JP6061771B2 - 試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置 Download PDF

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Description

本発明は、観察もしくは加工などの対象となる試料に対して磁場を印加する場合に好適な試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置に関する。
電子顕微鏡の内部で磁性体試料を電子線が通過する際、電子は試料内部の磁束によってローレンツ力によって偏向される。この原理を応用したローレンツ電子顕微鏡法や電子線ホログラフィ法によって、試料内部の磁区構造を観察することが出来る。この手法が最も有効なのは、試料の面内方向に磁場を印加したときの、試料磁化の面内成分の磁気応答を調べる場合である。
試料保持装置に、軟磁性体磁気コアと磁場印加コイルからなる、磁気ギャップを有する磁気回路を備えた磁場印加部を組み込むことにより、光軸に垂直な磁場を与えながら、試料面内の磁区構造の変化を『その場』観察することが行われている。電子顕微鏡用の試料は、一般に3mm径の円盤形状の外形を有する。この試料より大きな磁気ギャップ中には、試料を正確に位置させ、試料面と平行な磁場を印加させることが出来るが、最大磁場は数十エルステッドに留まることが多い。そこで、印加磁場を大きくするために、試料サイズより狭い間隔の磁気ギャップを持つ磁極対の上下端面と試料表面を密着させることが行われている(特許文献1、3)。しかしこの場合、磁気ギャップから自由空間に漏れ出す磁場を利用しているため、試料磁場は試料表面とは完全に平行とならず、試料表面と垂直方向の成分を持つ。また、磁気ギャップ中心から大きく離れた地点のため、印加磁場の空間変動が大きいという欠点がある。この手法のもう一つの欠点は、磁性体の残留磁化のため、通電電流をゼロとしても磁場がゼロとならず、無磁場状態における試料の状態を観察することが困難であることである。
また、この手法を用いた場合でも、最大印加磁場は200エルステッド程度に留まっていた。これは、この機構によっては、磁気ギャップと、試料を正確に位置合わせすることは困難であるために、磁気ギャップが1ミリ程度のオーダーに留まっていたためである。
また、試料保持装置を取り囲むように本体側に設置した超伝導電磁石の組からなる全方位型磁場印加装置も存在する(特許文献2)。空芯型の超伝導コイルを用いているため、残留磁場をゼロにすることは可能であるが、最大磁場は同様に200エルステッド程度に留まり、磁場による電子線の偏向を補正する機構を備えた5段構造の磁場印加装置は形状が大型化するという欠点を有していた。
特開平8―264146号公報 特開2002−296333号公報 特開2007−80724号公報
発明者等は、上記背景技術を踏まえ、今後磁性体試料の加工や観察の際に課題となりそうな事項について更に検討し、特に、試料に数キロエルステッドの大磁場が印加されると電子等の荷電粒子が大きく曲げられること、試料への磁場印加の有・無の切り替えができないこと等の対策が必要になると考えた。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、試料への磁場印加による荷電粒子線の曲がりの影響が低減・防止でき、且つ磁場印加を行いながら試料観察を行うモードと、完全に磁場ゼロとなる磁場フリーモードを簡便に切り替える手段を備えた試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態として、試料に対し磁場を印加する磁場ギャップを有する磁気回路を3つ以上有する磁場発生部と、
一端に前記試料を保持する梁状の試料保持部と、
前記磁場ギャップの範囲において、前記試料と前記磁場ギャップの相対位置を調整する移動機構部と、
試料ホルダの外形構造を規定するフレーム部を有し、
前記磁場ギャップは荷電粒子線の光軸に設置可能であることを特徴とする試料ホルダとする。
また、試料に対し荷電粒子線を照射する照射光学系と、
前記試料に対し磁場を印加する磁場ギャップを有する磁気回路を、3つ以上有する磁場発生部と、
一端に前記試料を保持する梁状の試料保持部と、
