、2−アルコキシアニリン等のアニリン類、フェニレンビニレン類等が挙げられる。
上記の水性溶媒(水性媒体)としては、精製水などの水で良いが、水と水溶性溶媒とを混合した混合溶媒でも良い。
水溶性溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオール、酢酸、プロピオン酸、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどが挙げられる。
上記したPVA−PSSの使用量は、上記導電性ポリマーを与えるモノマー100重量部に対して、50重量部から3,000重量部である。導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性や粒径を考慮すると、100重量部以上が好ましく、導電性ポリマー塗膜の導電性を考慮すると500重量部以下がより好ましい。
用いられる酸化剤としては、過硫酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸類、ベンゼンスルホン酸鉄(III)、p−トルエンスルホン酸鉄(III)、ドデシルベンゼンスルホン酸鉄どの有機酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、硫酸鉄アンモニウム(III)、過塩素酸鉄(III)、テトラフルオロホウ酸鉄(III)などの無機酸鉄(III)、酸素などが挙げられる。
上記した酸化剤の使用量は、上記導電性ポリマーを与えるモノマー1モル当たり、1当量〜10当量である。重合速度を考慮すると2当量以上が好ましく、導電性ポリマー塗膜の導電性を考慮すると5当量以下がより好ましい。
上記した水性媒体中のPVA−PSS及び導電性ポリマーを与えるモノマーの濃度は、両者の合計として0.1重量%〜20重量%であり、導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性、粘度、重合速度、及び導電性ポリマー塗膜の導電性を考慮すると、0.5重量%〜10重量%がより好ましい。
上記酸化重合の温度は0℃〜100℃であり、副反応を抑制する観点から、0℃〜30℃がより好ましい。重合時間は、使用する酸化剤の種類と量、重合温度、pHに依存するが、通常は10時間〜72時間である。
上記酸化重合において、PVA−PSS、導電性ポリマーを与えるモノマー、及び酸化剤は、重合開始時に一括して反応器に仕込んでも良いが、各薬剤を分割又は連続添加しても良い。また、導電性ポリマー水性分散液のコロイド安定性を高めたり、導電性ポリマーの粒子径を小さくするために、超音波照射しながら酸化重合しても良い。
本発明の導電性ポリマー水性分散液として、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTという)とPVA−PSSを含む水性分散液の製造について詳しく説明する。
まず、PVA−PSSの水性溶液を反応器に仕込み、3,4−エチレンジオキシチオフェンを添加して0℃〜30℃で撹拌、乳化する。この際、超音波照射やドデシルベンゼンスルホン酸などの界面活性剤を添加することにより、乳化を促進しても良い。
PVA−PSSの使用量は、3,4−エチレンジオキシチオフェン100重量部に対して50重量部〜3,000重量部である。ここへ、3,4−エチレンジオキシチオフェンに対して1当量〜10当量の過硫酸アンモニウム等の酸化剤を添加し、0℃〜30℃で10時間〜72時間、酸化重合する。
酸化重合した後、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、キレート樹脂、限外濾過、及び/又は透析などの方法により、金属カチオン、アンモニウムカチオン、硫酸アニオン、ハロゲンアニオン等の不要なカチオン、アニオン不純物を除去し、精製する。
上記PEDOT水性分散液の製造において、通常、3,4−エチレンジオキシチオフェンに対するPVA−PSSの添加量が多いほど、導電性ポリマーの粒子径は小さくなる。例えば、平均粒径10nm〜30nmなど、ナノレベルの分散液を得ることも可能であり、多孔質基材への浸透性が向上するなどのメリットがある。勿論、PVA−PSSの添加量だけでなく、PVA−PSSの組成や分子量によって導電性ポリマーの粒子径や塗膜物性は変化する。一方、PVA−PSSの使用量が不足すると、導電性ポリマーの重合度が伸びない、コロイド安定性が低下する、及び粒径が増大するなどの結果、導電性ポリマー塗膜の緻密性が低下し、導電性が低下する場合がある。よって、PVA−PSSの使用量は100〜500重合部が好ましい。
さらに、本発明のPVA−PSSは分散剤兼ドーパントとして機能するが、他のドーパントを併用しても良く、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、樟脳スルホン酸、2−アントラキノンスルホン酸、1,5−アントラキノンジスルホン酸、2,6−アントラキノンジスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸)、リグニンスルホン酸、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂、スルホン化ポリエステル、ポリビニルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド、ポリアクリル酸メタンスルホン酸、などのスルホン酸化合物、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアスパラギン酸、ポリマレイン酸、ポリビニル安息香酸、酢酸、マレイン酸、カルボキシフェノール、フタル酸アルデヒド、カルボキシフェノール、カルボキシクレゾール、カルボキシナフタレン、ジカルボキシナフタレン等のカルボン酸化合物、ポリリン酸などが挙げられる。
