以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るトイレ用案内装置を設置したトイレ室を模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ用案内装置10は、トイレ室TRに設置して使用される。トイレ用案内装置10は、トイレ室TRに関する情報を音声又は画像で案内する。これにより、外国人や視覚障がい者の方など、トイレ室TRの使い方が分からずに不安な方にも、安心してトイレ室TRを使用させることができる。
トイレ室TRは、例えば公共施設のトイレ室である。トイレ室TRは、多目的トイレや多機能トイレなどの独立した1つの部屋である。トイレ室TRは、パーティションなどで仕切られた状態で1つの部屋に並べて設けられる、いわゆるトイレブースでもよい。
トイレ室TRには、トイレ用案内装置10の他に、例えば大便器12、手洗器16、18、ベビーチェア20、小便器22、及び汚物流しユニット24などの機器が設置されている。また、図示しないハンドドライヤーやベビーシートなどの機器が設けられていてもよい。但し、トイレ室TRに設置される機器は、これらに限ることなく、任意の機器でよい。これらの機器は、例えばトイレ室TRの壁側に設けられたライニング30に並べて配置される。ライニング30は、キャビネットやケーシングなどと呼ばれる場合もある。トイレ室TRは、ライニング30が設けられていない壁側に、トイレ室TRの出入口2を有する。出入口2には、例えば、開閉式のドア4が設けられる。
大便器12は、下方に向けて窪んだボウル部を有する便器本体13と、便器本体13の上に取り付けられた便座装置14と、を備えている。便器本体13は、ボウル部において使用者Uの尿や便などの排泄物を受ける。すなわち、大便器12は、洋式腰掛大便器である。
便座装置14は、便座14aを有する。便座装置14の上方には、例えば、便座14aに着座した使用者Uの背中を受ける背もたれ15が設けられる。便座装置14は、便器本体13に対して一体的に取り付けてもよいし、便器本体13に対して着脱可能に取り付けてもよい。
便座装置14は、例えば、便座14aに着座した使用者Uの「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などを有する。便座装置14は、例えば、衛生洗浄装置である。便座装置14は、便座14aの着座面を温める暖房機能を有する暖房便座装置などでもよい。また、大便器12は、必ずしも便座装置14を備えていなくてもよい。便座14aは、例えば、便器本体13の上に直接的に取り付けられた通常便座でもよい。
手洗器16、18は、大便器12や小便器22で用を足した使用者Uなどが手を洗うものである。ベビーチェア20は、大便器12の側方に設けられ、保護者が大便器12などを利用する際などに、一時的に乳幼児を座らせておけるようにするための椅子である。また、小便器22は、使用者Uの尿を受けるもので、ベビーチェア20の側方に設けられている。そして、汚物流しユニット24は、小便器22の側方に設けられ、オストメイトの方が排泄物などの汚物を処理するための器具である。
ライニング30は、例えば、L字状であり、矩形状のトイレ室TRの隣接する2つの壁面W1、W2に面して設置される。ライニング30は、例えば、壁面W1と同じ方向を向く第1側面30aと、第1側面30aと隣接して設けられ壁面W2と同じ方向を向く第2側面30bと、を有する。
大便器12は、例えば、ライニング30の第2側面30bに寄せて第1側面30aに取り付けられる。この例において、大便器12は、いわゆる壁掛け式の大便器である。大便器12は、例えば、第1側面30a及び第2側面30bに寄せて配置される床置き式の大便器などでもよい。
ライニング30の第2側面30bには、呼出ボタン32、操作リモコン34、便器洗浄ボタン36などが設けられている。呼出ボタン32は、緊急時などに異常事態の発生を外部に連絡するための操作部である。操作リモコン34は、身体洗浄機能部の動作などを便座装置14に指示するための操作部である。操作リモコン34は、例えば止めボタン、おしり洗浄ボタン、ビデ洗浄ボタンなどの複数の操作ボタンを有する。便器洗浄ボタン36は、大便器12を洗浄するための操作部である。便器洗浄ボタン36を操作することにより、大便器12のボウル部に洗浄水が供給され、大便器12のボウル部が洗浄される。
また、ライニング30の第2側面30bには、トイレットペーパーを保持するための紙巻器38がさらに設けられている。紙巻器38は、例えば便器洗浄ボタン36の下方に配置されている。
呼出ボタン32、操作リモコン34、便器洗浄ボタン36、及び紙巻器38は、大便器12に着座した使用者Uの手が届く範囲に配置される。大便器12の側端と第2側面30bとの間の距離は、例えば、60cm以下であることが好ましい。これにより、呼出ボタン32、操作リモコン34、便器洗浄ボタン36、及び紙巻器38に対して、大便器12に着座した使用者Uの手を届き易くすることができる。
呼出ボタン32、操作リモコン34、便器洗浄ボタン36、及び紙巻器38は、ライニング30の第2側面30bに限ることなく、例えば、トイレ室TRの壁面W2などに取り付けてもよい。呼出ボタン32、操作リモコン34、便器洗浄ボタン36、及び紙巻器38の取付位置は、大便器12に着座した使用者Uの手が届く任意の位置でよい。
図2は、第1の実施形態に係るトイレ用案内装置を模式的に表すブロック図である。
図1及び図2に表したように、トイレ用案内装置10は、本体部50と、操作部52と、を備える。本体部50は、音声出力部60と、制御部61と、通信部62と、を有する。
