JP2015036400A - インク組成物、透明導電膜、及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い導電率を維持しつつ耐環境性を高めたインク組成物、並びに、それを用いた透明導電膜及び電子部品を提供する。
【解決手段】(A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液と、(B)エポキシ系クロスリンク剤と、(C)ポリビニルアルコールと、を含むインク組成物であって、(B)の含有量は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、(C)の含有量は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である。
【選択図】なし
【解決手段】(A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液と、(B)エポキシ系クロスリンク剤と、(C)ポリビニルアルコールと、を含むインク組成物であって、(B)の含有量は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、(C)の含有量は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である。
【選択図】なし
Description
本発明は、PEDOT:PSSを含むインク組成物、並びに、それを用いた透明導電膜及び電子部品に関する。
液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、及びタッチパネルなどの電子部品の分野においては、透明導電膜が用いられている。この透明導電膜の材料としては、ITO(インジウム−スズ酸化物)などの導電性無機材料や、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)などの導電性有機材料が挙げられる。
導電性有機材料を用いた透明導電膜としては、PEDOT:PSS水溶液に対してエポキシ基を有するシラン化合物を含有させたインク組成物を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このインク組成物においては、インク組成物の塗布後にアルコキシシラン化合物のエポキシ基とPSSのスルホン酸基との間の開環付加反応及びアルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応が進行する。これにより、シラン化合物とPEDOT:PSSとの分子鎖間に架橋結合を介した3次元的なネットワーク(クロスリンク)が形成されるため、耐摩耗性に優れた高い機械的強度を有する透明導電膜を実現できる。
さらに、従来のインク組成物においては、透明導電膜の導電率を向上させるためのエンハンサとして、極性を有する溶媒を添加することが提案されている。導電率向上エンハンサを添加することにより、インク組成物の導電率が2〜3桁向上する。これは、ドーピングされてイオン化したPEDOTが安定化することで、キャリアー(ポーラロン、バイポーラロン)が増加するためであると考えられる。
しかしながら、上述の従来のインク組成物においては、透明導電膜が長時間高温にさらされると電気抵抗が上昇してしまうという問題があった。これは、極性溶媒である導電率向上エンハンサは、通常の溶媒より沸点が高いが、有限の蒸気圧を有することによるものであるため、環境温度が高くなるとエンハンサが徐々に揮発してしまうことに起因する。このため、高温下においてエンハンサが揮発すると、透明導電膜の抵抗値の増加が生じ、導電膜としての特性が劣化していくという問題があった。
そこで本発明は、高温時における導電率向上エンハンサの揮発を抑制することによって、高い導電率を維持しつつ耐環境性を高めたインク組成物、並びに、それを用いた透明導電膜及び電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインク組成物は、
(A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液と、
(B)エポキシ系クロスリンク剤と、
(C)ポリビニルアルコールと、
を含むインク組成物であって、
前記(B)の含有量は、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、
前記(C)の含有量は、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である
ことを特徴としている。
(A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液と、
(B)エポキシ系クロスリンク剤と、
(C)ポリビニルアルコールと、
を含むインク組成物であって、
前記(B)の含有量は、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、
前記(C)の含有量は、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である
ことを特徴としている。