上記で製造された導電性ポリマー水性分散液に、導電性ポリマー鎖の再配列を促進させて導電率を向上させるため、二次ドーパントとして、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホン、及びエリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコールを添加しても良い。
上記で製造された導電性ポリマー水性分散液に、導電性ポリマー塗膜の各種基材への密着性や力学物性を向上させる目的で、他のポリマーの水溶液や分散液を添加しても良い。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ゼラチン、カゼイン、デンプン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロース類、ポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
塗工機などの腐食、基材への悪影響が懸念される場合には、上記で製造された導電性ポリマー水性分散液に、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、燐酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのpH調整剤を添加しても良い。但し、アルカリの添加によってPVA−PSSなどのドーピング剤の脱ドープが起こるため、一般に導電性ポリマー塗膜の導電性は低下する。
次に、上記した導電性ポリマー水性分散液を用いた導電性ポリマー塗膜及びその製造方法について説明する。
本発明の導電性ポリマー塗膜は、基材上に、上記の導電性ポリマー水性分散液又は、導電性ポリマー水性分散液と添加剤との組成物が塗布され、乾燥してなる、導電性ポリマー塗膜である。また本発明の導電性ポリマー塗膜の製造方法は、基材上に、上記の導電性ポリマー水性分散液又は、導電性ポリマー水性分散液と添加剤との組成物を塗布し、乾燥する、導電性ポリマー塗膜の製造方法である。
各種基材に導電性ポリマー水性分散液を塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、バーコート、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷など特に限定されるものではない。その後、常圧又は減圧下、20℃〜200℃で3秒〜1週間乾燥して溶媒を除去すれば良い。
本発明の導電性ポリマー塗膜の製造に用いられる導電性ポリマー水性分散液は、単独または、各種の添加剤を添加した組成物として、各種基材上に塗布し、塗布されたものを乾燥することで得られる。
添加する添加剤としては、分散液の性状を安定化するための安定化剤、酸化防止剤、防腐剤など、各種用途に応じた添加剤を加えた組成物として用いることができる。
本発明の導電性ポリマー塗膜は、耐湿性や耐腐食性に悪影響を及ぼす余剰のスルホン酸が低減されており、帯電防止コーティング、固体電解コンデンサ電極、電磁波シールド材、アクチュエーター、エネルギーハーベスティング(発電)材料のほか、リチウム二次電池、ナトリウム二次電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネルなどの部材、ITO(インジウムスズオキサイド)透明電極の代替として期待できる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
分析は以下により行った。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル測定
ブルカー・バイオスピン株式会社製DRX-500を用いてスペクトルを測定し、共重合体組成の算出及びRAFT剤の同定を行った。PVA-PSSブロック共重合体の組成比は、PSSセグメントの芳香環(4プロトン)に対応する7.43ppmと6.52ppmの積分値(a)と、PVAセグメントのメチンプロトン(1プロトン)に対応する3.91ppmの積分値(b)から、下式より算出した。
PSS含量(モル%)=100×(a/4)/(a/4+b)
PVA含量(モル%)=100×b/(a/4+b)
(2)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定(DMF系)
チオエステル末端PVAc及びRAFT末端PVAcの分子量は、東ソー株式会社製HLC-8320を用いて以下の条件で測定した。
カラム:TSKガードカラムSuper AW-H/TSK Super AW-5000/TSK Super AW-3000
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(10mM臭化リチウム含有)
試料濃度:上記溶離液に溶解して0.05〜0.1wt%に調製
流速・注入量・カラム温度:0.5ml/min、注入量10μl、カラム温度40℃
検出器:示差屈折率(RI)
検量線:標準ポリエチレンオキサイド(東ソー株式会社製)を用いて、ピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
(3)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定(HEIP系)
PVA-SHの分子量は、東ソー株式会社製HLC-8320を用いて以下の条件で測定した。
カラム:TSKガードカラムHHR-H(S)/TSK gel HHR-H(S)/TSK gel HHR-M
溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール(20mMトリフルオロ酢酸含有)
試料濃度:0.1wt%
流速・注入量・カラム温度:0.2ml/min、注入量10μl、カラム温度40℃
検出器:RI検出器
検量線:標準ポリメチルメタクリレート(シグマアルドリッチ社製)を用いて、ピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