前記磁場ギャップの範囲において、前記試料と前記磁場ギャップの相対位置を調整する移動機構部とを有することを特徴とする荷電粒子線装置とする。
試料への磁場印加による荷電粒子線の曲がりの影響が低減・防止でき、且つ磁場印加を行いながら試料観察を行うモードと、完全に磁場ゼロとなる磁場フリーモードを簡便に切り替える手段を備えた試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置を提供することができる。
本発明の第1の実施例に係る試料ホルダにおける三段の磁場印加・振り戻し、電子の軌跡と偏向角を示す要部断面図である。 磁場強度を(段間距離/磁極厚さ)の関数として表示したグラフである。 本発明の第1の実施例に係る試料ホルダにおけるフレーム部・試料部・磁場印加部・移動機構部の位置関係を示す概略全体斜視図である。 本発明の第1の実施例に係る試料ホルダにおいて、試料を第一段ギャップ中に配置する場合の要部斜視図である。 本発明の第1の実施例に係る荷電粒子線装置におけるコイルの通電電流と、電子線装置本体の偏向コイル系と試料位置を協調的に制御する機構の模式図である。 本発明の第2の実施例に係る試料ホルダにおいて、試料を第二段ギャップ中に配置し、最大磁場を印加する場合の要部斜視図である。 本発明の第2の実施例に係る試料ホルダにおいて、試料と磁場印加部を離して配置する場合の要部斜視図である。 本発明の第1の実施例に係る試料ホルダにおける三段組磁極の基本構成斜視図である。 図3に示す試料ホルダを90度傾けたときの電子線と試料・磁極の位置関係を示す概略全体斜視図である。
荷電粒子線装置の光軸に垂直な数キロエルステッドの大磁場を、試料を磁気ギャップ中心に位置させて、磁場印加を行いながら試料観察を行うモードと、完全に磁場ゼロとなる磁場フリーモードを簡便に切り替える手段を提供するために、梁状の試料保持部の先端に固定した試料を、磁場印加部(磁気ヨーク)に形成した間隔および厚さの小さな磁気ギャップの中心に、移動機構部を用いて配置する機能を備えた磁場印加ホルダとした。また、上記磁気ヨークを複数段備えた可動型一体型磁場印加機構により、磁場印加観察モードと磁場フリーモードを容易に切り替えられる磁場印加ホルダとした。なお、試料に数キロエルステッドの大磁場を印加するために、ここでは、試料が磁気ヨークギャップに納まるように所望の大きさに加工して用いる。これにより、励磁コイルの小型化・通電電流の抑制が可能となる。
厚さ・間隔の小さな磁気ギャップ中に試料を配置することにより、試料面内に大磁場を印加し、かつ電子線の偏向量を小さく抑えることが出来る。多段構成からなる一体型磁場印加機構部を、移動機構によって可動とし、磁場印加部と試料の相対位置関係を切り替え、複数の操作モードで機能させることが出来る。
以下、実施例により図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施例について図1〜図5、図8及び図9を用いて説明する。図8に本実施例1に係る試料ホルダにおける三段の磁気ギャップ351〜353を有する磁場印加部301の基本構成斜視図を示す。磁場印加部の第1段は磁気ギャップ351を有する磁気ヨーク311と巻き線331とを、第2段は磁気ギャップ352を有する磁気ヨーク312と巻き線332とを、第3段は磁気ギャップ353を有する磁気ヨーク313と巻き線333とをそれぞれ有する。各段の巻き線(コイル)331、332、333にそれぞれ電流341、342、343を流すことにより、各段の磁気ギャップ351、352、353の中に磁界361、362、363が生じる。本実施例では磁場印加部301を三段としたが、それ以上とすることもできる。なお、符号317は磁極の厚みt、符号371は第1段の磁気ギャップ長L、符号372は第2段の磁気ギャップ長L、符号373は第3段の磁気ギャップ長Lを示す。また、各図において同一符号は同一構成要素を示す。また、本実施例では電子線を用いた場合について説明するが、イオン線を用いた場合にも適用可能である。