音声出力部60は、音声の出力を行う。音声出力部60は、例えば、スピーカである。音声出力部60は、制御部61と接続され、制御部61から入力される音声信号に基づき、特定の音声をトイレ室TR内に出力する。
このように、本体部50は、音声出力部60を有する。本体部50は、音声出力部60から音声を出力することにより、トイレ室TRに関する情報を音声で案内する。トイレ室TRに関する情報とは、より具体的には、トイレ室TRの使用方法に関する情報である。
トイレ室TRに関する情報は、例えば、大便器12への座り方の情報を含む。これにより、大便器12に不慣れな使用者Uが、通常と異なる姿勢で大便器12を使用してしまうことを抑制することができる。便座14aに対して正しい姿勢で使用者Uを便座14aに座らせることができる。例えば、便座14aの上に足を載せるようにしてしゃがみ、便座14aを破損させてしまうことを抑制することができる。あるいは、便座14aに座らずに、便座14aの上に跨るようにして排泄を行い、便座14aや大便器12の周囲などに排泄物を付着させてしまうことを抑制することができる。
トイレ室TRに関する情報は、例えば、使用後のトイレットペーパーの捨て方の情報を含む。これにより、使用後のトイレットペーパーを適切に大便器12に捨てさせることができる。例えば、便器の詰まりを抑制するために、使用後のトイレットペーパーを便器に流さずに、周囲に用意されたゴミ箱などに捨てる慣習を有する地域もある。こうした地域に居住する使用者Uが、自身の慣習に基づいて、使用後のトイレットペーパーを大便器12の周囲などに捨ててしまうことを抑制することができる。
トイレ室TRに関する情報は、例えば、大便器12の流し方の情報を含む。これにより、大便器12に不慣れな使用者Uが、大便器12の流し方が分からずに困ってしまったり、自動的に便器洗浄が行われて驚いてしまったりすることを抑制することができる。
例えば、便座装置14が身体洗浄機能部を有する場合には、トイレ室TRに関する情報は、身体洗浄機能部の機能の情報、及び操作リモコン34の操作方法の情報を含む。これにより、例えば、身体洗浄機能部を知らない使用者Uにも、身体洗浄機能部を適切に使用させることができる。
また、トイレ室TRに関する情報は、例えば、トイレ室TRに設置された機器の配置の情報を含む。本体部50(トイレ用案内装置10)は、例えば、呼出ボタン32、操作リモコン34、便器洗浄ボタン36、及び紙巻器38の配置を音声で案内する。機器の配置の情報は、例えば、手洗器16、18、ベビーチェア20、小便器22、及び汚物流しユニット24などの配置の情報を含んでもよい。これにより、例えば、視覚障がい者の使用者Uにも、各機器の配置を適切に伝えることができる。
トイレ室TRに関する情報は、例えば、上記の各情報の少なくともいずれかを含む。上記のような情報を音声で案内することにより、トイレ室TRに不慣れな使用者Uや視覚障がい者の使用者Uにも、トイレ室TRを快適に使用させることができる。但し、トイレ室TRに関する情報は、上記の各情報に限ることなく、トイレ室TRの使用方法や注意事項などに関する任意の情報でよい。
本体部50は、例えば、大便器12の近傍に設けられる。本体部50は、例えば、大便器12と隣接するようにライニング30の第1側面30aに設けられる。これにより、音声による案内を便座14aに着座した使用者Uに聞き取り易くすることができる。但し、本体部50の取付位置は、上記に限ることなく、音声による案内を使用者Uに適切に聞かせることができる任意の位置でよい。
操作部52は、通信部70と、表示部71と、入力部72と、を有する。通信部70は、本体部50の通信部62と通信を行う。通信部62及び通信部70は、双方向に通信を行い、各種の情報を互いに送受する。なお、本体部50と操作部52との間の通信は、無線でもよいし、有線でもよい。
表示部71は、画像の表示を行う。表示部71は、例えば、動画像の表示を行う。表示部71は、例えば、複数の静止画像を切り替えて表示してもよい。表示部71には、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの周知の表示装置が用いられる。
表示部71は、通信部62、70を介して本体部50の制御部61と通信を行う。表示部71は、制御部61から出力された画像信号を通信部62、70を介して受け、制御部61から入力される画像信号に基づき、動画像又は静止画像を画面に表示する。
このように、操作部52は、表示部71を有する。操作部52は、表示部71に画像を表示することにより、トイレ室TRに関する情報を画像で案内する。このように、トイレ用案内装置10は、本体部50と操作部52とを備え、トイレ室TRに関する情報を音声で案内するとともに、画像でも案内する。これにより、トイレ室TRに関する情報を、より確実に使用者Uに伝えることができる。例えば、耳の不自由な使用者Uなどに対しても、トイレ室TRに関する情報を伝えることができる。従って、より多様な使用者Uにトイレ室TRを快適に使用させることができる。
入力部72は、使用者Uの操作を受け付ける。入力部72は、通信部62、70を介して制御部61と通信を行い、使用者Uの操作に応じた操作情報を制御部61に入力する。入力部72は、例えば、表示部71の前面に重ねて設けられ、表示部71の画面に対する使用者Uのタッチ操作を検知するタッチパネルである。入力部72は、使用者Uのタッチ操作の検知結果を操作情報として制御部61に入力する。操作部52は、例えば、タブレット端末である。