(4)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定(水系)
PVA-PSSブロック共重合体の分子量は、東ソー株式会社製HLC-8320を用いて以下の条件で測定した。
カラム:TSKガードカラムSuper AW-H/TSK Super AW-6000/TSK Super AW-3000/TSK Super AW-2500
溶離液:硫酸ナトリウム水溶液(0.05mol/L)/アセトニトリル=65/35体積比
試料濃度:上記溶離液に溶解して0.05〜0.1wt%に調製
流速・注入量・カラム温度:0.6ml/min、注入量10μl、カラム温度40℃
検出器:UV検出器(波長230nm)及びRI検出器
検量線:標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(創和科学製)を用いて、ピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
(5)ケン化度の測定
JIS K6726−1994に準拠して測定した。
(6)透析によるポリマーの精製
スペクトラムラボラトリーズ社製の透析チューブ(Spectra/Por6、分画分子量1000)を用い、純水中で一晩攪拌することにより透析を行った。
(7)限外濾過による導電性ポリマー水性分散液の精製
アドバンテック株式会社製のウルトラフィルターQ0100(分画分子量10,000)を用いた。
(8)導電性ポリマー水性分散液の超音波処理
株式会社エス・エヌ・テー社製の超音波ホモジナイザーUH-150を使用した。
(9)導電性ポリマー水性分散液の粒径測定
日機装株式会社製のナノトラックUPA-UT151を用いた。
(10)導電性ポリマーフィルム(自立膜)の作製
導電性ポリマー水性分散液を半径2.5cmのテフロン(登録商標)シャーレに展開し、60℃で6時間、150℃で1時間加熱した後、150℃で1時間真空乾燥して自立膜を得た。
(11)導電性ポリマーフィルム(自立膜)の膜厚測定
株式会社ミツトヨ製のデジタルマイクロメーターMDC-25PJを用いた。
(12)導電性ポリマーフィルム(自立膜)導電率の測定
三菱化学株式会社製の低抵抗率計ロレスタGXを用い、四探針法により測定した。
(13)導電性ポリマーフィルム(自立膜)の吸湿性測定
上記真空乾燥フィルムをエスペック株式会社製の環境試験機SH-241内(温度40℃、相対湿度80%)で6時間保持した後のフィルムの重量増加率から吸湿性を評価した。
(14)導電性ポリマー塗膜の碁盤目試験
導電性ポリマー水性分散液をガラス板状にスピンコートし、60℃で6時間、150℃で1時間加熱した後、150℃で1時間真空乾燥した。クロスカットガイドを用いて格子パターン(25マス)を作製後、セロハンテープを貼り、指で十分に圧着した。5分以内にテープを引き剥がし、塗膜の状態を観察することによって水浸漬前の密着性を評価した。
また、上記格子パターンを形成した試験片を40℃の水道水に6時間浸漬後、常温で一晩風乾し、上記と同様にセロハンテープによる剥離状態を観察することによって、水浸漬後の密着性を評価した。
<使用試薬等>
実施例に記載の化合物は下記を使用したが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
NaSS(パラスチレンスルホン酸ナトリウム):純度88.9%、東ソー・ファインケム株式会社製
VAc(酢酸ビニル):純度98%、富士フイルム和光純薬株式会社製
EDOT(3,4-エチレンジオキシチオフェン):純度97%、富士フイルム和光純薬株式会社製
チオ酢酸:純度97%、富士フイルム和光純薬株式会社製
シアノメチルN-メチル-N-フェニルジチオカーバメート:富士フイルム和光純薬株式会社製
AIBN〔2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)〕:富士フイルム和光純薬株式会社製
VA-086〔2,2’-アゾビス(2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕:富士フイルム和光純薬株式会社製
臭素酸カリウム:純度99%、富士フイルム和光純薬株式会社製
過硫酸ナトリウム:純度97%、富士フイルム和光純薬株式会社製
硫酸鉄(III)n水和物:純分60%、富士フイルム和光純薬株式会社製
カチオン交換樹脂:Lewatite MonoPlus100 sodium(アルドリッチ社製、登録商標)を1N塩酸で再生後、水洗したもの
アニオン交換樹脂:Lewatite MP-62 free base(アルドリッチ社製、登録商標)
PS-5(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム):分子量8.5万、東ソー・ファインケム株式会社製
合成例1:PVA−PSS(1)の合成
<PVA−SH(1)の合成>
ガラス反応器に酢酸ビニル24.6g(280mmol)、チオ酢酸8.0mg(0.100mmol)を含むメタノール4mLを採取し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この溶液をアルゴン雰囲気下で65℃まで昇温し、2,2’ −アゾビス(イソブチロニトリル)44.0mg(0.268mmol)のメタノール(4mL)溶液を加えた後、チオ酢酸94.0mg(1.16mmol)のメタノール(2mL)溶液を4時間かけて滴下しながら、65℃で3時間加熱撹拌した。反応溶液のH−NMRスペクトルより算出したモノマー転化率は40.8%であった。減圧下でメタノールとともに未反応モノマーを留去し、再度メタノールを加え留去する操作を繰り返した後、乾固し粘稠固形物を得た。数平均分子量(以下、Mnと略記する)22,700、重量平均分子量(以下、Mwと略記する)は52,600であった。