図1は、本実施例に係る試料ホルダにおける三段の磁場印加・振り戻し、電子の軌跡と偏向角を示す要部断面図である。図1を用いて、三段の磁気ヨークギャップ351〜353の中を電子が通過する際の軌道について説明する。一段目と三段目には、順方向の磁場Hを印加し、中間段にはその2倍の逆方向の磁場を印加することにより、三段の偏向段を通過した電子線軌道12は、電子線装置の光軸11に戻ることになる。磁気ヨークギャップ351〜353に生成される磁場361〜363は、式(1)に示すように通電電流Iとコイル巻き数Nに比例し、磁気ギャップ長371〜373(L)に反比例する。よって、極めて狭い磁気ギャップ長371〜373を形成し、その中心に試料を配置することにより、試料にキロエルステッド級の大磁場を印加することが可能になる。本配置の利点は、磁場強度361を変化させたときに、電子線軌道12が試料201から僅かしかずれないことである。この小さなずれは、電子線装置本体の電子線変更コイル系によって容易に補正することができる。磁場による電子線の偏向は磁極ギャップ中のみで起こり、各段の間では直線軌道を描く。式(2)は偏向角θが磁場強度Hと磁場中での電子の飛程長との積に比例する式である。ギャップ中での偏向角θは、式(2)に示すように磁極の厚さ317(t)に比例する。よって、磁場強度361〜363は大きくても、磁極の厚み317を小さくすることにより偏向角θの増大を抑制出来る。
Figure 0006061771
Figure 0006061771
電子線が第二段磁気ヨークギャップ352に到達したときの電子軌道の光軸からの変位(距離)Δxは、磁極間の磁場フリー空間を偏向角θで電子が飛行するときに生じるものであり、段間距離をDとしたときに式(3)の形で近似的に書ける。式(3)は電子軌道の光軸からのずれ距離Δxが、偏向角θと段間距離Dの積に比例することを示す式である。
Figure 0006061771
従って、本実施例のように、磁場空間を小さくする設計を行う場合には、電子ビームの軌跡が磁場空間から逸脱する可能性があるから、段間距離316(D)を小さくして電子ビームの光軸からのずれは小さく抑制出来ることが重要になる。一方で、段間距離316を小さくし過ぎた場合は、隣接段の逆磁場の影響により、磁気ギャップに形成される磁場の最大強度が減じられたり、磁気ヨークギャップ351〜353内の磁場の均一性が損なわれる可能性がある。図2は、磁場強度を(段間距離/磁極厚さ)の関数として表示したグラフである。グラフからわかるように、(段間距離/磁極厚さ)が3を下回ると、光軸と磁極上面(下面)位置が交わる点での磁場強度が大きく減少する。試料はギャップ中の磁場勾配が小さいところに配置すると都合がいいが、これが困難になることを意味する。従って、(段間距離/磁極厚さ)が3以上となるような構成が望ましい。
図3に、試料ホルダフレーム101、ホルダ部すり割り部102、試料201、片持ち梁状試料支持部(保持部)202、磁場印加部301、磁場印加部移動機構511〜513の配置を示す。本実施例においては、図4に示すように電子線流12の最上流側の第一段磁気ヨークギャップ351の中央に試料201を配置する。片持ち梁状試料支持部202先端に固定した試料201を固定しフレーム部101に固定する。磁気ギャップを有する磁気ヨーク311〜313に励磁用コイル331〜333が巻き付けられた磁場発生部(磁場印加部)301を可動機構511〜513により接近させ、第一段磁気ヨークギャップ351中央に観察試料201が位置するようにセッティングを行う。粗調整は、電子顕微鏡外で、実体顕微鏡下で行うのが便利であるが、フレーム部101にすり割り部102を入れることで、試料201と第一段磁気ヨークギャップ351の三次元的な位置関係を見やすくすることができる。
試料201をセットした試料ホルダを電子線装置10に導入し、電子ビームを照射し電子顕微鏡像を視認しながら、試料201と磁気ヨークギャップ351の位置関係を、移動機構511〜513によって調整する。また、図9に示すように、試料ホルダを電子顕微鏡内で90度回転させると、ホルダ両側に入れられたすり割り部102を電子ビーム12が通過するから、同じく電子顕微鏡像を見ながら、磁気ギャップと試料の位置関係を、移動機構511〜513によって調整することが出来る。
また、図5に示すように各段コイル巻き線の通電電流341〜343と、電子線装置10本体の電子線偏向コイル系15、16への通電電流を協調的に変化させる情報処理部601を設置するのも有効である。
各段の磁気ヨーク311〜313は、残留磁化が極めて小さく、かつ飽和磁化が大きな軟磁性体である80−20パーマロイや50−50パーマロイなどの材質で製作することが好ましい。