但し、操作情報を入力するための入力部72は、タッチパネルに限ることなく、押しボタン式のスイッチなどでもよい。入力部72の構成は、使用者Uの操作に応じた操作情報を制御部61に入力可能な任意の構成でよい。また、押しボタン式のスイッチなどを入力部72として用いる場合には、表示部71は、操作部52と別に設けてもよい。表示部71は、例えば、本体部50及び操作部52と別に設けられた表示装置などでもよい。
操作部52は、例えば、便座14aに着座した使用者Uが表示部71を見易く、かつ便座14aに着座した使用者Uが入力部72を操作し易い位置に配置される。操作部52は、例えば、大便器12の側方の壁面W2に設けられる。この場合、大便器12の側端と壁面W2との間の距離は、例えば、60cm以下であることが好ましい。これにより、便座14aに着座した使用者Uに入力部72を操作し易くさせることができる。
但し、操作部52の取付位置は、これに限ることなく、便座14aに着座した使用者Uが表示部71を見易く、かつ便座14aに着座した使用者Uが入力部72を操作し易い任意の位置でよい。操作部52は、例えば、ライニング30の第2側面30bなどに設けてもよい。また、表示部71と入力部72とを別の部材として設ける場合には、表示部71は、便座14aに着座した使用者Uから見易い位置に配置することが好ましく、入力部72は、便座14aに着座した使用者Uから操作し易い位置に配置することが好ましい。
本体部50の制御部61は、入力部72から入力される操作情報を基に、音声出力部60及び表示部71の動作を制御する。
この例では、本体部50に設けられた音声出力部60及び操作部52に設けられた表示部71が、音声の出力及び画像の表示の少なくとも一方によってトイレ室TRに関する情報を案内する通常案内モードと、音声の出力によってトイレ室TRに関する情報を案内する音声案内モードと、を実行可能な案内部として機能する。
通常案内モードは、例えば、音声出力部60から音声を出力するとともに、表示部71に画像を表示することによって、トイレ室TRに関する情報を案内するモードである。但し、通常案内モードは、音声出力部60から音声を出力することによって、トイレ室TRに関する情報を案内するモードでもよいし、表示部71に画像を表示することによって、トイレ室TRに関する情報を案内するモードでもよい。
通常案内モードを、音声出力部60から音声を出力することによって、トイレ室TRに関する情報を案内するモードとする場合には、表示部71を省略してもよい。表示部71は、必要に応じて設けられ、省略可能である。案内部は、少なくとも音声出力部60を有していればよい。
図3は、第1の実施形態に係る操作部を模式的に表す平面図である。
図3に表したように、操作部52は、ケース部73を有する。ケース部73は、例えば、略矩形の箱状である。通信部70、表示部71、及び入力部72は、ケース部73に設けられる。通信部70は、例えば、ケース部73の内部に設けられる。
表示部71及び入力部72は、例えば、ケース部73の前面に設けられる。ケース部73は、例えば、図示を省略した基板など、表示部71及び入力部72の一部を内部に収容する。表示部71及び入力部72は、例えば、ケース部73の前面の全体に設けてもよい。この場合、ケース部73は、背面カバーなどと呼ばれる場合もある。但し、表示部71及び入力部72を設ける位置は、ケース部73の前面に限ることなく、ケース部73の上面など、ケース部73の任意の位置でよい。
制御部61は、画像信号を表示部71に入力することにより、操作画面80を表示部71に表示する。
図3に表したように、操作画面80は、例えば、複数の言語選択ボタン81〜84と、情報表示部85と、停止ボタン86と、を有する。言語選択ボタン81〜84は、使用者Uが所望の言語を選択できるようにする。この例では、日本語、英語、中国語、及び韓国語を選択するための言語選択ボタン81〜84を一例として示している。選択可能な言語は、これらに限ることなく、任意の言語でよい。また、選択可能な言語の数は、4つに限ることなく、任意の数でよい。
入力部72は、言語選択ボタン81〜84のいずれかに対するタッチ操作を検知した際に、タッチ操作された言語選択ボタン81〜84に対応する言語の操作情報を制御部61に入力する。このように、入力部72は、言語選択に関する操作情報を制御部61に入力する。
制御部61は、入力された操作情報を基に、選択された言語を識別する。そして、制御部61は、選択された言語を識別した後、選択された言語の音声を音声出力部60から出力することにより、トイレ室TRに関する情報を選択された言語の音声で案内する。これにより、多様な言語の使用者Uに対してトイレ室TRに関する情報を伝え、トイレ室TRを快適に使用させることができる。
このように、制御部61は、言語選択に関する操作情報の入力に基づいて、トイレ室TRに関する情報の案内を開始する。従って、言語選択に関する操作情報は、案内の開始に関する操作情報と言うこともできる。入力部72は、案内の開始に関する操作情報を制御部61に入力すると言うこともできる。
情報表示部85は、トイレ室TRに関する情報に対応する画像を表示する。制御部61は、使用者Uの状況などに応じた種々の画像を情報表示部85に表示することにより、トイレ室TRに関する情報を画像で案内する。制御部61は、例えば、ピクトグラムや文字などを用いることにより、トイレ室TRに関する情報を画像で案内する。図3では、一例として、大便器12への座り方の情報を画像で案内した例を表している。また、制御部61は、情報表示部85に文字を表示する場合には、言語選択ボタン81〜84で選択された言語の文字を表示する。これにより、多様な言語の使用者Uに対してトイレ室TRに関する情報を、より確実に伝えることができる。