ガラス反応器に上記粘稠固形物8.83g、メタノール12mL、水酸化ナトリウム327.0mg(7.93mmol)のメタノール(5mL)溶液を採取し、アルゴン雰囲気下、40℃で20時間加熱撹拌した。反応後、生成した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄することにより、無色固体のPVA−SH(1)4.42g(収率:87.3%)を得た。ケン化度は98.1モル%、Mnは11,600、Mwは26,900であった。
<PVA−PSS(1)の合成>
ガラス反応器に4−スチレンスルホン酸2.34g(10.09mmol)、上記PVA−SH(1)2.00g(モノマーユニット換算で45.4mmol) 及び水21mLを採取し、90℃で加熱しながら溶解し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。アルゴン置換後、この水溶液に2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]35.0mg(0.121mmol)の水溶液1mlを1時間かけて滴下し、そのまま90℃で14時間加熱撹拌した。反応溶液のH−NMRスペクトルより算出したモノマー転化率は100%であった(モノマーの残存は見られなかった)。この重合溶液を室温まで戻し、カチオン交換樹脂50gを加え、6時間撹拌し、ろ別した。ろ液にアニオン交換樹脂20gを加え、2時間撹拌した。アニオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を濃縮することによりPVA−PSS(1)の水溶液(固形分6.23wt%)を57.9g得た。H−NMRスペクトルにおける積分値からスチレンスルホン酸単位/ビニルアルコール単位のモル比=18/82(重量換算では51/49)であった。Mnは31,100、Mwは77,500であった。上記PVA−SHとの分子量差から、PSSセグメントのMnは19,500と推算した。
合成例2:PVA−PSS(2)の合成
<PVA−SH(2)の合成>
ガラス反応器に酢酸ビニル24.6g(280mmol)、チオ酢酸5.00mg(0.0624mmol)を含むメタノール4mLを採取し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この溶液をアルゴン雰囲気下で65℃まで昇温し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)44.0mg(0.268mmol)のメタノール(4mL)溶液を加えた後、チオ酢酸47.0mg(0.587mmol)のメタノール(2mL)溶液を4時間かけて滴下しながら、65℃で3時間加熱撹拌した。反応溶液のH−NMRスペクトルより算出したモノマー転化率は63.9%であった。減圧下でメタノールとともに未反応モノマーを留去し、再度メタノールを加え留去する操作を繰り返した後、乾固し粘稠固形物を得た。Mnは46,300、Mwは117,400であった。
ガラス反応器に上記粘稠固形物13.83g、メタノール35mL、水酸化ナトリウム368mg(8.93mmol)のメタノール(5mL)溶液を加え、アルゴン雰囲気下、40℃で20時間加熱撹拌した。反応後、生成した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄することにより、無色固体のポリビニルアルコール6.52g(収率:82.8%)を得た。ケン化度は98.0モル%、Mnは23,700、Mwは60,000であった。
<PVA−PSS(2)の合成>
ガラス反応器に4−スチレンスルホン酸2.34g(10.09mmol)、上記PVA−SH(2)2.01g(モノマーユニット換算で45.6mmol)及び水21mlを採取し、90℃で加熱しながら溶解し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。アルゴン置換後、この水溶液に2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]33.0mg(0.114mmol)の水溶液1mlを1時間かけて滴下し、そのまま90℃で15時間加熱撹拌した。反応溶液のH−NMRスペクトルより算出したモノマー転化率は84.8%であった。この重合溶液を室温まで戻し、カチオン交換樹脂50gを加えて6時間撹拌した後、カチオン交換樹脂をろ別した。ろ液にアニオン交換樹脂20gを加えて2時間撹拌した後、アニオン交換樹脂をろ別した。ろ液を水中で一晩透析することにより残存モノマーを除去した。透析後、濃縮することによりPVA−PSS(2)の水溶液(固形分3.86wt%)を79.4g得た。H−NMRスペクトルにおける積分値からスチレンスルホン酸単位/ビニルアルコール単位のモル比=16/84(重量換算では47/54)であった。GPC測定の結果、Mnは71,300、Mwは171,000であった。上記PVA−SHとの分子量差から、PSSセグメントのMnは47,600と推算した。
合成例3:O-エチル−S−シアノメチルキサンテートの合成
ガラス反応器にアルゴン雰囲気下、ブロモアセトニトリル2.70ml(39.8mmol)、エチルキサントゲン酸カリウム6.41g(40.0mmol)、エタノール50mlを採取し、室温で15時間攪拌しながら反応した。反応後、水を加え、ジエチルエーテルで目的物を抽出した。エーテル層を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した後、減圧蒸留(120℃、1kPa)することにより、黄色液体のO-エチル−S−シアノメチルキサンテートを4.15g得た(収率70.8%)。
合成例4:PVA−PSS(3)の合成
<PVA−SH(3)の合成>
ガラス反応器に酢酸ビニル8.75g(99.6mmol)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)17.2mg(0.105mmol)及び合成例3で得たO-エチル−S−シアノメチルキサンテート165.0mg(0.993mmol)を採取し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この混合溶液をアルゴン雰囲気下、60℃で12時間加熱攪拌した。重合溶液をクロロホルム10mlに溶解したのち、ヘキサンへ落として沈殿物を濾別、真空乾燥することにより、無色固体のポリ酢酸ビニル5.73gを得た(収率66.5%)。GPC(DMF系)で測定したMnは10,500、Mwは14,100であった。