前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部の前記(B)を添加することによって、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸との分子鎖間に架橋結合を介した3次元的なネットワークが形成されるため、耐摩耗性に優れた高い機械的強度を有する透明導電膜を実現できる。
また、導電率向上エンハンサを添加することにより、インク組成物の導電率を向上させることができる。
さらに、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部の前記(C)を添加することによって、環境温度が高くなった場合の導電率向上エンハンサの揮発を抑えることができ、これにより、高い導電率を維持しつつ耐環境性を高めることができる。別言すると、前記(C)の添加によって、高温下での極性有機溶媒の揮発を抑えることができ、これによって、インク組成物から形成した透明導電膜の高温耐性を向上させることができる。
前記導電率向上エンハンサはジメチルスルホキシドであることが好ましい。
前記導電率向上エンハンサはジメチルスルホキシドであることが好ましい。
または、前記導電率向上エンハンサはグリコールであり、ジエチレングリコールであることが好ましい。
前記(C)の分子量は7,000〜40,000であることが好ましい。
(C)の分子量をこの範囲にすることによって、環境温度が高くなった場合の導電率向上エンハンサの揮発抑制効果を高めることができる。
(C)の分子量をこの範囲にすることによって、環境温度が高くなった場合の導電率向上エンハンサの揮発抑制効果を高めることができる。
本発明の透明導電膜は、上述のいずれかのインク組成物を用いて得られたことを特徴としている。
本発明の電子部品は、上述の透明導電膜を備えたことを特徴としている。
本発明の電子部品は、上述の透明導電膜を備えたことを特徴としている。
本発明によると、高温時における導電率向上エンハンサの揮発を抑制することによって、高い導電率を維持しつつ耐環境性を高めたインク組成物、並びに、それを用いた透明導電膜及び電子部品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るインク組成物、透明導電膜、及び電子部品について図面を参照しつつ詳しく説明する。
(インク組成物)
まず、実施形態に係るインク組成物の概要について説明する。本発明に係るインク組成物は、(A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液(以下「PEDOT:PSS水溶液」と呼ぶことがある)と、(B)エポキシ系クロスリンク剤と、(C)ポリビニルアルコールと、を含む。さらに、(B)エポキシ系クロスリンク剤は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、(C)ポリビニルアルコールは、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である。
まず、実施形態に係るインク組成物の概要について説明する。本発明に係るインク組成物は、(A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液(以下「PEDOT:PSS水溶液」と呼ぶことがある)と、(B)エポキシ系クロスリンク剤と、(C)ポリビニルアルコールと、を含む。さらに、(B)エポキシ系クロスリンク剤は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、(C)ポリビニルアルコールは、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である。
このインク組成物は、各種電子部品に用いられる透明導電膜の形成に使用されるものである。透明導電膜は、基材上に塗布したインク組成物をベーク(焼成)することにより得られる。このベーク時にPEDOT:PSSとエポキシ基を含むクロスリンク剤との間で架橋結合を介した3次元的なネットワークが形成されるため、機械的強度が高い透明導電膜が得られる。
一般に、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液を含んだインク組成物を用いた透明電極(以下「PEDOT透明電極」と呼ぶことがある)を、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパーその他の電子部品へ適用する場合、環境耐性、特に高温試験による劣化が問題となる。
従来、PEDOT透明電極が高温試験下で劣化するメカニズムは、明確ではなかった。これに対して、本願発明者がESCA(X線光電子分光法)によって鋭意分析したところ、導電性を向上させるために添加する導電率向上エンハンサの揮発によることが判明した。例えば、導電率向上エンハンサとして使用されるジエチレングリコール(DEG)は、85°Cの高温試験において、5日間経過時に、DEGに起因する−COH基からのシグナルが32%から26%に減衰することが分かった。
従って、本実施形態においては、高温耐性や高温高湿耐性を向上させるために導電率向上エンハンサの揮発を抑制することとしている。
実施形態に係るインク組成物においては、極性有機溶媒である導電率向上エンハンサとポリビニルアルコールを含有している。