停止ボタン86は、音声又は画像による案内が行われている場合に、使用者Uが案内を停止できるようにする。入力部72は、停止ボタン86に対するタッチ操作を検知した際に、案内の停止に関する操作情報を制御部61に入力する。制御部61は、案内の停止に関する操作情報の入力に応じて、音声又は画像による案内を停止する。これにより、使用者Uの要望に応じて案内を停止することができ、トイレ用案内装置10の利便性をより向上させることができる。例えば、消音ボタンなどを設けることにより、音声による案内のみを停止できるようにしてもよい。
操作部52は、入力部72を操作して操作情報を入力する通常操作と、ケース部73及び入力部72を手探りで触る手探り操作と、を検知可能である。通常操作は、例えば、言語選択ボタン81〜84、及び停止ボタン86に対するタッチ操作である。手探り操作は、例えば、視覚障がい者の方などが、ケース部73及び入力部72を触り、手探りでものを確かめようとする操作である。
入力部72がタッチパネルである場合、手探り操作は、例えば、入力部72の複数の箇所を同時に触る操作、入力部72を短時間に複数回触る操作、入力部72の言語選択ボタン81〜84以外の箇所を触る操作、あるいは、入力部72を線状に触る操作などである。制御部61は、例えば、上記のいずれかに対応する操作情報が入力部72から入力された際に、手探り操作を検知する。
通常操作の場合には、言語選択ボタン81〜84のいずれかに対応する入力部72の1つの箇所がタッチ操作される。入力部72の複数の箇所が同時に触られた場合には、視覚障がい者の方などが、操作部52を手探りで触り、片方の手の掌や指、あるいは両手などで入力部72の複数の箇所を同時に触った可能性が高い。従って、入力部72の複数の箇所を同時に触るタッチ操作が入力された場合には、手探り操作であると検知することができる。制御部61は、複数の箇所を同時に触る操作情報を入力部72から入力された際に、手探り操作を検知する。
また、通常操作の場合には、言語選択ボタン81〜84のいずれかに対応する入力部72の1つの箇所が1回タッチ操作される。入力部72が1秒〜3秒程度の短い時間の間に複数回触られた場合には、視覚障がい者の方などが、手を前後や左右などに動かしながら、操作部52を手探りで触った可能性が高い。従って、入力部72を短時間に複数回触るタッチ操作が入力された場合には、手探り操作であると検知することができる。制御部61は、入力部72を短時間に複数回触る操作情報を入力部72から入力された際に、手探り操作を検知する。
また、通常操作の場合には、言語選択ボタン81〜84のいずれかに対応する入力部72の箇所がタッチ操作される。情報表示部85や停止ボタン86、及び各ボタン以外の部分など、言語選択ボタン81〜84以外の箇所が触られた場合には、視覚障がい者の方などが、言語選択ボタン81〜84などを認識することなく、操作部52を手探りで触った可能性が高い。従って、入力部72の言語選択ボタン81〜84以外の箇所を触るタッチ操作が入力された場合には、手探り操作であると検知することができる。制御部61は、入力部72の言語選択ボタン81〜84以外の箇所を触る操作情報を入力部72から入力された際に、手探り操作を検知する。
また、通常操作の場合には、言語選択ボタン81〜84のいずれかに対応する入力部72の箇所が指などで点状にタッチ操作される。入力部72が線状に触られた場合には、視覚障がい者の方などが、画面上をさするように手を上下や左右などに動かし、操作部52を手探りで触った可能性が高い。従って、入力部72を線状に触るタッチ操作が入力された場合には、手探り操作であると検知することができる。制御部61は、入力部72を線状に触る操作情報を入力部72から入力された際に、手探り操作を検知する。
但し、手探り操作の検知の方法は、上記に限定されるものではない。例えば、入力部72をタッチパネルとした場合、手探り操作の検知の方法は、タッチ操作に基づいて視覚障がい者の方などの手探りを検知可能な任意の方法でよい。例えば、通常操作と異なるタッチ操作が行われた場合に、手探り操作を検知してもよい。
図4は、第1の実施形態に係るトイレ用案内装置の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
入力部72は、使用者Uのタッチ操作を検知した際に、タッチ操作に対応した操作情報を制御部61に入力する。制御部61は、入力部72から操作情報の入力を受けたか否かを判定する(図4のステップS101)。
制御部61は、操作情報の入力を受けると、入力された操作情報を基に、通常操作か否かを判定する(図4のステップS102)。
制御部61は、通常操作と判定した場合、音声出力部60から音声を出力するとともに、表示部71に画像を表示することにより、音声出力部60及び表示部71に通常案内モードによる案内を実行させる(図4のステップS103)。換言すれば、制御部61は、操作部52の通常操作の検知に応じて音声出力部60及び表示部71(案内部)に通常案内モードを実行させる。通常案内モードでは、制御部61が、入力された操作情報を基に、言語選択ボタン81〜84で選択された言語を識別し、選択された言語の音声及び画像で案内が行われる。
制御部61は、必要な情報の案内を終えたこと、もしくは停止ボタン86に対するタッチ操作が行われたことに応じて、通常案内モードによる案内を終了する(図4のステップS104)。