ガラス反応器に上記ポリ酢酸ビニル5.06g(モノマーユニットとして58.7mmol)、メタノール20mL、水酸化ナトリウム186mg(4.50mmol)を採取し、アルゴン雰囲気下、40℃で24時間加熱撹拌した。反応後、生成した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄することにより、無色固体のPVA−SH2.51g(収率:98.1%)を得た。ケン化度は98.6モル%、Mnは5,400、Mwは7,200であった。
<PVA−PSS(3)の合成>
ガラス反応器に4−スチレンスルホン酸ナトリウム8.25g(35.57mmol)、上記PVA−SH(3)881mg(モノマーユニット換算で20.0mmol)、及び水40mlを採取して溶解後、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この水溶液に2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]35.0mg(0.121mmol)の水溶液1mlを1時間かけて滴下し、アルゴン雰囲気下、90℃で15時間加熱撹拌した。重合溶液を室温まで戻し、カチオン交換樹脂50gを加えて6時間撹拌した後、濾別した。濾液にアニオン交換樹脂20gを加え、2時間撹拌した後、アニオン交換樹脂を濾別し、濾液を水中で一晩透析することにより残存モノマーを除去した。濾液を濃縮することによりPVA−PSS(3)の水溶液(固形分3.65wt%)を173g得た。H−NMRスペクトルにおける積分値からスチレンスルホン酸単位/ビニルアルコール単位のモル比=64/36(重量換算では89/11)であった。Mnは85,300、Mwは271,300であり、上記PVA−SHとの分子量差から、PSSセグメントのMnは79,900と推算した。
合成例5:PVA−PSS(4)の合成
<PVA−SH(4)の合成>
ガラス反応器に酢酸ビニル8.75g(99.6mmol)、メタノール5ml、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)17.2mg(0.105mmol)及びシアノメチルN-メチル-N-フェニルジチオカーバメート40.0mg(0.175mmol)を採取し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この混合溶液をアルゴン雰囲気下、60℃で12時間加熱攪拌した。重合溶液をクロロホルム10mlに溶解したのち、ヘキサンへ落として沈殿物を濾別、真空乾燥することにより、無色固体のポリ酢酸ビニル6.14gを得た(収率70.2%)。GPC(DMF系)で測定したMnは52,000、Mwは62,400であった。
ガラス反応器に上記ポリ酢酸ビニル5.22g(モノマーユニットとして60.6mmol)、メタノール20mL、水酸化ナトリウム186mg(4.50mmol)を採取し、アルゴン雰囲気下、40℃で24時間加熱撹拌した。反応後、生成した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄することにより、無色固体のPVA−SH2.63g(収率:98.4%)を得た。ケン化度は98.6モル%、Mnは26,600、Mwは31,900であった。
<PVA−PSS(4)の合成>
ガラス反応器に4−スチレンスルホン酸ナトリウム4.00g(17.25mmol)、上記PVA−SH(4)2.00g(モノマーユニット換算で45.4mmol)、及び水21mlを採取して溶解後、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この水溶液に2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]35.0mg(0.121mmol)の水溶液1mlを1時間かけて滴下し、アルゴン雰囲気下、90℃で15時間加熱撹拌した。重合溶液を室温まで戻し、カチオン交換樹脂50gを加えて6時間撹拌した後、濾別した。濾液にアニオン交換樹脂20gを加え、2時間撹拌した後、アニオン交換樹脂を濾別し、濾液を水中で一晩透析することにより残存モノマーを除去した。濾液を濃縮することによりPVA−PSS(4)の水溶液(固形分3.78wt%)110gを得た。H−NMRスペクトルにおける積分値からスチレンスルホン酸単位/ビニルアルコール単位のモル比=27/73(重量換算では64/36)であった。GPC測定の結果、Mnは81,100、Mwは251,000であった。上記PVA−SHとの分子量差から、PSSセグメントのMnは54,400と推算した。
合成例6:PVA−PSS(5)の合成
<PVA−SH(5)の合成>
ガラス反応器に酢酸ビニル8.75g(99.6mmol)、メタノール5ml、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)17.2mg(0.105mmol)及びシアノメチルN-メチル-N-フェニルジチオカーバメート60.0mg(0.0.262mmol)を採取し、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この混合溶液をアルゴン雰囲気下、60℃で12時間加熱攪拌した。重合溶液をクロロホルム10mlに溶解したのち、ヘキサンへ落として沈殿物を濾別、真空乾燥することにより、無色固体のポリ酢酸ビニル6.05gを得た(収率69.1%)。GPC(DMF系)で測定したMnは36,000、Mwは43,200であった。
