JP2021132191A - 電磁石、磁場印加システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁石1は、先端の磁極33aがX軸方向に沿って離間し、Z軸方向に平行な中心軸CLを中心として互いに軸対称となる一対の第1磁極端部33を有する第1ヨーク30と、第1ヨーク30に巻き付けられる第1コイル31と、中心軸CLと同軸の棒状部位43を有し、棒状部位43の先端の磁極43aがZ軸方向の第1側(+Z)を向く第2ヨーク40と、を有する。第1磁極端部33の先端部の第1側(+Z)の面37は、Y軸方向の両側に配置される一対のテーパ面37aを有する。一対のテーパ面37aはそれぞれ、Y軸方向における中心C1から外側端33bに向かってZ軸方向における第1側(+Z)から第1側(+Z)とは反対側である第2側(−Z)へ向けて傾斜している。
【選択図】図1
Description
以下、本開示の第1実施形態について、図1〜4を用いて説明する。
図1は、磁場印加システムを構成する電磁石1を示す模式的な平面図である。磁場印加システムは、X軸方向及びZ軸方向に平行なXZ面上における任意方向の磁場を印加対象物に印加可能に構成されている。前記任意方向には、Y軸方向は含まれない。磁場印加システムは、図1に示すように、電磁石1と、電磁石1に電流を供給する電流供給部2と、を有する。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する方向であり、発明の説明を容易にするために用いる。電磁石1の向きは使用方法に応じて異なるため、本開示の図面で示す方向に限定されない。
図1及び図2に示すように、電磁石1は、X軸方向成分の磁場を生成するためのX軸用電磁石3と、Z軸方向成分の磁場を生成するためのZ軸用電磁石4と、を有する。
そこで、一対の第1磁極端部33を第2側(−Z)から支持する非磁性体の支持部5が設けられている。支持部5は、第2延在部36又は電磁石1を収容する筐体(非図示)を足場としてもよい。
図5に例示したように、中心軸CLから離れた領域Ar100にY軸方向成分を有する漏れ磁場が発生するが、Y軸方向成分を有する漏れ磁場(磁束)を低減させるために、本実施形態では次の構造を採用している。
図4に示すように、電流供給部2が逆電流モードによる電流供給を実行すれば、X軸用電磁石3だけで中心軸CL上にZ軸方向に沿った磁束mf2を発生させることができる。逆電流モードは、第1方向(+X)に向かう磁束mf1を中心軸CL上に発生させる電流Xi+を第1コイル31に流し、第1方向(+X)とは逆の第2方向(−X)に向かう磁束を中心軸CL上に発生させる電流Xi−を第3コイル32に流すモードである。このように電流を流せば、Z軸方向に沿った磁束mf2が発生する。磁束mf2は、中心軸CL上の所定領域Pにおいて、Z軸方向成分のみを有する。
(1−1)図1に示す実施形態では、Y軸方向において第1磁極端部33の基端側の幅W1よりも先端の幅W2が広いT字状であるが、対象となる磁場印加領域が小さい場合には、これに限定されない。例えば、W1≧W2としてもよい。
この構成によれば、一対のテーパ面が、第1コイル31への通電によって第1磁極端部33対の磁極間に発生するY軸方向成分の漏れ磁場をZ軸方向成分の磁場に変換するので、第1磁極端部33の磁極対から発生するY軸方向成分を有する漏れ磁場を低減可能となる。
この構成によれば、先端の幅W1が広いT字状にすることで、中心軸CL付近のX軸方向成分の磁場強度を確保できる。さらに、中心軸CL付近におけるX軸方向成分の磁場の均一性を向上させることが可能となる。
この構成によれば、第2コイル41に通電することによってZ軸方向成分の磁場の向き及び強度を制御可能となる。また、X軸方向成分とZ軸方向成分とを組み合わせた任意方向の磁場を印加可能になる。
この構成によれば、逆電流モードによって第1ヨーク30によってZ軸方向成分の磁場を発生させることが可能となる。
第1磁極端部33が磁力によって第2側(−Z)に撓むので、支持部5によって第1磁極端部33の撓み変形を防止可能となる。
以下、本開示の第2実施形態について、図6〜8を用いて説明する。第2実施形態は、第1実施形態と異なり、Y軸方向成分を有する漏れ磁場を低減させる課題に対応する実施形態ではない。第2実施形態の実施形態は、X軸方向及びZ軸方向に平行なXZ面上における任意方向の磁場を印加可能に構成された電磁石において、Z軸方向の磁場を強める課題に対応する。
