JP2021112874A - 金属ベース銅張積層板 - Google Patents

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篤 堀居
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Abstract

【課題】ヒートサイクルによるはんだ部分のクラックを抑制し、かつ、放熱性、高耐熱性、耐湿性、打ち抜き加工後の平面度、および、絶縁信頼性に優れた金属ベース積層板を提供する。【解決手段】金属板、絶縁層となる接着層、および、前記接着層によって前記金属板に接着された回路形成用金属箔からなる金属ベース銅張積層板であって、前記回路形成用金属箔は銅箔であり、前記接着層は、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属ベース銅張積層板に関するものである。
近年、自動車の電装化、燃費改善、あるいは、電気自動車(EV)の普及により、車載用電子機器の使用量は飛躍的に増加している。車載用電子機器は、自動車の居室スペースを確保するために、エンジンルーム等の温度変化が大きい過酷な環境の場所に搭載されることが求められている。また、車載用電子機器に使用される電子部品は高電圧、高電流の部品が増加しており、さらに、部品が高密度で実装される等、電子部品自体が発する熱も増大する傾向にある。このような環境にさらされる車載用電子機器は、使用される基板材料にも様々な厳しい性能が求められている。
車載用電子機器の基板に求められる性能としては耐熱性および絶縁性があり、このような性能を満たす基板として、例えば、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板等の耐熱性の高いセラミック基板がある(特許文献1参照)。しかしながら、セラミック基板は耐熱性および絶縁性は優れているが、大きいサイズの基板の場合、取り扱い上の適用が困難であり、またコストの面で問題がある。その他に、ガラスエポキシ基板もあるが、コストの面では問題はないが、放熱性に乏しく部品から発生する熱を十分に放散することができないという問題がある。
車載用電子機器の基板として金属ベース銅張積層板も使用されているが、従来の金属ベース銅張積層板は、放熱用の金属板と回路形成用の銅箔を絶縁接着材層で貼り合わて形成されており、放熱性は良好であり、低コストである。しかしながら金属ベース銅張積層板の放熱用金属板として用いられているのはアルミニウム板であり、実装される電子部品との線膨張係数の差に起因して、ヒートサイクル時にはんだ付け部分に応力が集中することで、はんだにクラックが生じやすく、はんだ接続信頼性の面で問題があった。
このような金属ベース銅張積層板の問題を解消するために、金属ベース銅張積層板の絶縁接着材層の高熱伝導化、低弾性化、さらに、高耐熱性、耐湿性を有する必要がある。このような目的のために、たとえば、特許文献2には、絶縁層にゴム組成物層と樹脂組成物層とからなる多層構造体を用いた金属ベース回路基板が開示されているが、耐湿信頼性試験で界面剥離する可能性がある。また、特許文献3には、絶縁接着層にシリコーンゴム粒子を含有させた金属ベース回路基板が開示されているが、シリコーン系の材料を用いると、低分子シロキサンにより電子機器の接点障害やLED製品のレンズが曇るといった問題が起こる可能性がある。他には、特許文献4には、反応性アクリルゴムで絶縁層を低弾性率化した金属ベース基板が開示されているが、耐湿性および熱伝導率が十分ではなく、絶縁接着層が柔らかくなりすぎると外力が加わった時に変形しやすく、打ち抜き加工後の平面度および絶縁信頼性が損なわれるといった工程上の問題が起こる可能性がある。
特許第6154383号公報 特開平11−150345号公報 特許第4187062号公報 特許第3209132号公報
そこで、本発明は従来の問題点を鑑み、ヒートサイクルによるはんだ部分のクラックを抑制し、かつ、放熱性、高耐熱性、耐湿性、打ち抜き加工後の平面度、および、絶縁信頼性に優れた金属ベース積層板を提供することを目的とする。
本発明の金属ベース銅張積層板は、金属板、絶縁層となる接着層、および、前記接着層によって前記金属板に接着された回路形成用金属箔からなる金属ベース銅張積層板であって、前記回路形成用金属箔は銅箔であり、前記接着層は、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在することを特徴とする。