ガラス反応器に上記ポリ酢酸ビニル5.14g(モノマーユニットとして59.7mmol)、メタノール20mL、水酸化ナトリウム186mg(4.50mmol)を採取し、アルゴン雰囲気下、40℃で24時間加熱撹拌した。反応後、生成した沈殿をろ過し、メタノールで洗浄することにより、無色固体のPVA−SH2.55g(収率:97.0%)を得た。ケン化度は98.4モル%、Mnは18,400、Mwは22,100であった。
<PVA−PSS(5)の合成>
ガラス反応器に上記PVA−SH(5)2.00g(モノマーユニット換算で45.4mmol)と水23mlを採取して溶解後、希硫酸を加えてpHを2.70に調整した。ここへ4−スチレンスルホン酸ナトリウム6.00g(25.87mmol)を加えて溶解後、アルゴンでバブリングすることにより脱気した。この水溶液に臭素酸カリウム25mg(0.150mmol)を含む水溶液2mlを加え、アルゴン雰囲気下、65℃で20時間加熱撹拌した。重合溶液を室温まで戻し、カチオン交換樹脂50gを加えて6時間撹拌した後、濾別した。濾液にアニオン交換樹脂20gを加え、2時間撹拌した後、アニオン交換樹脂を濾別し、濾液を水中で一晩透析することにより残存モノマーを除去した。濾液を濃縮することによりPVA−PSS(5)の水溶液(固形分4.10wt%)136gを得た。H−NMRスペクトルにおける積分値からスチレンスルホン酸単位/ビニルアルコール単位のモル比=36/64(重量換算では72/28)であった。Mnは74,000、Mwは229,400であった。上記PVA−SHとの分子量差から、PSSセグメントのMnは55,600と推算した。
実施例1:導電性ポリマー水性分散液(1)の合成と評価
ガラス反応器に合成例(1)で得たPVA−PSS(1)の6.23wt%水溶液18.7g(スチレンスルホン酸ユニット換算で3.05mmol、共重合体重量で1.16g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン310μL(2.90mmol)及び水40mlを採取し、超音波洗浄機を用いて10分間超音波処理を行った。ここへ硫酸鉄(III)n水和物39.0mg(58.5μmol)、過硫酸ナトリウム760mg(3.10mmol)及び濃硫酸180μlを含む水溶液10mlを加え、アルゴン雰囲気下、0℃で重合を開始し、室温で19時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、10分間超音波ホモジナイザーを用いて超音波処理した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂をそれぞれ10g程度加え、6時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を限外ろ過により濃縮することで、83.9gのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTと言う)水分散液 (1)(固形分1.72wt%、pH2.33)を得た。
上記PEDOT水分散液を用いて自立膜及びガラス塗布膜を作製し、物性を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、比較例の分散液では、自立膜作製時に大きな収縮が認められたのに対して、本実施例の分散液では収縮は見られなかった。また、本実施例の自立膜の光沢は、比較例よりも明らかに強かった。以上のことから、実施例の造膜性は比較例より優れることが明らかである。また、本実施例で得られた塗膜の吸湿性は、比較例より明らかに低く、耐吸湿性が優れることが明らかである。
また、碁盤目試験において、本実施例で得られた塗膜の剥離数が比較例より明らかに少なく、本実施例の塗膜の密着性が比較例よりも優れることが明らかである。
実施例2:導電性ポリマー水性分散液(2)の合成と評価
ガラス反応器に合成例(2)で得たPVA−PSS(2)の3.86wt%水溶液30.0g(スチレンスルホン酸ユニット換算で2.77mmol、共重合体重量で1.16g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン310μL(2.90mmol)及び水30mlを採取し、超音波洗浄機を用いて10分間超音波処理を行った。ここへ硫酸鉄(III)n水和物39.0mg(58.5μmol)、過硫酸ナトリウム760mg(3.10mmol)及び濃硫酸180μlを含む水溶液10mlを加え、アルゴン雰囲気下、0℃で重合を開始し、室温で19時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、10分間超音波ホモジナイザーによる超音波処理した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂をそれぞれ10g加えて6時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を限外ろ過により濃縮することで、86.7gのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水性分散液(固形分1.46wt%、pH2.45)を得た。
上記PEDOT水分散液を用いて自立膜及びガラス塗布膜を作製し、物性を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、比較例の分散液では、自立膜作製時に大きな収縮が認められたのに対して、本実施例の分散液では収縮は見られなかった。また、本実施例の分散液から作製した自立膜の光沢は、比較例よりも明らかに強かった。以上のことから、実施例の造膜性は比較例よりも優れることが明らかである。また、本実施例で得られた塗膜の吸湿性は、比較例よりも明らかに低く、耐吸湿性が優れることが明らかである。
また、碁盤目試験において、本実施例で得られた塗膜の剥離数が比較例よりも明らかに少なく、本実施例の塗膜の密着性が比較例よりも優れることが明らかである。
実施例3:導電性ポリマー水性分散液(3)の合成と評価