各段の磁気ヨーク311〜313を複数の部材で構成すると、接合に伴って形成される組み立て隙間もまた磁気ギャップとして機能するために、光軸に沿って配置した磁気ギャップ磁界361〜363が減じられることになる。よって、各段の磁気ヨークは一体物の部材からなっていることが好ましい。磁気ギャップを除いて一体の部品であることが望ましい。
また、各段の磁気ヨーク311〜313は、500μm以下の狭い磁気ギャップ長371〜373を持たせることで大磁場を得ることが出来る。しかしながら、この狭い磁気ヨークギャップ351〜353を光軸11に沿って配置するには、高い組立精度が要求される。
上記の困難は、磁気ヨーク311〜313を一体構造の部材として加工することにより回避出来る。光軸11に沿って狭い磁気ヨークギャップ351〜353を得るために、極細ワイヤーを用いてワイヤーカット加工を行う、放電加工機を用いるなどが有効である。
図3に示す試料ホルダを図5に示す荷電粒子線装置に取り付けて、磁性体試料を観察したところ、良好な結果を得ることができた。
以上、本実施例によれば、試料への磁場印加による荷電粒子線の曲がりの影響が低減・防止でき、且つ磁場印加を行いながら試料観察を行うモードと、完全に磁場ゼロとなる磁場フリーモードを簡便に切り替える手段を備えた試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置を提供することができる。また、試料を磁気ヨークギャップよりも小さく(例えば、500μm以下)加工することにより、大型の励磁コイルを用いて大電流を流すことなく試料へ大磁場を印加することができる。
第2の実施例について、図6を用いて説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。
本実施例においては、図6に示すように電子線流の最上流側から二段目の中段磁気ヨークギャップ352の中央に試料を配置する。空気中での粗調整および電子顕微鏡中での位置合わせは、実施例1で述べた方法により行うことが出来る。
本配置の利点は、実施例1の場合の2倍の試料磁場を印加出来る点にある。ただし、磁場強度361〜363を変化させたときに、電子線軌道12が試料201から大きくずれる場合が生じるので、磁場に追随して試料を移動する必要がある。
あるいは、図5に示すように各段コイル巻き線の通電電流341〜343、電子線装置10本体の電子線偏向コイル系15への通電電流、および荷電粒子装置本体の試料移動機構部22を協調的に制御する報処理部601と電流制御部602とを設置するのも有効である。なお、符号52は試料移動機構部の制御信号線、符号506は対物レンズを示す。
図6に示す試料ホルダを図5に示す荷電粒子線装置に取り付けて、磁性体試料を観察したところ、良好な結果を得ることができた。
以上、本実施例によれば、試料への磁場印加による荷電粒子線の曲がりの影響が低減・防止でき、且つ磁場印加を行いながら試料観察を行うモードと、完全に磁場ゼロとなる磁場フリーモードを簡便に切り替える手段を備えた試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置を提供することができる。また、試料を中段に配置することにより印加磁場強度を強めることができる。
第3の実施例について、図7を用いて説明する。なお、実施例1又は2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。
本実施例においては、図7に示すように磁場印加部を移動機構部によって光軸から大きく離れた位置まで移動させることにより、試料位置をゼロ磁場にする。通電電流341〜343をゼロにしても、磁気ヨーク311〜313の残留磁化によりギャップ磁界361〜363はゼロでない有限値を取る。よって、試料ゼロの状態を実現するには、磁場印加部移動機構513によって磁場印加部301を物理的に遠ざけることが有効であり、本実施例の利点は試料を完全な磁場フリー条件に置くことが出来る点である。
図7に示す試料ホルダを図5に示す荷電粒子線装置に取り付けて、磁性体試料を観察したところ、良好な結果を得ることができた。