前記金属板は、アルミニウム、銅、または、鉄からなる、または、アルミニウム、銅、および、鉄の1つを主成分とする合金からなり、アルミニウム合金A4045からなることが好ましい。
本発明の金属ベース銅張積層板は、金属板、絶縁層となる接着層、および、前記接着層によって前記金属板に接着された回路形成用金属箔からなる金属ベース銅張積層板であって、前記回路形成用金属箔は銅箔であり、前記接着層は、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在することにより、ヒートサイクルによるはんだ部分のクラックを抑制し、かつ、優れた放熱性、高耐熱性、耐湿性、打ち抜き加工後の平面度、および、絶縁信頼性を実現する。
前記金属板は、アルミニウム合金A4045からなることにより、低コストで、優れた効果を奏することができる。
本発明の金属ベース銅張積層板の概略断面図である。
本発明の金属ベース銅張積層板について詳細に説明する。図1に示すのは、本発明の金属ベース銅張積層板1の断面図である。
本発明の金属ベース銅張積層板1は、車載用電子機器等の基板として使用され、図1に示すように、金属板2、絶縁層となる接着層3、および、前記接着層3によって前記金属板2に接着された回路形成用金属箔4からなる。そして、前記金属ベース銅張積層板1の前記接着層3は、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在している。
絶縁層となる前記接着層3の貯蔵弾性率は低いほど緩和挙動に優れており、一般的に、貯蔵弾性率はガラス状領域でほぼ一定値を示し、ガラス転移温度(Tg)付近で急低下し、ガラス転移温度(Tg)以上の温度域では明瞭なゴム状平坦部を示す。このため、−40℃⇔125℃で代表されるヒートサイクル試験において20〜30℃の範囲で2000MPaを超えている場合、少なくとも−40〜30℃の温度範囲での緩和挙動は期待できないことから、金属ベース積層板1の表面上に実装されたチップ部品のはんだクラックに対しての抑制効果は不十分となる。そのために、本発明の金属ベース銅張積層板1の接着層3は、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下とすることを条件の1つとしている。
前記接着層3のTgがヒートサイクルの温度範囲内、または、温度範囲外の低温域側にある場合、はんだクラックを抑制できる可能性はあるが、ゴム状の性質を強く示すため、外部応力等に対して変形しやすく、打ち抜き加工後の平面度や外部応力に起因する絶縁信頼性が損なわれる。
一般的に損失正接(tanδ)はTgで極大値を示す。絶縁層となる接着層3は高分子材料特有の粘弾性体のため、tanδが0に近いほど弾性体に近く、大きいほど粘性体に近い性質を示す。tanδが0.2未満での応力緩和効果は乏しいことから、tanδが0.2以上となる必要がある。そのために、本発明は、前記接着層3の損失正接(tanδ)は低温域−50〜0℃にβ緩和、高温域130℃にα緩和を有する、つまり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在することが条件の1つとなる。β緩和はエポキシ樹脂骨格または硬化剤中の応力緩和セグメントに起因して発現することができ、α緩和は網目構造を形成したエポキシ樹脂のガラス転移温度に相当し、構造の橋かけ密度を密にするほど高くすることができる。従って、前記接着層3に使用する樹脂の条件としては、前記接着層3がβ緩和を発現する目的では分子量が大きい方が好ましく、かつ応力緩和セグメントをもつことが好ましいことからエポキシ樹脂(硬化剤として同等の機能を付加しても可)を使用し、α緩和を発現するためには密な網目構造を形成できる高耐熱エポキシ樹脂(ビフェニル型、ナフタレン型、イミド型等)を使用することが好ましい。
前記接着層3は、前記回路形成用金属箔4を前記金属板2に接着するための層であり、かつ、前記金属ベース銅張積層板1の絶縁層となる層である。前記接着層3は、離型フィルムをキャリアとして樹脂混合物を塗工、乾燥し、半硬化させて得られる離型フィルム付接着材料からなる。前記樹脂混合物は、エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アクリル系変性型エポキシ樹脂等を含有し、その他に、硬化剤、無機系充填材を含有している。前記接着層3は、離型フィルムをキャリアとして樹脂混合物を塗布、乾燥させ、半硬化させて得られる離型フィルム付接着材料からなる。前記接着層3の厚さは50〜240μmとするが、放熱性と絶縁信頼性の観点からすると80〜120μmとすることが好ましい。