図6は、磁場印加システムを構成する電磁石101を示す模式的な平面図である。磁場印加システムは、X軸方向及びZ軸方向に平行なXZ面上における任意方向の磁場を前記中心軸上に発生させ、印加対象物に印加可能に構成されている。前記任意方向には、Y軸方向は含まれない。磁場印加システムは、図6に示すように、電磁石101と、電磁石101に電流を供給する電流供給部102と、を有する。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する方向であり、発明の説明を容易にするために用いる。電磁石101の向きは使用方法に応じて異なるため、本開示の図面で示す方向に限定されない。
図6及び図7に示すように、電磁石101は、X軸方向成分の磁場を生成するためのX軸用電磁石103と、Z軸方向成分の磁場を生成するためのZ軸用電磁石104と、を有する。
第2実施形態の電磁石101は、Z軸方向の磁場を強くするために、次の構成を採用している。
(1−1)図6〜8に示す実施形態では、第2ヨーク140の先端143bは、第3磁極端部163の第1側(+Z)の面163bよりも、第1側(+Z)に突出しているが、これを変更可能である。例えば、下記構成A及び構成Bが考えられる。
構成Aは、第2ヨーク140の先端143bと、第3磁極端部163の第1側(+Z)の面163bとを面一にした構成である。このようにすれば、Z軸方向磁束成分のX軸方向磁束成分に対する割合又は比率を、下記構成Bに比べて高くすることが可能となる。
構成Bは、第3磁極端部163の第1側(+Z)の面163bを、第2ヨーク140の先端143bよりも、第1側(+Z)に突出させた構成である。このようにすれば、X軸方向磁束成分のZ軸方向磁束成分に対する割合又は比率を、上記構成Aに比べて高くすることが可能となる。
以下、本開示の第3実施形態について、図9を用いて説明する。第3実施形態は、第2実施形態から第3ヨーク160を除去した構成である。第2実施形態と同じ部材については同じ符号を付して説明を省略する。図9に示すように、電磁石201は、中心軸CLを中心として半径R1がL1よりも大きい円領域である第1領域Ar1には、第1ヨーク130及び第2ヨーク140以外のヨークの磁極対が配置されていない。更に、Y軸方向及びZ軸方向に平行であり且つ中心軸CLを通るYZ面(図9にてPyzと表記)に重なる位置に、第1ヨーク130及び第2ヨーク140以外のヨークが配置されていない。更に、半径R1はL1×1.5よりも大きいことが好ましい。
このように、第1ヨーク130及び第2ヨーク140以外のヨークの磁極対が第1領域Ar1に配置されていないので、XZ平面上の任意方向の磁場を適切に印加可能となる。
このように、リターンヨークとしての第3ヨーク160を設け、上記条件を充足することで、第3ヨーク160によって第2ヨーク140から発現するZ軸方向成分の磁場を強化することが可能となる。
この構成によれば、第2ヨーク140の先端143の中心軸CLの径方向外側の領域に第3ヨーク160が配置されないので、他の機器との干渉を避けることができ、電磁石の利便性を向上させることが可能となる。
この構成によれば、第1ヨーク130及び第2ヨーク140のY軸方向の両側にヨークが配置されていない領域を得ることができるので、他の機器を配置するといった利便性を向上させた電磁石201を提供可能となる。
この構成によれば、逆電流モードによって第1ヨーク130によってZ軸方向成分の磁場を発生させることが可能となる。
以下、本開示の第4実施形態の第1例、第2例及び第3例について、図10〜12を用いて説明する。第4実施形態の課題は、第1〜3実施形態の課題と異なる。第4実施形態は、Z軸方向磁束成分の他方向磁束成分に対する割合又は比率をコントロールする課題に対応する。
2 電流供給部
30、130 第1ヨーク
31、131 第1コイル
32、132 第3コイル
33、133 第1磁極端部
37a テーパ面
40、140 第2ヨーク
41、141 第2コイル
43、143 第2ヨークの棒状部位
5 支持部
Gp ギャップ
CL 中心軸
+Z 第1側
−Z 第2側
Claims (12)
- 先端の磁極がギャップを挟んでX軸方向に沿って離間し、Z軸方向に平行な中心軸を中心として互いに軸対称となる位置に配置されている一対の第1磁極端部を有し、前記ギャップと共に閉磁路を形成可能な第1ヨークと、