導電率向上エンハンサは、極性有機溶媒が好ましく、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やジエチレングリコールを用いる。ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液に導電率向上エンハンサを添加することによって、インク組成物及びそれを用いた透明導電膜の導電率を向上させることができる。
ポリビニルアルコール(PVA)は、ビニルアルコール(CH2=CH−OH)をポリマー化したもので、ポリマーの繰返し単位毎に水酸基(−OH基)を含み、結晶性が高いポリマーである。ポリビニルアルコールは、水溶性ではあるが、高結晶性であるため、溶解させるには、100°C近い温水(沸騰水)で煮込む必要があるほど安定である。ポリビニルアルコールを、エポキシ系のクロスリンク剤と組み合わせて使用すると、透明導電膜が緻密化するため、導電率向上エンハンサの揮発を抑制することができる。これは、ポリビニルアルコールとエポキシ系クロスリンク剤と組み合わせることで、ポリスチレンスルホン酸のスルホ基(−SO3H)と同様に、PVAの水酸基(−OH)とエポキシ系クロスリンク剤がクロスリンク反応を起こし、上述の3次元ネットワークがより緻密に形成されるためである。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
(A)ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液(PEDOT:PSS水溶液)
PEDOT:PSS水溶液としては、透明導電膜にしたときに所望の電気光学特性を発揮できる範囲であれば、その成分比に特に制限はない。また、このPEDOT:PSS水溶液としては、市販品をそのまま用いてもよい。PEDOT:PSS水溶液の市販品としては、例えば、Clevios(登録商標:Heraeus社製) P、Clevios PH500、Clevios PH750、Clevios PH1000が挙げられる。
(A)ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液(PEDOT:PSS水溶液)
PEDOT:PSS水溶液としては、透明導電膜にしたときに所望の電気光学特性を発揮できる範囲であれば、その成分比に特に制限はない。また、このPEDOT:PSS水溶液としては、市販品をそのまま用いてもよい。PEDOT:PSS水溶液の市販品としては、例えば、Clevios(登録商標:Heraeus社製) P、Clevios PH500、Clevios PH750、Clevios PH1000が挙げられる。
導電率向上エンハンサは、極性有機溶媒が好ましく、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やジエチレングリコール(DEG)を用いる。これらの添加量は、インク組成物の100重量部に対して5重量部であるとよい。
(B)エポキシ系クロスリンク剤
エポキシ系クロスリンク剤は、エポキシ基を含むシランカップリング剤が好ましく、例えば、エポキシ基を有するジアルコキシシランや、エポキシ基を有するトリアルコキシシランなどのシランカップリング剤を用いることができる。エポキシ基を含有するジアルコキシシランとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを用いることができる。また、エポキシ基を含有するトリエポキシシランとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランが挙げられる。
エポキシ系クロスリンク剤は、エポキシ基を含むシランカップリング剤が好ましく、例えば、エポキシ基を有するジアルコキシシランや、エポキシ基を有するトリアルコキシシランなどのシランカップリング剤を用いることができる。エポキシ基を含有するジアルコキシシランとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを用いることができる。また、エポキシ基を含有するトリエポキシシランとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランが挙げられる。
エポキシ系クロスリンク剤は、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であることが好ましい。さらに、85〜125重量部であるとよい。
(C)ポリビニルアルコール
ポリビニルアルコールは、分子量が7,000〜40,000の範囲であることが好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部であることが好ましい。さらに、10〜30重量部であるとよい。
ポリビニルアルコールは、分子量が7,000〜40,000の範囲であることが好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部であることが好ましい。さらに、10〜30重量部であるとよい。
(D)溶媒
実施形態に係るインク組成物においては、PEDOT:PSS水溶液、エポキシ系クロスリンク剤、ポリビニルアルコールとの間で相溶性を有するものであれば、インク組成物により得られる透明導電膜の物性を満たす範囲で各種溶媒を含むことができる。溶媒としては、例えば、エタノールやイソプロピルアルコール(IPA)などの各種アルコールを用いることができる。