前記金属板2はアルミニウム、銅、鉄または前記成分を主成分とするそれぞれの合金からなるものを選択することができ、その中でも、アルミニウム合金がコストの面で好ましい。純アルミ(JIS呼称:1000系)としてA1050、Al−Si合金(JIS呼称:4000系)としてA4045、 Al−Mg合金(JIS呼称:5000系)としてA5052が代表的であり、搭載部品との線膨張係数の差異が小さな4000系のアルミニウム合金A4045を前記金属体2に用いることがより好ましい。前記金属体の厚さは、0.5〜3.0mmとすることができる。
前記回路形成用金属箔4としては、従来の金属ベース銅張積層板に用いられている銅箔を使用する。前記銅箔の厚さは、18〜175μmとすることができる。
次に、本発明の金属ベース銅張積層板1の製造方法について説明する。金属板2として、例えば、所定の大きさのアルミニウム板を用意する。また、前記金属板2と同じ大きさの銅箔を回路形成用金属箔4として用意する。絶縁層となる樹脂層3を形成するために、エポキシ樹脂、硬化剤、および、無機系充填材等を含有する樹脂混合物、例えば、エポキシ樹脂ワニスを用意する。前記エポキシ樹脂ワニスを、剥離フィルムに所定の厚みで塗布し、乾燥させて形成した離型フィルム付接着材料を用意する。
前記離型フィルム付接着材料から離型フィルムを剥がして、前記金属板2の表面に配置する。そして、前記金属板2上の前記離型フィルム付接着材料の上に銅箔を配置する。このようにして、前記金属板2、前記離型フィルム付接着材料、銅箔を順番に積層した状態で、加圧加熱成形すると、前記離型フィルム付接着材料によって接着層3が形成され、前記金属板2、前記接着層3、および、前記銅箔からなる回路形成用金属箔4が一体に積層された金属ベース銅張積層板1が完成する。
加熱加圧成型には、ラミネータ、真空ラミネータ、プレス、真空プレス等を用いることができる。加圧加熱成型時の圧力については、樹脂の溶融粘度、流動性から適切に設定することが必要であり、1〜4MPa程度で段階的に昇圧しても良い。また、温度は、プレスの室温付近から昇温し、170〜180℃で数時間保持し、硬化を完了させる。
前記接着層3の形成方法としては、前記離型フィルムを用いないで形成することも可能である。例えば、回路形成用金属箔としての銅箔をキャリアとして樹脂混合物を塗布し、樹脂混合物を半硬化させて得られる銅箔付接着材料を使用しても良い。前記銅箔付接着材料を金属板と積層し、加熱加圧成型して、前記金属板2、前記接着層3、および、前記銅箔からなる回路形成用金属箔4が一体に積層された金属ベース銅張積層板1を得ることも可能である。
本発明の金属ベース銅張積層板は、高い熱伝導率性、実装される電子部品と金属板との線膨張係数の差に起因するはんだ接続部のクラック緩和、一部にガラス状のセグメントを残すことによる打ち抜き加工後の平面度の向上、高耐熱性、耐湿性、絶縁信頼性に優れているという効果を有する。
実施例を用いて、本発明の金属ベース銅張積層板について説明する。以下に、実施例1、2と比較例1〜4について順に説明する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:300)40重量部、アクリル系変性型エポキシ樹脂(エポキシ当量:300)60重量部、および、フェノールノボラック型硬化剤(フェノール当量:150)を含有する熱硬化性樹脂ワニスの樹脂固形分比100重量部に対し、無機系充填材としてアルミナ400重量部を含有するエポキシ樹脂ワニスを準備する。前記エポキシ樹脂ワニスを離型フィルムに、成形後の厚さが0.10mmとなるように塗布し、その後、乾燥させて接着層に使用する離型フィルム付接着材料を得る。
金属板として厚さ1.0mmのアルミ板(A4045)を用意し、前記アルミ板上に、離型フィルム付接着材料を離型フィルムを剥がした状態で配置し、さらに、前記離型フィルム付接着材料上に厚さ0.035mmの銅箔を配置する。このようにアルミ板、離型フィルム付接着材料、および、銅箔を順番に積層したものを加熱加圧装置の金属板の間に配置し、加熱加圧成形(温度:180℃、圧力:3MPa)することで、絶縁層である接着層の厚さが0.10mmの実施例1の金属ベース銅張積層板を得る。