ガラス反応器に合成例(3)で得たPVA−PSS(3)の4.87wt%水溶液23.5g(スチレンスルホン酸ユニット換算で5.49mmol、共重合体重量で1.14g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン310μl(2.89mmol)及び水45mlを採取し、超音波洗浄機を用いて10分間超音波処理を行った。ここへ硫酸鉄(III)n水和物39.0mg(58.5μmol)、過硫酸ナトリウム759mg(3.09mmol)及び濃硫酸180μlを含む水溶液10mlを加え、アルゴン雰囲気下、0℃で重合を開始し、室温で19時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、10分間超音波ホモジナイザーによる超音波処理した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂をそれぞれ10g加えて6時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を限外ろ過により濃縮することで、144.0gのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水性分散液(固形分1.55wt%、pH2.28)を得た。
上記PEDOT水分散液を用いて自立膜及びガラス塗布膜を作製し、物性を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、比較例の分散液では、自立膜作製時に大きな収縮が認められたのに対して、本実施例の分散液では収縮は見られなかった。また、本実施例の分散液から作製した自立膜の光沢は、比較例よりも明らかに強かった。以上のことから、実施例の造膜性は比較例よりも優れることが明らかである。また、本実施例で得られた塗膜の吸湿性は、比較例よりも明らかに低く、耐吸湿性が優れることが明らかである。
また、碁盤目試験において、本実施例で得られた塗膜の剥離数が比較例よりも明らかに少なく、本実施例の塗膜の密着性が比較例よりも優れることが明らかである。
実施例4:導電性ポリマー水性分散液(4)の合成と評価
ガラス反応器に合成例(5)で得たPVA−PSS(4)の3.78wt%水溶液30.2g(スチレンスルホン酸ユニット換算で3.79mmol、共重合体重量で1.14g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン310μl(2.89mmol)及び水45mlを採取し、超音波洗浄機を用いて10分間超音波処理を行った。ここへ硫酸鉄(III)n水和物39.0mg(58.5μmol)、過硫酸ナトリウム759mg(3.09mmol)及び濃硫酸180μlを含む水溶液10mlを加え、アルゴン雰囲気下、0℃で重合を開始し、室温で19時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、10分間超音波ホモジナイザーによる超音波処理した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂をそれぞれ10g加えて6時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を限外ろ過により濃縮することで87.30gのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水性分散液(固形分1.55wt%、pH2.85)を得た。
上記PEDOT水分散液を用いて自立膜及びガラス塗布膜を作製し、物性を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、比較例の分散液では、自立膜作製時に大きな収縮が認められたのに対して、本実施例の分散液では収縮は見られなかった。また、本実施例の分散液から作製した自立膜の光沢は、比較例よりも明らかに強かった。以上のことから、実施例の造膜性は比較例よりも優れることが明らかである。また、本実施例で得られた塗膜の吸湿性は、比較例よりも明らかに低く、耐吸湿性が優れることが明らかである。
また、碁盤目試験において、本実施例で得られた塗膜の剥離数が比較例よりも明らかに少なく、本実施例の塗膜の密着性が比較例よりも優れることが明らかである。
実施例5:導電性ポリマー水性分散液(5)の合成と評価
ガラス反応器に合成例(6)で得たPVA−PSS(5)の4.10wt%水溶液28.4g(スチレンスルホン酸ユニット換算で4.44mmol、共重合体重量で1.16g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン310μl(2.89mmol)及び水45mlを採取し、超音波洗浄機を用いて10分間超音波処理を行った。ここへ硫酸鉄(III)n水和物39.0mg(58.5μmol)、過硫酸ナトリウム759mg(3.09mmol)及び濃硫酸180μlを含む水溶液10mlを加え、アルゴン雰囲気下、0℃で重合を開始し、室温で19時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、10分間超音波ホモジナイザーによる超音波処理した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂をそれぞれ10g加えて6時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を限外ろ過により濃縮することで、94.30gのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水性分散液(固形分1.51wt%、pH2.80)を得た。