実施形態に係るインク組成物においては、PEDOT:PSS水溶液、エポキシ系クロスリンク剤、ポリビニルアルコールとの間で相溶性を有するものであれば、インク組成物により得られる透明導電膜の物性を満たす範囲で各種溶媒を含むことができる。溶媒としては、例えば、エタノールやイソプロピルアルコール(IPA)などの各種アルコールを用いることができる。
(透明導電膜、電子部品)
インク組成物を成膜して透明導電膜を形成する基材としては、例えば、PETフィルム、PCフィルム、PC板、ガラスが挙げられる。
インク組成物を成膜して透明導電膜を形成する基材としては、例えば、PETフィルム、PCフィルム、PC板、ガラスが挙げられる。
透明導電膜の形成は、まず、上述のインク組成物を基材上に成膜する。成膜は、例えばスピンコート法、スクリーン印刷により行う。次いで、インク組成物を成膜した基材を、所定の温度で所定時間加熱して透明導電膜を形成する。加熱は、例えば、インク組成物を成膜した基材をホットプレート上に載せ、及び/又は、オーブンに入れて行う。
電子部品は、その構成や機能に応じて、基板上にインク組成物を所定のパターンで成膜した後に透明導電膜を形成したものを用いる。
次に、上記実施形態の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例においては、作製したインク組成物を用いて透明導電膜を作製してその物性について評価した。
実施例1、2及び比較例1、2のインク組成物を構成する各材料の添加量は表1に示すとおりである。
<実施例1>
(インク組成物の作製)
PEDOT:PSS水溶液としては、固形分の濃度が1.2重量%の市販品(商品名:PH750、Heraeus社製)を5ml用いた。
(インク組成物の作製)
PEDOT:PSS水溶液としては、固形分の濃度が1.2重量%の市販品(商品名:PH750、Heraeus社製)を5ml用いた。
このPEDOT:PSS水溶液に対して、導電率向上エンハンサとして、DMSO(ジメチルスルホキシド)を0.75ml添加し、pH調整のために有機アルカリであるDMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液を0.1245ml添加した。DMSOの添加量は、インク組成物の100重量部に対して、5重量部である。
上記PEDOT:PSS水溶液に対して、エポキシ系クロスリンク剤として、東レダウコーニング社製のC剤(エポキシリランカップリング剤)を0.12ml添加した。このC剤は50%水溶液であって、添加量は、PEDOT:PSSの固形分の100重量部に対して、100重量部である。
PEDOT:PSS水溶液に対して、ポリビニルアルコールを0.6ml添加した。このポリビニルアルコールは2%水溶液であり、PEDOT:PSSの固形分の100重量部に対して、20重量部のポリビニルアルコールを添加している。
(透明導電膜の作製)
以上のように調整したインク組成物をスピンコート法によって基材に塗布した。基材は易接着処理したPETフィルム(帝人製:メリネックス(商品名))を使用した。スピンコートは、400rpmで5秒間の後に1300rpmで20秒間行った。
以上のように調整したインク組成物をスピンコート法によって基材に塗布した。基材は易接着処理したPETフィルム(帝人製:メリネックス(商品名))を使用した。スピンコートは、400rpmで5秒間の後に1300rpmで20秒間行った。
スピンコートによる塗布後、インク組成物を成膜した基材を焼成した。焼成は、ホットプレートを用いて85°Cで5分間行った後に、オーブンを用いて120°Cで20分間行った。
<実施例2>
PEDOT:PSS水溶液としては、実施例1と同じPH750を5ml用いている。
このPEDOT:PSS水溶液に対して、導電率向上エンハンサとして、DMSO(ジメチルスルホキシド)を0.82ml添加し、pH調整のために有機アルカリであるDMAE(ジメチルアミノエタノール)10%エタノール溶液を0.1245ml添加した。DMSOの添加量は、インク組成物の100重量部に対して、5重量部である。
PEDOT:PSS水溶液としては、実施例1と同じPH750を5ml用いている。
このPEDOT:PSS水溶液に対して、導電率向上エンハンサとして、DMSO(ジメチルスルホキシド)を0.82ml添加し、pH調整のために有機アルカリであるDMAE(ジメチルアミノエタノール)10%エタノール溶液を0.1245ml添加した。DMSOの添加量は、インク組成物の100重量部に対して、5重量部である。
エポキシ系クロスリンク剤は、実施例1と同じく、東レダウコーニング社製のC剤の50%エタノール溶液を0.12ml添加した。
PEDOT:PSS水溶液に対して、実施例1と同じポリビニルアルコールを1.2ml添加した。ポリビニルアルコールの添加量は、PEDOT:PSSの固形分の100重量部に対して、40重量部である。
透明導電膜の作製については実施例1と同様であるので説明は省略する。
透明導電膜の作製については実施例1と同様であるので説明は省略する。
<比較例1>
比較例1では、ポリビニルアルコールを添加していない。
PEDOT:PSS水溶液としては、実施例1と同じPH750を6ml用いている。
このPEDOT:PSS水溶液に対して、導電率向上エンハンサとして、DMSO(ジメチルスルホキシド)を0.81ml添加し、pH調整のために有機アルカリであるDMAE(ジメチルアミノエタノール)10%エタノール溶液を0.1494ml添加した。DMSOの添加量は、インク組成物の100重量部に対して、5重量部である。