一方、制御部61は、ステップS102で通常操作ではないと判定した場合、続いて、入力された操作情報を基に、手探り操作か否かを判定する(図4のステップS105)。
制御部61は、手探り操作と判定した場合、音声出力部60から音声を出力することにより、音声出力部60に音声案内モードによる案内を実行させる(図4のステップS106)。換言すれば、制御部61は、操作部52の手探り操作の検知に応じて音声出力部60(案内部)に音声案内モードを実行させる。音声案内モードでは、例えば、日本語など、予め設定された言語の音声で案内が行われる。
制御部61は、例えば、音声案内モードにおける案内の内容を通常案内モードにおける案内の内容と異ならせる。通常案内モードでは、大便器12への座り方や使用後のトイレットペーパーの捨て方などのトイレ室TRの使用方法に関する情報の案内を優先して行う。これにより、外国人の使用者Uなどに対してトイレ室TRの使用方法を適切に案内することができる。
一方、音声案内モードでは、ライニング30に配設された機器の配置や操作リモコン34に設けられた各種のボタンの配置など、トイレ室TRに設置された機器の配置の情報の案内を優先して行う。これにより、視覚障がい者の使用者Uなどに対してトイレ室TRの機器の配置を適切に案内することができる。
このように、制御部61は、例えば、音声案内モードでは、トイレ室TRに設置された機器の配置の情報を、トイレ室TRの使用方法に関する情報よりも優先して案内し、通常案内モードでは、トイレ室TRの使用方法に関する情報を、トイレ室TRに設置された機器の配置の情報よりも優先して案内する。但し、音声案内モードにおける案内の内容は、通常案内モードにおける案内の内容と同じでもよい。
制御部61は、必要な情報の案内を終えたこと、もしくは停止ボタン86に対するタッチ操作が行われたことに応じて、音声案内モードによる案内を終了する(図4のステップS107)。
なお、制御部61は、入力された操作情報が通常操作でも手探り操作でもないと判定した場合には、例えば、案内を行うことなく、次の操作情報の入力を待機する。前述のように、制御部61は、通常操作ではないと判定したことに応答して、音声案内モードによる案内を開始してもよい。
以上、説明したように、本実施形態に係るトイレ用案内装置10では、操作部52の通常操作の検知に応じて音声出力部60及び表示部71に通常案内モードを実行させることにより、急な音声で使用者Uを驚かせてしまうことを抑制することができる。そして、操作部52の手探り操作の検知に応じて音声出力部60に音声案内モードを実行させることにより、視覚障がい者の方などに対して音声による案内を行うことができる。従って、トイレ室TRに関する情報をより快適かつより確実に使用者Uに案内することができるトイレ用案内装置10を提供することができる。
図5は、第1の実施形態に係るトイレ用案内装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、この例において、本体部50は、音声入力部63をさらに有する。なお、以下の説明において、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
音声入力部63は、入力された音声を電気信号に変換し、変換後の電気信号を制御部61に入力する。音声入力部63は、例えば、マイクロフォンである。音声入力部63は、例えば、使用者Uの発した言葉を電気信号に変換し、制御部61に入力する。制御部61は、例えば、音声入力部63から入力された電気信号を基に、使用者Uの発した言葉の内容を認識するとともに、認識した言葉の内容から使用者Uの発した言葉の言語を識別する。
図6は、第1の実施形態に係るトイレ用案内装置の動作の変形例を模式的に表すフローチャートである。
図6のステップS201〜S206の動作は、図4に関して説明したステップS101〜S106の動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
この例において、制御部61は、音声案内モードを実行した後、案内を開始する前に、まず言語識別用の音声を音声出力部60から出力する(図6のステップS207)。制御部61は、例えば、「音声案内を開始します。日本語での案内を希望される場合は、日本語と言ってください。」などのように、使用者Uに言語を識別するための言葉を発してもらうための音声を音声出力部60から出力する。制御部61は、こうした音声を日本語、英語、中国語、韓国語などの複数の言語で音声出力部60から出力する。
言語識別用の音声が音声出力部60から出力された後、使用者Uが所望する言語の言葉を発すると、音声入力部63が使用者Uの発した言葉を受け、使用者Uの発した言葉に対応する電気信号を制御部61に入力する(図6のステップS208)。
制御部61は、使用者Uの発した言葉に対応する電気信号の入力を受けると、入力された電気信号を基に、使用者Uの言語を識別する(図6のステップS209)。
制御部61は、使用者Uの言語を識別した後、識別した言語の音声を音声出力部60から出力することにより、トイレ室TRに関する情報の案内を開始する(図6のステップS210)。制御部61は、必要な情報の案内を終えたことに応じて、音声案内モードによる案内を終了する(図6のステップS211)。
このように、この例では、音声入力部63を設けることにより、音声案内モードを実行する際に、音声の入力によって使用者Uの所望の言語を選択できるようにする。これにより、外国人の視覚障がい者の方などにも、適切にトイレ室TRに関する情報を案内することができる。従って、より多様な使用者Uにトイレ室TRを快適に使用させることができる。