実施例1の硬化材をアミド系硬化剤(アミン当量:21)に変更し、無機系充填材のアルミナを600重量部に変更し、その他の条件は全て同じとして、実施例2の金属ベース銅張積層板を得る。
比較例1
実施例1のアクリル変性型エポキシ樹脂を炭素長鎖長型エポキシ樹脂(エポキシ当量:300)に変更し、その他の条件は全て同じとして、比較例1の金属ベース銅張積層板を得る。
比較例2
実施例1のアクリル変性型エポキシ樹脂をゴム変性型エポキシ樹脂(エポキシ当量:300)に変更し、その他の条件は全て同じとして、比較例2の金属ベース銅張積層板を得る。
比較例3
実施例1のアクリル変性型エポキシ樹脂をウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂)に変更し、その他の条件は全て同じとして、比較例3の金属ベース銅張積層板を得る。
比較例4
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、および、フェノールノボラック型硬化剤を含有する熱硬化性樹脂ワニスの樹脂固形分比100重量部に対し、無機系充填材としてアルミナ900重量部を含有するエポキシ樹脂ワニスを準備し、その他の条件は全て同じとして、比較例4の金属ベース銅張積層板を得る。
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板を以下の方法でそれぞれ評価し、その結果を表1に示す。
〔貯蔵弾性率・損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域・ガラス転移温度〕
実施例1、2および比較例1〜4の接着層の厚さは全て0.10mmとし、動的粘弾性測定装置により引っ張りモード、周波数1Hz、昇温速度3℃/minで−70〜300℃までの範囲でそれぞれを確認した。
〔熱伝導率〕
実施例1、2および比較例1〜4の接着層のみを成型後の厚さが1.0mmとなるように加熱加圧成形(温度:180℃、圧力:3MPa)し、水中置換法により密度を測定し、DSC(示差走査熱量測定)法により比熱容量を測定し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定し、以下の式によって熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱容量(J/g・K)×熱拡散率(m/s)×1000
〔引き剥がし強さ〕
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板を、JIS C6481に準拠して、引き剥がし強さを測定した。
〔はんだ耐熱性〕
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板をJIS C6481に準拠して、300℃のはんだ槽に300秒間浸漬し、外観に膨れまたははがれが生じない最大時間を測定した。
〔耐電圧〕
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板の銅箔をエッチングにより除去した後、JIS C2110に準拠して、AC3000Vで1分間印加し、絶縁破壊の有無を確認した。
〔85℃/85%処理後の信頼性〕
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板を恒温恒湿器により温湿度条件85℃/85%RHにて3000時間処理した後、上述の引き剥がし強さ、はんだ耐熱性、耐電圧を確認した。この際、引き剥がし強さ、はんだ耐熱性、耐電圧の85℃/85%処理後の値が、処理前の初期値の50%以上である場合は〇とし、初期値の50%未満の場合は×と判定した。
〔打ち抜き加工後の平面度〕
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板の平面度はJIS 0621の「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」に基づいて、金型での打ち抜き後の試料を、レーザー光による非接触方式にて測定した。最大値−最小値の値が試験片サイズの最大長さに対して1%以内のものを〇、1%を超えるものを×と判定した。
〔ヒートサイクル性(チップ部品の耐はんだクラック性)〕