前記第1ヨークに巻き付けられる第1コイルと、
前記中心軸と同軸の棒状部位を有し、前記棒状部位の先端の磁極がZ軸方向の第1側を向いており、前記第1ヨークに磁気的に接続される第2ヨークと、
を備え、
各々の前記第1磁極端部の先端部の前記第1側の面は、Y軸方向の両側に配置される一対のテーパ面を有し、
前記一対のテーパ面はそれぞれ、Y軸方向における中心から外側端に向かってZ軸方向における前記第1側から前記第1側とは反対側である第2側へ向けて傾斜している、電磁石。 - 各々の前記第1磁極端部は、基端側のY軸方向の幅よりも先端のY軸方向の幅が広いT字状に形成されている、請求項1に記載の電磁石。
- 前記第2ヨークに巻き付けられる第2コイルを更に備え、
前記第1コイル及び前記第2コイルに流す電流を変化させることで、X軸方向及びZ軸方向に平行なXZ面上における任意方向の磁場を前記中心軸上に印加可能に構成されている、請求項1又は2に記載の電磁石。 - 前記第1ヨークに巻き付けられる、前記第1コイルとは異なる第3コイルを更に備え、
第1方向に向かう磁束を前記中心軸上に発生させる電流を前記第1コイルに流し、且つ、前記第1方向とは逆の第2方向に向かう磁束を前記中心軸上に発生させる電流を前記第3コイルに流すことにより、前記中心軸上にZ軸方向成分を有する磁束を発現可能である、請求項1〜3のいずれかに記載の電磁石。 - 前記一対の第1磁極端部は、基端側から先端に向けて前記第2側から前記第1側へ延びる棒状に形成されており、
前記電磁石は、前記一対の第1磁極端部を前記第2側から支持する非磁性体の支持部を更に備える、請求項1〜4のいずれかに記載の電磁石。 - 先端の磁極がギャップを挟んでX軸方向に沿って離間し、Z軸方向に平行な中心軸を中心として互いに軸対称となる位置に配置されている一対の第1磁極端部を有し、前記ギャップと共に閉磁路を形成可能な第1ヨークと、
前記第1ヨークに巻き付けられる第1コイルと、
前記第1ヨークに磁気的に接続され、前記中心軸と同軸の棒状部位を有する第2ヨークと、
前記第2ヨークに巻き付けられる第2コイルと、
を備え、
前記中心軸の径方向における前記第1磁極端部の磁極間距離をL1とし、前記中心軸を中心として半径がL1よりも大きい円領域である第1領域には、前記第1ヨーク及び前記第2ヨーク以外のヨークの磁極対が配置されていない、電磁石。 - 前記第2ヨークに磁気的に接続される第3ヨークを更に備え、
前記第3ヨークは、先端の磁極が前記中心軸を通るY軸方向に沿って離間し、前記中心軸を中心として互いに軸対称となる位置に配置されている一対の第3磁極端部を有し、
前記第3ヨークにはコイルが巻かれておらず、前記第3磁極端部の先端の磁極は前記第1領域外に配置されている、請求項6に記載の電磁石。 - Y軸方向及びZ軸方向に平行であり且つ前記中心軸を通るYZ面に重なる位置に、前記第1ヨーク及び前記第2ヨーク以外のヨークが配置されていない、請求項6に記載の電磁石。
- 前記第1ヨークに巻き付けられる、前記第1コイルとは異なる第3コイルを更に備え、
第1方向に向かう磁束を前記中心軸上に発生させる電流を前記第1コイルに流し、且つ、前記第1方向とは逆の第2方向に向かう磁束を前記中心軸上に発生させる電流を前記第3コイルに流すことにより、前記中心軸上にZ軸方向成分を有する磁束を発現可能である、請求項6〜8のいずれかに記載の電磁石。 - 前記第2ヨークの前記棒状部位の先端がZ軸方向の第1側を向いており、
前記第2ヨークの前記棒状部位の先端は、前記第1ヨークの前記第1磁極端部の前記第1側の面と面一である、又は、前記第1ヨークの前記第1磁極端部の前記第1側の面よりも前記第1側へ突出している、請求項1〜9のいずれかに記載の電磁石。 - 前記第2ヨークの前記棒状部位の先端がZ軸方向の第1側を向いており、
前記第2ヨークの前記棒状部位の先端は、前記第1ヨークの前記第1磁極端部の前記第1側の面よりも、Z軸方向における前記第1側とは反対側である第2側に位置している、請求項1〜9のいずれかに記載の電磁石。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の電磁石と、
前記電磁石の各コイルに電流を供給する電流供給部と、を備える、磁場印加システム。
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