図7は、表示部に表示する操作画面の変形例を模式的に表す説明図である。
図7に表したように、この例では、操作画面80において、言語選択ボタン81〜84が、案内開始ボタン87に置き換えられている。
入力部72は、案内開始ボタン87に対するタッチ操作を検知した際に、案内の開始に関する操作情報を制御部61に入力する。制御部61は、例えば、案内の開始に関する操作情報の入力を受けたことに応答して、予め設定された言語の音声を音声出力部60から出力するとともに、所定の画像を表示部71に表示することにより、音声出力部60及び表示部71に通常案内モードによる案内を実行させる。
このように、入力部72は、案内の開始に関する操作情報を制御部61に入力する構成でもよい。トイレ用案内装置10は、複数の言語による案内を行うものに限ることなく、予め設定された1つの言語による案内を行うものでもよい。
トイレ用案内装置10は、例えば、複数の言語選択ボタン81〜84と案内開始ボタン87とを操作画面80に設け、複数の言語選択ボタン81〜84のいずれかを操作して言語を選択した後、案内開始ボタン87を操作して案内の開始を指示する構成としてもよい。入力部72の構成は、言語選択に関する操作情報と、案内の開始に関する操作情報と、を制御部61に入力する構成としてもよい。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係るトイレ用案内装置を模式的に表すブロック図である。
図8に表したように、この例において、本体部50は、人体検知センサ64をさらに有する。
人体検知センサ64は、トイレ室TRの使用者Uを検知する。人体検知センサ64は、使用者Uのトイレ室TRへの入室、使用者Uの大便器12の近傍への移動、および使用者Uのトイレ室TRからの退室などの使用者Uの特定の状態を検知する。これにより、人体検知センサ64は、使用者Uのトイレ室TRへの入室又は使用者Uの接近を表す検知情報を取得する。この例において、人体検知センサ64は、使用者Uのトイレ室TRへの入室を表す入室情報と、使用者Uの接近を表す接近情報と、を取得する。接近情報は、より詳しくは、例えば、使用者Uが入室を検知する位置よりも本体部50(人体検知センサ64)に接近したことを表す情報である。
人体検知センサ64には、例えばマイクロ波センサを用いることができる。なお、人体検知センサ64は、例えば赤外線投受光式の測距センサ、焦電センサなどを用いてもよい。人体検知センサ64は、1つのセンサなどで構成してもよいし、複数のセンサなどを組み合わせて構成してもよい。人体検知センサ64は、例えば使用者Uの複数の状態に対応した複数のセンサなどを有してもよい。人体検知センサ64は、制御部61に接続され、検知情報(入室情報及び接近情報)を制御部61に入力する。この例では、人体検知センサ64が、使用者Uのトイレ室TRへの入室を表す入室情報と、使用者Uの接近を表す接近情報と、を取得する情報取得部として機能する。
図9は、第2の実施形態に係るトイレ用案内装置の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
人体検知センサ64は、使用者Uのトイレ室TRへの入室を検知した際に、入室情報を制御部61に入力する。制御部61は、人体検知センサ64から入室情報の入力を受けたか否かを判定する(図9のステップS301)。
制御部61は、入室情報の入力を受けると、続けて、入室情報の入力のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する(図9のステップS302)。
人体検知センサ64は、使用者Uのトイレ室TRへの入室を検知した後、使用者Uの接近を検知した際に、接近情報を制御部61に入力する。制御部61は、所定時間が経過していないと判定した場合、続けて、人体検知センサ64から接近情報の入力を受けたか否かを判定する(図9のステップS303)。
制御部61は、接近情報の入力を受けていない場合には、ステップS302の処理に戻る。一方、制御部61は、接近情報の入力を受けた場合には、入力部72からの操作情報の入力を待機する(図9のステップS304)。以下、ステップS304〜ステップS310の動作は、図4に関して説明したステップS101〜S107の動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は、省略する。すなわち、制御部61は、入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力された場合には、通常操作の検知に応じて通常案内モードを実行し、手探り操作の検知に応じて音声案内モードを実行する。
制御部61は、ステップS302において、所定時間が経過したと判定した場合には、手探り操作と判定した場合と同様に、音声出力部60から音声を出力することにより、音声出力部60に音声案内モードによる案内を実行させる(図9のステップS302からステップS309)。
このように、この例では、制御部61が、入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力されなかった場合に、音声出力部60(案内部)に音声案内モードを実行させる。所定時間は、例えば、30秒以上1分以下程度である。