以上、本実施例によれば、試料への磁場印加による荷電粒子線の曲がりの影響が低減・防止でき、且つ磁場印加を行いながら試料観察を行うモードと、完全に磁場ゼロとなる磁場フリーモードを簡便に切り替える手段を備えた試料ホルダおよびそれを用いた荷電粒子線装置を提供することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…電子線装置、11…電子線光軸、12…電子線軌道、15…電子線装置本体の第一電子線偏向コイル系、16…電子線装置本体の第一電子線偏向コイル系、22…電子線装置の試料移動機構部、52…制御信号線、101…フレーム部、102…すり割り部、201…試料、202…片持ち梁状試料支持部、301…磁場印加部(磁場発生部)、311…磁気ギャップを有する第一段磁気ヨーク、312…磁気ギャップを有する第二段磁気ヨーク、313…磁気ギャップを有する第三段磁気ヨーク、316…段間距離、317…磁極厚み、331…第一段コイル巻線、332…第二段コイル巻線、333…第三段コイル巻線、341…第一段コイル電流、342…第二段コイル電流、343…第三段コイル電流、351…第一段磁気ヨークギャップ、352…第二段磁気ヨークギャップ、353…第三段磁気ヨークギャップ、361…第一段磁気ギャップ磁界、362…第二段磁気ギャップ磁界、363…第三段磁気ギャップ磁界、371…第一段磁気ギャップ長、372…第二段磁気ギャップ長、373…第三段磁気ギャップ長、506…電子線装置本体の対物レンズ、511…x方向コイル可動機構、512…y方向コイル可動機構、513…z方向コイル可動機構、601…情報処理部、602…電流制御部。

Claims (8)

  1. 試料に対し磁場を印加する磁場ギャップを有する磁気回路を3つ以上有する磁場発生部と、
    一端に前記試料を保持する梁状の試料保持部と、
    前記磁場ギャップの範囲において、前記試料と前記磁場ギャップの相対位置を調整する移動機構部と、
    試料ホルダの外形構造を規定するフレーム部を有し、
    前記磁場ギャップは荷電粒子線の光軸に設置可能であることを特徴とする試料ホルダ。
  2. 請求項1に記載の試料ホルダを用いた荷電粒子線装置において、
    前記磁気回路は他の2つ以上の前記磁気回路と互いに磁極厚さの3倍以上の段間距離を有する一体構造であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1に記載の試料ホルダを用いた荷電粒子線装置において、
    前記移動機構部は3つ以上の前記磁場ギャップにおける任意の位置に前記試料を移動させ、前記位置に基づいて観察モードを変更する情報処理部とを有する荷電粒子線装置。
  4. 請求項3に記載の荷電粒子線装置において、
    前記情報処理部は、前記移動機構部により前記磁場ギャップの外側に前記試料を移動させ、前記試料が前記磁場ギャップの外側位置であることに基づき観察モードを変更することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1に記載の試料ホルダを用いた荷電粒子線装置において、
    3つ以上の前記磁回路は、2つ以上が前記荷電粒子線を振り戻すための磁回路であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1に記載の試料ホルダを用いた荷電粒子装置において、
    前記試料保持部は、前記フレーム部に固定されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6に記載の荷電粒子線装置において、
    前記フレーム部は、前記試料保持部に保持された試料と磁気ギャップを観察するためのすり割りを有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 試料に対し荷電粒子線を照射する照射光学系と、
    前記試料に対し磁場を印加する磁場ギャップを有する磁気回路を、3つ以上有する磁場発生部と、
    一端に前記試料を保持する梁状の試料保持部と、
    前記磁場ギャップの範囲において、前記試料と前記磁場ギャップの相対位置を調整する移動機構部とを有することを特徴とする荷電粒子線装置。
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