実施例1、2および比較例1〜4の金属ベース銅張積層板の銅箔をエッチングして回路を形成し、チップ抵抗素子(3.2mm×2.5mm)をはんだ接続した配線板を、−40℃で30分間、125℃で30分間放置を1サイクルとし、各サイクルの合否の判定基準を断面観察により、はんだクラックの進展率が50%以内であるものを合格とし、1500サイクルを超えるものを〇、満たないものを×と判定した。
Figure 2021112874
表1を見るとわかるように、実施例1,2の金属ベース銅張積層板は、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在するという本発明の金属ベース銅張積層板の全ての条件を満たしているのに対し、比較例1〜4については、熱伝導率については2W/m・k以上を満たしており、貯蔵弾性率についても満たすもの(比較例3)は存在しているが、本発明の金属ベース銅張積層板の全ての条件を満たすものは存在していない。特に、比較例1〜4は、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在するという条件を満たすものは無かった。
これは、実施例1,2が、β緩和を発現するために分子量が大きく、かつ応力緩和セグメントをもつエポキシ樹脂を使用しており、かつ、α緩和を発現するために密な網目構造を形成できる高耐熱エポキシ樹脂を使用しているのに対し、比較例1〜4はこのような条件を満たしておらず、β緩和の発現およびα緩和の発現の両方を満たしていないことを示している。
そして、ガラス転移温度(Tg)については、実施例1,2は高いのに対し、比較例は、比較例4が実施例1,2よりも高いが、比較例1〜3は非常に低くなっている。金属ベース銅張積層板の引き剥がし強さ、はんだ耐熱性、耐電圧については、実施例1,2は全て優れた結果を有しており、比較例1〜4についても同等の結果を有するものもある。しかしながら、85℃/85%処理後の信頼性、打ち抜き加工後の平面度、および、ヒートサイクル性(チップ部品の耐はんだクラック性)という金属ベース銅張積層板を実際に使用した際に必要とされる項目については、実施例1,2は全て優れた結果を有しているのに対し、比較例1〜4はいずれかの結果が劣っており、実際に車載用電子機器等の基板として使用した場合、十分な性能が確保されず、問題が生じる可能性が高いことは明らかである。
本発明の金属ベース銅張積層板1の接着層3に使用する樹脂については、、実施例1,2ではアクリル系変性型エポキシ樹脂をβ緩和を発現するために用いているが、β緩和の条件を満たす変性エポキシ樹脂を用いることも可能である。また、実施例1,2では一例としてビスフェノールA型を使用しているが、α緩和の発現をより高温域にするために、高耐熱グレードであるビフェニル型、ナフタレン型、イミド型等のエポキシ樹脂を使用することも可能である。
本発明の金属ベース銅張積層板は、絶縁層となる接着層が、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在することにより、高い熱伝導率性、実装される電子部品と金属板との線膨張係数の差に起因するはんだ接続部のクラック緩和、一部にガラス状のセグメントを残すことによる打ち抜き加工後の平面度の向上、高耐熱性、耐湿性、絶縁信頼性に優れているという効果を有する。
1 金属箔貼り積層板
2 金属板
3 接着層
4 回路形成用金属箔

Claims (3)

  1. 金属板、絶縁層となる接着層、および、前記接着層によって前記金属板に接着された回路形成用金属箔からなる金属ベース銅張積層板であって、
    前記回路形成用金属箔は銅箔であり、
    前記接着層は、熱伝導率が2W/m・k以上であり、貯蔵弾性率が20〜30℃において2000MPa以下であり、損失正接(tanδ)が0.2以上となる領域が、−50〜0℃の範囲、および、130℃以上の範囲の両方に存在することを特徴とする金属ベース銅張積層板。
  2. 前記金属板は、アルミニウム、銅、または、鉄からなる、または、アルミニウム、銅、および、鉄の1つを主成分とする合金からなることを特徴とする請求項1に記載の金属ベース銅張積層板。
  3. 前記金属板は、アルミニウム合金A4045からなることを特徴とする請求項1に記載の金属ベース銅張積層板。
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