入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力されなかった場合、すなわち、入室から接近までに時間がかかっている場合には、視覚障がい者の使用者Uやトイレ室TRの使用方法が分からずに困っている使用者Uである可能性が高い。従って、このトイレ用案内装置10によれば、入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力されなかった場合に、音声出力部60に音声案内モードを実行させることにより、視覚障がい者の方などに対して、より確実に音声による案内を行うことができる。
なお、入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力された場合には、視覚障がい者の方ではない可能性が高い。従って、入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力された場合には、必ずしも手探り操作の検知を行わなくてもよい。入室情報の入力から所定時間以内に接近情報が入力されたか否かを判定する場合には、操作部52は、必ずしも手探り操作を検知可能でなくてもよい。
図10は、第2の実施形態に係るトイレ用案内装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図10に表したように、この例では、トイレ用案内装置10の本体部50から人体検知センサ64が省略され、便座装置14に人体検知センサ90と通信部92とが設けられている。
人体検知センサ90は、トイレ室TRの使用者Uを検知する。人体検知センサ90には、人体検知センサ64と同様のものを用いることができる。人体検知センサ90は、使用者Uの検知情報(入室情報及び接近情報)を通信部92に入力する。
通信部92は、人体検知センサ90と通信を行い、人体検知センサ90から検知情報の入力を受けるとともに、トイレ用案内装置10の本体部50の通信部62と通信を行い、人体検知センサ90から入力された検知情報を本体部50の通信部62に入力する。
通信部62は、便座装置14の通信部92と通信を行い、通信部92から検知情報を取得する。そして、通信部62は、取得した検知情報を制御部61に入力する。
このように、この例では、通信部62が、入室情報と接近情報とを取得する情報取得部として機能する。情報取得部は、トイレ室TRの使用者Uを検知する人体検知センサ64に限ることなく、便座装置14などの外部の機器から入室情報及び接近情報を取得する通信部62でもよい。
なお、この例では、通信部62が操作部52及び便座装置14と通信を行っている。便座装置14と通信を行う通信部は、操作部52と通信を行う通信部と別にしてもよい。また、検知情報を取得する外部の機器は、便座装置14に限ることなく、例えば、便座装置14及びトイレ用案内装置10の双方と通信を行うサーバなどでもよい。
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係るトイレ用案内装置を模式的に表すブロック図である。 図11に表したように、この例において、本体部50は、着座検知センサ65をさらに有する。
着座検知センサ65は、使用者Uが大便器12に着座する直前において便座14aの上方に存在する人体や、便座14aに着座した使用者Uを検知する。これにより、着座検知センサ65は、使用者Uの便座14aへの着座を表す着座情報を取得する。このような着座検知センサ65としては、例えば赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。なお、着座検知センサ65は、例えばマイクロ波センサ、焦電センサなどを用いてもよい。着座検知センサ65は、使用者Uの着座の検知に応答して、着座情報を制御部61に入力する。
この例では、人体検知センサ64及び着座検知センサ65が、使用者Uのトイレ室TRへの入室又は使用者Uの接近を表す検知情報と、使用者Uの便座14aへの着座を表す着座情報と、を取得する情報取得部として機能する。この例において、人体検知センサ64の取得する検知情報は、入室情報及び接近情報の両方でもよいし、いずれか一方のみでもよい。
図12は、第3の実施形態に係るトイレ用案内装置の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
人体検知センサ64は、使用者Uのトイレ室TRへの入室又は使用者Uの接近を検知した際に、検知情報を制御部61に入力する。制御部61は、人体検知センサ64から検知情報の入力を受けたか否かを判定する(図12のステップS401)。
制御部61は、検知情報の入力を受けると、続けて、検知情報の入力のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する(図12のステップS402)。
着座検知センサ65は、使用者Uの便座14aへの着座を検知した際に、着座情報を制御部61に入力する。制御部61は、所定時間が経過していないと判定した場合、続けて、着座検知センサ65から着座情報の入力を受けたか否かを判定する(図12のステップS403)。
制御部61は、着座情報の入力を受けていない場合には、ステップS402の処理に戻る。一方、制御部61は、着座情報の入力を受けた場合には、入力部72からの操作情報の入力を待機する(図12のステップS404)。以下、ステップS404〜ステップS410の動作は、図4に関して説明したステップS101〜S107の動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は、省略する。すなわち、制御部61は、検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力された場合には、通常操作の検知に応じて通常案内モードを実行し、手探り操作の検知に応じて音声案内モードを実行する。