比較例1では、ポリビニルアルコールを添加していない。
PEDOT:PSS水溶液としては、実施例1と同じPH750を6ml用いている。
このPEDOT:PSS水溶液に対して、導電率向上エンハンサとして、DMSO(ジメチルスルホキシド)を0.81ml添加し、pH調整のために有機アルカリであるDMAE(ジメチルアミノエタノール)10%エタノール溶液を0.1494ml添加した。DMSOの添加量は、インク組成物の100重量部に対して、5重量部である。
エポキシ系クロスリンク剤は、実施例1と同じ東レダウコーニング社製のC剤の50%エタノール溶液を0.144ml添加した。C剤の添加量は、PEDOT:PSSの固形分100重量部に対して、100重量部である。
透明導電膜の作製については実施例1と同様であるので説明は省略する。
透明導電膜の作製については実施例1と同様であるので説明は省略する。
<比較例2>
比較例2では、実施例1、2のポリビニルアルコールに代えてポリエチレングリコールを添加している。
PEDOT:PSS水溶液としては、実施例1と同じPH750を3.5ml用いている。
比較例2では、実施例1、2のポリビニルアルコールに代えてポリエチレングリコールを添加している。
PEDOT:PSS水溶液としては、実施例1と同じPH750を3.5ml用いている。
このPEDOT:PSS水溶液に対して、導電率向上エンハンサとして、DMSO(ジメチルスルホキシド)を0.52ml添加し、pH調整のために有機アルカリであるDMAE(ジメチルアミノエタノール)を0.8715ml添加した。DMSOの添加量は、インク組成物の100重量部に対して、5重量部である。
エポキシ系クロスリンク剤は、実施例1と同じ東レダウコーニング社製のC剤の50%エタノール溶液を0.084ml添加した。C剤の添加量は、PEDOT:PSSの固形分100重量部に対して、100重量部である。
PEDOT:PSS水溶液に対して、ポリエチレングリコール(PEG)を0.42ml添加した。このポリエチレングリコールは2%水溶液であって、その添加量は、PEDOT:PSSの固形分100重量部に対して、20重量部である。
透明導電膜の作製については実施例1と同様であるので説明は省略する。
透明導電膜の作製については実施例1と同様であるので説明は省略する。
以下、上記実施例及び比較例における試験結果について説明する。
(電気光学特性)
図1は、実施例及び比較例の透明導電膜における面積抵抗R□(単位Ω/□、Ω/sq)と透過率T(単位%)の試験結果を示すグラフである。図2は、実施例及び比較例の透明導電膜における、PEDOT:PSS水溶液に対するPVAの添加比(重量部の比)と導電率S(単位:S/cm)の試験結果を示すグラフである。図1、図2に示す電気光学特性の試験は常温・常湿の条件で行った。ここで、「常温」は20°C±15°Cの温度範囲であり、「常湿」は相対湿度45〜85%の湿度範囲(JIS Z 8703)である。
(電気光学特性)
図1は、実施例及び比較例の透明導電膜における面積抵抗R□(単位Ω/□、Ω/sq)と透過率T(単位%)の試験結果を示すグラフである。図2は、実施例及び比較例の透明導電膜における、PEDOT:PSS水溶液に対するPVAの添加比(重量部の比)と導電率S(単位:S/cm)の試験結果を示すグラフである。図1、図2に示す電気光学特性の試験は常温・常湿の条件で行った。ここで、「常温」は20°C±15°Cの温度範囲であり、「常湿」は相対湿度45〜85%の湿度範囲(JIS Z 8703)である。
評価に使用した装置は、面積抵抗・導電率の測定は、三菱化学株式会社製LORESTA EP MCP−1360(商品名)、透過率(全光線透過率)の測定は、ヘイズメータ(商品名:HZ−2P、スガ試験機社製)、膜厚の測定は、株式会社アルバック製DEKTAK(商品名)である。透過率の測定は、JIS−K7361−1に基づいて行った。
図1に示すように、透過率T(縦軸)と面積抵抗R□(横軸)の関係は、ほぼ同一の曲線上にあり、実施例1(図1中の□印)、実施例2(図1中の◇印)、及び比較例1(図1中の○印)で同等の光学特性であった。また、図2に示すように、導電率S(縦軸)とPVAの添加比(横軸)の関係は、PVAの添加量が増加するにつれて、導電率Sが低下することを示している。ここで導電率低下の許容範囲を約20%と考えると、PVAの添加限界としては、添加比で約0.4(PEDOT:PSS水溶液100重量部に対して40重量部)となる。ここで、図2に示す試験において、PVAの添加量がPEDOT:PSS水溶液100重量部に対して0〜40重量部の範囲においては、抵抗率の変化ΔRは0〜17%であった。
なお、PVAに代えてポリエチレングリコール(PEG)を、PEDOT:PSS水溶液100重量部に対して20重量部添加した透明導電膜の導電率Sは、同量のPVAを添加した場合と同等であった。
(環境特性評価)
図3は、85°C、常湿における経過時間(単位:時間)に対する透明導電膜の抵抗率の変化ΔR(単位%)の試験結果を示すグラフである。図4は、60°C、95%における経過時間(単位:時間)に対する透明導電膜の抵抗率の変化ΔR(単位%)の試験結果を示すグラフである。