上記PEDOT水分散液を用いて自立膜及びガラス塗布膜を作製し、物性を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、比較例の分散液では、自立膜作製時に大きな収縮が認められたのに対して、本実施例の分散液では収縮は見られなかった。また、本実施例の分散液から作製した自立膜の光沢は、比較例よりも明らかに強かった。以上のことから、実施例の造膜性は比較例よりも優れることが明らかである。また、本実施例で得られた塗膜の吸湿性は、比較例よりも明らかに低く、耐吸湿性が優れることが明らかである。
また、碁盤目試験において、本実施例で得られた塗膜の剥離数が比較例よりも明らかに少なく、本実施例の塗膜の密着性が比較例よりも優れることが明らかである。
比較例(1):導電性ポリマー水性分散液(6)の合成と評価
東ソー・ファインケム株式会社製のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(製品名PS−5)をカチオン交換処理することにより、15.1wt%ポリ(4−スチレンスルホン酸)水溶液(PS−5H)を得た。
ガラス反応器に7.34gのPS−5H(スチレンスルホン酸ユニット換算で6.05mmol、ポリマー重量で1.11g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン310μL(2.92mmol)及び水30mlを採取し、超音波洗浄機を用いて10分間超音波処理を行った。ここへ硫酸鉄(III)n水和物39.0mg(58.5μmol)と過硫酸ナトリウム760mg(3.19mmol)、および濃硫酸180μL(3.19mmol)の水溶液10mLに加え、アルゴン雰囲気下、0℃で重合を開始し、室温で19時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。反応後、10分間超音波ホモジナイザーによる超音波処理した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂をそれぞれ10g加え、6時間撹拌した。イオン交換樹脂をろ別した後、ろ液を限外ろ過により濃縮することで、80.3gのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(固形分1.58wt%、pH2.12)を得た。
上記PEDOT水分散液を用いて自立膜及びガラス塗布膜を作製し、物性を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、上記実施例の分散液では自立膜作製時に収縮は見られなかったのに対して、本比較例の分散液では、大きな収縮が認められた。また、本比較例の分散液から作製した自立膜の光沢は、実施例よりも明らかに劣った。以上のことから、比較例の造膜性は実施例よりも劣ることが明らかである。また、本比較例で得られた塗膜の吸湿性は、実施例よりも明らかに高く、耐吸湿性が劣ることが明らかである。
また、碁盤目試験において、本比較例で得られた塗膜の剥離数が実施例よりも明らかに多く、本比較例の塗膜の密着性が実施例よりも優れることが明らかである。
Figure 2021147564
本発明の導電性ポリマー水性分散液から得られる導電性ポリマー塗膜は、耐湿性や密着性が優れるため帯電防止コーティング、固体電解コンデンサ電極、電磁波シールド材、アクチュエーター、エネルギーハーベスティング(発電)材料のほか、リチウム二次電池、ナトリウム二次電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネルなどの部材、ITO(インジウムスズオキサイド)透明電極の代替として期待できる。

Claims (7)

  1. ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)及びスチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)からなり、分散剤兼ドーパントとしてのブロック共重合体と、
    導電性ポリマーと、
    を含む、導電性ポリマー水性分散液。
  2. ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)のケン化度が70%以上、ゲル浸透クロマトグラフィーで求められる数平均分子量が5,000から100,000であり、
    スチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)のゲル浸透クロマトグラフィーで求められる数平均分子量が5,000から100,000であり、
    ビニルアルコール系ポリマーセグメント(A)とスチレンスルホン酸系ポリマーセグメント(B)の重量比(A)/(B)が、10/90〜90〜10である、請求項1に記載の導電性ポリマー水性分散液。
  3. 導電性ポリマーがポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)又はその誘導体である、請求項1又は請求項2に記載の導電性ポリマー水性分散液。
  4. ブロック共重合体と導電性ポリマーの重量比が、50/100〜3,000/100である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水性分散液。
  5. 基材上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水性分散液又は、当該導電性ポリマー水性分散液と添加剤との組成物が、塗布され、乾燥してなる、導電性ポリマー塗膜。
  6. 基材上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水性分散液又は、当該導電性ポリマー水性分散液と添加剤との組成物を、塗布し、乾燥する、導電性ポリマー塗膜の製造方法。
  7. ブロック共重合体を含む水性溶媒中で導電性ポリマーのモノマーを酸化重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水性分散液の製造方法。
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