制御部61は、ステップS402において、所定時間が経過したと判定した場合には、手探り操作と判定した場合と同様に、音声出力部60から音声を出力することにより、音声出力部60に音声案内モードによる案内を実行させる(図12のステップS402からステップS409)。
このように、この例では、制御部61が、検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力されなかった場合に、音声出力部60(案内部)に音声案内モードを実行させる。所定時間は、例えば、30秒以上1分以下程度である。
検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力されなかった場合、すなわち、入室又は接近から着座までに時間がかかっている場合には、視覚障がい者の使用者Uやトイレ室TRの使用方法が分からずに困っている使用者Uである可能性が高い。従って、このトイレ用案内装置10によれば、検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力されなかった場合に、音声出力部60に音声案内モードを実行させることにより、視覚障がい者の方などに対して、より確実に音声による案内を行うことができる。
なお、検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力された場合には、視覚障がい者の方ではない可能性が高い。従って、検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力された場合には、必ずしも手探り操作の検知を行わなくてもよい。検知情報の入力から所定時間以内に着座情報が入力されたか否かを判定する場合には、操作部52は、必ずしも手探り操作を検知可能でなくてもよい。
この例では、人体検知センサ64及び着座検知センサ65を情報取得部として示している。情報取得部は、人体検知センサ64及び着座検知センサ65に限ることなく、図10に関して説明したように、便座装置14などの外部の機器と通信を行う通信部62でもよい。
便座装置14に着座検知センサを設ける場合にも、着座検知センサには、着座検知センサ65と同様のものを用いることができる。また、便座装置14に着座検知センサを設ける場合、着座検知センサは、例えば、便座14aの動きを検知する機械式のスイッチ、光学センサ、又は磁気センサなどでもよいし、着座にともなう静電容量の変化を検知する静電容量センサなどでもよいし、着座にともなう圧力の変化を検知する圧電センサなどでもよい。
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係る操作部を模式的に表す平面図である。
図13に表したように、この例では、操作部52が、手検知センサ74をさらに有している。手検知センサ74は、ケース部73及び入力部72を触る使用者Uの手を検知する。手検知センサ74は、例えば、ケース部73に設けられる。手検知センサ74は、例えば、ケース部73の外縁に設けられる。手検知センサ74は、例えば、ケース部73の外縁に沿って環状に設けられる。
手検知センサ74には、例えば、手の有る状態と無い状態との静電容量の変化によって使用者Uの手を検知する静電容量センサが用いられる。手検知センサ74は、例えば、手の有る状態と無い状態との圧力の変化によって使用者Uの手を検知する圧電センサや、手で触った際に接点がオンになるメンブレンスイッチなどのシート状の機械式のスイッチなどでもよい。手検知センサ74の構成は、ケース部73及び入力部72を触る使用者Uの手を検知可能な任意の構成でよい。
この例において、操作部52は、言語選択ボタン81〜84、及び停止ボタン86に対するタッチ操作を通常操作として検知する。そして、操作部52は、手検知センサ74による手の検知を手探り操作として検知する。例えば、この例で示すように、ケース部73の外縁に沿って手検知センサ74を設ける場合には、ケース部73の外縁に沿って線状に移動する手を手検知センサ74が検知した際に、手探り操作を検知してもよい。
操作部52がトイレ室TRの壁面W2に設けられている場合、視覚障がい者の方などは、壁面W2と操作部52との境界の段差部分をなぞるように触る可能性がある。従って、上記のように手検知センサ74を設けた場合にも、使用者Uの手探り操作を適切に検知することができる。
このように、使用者Uの手探り操作は、タッチ操作など入力部72の操作情報に基づいて検知してもよいし、手検知センサ74の検知結果に基づいて検知してもよい。例えば、入力部72が機械式のスイッチである場合などには、手検知センサ74を入力部72に設けてもよい。操作部52は、複数の手検知センサ74を有し、複数の手検知センサ74の検知結果に基づいて手探り操作を検知してもよい。手探り操作を検知する構成は、上記に限ることなく、使用者Uの手探り操作を適切に検知可能な任意の構成でよい。
上記各実施形態では、トイレ用案内装置10を本体部50と操作部52とから構成している。トイレ用案内装置10の構成は、これに限ることなく、本体部50と操作部52とを一体化させた一つの装置としてもよい。反対に、人体検知センサ64や入力部72などを独立させ、より多数の部材から構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ用案内装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。