図3は、85°C、常湿における経過時間(単位:時間)に対する透明導電膜の抵抗率の変化ΔR(単位%)の試験結果を示すグラフである。図4は、60°C、95%における経過時間(単位:時間)に対する透明導電膜の抵抗率の変化ΔR(単位%)の試験結果を示すグラフである。
図3、図4に示す環境特性評価は、実施例1、2、比較例1、2のそれぞれについて同じ条件で2回の測定を行った。図3、図4において、実施例1、2、比較例1、2の1回目の測定は■、◆、●、▲でそれぞれ示し、2回目の測定は、□、◇、○、△でそれぞれ示している。
環境特性評価のためのサンプルは、透明導電膜を短冊状(1.5cm×7.0cm)にカットしたものであって、長手方向両端に銀ペースト電極をそれぞれ形成している。また、このサンプルは、140°Cで10分間のアニール処理を施している。
図3に示す高温(85°C)試験においては、時間の経過に伴って抵抗値変化ΔRが上昇している。経過時間に対する抵抗値変化ΔRの傾きは、比較例1及び比較例2よりも実施例1及び実施例2の方が小さくなっており、PVAを添加した効果が見られる。これは、添加したPVAがC剤とのクロスリンク反応で、より強力な3次元ネットワークを形成しているためである。
実施例1と実施例2を比べると、実施例1の方が経過時間に対する抵抗値変化ΔRの傾きが小さくなっており、PEDOT:PSS水溶液100重量部に対するPVAの添加量は40重量部より20重量部の方が好ましいことが示されている。
一方、PVAに代えてPEGを添加した比較例2では、PVAとPEGのいずれも添加していない比較例1よりも、経過時間に対する抵抗値変化ΔRの傾きが大きくなっている。これは、PEGがC剤と反応しないため、吸湿性が高まって脆弱な膜となり高温環境下において抵抗値変化が大きくなったものである。
図4に示す高温高湿(60°C、湿度95%)の試験においては、図3に示す結果と同様に、時間の経過に伴って抵抗値変化ΔRが上昇している。
また、PVAに代えてPEGを添加した比較例2では、経過時間に対する抵抗値変化ΔRの傾きが、図3に示す常湿の場合よりも大きくなっており、この膜の吸湿性の高さを示している。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
本発明は、高い導電率を維持しつつ耐環境性を高めたインク組成物を実現できるという効果を有し、特に、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパー等に用いられる透明電極及び電磁波シールド等、各種透明導電膜を用いたデバイスに適用可能である。
Claims (7)
- (A)極性有機溶媒である導電率向上エンハンサが添加された、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液と、
(B)エポキシ系クロスリンク剤と、
(C)ポリビニルアルコールと、
を含むインク組成物であって、
前記(B)の含有量は、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して75〜150重量部であり、
前記(C)の含有量は、前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の固形分100重量部に対して10〜40重量部である
ことを特徴とするインク組成物。 - 前記導電率向上エンハンサはジメチルスルホキシドであることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
- 前記導電率向上エンハンサはグリコールであることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
- 前記導電率向上エンハンサはジエチレングリコールであることを特徴とする請求項3に記載のインク組成物。
- 前記(C)の分子量は7,000〜40,000であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて得られたことを特徴とする透明導電膜。
- 請求項6に記載の透明導電膜を備えたことを特徴とする電子部品。
Priority Applications (1)
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JP2013168008A JP2015036400A (ja) | 2013-08-13 | 2013-08-13 | インク組成物、透明導電膜、及び電子部品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021147564A (ja) * | 2020-03-23 | 2021-09-27 | 東ソー・ファインケム株式会社 | 導電性ポリマー水性分散液、導電性ポリマー塗膜及びその製造方法 |
CN116478577A (zh) * | 2023-04-28 | 2023-07-25 | 陕西科技大学 | 一种通过聚合物稳定的直写导电墨水及其制备与应用方法 |
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2013
- 2013-08-13 JP JP2013168008A patent/JP2015036400A/ja active Pending
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